JP2004116640A - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハブ1に第一弾性体23を介して環状質量体22を弾性的に連結した動的吸振部2と、ハブ1に第二弾性体32を介してプーリ31を弾性的に連結したカップリング部3とを備える。プーリ31は、ハブ1の支持環14に第一ベアリング4を介して円周方向相対変位可能に支持されており、第二弾性体32は、第一弾性体23より外周側に位置すると共に、ハブ1に設けたフランジ部12と、プーリ31の内周に設けられてフランジ部12と略軸方向に対向する内向き鍔部31bとの間を、軸方向に連結している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等における駆動軸から他の回転機器へトルクを伝達すると共にそのトルクの変動を吸収するトルク変動吸収ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の内燃機関からの駆動力の一部は、クランクシャフトの先端に設けられたプーリから無端ベルトを介して例えばオルタネータやウォーターポンプ等の補機に与えられるが、クランクシャフトは内燃機関の各行程によるトルク変動を伴って回転されるので、前記プーリにはトルク変動を吸収して伝達トルクの平滑化を図るためのトルク変動吸収ダンパが用いられる。
【0003】
従来の技術によるこの種のトルク変動吸収ダンパとしては、例えば特許文献1に記載された駆動装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3155280号(第1図)
【0005】
すなわち、この装置は、クランクシャフトの軸端に取り付けられて一体に回転するハブの外周に、第一弾性体(弾性要素14)を介して環状質量体が連結され、前記ハブに、前記環状質量体に支持されたプーリから内周側へ延びる鍔部が、前記第一弾性体の内周側に位置する第二弾性体(弾性リング24)を介して軸方向に連結された構造を有する。そして、第一弾性体(弾性要素14)と環状質量体で構成される副振動系が、所定の周波数域において捩り方向へ共振することによる動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動を低減すると共に、クランクシャフトからハブへ入力された駆動トルクを、第二弾性体(弾性リング24)の捩り方向剪断変形作用によってトルク変動を吸収しながら、プーリへ伝達するものである。
【0006】
第二弾性体(弾性リング24)は、ハブとプーリを軸方向に連結しているため、取付スペースの制約等によって、当該トルク変動吸収ダンパの径方向のサイズを大きく取れないような場合でも、連結方向への第二弾性体(弾性リング24)の十分な肉厚を確保しあるいは、当該装置全体の小型化及び軽量化を図ることができる、といった点で、ハブとプーリを径方向に連結した場合に比較して有利な構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載された従来のトルク変動吸収ダンパによれば、第二弾性体(弾性リング24)が第一弾性体(弾性要素14)の内周側に位置するため、その円周が小さく、したがってハブ及びプーリの鍔部に対する接着面積が小さく、大きなトルク変動が入力された時の捩り変形に対する強度を十分なものにすることが困難である。また、ハブ及び環状質量体とプーリとの間に介装されたベアリングの耐久性が、ダストの侵入によって低下するおそれが指摘される。
【0008】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、ハブとプーリを連結する弾性体の接着強度を高め、また、ベアリングの耐久性を高めたトルク変動吸収ダンパを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、ハブに第一弾性体を介して環状質量体を弾性的に連結した動的吸振部と、前記ハブに第二弾性体を介してプーリを弾性的に連結したカップリング部とを備え、前記第二弾性体が、前記第一弾性体より外周側に位置すると共に、前記ハブの外周部に設けた外向き鍔部と、前記プーリの内周に設けられて前記外向き鍔部と略軸方向に対向する内向き鍔部との間を連結してなるものである。
【0010】
請求項2の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1に記載の構成において、プーリとハブとの間にベアリングが介装され、前記プーリとハブとの間の隙間における前記ベアリングの外側にダストシールが設けられる。
【0011】
請求項3の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1に記載の構成において、プーリと環状質量体との間にベアリングが介装され、前記プーリと環状質量体との間の隙間における前記ベアリングの外側にダストシールが設けられる。
【0012】
請求項4の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1又は2に記載の構成において、プーリが、ハブの外周に固定した支持環の外周に、ベアリングを介して支持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい第一の形態を、その軸心を通る平面で切断して示す断面図である。なお、以下の説明で用いられる「正面側」とは、図1における左側、すなわち車両のフロント側のことであり、「背面側」とは、図1における右側、すなわち図示されていない内燃機関が存在する側のことである。
【0014】
この図1に示されるように、本形態のトルク変動吸収ダンパは、内燃機関のクランクシャフトの軸端に取り付けられるハブ1と、このハブ1の外周側に設けられた動的吸振部2及びカップリング部3とを備える。
【0015】
ハブ1は、FCなどの金属材料で製作されたものであって、内周に、図示されていない内燃機関のクランクシャフトが挿通される軸孔1aが開設されたボス部11と、その正面側の端部から外周側へ延びるフランジ部12と、このフランジ部12の径方向中間部から正面側へ延びる内周筒部13と、更にフランジ部12の外周面に圧入嵌着されて正面側へ延びる円筒状の支持環14とを有する。軸孔1aの円周方向一部には、クランクシャフトとの回り止めのためのキー溝1bが形成され、ボス部11の外周面には、クランクシャフトの軸封装置として装着されるオイルシール(不図示)に対する硬質の摺動面11aが、熱処理によって形成されている。
【0016】
動的吸振部2は、ハブ1の内周筒部13の外周面に圧入嵌着された金属製のスリーブ21と、その外周側に同心的に配置された環状質量体22と、この環状質量体22と前記スリーブ21との対向周面間に加硫接着されることによりハブ1と環状質量体22とを弾性的に連結する第一弾性体23からなり、その捩り方向固有振動数は、環状質量体22の円周方向慣性質量と、第一弾性体23の捩り方向剪断ばね定数によって、クランクシャフトの捩れ角が最大となる所定の振動数域、言い換えればクランクシャフトの捩り方向固有振動数と合致するように同調されている。
【0017】
動的吸振部2における環状質量体22は、FCなどの金属材料で製作されたものであって、内周面が第一弾性体23と加硫接着された円筒部22aと、その正面側の端部から外周側へ展開する外向き鍔部22bとを有し、すなわち軸心を通る平面で切断した形状(図示の断面形状)が略L字形をなしている。
【0018】
動的吸振部2における第一弾性体23は、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなるものであって、所定の金型内に、スリーブ21と環状質量体22とを同心的にセットして、スリーブ21と環状質量体22の円筒部22aとの間に形成された環状のキャビティ内に成形用未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することにより、環状に加硫成形されると同時に加硫接着されたものである。すなわち、動的吸振部2を構成するスリーブ21、環状質量体22及び第一弾性体23は、互いに一体の成形体をなしており、成形後、スリーブ21をハブ1の内周筒部13の外周面に圧入嵌着することによって、このハブ1に組み込まれたものである。
【0019】
カップリング部3は、ハブ1の支持環14の外周に配置されたプーリ31と、このプーリ31をハブ1に弾性的に連結する第二弾性体32とからなる。ハブ1の支持環14とプーリ31との間には、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で成形された第一ベアリング4が介在され、プーリ31は、この第一ベアリング4によって、ハブ1の支持環14に円周方向相対変位可能に支持されている。また、ハブ1に設けた支持環14によって、プーリ31が、きわめて安定的に支持される。
【0020】
カップリング部3におけるプーリ31は、FCなどの金属材料によって製作されたものであって、外周面にポリV溝31aが形成され、正面寄りの部分に、環状質量体22における外向き鍔部22bとハブ1における支持環14の正面側の端部との間を通って内周側へ延びる内向き鍔部31bを有する。環状質量体22の外向き鍔部22bとプーリ31の内向き鍔部31bとの間には、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で成形された第二ベアリング5が介在され、プーリ31は、この第二ベアリング5を介して、環状質量体22の外向き鍔部22bによって軸方向の挙動が規制されている。
【0021】
カップリング部3における第二弾性体32は、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなるものであって、その一端が、ハブ1におけるフランジ部12の正面外周部12aに一体的に加硫接着されており、他端が、前記正面外周部12aと軸方向に対向しているプーリ31の内向き鍔部31bに一体的に加硫接着されている。すなわち、この第二弾性体32は、所定の金型内に、ハブ1とプーリ31とを同心的にセットして、そのフランジ部12と内向き鍔部31bの間に形成された環状のキャビティ内に成形用未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することにより、環状に加硫成形されると同時にハブ1及びプーリ31に加硫接着されたものである。
【0022】
プーリ31を、第一ベアリング4を介して支持している支持環14は、上述のような方法によって、ハブ1のフランジ部12とプーリ31の内向き鍔部31bとの間での第二弾性体32の加硫成形・加硫接着を可能とするために、ボス部11、フランジ部12及び内周筒部13からなるハブ1の本体部分とは別部材として製作され、その背面側の基部14aを、フランジ部12の外周に嵌着等によって一体化したものである。
【0023】
上述のように、ハブ1のフランジ部12の外周部と、プーリ31の内向き鍔部31bの内周部は、軸方向に互いに対向しているため、第二弾性体32は、両者間をほぼ軸方向に連結している。したがって、クランクシャフトからのトルク変動入力によって、ハブ1とプーリ31が円周方向へ相対変位した場合、第二弾性体32は、ハブ1のフランジ部12とプーリ31の内向き鍔部31bとの間で、捩り方向の剪断変形を受けるものである。
【0024】
第二弾性体32は、所要の径方向肉厚を有することによって、トルクを伝達するのに必要な強度が確保されると共に、連結方向(軸方向)に所要の肉厚を有することによって、動的吸振部2における第一弾性体23に比較して捩り方向ばね定数を十分に低くしてある。また、この第二弾性体32は、捩り変形を受けた時の歪が、内周側と外周側とでほぼ均一となるように、ハブ1のフランジ部12の正面外周部12aが、外周側ほど背面側へ後退したテーパ状に形成されることによって、外周側で軸方向肉厚が大きくなる形状となっている。更に、この第二弾性体32は、第一弾性体23及びその外周に加硫接着された環状質量体22の円筒部22aよりも外周側に位置しているため、円周が比較的長く、したがって、ハブ1のフランジ部12との接着面積及びプーリ31の内向き鍔部31bに対する接着面積は、従来に比較して大きいものとなっている。
【0025】
一方、動的吸振部2は、第一弾性体23がカップリング部3の第二弾性体32よりも内周側に位置することによって、その円周は小さくなるが、スリーブ21と、環状質量体22の円筒部22aの軸方向寸法を適切に設定することによって、第一弾性体23の所要の接着面積を確保することができる。また、この第一弾性体23に連結された環状質量体22の円筒部22aも、第二弾性体32より小径となるが、環状質量体22の慣性質量は、外向き鍔部22bの形成によって確保され、したがって、十分な動的吸振効果を得ることができる。
【0026】
ハブ1における支持環14の正面側の端部には、正面側へ突出した係合突起14bが円周方向等間隔で形成されており、それぞれプーリ31における内向き鍔部31bに開設されて軸心を中心とする円弧状に延びる係合孔31cに、円周方向に対する所要のクリアランスをもって遊嵌されている。すなわち、この係合突起14bは、係合孔31cの円周方向端部と干渉することによって、ハブ1に対するプーリ31の円周方向相対変位量を制限し、第二弾性体32の過大な捩り変形を防止するものである。
【0027】
以上の構成を具える本形態のトルク変動吸収ダンパは、ハブ1が内燃機関のクランクシャフトの軸端に装着されることによって、このクランクシャフトと共に回転される。クランクシャフトのトルクは、ハブ1から第二弾性体32を介してプーリ31へ伝達され、更に、プーリ31のポリV溝31aに巻き掛けられたベルト(不図示)を介して、冷却ファンや、オルタネータ等の補機の回転軸に伝達される。
【0028】
プーリ31には、ベルトの張力によって、軸心と垂直な方向の荷重が作用するが、このプーリ31は、ハブ1における支持環14の外周に、第一ベアリング4を介して支持されているため、プーリ31の偏心が防止される。また、プーリ31の軸方向の挙動は、このプーリ31における内向き鍔部31bが、第二弾性体32の軸方向圧縮弾性によって、環状質量体22における外向き鍔部22bの背面に第二ベアリング5を介して押し付けられることによって規制され、しかもその反力として、第二弾性体32に軸方向に適当な圧縮応力が加わっているので、第二弾性体32は、耐久性に優れたものとなっている。
【0029】
内燃機関の駆動は、吸気、圧縮、爆発(膨張)及び排気の各行程を繰り返しながら行われ、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換しているため、クランクシャフトには、回転に伴って周期的なトルク変動を生じるが、このトルク変動は、カップリング部3における第二弾性体32が低ばねで捩り方向へ剪断変形されることによって、熱エネルギに変換されるので、ベルトへの伝達トルクが平滑化される。一方、環状質量体22及び第一弾性体23で構成される動的吸振部2は、クランクシャフトの捩り振動による捩れ角が最大となる振動数域で円周方向に共振し、その共振によるトルクは入力振動のトルクと方向が逆になるため、クランクシャフトの捩れ角のピークを有効に低減することができる。
【0030】
なお、第二弾性体32とプーリ31は、一種の振動系を構成しているが、この振動系は、動的吸振部2に比較して捩り方向共振領域が十分に低周波域にあるため、動的吸振部2の共振自体によって生じるトルク変動も、第二弾性体32の柔軟な変形によって吸収され、プーリ31には伝達されない。
【0031】
大きなトルク変動の入力によって、ハブ1とプーリ31の円周方向相対変位量が所定の大きさに達すると、ハブ1の支持環14に設けられた係合突起14bと、プーリ31の内向き鍔部31bに開設された係合孔31cが円周方向に干渉するので、ハブ1とプーリ31の円周方向相対変位が制限され、第二弾性体32の過大な捩り変形が防止される。しかも、ハブ1のフランジ部12及びプーリ31の内向き鍔部31bに対する第二弾性体32の接着面積が、従来に比較して大きいものとなることから、第二弾性体32の優れた耐久性が確保される。
【0032】
また、何らかの原因によって、第二弾性体32が万一破損しても、プーリ31の内向き鍔部31bが、ハブ1の支持環14と、環状質量体22の外向き鍔部22bとの間に挟み込まれているため、プーリ31の脱落が確実に防止される。しかも、係合突起14bと係合孔31cが円周方向に互いに係合すると共に、その係合状態が、上述のように、プーリ31の内向き鍔部31bが、ハブ1の支持環14と、環状質量体22の外向き鍔部22bとの間に挟み込まれていることによって保持されるため、環状質量体22からプーリ31への駆動トルクの伝達は、第二弾性体32が破損しても継続して行われ、補機へのトルク遮断による内燃機関の停止といった事態を回避することができる。
【0033】
ところで、第一及び第二ベアリング4,5の摺動部にダストが介入すると、このベアリング4,5の耐久性が損なわれることになる。したがって、ハブ1における支持環14とプーリ31との間の隙間G1、及び環状質量体22の外向き鍔部22bとプーリ31との間の隙間G2は、第一及び第二ベアリング4,5の摺動部へダストが侵入しにくくなるように、ラビリンス状に屈曲した断面形状となっている。
【0034】
図2は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの第2の形態を、その軸心を通る平面で切断して示す断面図で、すなわちこの形態によるトルク変動吸収ダンパは、第一及び第二ベアリング4,5へのダストの侵入を確実に防止するために、第一及び第二ダストシール6,7を設けたものである。
【0035】
詳しくは、第一ダストシール6は、ゴム状弾性材料で環状に成形されたものであって、プーリ31とハブ1の支持環14との間の隙間G1における第一ベアリング4の外側(背面側)に位置して、前記プーリ31と支持環14の対向面のうちいずれか一方に一体的に設けられ、他方の面と摺動可能に密接されている。第二ダストシール7も、同様に、ゴム状弾性材料で環状に成形されたものであって、プーリ31の内向き鍔部31bと環状質量体22の外向き鍔部22bとの間の隙間G2における第二ベアリング5の外側(外周側)に位置して、前記内向き鍔部31bと外向き鍔部22bの対向面のうちいずれか一方に一体的に設けられ、他方の面と摺動可能に密接されている。
【0036】
その他の部分は、ハブ1が円筒状のボス部を有さず、軸孔1aの周囲に円周方向所定間隔で開設した複数の取付孔1cに、それぞれ挿通する取付ボルト(不図示)によって、クランクシャフトの軸端に取り付けられるようになっていることや、ハブ1とプーリ31の円周方向相対変位を制限するストッパ機構が、プーリ31の内周面における背面側の端部に形成された係合凹部31dと、ハブ1の支持環14の外周面における背面側の端部に形成されて係合凹部31dに遊嵌される係合突起14cからなること以外、基本的には、先の図1に示される第一の形態と同様である。
【0037】
したがって、この形態によるトルク変動吸収ダンパにおいても、ハブ1のフランジ部12及びプーリ31の内向き鍔部31bに対する第二弾性体32の接着面積が、従来に比較して大きいものとなって、第二弾性体32の優れた耐久性が確保され、万一、第二弾性体32が破損しても、プーリ31の脱落が確実に防止されると共に、係合凹部31dと係合突起14bが円周方向に互いに係合することによって、環状質量体22からプーリ31への駆動トルクの伝達が補償されるといった効果が実現される。
【0038】
また、第一及び第二ベアリング4,5が、外部から侵入しようとするダストから保護されているので、その耐久性が確保され、プーリ31を安定的に支持することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、プーリをハブに弾性的に連結する第二弾性体が、ハブに環状質量体を弾性的に連結する第一弾性体の外周側に位置しているため、ハブ及びプーリに対する第二弾性体の接着面積を大きく取ることができ、その結果、第二弾性体の優れた耐久性が確保される。
【0040】
請求項2の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、請求項1による効果に加え、プーリとハブとの間に介装されたベアリングが、ダストシールによって外部のダストから保護されるので、プーリを径方向に対して安定的に支持することができる。
【0041】
請求項3の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、請求項1による効果に加え、プーリと環状質量体との間に介装されたベアリングが、ダストシールによって外部のダストから保護されるので、プーリを軸方向に対して安定的に支持することができる。
【0042】
請求項4の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、ハブの外周に固定した支持環によって、プーリを、一層安定した状態に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク変動吸収ダンパの実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】本発明に係るトルク変動吸収ダンパの第二の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
11 ボス部
12 フランジ部
13 内周筒部
14 支持環
14a 基部
14b,14c 係合突起
2 動的吸振部
21 スリーブ
22 環状質量体
22a 円筒部
22b 外向き鍔部
23 第一弾性体
3 カップリング部
31 プーリ
31a ポリV溝
31b 内向き鍔部
31c 係合孔
32 第二弾性体
4 第一ベアリング
5 第二ベアリング
6 第一ダストシール
7 第二ダストシール
Claims (4)
- ハブ(1)に第一弾性体(23)を介して環状質量体(22)を弾性的に連結した動的吸振部(2)と、前記ハブ(1)に第二弾性体(32)を介してプーリ(31)を弾性的に連結したカップリング部(3)とを備え、前記第二弾性体(32)が、前記第一弾性体(23)より外周側に位置すると共に、前記ハブ(1)に設けたフランジ部(12)と、前記プーリ(31)の内周に設けられて前記フランジ部(12)と略軸方向に対向する内向き鍔部(31b)との間を連結してなることを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
- プーリ(31)とハブ(1)との間にベアリング(4)が介装され、前記プーリ(31)とハブ(1)との間の隙間(G1)における前記ベアリング(4)の外側にダストシール(6)が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収ダンパ。
- プーリ(31)と環状質量体(22)との間にベアリング(5)が介装され、前記プーリ(31)と環状質量体(22)との間の隙間(G2)における前記ベアリング(5)の外側にダストシール(7)が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収ダンパ。
- プーリ(31)が、ハブ(1)の外周に固定した支持環(14)の外周に、ベアリング(4)を介して支持されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク変動吸収ダンパ。
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