JP5337051B2 - 高純度の2,6−ジメチルナフタレンの連続結晶化分離精製方法およびその装置 - Google Patents

高純度の2,6−ジメチルナフタレンの連続結晶化分離精製方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、ジメチルナフタレン反応混合物から高純度の2,6−ジメチルナフタレンを連続的に結晶化分離精製する方法に関する。詳細には、o−キシレンとブタジエンとを原料としてジメチルナフタレンを合成する工程から得られる2,6−ジメチルナフタレンを含むジメチルナフタレン反応混合物を連続フロー下でシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置(shell-tube type crystallization apparatus)を使用して結晶化操作を行うことにより、高純度の2,6−ジメチルナフタレンを高収率で分離精製する方法およびその装置に関する。
2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−Naphthalene Dicarboxlic Acid、以下「2,6−NDA」という)は、機能性高分子であるポリエチレンナフタレート(Polyethylenenaphthalate、PEN)樹脂の単量体であり、高分子液晶(Liquid Crystal polymer)の原料としてよく知られている。PEN樹脂は、現在広く使われているポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)樹脂より耐熱性、引張強度、衝撃強度、ガス遮断性などの面で優れている。
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造するための原料物質としては、様々な種類のジアルキルナフタレン(Dialkylnaphthalene)、例えば、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジプロピルナフタレンおよびジブチルナフタレンなどが知られているが、ジメチルナフタレン(Dimethylnaphthalene、DMN)を除いた他のアルキルナフタレンは、2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造するための酸化反応の反応性および選択性が極めて低いため、経済性が低いという点からほとんど使われていない。
特に、ジメチルナフタレンを使用して2,6−ナフタレンジカルボン酸を最も効果的に製造する方法としては、2,6−ジメチルナフタレンの酸化反応による2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法がよく知られており、最も効果的な反応経路であると見なされている。よって、より効率的な2,6−ジメチルナフタレンの製造方法に対する研究が持続的に求められてきた。
一方、2,6−ジメチルナフタレンの酸化反応により2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する場合、原料である2,6−ジメチルナフタレンの純度に応じて生成物の品質が大きく影響を受け、微量の不純物を含んだ場合、製造された2,6−ナフタレンジカルボン酸の物性(色度など)が大きく低下することになる。したがって、良好な物性の2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造するためには、純粋な2,6−ジメチルナフタレン(純度99%以上)が必要である。そのためには、前記反応により生成された一連の混合物から2,6−ジメチルナフタレンを分離精製する過程が必要である。
現在、ジメチルナフタレン異性体の分離および精製に広く使われている方法としては、錯体生成を用いた分離法、吸着分離法、分別再結晶法などがある。特に、分別再結晶法は、適当な溶媒を使用して結晶化−再結晶化(crystallization−recrystallization)の過程を通じて比較的低い費用で2,6−ジメチルナフタレンを分離できる方法である。
しかしながら、ジメチルナフタレンは、一般的に共融混合物を形成するものとして知られている。例えば、2,6−ジメチルナフタレンと2,7−ジメチルナフタレンとは、41.5:58.5のモル比で二成分共融混合物を形成し、2,6−ジメチルナフタレンと2,3−ジメチルナフタレンとは、47.5:52.5のモル比で二成分共融混合物を形成する。理論的に、2,6−ジメチルナフタレンの生成量は、物質の組成に応じて決定されるため、再結晶法による通常的な2,6−ジメチルナフタレンの分離方法では高い分離生成率を得ることができない。また、分離過程が面倒で多くの時間がかかり、さらにその最終純度が比較的低いという問題点があって、実用的な分離工程として検討された例はほとんどなかった。
また、ジメチルナフタレン異性体の場合、262℃の近くに非常に類似する沸点を有するため、一般的な蒸留によってこの2つの物質を分離するのは極めて難しい。したがって、2,6−ジメチルナフタレンの分離には、高純度の達成に対する困難さ、低い回収量、高い分離精製費用の問題が避けられないことが知られている。
一方、特許文献1には、2,6−ジメチルナフタレンの分離方法として、原料であるナフタレン系混合物の前処理反応、蒸留および加圧結晶の3段階工程からなる分離方法が開示されている。しかし、分離された2,6−ジメチルナフタレンの純度は98%以下であると報告されており、2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造工程に使用される純度の要件に達していない。
欧州公開特許第336564号明細書
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その一の目的は、2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法において、ジメチルナフタレン反応混合物をシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置を用いて結晶化および再結晶化することにより、より経済的かつ効率的に高純度の2,6−ジメチルナフタレンを連続的に分離精製する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、本発明による2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法に使用されるシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一つの態様では、ジメチルナフタレン反応混合物から2,6−ジメチルナフタレンを連続的に分離精製する方法において、前記方法は、ジメチルナフタレン反応混合物をシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置を用いて結晶化および再結晶化する段階を含む2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法が提供される。
本発明の一形態例では、前記結晶化および再結晶化段階は、2段階以上の多段階からなる。
上記目的を達成するための本発明の他の態様では、前記方法に使用されるシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置が提供される。
本発明のシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置を使用した2,6−DMNの分離精製方法によれば、蒸留操作で使用する気化熱の約1/5の融解熱を用いるため、エネルギーを節約でき、単純な固液分離操作により高純度の2,6−DMNを高収率で分離することができる。また、本発明の分離精製方法は、簡単な分離精製装置を用いて単純操作で実行することができて、固定投資費および生産費を減らすことができる。さらに、溶液結晶化工程を付加的に行って高純度の2,6−DMNを効果的に分離することができる。
図1は、本発明の一形態例による2,6−ジメチルナフタレンの連続結晶化分離精製方法を概略的に示した工程図である。 図2は、本発明のシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置の透視図と結晶化装置内の原料および冷媒のフローを示した図面である。 図3は、本発明によるシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置の透視図(a)および結晶化装置の内部スクレーパーの断面図(b、c)である。
以下、本発明を添付図面を参照しながらより詳細に説明する。
本発明の一形態例による前記方法は、o−キシレンとブタジエンとを原料としてジメチルナフタレンを合成する工程から得られる2,6−ジメチルナフタレンを含むジメチルナフタレン反応混合物を連続フロー下でシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置(shell-tube type crystallization apparatus)を使用して結晶化操作を行うことにより、高純度の2,6−ジメチルナフタレンを高収率で分離精製する。
特に、ジメチルナフタレン反応混合物中に2,7−ジメチルナフタレンが0.2%以下でほとんど含有されていないため、結晶化生成物の収率および純度を向上させ、エタノール溶媒を使用して分離効率の向上を達成する。
本発明の方法で使用される前記ジメチルナフタレン異性体混合物の原料は、ジメチルナフタレンの異性化工程から得られる2,6−DMN、1,6−DMN、1,5−DMNなどの10の異性体、高沸点および低沸点の炭化水素を含む。構成化合物の組成および物性は、それぞれ下記表1に示されている。
図1は、本発明の一形態例による2,6−ジメチルナフタレンの連続結晶化分離精製方法を概略的に示した工程図である。
図1を参照すると、出発原料である2,6−DMNを豊富に含有した異性体混合物は、異性化反応を通じてDMN混合物貯蔵槽1へ移送される。DMN混合物貯蔵槽1へ流入した2,6−DMNの豊富なDMN異性体混合物は、ポンプP1により溶媒と混合されるように溶媒混合槽2へ移送される(A段階)。この際、溶媒としては、炭素数1〜8のアルコールを使用することができ、エタノールを使用することが好ましい。
1次結晶化に使用される溶媒としては、2次結晶化で分離された母液を使用する。2次結晶化後に分離された母液は、母液貯蔵槽3へ移送され、母液貯蔵槽3からポンプP3により溶媒混合槽2へ移送される(B段階)。溶媒混合槽2の温度は60℃を維持して溶融状態を維持する。混合された原料は、ポンプP2によりシェル−チューブ式表面スクレーパーからなる第1結晶化装置4に導入される(C段階)。
1次結晶化装置4には、ポンプP2により前記混合された原料が連続的に供給され、冷凍機16から冷たい冷媒が第1結晶化装置4の内壁へ循環しながら結晶化が行われる。1次結晶化過程を通して生成された結晶および母液は、結晶化装置に直接連結された遠心分離機5に導入される。遠心分離機5により分離された母液は、1次母液貯蔵槽8へ移送され(E段階)、分離された結晶はスクリューコンベヤ6により1次結晶溶融槽7へ移送される(D段階)。
1次結晶溶融槽7へ移送された結晶は、80℃に維持される溶融槽で溶融状態となり、ポンプP4により2次溶媒混合槽9へ移送される。2次結晶化に使用される溶媒は、純粋な溶媒中間貯蔵槽14からラインPに従ってポンプP9により、ラインGに従って2次溶媒混合槽9へ移送される。2次溶媒混合槽9の温度は60℃を維持する。2次溶媒混合槽9からラインHに従ってポンプP6により溶解された原料は、第2結晶化装置11へ移送される。第2結晶化装置11は、溶媒比による結晶化装置の全体容量および大きさが異なる以外は、第1結晶化装置4と同様な構造を有している。第2結晶化装置11の冷却は、冷凍機17により行われる。
第2結晶化装置を通じて得られた2,6−DMN結晶を含む液は、遠心分離機12により母液と2、6−DMN結晶とに分離される。分離された2,6−DMN結晶は、スクリューコンベヤ13により2,6−DMN結晶を得る。この際、分離された母液は、ラインJに沿って2次母液貯蔵槽3へ移送される。母液貯蔵槽に流入された母液の一部は、1次結晶化に使用され、その残りは1次母液貯蔵槽8へ移送される。1次母液貯蔵槽8へ移送された母液は、溶媒から結晶化され、残ったDMN異性体混合物を分離するためにポンプP5により溶媒分離カラム10へ移送される(M段階)。
溶媒分離カラム10の下部から得られたDMN異性体混合物は、異性化工程でポンプP7によりラインNに沿って移送される。溶媒分離カラム10の上部から得られた溶媒は、ラインOに沿って2次溶媒貯蔵槽14へ移送される。全体工程を通じて損失される溶媒は、1次溶媒貯蔵槽15に供給しておき、損失しただけポンプP8によりラインQに沿って2次溶媒貯蔵槽14へ移送される。
図2は、シェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置の透視図と結晶化装置内の原料および冷媒のフローを示した図面である。冷媒は、原料のフローと反対方向に循環して結晶化装置を冷却させて2,6−DMN結晶を形成させる。第1結晶化装置の入口および出口における原料の温度は、それぞれ50〜60℃および0〜−10℃である。第1結晶化装置の入口および出口における冷媒の温度は、それぞれ−10〜−15℃および30〜40℃である。第2結晶化装置の温度は、第1結晶化装置の温度条件と同一である。
このように、結晶化装置の入口における原料の温度を50〜60℃に、出口における原料の温度を0〜−10℃に限定する理由は、DMN異性体混合物の組成による溶媒中のDMN異性体混合物の溶解度に応じて、最適な結晶の純度および収率で結晶化を行うためである。入口での原料の温度が60℃より高い場合、溶媒の蒸発が発生して原料の移送を困難にするだけでなく、冷却の温度をさらに低めなければならないため、結晶化に使用されるエネルギー費用が高くなる。また、入口での原料の温度が50℃より低い場合、原料が十分に溶解されず結晶化を正常に行うことができないため、純度が低下する。一方、結晶化装置の出口での原料の温度が0℃より高い場合、結晶化の純度は向上するが、収率が低下する。また、出口での原料の温度が−10℃より低い場合、本発明で求められる所望の純度を得ることができない。
結晶化装置の入口および出口における冷媒の温度範囲を上記の範囲に限定した理由は、結晶化装置の入口および出口における原料の温度範囲を限定した理由と同一である。すなわち、上記の温度範囲で結晶化が行われる場合、十分な収率および純度を得ることができる。
しかしながら、1次結晶化に使用される母液に含まれた全体混合物中の溶媒比は、3〜4(溶媒):1(混合物)に維持される。2次結晶化の溶媒比は、5〜8(エタノール):1(混合物)の重量比で、混合槽で混合されて第2結晶化装置へ流入される。このような溶媒比および結晶化装置の温度は、純度および収率に応じて調節される。
このように、上記の溶媒比範囲で結晶化を行う理由は、注入される組成変動による各結晶化工程で、本発明で求められる所望の純度および収率を得ることができるためである。
図3は、本発明の方法で使用されるシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置の透視図(a)および結晶化装置の内部スクレーパーの断面図(b、c)を示している。このようなシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置を使用する理由は、連続的に結晶化を行うためである。また、内部スクレーパーを構造bおよびcの形態で製作したのは、2,6−DMN結晶が板状に互いに凝集したり、結晶が冷却された内部の壁面に付着することを防ぐためである。前記内部スクレーパーは、冷却効率を十分に増大させるだけでなく、結晶化工程を連続的に移送する手段になる。
生成された2,6−DMNの純度および収率は、下記式(1)および(2)により算出される。
式(1)
式(2)
本発明で使用されたDMN異性体混合物の純度および各段階別分離精製された物質の純度は、ガスクロマトグラフィーにより分析した。
本発明の他の態様は、本発明の一形態例による前記方法に使用されるシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置である。
前記シェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置は、ステンレス鋼(他の材質でも製作可能)で製作された2重管型晶析装置(原料が移送されるチューブ側の内部工程管と冷媒が移送されるシェル側の外部ジャケット)、図3bのスプリング形状の付着スクレーパー構造のペダルまたは図3cの内部スクレーパースクリュー、およびスクリューとペダルとを回転させるモーターからなる。
前記シェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置で、2重管型晶析装置は、管形で容易に製造することができ、連続的に結晶化を行うことができる。このようなシェル−チューブ式晶析装置は、入口と出口との間の温度勾配を有するため、結晶化中の過飽和度を適切に調節して分離中に結晶の形態および純度に有利な作用をする。
冷媒は、外部ジャケット(シェル)で原料のフローと反対方向に流れ、冷媒の熱伝達効率および結晶化中の過飽和度を適切に制御することができる。一般的な冷却晶析装置は、熱伝達面積を増加させるために、内部にドラフトチューブやバッフルなどを設置するが、このようなドラフトチューブやバッフルの使用は、大容量の工業規模の結晶化装置では限界を有しているので、小さい複数の晶析装置からなり、結晶化工程の装置費用として相当のコストがかかる。それに対して、本発明の結晶化装置は、シェル−チューブ式晶析装置で重要な特徴である熱伝達面積を増加させることができる。さらに、2重管ジャケット晶析装置の長さの延長、冷媒の熱伝達効率の改善および単位面積当たり高い熱伝達効率を得ることができる。
モーターが付着された内部移送スクリューやペダルは、簡単に製作されて低速で運転され、撹拌機が付着された一般的な晶析装置に比べて相対的にエネルギー費用が低いだけでなく、2,6−DMN結晶が晶析装置の壁面に付着されて熱伝達面積を減らすことを防ぐ効果もある。
内部スクリューは、図3に示したように、晶析装置の内壁との距離を結晶化装置の大きさに応じて1cm未満とし、入口側から出口側へ結晶および母液を移送するのに最適なスクリュー型である。さらに晶析装置の内壁に付着された2,6−DMN結晶の除去に供して熱伝達効率を向上させる。
このようなスクリューの末端を高分子プラスチック(例えば、テフロン)で補強して晶析装置の内壁の損傷を防ぐことができる。ペダル状に製作された内部スクレーパーは、スクリューのような役割をするように製作され、ペダル形態の内部スクリューは、スプリング構造で晶析装置の内壁の損傷を防ぐように製作される。
本発明の結晶化装置は、滞留時間および結晶成長速度を制御するために、晶析装置の体積、熱伝達効率、結晶成長速度などを考慮して、図2に示すように多段階のフローから構成されている。したがって、本発明の結晶化装置は、狭い空間で十分に多くの量の高純度の2,6−DMNを連続的に分離精製できる。
以上より、本発明の2,6−DMN分離精製方法およびその装置によれば、蒸留操作で使用する気化熱の約1/5の融解熱を用いるため、エネルギーを節約できる。さらに、本発明によれば、単純な固液分離操作により高純度の2,6−DMNを高収率で分離することができる。
以下、実施例を挙げてより詳しく本発明を説明するが、これら実施例は説明を目的としたものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものと解釈してはならない。
[実施例1]
2,6−DMNの平均組成が42.53重量%であるDMN反応混合物を1次溶媒混合槽へ15kg/hrの速度で移送した。前記反応混合物は、1次結晶化に使用された2次結晶化分離母液と混合して平均溶媒比4:1に調製した。混合した原料は、第1結晶化装置へ導入して結晶化した。この際、結晶化装置の出口の温度は0℃であった。1次結晶化した後、遠心分離により得られた結晶を抽出して分析した。その結果を下記表2に示す。1次結晶化により得られた結晶は、80℃の溶融槽で溶解して2次溶媒混合槽へ移送した。純粋なエタノール溶媒は、1次結晶量に合わせて8:1の比率で2次溶媒混合槽で溶解して60kg/hrの流量で第2結晶化装置へ移送した。この際、第2結晶化装置の出口の温度は0℃であった。2次結晶化後、結晶を遠心分離して、収率95.6%で純度99.20重量%の結晶を得た。
[実施例2]
内部スクレーパーの構造による結晶化の影響を評価するために、異なる構造のスクレーパーを使用したことを除いて、実施例1と同様の方法で結晶を得た。その結果の平均値を下記表3に示す。
[比較例1]
この例では、本発明のシェル−チューブ式表面スクレーパー晶析装置の代わりに、一般的なバッチジャケット冷却晶析装置を使用した。第1結晶化装置としては、バッフルが付着されたジャケット晶析装置を使用し、第2結晶化装置としては、冷却効率および熱伝達効率を高めるためにドラフトチューブを備えた晶析装置を使用した。
2,6−DMNの平均組成が42.05重量%であるDMN反応混合物を第1結晶化装置へ45kg移送した。前記反応混合物は、1次結晶化に使用された2次結晶化分離母液と混合して平均溶媒比4:1に調製した。移送完了後、10分間撹拌して混合溶解した。1次結晶化のために移送し溶解した総量は225kgであった。混合した原料は、第1結晶化装置へ導入して結晶化した。この際、結晶化温度は0℃であった。前記結晶化は、回分結晶化方式で3時間行った。1次結晶化後、結晶を遠心分離して1次結晶を得た。純粋なエタノール溶媒は、1次結晶量に合わせて8:1の比率で2次溶媒混合槽で溶解して第2結晶化装置へ移送した。この際、2次結晶化温度は0℃であった。2次結晶化後、結晶を遠心分離して2次結晶を得た。その結果を下記表4に示す。
以上、好適な実施例を参考として本発明を詳細に説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求の範囲に開示した発明の範囲および思想から逸脱することなく、各種の変更例または均等な他の実施例に想到し得るであろう。

Claims (7)

  1. 原料としてのジメチルナフタレン反応混合物から2,6−ジメチルナフタレンを分離精製する方法において、前記方法は、ジメチルナフタレン反応混合物をシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置(shell-tube type crystallization apparatus)を用いて、2段階以上の多段階からなる結晶化および再結晶化する段階を含むことを特徴とし、かつ、ジメチルナフタレン反応混合物と溶媒との比率は、1次結晶化の場合には1:3〜1:4、2次結晶化の場合には1:5〜1:8であることを特徴とする、2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
  2. 前記シェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置における冷媒のフローは、前記原料のフローと反対方向であることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
  3. 前記結晶化および再結晶化段階は、内壁に付着した結晶を除去し、かつ前記原料と前記結晶とを連続的に移送できる構造を有するシェル−チューブ式表面スクレーパー結晶化装置を使用することを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
  4. 前記結晶化および再結晶化段階は、前記結晶化装置の入口および出口における前記原料の温度がそれぞれ50〜60℃および0〜−10℃であることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
  5. 前記結晶化および再結晶化段階は、前記結晶化装置の入口および出口における冷媒の温度がそれぞれ−15〜−10℃および30〜40℃であることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
  6. 1次結晶化に使用される溶媒は、2次結晶化に使用された母液と混合されて結晶化することを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
  7. 1次結晶化により得られた結晶の純度は、70〜80重量%であり、2次結晶化により得られた結晶の純度は、99重量%以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離精製方法。
JP2009543924A 2006-12-29 2007-12-20 高純度の2,6−ジメチルナフタレンの連続結晶化分離精製方法およびその装置 Active JP5337051B2 (ja)

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