JPH09279437A - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

Info

Publication number
JPH09279437A
JPH09279437A JP8095124A JP9512496A JPH09279437A JP H09279437 A JPH09279437 A JP H09279437A JP 8095124 A JP8095124 A JP 8095124A JP 9512496 A JP9512496 A JP 9512496A JP H09279437 A JPH09279437 A JP H09279437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
base fabric
fabric
air bag
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8095124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3849812B2 (ja
Inventor
Toshiji Moriwaki
淑次 森脇
Susumu Kano
進 加納
Ryoji Okano
良治 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP09512496A priority Critical patent/JP3849812B2/ja
Publication of JPH09279437A publication Critical patent/JPH09279437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3849812B2 publication Critical patent/JP3849812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エアバッグとしての機械的特性およ
び難燃性を保持しつつ、軽量で収納性に優れ、かつ低通
気性を有するエアバッグ用基布を提供せんとするもので
ある。 【解決手段】本発明のエアバッグ用基布は、相対粘度が
2.7乃至4.7ηrで、アミノ末端基を2.0乃至
7.5×10-5mol/g含有したポリアミド繊維で、
単糸繊度が2乃至8デニール、総繊度が100乃至60
0デニール、フィラメント数が30乃至300本、引張
強力が5.5g/d以上、破断伸度が15%以上、15
0℃乾熱収縮率が1.5%以下、沸騰水中収縮率が5%
以下のフィラメント糸から構成され、かつ該織物の通気
度が、流体(空気)を0.2kg/cm2 の圧力に調整
して流し、その時通過する空気流量を測定した時に、4
0cc/cm2 /sec以下であることを特徴とするす
るものである。また、本発明のエアバッグは、かかるエ
アバッグ用基布を用いて構成されていることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するも
のであり、さらに詳しくは、軽量で収納性に優れ、かつ
低通気性を有するエアバッグ用基布およびエアバッグに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグには300〜1000
デニールのナイロン66またはナイロン6フィラメント
糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性など
の向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフ
ィン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマー樹
脂を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して作ら
れていた。
【0003】しかしながら、これらのエラストマー樹脂
を基布の片面に塗布、積層する際、一般に、ナイフコー
ト、ロールコート、リバースコートなどによるコーティ
ング方式が採用されているが、フィラメント織物で構成
されるエアバッグ基布に対しては、通常、クロロプレン
エラストマー樹脂の場合では、基布表面に90〜120
g/m2 塗布されており、厚みが厚くなり、収納性の面
においても、パッケージボリュームが大きくなる問題が
あった。また、クロロプレンエラストマー樹脂に比べ、
より耐熱性、耐寒性の優れたシリコーンエラストマー樹
脂の場合では、塗布量が40〜60g/m2 で、軽量化
しつつ、収納性の面でもかなり向上したが、まだ十分と
は言えず、またエラストマーの塗布、積層は工程が煩雑
で生産性の面に問題があった。
【0004】一方、エアバッグ用基布においては、低価
格化ならびにモジュールカバーの縮小化のため、エアバ
ッグ用基布の収納性向上が強く要望されおり、ノンコー
ト基布を使用したエアバッグが注目されてきた。その対
応技術として、ナイロン66、ナイロン6などのポリア
ミド繊維織物およびポリエステル繊維織物から構成され
る高密度ノンコートエアバッグの検討が進められてい
る。例えば、特開平4−2835号公報は、コーティン
グをされていない低通気性の織布が提案されているが、
原糸、特にポリマーについての特定の開示はない。また
好適な素材としてポリエステルが記載され、さらに低通
気性を付与するためにカレンダー加工の採用が開示され
ている。この提案により得られるエアバッグ用基布は、
低通気性はかなり改善されるが、エアバッグとしての機
械的特性、すなわち引裂強力がやや低く、またポリアミ
ドに比べ伸度が低いため、顔面接触時の衝撃緩和の面に
おいても十分とは言え難く、満足したエアバッグ用基布
が得られていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来のエアバッグの欠点に鑑み、エアバッグとしての
機械的特性および難燃性を保持しつつ、軽量で収納性に
優れ、かつ低通気性を有するエアバッグ用基布を提供せ
んとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のような構成を有する。すなわち、本
発明のエアバッグ用基布は、相対粘度が2.7乃至4.
7ηrで、アミノ末端基を2.0乃至7.5×10-5
ol/g含有したポリアミド繊維で、単糸繊度が2乃至
8デニール、総繊度が100乃至600デニール、フィ
ラメント数が30乃至300本、引張強力が5.5g/
d以上、破断伸度が15%以上、150℃乾熱収縮率が
1.5%以下、沸騰水中収縮率が5%以下のフィラメン
ト糸から構成され、かつ該織物の通気度が、流体(空
気)を0.2kg/cm2 の圧力に調整して流し、その
時通過する空気流量を測定した時に、40cc/cm2
/sec以下であることを特徴とするするものである。
また、本発明のエアバッグは、かかるエアバッグ用基布
を用いて構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、コーティングやカレン
ダー加工を施さずに機械的特性、難燃性、軽量、収納性
および低通気性の5つの特性を全て満足するエアバッグ
用基布を提供することについて、鋭意検討したところ、
相対粘度が2.7乃至4.7ηrで、アミノ末端基を
2.0乃至7.5×10-5mol/g含有したポリアミ
ド繊維を用い、単糸繊度が2乃至8デニール、総繊度が
100乃至600デニール、フィラメント数が30乃至
300本、引張強力が5.5g/d以上、破断伸度が1
5%以上、150℃乾熱収縮率が1.5%以下、沸騰水
中収縮率が5%以下のフィラメント糸から構成された高
密度な織物が、エアバックとしての上記5つの特性を満
足することを究明したものである。
【0008】本発明におけるポリアミド繊維は、ナイロ
ン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4・
6、およびナイロン6とナイロン6・6の共重合体、ナ
イロンにポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やア
ミンなどを共重合したポリアミド繊維を言うが、これら
の中でも特にナイロン6・6からなるポリアミド繊維が
好ましい。なお、かかる繊維には、原糸の製造工程や加
工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用さ
れる各種添加剤を含んでいても良い。例えば熱安定剤、
酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、
増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめることができ
る。また本発明を達成するためには、かかるポリアミド
繊維で、好ましくは延伸糸を用い、その相対粘度が2.
7乃至4.7ηr、アミノ末端基を2.0乃至7.5×
10-5mol/g含有していることが必須である。相対
粘度が2.7ηr以下では、高強度糸が得られず、エア
バッグ用原糸として十分な強伸度特性が得られない。ま
た4.7ηr以上では、溶融粘度が高く、安定な吐出条
件が得られず、弱糸および細糸が発生する。したがっ
て、原糸強度や伸度は低下し、毛羽も多発する。なお、
ここで言う相対粘度とは、試料2.5grを濃硫酸(9
8%)25ccに溶解し、恒温槽(25℃)の一定温度
下においてオストワルド粘度計を用いて測定し求めたも
のである。
【0009】また、アミノ末端基量が2.0×10-5
ol/g以下では、重合速度が著しく低下し、ポリマー
重合コストが高くなる。また紡糸過程で溶融粘度が高い
ため、安定な吐出条件が得られず、弱糸および細糸が発
生しやすい。上記アミノ末端基量では一般的に高重合度
ポリマーであり、延伸過程で著しく高い張力となるた
め、擦過による糸切れを生じやすく、均一な原糸強伸度
特性を付与することが難しい。また、操業面において
は、原糸や織物の毛羽品位を損ない、著しく収率が低下
する。一方、7.5×10-5mol/g以上では、溶融
重合および溶融紡糸過程でゲル化反応を生じやすく、紡
糸機内で生成したゲルは、瀘過フィルターでは除去され
ず、吐出糸中に節(欠陥)として取り込まれ延伸過程で
糸切れの原因となり、著しく、原糸強伸度特性を損な
う。また操業面においても原糸や織物の毛羽品位を損な
い、著しく収率が低下する。
【0010】なお、上述の延伸糸であることの定義とし
ては、例えば複屈折率で示すことができ、すなわち、本
発明でいう延伸糸としては好ましくは50〜80(×1
-3)、さらに好ましくは55〜70(×10-3)の複
屈折率を有するポリアミド延伸糸がよい。
【0011】一方、本発明で言う糸条を構成する単糸繊
度、総繊度、フィラメント数は、エアバッグとしての機
械的特性ならびに収納性の面に大きく影響するため、単
糸繊度は2乃至8デニール、好ましくは5乃至7デニー
ル、総繊度は100乃至600デニール、好ましくは2
00乃至450デニール、フィラメント数は30乃至3
00本、好ましくは50乃至150本である。単糸繊
度、総繊度が細すぎるとエアバッグとしての強力が低下
し、反面、必要以上に太いと嵩高な織物になり収納性に
劣る。単糸繊度、総繊度、フィラメント数については、
上記の各範囲内で適宜組合せると良い。
【0012】また本発明を達成するには織物を構成する
フィラメント糸は、引張強力は5.5g/d以上、破断
伸度が15%以上、150℃乾熱収縮率が1.5%以
下、沸騰水中収縮率が5%以下であることが必要であ
る。なお、ここで言うフィラメント糸の特性は、織物を
構成したフィラメント糸(分解糸)の特性を表わす。な
お、引張強力は5.5g/d以上、好ましくは6.5g
/d以上であり、5.5g/d以下ではエアバッグとし
ての強力特性が劣る。また破断伸度が15%以下では織
物は粗硬になり、また150℃乾熱収縮率が1.5%以
上、沸騰水中収縮率が5%以上では織物の形態安定性が
劣り、耐環境性すなわち耐熱性、耐湿性などの面で好ま
しくない。一方、マルチフィラメント糸から構成される
織物組織としては、平織、綾織、朱子織およびこれらの
変化織、多軸織などの織物が使用されるが、これらの中
でも、特に機械的特性に優れ、また地薄な面から平織物
が好ましい。
【0013】また本発明を達成するには、上記フィラメ
ント糸から構成された織物の通気度が、流体(空気)を
0.2kg/cm2 の圧力に調整して流し、その時通過
する空気流量を測定した時に、40cc/cm2 /se
c以下、好ましくは30cc/cm2 /sec以下であ
ることが必要である。40cc/cm2 /sec以上で
は、エアバッグの最も必要な特性であるガス遮断性が不
充分になり好ましくはない。また、エアバッグとしての
必要な機械的特性ならびに燃焼性、収納性、低通気性な
どの面から、上記フィラメント糸条から構成された織物
が次の要件を同時に満足することにより、さら効果が発
揮される。
【0014】 (a) 目付W(g/m2 ) W≦250 (b) 厚さTh(mm) Th≦0.35 (c) 織密度D(本/in) 50≦D≦80 (d) 引張強力S(N/cm) S≧500 (e) 破断伸度E(%) E≧15 (f) 引裂強力Te(N) Te≧100 (g) カバーファクターK 2000≦K≦2500 (h) 油分Y(%) Y≦0.2 (i) クリンプ率C(%)経糸と緯糸の平均 C≦10 ここで、カバーファクターとは経糸総繊度をD1 、経糸
密度をN1 とし、緯糸総繊度をD2 、緯糸密度をN2 と
すると、(D1 )1/2 ×N1 +(D2 )1/2 ×N2 で表
され、低通気性の面から、2000乃至2500が好ま
しい。また、織機としては、ウォータージェットルー
ム、エアージェットルーム、レピア織機を適宜使用する
ことができる。また、クリンプ率とは、織物分解糸のク
リンプ率を表わす。すなわち、織物を構成している所定
の糸長さをL1 、その織物の分解糸に0.1g/デニー
ルの荷重をかけた時の糸長さをL2 とすると(L2 −L
1 )/L1 で表わされる。好ましくはクリンプ率が経糸
と緯糸の平均で10%以下、さらに好ましくは緯糸クリ
ンプ率/経糸クリンプ率の比が0.4乃至0.7、特に
好ましくは、経糸が7乃至15%、かつ緯糸が2乃至8
%である。また油分としては、燃焼性の面から好ましく
は0.2%以下、さらに好ましくは0.04%以下であ
る。なお、かかる織物を用いたエアバッグ用基布は、運
転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、後部座席用エ
アバッグ、側面用エアバッグなどに適宜使用することが
できる。
【0015】また、上記エアバッグにおいては、インフ
レータ取り付け口やベントホール部分などに用いられる
補強布またはバッグ展開形状を規制する部材が、該エア
バッグ用基布と同一基布であることが縫製性の面から有
利であり好ましい。またエアバッグの縫製にあたって
は、打抜きまたは溶断によって形成された1枚もしくは
複数枚のかかるエアバッグ用基布を用い、その周縁部を
縫製することが好ましく、さらには周縁部の縫製が、一
重または二重の合せ縫製のみで構成されたエアバッグが
好ましい。
【0016】本発明のエアバッグ用基布の特徴は、機械
的特性ならびに燃焼性を損なわず、優れた収納性を有
し、かつ通気度をエアバッグに好適な範囲に低下せしめ
ることができるという点にある。
【0017】すなわち、本発明にわれば、コーティング
加工およびカレンダー加工を施さずにして、エアバッグ
としての機械的特性ならびに燃焼性を維持し、かつ低通
気性および収納性に優れたものを提供することができる
という優れた特徴を達成することができる。
【0018】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例中のエアバッグ用基布の特性は下
記の方法によりを測定した。
【0019】引張強力 :JIS L1096(スト
リップ法)により求めた。 破断伸度 :JIS L1096(ストリップ法)に
より求めた。
【0020】引裂強力 :JIS L1096(シン
グルタング法)により求めた。 乾熱収縮率 :150℃で30分間処理し後、収縮率
(%) を求めた。
【0021】沸騰収縮率 :98℃で30分間処理し
後、収縮率(%) を求めた 通気度 :層流管式通気度測定機を用いて、流体
(空気)を0.2kg/cm2 の圧力に調整して流し、そ
の時通過する空気流量(cc/cm2/sec) を測定した。
【0022】難燃性 :FMVSS−302法(水
平法)に基づいて、燃焼速度(mm/min)を求めた。
【0023】収納性 :エアバッグ袋体を所定の形
に折り曲げて、98Nの押圧をかけた時の折りたたみ高
さを測定した。標準品として、シリコーンゴムコート品
(45g/m2 塗工品)の嵩高さを100とした時の相
対値で示した。
【0024】耐熱性 :120℃下で500時間処
理した後の通気度変化を調べた。 耐湿性 :80℃,95%RH下で500時間処理
した後の通気度変化を調べた。
【0025】膨脹展開特性:電気着火式インフレータに
て膨脹展開特性をシリコーンゴムコート品と相対比較し
た。
【0026】実施例1 相対粘度3.65ηr、アミノ末端基3.80×10-5
mol/gを含有した延伸糸からなるナイロン6・6繊
維で、総繊度420デニール、フィラメント数72本の
フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて
経糸と緯糸の織密度がともに54本/インチの平織物を
得た。次いで、該織物を通常の方法にて精練、乾燥し、
次いで180℃で1分間熱ヒートセットし、エアバッグ
用基布を得た。このエアバッグ用基布を構成するフィラ
メント糸(分解糸)の引張強力は6.7g/d、破断伸
度18.2%、150℃乾熱収縮率が経糸−0.5%、
緯糸0.3%、沸騰水中収縮率が経糸0.8%、緯糸
1.5%であった。またエアバッグ用基布の織密度が経
糸と緯糸ともに55本/インチ、通気度は0.2kg/
cm2 の圧力下で23.5cc/cm2 /secであった。
しかる後、該エアバッグ用基布から直径725mmの円
状布帛2枚を打抜き法にて裁断し、一方の円状布帛の中
央に同一布帛からなる直径200mmの円状補強布を3
枚積層して、直径110mm、145mm、175mm
線上を上下糸ともナイロン6・6繊維の420D/1×
3から構成される縫糸で本縫いによるミシン縫製し、直
径90mmの孔を設け、インフレータ取付け口とした。
さらに中心部よりバイアス方向に255mmの位置に相
反して同一布帛からなる直径75mmの円状補強布を一
枚当て直径50mm、60mmの線上を上下糸ともナイ
ロン6・6繊維の420D/1×3から構成される縫糸
で本縫いによるミシン縫製し、直径40mmの孔を設け
たベントホールを2カ所設置した。次いで、本円状布帛
の補強布帛側を外にし、他方の円状布帛と経軸を45度
ずらして重ね合わせ、直径700mm、710mmの円
周状を上下糸ともナイロン6・6繊維の1260D/1
から構成される縫糸で二重環縫いによるミシン縫製した
後、袋体を裏返し、図1に示した60L容量の運転席用
エアバッグを作製した。
【0027】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。本発明
のエアバッグは、エアバッグに必要な機械的特性ならび
に膨脹展開特性を有し、かつモジュールカバーへの収納
性に優れていた。
【0028】比較例1.2 相対粘度5.15ηr、アミノ末端基2.55×10-5
mol/gを含有した延伸糸からなるナイロン6・6繊
維[比較例1]および相対粘度2.25ηr、アミノ末
端基8.30×10-5mol/gを含有した延伸糸から
なるナイロン6・6繊維[比較例2]で総繊度420デ
ニール、フィラメント数72本のフィラメント糸を用
い、ウォータージェットルームにて経糸と緯糸の織密度
がともに54本/インチの平織物を得た。次いで、該織
物を通常の方法にて精練、乾燥し、次いで180℃で1
分間熱ヒートセットし、エアバッグ用基布を得た。
【0029】このようにして得られたエアバッグ用基布
の特性を実施例1と同様に評価し表1に示した。比較例
1,2のエアバッグは、原糸強度が低く、また毛羽によ
り製織性が劣り、さらに織物での均一な強伸度特性が得
られず、エアバッグ用基布として十分な基布が得られな
かった。
【0030】比較例3,4 実施例1と同一のナイロン6・6繊維からなるフィラメ
ント糸を用い、ウォータージェットルームにて経糸と緯
糸の織密度がともに45本/インチの平組織の織物を得
た。次いで、該織物を通常の方法にて精練、乾燥した
後、180℃で25秒間熱セットした。しかる後、該織
物をコンマコーターを用い、塗工量が95g/m2 にな
るようにクロロプレンゴムにて2回のコーティングを行
ない、180℃で3分間の加硫処理整し、エアバッグ用
基布を得た[比較例3]。一方、該織物をコンマコータ
ーを用い、塗工量が45g/m2 になるようにメチルビ
ニル系シリコーンゴムにてコーティングを行ない、18
0℃で3分間の加硫処理し、エアバッグ用基布を得た
[比較例4]。次いで、これらのエアバッグ用基布につ
いても実施例1と同様に60L容量の運転席用エアバッ
グを作製した。
【0031】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。比較例3,4のエアバッグは、低通気性に優
れていたが、基布が硬く、モジュールカバーへの収納性
に劣り、また加工工程が煩雑で生産性の面にも問題があ
った。
【0032】実施例2 相対粘度3.35ηr、アミノ末端基3.12×10-5
mol/gを含有した延伸糸からなるナイロン6・6繊
維で、単糸繊度5.8デニール、総繊度420デニー
ル、フィラメント数72本のフィラメント糸を用い、ウ
ォータージェットルームにて経糸と緯糸の織密度がとも
に53本/インチの平織物を得た。次いで、該織物を通
常の方法にて精練、乾燥し、次いで180℃で1分間熱
ヒートセットし、エアバッグ用基布を得た。このエアバ
ッグ用基布を構成するフィラメント糸(分解糸)の引張
強力は6.4g/d、破断伸度18.8%、150℃乾
熱収縮率が経糸−0.4%、緯糸0.2%、沸騰水中収
縮率が経糸0.7%、緯糸1.0%であった。またエア
バッグ用基布の通気度は、0.2kg/cm2 の圧力下で
26.3cc/cm2 /secであった。しかる後、該エ
アバッグ用基布から本体布を1枚、側面布を2枚溶融裁
断し、第2図に示した120L容量の助手席用エアバッ
グを作製した。
【0033】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。本発明
のエアバッグは、エアバッグに必要な機械的特性ならび
に膨脹展開特性を有し、かつエアバッグケースへの収納
性に優れていた。
【0034】比較例5 総繊度420デニール、144フィラメント、強度8.
8g/デニール、伸度18%のポリエチレンテレフタレ
ート繊維からなるフィラメント糸を用い、レピア織機に
て経糸と緯糸の織密度がともに53本/インチの平組織
の織物を得た。次いで、該織物を常法にて精練、乾燥し
た後、180℃で25秒間熱セットした後、150℃に
加熱した表面がフラットな金属ロールとプラスチックロ
ールとの間で圧力25トン速度15m/分で片面に加圧
圧縮加工を施し、エアバッグ用基布を得た。しかる後、
実施例2と同様に120L容量の助手席用エアバッグを
作製した。
【0035】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。比較例5のエアバッグは、低通気性は優れる
が、エアバッグがやや硬く、また引裂強力が低いと言う
問題があった。
【0036】
【表1】 表中 固有粘度(IV) :PETのみ示す。
【0037】諸特性の左右の数値:経方向と緯方向の特
性を示す。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、エアバッグとしての必
要な機械的特性ならびに低通気性を保持しつつ、収納性
に優れたエアバッグを提供でき、また従来のコーティン
グを施したものやカレンダー加工品に比べて、安価なエ
アバッグの提供が可能になり、エアバッグによる乗員保
護システムを普及促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、運転席用エアバッグの斜視図であ
る。
【図2】この図は、助手席用エアバッグの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 乗員側布 2 インフレータ側布 3 開口部 4 ベントホール 5 本体布 6 側面布

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対粘度が2.7乃至4.7ηrで、ア
    ミノ末端基を2.0乃至7.5×10-5mol/g含有
    したポリアミド繊維で、単糸繊度が2乃至8デニール、
    総繊度が100乃至600デニール、フィラメント数が
    30乃至300本、引張強力が5.5g/d以上、破断
    伸度が15%以上、150℃乾熱収縮率が1.5%以
    下、沸騰水中収縮率が5%以下のフィラメント糸から構
    成され、かつ該織物の通気度が、流体(空気)を0.2
    kg/cm2 の圧力に調整して流し、その時通過する空
    気流量を測定した時に、40cc/cm2 /sec以下
    であることを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. 【請求項2】 ポリアミド繊維が、ナイロン6・6繊維
    である請求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 【請求項3】 該織物が、下記(a)〜(i)の要件を
    同時に満足する請求項1〜2のいずれかに記載のエアバ
    ッグ用基布。 (a) 目付W(g/m2 ) W≦250 (b) 厚さTh(mm) Th≦0.35 (c) 織密度D(本/in) 50≦D≦80 (d) 引張強力S(N/cm) S≧500 (e) 破断伸度E(%) E≧15 (f) 引裂強力Te(N) Te≧100 (g) カバーファクターK 2000≦K≦2500 (h) 油分Y(%) Y≦0.2 (i) クリンプ率C(%)経糸と緯糸の平均 C≦10
  4. 【請求項4】 該フィラメント糸が、単糸繊度が5乃至
    7デニール、総繊度が200乃至450デニール、引張
    強力が6.5g/d以上から構成される請求項1〜3の
    いずれかに記載のエアバッグ用基布。
  5. 【請求項5】 該フィラメント糸が、50乃至150本
    のフィラメント数から構成される請求項1〜3のいずれ
    かに記載のエアバッグ用基布。
  6. 【請求項6】 該フィラメント糸が、150℃乾熱収縮
    率が0.5%以下、沸騰水中収縮率が3.0%以下から
    構成される請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ
    用基布。
  7. 【請求項7】 該織物のカバーファクターが、2100
    乃至2350である請求項1〜3のいずかに記載のエア
    バッグ用基布。
  8. 【請求項8】 該織物の引張強力が、700N/cm以
    上である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用
    基布。
  9. 【請求項9】 該織物の引裂強力が、170N以上であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  10. 【請求項10】 該織物に含有する油分が、0.04%
    以下である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ
    用基布。
  11. 【請求項11】 該織物のクリンプ率(%)が、緯糸ク
    リンプ率/経糸クリンプ率の比が0.4乃至0.7であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  12. 【請求項12】 該織物のクリンプ率が、経糸が7乃至
    15%、かつ緯糸が2乃至8%である請求項1〜3のい
    ずれかに記載のエアバッグ用基布。
  13. 【請求項13】 該織物が、1×1の平織物である請求
    項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  14. 【請求項14】 該織物の通気度が、流体(空気)を
    0.2kg/cm2 の圧力に調整して流し、その時通過
    する空気流量を測定した時に、30cc/cm2 /se
    c以下である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッ
    グ用基布。
  15. 【請求項15】 該エアバッグ用基布が、ノンコート基
    布である請求項1〜14のいずれかに記載のエアバッグ
    用基布。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載のエ
    アバッグ用基布を用いたエアバッグ。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のエアバッグにおい
    て、補強布が、該エアバッグ用基布と同一基布であるこ
    とを特徴とするエアバッグ。
  18. 【請求項18】 請求項16記載のエアバッグにおい
    て、バッグ展開形状を規制する部材が、該エアバッグ用
    基布と同一基布であることを特徴とするエアバッグ。
  19. 【請求項19】 打抜きまたは溶断によって形成された
    1枚もしくは複数枚の請求項1〜15のいずれかに記載
    のエアバッグ用基布を用い、その周縁部を縫製すること
    によって構成される請求項16記載のエアバッグ。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のエアバッグにおい
    て、該周縁部の縫製が、一重または二重の合せ縫製のみ
    で構成されることを特徴とするエアバッグ。
JP09512496A 1996-04-17 1996-04-17 エアバッグ用基布およびエアバッグ Expired - Lifetime JP3849812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09512496A JP3849812B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 エアバッグ用基布およびエアバッグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09512496A JP3849812B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 エアバッグ用基布およびエアバッグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09279437A true JPH09279437A (ja) 1997-10-28
JP3849812B2 JP3849812B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=14129088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09512496A Expired - Lifetime JP3849812B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 エアバッグ用基布およびエアバッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3849812B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100429096C (zh) * 2003-09-30 2008-10-29 东洋纺织株式会社 气袋用底布
JP2011202340A (ja) * 2009-11-09 2011-10-13 Asahi Kasei Fibers Corp エアバッグ用織物およびエアバッグ
WO2013168730A1 (ja) * 2012-05-11 2013-11-14 東洋紡株式会社 ノンコートエアバッグ用織物
JP5505552B1 (ja) * 2013-10-04 2014-05-28 東洋紡株式会社 ノンコートエアバッグ用織物
KR20160128399A (ko) 2014-03-14 2016-11-07 도레이 카부시키가이샤 에어백용 기포 및 그의 제조 방법
JP2020125558A (ja) * 2019-02-05 2020-08-20 東レ株式会社 織物
WO2023095788A1 (ja) * 2021-11-29 2023-06-01 東レ株式会社 ポリアミド繊維

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100429096C (zh) * 2003-09-30 2008-10-29 东洋纺织株式会社 气袋用底布
JP2011202340A (ja) * 2009-11-09 2011-10-13 Asahi Kasei Fibers Corp エアバッグ用織物およびエアバッグ
WO2013168730A1 (ja) * 2012-05-11 2013-11-14 東洋紡株式会社 ノンコートエアバッグ用織物
KR20150014449A (ko) * 2012-05-11 2015-02-06 도요보 가부시키가이샤 비코팅 에어백용 직물
US9889816B2 (en) 2012-05-11 2018-02-13 Toyobo Co., Ltd. Non-coated woven fabric for air bag
JP5505552B1 (ja) * 2013-10-04 2014-05-28 東洋紡株式会社 ノンコートエアバッグ用織物
WO2015050004A1 (ja) * 2013-10-04 2015-04-09 東洋紡株式会社 ノンコートエアバッグ用織物
KR20160128399A (ko) 2014-03-14 2016-11-07 도레이 카부시키가이샤 에어백용 기포 및 그의 제조 방법
US10543803B2 (en) 2014-03-14 2020-01-28 Toray Industries, Inc. Airbag base fabric and manufacturing method therefor
JP2020125558A (ja) * 2019-02-05 2020-08-20 東レ株式会社 織物
WO2023095788A1 (ja) * 2021-11-29 2023-06-01 東レ株式会社 ポリアミド繊維

Also Published As

Publication number Publication date
JP3849812B2 (ja) 2006-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
GB2301320A (en) Air bag
EP2042628A1 (en) Woven fabric for air bags, air bags and process for production of the woven fabric
JP2004124321A (ja) エアバッグ用基布およびその製造方法
JP3871103B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH10195727A (ja) エアバッグ製造用非コーティング織地
JP3849818B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグとその製造方法
JP3849812B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH0633337A (ja) 高い熱安定性および意図的に調節された通気性を有する工業用織物、ならびに該織物からなる熱ガス用フィルタおよびエアバッグ
JP2002363835A (ja) エアバッグ用織物およびその製造法およびエアバッグ
JP2947179B2 (ja) エアバッグ用基布およびその製造方法およびエアバッグ
JP3336931B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH10273002A (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH09302549A (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH09302550A (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH10236253A (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JP3475768B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH08199449A (ja) ノンコートエアバッグ用基布およびエアバッグ
JP2000211459A (ja) エアバッグ用基布
JPH0911832A (ja) ノンコートエアバッグ
JP2002067850A (ja) エアバッグ
JPH11293540A (ja) エアバッグ用基布およびその製造方法
JPH08325888A (ja) ノンコートエアバッグ用布帛およびエアバッグ
JP2001114051A (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH0782629A (ja) エアバッグ
JP2002309462A (ja) エアバッグ基布およびエアバッグ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060823

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term