JPH09278683A - 高純度2,6−ジメチルナフタレンの製造法 - Google Patents
高純度2,6−ジメチルナフタレンの製造法Info
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- JPH09278683A JPH09278683A JP8091523A JP9152396A JPH09278683A JP H09278683 A JPH09278683 A JP H09278683A JP 8091523 A JP8091523 A JP 8091523A JP 9152396 A JP9152396 A JP 9152396A JP H09278683 A JPH09278683 A JP H09278683A
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Abstract
より2,6-ジメチルナフタレンを析出させ高純度の2,6-ジ
メチルナフタレンを得るに際して、長期間にわたって安
定した純度を維持することのできる工業的に有利な方法
を提供する。 【解決手段】溶媒の存在下、(1)結晶化槽内のスラリ
ーを加熱して結晶を一部溶解させた後、再度結晶化させ
る方法、(2)別に調製された2,6−DMNの結晶を
種晶として結晶化槽に添加する方法などの結晶の成長を
促進させる方法等を用いて、2,6-ジメチルナフタレンの
結晶化を行う。
Description
カルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の
原料として有用な2,6-ジメチルナフタレンの製造方法に
関し、詳しくは2,6-ジメチルナフタレンの結晶化法に関
する。
メチルエステルである2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメ
チルは、優れた引っ張り強度と耐熱性を有するポリエチ
レンナフタレート繊維やフィルム等の製造に用いられる
高性能ポリエステルの原料として工業的に重要な用途を
持っている。2,6-ジメチルナフタレン(以下ジメチルナ
フタレンをDMNと記す)は、酸化されて2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸となり、場合によってはさらにジメチル
エステル化されて2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル
となる。ポリエチレンナフタレート繊維やフィルム等の
製造に用いられる高性能ポリエステルの原料としての2,
6-ナフタレンジカルボン酸や2,6-ナフタレンジカルボン
酸ジメチルは高純度のものである必要があり、その原料
としての2,6-DMNも高純度が要求される。即ちDMN
には2個のメチル基の位置により10個の異性体が存在す
るが、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の原料としての2,
6-DMNは他の異性体を実質的に含まず、さらにモノメ
チルナフタレンやトリメチルナフタレン等の不純物をも
実質的に含まない高純度のものである必要がある。
れる不純物自体が酸化、エステル化されて2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸等の純度を低下させる。2,6−DMN
中の不純物に由来して、酸化、エステル化工程で生成す
る不純物の一部は除去することが著しく困難であり、高
純度の2,6-ナフタレンジカルボン酸や2,6-ナフタレンジ
カルボン酸ジメチルを得ることが著しく困難となる。さ
らに、これらの不純物が存在すると酸、エステルの純度
のみならず、2,6-DMN基準の酸、エステルの収率が顕
著に低下する。従って工業的に有利な条件で2,6-ナフタ
レンジカルボン酸や2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ルを製造するには、高純度の2,6-DMNを得ることが必
須であるといえる。
極力高い方が良い。しかし、2,6−DMNの純度を上
げるためには精製の負荷が大きくなる。従って酸化原料
としての2,6−DMNの純度は、DMNとしての精製
の負荷、DMN純度の酸化反応の成績、酸化生成物純度
への影響、更に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ルとして精製する場合は、メチルエステル化の反応成
績、メチルエステルの精製の負荷等も考慮して決めるべ
きである。通常、これらを総合的に考慮して、2,6-DM
Nの純度は少なくとも98.0%以上の高純度とする必
要がある。
分、石油留分から分離する方法、ナフタレンまたはメチ
ルナフタレンをメチル化後に異性化分離する方法等があ
る。これらの留分や生成物は10種の異性体のほとんど
を含み、多くの異性体混合物から2,6−DMNを分離
する必要がある。一方、特開昭49−134634号で
はオルトキシレンとブタジエンからO-トリルペンテン-2
を高収率で得る方法が示されており、また特開昭50−
89353号ではO-トリルペンテン-2を環化して1,5
−ジメチルテトラリンを製造する方法、特開昭48−7
6852号では1,5−ジメチルテトラリンを脱水素し
て高収率高選択率で1,5−DMNを製造する方法、さ
らに特開昭50−129534号では1,5−DMNを
異性化して、主として1,5−、1,6−、2,6−D
MNからなる異性体混合物を得る方法が示されている。
従ってこれらの方法を組み合わせることにより、オルト
キシレンとブタジエンから、主として1,5−、1,6
−、2,6−DMNからなる異性体混合物を得ることが
でき、この異性体混合物から2,6−DMNを分離する
方法もある。
MN製造方法では、DMN異性体混合物から2,6−D
MNを分離、回収する必要がある。ジメチルナフタレン
10異性体の沸点は非常に近接しており、通常有機化合
物の分離精製によく用いられている蒸留により2,6−
DMNを精製することは極めて困難である。2,6−D
MNの精製方法として、結晶化による方法、吸着による
方法、ある種の有機化合物を用いて2,6−DMNと錯
体を形成させ、これを分離した後、該錯体を分解する方
法等が提案されている。これら各方法の中では、結晶化
による方法が最も簡便であり、工業的精製方法として適
している。特にオルトキシレンとブタジエンから、主と
して1,5−、1,6−、2,6−DMNからなる異性
体混合物を製造し、これから分離する場合は、精製原料
中の異性体種が少ないことから、結晶化による方法が有
効である。なおナフタレン類をメチル化後に異性化分離
する場合、およびタール留分、石油留分から分離する場
合は、多くの異性体混合物から2,6−DMNを分離す
る必要があり、この場合は吸着法と結晶化法の組み合わ
せが好ましい。
−DMN、2,3−DMNと共晶を形成することが知ら
れている。従って、異性体混合物から結晶化により2,
6−DMNを結晶として析出させるためには、混合物中
の2,6−DMNとこれら異性体との量比が共晶組成比
よりも大きい必要がある。即ち、混合物中の2,6−D
MNに対する1,5−DMNのモル比が1.9以下、
2,7−DMNのモル比が1.4以下、2,3−DMN
のモル比が1.1以下である異性体混合物を冷却したと
き、2,6−DMNが結晶として最初に析出する。
DMNを分離する方法として、特公昭50-22553号では該
混合物を冷却し、析出した結晶をメタノールで処理する
方法を示している。また特開昭48-5767 号では該混合物
を芳香族炭化水素を用いて洗浄、あるいは再結晶する方
法を示している。これらの方法によって純度が97.5〜9
9.3%の2,6-DMNが得られるとしているが、いずれの
方法も煩雑な操作、設備を必要とする。また高純度2,
6−DMNを採取するためには結晶化により得られたス
ラリーを固液分離する必要がある。工業的に実施する際
は、結晶化と固液分離を連続で、長時間安定に運転する
必要があるが、連続的に結晶化と固液分離を行った際の
結晶性状の変化及び得られる結晶の純度の変化について
述べられたものは見当たらない。
キシレンとブタジエンを原料として1,5-DMNを合成
し、これを異性化して、主として1,5-、1,6-、2,6-DM
Nからなる異性体混合物となし、該異性体混合物を溶媒
と混合した上で攪拌機付きのジャケット冷却式結晶化槽
に連続的に供給しながら、ジャケットに冷却媒を流して
間接冷却し、2,6-DMNの結晶を析出せしめた。この連
続結晶化操作時の結晶化槽内での被結晶化液の平均滞留
時間は8時間であった。その結果、運転開始直後は99%
以上の純度で結晶を分離できるものの、経時的な結晶純
度の低下が起こり、所定の純度の結晶を継続的に得るこ
とはできなかった。なお結晶純度は、次の工程である酸
化反応に供されるものの純度であり、蒸留などで容易に
除去できる溶媒やリンス液は含まれていない。
結晶化により2,6-DMNを析出させ、高純度の2,6-DM
Nを得るに際して、長期間にわたって安定して所定以上
の純度を維持することのできる工業的に有利な方法を提
供することである。
課題を有する高純度2,6−DMNの製造法について鋭
意検討を続けた結果、結晶化操作を連続的に継続するこ
とにより結晶の純度が低下する原因は、成長が不十分な
ままで結晶化槽内に滞留している結晶が、互いに凝集し
て巨大な集合体を形成し、その際に母液を抱き込むため
であり、結晶の成長を促進するような方策を講じること
により、同時に結晶の凝集が抑えられ、長期間にわたっ
て安定して所定値以上の純度を維持することができるこ
とを見出し、本発明に到達した。
から2,6−ジメチルナフタレンを結晶化させるに際し
て、溶媒の存在下、結晶の成長を促進させることを特徴
とする高純度2,6-ジメチルナフタレンの製造法である。
結晶の成長を促進する方法としては(1)結晶化槽内の
スラリーを加熱して結晶を一部溶解させた後、再度結晶
化させる方法、(2)別に調製された2,6−DMNの
結晶を種晶として結晶化槽に添加する方法などが挙げら
れる。なお結晶の成長を促進する方法として、結晶化槽
内の過飽和度を小さくすることにより過剰な核発生を抑
える方法が考えられるが、この方法では結晶化槽の単位
容積、単位時間あたりの結晶の収量が小さくなり、生産
性が低いという問題がある。
晶の成長を促進させることによって凝集を抑制し、もっ
て高純度の2,6−DMNを製造する方法である。結晶
の凝集し易さ、成長し易さはその結晶固有の性質であ
り、物質により異なる。本発明者らは2,6−DMN結
晶が凝集し易い性質を持っていること、結晶の成長を促
進させることにより凝集が抑えられることを見出し、そ
の性質に合わせた結晶化方法を開発したものである。
望ましい。2,6−DMN結晶は無溶媒下で析出させた
場合鱗片状となり、濾過性が非常に悪い。これに対し溶
媒を共存させた場合は盤状の結晶となり、濾過性が大幅
に改善される。従って、簡単なろ過、リンス操作により
高純度の結晶を得るためには、溶媒を用いて結晶化を行
う方が好ましい。特に98%以上の純度を有する結晶を
得るためには溶媒の使用が必須である。溶媒としては、
炭化水素、特に脂肪族飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水
素が濾過性向上効果が大きく好ましい。すなわち結晶化
時の溶媒としては、結晶性状改善の点から、炭化水素、
特に脂肪族飽和炭化水素あるいは脂環式飽和炭化水素、
例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、メチルデカン、ジメチルデカン、シクロヘ
キサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサ
ン、シクロオクタン、デカリン、メチルデカリン、ジメ
チルデカリン等が好ましい。
としては、前述の如く、(1)結晶化槽内のスラリーを
加熱して結晶を一部溶解させた後、再度結晶化させる方
法、(2)別に調製された2,6−DMNの結晶を、種
晶として結晶化槽に添加する方法等が挙げられる。
(1)の方法により、結晶化槽内のスラリーを加熱して
結晶を一部溶解させた後、再度結晶化させた場合、凝集
物が減少すると同時に大径の結晶が得られる。これは加
熱することにより、結晶の一部が溶解すると同時に、凝
集物の凝集が解かれ、次いで冷却されるときに、この解
かれた結晶の表面から2,6−DMNが析出して結晶が
成長することによると考えられる。このように2,6-DM
Nの結晶は、加熱、冷却により溶解、再結晶を繰り返す
ことによって母液を抱き込むことなく成長する。結晶化
槽に供給されてから次の固液分離工程へ抜き出されるま
での間に、被結晶化液が好ましくは1回以上、この熱履
歴を受ける様にすると結晶化槽内の結晶全体が十分に成
長し、その結果、得られる結晶の純度は顕著に向上す
る。
2,6−DMNの結晶を、種晶として結晶化槽に添加す
ることにより大径の結晶を得ることができる。通常大き
な結晶を得るためには滞留時間を長くする方法が採られ
るが、2,6−DMN結晶は結晶化槽に長時間滞留して
いると凝集し易く、単に滞留時間を長くすると結晶の成
長以上に凝集が起こり、高純度の結晶を採取することが
できない。種晶を供給した場合は、滞留時間が長くと
も、凝集が抑えられ、結晶を十分に成長させることが出
来る。また生産性向上のためには滞留時間は短い方が良
く、その場合は過飽和度をかなり上げて結晶化を行うこ
ととなる。種晶の供給がないと、大量の核が発生し、結
晶は十分に成長することができない。これに対し種晶が
ある濃度で存在している条件であれば新たな核発生が抑
えられ、種晶表面に2,6-DMNが析出して結晶を十分に
成長させることが出来、その結果得られる結晶の純度は
大幅に向上する。これは、種晶が十分に存在する条件下
では、結晶の凝集よりも、種晶表面からの結晶析出が優
先されるためと考えられる。
長している結晶であればその調製法は特に問わないが、
例えば種晶調製槽に結晶化原料を張り込み、被結晶化液
の冷却速度あるいは溶媒の留去速度を十分に遅くして、
バッチ方式で結晶化することによって種晶を生成させる
ことが出来る。また結晶化槽からスラリーの一部を種晶
調製槽に抜き出し、昇温あるいは溶媒添加により結晶の
一部を一旦溶解した後、冷却あるいは溶媒留去により種
晶を生成させることが出来る。以上2つの方法を挙げた
が、結晶の成長を促進するものであれば他の方法を用い
て結晶純度を向上させることもできる。
Nを結晶として析出させる際に用いる結晶化槽には特に
制限はなく、通常結晶化操作に用いられるものをそのま
ま用いることができる。また結晶を析出させた後、結晶
を母液から分離するための装置にも特に制限はなく、固
液分離に通常用いられるもの、例えば遠心分離機、フィ
ルター等をそのまま用いることができる。通常結晶は固
液分離機にて分離された後、リンスされる。このリンス
には結晶化の際に用いた溶媒と同じものを用いることが
好ましい。
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお以下の各実施例および比較例におけ
る各成分の濃度はガスクロマトグラフィーにより求め
た。
2500mmの縦型円筒容器を結晶化槽として、ロータ
リーバキュームフィルターを結晶分離機として用いて結
晶化、結晶分離を行った。結晶化槽内には4枚のバッフ
ルを設けた。結晶化槽内部の温度は結晶化槽下部に設置
した温度計によりモニターした。結晶化原料は結晶化槽
上部から供給され、槽内のスラリーは結晶化槽下部より
抜き出される。抜き出されたスラリーの一部は循環ポン
プにより二重管式熱交換器に送られ、スチームにより外
部より加熱された後、結晶化槽上部より結晶化槽に戻さ
れ再び冷却される。槽下部より抜き出されたスラリーの
残りはポンプによりロータリーバキュームフィルターに
供給され、濾過、リンスの後、結晶として採取される。
1,5−DMNを異性化して得た異性化反応生成物と溶
媒のノルマルヘプタンを混合して表1に示す組成の混合
物とし、これを結晶化原料とした。まず始めに結晶化槽
に65℃の結晶化原料を1.8m3 張り込み、ジャケッ
トに30℃の冷却水を流し、結晶化槽内液を撹拌しなが
ら、ゆっくりと5時間かけて結晶化槽内温を40℃迄下
げた。結晶化槽内温が40℃となった時点で、槽内のス
ラリーを循環ポンプにより、300kg/hrの流量で
二重管式熱交換器に送り、槽上部へ循環させた。同時に
結晶化原料を200kg/hrの一定速度で結晶化槽へ
連続的に供給を開始し、また槽内のスラリーを連続的に
抜き出して、ロータリーバキュームフィルターにて濾過
した。結晶化槽のスラリー量は、ロータリーバキューム
フィルターの回転数制御により、1.8m3 に維持し
た。結晶化槽内部の温度は冷却水の流量を制御して40
℃に保った。なお二重管式熱交換器ではスチームでスラ
リーを暖め、結晶化槽へ戻るスラリーの温度が45℃と
なるようスチーム供給量を調節した。これにより結晶の
一部が溶解して槽上部へ循環することにより再度結晶化
が行われて、結晶の成長が促進される。
8時間である。結晶化槽の攪拌は100rpm、攪拌動
力は1.0Kw/m3 とした。ロータリーバキュームフ
ィルターの運転においては、40℃のノルマルヘプタン
をリンス液として、リンス量30kg/hrにてケーキ
を均一にリンスした。この結晶化、結晶分離操作を72
時間継続し、所定時間毎にロータリーバキュームフィル
ターから出てくる結晶をサンプリングして結晶中の2,
6−DMN純度を調べた。運転経過時間と結晶純度の関
係を表2に示す。運転中、結晶化槽中のスラリー濃度は
約15重量%とほぼ一定であった。
プを取り外した。そして結晶溶解を行わない以外は実施
例1と同様に操作して結晶化、固液分離を行った。実施
例1と同様に、所定時間毎に結晶をサンプリングして2,
6-DMNの純度を調べた。経過時間とケーキ純度の関係
を表2に示す。
プを取り外した。撹拌機、ジャケット付きの内径 500m
m、胴長1000mmの縦型円筒槽2基を種晶調製槽として
用いた。種晶調製槽内面にはバッフルを4枚設けた。実
施例1と同様、表1に示した組成の混合物を結晶化原料
とした。種晶調製槽を用い、結晶化原料から次の手順に
より種晶を調製した。まず始めに液温度65℃の結晶化原
料を 120kg張り込み、撹拌しながらジャケットに30℃
の冷却水を流して冷却した。結晶を十分に成長させて有
効な種晶とするために冷却速度を十分に遅くし、8時間
かけて40℃に至らしめ、一旦45℃に昇温後再び40
℃に冷却した。この操作により18kgの種晶を含むス
ラリーを調製した。
晶化原料を1.8m3 張り込み、その後ジャケットに3
0℃の冷却水を流し、撹拌しながら5時間かけて結晶化
槽内温を40℃迄下げた。槽内温が40℃となった時点
で、結晶化原料を200kg/hrで、また種晶調製槽
から種晶スラリーを10kg/hrで供給を開始し、同
時に槽内のスラリーを連続的に抜き出して、ロータリー
バキュームフィルターにて濾過した。結晶化槽のスラリ
ー量と結晶化槽の内温は、実施例1と同様にして、夫々
1.8m3 と40℃に維持し、72時間操作を継続し
た。この間、12時間毎に種晶調製槽が空になるのでそ
の都度切り替えて種晶供給を継続した。実施例1と同様
に、所定時間毎に結晶をサンプリングして2,6-DMNの
純度を調べた。経過時間とケーキ純度の関係を表2に示
す。
明の方法により結晶の成長を促進させて2,6-DMN結晶
の結晶化を行うことにより、母液の抱き込みが少ない結
晶が得られ、結晶化および結晶分離操作を連続的に実施
しても、高純度の2,6-DMN結晶を長時間安定に得るこ
とが出来る。従って本発明の方法により高純度の2,6-D
MN結晶を工業的に有利に製造できるようになり、本発
明の工業的意義は極めて大きい。
から2,6−ジメチルナフタレンを結晶化させるに際し
て、溶媒の存在下、結晶の成長を促進させることを特徴
とする高純度2,6-ジメチルナフタレンの製造方法であ
る。結晶の成長を促進する方法としては(1)結晶化槽
内のスラリーを結晶の一部を溶解させた後、再度結晶化
させる方法、(2)別に調製された2,6−DMNの結
晶を種晶として結晶化槽に添加する方法などが挙げられ
る。なお結晶の成長を促進する方法として、結晶化槽内
の過飽和度を小さくすることにより過剰な核発生を抑え
る方法が考えられるが、この方法では結晶化槽の単位容
積、単位時間あたりの結晶の収量が小さくなり、生産性
が低いという問題がある。
としては、前述の如く、(1)結晶化槽内のスラリーの
結晶の一部を溶解させた後、再度結晶化させる方法、
(2)別に調製された2,6−DMNの結晶を、種晶と
して結晶化槽に添加する方法が挙げられる。(1)の方
法により、結晶化槽内のスラリーの結晶の一部を溶解さ
せた後、再度結晶化させた場合、凝集物が減少すると同
時に大径の結晶が得られる。これは結晶の一部が溶解す
ると同時に、凝集物の凝集が解かれ、次いで再結晶され
るときに、この解かれた結晶の表面から2,6−DMN
が析出して結晶が成長することによると考えられる。こ
のように2,6-DMNの結晶は、溶解、再結晶を繰り返す
ことによって母液を抱き込むことなく成長する。結晶化
槽に供給されてから次の固液分離工程へ抜き出されるま
での間に、被結晶化液が好ましくは1回以上、この熱履
歴を受ける様にすると結晶化槽内の結晶全体が十分に成
長し、その結果、得られる結晶の純度は顕著に向上す
る。
Claims (6)
- 【請求項1】ジメチルナフタレン混合物から2,6-ジメチ
ルナフタレンを結晶化させるに際して、溶媒の存在下、
結晶の成長を促進することを特徴とする高純度2,6-ジメ
チルナフタレンの製造法。 - 【請求項2】結晶化槽内のスラリーの一部を抜き出し、
加熱して結晶の少なくとも一部を溶解させた後、再度結
晶化させることにより結晶の成長を促進する請求項1記
載の高純度2,6-ジメチルナフタレンの製造法。 - 【請求項3】別に調製された2,6-ジメチルナフタレンの
結晶を種晶として結晶化槽に添加することにより結晶の
成長を促進する請求項1記載の高純度2,6-ジメチルナフ
タレンの製造法。 - 【請求項4】ジメチルナフタレン混合物から得られたス
ラリー中の結晶の少なくとも一部を溶解し、再度結晶化
させることにより得られた2,6-ジメチルナフタレンの結
晶を種晶として用いる請求項3記載の高純度2,6-ジメチ
ルナフタレンの製造法。 - 【請求項5】溶媒として炭化水素を用いる請求項1〜4
いずれかに記載の高純度2,6-ジメチルナフタレンの製造
法。 - 【請求項6】溶媒として、脂肪族飽和炭化水素および脂
環式飽和炭化水素から選ばれた一種以上を用いる請求項
1〜5いずれかに記載の高純度2,6-ジメチルナフタレン
の製造法。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09152396A JP4224647B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 高純度2,6−ジメチルナフタレンの製造法 |
US08/777,078 US5948949A (en) | 1996-02-28 | 1996-12-30 | Process for producing 2,6-dimethylnaphthalene |
DE69730364T DE69730364T2 (de) | 1996-02-28 | 1997-01-29 | Verfahren zur Reinigung von 2,6-Dimethylnaphthol und dessen Verwendung bei der Herstellung von 2,6-Naphtholdicarbonsäure |
EP01115667A EP1151981B1 (en) | 1996-02-28 | 1997-01-29 | Process for the purification of 2,6-dimethylnaphthalene and its use in the production of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
DE69711974T DE69711974T2 (de) | 1996-02-28 | 1997-01-29 | Verfahren zur Reinigung von 2,6-Dimethylnaphthol und dessen Verwendung bei der Herstellung von 2,6-Naphtholdicarbonsäure |
EP97101328A EP0792858B1 (en) | 1996-02-28 | 1997-01-29 | Process for the purification of 2,6-dimethylnaphthalene and its use in the production of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
TW086101313A TW450958B (en) | 1996-02-28 | 1997-02-04 | Process for producing 2,6-dimethylnaphthalene and a process for producing 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
KR1019970005315A KR100528401B1 (ko) | 1996-02-28 | 1997-02-21 | 2,6-디메틸나프탈렌의제조방법및2,6-나프탈렌디카르복시산의제조방법 |
IDP970627A ID15998A (id) | 1996-02-28 | 1997-02-28 | Proses untuk memproduksi 2,6-dimetilnaftalena dan suatu proses untuk memproduksi asam 2,6-naftalenadikarbosilat |
KR1020050005368A KR100575918B1 (ko) | 1996-02-28 | 2005-01-20 | 2,6-디메틸나프탈렌의 제조방법 및2,6-나프탈렌디카르복시산의 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09152396A JP4224647B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 高純度2,6−ジメチルナフタレンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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