JPH09281965A - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JPH09281965A
JPH09281965A JP8092373A JP9237396A JPH09281965A JP H09281965 A JPH09281965 A JP H09281965A JP 8092373 A JP8092373 A JP 8092373A JP 9237396 A JP9237396 A JP 9237396A JP H09281965 A JPH09281965 A JP H09281965A
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JP
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signal
circuit
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random
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JP8092373A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nakanishi
雅浩 中西
Daisuke Mori
大輔 森
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理モデル方式(楽器の発音機構を電子回路
で模擬した方式)の楽音とグラニュラーシンセシス方式
の楽音を単一の回路で合成することのできる楽音合成装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 従来、物理モデル方式の楽音を合成する
際に必要であった信号発生回路104と複数の閉ループ
回路(コムフィルタ108,112)とに加え、閉ルー
プ回路の遅延量を変調する変調回路114と各閉ループ
回路から取り出された波形を混合させる累算器113と
から構成される楽音合成装置であり、信号発生回路10
4が単発信号などを複数の閉ループ回路に供給し、変調
回路114が閉ループ回路での巡回時間をランダムに制
御しながら単発信号などを巡回させ、累算器113が巡
回中の信号を取り出し混合することにより、物理モデル
方式の楽音はもとより、グラニュラーシンセシス方式の
楽音を合成することとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器の音源な
どに用いられる楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インパルス信号のような単発信号を、通
常の楽音ピッチよりも長い周期でしかもその周期を時間
的にランダムに変調しながら時間軸上に配置することに
より、風のような効果音(以下、グラニュラーシンセシ
ス方式の楽音とする)を生成する楽音合成装置が提案さ
れている(例えば、特開平6−59679号公報)。ま
た、自然楽器音の発音メカニズムを模擬した等価回路を
用いて、例えばギターのような楽器音(以下、物理モデ
ル方式の楽音とする)を生成する楽音合成装置が提案さ
れている(例えば、特開昭62−109093号公
報)。
【0003】以下、図面を参照しながら上述したような
従来の楽音合成装置について説明する。
【0004】図6はグラニュラーシンセシス方式の楽音
を合成することのできる従来の楽音合成装置のブロック
図である。図6において、601は波形メモリ602の
読み出しアドレスを発生するメモリアドレス発生回路、
602は予め波形を記憶した波形メモリ、603は読み
出しアドレスの開始位置を指定する開始位置指定回路、
604は読み出しアドレスの終了位置を指定する終了位
置指定回路、605は開始位置指定回路603が予め指
定した開始位置データと終了位置指定回路604が予め
指定した終了位置データをシステムクロックSCKに従
ってランダムに変動させる乱数発生回路である。なお開
始位置指定回路603と終了位置指定回路604は、乱
数発生回路605が送出する乱数と予め設定された初期
値との加算を行う加算器で構成でき、また乱数発生回路
605はM系列発生器のような一般的によく知られてい
る回路を用いて簡単に構成できるので、それらの内部構
成については説明を省略する。
【0005】図7はメモリアドレス発生回路601の回
路図である。図7において、701は開始位置データを
初期値としてシステムクロックSCKに従って値を1ず
つインクリメントするカウンタ、702は読み出しアド
レスと終了位置データとの比較を行い一致した時に比較
一致フラグをORゲート703に送出する比較器、70
3は発音開始フラグKONが発生した時と比較一致フラ
グが発生した時にカウンタ701に開始位置データを再
設定させるORゲート、704は発音フラグSONが発
生していない時その出力を値1にしてカウンタ701の
カウント値を値0にリセットする反転器である。なお、
発音フラグSONは発音中に値1となるフラグであり、
発音開始フラグKONは発音フラグSONの立ち上がり
の最初の1サンプリング周期Ts分のみ値1となるフラ
グである。
【0006】図8(A)は波形メモリ602のメモリマ
ップ、図8(B)はメモリマップにおける読み出しアド
レスの遷移状態を表す遷移図、図8(C)は合成音デー
タの時間軸波形図、図8(D)は図6に示す従来の楽音
合成装置を時分割多重化などにより、複数音合成可能に
した場合において、それらの複数音を混合させて合成し
た時の合成音データの時間軸波形図である。
【0007】図9は物理モデル方式の楽音を合成するこ
とのできる従来の楽音合成装置のブロック図である。
【0008】図9において、901は予めメモリなどに
記憶した駆動データをピッチデータに対応する読み出し
幅(読み飛ばし幅)で読み出す駆動データ発生回路、9
02はデータを所定時間遅延させる遅延器、903は遅
延器902から送出された合成音データと駆動データと
を加算する加算器、904は遅延器902と加算器90
3とをまとめたコムフィルタである。
【0009】以上のように構成された従来の楽音合成装
置について動作説明をする。まず図6に示したグラニュ
ラーシンセシス方式の楽音を合成することのできる従来
の楽音合成装置について説明する。図6,7において、
押鍵などの発音操作に応じて発生した発音フラグSO
N,発音開始フラグKONによりメモリアドレス発生回
路601内のカウンタ701のリセットが解除されると
ともに開始位置データがセットされカウンタ701のイ
ンクリメント動作を開始する。カウンタ701のカウン
ト値は波形メモリ602に対して読み出しアドレスとし
て送出される。比較器702とORゲート703は読み
出しアドレスが終了位置データと等しくなった時に、カ
ウンタ701に開始位置データを再設定することにより
読み出しアドレスを開始位置データに変更する。この動
作を繰り返すことにより読み出しアドレスは開始位置デ
ータと終了位置データの間をサイクリックにインクリメ
ントされることとなる。ここで、開始位置データと終了
位置データはそれぞれ乱数発生回路605が発生する乱
数によってランダムな値となるので、図8(A)に示す
ように、開始位置データはST1,ST2,ST3のよ
うに、また終了位置データはED1,ED2,ED3の
ように、時間的にその値が異なるデータとなる。なお開
始位置データや終了位置データは、それぞれ図8(A)
の左側のゼロ値データ領域,右側のゼロ値データ領域に
おさまるように初期値や乱数の幅を制限する。
【0010】以上の動作により、読み出しアドレスは図
8(B)のように遷移するので、波形メモリ602に記
憶された単発信号(以下、グレインとする)は、各グレ
イン間の時間間隔がランダムとなるように読み出される
ので、合成音データは図8(C)に示すような波形とな
る。更に以上述べた合成処理を時分割多重化し(もしく
は図6に示す楽音合成装置を複数設け)、複数の合成音
データを発生させ、これらを混合することにより、図8
(D)に示すようなより複雑な合成音データが得られ
る。なお、図8(C)に示す合成音データと、図8
(D)に示す合成音データとを比較すると、図8(D)
に示す合成音データの方が各グレイン間の時間間隔がよ
りランダムであるため、聴感上好ましい音色が得られ
る。
【0011】次に図9に示した物理モデル方式の楽音を
合成することのできる従来の楽音合成装置について説明
する。図9において、発音開始フラグKONとシステム
クロックSCKに基づき駆動データ発生回路901が駆
動データをコムフィルタ904に供給する。ここで駆動
データとは、例えばギターの原音をギターの弦などに相
当するコムフィルタ904の伝達関数に逆に畳み込むこ
とによって得られるデータであり、弦に対して指やピッ
クが与える力に相当するものである。駆動データをコム
フィルタ904(例えばギターの弦に相当するモデル)
で共振させ、ギターの音を合成することとなる。また駆
動データ発生回路901に例えば太鼓のばちが太鼓の膜
に与える力に相当する駆動データを記憶しこれを読み出
しコムフィルタ904で共振させることにより、弦をば
ちでたたいたような音を合成することもでき、PCM方
式やFM方式の楽音合成装置では実現することが困難で
あった楽器構造をイメージした音作りを簡単に実現でき
る。
【0012】なお、音高制御は、駆動データ発生回路9
01内に予め記憶された駆動データをピッチデータに対
応する読み出し幅で読み出し、更に遅延器902の遅延
時間をピッチデータに対応して制御することにより、実
現することができる。このような読み出し幅の制御や遅
延時間の制御は、カウンタなどの周知の回路を用いて簡
単に実現できるので、駆動データ発生回路901や遅延
器902の内部構成については説明を省略する。また図
9に示す楽音合成装置においても複数の音を同時に出す
場合は、時分割多重化するか、もしくは図9に示す楽音
合成装置を複数設けておくこととなる。また、弦の減衰
特性を忠実に実現するためには、本来コムフィルタ90
4中に減衰器やローパスフィルタなどを挿入する方が望
ましいが、ここではそれらの詳細な説明は省略する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示すような構成(グラニュラーシンセシス方式に基づく
楽音合成装置)では、波形メモリの容量が大きくなって
しまう(ゼロ値データを多く記憶させなければならな
い)。また、ピッチデータに対応した繰り返し周期をも
つ波形を合成することができないので、風のような効果
音のみの合成にしか適用できない。いいかえればギター
などの自然楽器音を合成することができないので、これ
だけでは電子楽器に応用することが困難である。また図
9に示すような構成(物理モデル方式に基づく楽音合成
装置)では、ギターなどの自然楽器音を合成することは
可能であるが、グレインのような単発的な信号を図8
(C),(D)に示すように時間軸上に時間間隔がラン
ダムになるように配列処理することができないし、また
そのような波形列を予めメモリに記憶しこれを読み出し
て合成するためには膨大なメモリ容量が必要となるた
め、風のような効果音を合成することが困難である。ま
た図6に示す構成のものと、図9に示す構成のものと
を、単純に並列に組み合わせることによって、風のよう
な効果音とギターなどの自然楽器音を合成できるように
しても、波形メモリの容量が大きくなってしまうといっ
た問題点は依然として残る。
【0014】本発明は、上記問題点を解決するもので、
図6に示す楽音合成装置と図9に示す楽音合成装置を単
純に並列に組み合わせた楽音合成装置よりも、少ない波
形メモリの容量で風のような効果音とギターなどの自然
楽器音を合成することのできる楽音合成装置を提供する
ことを目的とする。すなわち、物理モデル方式の楽音合
成装置の基本回路構成を利用し、若干の制御回路を付加
するだけで、従来よりも容量の少ない波形メモリを用い
てグラニュラーシンセシス方式の楽音と物理モデル方式
の楽音を合成することのできる楽音合成装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の楽音合成装置は、単発信号やランダム信号
や周期信号を発生する信号発生手段と、少なくとも遅延
器を含む閉ループ状の回路を有し、信号発生手段から供
給された信号を巡回させ巡回中のデータを波形データと
して取り出すようにした複数のループ手段と、複数のル
ープ手段の遅延量をランダムに変調する変調手段と、複
数のループ手段から取り出された波形データを混合させ
る混合手段とを備えたものである。
【0016】これにより、少ない波形メモリ容量で、グ
ラニュラーシンセシス方式の楽音と物理モデル方式の楽
音を合成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、単発信号やランダム信
号や周期信号を発生する信号発生手段と、少なくとも遅
延器を含む閉ループ状の回路を有し、前記信号発生手段
から供給された信号を巡回させ巡回中のデータを波形デ
ータとして取り出すようにした複数のループ手段と、前
記複数のループ手段の遅延量をランダムに変調する変調
手段と、前記複数のループ手段から取り出された波形デ
ータを混合させる混合手段とを備える。
【0018】この構成によって、信号発生手段から供給
された駆動データを自然楽器の共振部に相当するループ
手段が巡回させることにより物理モデル方式の楽音を合
成し、また信号発生手段から供給された単発信号(グレ
イン)を複数のループ手段がグレインのサンプル数より
も長い周期で巡回させることにより各グレイン間に値0
が挿入された周期波形を生成し、変調手段がループ手段
中の遅延器の遅延時間をランダムに変調することにより
周期波形の各グレイン間の時間間隔がランダムとなるよ
うな波形データを生成し、混合手段が複数のループ手段
から取り出された波形データを混合することにより、更
に各グレイン間の時間間隔のランダム性の大きい波形
(所望の合成音データ)を合成することとなる。
【0019】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態にお
ける楽音合成装置のブロック図である。図1において、
101は単発信号やランダム信号や周期信号(駆動デー
タを含む)などを予め記憶した波形メモリ、102は波
形メモリ101に記憶された信号をピッチデータに対応
する読み出し幅で読み出すアドレス発生回路、103は
波形メモリ101から読み出された信号の振幅値を制御
するエンベロープ制御回路として、読み出された信号に
エンベロープを付加するエンベロープ付加回路、104
は波形メモリ101,アドレス発生回路102,エンベ
ロープ付加回路103をまとめた信号発生回路、10
5,109はデータを所定時間遅延させる遅延器、10
6,110は発音時以外はゲートを閉じることによりデ
ータを値0にリセットするゲート回路、107,111
は加算器、108は遅延器105,ゲート回路106,
加算器107をまとめたコムフィルタ、112は遅延器
109,ゲート回路110,加算器111をまとめたコ
ムフィルタ、113はコムフィルタ108,112から
送出されるデータを累積加算する累算器、114は遅延
器105,109の遅延時間をランダムに変調する変調
回路である。
【0020】なお、コムフィルタ108,112はそれ
ぞれ独立して設けられているが、1つのコムフィルタを
時分割多重化により等価的に複数のコムフィルタとして
機能させることができる。またアドレス発生回路102
は発音開始フラグKONをトリガーとして波形メモリ1
01の先頭番地から順にアドレスを更新し最終波形(最
後の1周期)に到達した時点で最終波形を繰り返しアド
レスし、更に最初の半周期の波形を読み出した直後にダ
ンプフラグをエンベロープ付加回路103に送出するも
のであり、カウンタなどで簡単に構成でき、またエンベ
ロープ付加回路103は波形メモリ101から読み出さ
れた信号に、前記アドレス発生回路102が送出するダ
ンプフラグに応じて振幅変化を付加するものであり、予
め振幅変化の形状を記憶したメモリと乗算器で簡単に構
成でき、ゲート回路106,110はANDゲートで簡
単に実現できるので、これらの内部構成の詳細な説明は
省略する。また遅延器105,109はいわゆる読み書
きメモリであり変調回路114のアドレス制御によりリ
ングメモリとして機能するものである。また発音開始フ
ラグKONやゲート回路106,110に与えられる発
音フラグSONは図6に示す従来の楽音合成装置と同様
である。
【0021】図2は変調回路114の回路図である。た
だし、図1では発音開始フラグKONと発音フラグSO
Nの入力は省略して記載している。図2において、20
1は乱数発生器、202は加算器、203は比較器、2
04は比較器203が送出する比較一致フラグまたは発
音開始フラグKONでリセットされるとともにシステム
クロックSCKの発生タイミングでカウント値を1ずつ
インクリメントするカウンタ、205,206はラッ
チ、207はORゲート、208は発音フラグSONが
発生している時間はカウンタ204のリセット動作を禁
止するANDゲート、209はモードフラグが値1また
は発音開始フラグKONが値1の時に乱数発生器201
をリセットするORゲートである。なお乱数発生器20
1は図6に示す従来の楽音合成装置と同様、M系列発生
器などの周知の回路を用いて簡単に実現することができ
るので、内部構成の詳細な説明は省略する。またモード
フラグは値0の時、グラニュラーシンセシス方式に基づ
く合成を行い、値1の時、物理モデル方式に基づく合成
を行う。
【0022】図3は変調回路114のタイムチャートで
あり、発音フラグSON、発音開始フラグKON、およ
び遅延器105,109の遅延段数Da,Dbとアドレ
スADRa,ADRbのタイミングを示している。
【0023】図4は遅延器105,109をリングメモ
リ形式で表現した状態図である。図4において、401
はリングメモリである。リングメモリ401のメモリ領
域はアドレス0からアドレス4095までの4096番
地あり、アドレス0から63に単発信号(グレイン)が
書き込まれているものとする。
【0024】図5(A)は波形メモリ101から出力さ
れる信号の時間軸波形を表すグラフ、図5(B)はエン
ベロープ付加回路103で付加するエンベロープの時間
軸波形を表すグラフ、図5(C)は合成音データの時間
軸波形を表すグラフである。なお実線がコムフィルタ1
08から出力される合成音データで、破線がコムフィル
タ112から出力される合成音データである。
【0025】以上のように構成された楽音合成装置につ
いて動作説明をする。まず図1において、変調回路11
4に設定されるモードフラグが値0の場合、すなわちグ
ラニュラーシンセシス方式に基づく合成が行われる場合
について説明する。押鍵などの発音操作以前は発音フラ
グSONが値0であり(図3を参照のこと)、この時は
ゲート回路106,110はゲートを閉じるため、コム
フィルタ108,112を巡回するデータは値0にリセ
ットされる。また図2において発音フラグSONが値0
の時はANDゲート208の出力が値0となるのでカウ
ンタ204はリセットされることなくカウント値を値0
から値4095の間をサイクリックに更新される。従っ
て遅延器105,109の内部は全て値0にリセットさ
れる。
【0026】次に押鍵などの発音操作に応じて発音開始
フラグKONが発生し(図3を参照のこと)、アドレス
発生回路102は波形メモリ101から図5(A)に示
す周期波形を読み出す。なお発音開始フラグKONは発
音開始の最初の1サンプリング周期のみ発生する(値1
になる)ものとする。またアドレス発生回路102は最
初の半周期分の波形に対応するアドレスを発生した時点
でダンプフラグをエンペロープ付加回路103に送出す
る。それによりエンベロープ付加回路103は図5
(B)に示すように、最初の半周期分は値1でその直後
に値0に急速ダンプするエンベロープを波形メモリ10
1から読み出された周期波形に付加することとなる。す
なわち、図5(A)の最初の半周期分の信号(以降、グ
レインとする)がコムフィルタ108,112に供給さ
れる。
【0027】遅延器105,109に対して遅延段数S
a(Sa=Ta1/Ts=1000段),Sb(Sb=
Tb1/Ts=2000段)として設定される(図5
(C)を参照のこと)。なおTsはシステムクロックS
CKの発生周期、すなわちサンプリング周期である。図
2において、Sa,Sbは加算器202に与えられる。
発音開始フラグKONはORゲート207とANDゲー
ト208を介しカウンタ204を値0にリセットし、値
0はラッチ205,206においてラッチイネーブル信
号LEa,LEbのタイミングで遅延器105,109
のアドレスADRa,ADRbとして保持される。また
発音開始フラグKONはORゲート209を介して乱数
発生器201の出力を値0にリセットするので、遅延器
105,109の遅延段数に相当するDa,Dbはそれ
ぞれ遅延段数Sa(=1000段),Sb(=2000
段)となる。その後、SCKの発生タイミングに応じて
カウンタ204は値0から1ずつインクリメント動作を
開始し、結果としてADRa,ADRbを更新していく
(図3を参照のこと)。そして、カウンタ204のカウ
ント値が遅延段数Da,Dbと等しくなった時に、比較
器203は比較一致フラグをORゲート207と乱数発
生器201に送出することによりカウンタ204のカウ
ント値を値0にリセットするとともに、乱数発生器20
1の乱数を次の値に更新する。
【0028】この動作を表したものが図3,図4であ
り、図3では各信号やデータのタイミングを示す。図4
は遅延器105,109をリングメモリ形式で表したも
のであり、リングメモリ401の読み書きアドレスの更
新形態を示す。図4において、遅延器105,109の
読み書きアドレスADRa,ADRbは、発音開始フラ
グKONの発生以降、システムクロックSCKの発生タ
イミングに応じて0番地から右廻りに1番地ずつ更新さ
れる。そして、アドレスADRaは1000番地(Sa
の値に対応)に到達した時点で0番地にジャンプする。
同様に、アドレスADRbは2000番地(Sbの値に
対応)に到達した時点で0番地にジャンプする。この時
点で乱数発生器201の出力が次の乱数に更新されるた
め、次のジャンプの元アドレスDa,Dbは、それぞれ
Sa,Sbに対して次に乱数値が加算されたアドレスと
なる。ここで乱数値は±数百段以下のオーダーの値が好
ましい。つまり遅延段数は、十分に長い周期でランダム
に可変することになる。
【0029】さて、アドレスADRa,ADRbは遅延
器105,109に対して、まず読み出しアドレスとし
て作用し、発音開始フラグKONの発生直後は発音フラ
グSONの発生以前に値0にクリアされた遅延器10
5,109の記憶データ(値0)を読み出す(0番地か
ら順次)。その直後に(1サンプリング周期Ts内
に)、書き込みアドレスとして作用し、信号発生回路1
04から供給されたグレインを書き込む。この動作を図
4の0番地から右廻りに1周分行うことにより、コムフ
ィルタ108は合成音データとして、図5(C)の時刻
0からTa1の区間中の値0となるデータを出力するこ
ととなる。同様にコムフィルタ112は合成音データと
して、図5(C)の時刻0からTb1の区間中の値0と
なるデータを出力することとなる。第2周目からは、遅
延器105,109にはすでにグレインが書き込まれて
いるので、コムフィルタ108は合成音データとして、
図5(C)の最初に現れるグレイン(実線の方)から次
のグレインが現れる直前までのデータを出力することと
なる。同様にコムフィルタ112は合成音データとし
て、図5(C)の最初に現れるグレイン(破線の方)か
ら次のグレインが現れる直前までのデータを出力するこ
ととなる。
【0030】乱数発生器201は乱数を逐次更新してい
くために、図5(C)のように、各グレインの時間間隔
がランダムとなる。以上のようにして、図1の累算器1
13は、図5(C)に示すような合成音データを出力す
ることとなる。なお、図2の加算器202が更新する遅
延段数を発音開始フラグKONの発生時点から順に、D
a1,Da2,Da3とすると、図5(C)のTa1,
Ta2,Ta3は、それぞれDa1,Da2,Da3を
Tsで割った値となる。Dbについても同様である。ま
た、本実施の形態では、グレインを単発的な信号として
説明したが、例えばギターの楽音のような周期波形をグ
レインとして合成した場合、ギターの音色を残した風の
ような効果音が得られる。但しこの場合、コムフィルタ
108,112がオーバーフローする場合があるので、
閉ループ中に減衰機能もった回路(例えば値1未満の定
数を乗算する乗算器)を挿入する必要がある。
【0031】次に図1において、変調回路114に設定
されるモードフラグが値1の場合、すなわち物理モデル
方式に基づく合成が行われる場合について説明する。モ
ードフラグが値1の場合、図2の乱数発生器201は常
にリセットされるので、遅延器105,109の遅延時
間は音高に対応する遅延段数Sa,Sbとなる。すなわ
ち、コムフィルタ108,112は、図9に示す従来の
楽音合成装置のコムフィルタ904と同様に、弦などの
共振部に対応する回路として機能する。また、信号発生
回路104において、波形メモリ101からの出力を直
接コムフィルタ108,112に入力させるように接続
を替え、さらに波形メモリ101に予め駆動データを記
憶させておくことにより、図9に示す従来の楽音合成装
置の駆動データ発生回路901と同じように機能する。
従って、物理モデル方式の楽音も合成できることはいう
までもない。
【0032】以上のように、本発明の実施の形態によれ
ば、信号発生回路104がコムフィルタ108,112
にグレインを供給し、変調回路114が、遅延器10
5,109の遅延段数をランダムに変調しながら、グレ
インをコムフィルタ108,112内を巡回させるよう
にし、累算器113が巡回中の波形データを取り出し、
累算することにより、グレインを時間軸上に時間間隔が
ランダムになるように配置した合成音データを得るよう
にしたので、各グレイン間の0値データを予め波形メモ
リ101に記憶させることなく、すなわち従来よりも容
量の少ない波形メモリ101を用いてグラニュラーシン
セシス方式の楽音を合成することができる。また従来の
物理モデル方式タイプの楽音合成装置(図9)のよう
に、信号発生回路104が駆動データに相当する波形
を、楽器の共振部(例えば弦)に相当するコムフィルタ
108,112に供給し、駆動データを共振させること
により、物理モデル方式の楽音も合成することができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明は、信号発生手段から供給された
駆動データを自然楽器の共振部に相当する1つないし複
数のループ手段が巡回させることにより物理モデル方式
の楽音を合成でき、また信号発生手段から供給された単
発信号やランダム信号や周期信号(グレイン)を、複数
のループ手段が巡回させることにより各グレイン間を時
間軸上に周期的に配置した波形を生成し、変調手段が閉
ループ手段中の遅延器の遅延時間をランダムに変調する
ことにより各グレイン間の時間間隔の周期性を除去(時
間間隔がランダムとなるように再配列)し、混合手段が
複数のループ手段から取り出された波形データを混合す
ることにより、更に各グレイン間の時間間隔のランダム
性の大きい波形(所望の合成音データ)を合成するよう
にしたので、各グレイン間の0値データを予め波形メモ
リに記憶させることなく、すなわち従来よりも容量の少
ない波形メモリを用いてグラニュラーシンセシス方式の
楽音を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における楽音合成装置の構
成を示すブロック図
【図2】同楽音合成装置の変調回路の回路構成図
【図3】同楽音合成装置の変調回路のタイムチャート
【図4】同楽音合成装置の遅延器をリングメモリ形式で
表現した状態図
【図5】(A)は波形メモリから出力される信号の時間
軸波形図 (B)はエンベロープの時間軸波形図 (C)は合成音データの時間軸波形図
【図6】従来例における楽音合成装置のブロック図
【図7】同楽音合成装置のメモリアドレス発生回路の回
路構成図
【図8】(A)は波形メモリ602のメモリマップを示
す図 (B)はメモリマップにおける読み出しアドレスの遷移
状態を表す遷移図 (C)は合成音データの時間軸波形図 (D)は合成音データの時間軸波形図
【図9】従来例における楽音合成装置のブロック図
【符号の説明】
101 波形メモリ 102 アドレス発生回路 103 エンベロープ付加回路 104 信号発生回路 105,109 遅延器 106,110 ゲート回路 107,111 加算器 108,112 コムフィルタ 113 累算器 114 変調回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単発信号やランダム信号や周期信号を発
    生する信号発生手段と、少なくとも遅延器を含む閉ルー
    プ状の回路を有し、前記信号発生手段から供給された信
    号を巡回させ巡回中のデータを波形データとして取り出
    すようにした複数のループ手段と、前記複数のループ手
    段の遅延量をランダムに変調する変調手段と、前記複数
    のループ手段から取り出された波形データを混合させる
    混合手段とを備えたことを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 信号発生手段が、予め信号を記憶したメ
    モリ回路と、前記メモリ回路から信号を順次読み出すア
    ドレス発生回路と、前記信号の振幅値を制御するエンベ
    ロープ制御回路とを備えたことを特徴とする請求項1記
    載の楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のループ手段が、供給された単
    発信号やランダム信号や周期信号のサンプル長よりも十
    分長い遅延時間を有する遅延器で構成させ、前記変調手
    段が、供給された単発信号やランダム信号や周期信号の
    サンプル群を、時間軸上に時間間隔がランダムになるよ
    うに配置させることを特徴とする請求項1記載の楽音合
    成装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも遅延器を含む複数のループ手
    段を有し、前記複数のループ手段に単発信号やランダム
    信号や周期信号を入力し、十分に長い周期で、しかも前
    記周期をランダムに変更しながら巡回させ、巡回中のデ
    ータを取り出し混合することを特徴とする楽音合成装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009175440A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Sega Corp 音声再生装置および音声再生制御プログラム
JP2011207390A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Mazda Motor Corp 車両用発音装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009175440A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Sega Corp 音声再生装置および音声再生制御プログラム
JP2011207390A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Mazda Motor Corp 車両用発音装置

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