JP2004340169A - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、部品数が少なく安価なトルク変動吸収ダンパを提供する。
【解決手段】カップリング部2が、ハブ1のリム部1cにベアリング4を介して支持されたプーリ21からハブ1の軸方向一側へ延在されたフランジ部21cを、ハブ1に第一弾性体22を介して弾性的に連結したものであり、動的吸振部3が、ハブ1の軸方向他側に配置された環状質量体31をハブ1に第二弾性体32を介して弾性的に連結したものである。ハブ1のリム部1cの端部に形成された突起部1eが、プーリ21のフランジ部21cと反対側の端部に形成された切欠部21fに円周方向適当なクリアランスをもって遊嵌され、ハブ1とプーリ21の円周方向相対変位を制限している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プーリを介してトルクを伝達すると共にそのトルクの変動を吸収するトルク変動吸収ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の内燃機関による駆動力の一部は、クランクシャフトの先端に設けられたプーリから無端ベルトを介して例えばオルタネータやウォーターポンプ等の補機に与えられるが、クランクシャフトは内燃機関の各行程によるトルク変動を伴って回転されるので、前記プーリにはトルク変動を吸収して伝達トルクの平滑化を図るためのトルク変動吸収ダンパが用いられる。
【0003】
トルク変動吸収ダンパの典型的な従来例としては、例えば下記の特許文献1に記載されているように、クランクシャフトの軸端に固定されて一体に回転するハブに形成された内筒部と、プーリの内筒部とを、ゴム状弾性材料からなる第一弾性体を介して弾性的に連結し、前記プーリの内筒部よりも外周側に位置するハブの外筒部と、その外周側に前記プーリに囲まれた状態で配置された環状質量体とを、ゴム状弾性材料からなる第二弾性体を介して連結した構造を有するデカップルド・ダンパープーリが知られている。
【0004】
特許文献1に記載されたトルク変動吸収ダンパ(デカップルド・ダンパープーリ)は、クランクシャフトからハブへ入力された駆動トルクを、第一弾性体の円周方向剪断変形作用によってトルク変動を吸収しながら、プーリへ伝達すると共に、第二弾性体と環状質量体で構成される副振動系が、所定の振動数域において円周方向へ共振することによる動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動を低減するものである。また、ハブとプーリの円周方向相対変位は、環状質量体に設けたストッパピンと、プーリに開設した長孔との干渉によって制限し、第一弾性体の過大変形による破損を防止している。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第2605662号(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のトルク変動吸収ダンパによれば、ハブとプーリを連結している第一弾性体と、ハブと環状質量体を連結している第二弾性体が、径方向に並んで配置された構造であるため、ハブとプーリとの連結方向(径方向)に対する第一弾性体の肉厚を大きくすることができない。このため、ハブとプーリとの間で変形を受けた時の第一弾性体の歪が大きくなり、その耐久性が悪化しやすい問題がある。
【0007】
また、第二弾性体と環状質量体が、プーリに断面コ字形に囲まれた状態で配置されているため、振動エネルギを熱エネルギに変換することにより振動減衰を行う第二弾性体からの放熱が妨げられ、蓄熱により第二弾性体が劣化しやすい問題がある。
【0008】
更に、従来のトルク変動吸収ダンパによれば、ハブとプーリの円周方向相対変位を制限することにより第一弾性体の過大変形による破損を防止する手段として、環状質量体にストッパピンを設けており、構成部品が多いため、製造コストが高いものとなっていた。
【0009】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、耐久性に優れたトルク変動吸収ダンパを提供することにある。また、他の技術的課題は、部品数が少なく安価なトルク変動吸収ダンパを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、ハブと、このハブに設けられたカップリング部及び動的吸振部とを備え、前記カップリング部が、前記ハブに同心的かつ円周方向相対回転可能に支持されたプーリから前記ハブの軸方向一側へ延在されたフランジ部を、前記ハブに第一弾性体を介して弾性的に連結したものであり、前記動的吸振部が、前記ハブの軸方向他側に配置された環状質量体を前記ハブに第二弾性体を介して弾性的に連結したものである。
【0011】
請求項2の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1に記載の構成において、ハブにおけるリム部の端部に形成された突起部が、プーリにおけるフランジ部と反対側の端部に形成された切欠部に円周方向適当なクリアランスをもって遊嵌されたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい第一の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す断面図、図2は、図1におけるII方向の矢視図、図3は、図1のトルク変動吸収ダンパの組立過程を示す説明図である。なお、以下の説明において用いられる「正面側」とは、図1における左側のことであって、請求項1に記載された「軸方向一側」に相当し、「背面側」とは、図1における右側のことであって、請求項1に記載された「軸方向他側」に相当する。
【0013】
第一の形態によるトルク変動吸収ダンパは、図1及び図2に示されるように、内燃機関のクランクシャフトの軸端に取り付けられるハブ1と、このハブ1にベアリング4を介して同心的かつ円周方向相対回転可能に支持されたプーリ21からハブ1の正面側に延在されたフランジ部21cをハブ1に第一弾性体22を介して弾性的に連結したカップリング部2と、ハブ1の背面側に配置された環状質量体31をハブ1に第二弾性体32を介して弾性的に連結した動的吸振部3と、を備える。
【0014】
ハブ1は、金属板の打ち抜きプレス成形により製作されたものであって、内周に、図示されていない内燃機関のクランクシャフトが挿通される軸孔1bが開設された円盤部1aと、その外周端部から背面側へ筒状に延びるリム部1cとを有し、すなわち軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図1の断面形状)が略L字形を呈する。また、円盤部1aには複数の小孔1dが、円周方向等間隔で開設され、リム部1cの背面側の端部には、背面側へ向けて突出した複数の突起部1eが、円周方向等間隔で形成されている。
【0015】
プーリ21は、金属板の打ち抜きプレス成形及び機械加工等により製作されたものであって、ハブ1におけるリム部1cの外周側に位置し、外周面にポリV溝21bが形成されたプーリ本体部21aと、その正面側の端部から内周へ延びるフランジ部21cとを有する。このフランジ部21cは、ハブ1における円盤部1aの正面側に位置しており、内周側ほど前記円盤部1aへ接近する緩やかなテーパ状に形成され、複数の小孔21dが、円周方向等間隔で開設されている。
【0016】
第一弾性体22は、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなるものであって、環状に連続しており、ハブ1における円盤部1aと、プーリ21におけるフランジ部21cの間に一体的に加硫接着されている。この第一弾性体22は、所要の径方向肉厚を有することによって、トルク伝達に必要な強度が確保されると共に、連結方向(軸方向)に所要の肉厚を有することによって円周方向剪断ばね定数を十分に低くしてある。また、プーリ21におけるフランジ部21cが緩やかなテーパ状をなすため、円周方向へ剪断変形を受けた時の歪が内周側と外周側とでほぼ均一になるように、外周側で軸方向肉厚が大きくなる形状となっている。
【0017】
また、プーリ21におけるプーリ本体部21aの背面側の端部には、内周側へ屈曲したカシメ部21eが形成されており、このカシメ部21eには、複数の切欠部21fが円周方向等間隔で形成されている。そして、ハブ1におけるリム部1cに形成された複数の突起部1eは、それぞれ前記切欠部21fに、円周方向両側への適当なクリアランスδ(図2参照)をもって遊嵌されている。すなわち、突起部1eと切欠部21fは、円周方向への互いの干渉によって、ハブ1とプーリ21の円周方向相対変位を制限して、第一弾性体22の過大な捩り変形を防止するものであり、このため、クリアランスδは、通常の運転状態におけるハブ1とプーリ21の相対変位量や、第一弾性体22の歪を考慮して適切に設定される。
【0018】
環状質量体31は、FCなど、比重の大きい金属材料で製作されたものであって、ハブ1における円盤部1aの背面側かつリム部1cの内周側に、同心的に配置されており、前記円盤部1aと対向する端面31aは、内周側ほど前記円盤部1aへ接近する緩やかなテーパ状、言い換えればプーリ21におけるフランジ部21cと略対称のテーパ状に形成されている。
【0019】
第二弾性体32は、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなるものであって、環状に連続しており、ハブ1における円盤部1a及びリム部1cと、環状質量体31の端面31a及び内外周面との間に一体的に加硫接着されている。すなわちこの第二弾性体32は、軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図1の断面形状)が略L字形を呈し、ハブ1の円盤部1aと環状質量体31の端面31aとの間の部分は、環状質量体31の端面31aが緩やかなテーパ状をなすことによって、円周方向へ剪断変形を受けた時の歪が内周側と外周側とでほぼ均一になるように、外周側で軸方向肉厚が大きくなる形状となっている。
【0020】
環状質量体31と第二弾性体32とで構成される動的吸振部3の円周方向固有振動数は、環状質量体31の円周方向慣性質量と、第二弾性体32の円周方向剪断ばね定数によって、クランクシャフトの捩れ角が最大となる所定の振動数域、言い換えればクランクシャフトの円周方向固有振動数と合致するように同調されている。
【0021】
第一弾性体22と第二弾性体32は、ハブ1における円盤部1aの軸方向両側に位置し、この円盤部1aに開設された複数の小孔1dを通じて、互いに連続しており、円盤部1aの内周部は、第一弾性体22及び第二弾性体32より内周側へ露出している。また、プーリ2におけるフランジ部21cに開設された複数の小孔21dには、それぞれ第一弾性体22を形成しているゴム状弾性材料の一部が充填されている。
【0022】
プーリ21をハブ1に円周方向相対変位可能に同心支持するベアリング4は、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で環状(円筒状)に成形されたものであって、プーリ21におけるプーリ本体部21aの内周面と、ハブ1におけるリム部1cの外周面との間に介在されている。また、このベアリング4は、プーリ21におけるカシメ部21eによって、背面側への脱落が防止されている。
【0023】
以上の構成を具えるトルク変動吸収ダンパは、図3に示されるように、カップリング部2及び動的吸振部3が、一つの加硫成形体Aをなしている。そしてこの加硫成形体Aの製造に際しては、まず図示されていない金型内に、加硫接着剤を塗布したハブ1、プーリ21及び環状質量体31を、互いに同心的にセットする。このとき、プーリ21には図1及び図2に示されるようなカシメ部21eは形成されておらず、図3に示されるように、プーリ21は、複数の切欠部21f’が円周方向等間隔で形成された被カシメ部21e’が、プーリ本体部21aから背面側へ延在されている。また、ハブ1における各突起部1eと、各被カシメ部21e’における各切欠部21f’が、互いに同位相上に位置するように、円周方向に対するハブ1とプーリ21の位置決めを行う。
【0024】
ハブ1における円盤部1aとプーリ2におけるフランジ部21cとの間に金型によって画成された第一弾性体成形用キャビティと、ハブ1における円盤部1aと環状質量体31との間に前記金型によって画成された第二弾性体成形用キャビティは、円盤部1aに開設された複数の小孔1dを介して連通している。このため、プーリ2のフランジ部21cに開設された小孔21dを介して、ハブ1とプーリ2との間の第一弾性体成形用キャビティへ未加硫ゴム材料を充填して行くと、この未加硫ゴム材料は、小孔1dを通じて、ハブ1と環状質量体31との間の第二弾性体成形用キャビティにも充填される。そして、両キャビティに充填した未加硫ゴム材料を加熱・加圧することによって、第一弾性体22及び第二弾性体32が、加硫成形と同時に前記ハブ1とプーリ2及び環状質量体31に加硫接着され、図3に示される加硫成形体Aとなる。
【0025】
次に、ベアリング4を、ハブ1におけるリム部1cとプーリ2におけるプーリ本体部21aとの間の円筒状空間S内に挿入し、被カシメ部21e’を、内周側へ屈曲させるカシメを行うことによって、図1及び図2に示されるトルク変動吸収ダンパが得られる。
【0026】
したがって、上述の形態によるトルク変動吸収ダンパは、第一弾性体22及び第二弾性体32を一度の工程で双方同時に加硫成形(加硫接着)することができることや、第一弾性体22の過大変形を防止するストッパとしての手段に、ハブ1に形成した突起部1eとプーリ2に形成した切欠部21fによって構成しているため、従来の技術のようにピンなどを用いる場合に比較して、部品数が少なくなることや、ハブ1及びプーリ2が金属板のプレス成形品であること等から、製造コストが著しく低減され、安価に提供することができる。
【0027】
上述の形態によるトルク変動吸収ダンパは、ハブ1が内燃機関のクランクシャフトの軸端に装着されることによって、このクランクシャフトと共に回転される。クランクシャフトの駆動トルクは、カップリング部2によって、ハブ1から第一弾性体22を介してプーリ21へ伝達され、更に、プーリ本体部21aのポリV溝21bに巻き掛けられたVベルト(不図示)を介して、冷却ファンや、オルタネータ、ウォーターポンプ、空調機コンプレッサ等の補機の回転軸に伝達される。
【0028】
プーリ21は、その最も外周側にあるプーリ本体部21aが、ハブ1における最も外周側のリム部1cに、ベアリング4を介して支持されているため、その支持円周が大きく、したがって極めて安定的に支持され、同心性が確保される。
【0029】
内燃機関の駆動は、吸気、圧縮、爆発及び排気の各行程を繰り返しながら行われ、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換しているため、クランクシャフトには、回転に伴って周期的なトルク変動を生じるが、このトルク変動は、カップリング部2における第一弾性体22が低ばねで円周方向へ剪断変形されることによって、熱エネルギに変換されるので、ベルトへの伝達トルクが平滑化される。また、環状質量体31及び第二弾性体32で構成される動的吸振部3は、クランクシャフトの捩り振動による捩れ角が最大となる振動数域で円周方向に共振し、その共振によるトルクは入力振動のトルクと方向が逆になるため、クランクシャフトの捩れ角のピークを有効に低減することができる。したがって、トルク変動に起因するプーリ本体部21aとベルトとの摩擦が低減され、ベルトの寿命を向上することができる。
【0030】
また、何らかの原因によって、ハブ1とプーリ21の間に過大なトルクが作用した場合には、突起部1eと切欠部21fが円周方向へ互いに干渉することによって、ハブ1とプーリ21の円周方向相対変位量の増大が制限されるので、第一弾性体22が過大な捩り変形を受けることがなく、その破損を防止することができる。
【0031】
ハブ1における小孔1d及びプーリ21における小孔21dは、先に説明したように、それぞれ第一弾性体22及び第二弾性体32を加硫成形する際の材料充填口として開設されたものであるが、前記小孔1d,21d内には、第二弾性体32の一部及び第一弾性体22の一部が入り込んだ状態に形成されるので、ハブ1及びプーリ21に対する第一弾性体22及び第二弾性体の接合強度が高いものとなる。
【0032】
環状質量体31及び第二弾性体32で構成される動的吸振部3は、その背面側及び内周側が開放されているので、プーリによって断面コ字形に囲まれた従来の技術によるものに比較して第二弾性体32からの放熱性が向上する。このため、蓄熱による第二弾性体32の劣化を防止することができる。
【0033】
第一弾性体22は、第二弾性体32と軸方向に並んでおり、ハブ1とプーリ21を軸方向に連結しているので、従来のように第一弾性体と第二弾性体が径方向に並んで配置された場合に比較して、プーリ21の外径寸法を小さくすることができ、小型・軽量化を図ることができる。
【0034】
ハブ1とプーリ21との円周方向相対変位量が同じである場合に受ける第一弾性体22の歪は、ハブ1の円盤部1aと、プーリ21のフランジ部21cとの間の軸方向肉厚が大きいほど小さくなる。そして、従来技術のように第一弾性体と第二弾性体が径方向に並び、第一弾性体がハブとプーリを径方向に連結している場合は、連結方向への第一弾性体の寸法が制約されるのに対し、本形態では、連結方向(軸方向)に対する第一弾性体22の寸法、言い換えればハブ1の円盤部1aとプーリ21のフランジ部21cとの軸方向距離を十分に大きくすることによって、第一弾性体22の優れた耐久性を確保することができる。しかも、これによって第一弾性体22の円周方向剪断ばね定数を低くできるので、トルク変動吸収性能(振動吸収性能)を向上することができる。
【0035】
次に図4は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい第二の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。この形態において、上述した第一の形態と異なるところは、ベアリング4が、プーリ21におけるプーリ本体部21aの内周面と、ハブ1におけるリム部1cの外周面との間に介在された円筒状のラジアル受け部4aと、その背面側の端部から内周側へ屈曲して前記リム部1cの背面側の端部とプーリ21におけるカシメ部21eの間に介在されたスラスト受け部4bからなる点にある。スラスト受け部4bは、円周方向分割形状となっており、それぞれ、ハブ1における突起部1e,1e,…間に挿入されている。
【0036】
この第二の構成によれば、第一の形態による効果に加え、ベアリング4がラジアル受け部4aにおいてプーリ21を同心支持すると共にスラスト受け部4bによってハブ1とプーリ21の軸方向挙動を防止するため、回転を一層安定させることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、カップリング部が、第一弾性体がハブとプーリのフランジ部を軸方向に連結したものであるため、ハブとプーリとの連結方向(軸方向)に対する第一弾性体の十分な肉厚を確保して、その耐久性を向上することができ、しかも第一弾性体の円周方向剪断ばね定数を十分に低くしてトルク変動吸収性能を向上することができる。また、動的吸振部が、プーリのフランジ部と反対側にあって、第二弾性体がハブの軸方向他側に配置された環状質量体を弾性的に連結したものであるため、第二弾性体からの放熱性が良く、蓄熱による第二弾性体の劣化を防止することができる。
【0038】
また、請求項2の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、請求項1による効果に加え、第一弾性体の過大変形を防止する手段が、ハブのリム部の端部に形成された突起部を、プーリに形成された切欠部に円周方向適当なクリアランスをもって遊嵌したものであるため、ストッパピンを用いる場合に比較して部品及び組立工数を削減し、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】図1におけるII方向の矢視図である。
【図3】図1のトルク変動吸収ダンパの組立過程を示す説明図である。
【図4】本発明に係るトルク変動吸収ダンパの他の好ましい実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
1a 円盤部
1c リム部
1d,21d 小孔
1e 突起部
2 カップリング部
21 プーリ
21a プーリ本体部
21c フランジ部
21e カシメ部
21f 切欠部
22 第一弾性体
3 動的吸振部
31 環状質量体
32 第二弾性体
4 ベアリング
4a ラジアル受け部
4b スラスト受け部

Claims (2)

  1. ハブ(1)と、このハブ(1)に設けられたカップリング部(2)及び動的吸振部(3)とを備え、前記カップリング部(2)が、前記ハブ(1)に同心的かつ円周方向相対回転可能に支持されたプーリ(21)から前記ハブ(1)の軸方向一側へ延在されたフランジ部(21c)を、前記ハブ(1)に第一弾性体(22)を介して弾性的に連結したものであり、前記動的吸振部(3)が、前記ハブ(1)の軸方向他側に配置された環状質量体(31)を前記ハブ(1)に第二弾性体(32)を介して弾性的に連結したものであることを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
  2. ハブ(1)におけるリム部(1c)の端部に形成された突起部(1e)が、プーリ(21)におけるフランジ部(21c)と反対側の端部に形成された切欠部(21f)に円周方向適当なクリアランス(δ)をもって遊嵌されたことを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収ダンパ。
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