JP2011207390A - 車両用発音装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無限音階効果を利用して、発音装置による騒音を抑制しつつ、車両接近を想起しやすい音を発生させる車両用発音装置を提供する。
【解決手段】本発明は、車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置であって、車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成部2と、所定の基本周波数の倍音列の周波数成分によりも高い利得を選択的に付与するコムフィルタ機能4a、及びコムフィルタ機能4aの利得を漸増かつ漸減させる補正フィルタ機能4bによって原音色から変調音色を生成する変調音色生成部4と、変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定部5と、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音するスピーカ6とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用発音装置に係り、より詳細には、電気車両及びハイブリッド車両を初めとする低騒音車両に搭載して好適な、車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置に関する。
低騒音車両は、従来の自動車と比較して走行時の騒音が少ないため、歩行者が車両の接近に気がつかない場合がある。このため、歩行者や自転車に乗った人に車両の接近を気づかせるために、車両から走行疑似音を発音させることが提案されている。
下記の特許文献1には、タイヤノイズやエンジンアイドリング音の疑似音を発音する技術が開示されている。
また、下記の特許文献2に記載の技術では、車両からの距離が短い接近告知領域に対しては、高周波の疑似音を発音し、一方、車両からの距離が長い遠方告知領域に対しては、低周波の疑似音を発音している。一般に、高周波音は低周波音よりも減衰しやすいため、低周波音をカットした高周波音の疑似音を発音することにより、遠方への疑似音の広がりが抑制される。
特開2009−40318号公報 特開2008−168676号公報
しかし、これらの疑似音は、車両の周囲にとっては騒音に他ならず、また、高い静粛性という低騒音車両の長所を減殺してしまうことにもなる。
また、高周波の疑似音には低周波成分が十分に含まれないため、歩行者や自転車に乗った人がその疑似音を聞いても、車両接近を想起することが困難な場合も有り得る。
そこで、本発明は、発音装置による騒音を抑制しつつ、車両接近を想起させやすい接近音を発生させる車両用発音装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の車両用発音装置は、車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置であって、車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成手段と、基本周波数及びそのn倍(nは2以上の整数)の周波数からなる倍音列の周波数成分に上記基本周波数及び倍音列の周波数成分以外の周波数成分に付与する利得よりも高い利得を選択的に付与し、かつ、上記基本周波数が時間の経過ともに高周波数側へ繰り返し移行するコムフィルタ機能を有し、このコムフィルタ機能によって上記原音色から変調音色を生成する変調音色生成手段と、変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定手段と、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音する発音手段と、を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、基本周波数が時間の経過と共に高周波数側へ移行するコムフィルタ機能を利用して、無限音階の変調音色を生成することができる。無限音階は、元の音色の周波数特性を実質的に保ったまま、これを聞く人間に周波数の持続的な上昇を錯覚させる効果を有する。このため、車両の接近をより強く感じさせることができる。その結果、原音色の接近音をそのまま発音する場合よりも低い音圧であっても、同等に車両接近を感じさせることができる。したがって、本発明によれば、発音装置による騒音を抑制しつつ、車両接近を想起させやすい接近音を発生させることができる。
また、本発明において、好ましくは、変調音色生成手段は、コムフィルタ機能によって基本周波数及び倍音列の周波数成分に付与される利得を、開始周波数から高周波数側の所定の周波数範囲で、周波数の増加と共に漸増させ、かつ、上記開始周波数よりも高周波数側の終了周波数から低周波数側の所定の周波数範囲で、周波数の増加ともに漸減させる補正フィルタ機能を有する。
このように、低周波側で利得を漸増させ、且つ高周波側で利得を漸減させれば、基本周波数及びその倍音列の周波数成分を低周波側からフェードインさせ、且つ、高周波側へフェードアウトさせることができる。これにより、無限音階の変調音色を聞く人間に、より違和感無く、周波数の持続的な上昇を錯覚させることができる。
また、本発明において、好ましくは、変調音色生成手段は、車速が速くなるほど、コムフィルタ機能の上記基本周波数が移行する速度を速くする。
これにより、接近音によって車両の接近を想起させる際に、車両の速度も同時に想起させることが期待できる。
また、本発明において、好ましくは、車両から歩行者までの距離を検出する距離検出手段を有し、変調音色生成手段は、車両から歩行者までの距離が短いほど、補正フィルタ機能の開始周波数を上昇させること、及び、上記補正フィルタの漸増周波数範囲を拡大することの少なくとも一方を行う。
これにより、車両から歩行者までの距離が短いほど、接近音に含まれる低周波成分が低減される。その結果、歩行者が近いほど接近音が遠くまで伝わりにくくなり、歩行者に車両の接近を想起させつつ、騒音の更なる抑制を図ることができる。
また、本発明において、好ましくは、車両の周囲環境の音圧を測定する周囲環境音圧測定手段を有し、変調音色生成手段は、周囲環境の音圧が低いほど、補正フィルタ機能の上記開始周波数を高くすること、及び、上記補正フィルタの漸増周波数範囲を拡大することの少なくとも一方を行う。
これにより、周囲環境の音圧が低く静かなほど、接近音に含まれる低周波成分が低減される。その結果、接近音が遠くまで伝わりにくくなり、周囲環境が静かな場合に、騒音を抑制することができる。
また、本発明において、好ましくは、更に、接近音の原音色生成用データを車両の走行状態と対応させて格納したメモリを有し、原音色生成手段は、車両の走行状態に対応した原音色生成用データを読み出し、上記原音色を生成する。
これにより、車両の走行状態に応じた原音色が生成される。その結果、接近音によって車両の接近が想起される際に、車両の速度や加速といった車両の走行状態も同時に想起させることが期待できる。
本発明の車両用発音装置によれば、騒音を抑制しつつ、車両接近を想起しやすい音を発生させる車両用発音装置を提供することができる。
本発明の実施形態による車両用発音装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両中のセンサの配置を模式的に示す平面図である。 (A)は、原音色の音圧の周波数分布を示すグラフであり、(B)は、コムフィルタの利得の周波数特性を示すグラフであり、(C)は、コムフィルタの基本周波数の時間変化を示すグラフである。 (A)は、補正フィルタの利得の周波数特性を示すグラフであり、(B)は、コムフィルタと補正フィルタとを組み合わせた場合の利得の周波数特定を示すグラフであり、(C)は、変調音色の音圧の周波数分布を示すグラフである。 本発明の実施形態による車両用発音装置の作動を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は、変形例1〜4のコムフィルタの利得の周波数特性を示すグラフである。
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両用発音装置の実施形態を説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両用発音装置の構成について説明する。図1は、実施形態による車両用発音装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、実施形態による車両用発音装置は、車両外部に車両の接近を報知するために、作動条件判定部1と、車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成部2と、原音色生成用データを格納したメモリ3と、原音色から変調音色を生成する変調音色生成部4と、変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定部5と、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音する発音手段としてのスピーカ6とを備える。さらに、車両用発音装置は、車両から歩行者までの距離を検出する距離検出手段としての画像処理部7も備える。
作動条件判定部1、原音色生成部2、変調音色生成部4、音圧設定部5及び画像処理部7は、例えば車載ECU(electric control unit:電子制御装置)における処理機能に相当する。これらの処理機能は、コンピュータにおいて所定のプログラムを実行することによって実現してもよいし、マイクロチップによって実現してもよい。
作動条件判定部1は、接近音を発音させる条件が満たされているか否かを判定する。判定条件として、車速センサ8が検出した走行中の車速が、所定の基準車速以下であること、例えば(0<車速≦20km/h)であることが挙げられる。
なお、車速センサ8は、図2に示すように、車両C前方のエンジンルーム内に設けられている。図2は、車両の平面模式図である。
また、他の判定条件として、車両が停車中であっても、ホーンスイッチ(ホーンSW)9が操作された場合も挙げられる。この判定条件は、停車していた電気自動車を発進させるときに、車両の周囲にいる人間に、車両が発進することを気づかせることが望ましいからである。したがって、発音装置が発生する接近音を、クラクションを鳴らすよりも穏やかな警告手段として使用することもできる。
なお、ホーンスイッチ9は、図2に示すように、車両の運転席のステアリングに設けられている。
原音色生成部2は、メモリ3から、車両の走行状態に対応した原音色生成用データを読み出して原音色を生成する。メモリ3には、原音色生成用データが車両の走行状態に対応付けされて格納されている。車両の走行状態としては、車速センサ8によって検出された車速、及び、エンジン回転センサ10によって検出されたエンジン回転数(又はエンジン出力)、アクセル開度センサ11によって検出されたアクセル開度が挙げられる。
なお、エンジン回転センサ10及びアクセル開度センサ11も、車速センサ8と同様に、図2に示すように、車両C前方のエンジンルーム内に設けられている。
本実施形態では、メモリ3には、車速、エンジン回転数及びアクセル開度の少なくとも一つと対応付けられて、原音色生成用データが格納されている。したがって、原音色生成部2は、車速、エンジン回転数及びアクセル開度の少なくとも一つに対応づけられた原音色生成用データを読み出して、車速等に応じた原音色を生成する。
図3(A)に、生成した原音色のグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。グラフ中の曲線Iは、原音色の音圧の周波数特性を示す。
なお、原音色生成用データは、実際に走行している車両のタイヤノイズやエンジン音の録音データを利用して生成してもよいし、合成音として生成してもよい。
変調音色生成部4は、原音色から変調音色を生成する。そのために、変調音色生成部4は、コムフィルタ機能4aと補正フィルタ機能4bとを有している。
このコムフィルタ機能4aは、基本周波数及びそのn倍(nは2以上の整数)の周波数からなる倍音列の周波数成分に、基本周波数及び倍音列の周波数成分以外の周波数成分に付与する利得よりも高い利得を選択的に付与する。
図3(B)に、コムフィルタ機能4aの特性を示すグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の線IIは、コムフィルタ機能4aの利得の周波数特性を示す。線IIに示すように、このコムフィルタ機能4aでは、ある時点での基本周波数f0の倍音列の一部のf1,f2,・・・,f6の周波数成分に高い利得g1を付与し、それ以外の周波数成分には低い利得g2を付与している。例えば、利得g1=1.2dB、利得g2=0.0dBでもよい。
そして、図3(B)に矢印で示すように、このコムフィルタ機能4aでは、基本周波数及び倍音列が時間の経過とともに高周波数側へ繰り返し移行する。
図3(C)に、基本周波数f0の時間変化のグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は時間を表し、縦軸は基本周波数を表す。グラフ中の線IIIは、基本周波数の時間変化を表す。鋸歯波形の線IIIで示すように、基本周波数は、周波数fαから2fαまで、時間t0をかけて繰り返し上昇する。また、基本周波数が移行周期t0で上昇することにより、その基本周波数の倍音列f1,f2,・・・,f6の周波数も合わせて上昇する。
なお、基本周波数の移行範囲は、任意好適な範囲とすることができる。また、周波数は高周波側へ連続的に移行してもよいし、段階的に移行してもよい。
さらに、コムフィルタ機能4aの基本周波数が高周波側へ移行する速度は、車速が速くなるほど速くなる。
図3(D)に、車速と移行周期の関係をグラフで模式的に示す。グラフの横軸は車速を表し、縦軸は基本周波数の移行周期を示す。グラフ中の線IVは、車速と移行周期の関係を表す。線IVに示すように、車速が速くなるほど、基本周波数の移行周期は短くなる。すなわち、車速が速くなるほど、基本周波数が高周波側へ移行する速度が速くなる。
なお、図3(D)では、線IVを直線で表したが、車速と移行周期とは、線IVが曲線となる関係、例えば反比例関係でもよい。
また、補正フィルタ機能4bは、基本周波数及び倍音列の周波数成分に付与される利得を、開始周波数から高周波数側の所定の周波数範囲で、周波数の増加と共に漸増させ、かつ、開始周波数よりも高周波数側の終了周波数から低周波数側の所定の周波数範囲で、周波数の増加ともに漸減させる。
図4(A)に補正フィルタ機能4bの特性を示すグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の線Vは、補正フィルタ機能4bの利得の周波数特性を示す。台形波形の線Vで示すように、低周波側の開始周波数faから周波数fbの範囲で、周波数の増加に従って利得が漸増し、かつ、高周波側の周波数fcから終了周波数fdの範囲で、周波数の増加に従って利得が漸減している。なお、周波数fbからfcまでの間では、利得g3は一定となっている。例えば、利得g3=0.0dBである。
なお、補正フィルタ機能4bにおける開始周波数fa及び終了周波数fdは、それぞれ、コムフィルタ機能4aの基本周波数の移行範囲の下限fα及び上限2fαと一致してもよいし、一致しなくてもよい。
図4(B)に、コムフィルタ機能4aと補正フィルタ機能4bとを組み合わせた場合の特性のグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の線VIは、コムフィルタ機能4aと補正フィルタ機能4bとを組み合わせたときの利得の周波数特性を示す。また、グラフ中に、補正フィルタ機能4bの利得の周波数特性に対応する包絡線を破線Eで示す。
これらのコムフィルタ機能4a及び補正フィルタ機能4bを組み合わせることにより、基本周波数は、図4(B)に矢印で示すように高周波側へ移行しながら、包絡線Eに従って利得を変化させる。具体的には、開始周波数faからfbの範囲では、基本周波数が高周波側へ移行するにつれて利得が漸増する。次いで、周波数fbからfcの範囲では、利得は一定である。そして、周波数fcから終了周波数fdの範囲では、基本周波数が高周波側へ移行するにつれて利得が漸減する。
そして、変調音色生成部4は、コムフィルタ機能4a及び補正フィルタ機能4bを使用して原音色から変調音色を生成する。
図4(C)に、変調音色のグラフを模式的に示す。グラフの横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。グラフ中の曲線VIIは、変調音色の音圧の周波数特性を示す。曲線VIIに示すように、変調音色は、図3(A)に示した原音色をベースとし、ある時点での基本周波数f0及びその倍音列の周波数f1〜f6に音圧ピークp0〜p6をそれぞれ有する。これらの音圧ピークp0〜p6は、基本周波数f0及びその倍音列の周波数f1〜f6が高周波側へ移行するのに従って高周波側へ移行する。これにより、変調音色の接近音は、これを聞いた人間に、周波数の持続的な上昇を錯覚させる無限音階の効果を生じさせる。
また、各ピークの音圧は、基本周波数が高周波側へ移行するにつれて、低周波域で漸増し、高周波域で漸減する。これにより、利得の高い基本周波数及びその倍音列の周波数成分は、図4(B)の周波数faからfbへ移行するにつれてフェードインし、周波数fcからfdへ移行するにつれてフェードアウトする。これにより、より違和感無く無限音階効果を生じさせることができる。
音圧設定部5は、変調音色の接近音の発音音圧を設定する。発音音圧の設定にあたっては、周囲環境の音圧よりも少し高めの音圧を設定することが望ましい。
なお、車両の周囲環境の音圧は、周囲環境音圧測定手段としてのマイク12によって測定される。マイク12は、図2に示すように、車両のフロントガラスの直前であって、車幅方向の中央付近に設けられている。
また、変調音色では、基本周波数f0及びその倍音列の周波数f1〜f6の成分に選択的に高い利得を使用し、かつ、無限音階の効果を利用することにより、原音色の接近音をそのまま発音する場合よりも全体的に低い音圧で変調音色の接近音を発音させても、歩行者に車両接近を容易に想起させることができる。したがって、発音音圧を抑制することができる。
また、車両のヘッドライトが点灯している場合には、歩行者は、通常、ヘッドライトの光によって車両の接近に気がつく。このような場合、歩行者は小さな音の接近音で十分に車両接近を想起し得るから、大きな音の接近音を発生させる必要はない。そこで、カメラ13で撮像した画像を画像処理部7で処理して、周囲環境が夜間であると判断され、かつ、車両のヘッドライトが点灯している場合には、設定音圧を、昼間の設定音圧よりも低くすることが望ましい。
なお、カメラ13は、図2に示すように、フロントガラスの内側の車幅方向の中央であって、車室の天井近くに、前方に向けて設けられている。
また、自車両の近くに、自車両と同じ接近音を発音している他車両が存在する場合、互いに、相手車両の接近音よりも少し高い音圧を設定していくと、音圧が著しく高くなるおそれがある。そこで、音圧の設定に当たっては、適当な上限値を設定しておくことが望ましい。
スピーカ6からは、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音が発音される。このように変調音色の接近を発音することにより、発音装置による騒音を抑制しつつ、車両接近を想起しやすい音を発生させることができる。
なお、スピーカ6は、図2に示すように、車両先頭の車幅方向中央付近に設けられている。
次に、図5のフローチャートを参照して、実施形態による車両用発音装置の作動を説明する。
先ず、作動条件判定部1が、車速センサ8から車速を取得する(S51)。
次に、作動条件判定部1は、車速Vが、0<V≦20km/hの条件を満たすか否かを判定する(S52)。この条件が満たされていいない場合(S52で「NO」の場合)、作動条件判定部1は、ホーンスイッチ(ホーンSW)が操作された(ON)か否かを判定する(S53)。
車速が上記条件を満たす場合(S52で「YES」の場合)、又は、ホーンスイッチが操作された場合(S53で「YES」の場合)、原音色生成部2は、車両の走行状態データを取得する(S54)。走行状態データとしては、車速、エンジン回転数、及びアクセル開度が挙げられる。
次に、原音色生成部2が、取得した走行状態に対応した原音色生成用データを読み出し、図3(A)に示した原音色を生成する(S55)。
次に、カメラ13で撮像され画像処理部7で処理された周囲環境のデータ、及び、マイク12で検出された周囲環境音圧のデータを取得する(S56)。
次に、変調音色生成部4が、車速に応じて、コムフィルタ機能4aの基本周波数の移行速度を決定する(S57)。移行速度は、メモリに車速と対応付けた移行速度を格納しておき、これを読み出して決定してもよいし、車速の関数としても計算して決定してもよい。
次に、変調音色生成部4が、図3(B)に示したコムフィルタ機能4aの特性を生成する(S58)。
なお、コムフィルタ機能4aの特性は、逐次生成してもよいし、メモリに記憶したものを読み出して使用してもよい。
次に、変調音色生成部4が、図4(A)に示した補正フィルタ機能4bの特性を生成する(S59)。
次に、変調音色生成部4が、図4(B)に示したようにコムフィルタ機能4a及び補正フィルタ機能4bを組み合わせて使用して、原音色から、図4(C)に示した変調音色を生成する(S60)。
次に、音圧設定部5が、変調音色の接近音の発音音圧を設定する(S61)。
ここで、音圧設定部5は、マイク12によって測定された周囲環境音圧よりも少し高い音圧を設定するとよい。また、カメラ13が撮像した画像を処理した画像処理部7によって夜間であると判定され、かつ、ヘッドライトが点灯している場合には、より低い音圧設定とするとよい。
また、図4(C)に曲線VIIで示したように、変調音色は、基本周波数及び倍音列に音圧ピーク(p1〜p6)を有している上、無限音階効果により、周波数の持続的な上昇が錯覚される。このため、原音色の接近音をそのまま発音する場合よりも低い音圧設定であっても、歩行者に車両接近を十分に想起させることができると考えられる。
次に、スピーカ6が、設定発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音する(S62)。
このようにして、発音装置による騒音を抑制しつつ、車両接近を想起しやすい音を発生させることができる。
上述の実施形態では、図4(A)に示した特性の補正フィルタ機能4bを使用して変調音色を生成したが、補正フィルタ機能4bの特性はこれに限定されない。
以下、図6を参照して、周囲環境に応じて補正フィルタ機能4bの特性を変更する例を説明する。
変形例1では、車両から歩行者までの距離が短いほど、又は、周囲環境の音圧が低く静かなほど、補正フィルタ機能の開始周波数を上昇させている。図6(A)に、開始周波数をfaからfa1へ上昇させた例を示す。これにより、車両から歩行者までの距離が短いほど、又は、周囲環境の音圧が低く静かなほど、接近音に含まれる低周波成分が低減される。その結果、歩行者が近いほど接近音が遠くまで伝わりにくくなり、歩行者に車両の接近を想起させつつ、騒音の更なる抑制を図ることができる。
変形例2では、車両から歩行者までの距離が短いほど、又は、周囲環境の音圧が低く静かなほど、補正フィルタの漸増周波数範囲を拡大させている。図6(B)に、faからfbまでの漸増周波数範囲を、faからfb1まで拡大させた例を示す。これにより、車両から歩行者までの距離が短いほど、又は、周囲環境の音圧が低く静かなほど、接近音に含まれる低周波成分が低減される。その結果、歩行者が近いほど接近音が遠くまで伝わりにくくなり、歩行者に車両の接近を想起させつつ、騒音の更なる抑制を図ることができる。
変形例3では、図6(C)に示すように、車両から歩行者までの距離が短いほど、又は、周囲環境の音圧が低く静かなほど、周波数fbの利得を低下させている。これは、補正フィルタのfaからfbまでの漸増周波数範囲が、faからfcまで拡大されたことと同じである。したがって、この場合も、歩行者が近いほど接近音が遠くまで伝わりにくくなり、歩行者に車両の接近を想起させつつ、騒音の更なる抑制を図ることができる。
変形例4では、図6(D)に示すように、周波数fcの利得を上昇させている。この結果、変調音色では、周波数faからfcまで、利得が漸増することにより、歩行者に車両の接近をより強く想起させることが期待できる。また、補正フィルタの利得の周波数特性自体を、時間の経過と共に変動させてもよい。例えば、図6(D)に示した波形と、図4(A)に示した波形との間で周期的に波形を変化させるようにしてもよい。
上述の実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、1つの基本周波数についての倍音列に高い利得を付与して変調音色を生成した例を説明したが、本発明では、基本周波数は1つに限られず、位相の異なる複数の基本周波数それぞれの倍音列に高い利得を使用して変調音色を生成してもよい。
また、上述の実施形態では、補正フィルタ機能が台形波形の利得の周波数特性を有する例について説明したが、本発明では、補正フィルタ機能の特性はこれに限定されず、例えば、末広がりの釣鐘形の波形となる利得の周波数特性を与えてもよい。
本発明の車両用発音装置は、例えば、電気自動車及びハイブリッド自動車をはじめとする走行時の騒音が小さい車両に搭載して利用可能である。
1 作動条件判定部
2 原音色生成部
3 メモリ
4 音色変調部
4a コムフィルタ機能
4b 補正フィルタ機能
5 発音音圧設定部
6 スピーカ
7 画像処理部
8 車速センサ
9 ホーンスイッチ
10 エンジン回転センサ
11 アクセル開度センサ
12 カメラ
13 マイク
100 ECU

Claims (6)

  1. 車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置であって、
    車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成手段と、
    基本周波数及びそのn倍(nは2以上の整数)の周波数からなる倍音列の周波数成分に上記基本周波数及び倍音列の周波数成分以外の周波数成分に付与する利得よりも高い利得を選択的に付与し、かつ、上記基本周波数が時間の経過ともに高周波数側へ繰り返し移行するコムフィルタ機能を有し、このコムフィルタ機能によって上記原音色から変調音色を生成する変調音色生成手段と、
    上記変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定手段と、
    設定された発音音圧で、車両外部へ上記変調音色の接近音を発音する発音手段とを有することを特徴とする車両用発音装置。
  2. 上記変調音色生成手段は、上記コムフィルタ機能によって上記基本周波数及び倍音列の周波数成分に付与される利得を、開始周波数から高周波数側の所定の周波数範囲で、周波数の増加と共に漸増させ、かつ、上記開始周波数よりも高周波数側の終了周波数から低周波数側の所定の周波数範囲で、周波数の増加ともに漸減させる補正フィルタ機能を有することを特徴とする、請求項1記載の車両用発音装置。
  3. 上記変調音色生成手段は、車速が速くなるほど、上記コムフィルタ機能の上記基本周波数が移行する速度を速くすることを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用発音装置。
  4. 車両から歩行者までの距離を検出する距離検出手段を有し、
    上記変調音色生成手段は、車両から歩行者までの距離が短いほど、上記補正フィルタ機能の上記開始周波数を高くすること、及び、上記補正フィルタの漸増周波数範囲を拡大することの少なくとも一方を行うことを特徴とする、請求項2〜3の何れか一項に記載の車両用発音装置。
  5. 車両の周囲環境の音圧を測定する周囲環境音圧測定手段を有し、
    上記変調音色生成手段は、周囲環境の音圧が低いほど、上記補正フィルタ機能の上記開始周波数を高くすること、及び、上記補正フィルタの漸増周波数範囲を拡大することの少なくとも一方を行うことを特徴とする、請求項2〜4の何れか一項に記載の車両用発音装置。
  6. 更に、接近音の原音色生成用データを車両の走行状態と対応させて格納したメモリを有し、
    上記原音色生成手段は、車両の走行状態に対応した原音色生成用データを読み出し、上記原音色を生成することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用発音装置。
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