JPH09278783A - ジフェノキノン誘導体及びそれを含有する電子写真用感光体 - Google Patents

ジフェノキノン誘導体及びそれを含有する電子写真用感光体

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JPH09278783A
JPH09278783A JP8815496A JP8815496A JPH09278783A JP H09278783 A JPH09278783 A JP H09278783A JP 8815496 A JP8815496 A JP 8815496A JP 8815496 A JP8815496 A JP 8815496A JP H09278783 A JPH09278783 A JP H09278783A
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JP
Japan
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electrophotographic photoreceptor
compound
layer
charge
transport material
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JP8815496A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Kawahara
達郎 河原
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子輸送能を有する電荷輸送材料及びそれを
用いた正負両帯電可能な電子写真用感光体を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明は、導電性支持体上に感光層を有
する電子写真用感光体中に於いて、該感光層が下記一般
式(A) 【化1】 (式中、X1、X2;=O、=C(CN)2,=CHC
N、=C(COOR’)2(R’;アルキル基)、=N
CN、R1〜R7;水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、フェニル
基、アラルキル基、ハロゲン原子、R8;アルキル基、
フェニル基、アラルキル基、m;2、3、n;0、1、
m+n=3)で表わされる化合物及び該化合物を感光層
に含有する電子写真用感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ジフェノキノ
ン誘導体及びそれを含有することを特徴とする電子写真
用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、セレン、酸化亜鉛等の無機光導電
層を有する電子写真用感光体に代えて、種々の有機系化
合物から成る光導電層を有する電子写真用感光体の研究
・開発が数多く行なわれ、一部実用に供されている。こ
れらの有機系光導電体材料としては、主として電荷を発
生させる「電荷発生材料」と、電荷を輸送する「電荷輸
送材料」とに大別できる。更に、電荷輸送材料は、正孔
輸送能を有する電荷輸送材料(以下、正孔輸送材とい
う。)と電子輸送能を有する電荷輸送材料(以下、電子
輸送材という。)に分けられる。
【0003】実用化された有機系光導電体材料から成る
光導電層を有する電子写真用感光体の殆どは、電荷輸送
材料としてピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、
トリアリ−ルアミン系化合物等の正孔輸送材が用いられ
ている。電荷輸送材料として正孔輸送材を用いた場合、
感度、耐久性等の観点から、基板上に電荷発生層、電荷
輸送層の順に積層して成る光導電層を有する電子写真用
感光体が一般的である。この電子写真用感光体の場合、
負帯電においてのみ光感度を示すため、帯電工程は負極
性にせざるを得ない。そのため、コロナ放電による帯電
では負帯電時に発生するオゾンが正孔輸送材を含有する
電荷輸送層が劣化したり、環境汚染をもたらすものとし
て問題となっている。
【0004】これらの問題を解決する為には、オゾンを
発生しない帯電システムや、生成オゾンを分解したり吸
着したりするシステム、装置内のオゾンを排気するシス
テム等の特別の配慮を施す必要があり、システムやプロ
セスが複雑化し、コストアップにも繋がるという欠点が
ある。
【0005】一方、電荷輸送材料として電子輸送材を用
いた電子写真用感光体の場合、正帯電においても光感度
を示す。一般に、コロナ放電による帯電では、負帯電に
比べ、正帯電の方がオゾンの発生量が少なく、また均一
で、且つ安定な帯電が行えるので、得られる電子写真画
像の安定性も高い。
【0006】このような観点から、高性能な電子輸送材
の出現が望まれていたが、従来、そのような電子輸送材
の種類が限られており、しかも、種々の問題点を含んで
いた。例えば、米国特許第3,484,237号明細書
に開示されている2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン(TNF)は、溶剤やバインダーに対する溶解
性、相溶性が低く、実用性のある電子写真用感光体を形
成するのが困難である。更に、TNFは発癌性を有する
ことが知られており、この点からも使用は困難である。
【0007】近年、キノン系化合物、チオピラン系化合
物、テトラカルボン酸ジイミド系化合物等いくつかの電
子輸送材が提案されている。例えば、特開平1−206
349号公報には、ジフェノキノン構造を有する化合物
が提案されている。更に、特開平6−11857号公報
には、2個のジフェノキノン構造を2本或いは4本のア
ルキレン鎖で連結した電子輸送材が提案され、特開平6
−250415号公報には、2個のジフェノキノン構造
を酸素原子、イオウ原子、カルボニル基、エチレン基等
で連結した電子輸送材が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の電子輸送材は、感度、電位保持性、電位安定性、残留
電位等において、必ずしも十分な性能を有するものでは
なかった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、優れた
電子写真特性を有する正負両帯電可能な電子写真用感光
体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、鋭意検討を行なった結果、種々のジフ
ェンキノン誘導体の中で、亜リン酸エステル構造を有す
るジフェンキノン誘導体が優れた電子写真特性を示すこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、一般式(A)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、X1及びX2は、各々独立的に=
O、=C(CN)2、=CHCN、=C(COOR’)
2 (式中、R’はアルキル基を表わす)又は=NCNを
表わす。R1〜R7は各々独立的に水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、アシル基、アルキルカルボニルオキ
シ基、フェニル基、アラルキル基又はハロゲン原子を表
わし、 R8はアルキル基、フェニル基、アラルキル基を
表わす。mは2又は3、nは0又は1であって、且つm
+n=3である。)で表わされる化合物及び該化合物を
光導電層に含有する電子写真用感光体を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(A)で表わされ
るジフェノキノン化合物は、公知の方法により製造する
ことができる。
【0015】即ち、一般式(B)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、X1及びX2は、各々独立的に、=
O、=C(CN)2、=CHCN、=C(COOR’)
2 (式中、R’はアルキル基を表わす)又は=NCNを
表わす。R1〜R7は、各々独立的に、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、アシル基、アルキルカルボニルオ
キシ基、フェニル基、アラルキル基又はハロゲン原子を
表わす。)で表わされる化合物の有機溶媒溶液を窒素雰
囲気下、室温で、亜リン酸メチルジクロリドの如き亜リ
ン酸アルキルジクロリドと反応させることによって、容
易に製造することができる。
【0018】本発明の一般式(A)で表わされるジフェ
ノキノン化合物の代表例を下記表1及び表2に示すが、
本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではな
い。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】本発明の電子写真用感光体は、導電性支持
体上に前記一般式(A)で表わされるジフェノキノン化
合物を含有する光導電層を形成してなるが、その構成
は、電荷発生材料と電荷輸送材料とが同一の層内に存在
する単層型電子写真用感光体、電荷発生材料を含有する
層と電荷輸送材料を含有する層とを積層して成る積層型
電子写真用感光体の何れにも使用可能である。但し、一
般式(A)で表わされるジフェノキノン化合物の電子輸
送材としての効果は電荷発生材料と正孔輸送材及び電子
輸送材とが同一の層内に存在する単層型電子写真用感光
体において顕著となるので、本発明の電子写真用感光体
は、単層型電子写真用感光体に適用するのがより好まし
い。
【0022】単層型電子写真用感光体は、電荷発生材料
と一般式(A)で表わされる正孔輸送材及び電子輸送材
を結着剤樹脂溶液に分散或いは溶解した塗布液を、導電
性支持体上に塗布・乾燥して、光導電層を形成すること
により製造することができる。
【0023】一方、積層型電子写真用感光体は、導電性
支持体上に電荷発生材料を蒸着膜から成る電荷発生層、
或いは電荷発生材料の微粒子を必要に応じて結着剤樹脂
を溶解した溶媒中に分散して得た分散液を塗布、乾燥し
て、電荷発生層を形成し、その上に一般式(A)で表わ
される正孔輸送材及び電子輸送材を結着剤樹脂溶液に溶
解した塗布液を塗布して、電荷輸送層を形成することに
より製造することができる。また、上記とは逆に、導電
性支持体上に電荷輸送層を形成した後、電荷発生層を形
成させても良い。
【0024】更に、これらの電子写真用感光体は、導電
性支持体の保護、接着性の改良、塗工性の向上、導電性
支持体からの感光層への電荷注入量の制御等を目的とし
て、導電性支持体と光導電層との間に中間層を設けても
良い。また、物理的あるいは化学的な外的要因から電子
写真用感光体を保護するために、光導電層の表面にさら
に表面保護層を設けても良い。
【0025】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、1)アルミニウム、銅、
亜鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モリブ
デン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は
合金、2)導電性ポリマ−、酸化インジウム、酸化スズ
等の導電性化合物、あるいは、3)アルミニウム、パラ
ジウム、ロジウム、金、白金等の金属又は合金を用いて
塗布、蒸着、ラミネ−ト等の処理を施したガラス、紙、
プラスチックフィルム、セラミックス等が挙げられる。
又、これらの導電性支持体表面は必要に応じて化学的又
は物理的な処理を施しても良い。
【0026】本発明の電子写真用感光体の形状は、用い
る支持体によって異なるが、ドラム状、平板状、シ−ト
状、ベルト状等多様な形状が可能である。
【0027】本発明の電子写真用感光体における光導電
層の層厚は、単層型電子写真用感光体の場合には、5〜
50μmの範囲が好ましく、15〜30μmの範囲が特
に好ましい。また、積層型電子写真用感光体の場合に
は、電荷発生層の層厚は、5μm以下が好ましく、0.
01〜2μmの範囲が特に好ましく、電荷輸送層の層厚
は、3〜50μmの範囲が好ましく、5〜30μmの範
囲が特に好ましい。
【0028】また、中間層の層厚は、5μm以下が好ま
しく、0.1〜1μmの範囲が特に好ましい。表面保護
層の層厚は2μm以下が好ましく、0.01〜1μmの
範囲が特に好ましい。
【0029】一般式(A)で表わされるジフェノキノン
誘導体の使用割合は、電子写真用感光体の感光層の5〜
100重量%の範囲が好ましく、10〜70重量%の範
囲が特に好ましい。
【0030】本発明の電子写真用感光体の電子輸送材を
含有する光導電層には、正孔輸送材を併用することもで
きる。
【0031】電子輸送材と併用可能な正孔輸送材として
は、例えば、1)N−エチルカルバゾ−ル、N−イソプ
ロピルカルバゾ−ル、N−フェニルカルバゾ−ル等のカ
ルバゾ−ル類、2)N−メチル−N−フェニルヒドラジ
ノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ−ル、N,N
−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチル
カルバゾ−ル、p−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズ
アルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−(N,N−ジエ
チルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、
p−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒドジ
フェニルヒドラゾン、1−[4−(N,N−ジフェニル
アミノ)ベンジリデンイミノ]−2,3−ジメチルイン
ドリン、N−エチルカルバゾ−ル−3−メチリデン−N
−アミノインドリン、N−エチルカルバゾ−ル−3−メ
チリデン−N−アミノテトラヒドロキノリン等のヒドラ
ゾン類、3)2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル等のオキサジアゾ
−ル類、4)1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノ
スチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラ
ゾリン、1−[キノリル−(2)]−3−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン類、5)
トリ−p−トリルアミン、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェ
ニル−4,4’−ジアミン等のアリ−ルアミン類、6)
1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエン等のブタジエン類、
7)4−(2,2−ジフェニルエテニル)−N,N−ジ
フェニルベンゼンアミン、4−(1,2,2−トリフェ
ニルエテニル)−N,N−ジフェニルベンゼンアミン等
のスチリル類等が挙げられる。また、高分子化合物とし
ては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ハロゲ
ン化ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、
ポリ−9−ビニルフェニルアンスラセン、ピレン−ホル
ムアミド樹脂、エチルカルバゾ−ル−ホルムアルデヒド
樹脂、トリフェニルメタンポリマ−、ポリフェニルアル
キルシラン等が挙げられる。又、正孔輸送材料は、ここ
に記載したものに限定されるものではなく、その使用に
際しては単独、あるいは2種類以上を混合して用いても
良い。
【0032】また、正孔輸送材を併用する場合における
電子輸送材及び正孔輸送材の使用割合は、重量比で1:
9〜9:1の範囲が好ましく、2:8〜8:2の範囲が
特に好ましい。
【0033】本発明の電子写真用感光体に用いられる電
荷発生材料としては、種々のものが使用可能であり、例
えば、1)モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料等のアゾ系顔料、2)各種金属フタロシアニン、無金
属フタロシアニン、ナフタロシアニン等のフタロシアニ
ン系顔料、3)ペリノン顔料、ペリレン顔料、アントラ
キノン顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、チオイ
ンジゴ顔料等の縮合多環系顔料、4)スクワリウム系色
素、5)アズレン系色素、6)ピリリウム塩、チアピリ
リウム塩等のピリリウム塩系色素、7)シアニン系色
素、8)トリフェニルメタン系色素、9)セレン、セレ
ン・テルル、セレン・ヒ素等のセレン化合物や、酸化亜
鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、非晶質シリ
コン等の無機系材料等を挙げることができる。その他、
光を吸収し電荷担体を効率良く発生する材料であれば、
いずれの材料であっても使用することができる。電荷発
生材料は、ここに記載したものに限定されるものではな
く、その使用に際しては単独、あるいは2種類以上を混
合して用いても良い。
【0034】電荷発生材料の割合は、電荷発生層の5〜
100重量%の範囲が好ましく、10〜70重量%の範
囲が特に好ましい。
【0035】本発明の電子写真用感光体の光導電層に
は、必要に応じて結着剤樹脂と共に可塑剤、増感剤を用
いることができる。
【0036】必要に応じて使用することのできる結着剤
樹脂としては種々のものが挙げられるが、疎水性で、電
気絶縁性のフィルム形成可能な高分子化合物を用いるの
が好ましい。このような高分子重合体としては、例え
ば、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリビニルアセテ−ト樹脂、ポリビニルブチラ−
ル樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、
フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アルキッド
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル樹脂、尿素樹脂、
ポリスルホン樹脂等が挙げられる。結着剤樹脂はここに
記載したものに限定されるものではなく、その使用に際
しては単独あるいは2種以上の混合物として用ても良
い。
【0037】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−タ−フェニル、p−タ−フェニル、
ジブチルフタレ−ト、ジエチルグリコ−ルフタレ−ト、
ジオクチルフタレ−ト、トリフェニル燐酸、ジメチルナ
フタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、各種のフルオロ炭化水素等が
挙げられる。
【0038】増感剤としては、いずれも周知のものが使
用でき、例えば、クロラニル、テトラシアノエチレン、
メチルバイオレット、ロ−ダミンB、シアニン染料、メ
ロシアニン染料、ピリリウム染料、チアピリリウム染料
等が挙げられる。
【0039】本発明の電子写真用感光体には、保存性、
耐久性、耐環境依存性を向上させるために、必要に応じ
て、感光層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等
の劣化防止剤を含有させることもできる。これらの物質
としては、例えば、フェノ−ル化合物、ハイドロキノン
化合物、アミン化合物等を挙げることができる。
【0040】また、電子写真用感光体の成膜性、可撓
性、機械的強度を向上するために、これらの結着剤樹脂
と共に、上述した可塑剤の他、表面改質剤等の添加剤を
使用することもできる。
【0041】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0042】光導電性物質の樹脂分散層から成る光導電
層を形成する際に使用する光導電性塗料を調製する際に
用いる溶剤としては、例えば、メタノ−ル、エタノ−
ル、n−プロパノ−ル等のアルコ−ル類;アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、メチルセロソルブ等のエ−テル類;酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド、スル
ホラン等のスルホキシド及びスルホン類;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン等の
脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香
族類等が挙げられる。
【0043】光導電層を形成する手段としては種々の方
法が可能であるが、塗工法としては、例えば、浸漬コ−
ティング法、スプレ−コ−ティング法、スピンナ−コ−
ティング法、ビ−ドコ−ティング法、カ−テンコ−ティ
ング法、ワイヤ−バ−コ−ティング法、ブレ−ドコ−テ
ィング法、ロ−ラ−コ−ティング法等のコ−ティング法
を用いることができる。
【0044】また、本発明の電子写真用感光体における
中間層に用いられる材料としては、前記結着剤樹脂に用
いられる高分子化合物のほか、カゼイン、ゼラチン、エ
チルセルロ−ス、ニトロセルロ−ス、カルボキシ−メチ
ルセルロ−ス、塩化ビニリデン系ポリマ−ラテックス、
スチレン−ブタジエン系ポリマ−ラテックス、ポリビニ
ルアルコ−ル、ポリアミド、ポリウレタン、フェノ−ル
樹脂、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン等が挙
げられる。
【0045】本発明の電子写真用感光体における表面保
護層層に用いられる材料としては、前記結着剤樹脂に用
いられる高分子化合物のほか、カゼイン、ゼラチン、エ
チルセルロ−ス、ニトロセルロ−ス、カルボキシ−メチ
ルセルロ−ス、塩化ビニリデン系ポリマ−ラテックス、
スチレン−ブタジエン系ポリマ−ラテックス、ポリビニ
ルアルコ−ル、ポリアミド、ポリウレタン、フェノ−ル
樹脂、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン等が挙
げられる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下の実施例中、「部」及び「%」はそれ
ぞれ「重量部」及び「重量%」を表わす。
【0047】<合成例1>(表1の例示化合物(4)の
合成)
【0048】
【化4】
【0049】窒素雰囲気下、トルエン150ml中に式
(X)で表わされる化合物5.72g及びトリエチルア
ミン1.20gを溶解し、攪拌しながら亜リン酸メチル
ジクロリド0.70gのトルエン50ml溶液を室温で滴
下した。10分間反応させた後、トルエン層を水洗し、
乾燥させた。トルエン層から溶媒を留去した後、シリカ
ゲルクロマトグラム(展開溶媒;n−ヘキサン:塩化メ
チレン=2:1)を用いて精製して、表1に例示した化
合物(4)の精製物3.49gを得た。この生成物につ
いてFD−MSを用いて質量分析した結果、m/z=1
204であった。
【0050】<合成例2〜10>合成例1と同様にし
て、表1及び表2に例示した化合物(1)、化合物
(2)、化合物(6)、化合物(7)、化合物(9)、
化合物(12)、化合物(13)、化合物(17)及び
化合物(18)をそれぞれ得た。
【0051】<実施例1>電子輸送材として例示化合物
(4)2部と、正孔輸送材として構造式(H−1)
【0052】
【化5】
【0053】で表わされるトリフェニルアミン誘導体5
部を34%ポリカ−ボネ−ト樹脂(三菱瓦斯化学社製の
「ユ−ピロンZ200」)クロロホルム溶液34部に溶
解した。この溶液を、3%α型オキシチタニウムフタロ
シアニンのポリカ−ボネ−ト樹脂(同上)分散液44部
に加え、30分超音波処理して電子写真用感光体塗布液
を調製した。
【0054】この分散液をアルミニウムを蒸着したポリ
エステルフィルム上に、乾燥後の膜厚が25μmの膜厚
となるように塗布して電子写真用感光体を作製した。
【0055】この電子写真用感光体について、静電複写
紙試験装置(川口電機製作所社製「SP428」)を用
いて、電子写真用感光体を暗所で+6KVのコロナ放電
により帯電し、この時の電子写真用感光体の表面電位V
0 (V)を測定した。次に、そのまま暗所で10秒間放
置したときの電子写真用感光体の表面電位V10(V)を
測定した。V0 とV10より電子写真用感光体の表面電位
の電荷保持率(DDR(%):(V10/V0 )×10
0)を算出した。更に、表面電位V10に対して波長78
0nm、露光エネルギ−1μW/cm2 の光で露光を行な
い、表面電位がV10の半分になるまでの時間より半減露
光量E1/2(μJ/cm2)を求めた。更にまた、露光開始
15秒後の残留電位VR(V)を測定した。
【0056】<実施例2〜10>実施例1において、例
示化合物(4)に代えて、例示化合物(1)、例示化合
物(2)、例示化合物(6)、例示化合物(7)、例示
化合物(9)、例示化合物(12)、例示化合物(1
4)、例示化合物(17)又は例示化合物(18)を用
いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を
作製し、実施例1と同様な方法で電子写真用感光体の評
価を行ない、その結果を下記表3にまとめて示した。
【0057】<比較例1>実施例1において、例示化合
物(4)に代えて、構造式(E−1)
【0058】
【化6】
【0059】で表わされる電子輸送材を用いた以外は、
実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製し、実施
例1と同様な方法で電子写真用感光体の評価を行ない、
その結果を下記表3に示した。
【0060】<比較例2>実施例1において、例示化合
物(4)に代えて、構造式(E−2)
【0061】
【化7】
【0062】で表わされる電荷輸送材を用いた以外は、
実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製し、実施
例1と同様な方法で電子写真用感光体の評価を行ない、
その結果を下記表3に示した。
【0063】
【表3】
【0064】(表中、V0及びVRは(V)を、DDRは
(%)を、E1/2は(μJ/cm2)を表わす。)
【0065】表3から明かなように、実施例1〜10で
得た電子写真用感光体は、比較例1及び2で得た電子写
真用感光体と比較して、コロナ帯電時の表面電位が高
く、電荷保持率が高く、感度が良好で、残留電位が低い
ことが理解できる。
【0066】<実施例11〜20>及び<比較例3〜4
> 実施例1〜10及び比較例1〜2で得た各電子写真用感
光体の評価において、帯電電位を−6KVとした他は、
実施例1と同様にして電子写真用感光体の評価を行な
い、その結果を下記表4にまとめて示した。
【0067】
【表4】
【0068】(表中、V0及びVRは(V)を、DDRは
(%)を、E1/2は(μJ/cm2)を表わす。)
【0069】表4から明かなように、本発明の電子写真
用感光体は、正帯電のみならず負帯電においても優れた
電子写真特性を示すことが理解できる。
【0070】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、正負両帯
電において、コロナ帯電時の表面電位が高く、電荷保持
率が高く、感度が良好で、残留電位が低いので、電子写
真用感光体として極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A) 【化1】 (式中、X1及びX2は、各々独立的に=O、=C(C
    N)2、=CHCN、=C(COOR’)2 (式中、
    R’はアルキル基を表わす)又は=NCNを表わす。R
    1〜R7は各々独立的に水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、フェニ
    ル基、アラルキル基又はハロゲン原子を表わし、 R8
    アルキル基、フェニル基、アラルキル基を表わす。mは
    2又は3、nは0又は1であって、且つ、m+n=3で
    ある。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に光導電層を有する電子
    写真用感光体において、光導電層中に請求項1記載の化
    合物を含有することを特徴とする電子写真用感光体。
JP8815496A 1996-04-10 1996-04-10 ジフェノキノン誘導体及びそれを含有する電子写真用感光体 Pending JPH09278783A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030083345A (ko) * 2002-04-20 2003-10-30 베프 이미지 서플라이(주) 전자사진용 감광체

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