JP2004190818A - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】安価に製造可能であると共に、動的吸振機能による防振領域を拡大したトルク変動吸収ダンパを提供する。
【解決手段】回転軸に取り付けられるハブ1と、その外周にベアリング3を介して配置されたプーリ2を、ハブ1のボス部11プーリ2との間に円周方向相対変位可能に配置された慣性マス4と、ボス部11と慣性マス4との間に介在された内周弾性体6と、プーリ2と慣性マス4との間に介在された外周弾性体8とを介して連結する。慣性マス4、内周弾性体6及び外周弾性体8と、プーリ2及び外周弾性体8は、共振周波数が互いに異なる副振動系を構成すると共に、ハブ1からプーリ2へのトルク伝達手段を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸に取り付けられるハブ1と、その外周にベアリング3を介して配置されたプーリ2を、ハブ1のボス部11プーリ2との間に円周方向相対変位可能に配置された慣性マス4と、ボス部11と慣性マス4との間に介在された内周弾性体6と、プーリ2と慣性マス4との間に介在された外周弾性体8とを介して連結する。慣性マス4、内周弾性体6及び外周弾性体8と、プーリ2及び外周弾性体8は、共振周波数が互いに異なる副振動系を構成すると共に、ハブ1からプーリ2へのトルク伝達手段を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等における駆動軸から他の回転機器へ駆動トルクを伝達すると共にそのトルクの変動を吸収するトルク変動吸収ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の内燃機関からの駆動力の一部は、クランクシャフトの先端に設けられたプーリから無端ベルトを介して補器等に与えられるが、クランクシャフトは内燃機関の各行程によるトルク変動を伴って回転されるので、前記プーリにはトルク変動を吸収して伝達トルクの平滑化を図るためのトルク変動吸収ダンパが用いられる。
【0003】
この種のトルク変動吸収ダンパの典型的な従来技術としては、特許文献1に記載されたデカップルド・ダンパプーリが知られている。すなわち、このデカップルド・ダンパプーリは、クランクシャフトの軸端に取り付けられて一体に回転するハブ部材の外周に、第一のゴム状弾性部材を介してプーリ部材を連結すると共に、ハブ部材の外周に、第二のゴム状弾性部材を介して慣性マスを連結した構造となっている。そして、第二のゴム状弾性部材と慣性マスからなる副振動系が、所定の周波数域において捩り方向へ共振することによる動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動を低減すると共に、クランクシャフトからハブ部材へ入力された駆動トルクを、第一のゴム状弾性部材の捩り方向剪断変形作用によってトルク変動を吸収しながら、プーリ部材へ伝達するものである。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2605662号(第1図,0006〜0009)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術によれば、ハブ部材とプーリ部材の間に第一のゴム状弾性部材を加硫接着した成形体と、ハブ部材と慣性マスの間に第二のゴム状弾性部材を加硫接着した成形体の、二つの加硫成形体が必要であり、したがって製造コストが高いものとなっていた。
【0006】
また、この種のトルク変動吸収ダンパでは、第二のゴム状弾性部材と慣性マスからなる単一の副振動系のみで動的吸振が行われるため、有効な動的吸振機能を奏し得る周波数域が狭いものであった。そして、動的吸振機能を奏し得る周波数域の拡大を図るためには、慣性マスとゴム状弾性部材からなる副振動系を増設することも考えられるが、この場合は、更なる部品の増加による製造コストの上昇や、大型化を来す問題がある。
【0007】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、安価に製造可能であると共に、動的吸振機能による防振領域を拡大したトルク変動吸収ダンパを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、回転軸に取り付けられるハブと、このハブに同心的にかつ円周方向相対変位可能に配置されたプーリを、前記ハブと前記プーリとの間に円周方向相対変位可能に配置された慣性マスと、前記ハブと前記慣性マスとの間に介在されたゴム状弾性材料からなる内周弾性体と、前記プーリと前記慣性マスとの間に介在されたゴム状弾性材料からなる外周弾性体とを介して連結したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す断面図である。なお、以下の説明において、便宜上、図1における左側を正面側、右側を背面側と定義する。
【0010】
このトルク変動吸収ダンパにおいて、参照符号1は、内燃機関のクランクシャフトの軸端に取り付けられるハブであり、このハブ1は、金属材料で製作されたものであって、前記クランクシャフトの軸端に外挿固定されるボス部11と、その正面側の端部から外周側へ延びる円盤部12と、この円盤部12の外周端部から背面側へ延びボス部11と同心的に形成されたリム部13とからなる。
【0011】
ハブ1のリム部13の外周側には、プーリ2が配置されている。このプーリ2は、金属材料によって製作されたもので、外周面にポリV溝2aが形成されており、内周面における正面側寄りの部分と、ハブ1のリム部13の外周面との間には、ベアリング3が介在されている。ベアリング3は、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で環状に製作されたものであり、このベアリング3によって、プーリ2をハブ1に対して相対回転可能に同心支持している。
【0012】
ハブ1の円盤部12の背面側であって、ハブ1のボス部11とプーリ2との間には、慣性マス4が、同心的かつ円周方向相対変位可能に配置されている。慣性マス4は、鉄系材料など、比較的比重の大きい金属材料によって単純な円環状に製作されたものである。
【0013】
ハブ1のボス部11の外周面には、鋼材などの金属からなるインナースリーブ5が適当な締め代をもって圧入嵌着されており、このインナースリーブ5の外周面と、慣性マス4の内周面との間には、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなる環状の内周弾性体6が加硫接着されている。
【0014】
一方、プーリ2の内周面における背面側寄りの部分には、鋼材などの金属からなるアウタースリーブ7が適当な締め代をもって圧入嵌着されており、このアウタースリーブ7の内周面と、慣性マス4の外周面との間には、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなる環状の外周弾性体8が加硫接着されている。
【0015】
したがって、ハブ1とプーリ2は、インナースリーブ5、内周弾性体6、慣性マス4、外周弾性体8及びアウタースリーブ7を介して円周方向相対変位可能に連結されている。そして、内周弾性体6及び外周弾性体8は、ハブ1からプーリ2へクランクシャフトの駆動トルクを伝達するのに必要な強度を確保するために、所要の軸方向肉厚を有すると共に、捩り変形を受けた時の剪断応力が内周側と外周側とで均一になるように、それぞれ内周側で相対的に厚肉、外周側で相対的に薄肉となる断面形状に形成されている。
【0016】
慣性マス4、インナースリーブ5、内周弾性体6、アウタースリーブ7及び外周弾性体8は、互いに一体化された加硫成形体を構成している。そしてこの加硫成形体は、慣性マス4と、内径をハブ1のボス部11の外径よりも僅かに小径に形成したインナースリーブ5と、外径をプーリ2の内径よりも僅かに大径に形成したアウタースリーブ7を、予め表面に加硫接着剤を塗布したうえで、図示されていない金型のキャビティ内に互いに同心的にセットし、型締め後、慣性マス4とインナースリーブ5との間に画成された環状の賦形空間及び慣性マス4とアウタースリーブ7との間に画成された環状の賦形空間に、成形用未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、内周弾性体6及び外周弾性体8を加硫成形と同時に、慣性マス4、インナースリーブ5及びアウタースリーブ7に加硫接着したものである。
【0017】
そして、慣性マス4、インナースリーブ5、内周弾性体6、アウタースリーブ7及び外周弾性体8からなる加硫成形体は、インナースリーブ5をハブ1の背面側からそのボス部11の外周面に圧入すると共に、アウタースリーブ7をプーリ2の内周面にその背面側から圧入することによって、図示のように組み込まれる。また、このとき、インナースリーブ5がボス部11への圧入過程で拡径変形を受けるので、内周弾性体6が径方向に予圧縮され、インナースリーブ5と慣性マス4の間で、内周弾性体6に加硫成形後の体積収縮によって生じた残留引張応力が解消される。同様に、アウタースリーブ7がプーリ2への圧入過程で縮径変形を受けるので、外周弾性体8が径方向に予圧縮され、アウタースリーブ7と慣性マス4の間で、外周弾性体8に加硫成形後の体積収縮によって生じた残留引張応力が解消される。
【0018】
内周弾性体6、慣性マス4、外周弾性体8及びプーリ2は、内周弾性体6及び外周弾性体8を慣性マス4に対するバネとする第一の副振動系D1と、プーリ2をマスとし、外周弾性体8をバネとする第二の副振動系D2を構成している。そして、慣性マス4に対して内周弾性体6と外周弾性体8は互いに並列の関係にあるため、内周弾性体6及び外周弾性体8によるバネ定数が高く、したがって第一の副振動系D1の捩り方向共振周波数が比較的高く設定されている。これに対し、プーリ2は慣性質量が大きく、このため第二の副振動系D2の捩り方向共振周波数は第一の副振動系D1よりも相対的に低いものとなっており、例えば内燃機関アイドリング等による捩り振動周波数域に設定されている。
【0019】
すなわち、このトルク変動吸収ダンパは、第一の副振動系D1と、第二の副振動系D2の、二つの副振動系が、慣性マス4、インナースリーブ5、内周弾性体6、アウタースリーブ7及び外周弾性体8からなる一つの加硫成形体の組み込みによって形成され、しかも、この加硫成形体が、ハブ1からプーリ2への駆動トルク伝達手段を兼ねるものである。このため、従来の技術のように、複数の加硫成形体を備える構造のトルク変動吸収ダンパに比較して、金型費用や成形工程が削減され、更にはプーリ2を第二の副振動系D2のマスとして利用しているので、二つの副振動系を有するにも拘らず、部品数が少なく、大型化を来すこともなく、安価に製造することができる。
【0020】
また、プーリ2及びその外周に巻き掛けられるVベルト(不図示)を介して接続される補機側のプーリを含む回転系をマスとし、内周弾性体6及び外周弾性体8をバネとする副振動系も存在するが、慣性質量が大きく、しかもこれに対して内周弾性体6及び外周弾性体8は直列の関係にあるため、バネ定数が低く、したがってその捩り方向共振周波数は、例えばアイドリングによる振動の周波数よりも十分に低いものとなっている。
【0021】
以上の構成を備える本形態のトルク変動吸収ダンパは、ハブ1のボス部11が内燃機関のクランクシャフトの軸端に装着されることによって、このクランクシャフトと共に回転される。クランクシャフトの駆動トルクは、ハブ1のボス部11から、インナースリーブ5、内周弾性体6、慣性マス4、外周弾性体8及びアウタースリーブ7を介してプーリ2へ伝達され、更にその外周のポリV溝2aに巻き掛けられるVベルトを介して、補器の回転系に伝達される。
【0022】
プーリ2には、Vベルトの張力によって軸心と垂直な方向の荷重が作用するが、プーリ2とハブ1のリム部13との間にはベアリング3が介在しているため、プーリ2の偏心が防止される。
【0023】
内燃機関の駆動は、吸気、圧縮、爆発(膨張)及び排気の各行程を繰り返しながら行われ、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換しているため、クランクシャフトには、回転に伴って周期的なトルク変動を生じ、このトルク変動は、ハブ1に入力される。一方、回転中のプーリ2には回転方向の慣性が作用し、ひいては、ベルトを介して接続される補機側のプーリも含めた回転系の慣性が作用することによって、等速回転しようとするため、ハブ1とプーリ2との間で、内周弾性体6及び外周弾性体8が繰り返し捩り方向剪断変形を受けることによって、ハブ1からプーリ2への伝達トルクの変動を吸収し、補機への平滑な動力伝達を行うことができる。
【0024】
また、ハブ1に入力されるクランクシャフトの捩り振動が、内周弾性体6及び外周弾性体8と慣性マス4からなる第一の副振動系D1の共振周波数域、又は外周弾性体8及びプーリ2からなる第二の副振動系D2の共振周波数域にある場合は、この第一の副振動系D1又は第二の副振動系D2が捩り方向に共振する。そして、この共振は、入力振動と異なる位相角をもってなされるので、共振によるトルクは入力振動のトルクを相殺する方向へ生じ、このような動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動が有効に低減される。
【0025】
そして、第一の副振動系D1及び第二の副振動系D2には、互いに異なる共振周波数が設定されているため、上述の動的吸振効果が広い周波数域で発揮されることになり、優れた防振効果が得られる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、慣性マス、内周弾性体及び外周弾性体からなる副振動系と、プーリ及び外周弾性体からなる副振動系によって、広い周波数域で動的吸振効果を得ることができる。また、複数の副振動系と、ハブからプーリへの駆動トルク伝達手段が、慣性マス、内周弾性体及び外周弾性体による一つの加硫成形体の組み込みによって構成され、プーリを一方の副振動系のマスとしているので、加硫成形工程が削減され、部品数も少なくなって、低コストで提供することができ、かつ大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
11 ボス部
12 円盤部
13 リム部
2 プーリ
2a ポリV溝
3 ベアリング
4 慣性マス
5 インナースリーブ
6 内周弾性体
7 アウタースリーブ
8 外周弾性体
D1 第一の副振動系
D2 第二の副振動系
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等における駆動軸から他の回転機器へ駆動トルクを伝達すると共にそのトルクの変動を吸収するトルク変動吸収ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の内燃機関からの駆動力の一部は、クランクシャフトの先端に設けられたプーリから無端ベルトを介して補器等に与えられるが、クランクシャフトは内燃機関の各行程によるトルク変動を伴って回転されるので、前記プーリにはトルク変動を吸収して伝達トルクの平滑化を図るためのトルク変動吸収ダンパが用いられる。
【0003】
この種のトルク変動吸収ダンパの典型的な従来技術としては、特許文献1に記載されたデカップルド・ダンパプーリが知られている。すなわち、このデカップルド・ダンパプーリは、クランクシャフトの軸端に取り付けられて一体に回転するハブ部材の外周に、第一のゴム状弾性部材を介してプーリ部材を連結すると共に、ハブ部材の外周に、第二のゴム状弾性部材を介して慣性マスを連結した構造となっている。そして、第二のゴム状弾性部材と慣性マスからなる副振動系が、所定の周波数域において捩り方向へ共振することによる動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動を低減すると共に、クランクシャフトからハブ部材へ入力された駆動トルクを、第一のゴム状弾性部材の捩り方向剪断変形作用によってトルク変動を吸収しながら、プーリ部材へ伝達するものである。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2605662号(第1図,0006〜0009)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術によれば、ハブ部材とプーリ部材の間に第一のゴム状弾性部材を加硫接着した成形体と、ハブ部材と慣性マスの間に第二のゴム状弾性部材を加硫接着した成形体の、二つの加硫成形体が必要であり、したがって製造コストが高いものとなっていた。
【0006】
また、この種のトルク変動吸収ダンパでは、第二のゴム状弾性部材と慣性マスからなる単一の副振動系のみで動的吸振が行われるため、有効な動的吸振機能を奏し得る周波数域が狭いものであった。そして、動的吸振機能を奏し得る周波数域の拡大を図るためには、慣性マスとゴム状弾性部材からなる副振動系を増設することも考えられるが、この場合は、更なる部品の増加による製造コストの上昇や、大型化を来す問題がある。
【0007】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、安価に製造可能であると共に、動的吸振機能による防振領域を拡大したトルク変動吸収ダンパを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、回転軸に取り付けられるハブと、このハブに同心的にかつ円周方向相対変位可能に配置されたプーリを、前記ハブと前記プーリとの間に円周方向相対変位可能に配置された慣性マスと、前記ハブと前記慣性マスとの間に介在されたゴム状弾性材料からなる内周弾性体と、前記プーリと前記慣性マスとの間に介在されたゴム状弾性材料からなる外周弾性体とを介して連結したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す断面図である。なお、以下の説明において、便宜上、図1における左側を正面側、右側を背面側と定義する。
【0010】
このトルク変動吸収ダンパにおいて、参照符号1は、内燃機関のクランクシャフトの軸端に取り付けられるハブであり、このハブ1は、金属材料で製作されたものであって、前記クランクシャフトの軸端に外挿固定されるボス部11と、その正面側の端部から外周側へ延びる円盤部12と、この円盤部12の外周端部から背面側へ延びボス部11と同心的に形成されたリム部13とからなる。
【0011】
ハブ1のリム部13の外周側には、プーリ2が配置されている。このプーリ2は、金属材料によって製作されたもので、外周面にポリV溝2aが形成されており、内周面における正面側寄りの部分と、ハブ1のリム部13の外周面との間には、ベアリング3が介在されている。ベアリング3は、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で環状に製作されたものであり、このベアリング3によって、プーリ2をハブ1に対して相対回転可能に同心支持している。
【0012】
ハブ1の円盤部12の背面側であって、ハブ1のボス部11とプーリ2との間には、慣性マス4が、同心的かつ円周方向相対変位可能に配置されている。慣性マス4は、鉄系材料など、比較的比重の大きい金属材料によって単純な円環状に製作されたものである。
【0013】
ハブ1のボス部11の外周面には、鋼材などの金属からなるインナースリーブ5が適当な締め代をもって圧入嵌着されており、このインナースリーブ5の外周面と、慣性マス4の内周面との間には、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなる環状の内周弾性体6が加硫接着されている。
【0014】
一方、プーリ2の内周面における背面側寄りの部分には、鋼材などの金属からなるアウタースリーブ7が適当な締め代をもって圧入嵌着されており、このアウタースリーブ7の内周面と、慣性マス4の外周面との間には、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料からなる環状の外周弾性体8が加硫接着されている。
【0015】
したがって、ハブ1とプーリ2は、インナースリーブ5、内周弾性体6、慣性マス4、外周弾性体8及びアウタースリーブ7を介して円周方向相対変位可能に連結されている。そして、内周弾性体6及び外周弾性体8は、ハブ1からプーリ2へクランクシャフトの駆動トルクを伝達するのに必要な強度を確保するために、所要の軸方向肉厚を有すると共に、捩り変形を受けた時の剪断応力が内周側と外周側とで均一になるように、それぞれ内周側で相対的に厚肉、外周側で相対的に薄肉となる断面形状に形成されている。
【0016】
慣性マス4、インナースリーブ5、内周弾性体6、アウタースリーブ7及び外周弾性体8は、互いに一体化された加硫成形体を構成している。そしてこの加硫成形体は、慣性マス4と、内径をハブ1のボス部11の外径よりも僅かに小径に形成したインナースリーブ5と、外径をプーリ2の内径よりも僅かに大径に形成したアウタースリーブ7を、予め表面に加硫接着剤を塗布したうえで、図示されていない金型のキャビティ内に互いに同心的にセットし、型締め後、慣性マス4とインナースリーブ5との間に画成された環状の賦形空間及び慣性マス4とアウタースリーブ7との間に画成された環状の賦形空間に、成形用未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、内周弾性体6及び外周弾性体8を加硫成形と同時に、慣性マス4、インナースリーブ5及びアウタースリーブ7に加硫接着したものである。
【0017】
そして、慣性マス4、インナースリーブ5、内周弾性体6、アウタースリーブ7及び外周弾性体8からなる加硫成形体は、インナースリーブ5をハブ1の背面側からそのボス部11の外周面に圧入すると共に、アウタースリーブ7をプーリ2の内周面にその背面側から圧入することによって、図示のように組み込まれる。また、このとき、インナースリーブ5がボス部11への圧入過程で拡径変形を受けるので、内周弾性体6が径方向に予圧縮され、インナースリーブ5と慣性マス4の間で、内周弾性体6に加硫成形後の体積収縮によって生じた残留引張応力が解消される。同様に、アウタースリーブ7がプーリ2への圧入過程で縮径変形を受けるので、外周弾性体8が径方向に予圧縮され、アウタースリーブ7と慣性マス4の間で、外周弾性体8に加硫成形後の体積収縮によって生じた残留引張応力が解消される。
【0018】
内周弾性体6、慣性マス4、外周弾性体8及びプーリ2は、内周弾性体6及び外周弾性体8を慣性マス4に対するバネとする第一の副振動系D1と、プーリ2をマスとし、外周弾性体8をバネとする第二の副振動系D2を構成している。そして、慣性マス4に対して内周弾性体6と外周弾性体8は互いに並列の関係にあるため、内周弾性体6及び外周弾性体8によるバネ定数が高く、したがって第一の副振動系D1の捩り方向共振周波数が比較的高く設定されている。これに対し、プーリ2は慣性質量が大きく、このため第二の副振動系D2の捩り方向共振周波数は第一の副振動系D1よりも相対的に低いものとなっており、例えば内燃機関アイドリング等による捩り振動周波数域に設定されている。
【0019】
すなわち、このトルク変動吸収ダンパは、第一の副振動系D1と、第二の副振動系D2の、二つの副振動系が、慣性マス4、インナースリーブ5、内周弾性体6、アウタースリーブ7及び外周弾性体8からなる一つの加硫成形体の組み込みによって形成され、しかも、この加硫成形体が、ハブ1からプーリ2への駆動トルク伝達手段を兼ねるものである。このため、従来の技術のように、複数の加硫成形体を備える構造のトルク変動吸収ダンパに比較して、金型費用や成形工程が削減され、更にはプーリ2を第二の副振動系D2のマスとして利用しているので、二つの副振動系を有するにも拘らず、部品数が少なく、大型化を来すこともなく、安価に製造することができる。
【0020】
また、プーリ2及びその外周に巻き掛けられるVベルト(不図示)を介して接続される補機側のプーリを含む回転系をマスとし、内周弾性体6及び外周弾性体8をバネとする副振動系も存在するが、慣性質量が大きく、しかもこれに対して内周弾性体6及び外周弾性体8は直列の関係にあるため、バネ定数が低く、したがってその捩り方向共振周波数は、例えばアイドリングによる振動の周波数よりも十分に低いものとなっている。
【0021】
以上の構成を備える本形態のトルク変動吸収ダンパは、ハブ1のボス部11が内燃機関のクランクシャフトの軸端に装着されることによって、このクランクシャフトと共に回転される。クランクシャフトの駆動トルクは、ハブ1のボス部11から、インナースリーブ5、内周弾性体6、慣性マス4、外周弾性体8及びアウタースリーブ7を介してプーリ2へ伝達され、更にその外周のポリV溝2aに巻き掛けられるVベルトを介して、補器の回転系に伝達される。
【0022】
プーリ2には、Vベルトの張力によって軸心と垂直な方向の荷重が作用するが、プーリ2とハブ1のリム部13との間にはベアリング3が介在しているため、プーリ2の偏心が防止される。
【0023】
内燃機関の駆動は、吸気、圧縮、爆発(膨張)及び排気の各行程を繰り返しながら行われ、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換しているため、クランクシャフトには、回転に伴って周期的なトルク変動を生じ、このトルク変動は、ハブ1に入力される。一方、回転中のプーリ2には回転方向の慣性が作用し、ひいては、ベルトを介して接続される補機側のプーリも含めた回転系の慣性が作用することによって、等速回転しようとするため、ハブ1とプーリ2との間で、内周弾性体6及び外周弾性体8が繰り返し捩り方向剪断変形を受けることによって、ハブ1からプーリ2への伝達トルクの変動を吸収し、補機への平滑な動力伝達を行うことができる。
【0024】
また、ハブ1に入力されるクランクシャフトの捩り振動が、内周弾性体6及び外周弾性体8と慣性マス4からなる第一の副振動系D1の共振周波数域、又は外周弾性体8及びプーリ2からなる第二の副振動系D2の共振周波数域にある場合は、この第一の副振動系D1又は第二の副振動系D2が捩り方向に共振する。そして、この共振は、入力振動と異なる位相角をもってなされるので、共振によるトルクは入力振動のトルクを相殺する方向へ生じ、このような動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動が有効に低減される。
【0025】
そして、第一の副振動系D1及び第二の副振動系D2には、互いに異なる共振周波数が設定されているため、上述の動的吸振効果が広い周波数域で発揮されることになり、優れた防振効果が得られる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、慣性マス、内周弾性体及び外周弾性体からなる副振動系と、プーリ及び外周弾性体からなる副振動系によって、広い周波数域で動的吸振効果を得ることができる。また、複数の副振動系と、ハブからプーリへの駆動トルク伝達手段が、慣性マス、内周弾性体及び外周弾性体による一つの加硫成形体の組み込みによって構成され、プーリを一方の副振動系のマスとしているので、加硫成形工程が削減され、部品数も少なくなって、低コストで提供することができ、かつ大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
11 ボス部
12 円盤部
13 リム部
2 プーリ
2a ポリV溝
3 ベアリング
4 慣性マス
5 インナースリーブ
6 内周弾性体
7 アウタースリーブ
8 外周弾性体
D1 第一の副振動系
D2 第二の副振動系
Claims (1)
- 回転軸に取り付けられるハブ(1)と、このハブ(1)に同心的にかつ円周方向相対変位可能に配置されたプーリ(2)を、前記ハブ(1)と前記プーリ(2)との間に円周方向相対変位可能に配置された慣性マス(4)と、前記ハブ(1)と前記慣性マス(4)との間に介在されたゴム状弾性材料からなる内周弾性体(6)と、前記プーリ(2)と前記慣性マス(4)との間に介在されたゴム状弾性材料からなる外周弾性体(8)とを介して連結したことを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002361705A JP2004190818A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | トルク変動吸収ダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002361705A JP2004190818A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | トルク変動吸収ダンパ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004190818A true JP2004190818A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32760340
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002361705A Pending JP2004190818A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | トルク変動吸収ダンパ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004190818A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104896007A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-09-09 | 国电联合动力技术有限公司 | 一种传动系统扭振减振方法及其应用 |
| EP3189246A4 (en) * | 2014-09-02 | 2018-04-18 | Dayco IP Holdings, LLC | Torsional vibration dampers having dual elastomeric members |
| CN109185379A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-01-11 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 可调谐多层阻尼动力吸振器及其制作安装方法、减振方法 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002361705A patent/JP2004190818A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3189246A4 (en) * | 2014-09-02 | 2018-04-18 | Dayco IP Holdings, LLC | Torsional vibration dampers having dual elastomeric members |
| CN104896007A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-09-09 | 国电联合动力技术有限公司 | 一种传动系统扭振减振方法及其应用 |
| CN109185379A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-01-11 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 可调谐多层阻尼动力吸振器及其制作安装方法、减振方法 |
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