JPH0310429Y2 - - Google Patents

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JPH0310429Y2
JPH0310429Y2 JP15747785U JP15747785U JPH0310429Y2 JP H0310429 Y2 JPH0310429 Y2 JP H0310429Y2 JP 15747785 U JP15747785 U JP 15747785U JP 15747785 U JP15747785 U JP 15747785U JP H0310429 Y2 JPH0310429 Y2 JP H0310429Y2
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【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案はデユアルタイプのダイナミツク・ダン
パーに係り、特に内燃機関のクランクシヤフト等
の回転軸に取り付けられることによつて、かかる
回転軸の振動を吸収し、以てかかる回転軸および
機関における振動、騒音を低減するデユアルタイ
プダンパーに関するものである。
(従来技術とその問題点) 一般に、内燃機関のクランクシヤフト等の回転
軸が回転する際には、該回転軸に複雑なトルク変
動が惹起され、それによつて、かかる回転軸およ
び機関に非常に複雑な振動、騒音が発生せしめら
れ、更には該回転軸の折損等の問題が惹起せしめ
られる。
そこで、従来から、車両のエンジン等において
は、その回転軸にフライホイールを取り付けてト
ルクの平滑化を図る他に、実開昭55−135838号、
実開昭56−15050号公報等に示されている如く、
かかる回転軸に、副振動系(吸振器)を有する円
筒状のトーシヨナルダンパーを取り付けて、該副
振動系を共振させることによつて、主振動系(回
転軸)における振動、騒音を吸収、低減しようと
する、所謂動的吸振器が採用されてきた。
ところで、このようなトーシヨナルダンパーに
おいては、例えば、クランクシヤフト等の回転軸
に固定されるボス部を備えたダンパープーリと、
該ダンパープーリに対して半径方向外側に且つ同
心的に配置される円筒状のダンパーマスとを含
み、且つそれらダンパープーリとダンパーマスと
の間に緩衝体としてのゴムなどの弾性材料からな
る円筒状の弾性体を介装せしめてなる構造が採用
され、クランクシヤフト等における捩り振動の共
振振幅を小さくすることによつて、かかる機関騒
音を低下させることが、その目的とされている。
しかしながら、クランクシヤフト等において発
生せしめられる振動は、主として捩りと曲げ(軸
直角方向)の2つの振動が複合して、回転軸及び
機関の支持状態などに応じた種々なる振動モード
を示すものであるところから、上述の如き従来の
トーシヨナルダンパーによる振動抑制機構では、
充分な効果が発揮され得なかつたのである。
すなわち、そのようなダンパーを備えた回転軸
にあつては、発生する捩り振動に対しては、前記
緩衝体としての弾性体における変形が剪断で発生
させられることとなるために、それに取り付けら
れたマスがダンパー(吸振器)として有効に作用
し得ることとなるが、一方、該回転軸に発生せし
められる曲げ振動に対応するマスの変位に対して
は、かかる弾性体の変形が圧縮乃至は引張りによ
つて発生するものであることに加えて、該弾性体
は捩り振動に対する所期の振動減衰効果を達成す
るために一定のバネ硬さが必要とされ、その厚み
が規制されるものであるところから、かかる弾性
体の軸直角方向におけるバネ特性が硬く設定され
ており、従つてそれに取り付けられたマスは曲げ
振動に対するダンパーとして有効に作用し得るも
のではなかつたのである。要するに、従来の吸振
器としてのトーシヨナルダンパーの効果は、あく
までも、回転軸における捩り振動に対してのみ有
効に発揮され得るものであつたのである。
また、近年、内燃機関のクランクシヤフトに取
り付けられるダンパーとして、かかる機関の高性
能化に起因するクランクシヤフトの振動の増大に
伴つて、2つのダンパーマスを備えたデユアルダ
ンパーが提案されている。
しかしながら、そのようなデユアルダンパーに
あつても、前述の如き従来のトーシヨナルダンパ
ー構造において、ダンパープーリの円筒部の内側
空間に同心的に円筒状の第二のダンパーマスを設
けると共に、該ダンパープーリの円筒部内周面と
該第二のダンパーマス外周面との間に薄肉円筒状
の弾性体を介装せしめてなる構造を有するに過ぎ
ないものであつた。換言すれば、従来のトーシヨ
ナルダンパーに対して、更にもう一つの捩り振動
に対する吸振器として作用する第二のダンパーマ
スを付加せしめたものに過ぎず、このため、曲げ
方向の振動を伴うクランクシヤフト等における吸
振器としては、決して有効な吸振効果を奏し得る
ものではなかつたのである。
このように、クランクシヤフト等の回転軸に取
り付けられて、該回転軸の振動を吸収、低減せし
めるように下従来の吸振器にあつては、何れも回
転軸の捩り方向の振動にのみ有効であつて、曲げ
方向の振動の吸収に対しては寄与するものではな
く、従つて内燃機関のクランクシヤフトの如く、
その振動が捩り方向と曲げ方向の2方向の要因を
有するものである場合においては、かかる回転軸
及び機関の振動、騒音を有効に低減し得るもので
はなかつたのであり、例えば350Hz付近に発生せ
しめられる打音感を伴う車両騒音の如き、回転軸
の曲げ振動に起因する騒音の低減は極めて困難で
あつたのである。
(解決手段) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背
景にして為されたものであつて、その目的とする
ところは、内燃機関のクランクシヤフト等の回転
軸に取り付けることによつて、該回転軸の捩り振
動および曲げ(軸直角方向)振動を吸収せしめ、
以てかかる回転軸および機関におけるそれらの振
動、騒音を効果的に低減し得るデユアルタイプダ
ンパーを提供することにある。
すなわち、本考案に係るデユアルタイプダンパ
ーの特徴とするところは、(a)回転軸に取り付けら
れるボス部と、該ボス部の半径方向外側に位置す
る円筒部と、該ボス部と該円筒部とをつなぐ連結
部とを有するダンパープーリと、(b)該ダンパープ
ーリの前記円筒部の半径方向外側に所定距離を隔
てて同心的に配置された第一のダンパーマスと、
(c)前記ダンパープーリの円筒部と該第一のダンパ
ーマスとの間に介装せしめられた第一の弾性体
と、(d)前記ダンパープーリの円筒部の内周面に圧
入、固定される円環状の取付金具と、(e)該取付金
具と該ダンパープーリの連結部との間に前記ダン
パープーリの円筒部の内側空間内で、同心的に配
置された円筒状の第二のダンパーマスと、(f)該第
二のダンパーマスの軸方向の端部とそれに対向す
る前記取付金具との間に設けられて、それら第二
のダンパーマス及び取付金具を連結せしめ、該第
二のダンパーマスの半径方向の動きに対して剪断
力を発揮する第二の弾性体とを含むように、構成
されていることにある。
(作用・効果) すなわち、上記の如き本考案に従う構造とされ
たデユアルタイプダンパーにあつては、ダンパー
プーリに対して、第一の弾性体を介して設けられ
た第一のダンパーマスが、従来のトーシヨナルダ
ンパーにおけるダンパーマスの如く、かかるダン
パーが取り付けられるべき所定の回転軸(主振動
系)に発生せしめられる捩り振動に対する副振動
系として機能し、捩り振動に対する動的吸振器と
して有効に作用する一方、該ダンパープーリに固
定せしめられた取付金具に対して、第二のダンパ
ーマスが、その軸直角方向の変位に対する変形が
剪断力を発生せしめるような状態で配置された第
二の弾性体を介して取り付けられているところか
ら、該第二の弾性体における軸直角方向のバネ特
性が充分軟らかく設定され得るのであり、それ故
第二のダンパーマスは、かかるダンパープーリが
取り付けられる回転軸に発生せしめられる曲げ
(軸直角方向)振動に対する副振動系として効果
的に機能し、曲げ振動に対する動的吸振器として
有効に作用し得ることとなる。
従つて、内燃機関のクランクシヤフト等の回転
軸に対して、このようなデユアルタイプダンパー
を取り付けることによつて、該回転軸に発生せし
められる振動が極めて容易に且つ効果的に抑制さ
れ得て、かかる機関の振動、騒音が著しく低減さ
れ得るのであり、このように曲げ方向の振動を伴
う回転軸に対して、有効な吸振効果を奏し得るダ
ンパーは従来においては全く見られなかつたもの
である。
また、本考案に係るデユアルタイプダンパーに
おける曲げ振動に対する副振動系は、第二のダン
パーマスが第二の弾性体の加硫接着等にて取付金
具に取り付けられることによつて一体的に構成さ
れてなる簡単な構造を有するものであり、そして
そのダンパープーリに対する取り付けは、該取付
金具をダンパープーリの円筒部の内周面に対して
圧入し、固定せしめることによつて為されるもの
であるところから、かかる副振動系の製作および
ダンパーの組付けが極めて容易となるのである。
さらに、本考案に係るデユアルタイプダンパー
において、曲げ振動に対する副振動系を構成する
第二のダンパーマスは、ダンパープーリの円筒部
の内側空間内において、該ダンパープーリの連結
部と該円筒部内周面に圧入せしめられた取付金具
との間の空間内に収容された状態で且つ該取付金
具に対して第二の弾性体によつて連結せしめられ
た状態で、ダンパープーリに取り付けられるもの
であるところから、万一、第二の弾性体が老化等
によつて破損した場合にあつても、第二のダンパ
ーマスのダンパープーリからの脱落は、取付金具
によつて良好に防止され得ることとなり、その安
全性が確保され得るのである。
加えて、本考案に従う構造とされたデユアルタ
イプダンパーにおける曲げ振動に対する副振動系
は、前述の如く、円筒状の第二のダンパーマス
と、該ダンパーマスをダンパープーリに対する取
付金具に連結せしめる第二の弾性体によつて構成
された簡単な構造を有するものであると共に、該
副振動系の固有振動数は、その質量およびバネ定
数によつて設定され得るものであるところから、
かかる副振動系の固有振動数を、その振動を吸収
すべき回転軸の共振周波数に対して容易に同調せ
しめ得ると共に、その効果が極めて良好に発現さ
れ得ることとなる。
(実施例) 以下、本考案をより一層具体的に明らかにする
ために、本考案に従う一実施例を図面に基づいて
詳細に説明することとする。
先ず、第1図には、本考案に従う構造とされた
Vプーリ兼用のデユアルタイプダンパー10の縦
断面図が示されている。
この図において、12は、かかるデユアルタイ
プダンパー10の中心部に位置し、略円筒形状を
呈するプーリであり、このダンパープーリ12の
外側には、径方向に所定の間隔をおいて、円筒状
の鋼製の第一のダンパーマス14が、同心的に配
置されており、それらの間にゴム製の第一の弾性
部材16が介在せしめられることによつて一体的
に構成されている。一方、ダンパープーリ12の
内周面上には、その軸方向端部において、円環状
を呈する鋼製の取付金具22が嵌合、固定せしめ
られている。そして、該取付金具22の軸方向の
内側端面に対して、円筒状を呈する鋼製の第二の
ダンパーマス18が、ゴム製の第二の弾性部材2
0によつて連結せしめられており、それによつて
該第二のダンパーマス18が、ダンパープーリ1
2の円筒部28の内部空間内において、該ダンパ
ープーリ12と同心的に保持せしめられている。
より詳細には、ダンパープーリ12は、図示さ
れていない所定の内燃機関のクランクシヤフトに
取り付けられて、それと共に回転する鋼製のプー
リであり、第2図および第3図に示されているよ
うに、所定のクランクシヤフトに取り付けられる
べき小径円筒状のボス部26と、該ボス部26の
半径方向外側に所定距離隔てて同心的に位置せし
められた円筒部28と、前記ボス部26外周面と
該円筒部28の内周面を連結せしめる、ボス部2
6の端部において半径方向外側にフランジ状に延
びる連結部30とによつて構成されている。な
お、円筒部28内周面における連結部30の形成
位置は、その軸心方向において、ボス部26側に
偏倚しており、円筒部28の内部空間が連結部3
0によつて軸直角方向に仕切られると共に、ボス
部26が位置しない側の内部空間が比較的大きく
されることによつて、マス収容空間32が形成さ
れている。
また、そのようなダンパープーリ12の外側に
配置された第一のダンパーマス14は、ダンパー
プーリ12の円筒部28と略同一の長さを有する
円筒状を呈しており、その外周面には多数のV溝
34が形成されている。そして、かかる外周面に
おいて、それらのV溝34に対応する断面形状を
有する所定のVベルトが巻掛けられることによつ
て、かかるデユアルタイプダンパー10が、クラ
ンクシヤフトからの駆動力を所定の後続部材に伝
達せしめるVベルト駆動用プーリとして機能し得
るようになつている。
また、該第一のダンパーマス14とダンパープ
ーリ12の円筒部28との間に配置せしめられる
第一の弾性部材16は、第4図に示されているよ
うに、第一のダンパーマス14と、その内側に所
定距離隔てて同心的に配置せしめられた、長さが
ダンパープーリ12と略同一の薄肉円筒形状をな
す金属スリーブ36との間隙内において、それら
と一体的に形成されており、該金属スリーブ36
が前記ダンパープーリ12の円筒部28外周面に
圧入、固定せしめられることによつて、ダンパー
プーリ12と一体的に連結されるようになつてい
る。
一方、ダンパープーリ12のマス収容空間32
内に配置せしめられる第二のダンパーマス18
は、第5図および第6図に示されている如く、円
筒形状を呈しており、その軸方向の一端側におい
て、該第二のダンパーマス18の外径よりも所定
寸法大きな外径を有する円環状の取付金具22の
一端面に対して、所定厚さの円環状の第二の弾性
部材20を介して、同一軸心上に位置せしめられ
た状態で一体的に取り付けられている。なお、取
付金具22には、軸方向に貫通する複数(本実施
例においては6つ)の貫通孔38が、周方向に等
間隔に設けられており、それら貫通孔38内に第
二の弾性部材20が侵入せしめられることによつ
て、該弾性部材20によるダンパーマス18と取
付金具22の結合性が高められている。
そして、第1図に示されているように、前記取
付金具22が、ダンパープーリ12の円筒部28
の端部内周面において、第二のダンパーマス18
がマス収容空間32内に位置するように圧入せし
められることによつて、ダンパープーリ12に固
定されているのであり、それによつて第二のダン
パーマス18が、第二の弾性部材20を介して、
ダンパープーリ12に同心的に取り付けられ、支
持せしめられている。
なお、第二のダンパーマス18の外径はダンパ
ープーリ12の円筒部28の内径よりも所定寸法
小さくされており、それによつて、該第二のダン
パーマス18がダンパープーリ12に取り付けら
れた状態下において、前記第二の弾性部材20の
変形に基づく所定量の軸直角方向変位が許容され
得る構造とされている。
ところで、このような構造を有するデユアルタ
イプダンパー10を得るに際しては、例えば、次
のような手法が好適に採用されることとなる。
先ず、第一のダンパーマス14と金属スリーブ
36を同心的に保持せしめた状態下において、所
定のゴム材料を加硫成形せしめて、第一の弾性部
材16を形成すると共に、それらを加硫接着せし
めることによつて、第4図に示されている如き、
第一の一体加硫成形品を得る。
一方、第二のダンパーマス18と取付金具22
とを、同一軸心上に且つ軸方向に所定距離を隔て
て保持せしめた状態で、取付金具22に設けられ
た貫通孔38を介してそれらの間隙内に所定のゴ
ム材料を導き、加硫成形せしめて、第二の弾性部
材20を形成すると共に、それらを加硫接着せし
めることによつて、第6図に示されている如き、
第二の一体加硫成形品を得る。
そして、この得られた第二の一体加硫成形品
を、ダンパープーリ12に対して、円筒部28の
端部内周面に取付金具22を圧入せしめることに
よつて、取り付け、固定せしめる。
その後、前記第一の一体加硫成形品を、その金
属スリーブ36を介してダンパープーリ12の円
筒部28外周面に対して圧入、固定せしめること
によつて、目的とするデユアルタイプダンパー1
0が得られることとなる。
なお、前記取付金具22の外径は、ダンパープ
ーリ12の円筒部28の内径よりも圧入代だけ大
きくされており、それによつて前記圧入によるダ
ンパープーリ12に対する固定が強固に為され得
るようにされている。また、前記金属スリーブ3
6の内径が、ダンパープーリ12の円筒部28の
外径よりも圧入代だけ小さく形成されていること
によつて、第一の弾性部材16に予備圧縮を加え
ると共に、かかるダンパープーリ12に対する固
定が強固に為され得るようになつている。
そして、このような構造を有するデユアルタイ
プダンパー10は、そのボス部26内周面におい
て、所定の内燃機関のクランクシヤフトに取り付
けられて使用されることとなるのである。
従つて、かかる構造のデユアルタイプダンパー
10にあつては、そのダンパープーリ12に取り
付けられるクランクシヤフトに発生せしめられる
捩り方向の振動に対しては、前記第一の弾性部材
16における変形が剪断で発生せしめられるもの
であるところから、それに取り付けられた第一の
ダンパーマス14が、かかる振動に対する吸振器
(副振動系)として効果的に作用し得ることとな
る。一方、クランクシヤフトに発生せしめられる
曲げ方向(軸直角方向)の振動に対しては、前記
第二の弾性部材20における変形が剪断で発生せ
しめられるのであり、従つてそれに取り付けられ
た第二のダンパーマス18が、かかる振動に対す
る吸振器(副振動系)として有効に作用し得るの
である。
すなわち、クランクシヤフトに発生せしめられ
る複雑な振動は、主として捩り方向と曲げ方向の
2方向の要因から発生せしめられるものであると
ころから、本実施例におけるデユアルタイプダン
パー10を取り付けることによつて、それぞれの
方向の振動が極めて効果的に吸収、抑制され得る
のであり、それによつてかかる機関の振動、騒音
が著しく低減され得ることとなり、例えば車両の
エンジンンに採用することによつて、従来のトー
シヨナルダンパーにおいては不可能であつた、
350Hz付近に発生する打音感を有する車両騒音に
対する抑制効果をも、極めて有効に発現し得るも
のである。
また、本実施例のデユアルタイプダンパー10
における曲げ振動に対する副振動系は、第二の弾
性部材20への加硫接着により、第二のダンパー
マス18と取付金具22とが連結せしめられるこ
とによつて、一体的に構成されており、そのダン
パープーリ12に対する取付けは、該取付金具2
2がダンパープーリ12の円筒部28の端部内周
面に対して圧入、固定せしめられることによつて
為されるものであるところから、かかる副振動系
の製作性およびダンパーの組付性が極めて良好で
あり、さらにダンパープーリ12に対する第二の
ダンパーマス18の位置決定は、該取付金具22
のダンパープーリ12への圧入操作に基づいて為
されることとなるところから、第二のダンパーマ
ス18のダンパープーリ12に対する同一軸心上
への位置決めが極めて正確且つ容易に為され得る
のであり、従つて製品間における取付位置のばら
つきがなく、不良品の発生が効果的に抑制され得
るのである。
更にまた、上述の如き第二のダンパーマス18
は、ダンパープーリ12のマス収容空間32内に
おいて、該ダンパープーリ12の連結部30と該
円筒部28の端部内周面に圧入せしめられた取付
金具22との間の空間内に収容された状態で、且
つ該取付金具22に対して第二の弾性部材20に
よつて連結せしめられた状態で、取り付けられる
ものであるところから、万一、第二の弾性部材が
破損した場合にあつても、かかる取付金具22が
フエイルセーフ機構として機能し、第二のダンパ
ーマスの脱落(飛び出し)が良好に防止され得
て、その安全性が確保され得るのである。
加えて、本実施例のデユアルタイプダンパー1
0における曲げ振動に対する副振動系は、前述の
如き、簡単な構造を有するものであると共に、該
副振動系の固有振動数は、第二のダンパーマス1
8の質量および第二の弾性部材20のバネ定数に
よつて設定され得るものであるところから、かか
る固有振動数を、その吸収を目的とするクランク
シヤフトの共振周波数に対して容易に同調させる
ことができるのである。
以上、本考案の好ましい一実施例について詳細
に述べてきたが、本考案が、かかる例示の具体例
にのみ限定して解釈されるものでは決してなく、
本考案の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者
の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた形態において実施することが可能であり、
本考案が、そのような実施形態のものをも含むも
のであることは、言うまでもないところである。
たとえば、本考案に係るデユアルタイプダンパ
ーが取り付けられるべき回転軸は、前記実施例に
示されている如き内燃機関のクランクシヤフトに
限られるものではなく、振動が発生せしめられる
種々なる回転軸に対して適用され得るものであつ
て、それによつて前述の如き優れた効果を有効に
奏し得るものである。
さらに、前記実施例におけるデユアルタイプダ
ンパー10は、Vリブドプーリを兼ねて形成され
ていたが、そのようなV溝を形成することなく、
取り付けられるべき回転軸における吸振器として
のみ作用し得る構造として形成、使用され得るも
のであることは、言うまでもない。
また、前記実施例のデユアルタイプダンパー1
0における取付金具22には、複数の貫通孔38
が設けられていたが、そのような貫通孔38が設
けられていない取付金具にあつても、本考案に従
うデユアルタイプダンパーに対して有効に適用さ
れ得るものである。
更にまた、前記実施例におけるデユアルタイプ
ダンパーにあつては、第一のダンパーマス14
が、第一の弾性部材16を介して金属スリーブ3
6と一体的に構成せしめられ、そして該金属スリ
ーブ38がダンパープーリ12の円筒部28外周
面に対して圧入せしめられることにより取り付け
られているが、第一のダンパーマス14は、第一
の弾性部材16を介してダンパープーリ12に取
り付けられておればよく、例えば、第一の弾性部
材をダンパープーリの円筒部と金属スリーブとの
間に一体加硫成形した後、該金属スリーブの外周
面に対して、第一のダンパーマスを圧入せしめる
ことによつて形成したり、また第一のダンパーマ
スとダンパープーリの円筒部外周面との間に、第
一の弾性部材を直接に加硫成形せしめて、それら
を一体的に固着すること等によつて構成すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の一実施例であるデユアルタ
イプダンパーの縦断面図であり、第2図は第1図
に示される実施例において用いられるダンパープ
ーリの正面図であり、第3図は第2図における
−断面図であり、第4図は第1図に示される実
施例において用いられる第一のダンパーマスと第
一の弾性部材および金属スリーブの一体加硫成形
品を示す縦断面図であり、また第5図及び第6図
は、それぞれ第1図に示される実施例において用
いられる第二のダンパーマスと第二の弾性部材お
よび取付金具の一体加硫成形品を示す図であり、
第5図はその正面図、第6図は第5図における
−断面図である。 10……デユアルタイプダンパー、12……ダ
ンパープーリ、14……第一のダンパーマス、1
6……第一の弾性部材、18……第二のダンパー
マス、20……第二の弾性部材、22……取付金
具、26……ボス部、28……円筒部、30……
連結部、32……マス収容空間。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転軸に取り付けられるボス部と、該ボス部の
    半径方向外側に位置する円筒部と、該ボス部と該
    円筒部とをつなぐ連結部とを有するダンパープー
    リと、 該ダンパープーリの前記円筒部の半径方向外側
    に所定距離を隔てて同心的に配置された第一のダ
    ンパーマスと、 前記ダンパープーリの円筒部と該第一のダンパ
    ーマスとの間に介装せしめられた第一の弾性体
    と、 前記ダンパープーリの円筒部の内周面に圧入、
    固定される円環状の取付金具と、 該取付金具と該ダンパープーリの連結部との間
    に前記ダンパープーリの円筒部の内側空間内で、
    同心的に配置された円筒状の第二のダンパーマス
    と、 該第二のダンパーマスの軸方向の端部とそれに
    対向する前記取付金具との間に設けられて、それ
    ら第二のダンパーマス及び取付金具を連結せし
    め、該第二のダンパーマスの半径方向の動きに対
    して剪断力を発揮する第二の弾性体とを、 含むことを特徴とするデユアルタイプダンパー。
JP15747785U 1985-10-15 1985-10-15 Expired JPH0310429Y2 (ja)

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