JPH09285381A - カーペット用バッキング材組成物およびカーペットの製造方法 - Google Patents

カーペット用バッキング材組成物およびカーペットの製造方法

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JPH09285381A
JPH09285381A JP12244096A JP12244096A JPH09285381A JP H09285381 A JPH09285381 A JP H09285381A JP 12244096 A JP12244096 A JP 12244096A JP 12244096 A JP12244096 A JP 12244096A JP H09285381 A JPH09285381 A JP H09285381A
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JP
Japan
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resin
carpet
backing material
composition
aqueous emulsion
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Application number
JP12244096A
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English (en)
Inventor
Kenichi Fukushima
健一 福島
Naoyuki Kato
直行 加藤
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広範囲の温度に渡って施工性の改善された樹脂
モルタル系タイルカーペット用バッキング材組成物およ
び当該バッキング材組成物を使用したタイルカーペット
の製造方法を提供する。 【解決手段】ガラス転移温度(Tg)が−60〜5℃の
樹脂(A)とTgが5〜40℃の樹脂(B)とを含有
し、両者の合計に対する樹脂(A)の割合が50〜85
重量%で樹脂(B)の割合が15〜50重量%である樹
脂水性エマルジョン100重量部(固形分)に対し、水
硬性無機粉末を120〜400重量部、非水硬性無機粉
末を160〜600重量部含有して成る組成物、およ
び、当該組成物をシート状に成形し、その表面に、ガラ
ス転移温度(Tg)が−10〜50℃の樹脂(C)を含
有する樹脂水性エマルジョンが塗布されたカーペット用
表基材の塗布面を重ね合わせ、70〜170℃の温度で
硬化・乾燥するタイルカーペットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーペット用バッ
キング材組成物およびカーペットの製造方法に関するも
のであり、詳しくは、広範囲の温度に渡って施工性の改
善されたカーペット用バッキング材組成物および当該バ
ッキング材組成物を使用したカーペットの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】カーペットは、カーペット用表基材の裏
面にバッキング材を一体的に接合して製造される。そし
て、バッキング材としては、アスファルト系、塩化ビニ
ル系などが知られているが、アスファルト系バッキング
材は臭気がある等の欠点があり、塩化ビニル系バッキン
グ材は燃焼廃棄時に塩化水素ガスが発生する等の欠点が
あるため、熱可塑性樹脂の水性エマルジョンと水硬性無
機粉末とを含有する樹脂モルタル系バッキング材が奨用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
樹脂モルタル系バッキング材を使用して製造されたカー
ペットは、夏季の高温に晒された場合、剛性が低下し、
ひいては、温度による寸法変化、椅子のキャスターやコ
ピー機などの耐荷重による寸法変化を惹起し、また、上
記の剛性の低下に伴って施工作業性が悪化すると言う問
題がある。特に、タイル状の所謂タイルカーペットの場
合は、施工時に隣接するタイルカーペットの突き合わせ
が上手く出来ずに施工作業性が著しく悪化する。一方、
上記のカーペットは、冬期の低温に晒された場合、硬く
なり過ぎ、ひいては、割れやすく、また、床とのなじみ
が悪くて床の不陸を吸収し難くなったり、更には、施工
作業性が悪化すると言う問題があり、特に、タイルカー
ペットの場合に施工作業性の悪化が顕著である。
【0004】上記の様に、カーペットの剛性は、効率的
かつ良好な施工を行う上で重要な要素であり、夏季の高
温から冬期の低温に渡る温度領域、すなわち、実用温度
領域において、適性かつバランスした剛性を備えたカー
ペットが要求される。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、広範囲の温度に渡って施工性の改善
された樹脂モルタル系カーペット用バッキング材組成物
および当該バッキング材組成物を使用したカーペットの
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂の
水性エマルジョンと水硬性無機粉末とを含有する樹脂モ
ルタル系のバッキング材組成物の剛性は、当該組成物中
の熱可塑性樹脂の量とガラス転移温度(Tg)に依存し
ているとの知見を得た。本発明は、斯かる知見に基づき
完成されたものであり、その要旨は、次の通りである。
【0007】すなわち、本発明の第1の要旨は、ガラス
転移温度(Tg)が−60〜5℃の樹脂(A)とTgが
5〜40℃の樹脂(B)とを含有し、両者の合計に対す
る樹脂(A)の割合が50〜85重量%で樹脂(B)の
割合が15〜50重量%である樹脂水性エマルジョン1
00重量部(固形分)に対し、水硬性無機粉末を120
〜400重量部、非水硬性無機粉末を160〜600重
量部含有して成ることを特徴とするカーペット用バッキ
ング材組成物に存する。
【0008】そして、本発明の第2の要旨は、上記の組
成物をシート状に成形し、その表面に、ガラス転移温度
(Tg)が−10〜50℃の樹脂(C)を含有する樹脂
水性エマルジョンが塗布されたカーペット用表基材の塗
布面を重ね合わせ、70〜170℃の温度で硬化・乾燥
することを特徴とするカーペットの製造方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、樹脂水性エマルジョン、水硬性無機粉末、非水硬
性無機粉末から主として構成される本発明のカーペット
用バッキング材組成物について説明する。
【0010】上記の樹脂水性エマルジョンは、実用温度
領域において適性かつバランスした剛性を備えたカーペ
ットを与えるバッキング材組成物の前提条件として、ガ
ラス転移温度(Tg)が−60〜5℃の樹脂(A)とT
gが5〜40℃の樹脂(B)とを含有する。樹脂(A)
の好ましいTgは、−45〜−10℃、樹脂(B)の好
ましいTgは、7〜30℃である。これらの各樹脂は、
通常、乳化重合によって樹脂水性エマルジョンとして得
られる。そして、単量体としては、上記の各樹脂を得る
ため、種々のTgのホモポリマーを与える各種の単量体
から適宜選択される。
【0011】上記の単量体の一例は、そのホモポリマー
のTgと共に列挙すれば、次の通りである。すなわち、
アクリル酸(Tg:87℃)、アクリル酸エチル(−2
2℃)、アクリル酸n−プロピル(8℃)、アクリル酸
イソプロピル(−5℃)、アクリル酸n−ブチル(−5
4℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(−85℃)、
メタクリル酸(130℃)、メタクリル酸メチル(10
5℃)、メタクリル酸エチル(65℃)、メタクリル酸
n−プロピル(81℃)、メタクリル酸n−ブチル(2
0℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(−5℃)、
酢酸ビニル(30℃)、アクリロニトリル(100
℃)、アクリルアミド(153℃)、塩化ビニル(79
℃)、塩化ビニリデン(−18℃)、無水マレイン酸
(130℃)、イタコン酸(130℃)、スチレン(1
00℃)の他、エチレン、ブタジエン等が挙げられる。
【0012】コポリマーの概略のTgは、ホモポリマー
のTgと共重合比率から推測し得るため、推測されるT
gに基づいてポリマーを設計して実験を繰り返すことに
より、容易に所望のTgを有するコポリマーの水性エマ
ルジョンを得ることが出来る。また、上記の樹脂水性エ
マルジョンは、市販品としても入手することが出来る。
斯かる商品としては、例えば、三菱化学BASF社の商
品「アクロナールS400」(アクリル酸エステル−ス
チレン共重合体(Tg:−21℃)含有水性エマルジョ
ン)、三菱化学BASF社の商品「アクロナール303
D」(アクリル酸エステル−スチレン共重合体(Tg:
25℃)含有水性エマルジョン)等が挙げられる。
【0013】ガラス転移温度(Tg)が−60〜5℃の
樹脂(A)とTgが5〜40℃の樹脂(B)とは、両者
の合計に対する樹脂(A)の割合が50〜85重量%で
樹脂(B)の割合が15〜50重量%でなければならな
い。樹脂(A)の好ましい割合は、60〜80重量%、
樹脂(B)の好ましい割合は、40〜20重量%であ
る。樹脂(B)の割合が上記の範囲未満のバッキング材
は、高温時に剛性が低くなり過ぎてカーペットの施工性
を悪化させる。逆に、樹脂(B)の割合が上記の範囲を
超えるバッキング材は、低温時に剛性が高くなり過ぎて
カーペットの施工性を悪化させると共に床なじみ性を悪
化させる。そして、床なじみ性の悪いカーペットは、床
の不陸を吸収できずに部分的な浮きを発生する。
【0014】水硬性無機粉末としては、例えば、普通セ
メント、白色セメント、早強セメント、超早強セメント
等の所謂ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカ
セメント、フライアッシュセメント等の所謂混合セメン
ト、アルミナセメント、石膏などが挙げられる。これら
の中では、ポルトランドセメント、特に、普通セメント
及び白色セメントが好適である。
【0015】水硬性無機粉末は、樹脂水性エマルジョン
100重量部(固形分)に対し、120〜400重量
部、好ましくは160〜300重量部の割合で使用され
る。水硬性無機粉末の割合が上記の範囲未満のバッキン
グ材は、カーペットの弾性、強度、寸法安定性を悪化さ
せる。逆に、水硬性無機粉末の割合が上記の範囲を超え
るバッキング材は、カーペットを硬くすると共にその耐
水変形性を悪化させる。
【0016】非水硬性無機粉末としては、例えば、炭酸
カルシウム、珪砂、タルク、クレー、水酸化アルミニウ
ム、その他各種の無機質体質顔料などが挙げられる。こ
れらの中では、炭酸カルシウム及び珪砂が好適である。
【0017】非水硬性無機粉末は、樹脂水性エマルジョ
ン100重量部(固形分)に対し、160〜600重量
部の割合、好ましくは200〜450重量部の割合で使
用される。非水硬性無機粉末の割合が上記の範囲未満の
バッキング材は、柔らか過ぎると共に粘着性を帯び、カ
ーペットの寸法安定性を悪化させる。逆に、非水硬性無
機粉末の割合が上記の範囲を超えるバッキング材は、カ
ーペットを硬くすると共にその耐水変形性を悪化させ
る。なお、非水硬性無機粉末として、着色を目的とする
無機質顔料も使用されるが、その使用割合は、通常、比
較的少量である。
【0018】本発明においては、バッキング材組成物の
任意成分として、必要に応じ、シラスバルーンの様な発
泡体粒子を使用することが出来る。斯かる発泡体粒子
は、体積濃度が大きいため、通常、非水硬性無機粉末に
対して15重量%以下の割合で使用される。更に、本発
明においては、必要に応じ、公知の配合成分、例えば、
各種の繊維粉末、消泡剤、可塑剤、増粘剤、防カビ剤、
減水剤、流動剤、硬化調整剤、湿潤剤、分散剤、乳化
剤、凍結防止剤、難燃剤、ガラス製ネット又は樹脂製ネ
ットの補強材などを使用することが出来る。
【0019】本発明のバッキング材組成物には適当量の
水が含有されている。水は、樹脂水性エマルジョンに由
来する水のみでもよいが、通常は、別途に添加される。
バッキング材組成物中の水の割合は、通常、樹脂固形分
60重量部に対して300〜200重量部の範囲とされ
る。水の割合が上記の範囲未満のバッキング材組成物
は、流動性が乏しく、シート状バッキング材の成形時の
塗布性が十分ではない。逆に、水の割合が上記の範囲を
超えるバッキング材は、乾燥、硬化時に収縮し、カーペ
ットに割れを惹起する虞れがある。
【0020】次に、本発明のカーペットの製造方法につ
いて説明する。本発明の製造方法においては、シート状
に成形された上記のバッキング材組成物とガラス転移温
度(Tg)が−10〜50℃の樹脂(C)を含有する樹
脂水性エマルジョンが塗布されたカーペット用表基材と
を使用する。そして、必要に応じてカーペット用裏基材
を使用する。
【0021】バッキング材組成物をシートに成形する方
法としては、特に制限されないが、適当な離型剤を塗布
した板状体、フイルム、シート等の面上にバッキング材
組成物を塗布する方法が簡便である。後述のカーペット
用裏基材を使用する場合は、当該裏基材の面上にバッキ
ング材組成物を塗布してシート状にする。
【0022】離型剤としては、例えば、モルタルやコン
クリートの施工時に使用される離型油や離型グリース等
が挙げられる。離型剤を塗布する板状体としては、金属
板、ガラス板、セラミックス板、合成樹脂板、合板など
が挙げられ、フイルムやシートとしては、合成樹脂フイ
ルムやシートの他、紙や織物から成るシート、ガラスク
ロス、繊維クロス等が挙げられる。合成樹脂フイルムや
シートの場合は、シリコーン樹脂やフッ素処理を施すこ
とにより、また、紙や織物から成るシートの場合は、上
記の処理の他、離型性を付与したフイルムやシートのラ
ミネートにより、離型性を付与することが出来る。フッ
素樹脂などの離型性が良好な合成樹脂のシート(テフロ
ンシート)は、直接に使用することが出来る。
【0023】バッキング材組成物の塗布厚さは、湿潤厚
さとして、通常、0.5〜3mm、好ましくは0.8〜
2.5mmとされる。塗布厚さが上記の範囲未満の場合
は、カーペットのクッション性が悪くなり、床の凹凸に
なじまずに歩行時の感触が悪くなる。逆に、塗布厚さが
上記の範囲を超える場合は、後述の硬化・乾燥に長時間
を要して生産性が低下する。
【0024】カーペット用表基材としては、例えば、タ
フテッドカーペット、ニードルパンチカーペット、スパ
ンボンド、織物、織布、不織布、雑フェルト等が挙げら
れ、その素材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合成繊維、
木綿、麻、羊毛などの天然繊維、ガラス繊維などが適宜
使用される。ポリエステル不織布を一次基布とするナイ
ロンタフテッドカーペットは好適な表基材の一つであ
る。なお、カーペット用裏基材としては、上記と同様の
基材の他、和紙などが挙げられる。
【0025】上記の表基材および裏基材は、後述の硬化
・乾燥処理時の乾燥性を高めるため、その少なくとも一
方の基材として、好ましくは硬化・乾燥処理時に上側に
位置する基材として、透水性のある基材を使用するのが
好ましい。また、表基材と裏基材とは、カーペットの反
り防止の観点から、熱収縮率が互いに同程度となる様な
組合せ、または、裏基材の方が表基材よりも熱収縮率が
大きくなる様な組合せで使用するのが好ましい。
【0026】カーペット用表基材に塗布される樹脂水性
エマルジョンは、ガラス転移温度(Tg)が−10〜5
0℃の樹脂(C)を含有する。Tgが−10℃未満の樹
脂を含有する樹脂水性エマルジョンは、カーペットの耐
水性、耐収縮性、抜糸強度などを低下させ、ブロッキン
グを惹起する。逆に、Tgが50℃を超える樹脂を含有
する樹脂水性エマルジョンは、可塑剤を併用しても塗布
層が硬くなり、カーペットの折り曲げ時に割れたり表基
材から充填剤などが脱落し易くなる。樹脂(C)の好ま
しいTgは0〜30℃である。
【0027】カーペット用表基材に塗布される樹脂水性
エマルジョンは、前述のバッキング材組成物に使用され
る樹脂水性エマルジョンと同様の方法によって調製する
ことが出来、また、市販品としても入手することが出来
る。斯かる商品としては、例えば、三菱化学BASF社
の商品「アクロナールYJ295DN」(アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体(Tg:21℃)含有水性エ
マルジョン)等が挙げられる。上記の樹脂水性エマルジ
ョンには、カーペットの収縮を一層小さくし、また、適
当な硬度を付与することによりカーペット打ち抜き時の
加工性を一層高める等の観点から、体質顔料を含有させ
ることが出来る。体質顔料の割合は、樹脂固形分100
重量部に対し、通常600重量部以下、好ましくは16
0〜400重量部の範囲から選択される。
【0028】カーペット用表基材に対する樹脂水性エマ
ルジョンの塗布は、任意の方法で行うことが出来、塗布
量は、通常、樹脂固形分量として80〜450g/m2
の範囲とされる。
【0029】シート状のバッキング材とカーペット用表
基材の塗布面との重ね合わせは、バッキング材の表面お
よび表基材の塗布面が硬化・乾燥しないうちに行うのが
好ましい。これにより、バッキング材とカーペット用表
基材の密着性およびカーペットのパイル抜糸強度が高め
られる。また、上記の硬化・乾燥に先立ち、積層体を軽
く押圧処理するのが好ましい。押圧処理は、例えば、ニ
ップロール間に積層体を通過させることによって行うこ
とが出来る。硬化・乾燥は、通常70〜170℃、好ま
しくは80〜140℃の温度で行う。70℃よりも低い
温度では処理に長時間を要し、170℃より高い温度で
はバッキング材と表基材との間にフクレが生じ易い。
【0030】上記の硬化・乾燥により、バッキング材と
カーペット用表基材が強固に一体的に接合したカーペッ
トが得られる。得られたカーペットは、そのまま使用し
てもよいし、所定の大きさ(例えば50cm×50c
m)に打ち抜き加工してもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例お
よび比較例において、「部」は「重量部」、「%」は
「重量%」を表す。また、評価方法は次の通りである。
【0032】(1)剛軟度:JIS L1018−6.
2(1990)のA法(45°カンチレバー法)に準拠
し、一端が45°の斜面をもつ表面滑らかな水平台の上
にカーペットを配置し、斜面の方向に緩やかに滑らせて
突出させ、カーペットの一端が斜面に接触したときの突
出長さ(mm)を測定した。突出長さの大きいほどカー
ペットの剛性が高い。なお、測定は、20℃又は0℃の
温度の雰囲気中に24時間放置後に行った。
【0033】(2)柔軟度:カーペットの表基材上に直
径20mmの筒を置き、筒に沿ってカーペットを180
°折り曲げた際の状態を目視観察し、以下の4段階の基
準にて評価した。
【0034】 ◎:全く異常無し。 〇:曲げ部分に極微小のクラックが発生する。 △:曲げ部分に比較的大きなクラックが発生する。 ×:折れる。
【0035】(3)床なじみ性:カーペット(50cm
×50cm)を直径10cmの円筒状に丸め、2時間後
に自然に開放し、厚さ10mmの合板上に置き、20℃
で2時間放置後の状態を目視観察し、以下の4段階の基
準にて評価した。
【0036】 ◎:完全に下地(合板)になじむ。 〇:略完全に下地になじむ。 △:下地から若干浮き上がる。 ×:下地から相当浮き上がる。
【0037】(4)抜糸強度:カーペットのパイル1本
を引張試験機にかけてパイルが抜ける最大値(kg)を
読み取った。
【0038】実施例1 先ず、アクリル酸エステル−スチレン共重合体樹脂水性
エマルジョン(三菱化学BASF社製商品「アクロナー
ルS400」、樹脂固形分量57%、Tg:−21℃)
85部(樹脂固形分換算)、アクリル酸エステル−スチ
レン共重合体樹脂水性エマルジョン(三菱化学BASF
社製商品「アクロナール303D」、樹脂固形分量50
%、Tg:25℃)15部(樹脂固形分換算)、普通セ
メント(三菱マテリアル社製)200部、炭酸カルシウ
ム(同和鉱業社製商品「KD−80」)200部、水3
0部を攪拌機で凝集物が認められなくなるまで約15分
要して混合し、本発明のカーペット用バッキング材組成
物を調製した。
【0039】次いで、ポリエステル不織布を一次基布と
するナイロンタフテッドカーペット(秤量:850g/
2 )を表基布とし、これに次の表基布用塗布剤を樹脂
固形分が350g/m2 となる様に塗布してカーペット
用基材を調製した。表基布用塗布剤は、アクリル酸エス
テル−メタクリル酸エステル共重合体樹脂水性エマルジ
ョン(三菱化学BASF社製商品「アクロナールYJ2
730D」、樹脂固形分量47%、Tg:33℃)に造
膜助剤として5%の2,4,4−トリメチルペンテン−
1,3−ジオールイソブチレート(イーストマンコダッ
ク社製「テキサノール」)を添加して調製した。
【0040】次いで、ナイフコータを使用し、テフロン
シート面に前記のカーペット用バッキング材組成物を湿
潤厚さ2.5mmに塗布してシート状バッキング材に成
形した。そして、バッキング材の表面が乾燥しないうち
にその表面に上記のカーペット用基材の塗布面を重ね合
わせ、ニップロールで軽く押圧処理して積層体を得た。
得られた積層体を100℃に加熱し、同温度で35分間
保持して乾燥、硬化させた後、室温にて冷却してカーペ
ットを得た。
【0041】次いで、得られたカーペットを50cm×
50cmサイズに打ち抜き加工し、重量3.5kg/m
2 、厚さ6.5mmのカーペットとした。得られたカー
ペットの評価結果をバッキング材組成物と共に表1に示
す。表1に示す通り、剛軟度は、20℃で310mm、
0℃で360mmであり、表基布の抜糸強度は3.9k
g/1本であり十分な強度であった。また、上記のカー
ペットを常法に従って施工した結果、床なじみ性は良好
であった。
【0042】実施例2〜9及び比較例1〜12 実施例1において、カーペット用バッキング材組成物を
表1〜5に示す様に変更した以外は、実施例1と同様
に、カーペット用バッキング材組成物およびカーペット
を得て評価した。結果を表1〜5に示す。
【0043】なお、表1〜5中に記載の樹脂水性エマル
ジョンの種類の各符合は、三菱化学BASF社製の以下
の商品を表す。
【0044】a:「アクロナールS400」(アクリル
酸エステル−スチレン共重合体) b:「アクロナール303D」(アクリル酸エステル−
スチレン共重合体) c:「アクロナール4D」(アクリル酸アルキルエステ
ル重合体) d:「アクロナールYJ−3042D」(アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体) e:「アクロナールYJ−1200D」(アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体) f:「アクロナールYJ−2730D」(アクリル酸エ
ステル−メタクリル酸エステル共重合体) d:「アクロナール80DN」(アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体)
【0045】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 <バッキング材組成物> (A) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 a a a c d 固形分量(部)/Tg(℃) 85/-21 70/-21 50/-21 70/-50 70/ 2 (B) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 b b b b b 固形分量(部)/Tg(℃) 15/ 25 30/ 25 50/ 25 30/ 25 30/ 25 普通ポルランドセメント 200 200 200 200 200 炭酸カルシウム 200 200 100 200 200 珪砂8号 0 0 100 0 0 <カーペット基材塗布剤> (C) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 f f f f f Tg(℃) 33 33 33 33 33 <製造条件> 乾燥温度(℃) 100 100 100 100 100 乾燥時間(分) 35 35 35 35 35 ──────────────────────────────────── <カーペット評価> 剛軟度:20℃(mm) 310 370 390 300 400 : 0℃(mm) 360 400 420 340 430 柔軟度:20℃ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 : 0℃ ◎ ◎ 〇 ◎ 〇 抜糸強度(kg) 3.9 4.2 5.0 3.5 4.5 床なじみ性 ◎ 〇 〇 ◎ △ ────────────────────────────────────
【0046】
【表2】 ─────────────────────────────────── 実 施 例 6 7 8 9 <バッキング材組成物> (A) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 a a a a 固形分量(部)/Tg(℃) 70/-21 70/-21 70/-21 70/-21 (B) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 e b b b 固形分量(部)/Tg(℃) 30/ 33 30/ 25 30/ 25 30/ 25 普通ポルランドセメント 200 200 200 200 炭酸カルシウム 200 200 200 200 珪砂8号 0 0 0 0 <カーペット基材塗布剤> (C) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 f f f d Tg(℃) 33 33 33 2 <製造条件> 乾燥温度(℃) 100 165 75 100 乾燥時間(分) 35 20 35 35 ─────────────────────────────────── <カーペット評価> 剛軟度:20℃(mm) 390 375 360 320 : 0℃(mm) 400 400 390 370 柔軟度:20℃ ◎ ◎ ◎ ◎ : 0℃ ◎ ◎ ◎ ◎ 抜糸強度(kg) 4.5 4.3 4.0 3.0 床なじみ性 〇 〇 〇 ◎ ────────────────────────────────────
【0047】
【表3】 ─────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 <バッキング材組成物> (A) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 a a a − 固形分量(部)/Tg(℃) 90/-21 30/-21 100/-21 − (B) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 b b − b 固形分量(部)/Tg(℃) 10/ 25 70/ 25 − 100/ 25 普通ポルランドセメント 200 200 200 200 炭酸カルシウム 200 0 200 200 珪砂8号 0 200 0 0 <カーペット基材塗布剤> (C) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 f f f f Tg(℃) 33 33 33 33 <製造条件> 乾燥温度(℃) 100 100 100 100 乾燥時間(分) 35 35 35 35 ─────────────────────────────────── <カーペット評価> 剛軟度:20℃(mm) 230 420 200 450 : 0℃(mm) 270 460 240 470 柔軟度:20℃ ◎ × ◎ × : 0℃ ◎ × ◎ × 抜糸強度(kg) 3.5 4.8 3.0 5.2 床なじみ性 ◎ × ◎ × ────────────────────────────────────
【0048】
【表4】 ─────────────────────────────────── 比 較 例 5 6 7 8 <バッキング材組成物> (A) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 g a a a 固形分量(部)/Tg(℃) 80/-70 70/-21 70/-21 70/-21 (B) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 b b b b 固形分量(部)/Tg(℃) 20/ 25 30/ 25 30/ 25 30/ 25 普通ポルランドセメント 200 200 200 200 炭酸カルシウム 200 200 200 200 珪砂8号 0 0 0 0 <カーペット基材塗布剤> (C) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 f f f a Tg(℃) 33 33 33 -21 <製造条件> 乾燥温度(℃) 100 60 200 100 乾燥時間(分) 35 100 20 35 ─────────────────────────────────── <カーペット評価> 剛軟度:20℃(mm) 180 370 − 330 : 0℃(mm) 200 390 − 380 柔軟度:20℃ ◎ ◎ − ◎ : 0℃ ◎ ◎ − ◎ 抜糸強度(kg) 3.0 4.1 − 1.8 床なじみ性 ◎ 〇 − ◎ ──────────────────────────────────── (注)比較例7は、膨れにより表基材の剥離がありカーペット評価を中止した。
【0049】
【表5】 ─────────────────────────────────── 比 較 例 9 10 11 12 <バッキング材組成物> (A) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 a a a a 固形分量(部)/Tg(℃) 70/-21 70/-21 70/-21 70/-21 (B) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 b b b b 固形分量(部)/Tg(℃) 30/ 25 30/ 25 30/ 25 30/ 25 普通ポルランドセメント 50 500 200 200 炭酸カルシウム 200 200 100 700 珪砂8号 0 0 0 0 <カーペット基材塗布剤> (C) 樹脂水性エマルシ゛ョン種類 f f f f Tg(℃) 33 33 33 33 <製造条件> 乾燥温度(℃) 100 100 100 100 乾燥時間(分) 35 35 35 35 ─────────────────────────────────── <カーペット評価> 剛軟度:20℃(mm) 200 430 220 430 : 0℃(mm) 250 460 260 460 柔軟度:20℃ ◎ △ ◎ △ : 0℃ ◎ × ◎ × 抜糸強度(kg) 3.5 3.8 3.8 4.0 床なじみ性 ◎ × ◎ × ────────────────────────────────────
【0050】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、広範囲の
温度に渡って施工性の改善された樹脂モルタル系のカー
ペット用バッキング材組成物および当該バッキング材組
成物を使用したカーペットの製造方法が提供され、本発
明の工業的価値は大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度(Tg)が−60〜5℃
    の樹脂(A)とTgが5〜40℃の樹脂(B)とを含有
    し、両者の合計に対する樹脂(A)の割合が50〜85
    重量%で樹脂(B)の割合が15〜50重量%である樹
    脂水性エマルジョン100重量部(固形分)に対し、水
    硬性無機粉末を120〜400重量部、非水硬性無機粉
    末を160〜600重量部含有して成ることを特徴とす
    るカーペット用バッキング材組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物をシート状に成
    形し、その表面に、ガラス転移温度(Tg)が−10〜
    50℃の樹脂(C)を含有する樹脂水性エマルジョンが
    塗布されたカーペット用表基材の塗布面を重ね合わせ、
    70〜150℃の温度で硬化・乾燥することを特徴とす
    るカーペットの製造方法。
  3. 【請求項3】 カーペット用表基材に塗布された樹脂水
    性エマルジョンの乾燥前に硬化・乾燥を行う請求項2に
    記載のカーペットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002119408A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Emulsion Technology Co Ltd タイル調カーペットの加工方法

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