JP2016033411A - トーショナルラバーダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性が高く、小型化が可能であり、耐振動性が高く、容易に製造可能なトーショナルラバーダンパを提供する。
【解決手段】第1の慣性マス部材121は、ハブプレート11の一方の面である第1の面111の回転軸に垂直な放射方向である径方向の少なくとも一部に対向する環状の第1の保持部1211と、第1の保持部1211の外径側端部に設けられた第1の接続部1212とを有する。第2の慣性マス部材122は、ハブプレート11の第1の面111の裏面である第2の面112の径方向の少なくとも一部に対向する環状の第2の保持部1221と、第2の保持部1221の外径側端部に設けられた第2の接続部1222とを有する。第1の接続部1212と第2の接続部1222とは、嵌合又は溶接にて固着される。第1の弾性部材13は、ハブプレート11の第1の面111と、第1の慣性マス部材121の第1の保持部1211との間に圧縮して挟持される。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車、大型トラック、バス、建設機械、産業機械等の内燃機関(エンジン)用トーショナルラバーダンパに関する。
エンジンのクランクシャフトやカムシャフトなどの回転軸に装着され、エンジンの爆発工程に起因する回転脈動を平滑化する、ダイナミックダンパとも呼ばれるトーショナルラバーダンパが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。この種のトーショナルラバーダンパにおいては、回転軸に装着されるハブプレートと慣性マスとをゴムや樹脂エラストマーなどの弾性部材で弾性接続し、弾性部材の粘弾性にて、捩り振動を吸収及び減衰させる。また、補機類にベルトを介して駆動力を伝達するためのプーリを一体に構成したプーリ付トーショナルラバーダンパ(ダンパープーリ)も知られている。
特開昭59−83851号公報 実開平2−78841号公報 実開平3−60635号公報
特許文献1には、ブッシュタイプのトーショナルラバーダンパが開示される。このトーショナルラバーダンパは、ハブの外周面と外輪(慣性マス)の内周面との隙間に、筒状のダンパゴム(弾性部材)が圧入される。このため、筒状の弾性部材を圧縮状態で使用できることから、弾性部材の耐久性が高い。一方、トーショナルラバーダンパが装着される自動車用エンジンでは、スペースの関係からできるだけエンジン長を短くする要求がある。しかしながら、トーショナルラバーダンパの軸方向長さ、すなわち、筒状の弾性部材の軸方向長さ(ゴム幅)を過度に短くすると、筒状の弾性部材とハブとの固着面積や、筒状の弾性部材と慣性マスとの固着面積が狭くなり、使用時の安定性が低下し、回転ブレが生じ易い。そして、回転ブレが生じた際には、慣性マスの脱落などのおそれが生じる、という問題がある。
特許文献2には、せん断タイプのトーショナルラバーダンパが開示される。このトーショナルラバーダンパは、ダンパディスク(ハブプレート)の側面にゴム部材(弾性部材)を介して慣性リング(慣性マス)を接着固定している。このため、使用時の安定性を維持しながら、トーショナルラバーダンパの軸方向長さを短く(薄く)形成することができる。更に、配置する弾性部材の体積の自由度が高いので、防振特性の調整範囲を広くとることができる。しかしながら、過度な連続変位が入力された場合、変位角の関係から径方向外周側の弾性部材に大きな歪みが生じ、自己発熱による弾性部材の破壊や接着破壊を生じ易いため耐久性が低い、という問題がある。
特許文献3に開示されるトーショナルラバーダンパは、特許文献2の環状慣性体(慣性マス)を軸方向にボルトで締結し、ラバー(弾性部材)をダンパディスク(ハブプレート)に挟み込んで圧縮力を付与する構成を有する。これにより、加硫接着を排し、ゴムの疲労強度を向上することができる。しかしながら、ボルトによって慣性マスを締結しているため、ボルトを締結するためのスペースが必要である。また、ボルトヘッドを埋め込むための厚みが必要となり、軸方向に薄く、小型に形成することが困難である。また、振動部材である慣性マスをボルトで締結しているため、振動によるボルト緩みが生じるおそれがある。また、一方の慣性マス部材に、ボルト軸よりも若干大径の挿通穴が設けられる。慣性マスの組立において、この挿通穴とボルト軸との隙間がガタとなり、高速回転するトーショナルラバーダンパにおいては、振れ回りの原因となり易いなどの問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、薄型化及び小型化が可能であり、振動特性設定の自由度が高く、耐久性が高いうえ、容易に製造可能なトーショナルラバーダンパを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るトーショナルラバーダンパは、回転軸に取り付け可能な取付部を有するハブプレートと、第1の慣性マス部材と第2の慣性マス部材とを有し、少なくとも前記回転軸の正負の回転方向である周方向に揺動自在な慣性マスと、前記ハブプレートと前記慣性マスとを弾性的に連結する第1の弾性部材とを具備する。
前記第1の慣性マス部材は、前記ハブプレートの一方の面である第1の面の前記回転軸に垂直な放射方向である径方向の少なくとも一部に対向する環状の第1の保持部と、前記第1の保持部の外径側端部に設けられた第1の接続部とを有する。
前記第2の慣性マス部材は、前記ハブプレートの前記第1の面の裏面である第2の面の前記径方向の少なくとも一部に対向する環状の第2の保持部と、前記第2の保持部の外径側端部に設けられた第2の接続部とを有する。
前記第1の接続部と前記第2の接続部とは、嵌合又は溶接にて固着される。
前記第1の弾性部材は、前記ハブプレートの前記第1の面と、前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部との間に圧縮して挟持される。
本発明の一形態に係るトーショナルラバーダンパによれば、第1の弾性部材がハブプレートの第1の面と、第1の慣性マス部材の第1の保持部との間に圧縮して挟持されているので、第1の弾性部材の耐久性が向上する。これは、無圧縮状態の弾性部材をせん断変形させた場合、弾性部材には最初から引っ張り荷重がかかるのに対して、圧縮状態の弾性部材をせん断変形させた場合は、圧縮状態から一旦元の状態に戻り、そこから引っ張り荷重がかかるためである。
また、本発明においては、第1の慣性マス部材と第2の慣性マス部材とが嵌合又は溶接にて固着されているので、これらをボルト止めにより組み合わせる場合に比べて、慣性マスを径方向及び軸方向にコンパクトに形成することができ、またボルト締結するための部位が不要となり、小型化を図れる。
加えて、本発明においては、慣性マスの固定にボルト止めを用いないので、振動によるボルト緩みのおそれが無くなり、組付け後のメンテナンスが不要である。
さらに、本発明においては、慣性マスの固定にボルト止めを用いないので、ボルト軸外周面と挿通穴内周面との間に生じる隙間が無い。このため、組立による慣性マスの偏芯を抑えることができ、高速回転するトーショナルラバーダンパであっても、振れ周りを誘発しにくい。よって、組立毎に高い組立精度が要求されず、容易に製造可能となる。
前記ハブプレートの前記第1の面及び前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部の少なくとも何れか一方と、前記第1の弾性部材とは、固着剤により固定されてもよい。
固着剤により、ハブプレート、第1の弾性部材及び第1の慣性マス部材を確実に固定することができる。また、固着により、第1の弾性部材の端部のボリューム移動が抑制されるので、第1の弾性部材の端部においても、所定の圧縮量が維持される。また、第1の弾性部材の端部においても固着が維持されるので、ハブプレート及び慣性マスの当接面との擦れが生じないため、摩耗が抑制される。これにより、第1の弾性部材の耐久性が向上する。
トーショナルラバーダンパは、前記ハブプレートの前記第2の面と、前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部との間に設けられた摩擦部材をさらに具備してもよい。
摩擦部材を用いることにより、第1の弾性部材を圧縮させつつ、慣性マスの少なくとも周方向の振動について減衰性を追加的に付与することができる。これにより、第1の弾性部材の負荷が減り、第1の弾性部材の耐久性が向上する。また、摩擦部材を径方向に揺動可能とした場合には、曲げダンパの機能を付与することもできる。
トーショナルラバーダンパは、前記ハブプレートの前記第2の面と、前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部との間に圧縮して挟持された第2の弾性部材をさらに具備してもよい。
ハブプレートと第2の慣性マス部材とを第2の弾性部材で弾性接続しているので、第1の弾性部材に掛かる負荷を低減することができる。これにより、第1の弾性部材の耐久性が向上する。
前記ハブプレートの前記第2の面及び前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部の少なくとも何れか一方と、前記第2の弾性部材とは、固着剤により固定されてもよい。
固着剤により、ハブプレート、第2の弾性部材及び第2の慣性マス部材を確実に固定することができる。また、固着により、第2の弾性部材の端部のボリューム移動が抑制されるので、第2の弾性部材の端部においても、所定の圧縮量が維持される。また、第2の弾性部材の端部においても固着が維持されるので、ハブプレート及び慣性マスの当接面との擦れが生じないため、摩耗が抑制される。これにより、第2の弾性部材の耐久性が向上する。同時に、第1の弾性部材の負荷が減り、第1の弾性部材の耐久性が向上する。
前記ハブプレートの前記第1の面の少なくとも一部には、前記径方向に対して傾斜する第1の傾斜面が設けられてもよい。
前記第1の弾性部材は、前記ハブプレートの前記第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面に対向する前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部との間に設けられてもよい。
前記ハブプレートの前記第2の面の少なくとも一部には、前記径方向に対して傾斜する第2の傾斜面が設けられてもよい。
前記摩擦部材又は前記第2の弾性部材は、前記ハブプレートの前記第2の傾斜面と、前記第2の傾斜面に対向する前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部との間に設けられてもよい。
第1の弾性部材及び第2の弾性部材が径方向に対して傾斜して配置されている。これにより、回転軸に曲げ振動が生じた場合、ハブプレートに弾性接続されている慣性マスが回転軸の曲げ方向に振動する。これに応じて、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は、径方向のせん断変形を生じ(一般に、圧縮方向ばね定数よりもせん断方向のばね定数の方が低い)、所謂曲げダンパとしても機能することができる。つまり、慣性マスの一部と第1の弾性部材及び第2の弾性部材とを径方向に対して傾斜して配置することによって、慣性マスが第1の弾性部材及び第2の弾性部材のせん断方向に動きやすくなる。このため、捩り振動ダンパ機能に加え、曲げダンパ機能を奏することができる。従って、回転軸に対する防振性をより向上することができる。
前記ハブプレートが前記径方向に対して屈曲した形状を有することで、前記第1及び第2の傾斜面が構成されてもよい。
前記ハブプレートが内径側に向かって厚くなるように、前記ハブプレートの前記第1及び第2の傾斜面が傾斜してもよい。
前記ハブプレートが内径側に向かって厚くなるように、前記ハブプレートの前記第1及び第2の傾斜面が傾斜している場合、第1の弾性部材及び第2の弾性部材が径方向に対して傾斜して配置される。これにより、回転軸に曲げ振動が生じた場合、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は、それぞれ異なる径方向のせん断変形を生じるので、それぞれ個別にばね定数を調整することが可能な曲げダンパとしても機能することができる。
前記ハブプレートは、前記軸方向に前記ハブプレートを貫通する貫通孔を有し、第1又は第2の慣性マス部材は、第1又は第2の保持部の内径側端部に設けられ、前記貫通孔内に延び、前記慣性マスが前記ハブプレートに対して所定角度以上に回転したとき、前記貫通孔の内周面に接触する少なくとも1つの周り止め片を有してもよい。
慣性マスがハブプレートに対して所定角度以上に回転したとき、回り止め片が貫通孔の内周面に接触するため、慣性マスが過度に回転するのが抑制される。また、別途周り止め部材を設ける必要が無いので、部品点数の低減や、低コスト化が可能となる。
前記ハブプレートは、前記軸方向に前記ハブプレートを貫通する貫通孔を有し、一方の第1又は第2の慣性マス部材は、第1又は第2の保持部の内径側端部に設けられ、前記貫通孔を通して、他方の第1又は第2の慣性マス部材を係止する係止片を有してもよい。
内径側に位置する前記係止片は、前記貫通孔を通して、第1の慣性マス部材及び第2の慣性マス部材をカシメなどにより一体に係止する。さらに、外径側に位置する前記第1及び第2の接続部は、嵌合又は溶接される。これにより、第1の弾性部材及び第2の弾性部材を内径側及び外径側で確実に挟持することができる。これにより、第1又は第2の慣性マス部材の保持部を薄い板金で形成した場合でも、第1の弾性部材及び第2の弾性部材を圧縮状態で確実に保持することができる。
トーショナルラバーダンパは、前記径方向において外側に位置する前記第1又は第2の慣性マス部材の外周面に設けられたプーリをさらに具備してもよい。
第1の弾性部材をハブプレートの第1の傾斜面で支持し、第2の弾性部材をハブプレートの第2の傾斜面で支持する場合、プーリに印加される径方向荷重を、第1の弾性部材及び第2の弾性部材のせん断変形に加えて、圧縮変形でも受けることができる。つまり、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の径方向せん断ばねと圧縮ばねとの合成力で、プーリに印加される径方向荷重を支持することになる。このため、せん断ばねのみで支持する場合に比べて、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の見かけ剛性が高くなり、耐久性が向上する。更に、ハブプレートが内径側に向かって厚くなるように形成されている場合は、万一、第1の弾性部材及び第2の弾性部材が破断しても、プーリの脱落が生じ難い。
トーショナルラバーダンパは、前記径方向において内側に位置する前記第1又は第2の慣性マス部材と、前記ハブプレートの外周面との間に設けられ、前記径方向の荷重を支持するベアリングをさらに具備してもよい。
ハブプレートの外周面と前記径方向において内側に位置する第1又は第2の慣性マス部材との間の径方向荷重支持用のベアリングにより、第1及び/又は第2の弾性部材は、プーリに印加される荷重を受ける必要が無い。このため、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の耐久性がさらに向上する。加えて、第1及び/又は第2の弾性部材は、径方向荷重を支持する必要が無いので、第1及び/又は第2の弾性部材に付与可能な防振特性の自由度が高い。例えば、柔らかい第1及び/又は第2の弾性部材を採用することで、低周波振動に対応可能である。
前記ハブプレートの前記第1の面には、軸方向に突出する1以上の第1の凸部が設けられてもよい。
前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部には、軸方向に突出する1以上の第2の凸部が設けられてもよい。
前記第1の凸部と、前記第2の凸部とは、少なくとも前記周方向に離間して配置されていることが好ましい。
ハブプレート及び第1の慣性マス部材が回転方向(周方向)に大きく差動したとき、第1の凸部及び第2の凸部に挟まれた(すなわち、周方向に第1の凸部と第2の凸部との間に位置する)第1の弾性部材が圧縮される。この圧縮による反力が生じて周り止め作用が生じる。
また、第1の凸部及び第2の凸部の間隔及び突出量を調整することで、ハブプレート及び第1の慣性マス部材が回転方向(周方向)に大きく差動したときに生じる第1の弾性部材の回転方向(周方向)のばね定数を調整することができる。
本発明のトーショナルラバーダンパによれば、第1の弾性部材がハブプレートの第1の面と、第1の慣性マス部材の第1の保持部との間に圧縮して挟持され、かつ、第1の慣性マス部材と第2の慣性マス部材とが嵌合又は溶接にて固着されているので、耐久性が高く、薄型化及び小型化が可能であり、振動特性設定の自由度が高く、耐久性が高いうえ、容易に製造可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す平面図である。 図1のトーショナルラバーダンパのA−A線断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。 本発明の第7の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す平面図である。 図8のトーショナルラバーダンパの断面斜視図である。 本発明の第8の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。 図10のトーショナルラバーダンパの断面斜視図である。 図10のトーショナルラバーダンパの分解断面斜視図である。 本発明の第9の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す平面図である。図2は、図1のトーショナルラバーダンパのA−A線断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ1は、ハブプレート11と、慣性マス12と、弾性部材13と、摩擦部材14とを有する。
ハブプレート11は、金属製(鋳造、板金等)であり、一方の略円形の面である第1の面111と、第1の面111の裏面である第2の面112とを有する。ハブプレート11は、第1の面111及び第2の面112の中心に、エンジンのクランクシャフトやカムシャフトなどの回転軸(図示せず)に取り付け可能な取付部を有する。ハブプレート11は、取付部として、回転軸を挿通可能な取付穴113を有するボス114を有する。回転軸の端部がフランジ状に形成されている場合には、ハブプレート11の取付部は、ボス114の代わりに、回転軸に対して直接ボルト止め可能な構成を有してもよい(図10〜図12参照)。
本明細書において、回転軸の軸方向すなわち取付穴113の貫通方向を「軸方向」と記述する。回転軸に垂直な放射方向すなわちハブプレート11の径方向を「径方向」と記述する。回転軸の正負の回転方向すなわちハブプレート11の周方向を「周方向」と記述する。トーショナルラバーダンパの「平面図」とは、トーショナルラバーダンパを軸方向に見たときの図である。
慣性マス12は、金属製の第1の慣性マス部材121と、第2の慣性マス部材122とを有する。慣性マス12は、回転軸に対して少なくとも周方向に揺動自在である。第1の慣性マス部材121及び第2の慣性マス部材122は、鋳造、板金等により形成される。
第1の慣性マス部材121は、第1の保持部1211と、第1の接続部1212とを有する。第1の保持部1211は、ハブプレート11の第1の面111の径方向の少なくとも一部に対向し、環状である。第1の接続部1212は、第1の保持部1211の外径側端部1213に連続的に設けられ、環状である。具体的には、第1の保持部1211の外径側端部1213が、ハブプレート11の第1の面111から第2の面112に向かう方向成分を含む方向に屈曲することで、第1の接続部1212が形成される。
第2の慣性マス部材122は、第2の保持部1221と、第2の接続部1222とを有する。第2の保持部1221は、ハブプレート11の第2の面112の径方向の少なくとも一部に対向し、環状である。第2の接続部1222は、第2の保持部1221の外径側端部1223に連続的に設けられ、環状である。具体的には、第2の保持部1221の外径側端部1223が、ハブプレート11の第2の面112から第1の面111に向かう方向成分を含む方向に屈曲することで、第2の接続部1222が形成される。
第1の慣性マス部材121の環状の第1の接続部1212の内径(内周面1214の直径)と、第2の慣性マス部材122の環状の第2の接続部1222の外径(外周面1224の直径)とは、略等しい。第1の慣性マス部材121の第1の接続部1212の内周面1214と、第2の慣性マス部材122の第2の接続部1222の外周面1224とは、嵌合又は溶接にて固着される。
弾性部材13は、所謂ダンパゴムであり、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)等のゴム材料や、樹脂エラストマーにより形成され、環状である。弾性部材13は、ハブプレート11の第1の面111と、第1の慣性マス部材121の第1の保持部1211との間に圧縮して挟持され、固定される。ハブプレート11の第1の面111と、弾性部材13とは、固着剤(図示せず)により固定されてもよい。第1の慣性マス部材121の第1の保持部1211と、弾性部材13とは、固着剤(図示せず)により固定されてもよい。これにより、弾性部材13は、ハブプレート11と、慣性マス12の第1の慣性マス部材121とを、弾性的に連結する。
ハブプレート11の第1の面111と弾性部材13との固着方法、第1の慣性マス部材121の第1の保持部1211と弾性部材13との固着方法としては、弾性部材13の未成形材を第1の慣性マス部材121及び/又はハブプレート11上に充填し、成形と同時に接着する手法(ゴムの場合、加硫接着に該当)が可能である。あるいは、成形済みの弾性部材13を後接着するポストボンド法など、公知手法による固着が可能である。好ましくは、弾性部材13を第1の慣性マス部材121及び/又はハブプレート11に圧縮して接触させた状態で固着させることができるポストボンド法を用いるのが良い。本発明に用いる固着剤としては、公知の接着剤や加硫接着剤を使用可能である。ポストボンド法に適用でき、天然ゴム、NBR、EPDMなどの防振ゴム用の固着剤としては、シランカップリング剤が好ましい。
摩擦部材14は、例えば、樹脂製のスラストベアリングであり、環状である。摩擦部材14は、ハブプレート11の第2の面112と、第2の慣性マス部材122の第2の保持部1221との間に挟持され、固定される。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ1においては、回転軸に装着されるハブプレート11と第1の慣性マス部材121とを弾性部材13で弾性接続しているので、弾性部材13の粘弾性により、捩り振動を吸収・減衰する。さらに、ハブプレート11と第2の慣性マス部材122とを摩擦部材14を介して接続しているので、摩擦部材14の摩擦力により、ハブプレート11と第2の慣性マス部材122との間に減衰を付与する。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ1によれば、弾性部材13がハブプレート11の第1の面111と、第1の慣性マス部材121の第1の保持部1211との間に圧縮して挟持される。これにより、弾性部材13の耐久性が向上する。これは、無圧縮状態ゴムをせん断変形させた場合、ゴムには最初から引っ張り荷重がかかるのに対して、圧縮状態ゴムをせん断変形させた場合は、圧縮状態から一旦元の状態に戻り、そこから引っ張り荷重がかかるためである。
また、第1の慣性マス部材121及び第2の慣性マス部材122とを、嵌合又は溶接にて固着する。これにより、これらをボルト止めにより組み合わせる場合に比べて、慣性マス12を径方向及び軸方向にコンパクトに形成することができる。またボルト締結するための部位が不要となり、小型化を図れる。
加えて、慣性マス12の固定にボルト止めを用いないので、振動によるボルトの緩みのおそれが無くなり、組付け後のメンテナンスが不要である。
さらに、慣性マス12にボルト止めを用いないので、ボルト軸外周面と挿通穴内周面との間に生じる隙間が無い。このため、組立による慣性マス12の偏芯を生じず、高速回転するトーショナルラバーダンパであっても、振れ周りを誘発しにくい。よって、組立毎に高い組立精度が要求されず、容易に製造可能となる。
ハブプレート11の第1の面111及び弾性部材13を固着剤により固定し、第1の慣性マス部材121の第1の保持部1211及び第1の弾性部材を固着剤により固定する。固着剤により、これらを確実に固定することができる。また、固着により、弾性部材13の端部のボリューム移動が抑制されるので、弾性部材13の端部においても、所定の圧縮量が維持される。また、弾性部材13の端部においても固着が維持されるので、ハブプレート11及び慣性マス12の当接面との擦れが生じないため、摩耗が抑制される。これにより、弾性部材13の耐久性が向上する。
摩擦部材14は、ハブプレート11の第2の面112と、第2の慣性マス部材122の第2の保持部1221との間に挟持され、固定される。摩擦部材14を用いることにより、弾性部材13を圧縮させつつ、慣性マス12の少なくとも周方向の振動について減衰性を付与することができる。これにより、弾性部材13の負荷が減り、弾性部材13の耐久性が向上する。
また、摩擦部材14を径方向に揺動可能とした場合には、曲げダンパの機能を付与することもできる。このとき、摩擦部材14をテーパ状とするなどして調芯性を付与することが望ましい。
2.第2の実施形態
以下の各実施形態において、既に説明した各実施形態と同様の構成には同様の参照符号を付す。具体的には、実施形態ごとに、参照符号の最上位桁の数字を変更する。既に説明した各実施形態と同様の構成、作用及び効果等は記載を省略し、既に説明した各実施形態と異なる構成、作用及び効果等を主に記載する。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ2は、第1の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ1の摩擦部材14の代わりに、第2の弾性部材24を設けたものである。以下、第1の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ2は、ハブプレート21と、第1の慣性マス部材221及び第2の慣性マス部材222を有する慣性マス22と、第1の弾性部材23と、第2の弾性部材24とを有する。
第2の弾性部材24は、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)等のゴム材料や、樹脂エラストマーにより形成され、環状である。第2の弾性部材24は、ハブプレート21の第2の面212と、第2の慣性マス部材222の第2の保持部2221との間に圧縮して挟持され、固定される。ハブプレート21の第2の面212と、第2の弾性部材24とは、固着剤(図示せず)により固定されてもよい。第2の慣性マス部材222の第2の保持部2221と、第2の弾性部材24とは、固着剤(図示せず)により固定されてもよい。これにより、第2の弾性部材24は、ハブプレート21と慣性マス22の第2の慣性マス部材222とを弾性的に連結する。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ2によれば、ハブプレート21と第2の慣性マス部材222とを第2の弾性部材24で弾性接続しているので、第2の弾性部材24の粘弾性により、捩り振動を吸収・減衰する。これにより、第1の弾性部材23に掛かる負荷を低減することができ、第1の弾性部材23の耐久性が向上する。
3.第3の実施形態
図4は、本発明の第3の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
第3の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ3は、第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパの一部に屈曲した形状を持たせるなどして変形し、第1の弾性部材及び第2の弾性部材を径方向に対して傾斜させ、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の径方向の剛性の向上を図る。以下、第2の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ3は、ハブプレート31と、第1の慣性マス部材321及び第2の慣性マス部材322を有する慣性マス32と、第1の弾性部材33と、第2の弾性部材34とを有する。
ハブプレート31は、径方向及び軸方向に対して屈曲した形状を有する。具体的には、ハブプレート31の屈曲部315は、第1の面311から第2の面312に向かう方向成分を含む方向に屈曲した形状を有する。ハブプレート31の第1の面311の、屈曲部315より外径側の部分は、径方向及び軸方向に対して傾斜する第1の傾斜面316である。ハブプレート31の第2の面312の、屈曲部315より外径側の部分は、径方向及び軸方向に対して傾斜する第2の傾斜面317である。
第1の慣性マス部材321の第1の保持部3211は、ハブプレート31の第1の傾斜面316の少なくとも一部に対向する。第1の保持部3211は、第1の傾斜面316の傾斜方向成分を含む方向に傾斜してもよい。例えば、ハブプレート31の第1の傾斜面316と、第1の保持部3211とは、互いに略平行であってもよい。
第2の慣性マス部材322の第2の保持部3221は、ハブプレート31の第2の傾斜面317の少なくとも一部に対向する。第2の保持部3221は、第2の傾斜面317の傾斜方向成分を含む方向に傾斜してもよい。例えば、ハブプレート31の第2の傾斜面317と、第2の保持部3221とは、互いに略平行であってもよい。
第1の弾性部材33は、ハブプレート31の第1の傾斜面316と、第1の慣性マス部材321の第1の保持部3211との間に圧縮して挟持され、固定される。
第2の弾性部材34は、ハブプレート31の第2の傾斜面317と、第2の慣性マス部材322の第2の保持部3221との間に圧縮して挟持され、固定される。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ3によれば、第1の弾性部材33及び第2の弾性部材34が径方向に対して傾斜して配置されている。これにより、回転軸に曲げ振動が生じた場合、ハブプレートに弾性接続されている慣性マスが回転軸の曲げ方向に振動する。これに応じて、第1の弾性部材33及び第2の弾性部材34は、径方向のせん断変形を生じ、所謂曲げダンパとしても機能することができる。つまり、慣性マス32の一部と第1の弾性部材33及び第2の弾性部材34とを径方向に対して傾斜して配置することによって、慣性マス32が第1の弾性部材33及び第2の弾性部材34のせん断方向に動きやすくなる。このため、捩り振動ダンパ機能に加え、曲げダンパ機能を奏することができる。従って、回転軸に対する防振性をより向上することができる。なお、ハブプレート31や第1及び第2の慣性マス部材321、322の径方向に対する傾斜角は、取付対象となる回転軸で必要な曲げダンパ特性と捩りダンパ特性とのバランスを考慮して決定される。
3−1.第3の実施形態の変形例(図示せず)
第3の実施形態の変形例として、第2の弾性部材34の代わりに、第1の実施形態の摩擦部材14と同様の摩擦部材を設けてもよい。
4.第4の実施形態
図5は、本発明の第4の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
第4の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ4は、第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ2の一部に屈曲した形状を持たせるなどして変形し、第1の弾性部材及び第2の弾性部材を径方向に対して傾斜させ、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の径方向の剛性の向上を図る。さらにプーリ45を設ける。以下、第2の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ4は、ハブプレート41と、第1の慣性マス部材421及び第2の慣性マス部材422を有する慣性マス42と、第1の弾性部材43と、第2の弾性部材44と、プーリ45とを有する。
ハブプレート41の第1の面411の少なくとも一部には、径方向及び軸方向に対して傾斜する第1の傾斜面416が設けられる。ハブプレート41の第2の面412の少なくとも一部には、径方向及び軸方向に対して傾斜する第2の傾斜面417が設けられる。ハブプレート41が内径側に向かって厚くなるように、第1の傾斜面416及び第2の傾斜面417が傾斜する。
第1の慣性マス部材421の第1の保持部4211は、ハブプレート41の第1の傾斜面416の少なくとも一部に対向する。第1の保持部4211は、第1の傾斜面416の傾斜方向成分を含む方向に傾斜してもよい。例えば、ハブプレート41の第1の傾斜面416と、第1の保持部4211とは、互いに略平行であってもよい。
第2の慣性マス部材422の第2の保持部4221は、ハブプレート41の第2の傾斜面417の少なくとも一部に対向する。第2の保持部4221は、第2の傾斜面417の傾斜方向成分を含む方向に傾斜してもよい。例えば、ハブプレート41の第2の傾斜面417と、第2の保持部4221とは、互いに略平行であってもよい。
第1の弾性部材43は、ハブプレート41の第1の傾斜面416と、第1の慣性マス部材421の第1の保持部4211との間に圧縮して挟持され、固定される。
第2の弾性部材44は、ハブプレート41の第2の傾斜面417と、第2の慣性マス部材422の第2の保持部4221との間に圧縮して挟持され、固定される。
プーリ45は、径方向において外側に位置する第1の慣性マス部材421の環状の第1の接続部4212又は第2の慣性マス部材422の環状の第2の接続部4222の外周面に、一体に形成される。本実施形態では、第1の慣性マス部材421の環状の第1の接続部4212が、第2の慣性マス部材422の環状の第2の接続部4222に対して、径方向において外側に位置する。従って、第1の慣性マス部材421の環状の第1の接続部4212の外周面4215に、プーリ45が一体に形成される。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ4によれば、第1の弾性部材43をハブプレート41の第1の傾斜面416で支持し、第2の弾性部材44をハブプレート41の第2の傾斜面417で支持している。これにより、プーリ45に印加される径方向荷重を、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44のせん断変形に加えて、圧縮変形でも受けることができる。つまり、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44の径方向せん断ばねと圧縮ばねとの合成ばねで、プーリに印加される径方向荷重を支持することになる。このため、せん断ばねのみで支持する場合に比べて、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44の見かけ剛性が高くなり、耐久性が向上する。更に、ハブプレート41が内径側に向かって厚くなるように形成されている場合は、万一、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44が破断しても、プーリ45の脱落が生じ難い。
また、ハブプレート41が内径側に向かって厚くなるように、ハブプレート41の第1及び第2の傾斜面416、417が傾斜している場合、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44が径方向及び軸方向に対して傾斜して配置される。これにより、回転軸に曲げ振動が生じた場合、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44は、それぞれ異なる径方向のせん断変形を生じるので、それぞれ個別にばね定数を調整することが可能な、曲げダンパとしても機能することができる。これにより、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44の少なくとも径方向の剛性が向上し、第1の弾性部材43及び第2の弾性部材44の耐久性が向上する。
4−1.第4の実施形態の変形例1(図示せず)
第4の実施形態の変形例1として、第2の弾性部材44の代わりに、第1の実施形態の摩擦部材14と同様の摩擦部材を設けてもよい。
4−2.第4の実施形態の変形例2(図示せず)
第4の実施形態の変形例2として、第1〜3の実施形態のように、プーリ45を設けなくてもよい。
4−3.各実施形態の変形例(図示せず)
第1〜第3の実施形態の変形例として、第4の実施形態と同様のプーリを設けてもよい。また、以下の各実施形態においても、プーリが設けられている各実施形態においては、プーリを設けなくてもよいし、プーリが設けられていない各実施形態においては、プーリを設けてもよい。
5.第5の実施形態
図6は、本発明の第5の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
第5の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ5は、第1の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ1に、プーリ55及びベアリング56を設けたものである。以下、第1の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ5は、ハブプレート51と、第1の慣性マス部材521及び第2の慣性マス部材522を有する慣性マス52と、弾性部材53と、摩擦部材54と、プーリ55と、ベアリング56とを有する。
ハブプレート51の外周には、ベアリング設置部515が設けられる。ベアリング設置部515は、第2の慣性マス部材522の第2の接続部5222の内周面5225に対して径方向に対向する。ベアリング設置部515の軸方向の幅は、ベアリング56を設置可能な寸法である。例えば、図6の例では、ベアリング設置部515の軸方向の幅は、ハブプレート51の厚み(第1の面511と第2の面512との間の距離)より大きい。この場合、ベアリング設置部515の第2の面512側の端部516と、第2の慣性マス部材522の第2の保持部5221との間に、摩擦部材54が挟持され、固定される。
プーリ55は、第1の慣性マス部材521の環状の第1の接続部5212の外周面5215に一体に形成される。
ベアリング56は、例えば、樹脂製のジャーナルベアリングであり、環状である。ベアリング56は、ハブプレート51のベアリング設置部515と、第2の慣性マス部材522の第2の接続部5222の内周面5225との間に挟持され、固定される。ベアリング56は、プーリ55に印加される径方向荷重を支持する。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ5によれば、ハブプレート51と第2の慣性マス部材522との間に、径方向荷重支持用のベアリング56が配設される。これにより、弾性部材53及び摩擦部材54は、プーリ55に印加される荷重を受ける必要が無い。このため、弾性部材53及び摩擦部材54の耐久性がさらに向上する。加えて、弾性部材53はプーリ55に印加される荷重を受ける必要が無いため、弾性部材53に付与可能な防振特性の自由度が高い。例えば、柔らかい弾性部材53を採用することで、低周波振動に対応可能である。
6.第6の実施形態
図7は、本発明の第6の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
第6の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ6は、第5の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ5に、第2の弾性部材67を設けたものである。以下、第5の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ6は、ハブプレート61と、第1の慣性マス部材621及び第2の慣性マス部材622を有する慣性マス62と、第1の弾性部材63と、摩擦部材64と、プーリ65と、ベアリング66と、第2の弾性部材67とを有する。
摩擦部材64は、ハブプレート61のベアリング設置部615の第2の面612側の端部616と、第2の慣性マス部材622の第2の保持部6221の第1の部位6221aとの間に、挟持され、固定される。
第2の弾性部材67は、ハブプレート61の第2の面612と、第2の慣性マス部材622の第2の保持部6221の第2の部位6221bとの間に圧縮して挟持され、固定される。
図7の例では、第2の保持部6221を屈曲部6226、6227で屈曲させ、第2の保持部6221の第1の部位6221aの軸方向の位置と、第2の部位6221bの軸方向の位置とを異ならせている。第1の部位6221aの軸方向の位置は、摩擦部材64の厚みや、ベアリング設置部615の、ハブプレート61の第2の面612側への突出長さ等に応じて決定すればよい。第2の部位6221bの軸方向の位置は、第2の弾性部材67の厚み、弾性部材67の所望の圧縮率、ハブプレート61の厚み等に応じて決定すればよい。このような条件に基づき、第2の保持部6221の第1の部位6221aの軸方向の位置と、第2の部位6221bの軸方向の位置とを同一にしてもよい(言い換えると、第2の保持部6221を屈曲しなくてもよい)。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ6によれば、ハブプレート61と第2の慣性マス部材622との間に、摩擦部材64及び第2の弾性部材67が設けられる。これにより、ハブプレート61と、第2の保持部6221の第2の部位6221bとの距離が規定されるので、第2の弾性部材64に掛かる負荷を調整することができる。これにより、所望の防振特性を付与することができる。
7.第7の実施形態
図8は、本発明の第7の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す平面図である。図9は、図8のトーショナルラバーダンパの断面斜視図である。なお、以下の断面斜視図において、見易さのため、断面を示すハッチングは図示を省略する。
第7の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ7は、第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ2に、複数の周り止め片7227を設けたものである。以下、第2の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ7は、ハブプレート71と、第1の慣性マス部材721及び第2の慣性マス部材722を有する慣性マス72と、第1の弾性部材73と、第2の弾性部材74とを有する。
ハブプレート71は、軸方向に第1の面711及び第2の面712を貫通する少なくとも1つの貫通孔717を有する。
一方の第1の慣性マス部材721又は第2の慣性マス部材722(同図の例では、第2の慣性マス部材722)は、少なくとも1つの周り止め片7227を有する。周り止め片7227は、第2の慣性マス部材722の第2の保持部7221の内径側端部7228に設けられる。周り止め片7227は、貫通孔717内に、軸方向成分を含む方向に延びる。周り止め片7227は、貫通孔717の内周面の一部に周方向に対向する。周り止め片7227は、慣性マス72がハブプレート71に対して周方向に所定角度以上に回転したとき、貫通孔717の内周面(同図の例では、ハブプレート71における第1及び第2の弾性部材73,74との接触部位と回転軸の取付部とを接続するスポーク状の部位)に周方向に接触する。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ7によれば、慣性マス72がハブプレート71に対して所定角度以上に回転したとき、回り止め片7227が貫通孔717の内周面に接触するため、慣性マス72が過度に回転するのが抑制される。また、別途周り止め部材を設ける必要が無いので、部品点数の低減や、低コスト化が可能となる。
7−1.第7の実施形態の変形例1(図示せず)
第7の実施形態の変形例1として、周り止め片7227は、貫通孔717の周面の一部に単に対向するだけでなく、係止片として、第1の慣性マス部材721の第1の保持部7211を係止して(カシメて)もよい。
7−2.第7の実施形態の変形例2(図示せず)
第7の実施形態の変形例2として、第1の慣性マス部材721の第2の保持部7221の内径側端部7218に周り止め片7227と同様の周り止め片を設けてもよい。この場合、第1の慣性マス部材721の周り止め片と、第2の慣性マス部材722の周り止め片7227とを係止して(カシメて)もよい。この場合、第1の慣性マス部材721の周り止め片と、第2の慣性マス部材722の周り止め片7227とは、それぞれ係止片として機能する。
上記各変形例に係るトーショナルラバーダンパによれば、内径側に位置する回り止め片(係止片)は、貫通孔717を通して、第1の慣性マス部材721及び第2の慣性マス部材722をカシメなどにより一体に係止する。さらに、外径側に位置する第1及び第2の接続部は、嵌合又は溶接される。これにより、第1の弾性部材73及び第2の弾性部材74を内径側及び外径側で確実に挟持することができる。これにより、第1又は第2の慣性マス部材721、722の第1又は第2の保持部7211、7221を薄い板金で形成した場合でも、第1の弾性部材73及び第2の弾性部材74を圧縮状態で確実に保持することができる。
板金製の部材を用いることで、鋳造の部材を用いる場合より低コスト化を図れる。
8.第8の実施形態
図10は、本発明の第8の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。図11は、図10のトーショナルラバーダンパの断面斜視図である。図12は、図10、11のトーショナルラバーダンパの分解断面斜視図である。
第8の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ8は、第1の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ1のハブプレート11及び第1の慣性マス部材121を変形して両者に周り止めの機能を付与するなどしたものである。以下、第1の実施形態との相違点を主に説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ8は、板金製のハブプレート81と、板金製の第1の慣性マス部材821及び板金製の第2の慣性マス部材822を有する慣性マス82と、弾性部材83と、摩擦部材84とを有する。
ハブプレート81の第1の面811には、1以上の第1の凸部819が設けられる。第1の凸部819は、第1の面811から、第2の面812から第1の面811に向かう方向(軸方向)に突出する。典型的には、第1の凸部819は、周方向に等間隔に設けられる。ハブプレート81を板金加工にて形成する場合には、第1の凸部819を、プレス加工により同時に形成することができる。
第1の慣性マス部材821の第1の保持部8211には、1以上の第2の凸部8219が設けられる。第2の凸部8219は、第1の保持部8211の保持面8211a(弾性部材83を保持する面)から、保持面8211aの裏面8211bから保持面8211aに向かう方向(軸方向)に突出する。典型的には、第2の凸部8219は、周方向に等間隔に設けられる。第1の慣性マス部材821を板金加工にて形成する場合には、第2の凸部8219を、プレス加工により同時に形成することができる。
第1の凸部819及び第2の凸部8219は、少なくとも周方向に離間して配置される。第1の凸部819及び第2の凸部8219は、ハブプレート81及び第1の慣性マス部材821を組みわせたとき、互いに干渉しない形状であるとともに、互いに干渉しない間隔で配置される。典型的には、同図に示す例のように、第1の凸部819及び第2の凸部8219の数は等しく、第1の凸部819及び第2の凸部8219の周方向の間隔は略等しい。言い換えると、第1の凸部819及び第2の凸部8219は、ハブプレート81及び第1の慣性マス部材821を組みわせたとき、互い違いに配置される。
弾性部材83は、フラットな環状である(図12参照)。弾性部材83は、ハブプレート81と第1の慣性マス部材821との間に圧縮して挟持される。このとき、弾性部材83は、第1の凸部819の形状及び第2の凸部8219の形状に合致するように変形して保持される。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ8によれば、ハブプレート81及び第1の慣性マス部材821が回転方向(周方向)に大きく差動したとき、周方向において第1の凸部819及び第2の凸部8219に挟まれた(すなわち、周方向において第1の凸部819と第2の凸部8219との間に位置する)弾性部材83が圧縮される。この圧縮による反力が生じて周り止め作用が生じる。
また、第1の凸部819及び第2の凸部8219の間隔を調整することで、ハブプレート81及び第1の慣性マス部材821が回転方向(周方向)に大きく差動したときに生じる弾性部材83の回転方向(周方向)のばね定数を調整することができる。
8−1.第8の実施形態の変形例1(図示せず)
第8の実施形態の変形例1として、第1の弾性部材83の形状を、ハブプレート81の第1の凸部819の、第1の弾性部材83に接触する部分の形状に対応して、予め変形した状態で形成してもよい。加えて、第1の弾性部材83の形状を、第1の慣性マス部材821の第2の凸部8219の、第1の弾性部材83に接触する部分の形状に対応して、予め変形した状態で形成してもよい。
8−2.第8の実施形態の変形例2(図示せず)
第8の実施形態の変形例2として、第2の実施形態のように2つの弾性部材を有する構成において、第1の弾性部材を挟持するハブプレートの第1の面及び第1の慣性マス部材だけでなく、第2の弾性部材を挟持するハブプレートの第2の面及び第2の慣性マス部材にも、上記のような凸部を設けてもよい。
8−3.第8の実施形態の変形例3(図示せず)
第1の慣性マス部材821の各第2の凸部8219は、径方向に連続する構成としてもよい。すなわち、第1の慣性マス部材821を軸方向から見たとき、各第2の凸部8219の裏面(第1の保持部8211の裏面8211b側)は、径方向に貫通する溝として形成されてもよい。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパによれば、トーショナルラバーダンパ8の使用時に、前記溝を通過する空気の流れが作られる。これにより、弾性部材83の内部発熱を効率的に放熱することができる。
9.第9の実施形態
図13は、本発明の第9の実施形態に係るトーショナルラバーダンパを示す断面図である。
第9の実施形態は、第2の実施形態に係るトーショナルラバーダンパ2のハブプレート21を変形し、これに対応して第1の慣性マス部材221及び第2の慣性マス部材222を変形することで、トーショナルラバーダンパの径方向のズレの抑制を図る。
同図に示すように、本実施形態に係るトーショナルラバーダンパ9は、ハブプレート91と、第1の慣性マス部材921及び第2の慣性マス部材922を有する慣性マス92と、第1の弾性部材93と、第2の弾性部材94とを有する。
ハブプレート91の第1の面911には、環状の第1の凸部919aが設けられる。第1の凸部919aは、第1の面911から、第2の面912から第1の面911に向かう方向に突出する。
第1の慣性マス部材921の第1の保持部9211には、環状の第1の凹部9219が設けられる。第1の凹部9219は、第1の凸部919aに対応した形状を有し、対向する位置に設けられる。第1の凹部9219は、第1の保持部9211の保持面9211a(第1の弾性部材93を保持する面)に、保持面9211aから保持面9211aの裏面9211bに向かう方向に窪む。
第1の弾性部材93は、少なくとも、ハブプレート91の第1の凸部919aと、第1の慣性マス部材921の第1の凹部9219との間に圧縮して挟持される。
ハブプレート91の第2の面912には、環状の第2の凸部919bが設けられる。第2の凸部919bは、第2の面912から、第1の面911から第2の面912に向かう方向に突出する。
第2の慣性マス部材922の第2の保持部9221には、環状の第2の凹部9229が設けられる。第2の凹部9229は、第2の凸部919bに対応した形状を有し、対向する位置に設けられる。第2の凹部9229は、第2の保持部9221の保持面9221a(第2の弾性部材94を保持する面)に、保持面9221aから保持面9221aの裏面9221bに向かう方向に窪む。
第2の弾性部材94は、少なくとも、ハブプレート91の第2の凸部919bと、第2の慣性マス部材922の第2の凹部9229との間に圧縮して挟持される。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパ9によれば、第1の弾性部材93が、軸方向だけでなく、第1の凸部919a及び第1の凹部9219により、径方向にも支持される。第2の弾性部材94が、軸方向だけでなく、第2の凸部919b及び第2の凹部9229により、径方向にも支持される。これにより、慣性マス92の径方向ズレが抑えられる。慣性マス92の径方向ズレが抑えられることから、第1の慣性マス部材921にプーリを一体に形成する場合(図示せず)、径方向荷重を受けても、慣性マス92に径方向のズレが生じ辛い。また、一時的に径方向のズレが生じたとしても、元の位置に復帰することができる。
10.第10の実施形態(図示せず)
一方の第1及び第2の慣性マス部材を板金製とし、他方の第1及び第2の慣性マス部材を重量調整が容易な鋳物で形成してもよい。この場合、板金製の第1又は第2の慣性マス部材を屈曲し、接続部を形成する。一方、鋳物製の第1又は第2の慣性マス部材は、屈曲させず、接続部を形成しない。板金製の第1又は第2の慣性マス部材の接続部の内周面と、鋳物製の第1又は第2の慣性マス部材の保持部の外周面とを、嵌合又は溶接にて固着する。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパによれば、外径の大型化を抑えつつ、慣性マスの重量調整が容易になる。
11.第11の実施形態(図示せず)
第1及び/又は第2の弾性部材を、外径側に向かって厚くしてもよい。具体的には、ハブプレートの中心から第1及び/又は第2の弾性部材の外径側端部を結ぶ直線に沿って、第1及び/又は第2の弾性部材を厚くする。より具体的には、第1の慣性部材の第1の保持部を、内径側から外径側に向かって、第2の慣性部材から遠ざかるように傾斜させる。第2の慣性部材の第2の保持部を、内径側から外径側に向かって、第1の慣性部材から遠ざかるように傾斜させる。
上記構成を有するトーショナルラバーダンパによれば、第1及び/又は第2の弾性部材の内径側端部と外径側端部の歪みが一定となるため、部分的な応力の集中を抑えることができる。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。上記の複数の効果の記載は、それらの効果が必ずしも同時に発揮されるということを意味しているのではない。条件等により、少なくとも上記した効果のいずれかが得られることを意味しており、もちろん本明細書中に記載されていない効果が発揮される可能性もある。
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。
1、2、3、4、5、6、7、8、8a、9…トーショナルラバーダンパ
11、21、31、41、51、61、71、81、81a、91…ハブプレート
12、22、32、42、52、62、72、82、92…慣性マス
13、53、83、83a…弾性部材
14、54、64、84…摩擦部材
23、33、43、63、73、83、93…第1の弾性部材
24、34、44、67、74、94…第2の弾性部材
45、55、65…プーリ
56…ベアリング
121、221、321、421、521、621、721、821、821a、921…第1の慣性マス部材
122、222、322、422、522、622、722、822、922…第2の慣性マス部材
1211、3211、4211、8211、9211…第1の保持部
1212、4212、5212…第1の接続部
1221、2221、3221、4221、5221、6221、7221、9221…第2の保持部
1222、4222、5222…第2の接続部

Claims (13)

  1. 回転軸に取り付け可能な取付部を有するハブプレートと、
    第1の慣性マス部材と第2の慣性マス部材とを有し、少なくとも前記回転軸の正負の回転方向である周方向に揺動自在な慣性マスと、
    前記ハブプレートと前記慣性マスとを弾性的に連結する第1の弾性部材と
    を具備するトーショナルラバーダンパであって、
    前記第1の慣性マス部材は、前記ハブプレートの一方の面である第1の面の前記回転軸に垂直な放射方向である径方向の少なくとも一部に対向する環状の第1の保持部と、前記第1の保持部の外径側端部に設けられた第1の接続部とを有し、
    前記第2の慣性マス部材は、前記ハブプレートの前記第1の面の裏面である第2の面の前記径方向の少なくとも一部に対向する環状の第2の保持部と、前記第2の保持部の外径側端部に設けられた第2の接続部とを有し、
    前記第1の接続部と前記第2の接続部とは、嵌合又は溶接にて固着され、
    前記第1の弾性部材は、前記ハブプレートの前記第1の面と、前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部との間に圧縮して挟持される
    ことを特徴とするトーショナルラバーダンパ。
  2. 請求項1に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートの前記第1の面及び前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部の少なくとも何れか一方と、前記第1の弾性部材とは、固着剤により固定される
    トーショナルラバーダンパ
  3. 請求項1又は2に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートの前記第2の面と、前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部との間に設けられた摩擦部材
    をさらに具備するトーショナルラバーダンパ。
  4. 請求項1又は2に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートの前記第2の面と、前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部との間に圧縮して挟持された第2の弾性部材
    をさらに具備するトーショナルラバーダンパ。
  5. 請求項4に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートの前記第2の面及び前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部の少なくとも何れか一方と、前記第2の弾性部材とは、固着剤により固定される
    トーショナルラバーダンパ。
  6. 請求項3から5の何れか一項に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートの前記第1の面の少なくとも一部には、前記径方向に対して傾斜する第1の傾斜面が設けられ、
    前記第1の弾性部材は、前記ハブプレートの前記第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面に対向する前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部との間に設けられ、
    前記ハブプレートの前記第2の面の少なくとも一部には、前記径方向に対して傾斜する第2の傾斜面が設けられ、
    前記摩擦部材又は前記第2の弾性部材は、前記ハブプレートの前記第2の傾斜面と、前記第2の傾斜面に対向する前記第2の慣性マス部材の前記第2の保持部との間に設けられる
    トーショナルラバーダンパ。
  7. 請求項6に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートが前記径方向に対して屈曲した形状を有することで、前記第1及び第2の傾斜面が構成される
    トーショナルラバーダンパ。
  8. 請求項6に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートが内径側に向かって厚くなるように、前記ハブプレートの前記第1及び第2の傾斜面が傾斜する
    トーショナルラバーダンパ。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートは、前記軸方向に前記ハブプレートを貫通する貫通孔を有し、
    第1又は第2の慣性マス部材は、第1又は第2の保持部の内径側端部に設けられ、前記貫通孔内に延び、前記慣性マスが前記ハブプレートに対して所定角度以上に回転したとき、前記貫通孔の内周面に接触する少なくとも1つの周り止め片を有する
    トーショナルラバーダンパ。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートは、前記軸方向に前記ハブプレートを貫通する貫通孔を有し、
    一方の第1又は第2の慣性マス部材は、第1又は第2の保持部の内径側端部に設けられ、前記貫通孔を通して、他方の第1又は第2の慣性マス部材を係止する係止片を有する
    トーショナルラバーダンパ。
  11. 請求項1から10の何れか一項に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記径方向において外側に位置する前記第1又は第2の慣性マス部材の外周面に設けられたプーリ
    をさらに具備するトーショナルラバーダンパ。
  12. 請求項11に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記径方向において内側に位置する前記第1又は第2の慣性マス部材と、前記ハブプレートの外周面との間に設けられ、前記径方向の荷重を支持するベアリング
    をさらに具備するトーショナルラバーダンパ。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載のトーショナルラバーダンパであって、
    前記ハブプレートの前記第1の面には、軸方向に突出する1以上の第1の凸部が設けられ、
    前記第1の慣性マス部材の前記第1の保持部には、軸方向に突出する1以上の第2の凸部が設けられ、
    前記第1の凸部と、前記第2の凸部とは、少なくとも前記周方向に離間して配置される
    トーショナルラバーダンパ。
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