JPH09279415A - 太繊度ポリアミド繊維及びその製造法 - Google Patents
太繊度ポリアミド繊維及びその製造法Info
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- JPH09279415A JPH09279415A JP9380996A JP9380996A JPH09279415A JP H09279415 A JPH09279415 A JP H09279415A JP 9380996 A JP9380996 A JP 9380996A JP 9380996 A JP9380996 A JP 9380996A JP H09279415 A JPH09279415 A JP H09279415A
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- spinning
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリアミドを空冷法で溶融紡糸し、良好な均
整度を有する太繊度のポリアミド繊維を得る。 【解決手段】 粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母
粒子を 0.1〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で
溶融紡糸し、延伸して単糸繊度が20〜90dのポリアミド
繊維を製造するに際し、溶融紡出された糸条を少なくと
も下記式で規定されるL1 からL2 までの区間の雰囲
気温度が18℃以下の冷却筒を通して冷却した後、下記式
を満足する引取速度で引き取る。 L1 =0.16Q+1.0 L2 =0.16Q+2.2 SS≧17Q+120 ここで、L1 、L2 は紡糸口金面からの距離 (m) 、S
Sは引取速度(m/分) 、Qは単孔吐出量(g/分)を
表す。
整度を有する太繊度のポリアミド繊維を得る。 【解決手段】 粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母
粒子を 0.1〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で
溶融紡糸し、延伸して単糸繊度が20〜90dのポリアミド
繊維を製造するに際し、溶融紡出された糸条を少なくと
も下記式で規定されるL1 からL2 までの区間の雰囲
気温度が18℃以下の冷却筒を通して冷却した後、下記式
を満足する引取速度で引き取る。 L1 =0.16Q+1.0 L2 =0.16Q+2.2 SS≧17Q+120 ここで、L1 、L2 は紡糸口金面からの距離 (m) 、S
Sは引取速度(m/分) 、Qは単孔吐出量(g/分)を
表す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太繊度のポリアミ
ド繊維とその製造法に関するものである。
ド繊維とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6やナイロン66で代表される
ポリアミドは、溶融紡糸が可能な重合体であり、溶融紡
糸した繊維は、衣料用途、産業資材用途を問わず、広く
使用されている。
ポリアミドは、溶融紡糸が可能な重合体であり、溶融紡
糸した繊維は、衣料用途、産業資材用途を問わず、広く
使用されている。
【0003】このようなポリアミド繊維には、用途に応
じて多種の銘柄のものが要求されるが、溶融紡出糸条を
空冷法で冷却固化する通常の溶融紡糸法で製造するに
は、紡糸設備やポリマーの物性による制約があり、製造
可能な銘柄は限定されている。特に、繊度の大きい繊維
を紡糸する際には、単孔吐出量が多いため、通常の紡糸
と比較して、糸条の冷却が困難であり、特に、ナイロン
6やナイロン66等の汎用のポリアミドは、ガラス転移
点が室温に近いため、糸条が固化するまでに長距離を要
し、そのため、紡糸中の糸揺れや張力変動に起因する糸
斑が大きくなり、極端な場合には、冷却不足のため紡糸
が不可能になるという問題があった。
じて多種の銘柄のものが要求されるが、溶融紡出糸条を
空冷法で冷却固化する通常の溶融紡糸法で製造するに
は、紡糸設備やポリマーの物性による制約があり、製造
可能な銘柄は限定されている。特に、繊度の大きい繊維
を紡糸する際には、単孔吐出量が多いため、通常の紡糸
と比較して、糸条の冷却が困難であり、特に、ナイロン
6やナイロン66等の汎用のポリアミドは、ガラス転移
点が室温に近いため、糸条が固化するまでに長距離を要
し、そのため、紡糸中の糸揺れや張力変動に起因する糸
斑が大きくなり、極端な場合には、冷却不足のため紡糸
が不可能になるという問題があった。
【0004】一般に、太繊度の繊維の溶融紡糸には、水
冷法が採用されているが、この方法は、生産速度が遅
く、コスト高になるとともに、得られる繊維が繊度斑の
大きい均整度の劣ったものとなるという問題があった。
冷法が採用されているが、この方法は、生産速度が遅
く、コスト高になるとともに、得られる繊維が繊度斑の
大きい均整度の劣ったものとなるという問題があった。
【0005】一方、改質ポリアミドを繊維化することも
種々試みられており、例えは、特開平8−3818号公報に
は、膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有させたポリアミドか
らなるフイラメントが開示されている。しかし、この公
報には、約 800dのモノフイラメントを水冷法で溶融紡
糸した例が記載されているだけで、空冷法で太繊度のポ
リアミド繊維を得る方法については記載されていない。
種々試みられており、例えは、特開平8−3818号公報に
は、膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有させたポリアミドか
らなるフイラメントが開示されている。しかし、この公
報には、約 800dのモノフイラメントを水冷法で溶融紡
糸した例が記載されているだけで、空冷法で太繊度のポ
リアミド繊維を得る方法については記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリアミド
を空冷法で溶融紡糸し、良好な均整度を有する太繊度の
ポリアミド繊維を得ることを目的とするものである。
を空冷法で溶融紡糸し、良好な均整度を有する太繊度の
ポリアミド繊維を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、フッ素四ケイ素雲
母粒子を含有させたポリアミドを空冷法で溶融紡糸する
に際し、溶融紡出糸条を特定の冷却筒を通して冷却する
ことにより、この目的が達成されることを見出し、本発
明に到達した。
題を解決するために鋭意検討の結果、フッ素四ケイ素雲
母粒子を含有させたポリアミドを空冷法で溶融紡糸する
に際し、溶融紡出糸条を特定の冷却筒を通して冷却する
ことにより、この目的が達成されることを見出し、本発
明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、次の通りであ
る。 1.粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母粒子を 0.1
〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で溶融紡糸
し、延伸した繊維であって、単糸繊度が20〜90dである
太繊度ポリアミド繊維。 2.粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母粒子を 0.1
〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で溶融紡糸
し、延伸して単糸繊度が20〜90dのポリアミド繊維を製
造するに際し、溶融紡出された糸条を少なくとも下記式
で規定されるL1からL2 までの区間の雰囲気温度が1
8℃以下の冷却筒を通して冷却した後、下記式を満足
する引取速度で引き取ることを特徴とする太繊度ポリア
ミド繊維の製造法。 L1 =0.16Q+1.0 L2 =0.16Q+2.2 SS≧17Q+120 ここで、L1 、L2 は紡糸口金面からの距離 (m) 、S
Sは引取速度(m/分) 、Qは単孔吐出量(g/分)を
表す。
る。 1.粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母粒子を 0.1
〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で溶融紡糸
し、延伸した繊維であって、単糸繊度が20〜90dである
太繊度ポリアミド繊維。 2.粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母粒子を 0.1
〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で溶融紡糸
し、延伸して単糸繊度が20〜90dのポリアミド繊維を製
造するに際し、溶融紡出された糸条を少なくとも下記式
で規定されるL1からL2 までの区間の雰囲気温度が1
8℃以下の冷却筒を通して冷却した後、下記式を満足
する引取速度で引き取ることを特徴とする太繊度ポリア
ミド繊維の製造法。 L1 =0.16Q+1.0 L2 =0.16Q+2.2 SS≧17Q+120 ここで、L1 、L2 は紡糸口金面からの距離 (m) 、S
Sは引取速度(m/分) 、Qは単孔吐出量(g/分)を
表す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0010】本発明におけるポリアミドとしては、ナイ
ロン6、ナイロン66及びこれらを主体とするポリアミ
ドが好ましく用いられ、ポリアミド本来の特性を損なわ
ない範囲において、他の共重合成分、混合成分が添加さ
れていてもよい。
ロン6、ナイロン66及びこれらを主体とするポリアミ
ドが好ましく用いられ、ポリアミド本来の特性を損なわ
ない範囲において、他の共重合成分、混合成分が添加さ
れていてもよい。
【0011】そして、本発明におけるポリアミドは、96
%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で測定した
相対粘度が 2.3〜3.8 のものが好ましい。
%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で測定した
相対粘度が 2.3〜3.8 のものが好ましい。
【0012】本発明の繊維は、フッ素四ケイ素雲母粒子
を含有させたポリアミドを空冷法で溶融紡糸することに
より得られる。フッ素四ケイ素雲母粒子は、ポリアミド
中での分散性に優れ、溶融紡糸時に冷却を促進し、結晶
化の発現時に核を形成して結晶化を誘発する。そのた
め、糸条の固化を速めると同時に紡糸時の糸揺れを低減
し、引取糸の均整度を向上させることが可能となる。ま
た、従来は冷却不足のため紡糸不可能だった高吐出量で
も紡糸が可能となり、従来より大きい繊度の繊維を得る
ことが可能となる。
を含有させたポリアミドを空冷法で溶融紡糸することに
より得られる。フッ素四ケイ素雲母粒子は、ポリアミド
中での分散性に優れ、溶融紡糸時に冷却を促進し、結晶
化の発現時に核を形成して結晶化を誘発する。そのた
め、糸条の固化を速めると同時に紡糸時の糸揺れを低減
し、引取糸の均整度を向上させることが可能となる。ま
た、従来は冷却不足のため紡糸不可能だった高吐出量で
も紡糸が可能となり、従来より大きい繊度の繊維を得る
ことが可能となる。
【0013】フッ素四ケイ素雲母粒子は、粒径が6μm
以下であることが必要である。粒径が6μmより大きい
粒子を含有すると、ポリアミド中での分散性が悪く、局
在する粒子のために冷却が不均一になり、繊度斑が発生
したり、断面形状が変形する等、均整度に悪影響を及ぼ
し、極端な場合には、紡糸時に粒子近傍に応力が集中
し、粘度低下を起こしたり、切断に至ることもある。
以下であることが必要である。粒径が6μmより大きい
粒子を含有すると、ポリアミド中での分散性が悪く、局
在する粒子のために冷却が不均一になり、繊度斑が発生
したり、断面形状が変形する等、均整度に悪影響を及ぼ
し、極端な場合には、紡糸時に粒子近傍に応力が集中
し、粘度低下を起こしたり、切断に至ることもある。
【0014】フッ素四ケイ素雲母粒子の配合量は、ポリ
アミドに対し 0.1〜3.0 重量%、好ましくは、 0.3〜1.
0 重量%とすることが必要である。この配合量が 0.1重
量%より少ないと、糸条の冷却を促進する効果が乏し
く、均整度の高い繊維が採取し難く、太繊度化が困難で
ある。また、 3.0重量%より多いと断面形状が変形した
り、粘度低下を起こして強度が劣った繊維となり、好ま
しくない。
アミドに対し 0.1〜3.0 重量%、好ましくは、 0.3〜1.
0 重量%とすることが必要である。この配合量が 0.1重
量%より少ないと、糸条の冷却を促進する効果が乏し
く、均整度の高い繊維が採取し難く、太繊度化が困難で
ある。また、 3.0重量%より多いと断面形状が変形した
り、粘度低下を起こして強度が劣った繊維となり、好ま
しくない。
【0015】フッ素四ケイ素雲母粒子をポリアミドに含
有させる方法としては、重合時に添加する方法と紡糸時
に溶融状態のポリアミドに混練する方法とがあるが、分
散性を考慮すると、重合時に添加する方法が好ましい。
有させる方法としては、重合時に添加する方法と紡糸時
に溶融状態のポリアミドに混練する方法とがあるが、分
散性を考慮すると、重合時に添加する方法が好ましい。
【0016】溶融紡糸は、紡出糸条を特定の冷却筒を通
して冷却する点以外は、常法によって行うことができ
る。紡糸温度は、ポリアミドの種類と溶融粘度に応じて
適宜選定されるが、通常、 260〜300 ℃とされる。紡糸
口金の紡糸孔の孔径は、紡糸する繊維の繊度により異な
るが、 0.5mm以上、好ましくは 0.7mm以上とするのが適
当である。
して冷却する点以外は、常法によって行うことができ
る。紡糸温度は、ポリアミドの種類と溶融粘度に応じて
適宜選定されるが、通常、 260〜300 ℃とされる。紡糸
口金の紡糸孔の孔径は、紡糸する繊維の繊度により異な
るが、 0.5mm以上、好ましくは 0.7mm以上とするのが適
当である。
【0017】溶融紡出した糸条は、冷却するが、前記の
要件を満足した冷却筒を通すことが必要である。単糸繊
度の小さい通常のマルチフィラメントを溶融紡糸する際
には、糸条が固化する位置は紡糸口金面から高々1m以
内の位置であるが、本発明で対象とする太繊度の糸条を
得る場合は、単孔吐出量が多く、糸条の冷却に長い距離
を要し、冷却を強化する必要がある位置は通常より下方
にあることを見出した。さらに詳しくは、フッ素四ケイ
素雲母粒子をポリアミドに含有させたポリアミドを溶融
紡糸する場合、紡出糸条の固化点の位置は単孔吐出量Q
が支配的であり、単孔吐出量Qに応じて定まる紡出糸条
の固化点近傍、すなわち、前記L1 からL2 までの雰囲
気温度を低くすることが効果的であることが分かったの
である。この部分の雰囲気温度が18℃よりも高いと、糸
条の冷却が不足し、低張力になるため、糸揺れに起因し
た糸斑が発生する。
要件を満足した冷却筒を通すことが必要である。単糸繊
度の小さい通常のマルチフィラメントを溶融紡糸する際
には、糸条が固化する位置は紡糸口金面から高々1m以
内の位置であるが、本発明で対象とする太繊度の糸条を
得る場合は、単孔吐出量が多く、糸条の冷却に長い距離
を要し、冷却を強化する必要がある位置は通常より下方
にあることを見出した。さらに詳しくは、フッ素四ケイ
素雲母粒子をポリアミドに含有させたポリアミドを溶融
紡糸する場合、紡出糸条の固化点の位置は単孔吐出量Q
が支配的であり、単孔吐出量Qに応じて定まる紡出糸条
の固化点近傍、すなわち、前記L1 からL2 までの雰囲
気温度を低くすることが効果的であることが分かったの
である。この部分の雰囲気温度が18℃よりも高いと、糸
条の冷却が不足し、低張力になるため、糸揺れに起因し
た糸斑が発生する。
【0018】冷却筒の温度を18℃以下に保つ方法として
は、冷却筒の冷風を吹き込む方法、冷却筒をジャケット
付きのものとし、ジャケットに冷却水を循環させる方法
等があるが、糸揺れを極力抑えるためには送風量は少な
い方が好ましい。冷却筒の雰囲気温度は低い方が糸斑減
少には有効であるが、あまり低くすることは、特殊な冷
媒を必要としたり、エネルギーコストが嵩んだりして好
ましくなく、5℃程度を下限とすることが望ましい。
は、冷却筒の冷風を吹き込む方法、冷却筒をジャケット
付きのものとし、ジャケットに冷却水を循環させる方法
等があるが、糸揺れを極力抑えるためには送風量は少な
い方が好ましい。冷却筒の雰囲気温度は低い方が糸斑減
少には有効であるが、あまり低くすることは、特殊な冷
媒を必要としたり、エネルギーコストが嵩んだりして好
ましくなく、5℃程度を下限とすることが望ましい。
【0019】なお、紡糸口金面からL1 までの区間は、
自然冷却でよいが、冷風を吹き付けて冷却してもよい。
冷風を吹き付ける場合、糸揺れを抑えるため、風速は1
m/秒以下、好ましくは 0.8m/秒以下とすることが望
ましい。
自然冷却でよいが、冷風を吹き付けて冷却してもよい。
冷風を吹き付ける場合、糸揺れを抑えるため、風速は1
m/秒以下、好ましくは 0.8m/秒以下とすることが望
ましい。
【0020】冷却筒を通過して糸条は、必要に応じて紡
糸油剤を付与した後、前記式を満足する引取速度で引
き取る。単孔吐出量Qが増大すると紡糸時の糸の自重の
影響が大きくなり、紡糸線上の各位置の自重差により、
下方においても張力が増加せず、糸揺れを誘発する。そ
のため、単孔吐出量Qの増加に応じて引取速度SSを増
加し、紡糸張力を維持する必要がある。引取速度SSが
式の範囲より低いと、糸揺れに起因した糸斑が発生し
たり、極端な場合には、紡糸筒の壁面あるいは他の糸と
の接触等により、切断に至ることもある。引取速度SS
が速いほど糸揺れの抑制には有効であるが、単孔吐出量
Qをあまり多くすることはできないので、3000m/分程
度を上限とすることが望ましい。
糸油剤を付与した後、前記式を満足する引取速度で引
き取る。単孔吐出量Qが増大すると紡糸時の糸の自重の
影響が大きくなり、紡糸線上の各位置の自重差により、
下方においても張力が増加せず、糸揺れを誘発する。そ
のため、単孔吐出量Qの増加に応じて引取速度SSを増
加し、紡糸張力を維持する必要がある。引取速度SSが
式の範囲より低いと、糸揺れに起因した糸斑が発生し
たり、極端な場合には、紡糸筒の壁面あるいは他の糸と
の接触等により、切断に至ることもある。引取速度SS
が速いほど糸揺れの抑制には有効であるが、単孔吐出量
Qをあまり多くすることはできないので、3000m/分程
度を上限とすることが望ましい。
【0021】引き取った糸条は、一旦巻き取った後、あ
るいは巻き取ることなく連続して延伸する。延伸は、常
法によって行うことができ、ポリアミドの種類によって
は冷延伸も可能であるが、繊度が大きいため、 120〜18
0 ℃程度の温度で延伸する熱延伸の方が均一に延伸でき
て好ましい。延伸倍率は、用途に応じて延伸糸の残留伸
度が15〜50%となるように適宜選定される。
るいは巻き取ることなく連続して延伸する。延伸は、常
法によって行うことができ、ポリアミドの種類によって
は冷延伸も可能であるが、繊度が大きいため、 120〜18
0 ℃程度の温度で延伸する熱延伸の方が均一に延伸でき
て好ましい。延伸倍率は、用途に応じて延伸糸の残留伸
度が15〜50%となるように適宜選定される。
【0022】本発明のポリアミド繊維は、モノフイラメ
ント又はマルチフイラメントとして、紗、ネット、フィ
ルター等の産業資材用やタオル用等に好適であり、高強
度のものは、漁網用等としても使用可能である。
ント又はマルチフイラメントとして、紗、ネット、フィ
ルター等の産業資材用やタオル用等に好適であり、高強
度のものは、漁網用等としても使用可能である。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、特性値の測定法は、次の通りである。 (a) 強伸度 島津製作所製オートグラフ DSS−500 を用い、試料長30
cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。 (b) 沸水収縮率 糸条を50cmのループにし、1/30g/dの初荷重を掛け
て長さAを求め、次いでフリーにして沸騰水中に15分間
浸漬した後、自然乾燥し、再び1/30g/dの荷重を掛
けて長さBを求め、次の式で算出した。 沸水収縮率(%)=〔(A−B)/A〕×100 (c) 糸斑(U%) ツェルベーガー社製のウースタ糸斑測定装置を用いて、
繊度斑を測定した。
る。なお、特性値の測定法は、次の通りである。 (a) 強伸度 島津製作所製オートグラフ DSS−500 を用い、試料長30
cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。 (b) 沸水収縮率 糸条を50cmのループにし、1/30g/dの初荷重を掛け
て長さAを求め、次いでフリーにして沸騰水中に15分間
浸漬した後、自然乾燥し、再び1/30g/dの荷重を掛
けて長さBを求め、次の式で算出した。 沸水収縮率(%)=〔(A−B)/A〕×100 (c) 糸斑(U%) ツェルベーガー社製のウースタ糸斑測定装置を用いて、
繊度斑を測定した。
【0024】実施例1〜4 平均粒径3μm、最大粒径5μmのフッ素四ケイ素雲母
粒子(コープケミカル社製ME−100)をナイロン6の重
合時に、 0.5重量%添加して得た相対粘度 2.6のナイロ
ン6をエクストルーダー型紡糸機に供給し、紡糸温度 2
65℃で直径 0.8mmの紡糸孔を4個有する紡糸口金より表
1に示す単孔吐出量Qで紡出し、紡糸口金面下方 1.5m
の位置から長さ4mの冷水循環式冷却筒(表1に示す雰
囲気温度分布を有するもの)を通過させ(紡糸口金面か
ら紡糸筒までの間は自然冷却)、紡糸油剤を付与した
後、表1に示す引取速度SSの第1ローラで引取り、引
き続き、70℃の第2ローラとの間で1.01倍に予備延伸し
た後、 160℃の第3ローラとの間で表1に示す延伸倍率
で熱延伸を施し、巻取速度1500m/分で巻き取り、表1
に示す単糸繊度のナイロン6糸条を得た。
粒子(コープケミカル社製ME−100)をナイロン6の重
合時に、 0.5重量%添加して得た相対粘度 2.6のナイロ
ン6をエクストルーダー型紡糸機に供給し、紡糸温度 2
65℃で直径 0.8mmの紡糸孔を4個有する紡糸口金より表
1に示す単孔吐出量Qで紡出し、紡糸口金面下方 1.5m
の位置から長さ4mの冷水循環式冷却筒(表1に示す雰
囲気温度分布を有するもの)を通過させ(紡糸口金面か
ら紡糸筒までの間は自然冷却)、紡糸油剤を付与した
後、表1に示す引取速度SSの第1ローラで引取り、引
き続き、70℃の第2ローラとの間で1.01倍に予備延伸し
た後、 160℃の第3ローラとの間で表1に示す延伸倍率
で熱延伸を施し、巻取速度1500m/分で巻き取り、表1
に示す単糸繊度のナイロン6糸条を得た。
【0025】実施例5 実施例1〜4と同様のフッ素四ケイ素雲母粒子をナイロ
ン66に対して 0.5重量%含有させた相対粘度 2.7のナ
イロン66を用いて、紡糸温度を 270℃とした以外は実
施例3と同様にして、単糸繊度が50dのナイロン66糸
条を得た。 比較例1〜2 フッ素四ケイ素雲母粒子を添加しないこと以外は、実施
例3、4と同様にして、紡糸、延伸を行った。(ただ
し、比較例2では、紡糸不能であった。)
ン66に対して 0.5重量%含有させた相対粘度 2.7のナ
イロン66を用いて、紡糸温度を 270℃とした以外は実
施例3と同様にして、単糸繊度が50dのナイロン66糸
条を得た。 比較例1〜2 フッ素四ケイ素雲母粒子を添加しないこと以外は、実施
例3、4と同様にして、紡糸、延伸を行った。(ただ
し、比較例2では、紡糸不能であった。)
【0026】比較例3〜4 フッ素四ケイ素雲母粒子の粒径及び添加量を表1の値に
変更したこと以外は、実施例3と同様にして、紡糸、延
伸を行った。
変更したこと以外は、実施例3と同様にして、紡糸、延
伸を行った。
【0027】比較例5〜7 冷却筒内の雰囲気温度及び引取速度SSを表1の値に変
更した以外は実施例3と同様にして、紡糸、延伸を行っ
た。(ただし、比較例7では、紡糸不能であった。)
更した以外は実施例3と同様にして、紡糸、延伸を行っ
た。(ただし、比較例7では、紡糸不能であった。)
【0028】比較例8 単孔吐量Q及び引取速度SSを表1の値に変更した以外
は実施例3と同様にして、紡糸、延伸を行った。上記の
実施例及び比較例で得られた糸条の特性値を表1に示
す。
は実施例3と同様にして、紡糸、延伸を行った。上記の
実施例及び比較例で得られた糸条の特性値を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1〜5では、いずれも均整度が良好
な太繊度ナイロン繊維が得られた。これに対して、比較
例1では、フッ素四ケイ素雲母粒子を添加していないた
め、紡糸時に糸揺れが発生し、糸斑が大きく、比較例2
では、引取位置までに冷却固化されず、紡糸不能であっ
た。比較例3では、フッ素四ケイ素雲母粒子の添加量が
多く、比較例4では、フッ素四ケイ素雲母粒子の粒径が
大きいため、いずれも強度が劣るとともに粒子の分散斑
による冷却斑が発生した。比較例5〜6では、冷却区間
が適正でないため、冷却不足で糸斑が大きく、比較例7
では、引取速度SSが低いため、紡糸張力が不足し、紡
糸不能であった。比較例8では、単糸繊度が大きすぎた
ため、糸揺れが発生し、糸斑が大きかった。
な太繊度ナイロン繊維が得られた。これに対して、比較
例1では、フッ素四ケイ素雲母粒子を添加していないた
め、紡糸時に糸揺れが発生し、糸斑が大きく、比較例2
では、引取位置までに冷却固化されず、紡糸不能であっ
た。比較例3では、フッ素四ケイ素雲母粒子の添加量が
多く、比較例4では、フッ素四ケイ素雲母粒子の粒径が
大きいため、いずれも強度が劣るとともに粒子の分散斑
による冷却斑が発生した。比較例5〜6では、冷却区間
が適正でないため、冷却不足で糸斑が大きく、比較例7
では、引取速度SSが低いため、紡糸張力が不足し、紡
糸不能であった。比較例8では、単糸繊度が大きすぎた
ため、糸揺れが発生し、糸斑が大きかった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミドを空冷法で
溶融紡糸し、良好な均整度を有する太繊度のポリアミド
繊維を得ることができる。
溶融紡糸し、良好な均整度を有する太繊度のポリアミド
繊維を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母
粒子を 0.1〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で
溶融紡糸し、延伸した繊維であって、単糸繊度が20〜90
dである太繊度ポリアミド繊維。 - 【請求項2】 粒径が6μm以下のフッ素四ケイ素雲母
粒子を 0.1〜3.0 重量%含有したポリアミドを空冷法で
溶融紡糸し、延伸して単糸繊度が20〜90dのポリアミド
繊維を製造するに際し、溶融紡出された糸条を少なくと
も下記式で規定されるL1 からL2 までの区間の雰囲
気温度が18℃以下の冷却筒を通して冷却した後、下記式
を満足する引取速度で引き取ることを特徴とする太繊
度ポリアミド繊維の製造法。 L1 =0.16Q+1.0 L2 =0.16Q+2.2 SS≧17Q+120 ここで、L1 、L2 は紡糸口金面からの距離 (m) 、S
Sは引取速度(m/分) 、Qは単孔吐出量(g/分)を
表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9380996A JPH09279415A (ja) | 1996-04-16 | 1996-04-16 | 太繊度ポリアミド繊維及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9380996A JPH09279415A (ja) | 1996-04-16 | 1996-04-16 | 太繊度ポリアミド繊維及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279415A true JPH09279415A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=14092740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9380996A Pending JPH09279415A (ja) | 1996-04-16 | 1996-04-16 | 太繊度ポリアミド繊維及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09279415A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115748000A (zh) * | 2022-11-24 | 2023-03-07 | 百事基材料(青岛)股份有限公司 | 一种牛奶锦纶大生物纤维及其制备方法 |
-
1996
- 1996-04-16 JP JP9380996A patent/JPH09279415A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115748000A (zh) * | 2022-11-24 | 2023-03-07 | 百事基材料(青岛)股份有限公司 | 一种牛奶锦纶大生物纤维及其制备方法 |
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