JPH09276303A - 眼内レンズ及び眼内レンズの製造方法 - Google Patents

眼内レンズ及び眼内レンズの製造方法

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JPH09276303A
JPH09276303A JP9640496A JP9640496A JPH09276303A JP H09276303 A JPH09276303 A JP H09276303A JP 9640496 A JP9640496 A JP 9640496A JP 9640496 A JP9640496 A JP 9640496A JP H09276303 A JPH09276303 A JP H09276303A
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intraocular lens
optical
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JP9640496A
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Kikuo Mitomo
規久夫 三友
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に製造可能な、軟性の光学部を有する眼
内レンズを提供する。 【解決手段】 この眼内レンズは、軟性材料で作られた
光学部1と、その光学部1を眼内に固定するための2本
の支持部2,3とで構成されている。光学部1は、軟性
材料で作られており、中央部がレンズの機能を有してい
る。支持部2,3は、それぞれループ2a,3aと連結
部2b,3bとからなる。ループ2a,3aは、細長い
形状をしており、眼内レンズを嚢内の所定の位置に固定
するためのものである。ループ2a,3aの一端に連結
部分2b,3bが設けられている。連結部分2b,3b
は、直方体に近い形状をしている。支持部の材料には、
PMMAやPP等の比較的硬質の材料が用いられる。そ
して、支持部2,3の連結部2b,3bは、光学部1の
周辺の領域に埋め込まれ、連結部2b,3bの殆どが光
学部1に覆われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼内レンズ及び眼内
レンズの製造方法に関し、特に眼内への挿入時に光学部
を折り曲げることにより小切開創から挿入可能な眼内レ
ンズ及びその眼内レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】眼内レンズは、白内障により透明性が失
われた水晶体の代替レンズとして使用される。この眼内
レンズは、レンズとして機能する光学部と、その光学部
を嚢内の中心位置に固定するための支持部で構成され
る。
【0003】光学部の材質としては、硬質の材料である
ポリメチルメタクリレート(PMMA)が主に使用され
ている。PMMAが眼内レンズの材料として使用されて
いる理由は、透明性、生体内の安定性に優れているから
である。しかも、機械加工性もよいことから精巧なレン
ズを安定供給できる。一方、支持部は、細長い糸状(フ
ィラメント状)のものが一般的である。この材質は、P
MMAやポリプロピレン(PP)などのモノフィラメン
トが使用されている。
【0004】光学部と支持部とを接合ための一般的な方
法では、光学部に支持部を取り付けるための小孔を設け
ておき、光学部を完成させた後に支持部を小孔に挿入す
る。そして、ステーキング及びレーザなどにより支持部
と光学部とを固定する。
【0005】ところで、近年の超音波乳化吸引術などの
普及に伴い、術後乱視と手術侵襲の軽減を目的として、
小切開創から挿入可能な眼内レンズが開発されている。
この眼内レンズは、光学部の材料として軟性材料を用い
ることにより、光学部を折り曲げることができるように
している。挿入時に光学部を折り曲げることにより、小
切開創からでも挿入可能となる。
【0006】但し、軟性材料には、機械加工、特に切削
加工及び研磨が困難であるという製造上の問題がある。
そこで、光学部は、材料としてモノマー・プレポリマー
及びオリゴマーを使用し、それらの材料を型内で重合す
るキャストモールド法によって、機械加工を行わずに作
成している。ところが、この方法では、光学部に支持部
挿入用の小孔を設けることが困難であることが解決して
いない。従って、支持部の取り付けにおいて特別の技術
が必要とされる。以下に、軟性光学部に対する支持部取
付け方法の例を説明する。
【0007】第1の例として、特開昭62−14255
8号公報、及び特公平6−24543号公報に開示され
た方法がある(これを第1の従来例とする)。この公報
には、支持部を構成するフィラメントの末端部分を球根
状等の引っ掛かりとなる形状とし、その末端部分を取り
囲むようにして光学部材を型形成する方法が開示されて
いる。これにより、支持部の末端部分と光学部とが機械
的に係わり合い、支持部が光学部に固定される。
【0008】第2の例として、特開平4−292609
号公報に開示された方法がある(これを第2の従来例と
する)。この方法では、まず型内で軟性光学材料を重合
した後に、型ごと軟性材料を冷却し、その軟性材料を硬
くする。硬くなった軟性材料に、支持部とアンカーフィ
ラメントとを挿入するための小孔を機械的な加工により
設ける。次に、軟性光学部に設けられた支持部挿入孔に
支持部を挿入し、アンカーフィラメント挿入孔にも支持
部と同材質のアンカーフィラメントを挿入する。この状
態で、支持部とアンカーフィラメントの交点にレーザビ
ームを照射し、溶融融着させる。最後に、レーザビーム
を挿入孔に沿って照射することにより完成する。
【0009】第3の例として、特開平5−56988号
公報に開示された方法がある(これを第3の従来例とす
る)。この公報に示された方法では、光学部周辺に加工
された支持部挿入孔にプレポリマーを注入し、その後に
支持部をプレポリマーを硬化させて支持部を固定させ
る。または、挿入する支持部をプレポリマー中に浸漬さ
せた後に、支持部挿入孔に支持部を挿入しプレポリマー
を硬化させて支持部を固定させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の眼内レ
ンズの製造方法は、いずれも煩雑な手順、あるいは複雑
な操作が必要である。
【0011】即ち、第1の従来例では、支持部となるフ
ィラメントは、直径が0.15mm程度の細い部材であ
る。そのため、光学部材を型内で形成するときに、支持
部を型内の正確な位置に固定しづらく、細かで注意深い
作業が必要となってしまう。
【0012】第2の従来例では、材料を冷却して支持部
挿入孔とその孔に交差するアンカーフィラメント挿入孔
の2つの孔空け操作が必要となる。また、支持部の融
着、及び孔のフィラメントによる充填をするために、レ
ーザビームを繰り返し照射する必要がある。なお、PM
MAを材料とする光学部の場合のようにステーキングに
より光学部と支持部とを接合できると簡単であるが、軟
性材料はきれいに溶融できずステーキングを行うと白化
して粉状になってしまう。そのため、第2の従来例にお
いて、ステーキングにより光学部と支持部とを接合する
ことはできない。
【0013】第3の従来例では、僅か0.15mm〜
0.25mmの支持部挿入孔にモノマー、あるいはプレ
ポリマーを注入した後に、支持部を支持部挿入孔に挿入
するという煩雑で難しい操作が必要である。
【0014】以上のように、従来のような構成の軟性の
光学系を有する眼内レンズでは、光学部と支持部を結合
するための作業が、煩雑化、あるいは複雑化してしまっ
ていた。
【0015】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、支持部と光学部とを容易に結合することがで
きる、軟性の光学部を有する眼内レンズを提供すること
を目的とする。
【0016】また、本発明の他の目的は、軟性の光学部
と支持部とを容易に結合できる眼内レンズの製造方法を
提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、折り曲げて小切開創から眼内へ挿入可能
な眼内レンズにおいて、細長い部分の一端に平板状の連
結部が設けられた支持部と、軟性材料の重合体で形成さ
れ、レンズ機能を有する部分の周辺領域に前記連結部が
埋め込まれた光学部と、を有することを特徴とする眼内
レンズが提供される。
【0018】このような眼内レンズによれば、支持部
は、細長い部分と平板状の連結部とから構成されるため
加工が容易である。さらに、平板状の連結部が光学部に
埋め込まれているため、支持部と光学部との間は、十分
な強さで接合されている。
【0019】また、折り曲げて小切開創から眼内へ挿入
可能な眼内レンズの製造方法において、比較的硬質の材
料を機械的に加工することにより、細長い部分の一端に
平板状の連結部が設けられた支持部を作成し、光学部を
形成するための型の内部に前記連結部が含まれるよう
に、前記支持部を前記型に装着し、前記型内で前記軟性
材料を重合させ、レンズ機能を有する部分の周辺領域に
前記連結部を包含した前記光学部を形成する、ことを特
徴とする眼内レンズの製造方法が提供される。
【0020】このような眼内レンズの製造方法によれ
ば、簡単な方法で支持部が作成されるとともに、光学部
を重合する工程で連結部を光学部内に包含させたことに
より、支持部と光学部とが強固に結合される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の眼内レンズを示す
図である。この眼内レンズは、軟性材料で作られた光学
部1と、その光学部1を眼内に固定するための2本の支
持部2,3とで構成されている。
【0022】光学部1は、軟性材料で作られており、中
央部がレンズの機能を有している。レンズの機能を有す
る部分は、中央の直径4mmの領域内である。支持部
2,3は、それぞれループ2a,3aと連結部2b,3
bとからなる。ループ2a,3aは、細長い形状をして
おり、眼内レンズを嚢内の所定の位置に固定するための
ものである。ループ2a,3aの一端に連結部分2b,
3bが設けられている。連結部分2b,3bは、長さ
1.8mm、幅0.6mmの直方体に近い形状をしてい
る。支持部の材料には、PMMAやPP等の比較的硬質
の材料が用いられる。
【0023】そして、支持部2,3の連結部2b,3b
は、光学部1の周辺の領域に埋め込まれ、連結部2b,
3bの殆どが光学部1に覆われている。図2は図1のX
−X線断面図である。光学部1は凸レンズであり、周辺
に行くほど薄くなる。縁の部分では、厚さは0.3mm
である。そして、支持部2の連結部2bは、光学部1に
挟まれた状態で固定されている。連結部2bの厚さは
0.16mmである。
【0024】図3は支持部を示す図である。支持部2の
ループ2aと連結部2bとは一体に形成されている。図
4は図3のY−Y線断面図である。ループ2aの断面形
状は、一辺が0.16mmの正方形をしている。
【0025】以上のような構成の眼内レンズであれば、
複雑な作業を行わずに作成することができる。以下に、
図1に示す眼内レンズの製造方法の一例を説明する(こ
の方法により製造された眼内レンズを第1の例とす
る)。
【0026】先ず、2本の支持部3,4を作成する。こ
れは、現在一般的に使用されている設計・技術システム
(CAD)及び工程設計システム(CAM)により作成
することができる。材料としては、一般的な眼内レンズ
の光学材料として使用されているPMMAのシートある
いは円形ボタンを使用する。PMMAは比較的硬質であ
り、加工性に優れている。この材料に対して、形状加工
設計、形状型抜き加工(ミーリング加工)、タンブリン
グ研磨を行う。その結果、ループ2a,3aと連結部2
b,3bとが一体となった支持部2,3が得られる。そ
して、支持部2,3を金型の所定の位置に配置する。
【0027】図5は金型に支持部を配置した状態を示す
図である。金型10の中央部13は、光学部1の形状の
型となっている。金型の側面には、支持部の位置を固定
するための保持部11,12が設けられている。保持部
11,12の上には溝11a,12aが設けられてい
る。この溝11a,12aは、支持部2,3のループ2
a,3aに合致する形状である。この溝11a,12a
は、金型10の中央部13まで続いている。
【0028】このような金型10の溝11a上に支持部
2が配置されている。この際、連結部2bは、金型10
の中央部11内に位置するように配置されている。同様
に、もう1本の支持部3を溝12a上に配置し、上側の
金型を被せる。
【0029】そして、軟性光学部形成材料を型内に注入
する。軟性光学部形成材料としては、以下のようなアク
リル樹脂の単量混合物を使用する。フェニルエチルメタ
クリレート(PEMA)は、重量部「49」。2−エチ
ルヘキシルアクリレート(EHA)は、重量部「4
2」。バーフロロオクチルオキシプロピレンメタクリレ
ート(BRM)は、重量部「9」。エチレングリコール
ジメタクリレート(EDMA)は、重量部「3」。アゾ
イソブチロニトリル(AIBN)は、重量部「0.
3」。
【0030】このような配合の混合物を型内に導入し、
窒素2.0kg/cm2 、温度110°Cで2時間加圧
重合を行い、光学部内に支持部の連結部が包含された眼
内レンズが得られる。
【0031】さらに、支持部の連結部と光学部との境界
や、支持部の細い部分等を円滑にするために、眼内レン
ズをガラスビーズ、研磨材、及び水を注いだボトル中に
入れ、タンブリング研磨を5日間行う。これにより、図
1に示した眼内レンズが完成する。
【0032】このようにして、本発明の眼内レンズが作
成できるため、支持部を作成する際には、CAD/CA
Mシステムを用いて、ループと連結部とを容易に、かつ
精巧に一体加工ができる。また、支持部のループは、光
学部の固定位置の違い、保持性の向上、および移植手術
時の操作性の向上のために、様々な形状を考えられる
が、それらの形状を容易に実現することができる。
【0033】また、軟性材料は、滑りやすく、粘着性が
大きいという表面特性を有している。この特性は、眼内
レンズを挿入する際の細かな作業を難しくしていた。と
ころが、本発明の眼内レンズの支持部の材料はPMMA
やPP等であり、この材料は軟性材料に比べ滑りずら
く、表面粘着性が小さい。そのため、連結部をピンセッ
トで把持し易く、眼内レンズを容易に取り扱うことがで
きる。
【0034】また、支持部のループの断面が矩形をして
いるため、金型に支持部を配置する際に溝内で転がりづ
らく、位置決めが容易である。ところで、眼内レンズに
は、ポジショニングホールが設けられたものがある。ポ
ジショニングホールは、眼内レンズを挿入する際に、適
正な位置に位置決めをするための孔である。以下に、ポ
ジショニングホールを有する眼内レンズについて説明す
る。
【0035】図6はポジショニングホールを有する眼内
レンズの例を示す図である。この眼内レンズは、光学部
21と、その光学部21を眼内に固定するための2本の
支持部22,23とで構成されている。光学部21の構
成は、図1のものと同じである。
【0036】支持部22,23は、ループ22a,23
aと連結部22b,23bとからなる。そして、ループ
22a,23aと連結部22b,23bとの境界付近
に、ポジショニングホール22c,23cが設けられて
いる。連結部22b,23bは、ポジショニングホール
22c,23cの周辺を除き、光学部21に埋め込まれ
ている。
【0037】図7はポジショニングホールを有する支持
部を示す図である。支持部22のループ22aと連結部
22bとは一体に形成されている。ループ22aと連結
部22bとの境界付近にポジショニングホール22cが
設けられている。このポジショニングホール22cは、
直径0.3mmの支持部22を貫通する孔である。
【0038】このようなポジショニングホールを有する
眼内レンズの製造方法の例を説明する(この方法により
製造された眼内レンズを第2の例とする)。先ず図7に
示したような支持部を作成する。支持部を作成は、図3
に示した支持部の作成方法と同様にPMMAのシート等
の硬質の材料を用い、CAD/CAMシステムにより作
成する。この際、連結部とループとの境界付近にポジシ
ョニングホールを設ける。
【0039】図5に示した金型に、支持部22,23を
配置する。この際、連結部22b、23bは金型内の光
学部を形成する領域に含まれるが、ポジショニングホー
ル22c、23cは光学部が形成される領域の外側に位
置させる。2本の支持部22,23を配置したら、上側
の金型を被せ、軟性光学部形成材料を型内に注入する。
この例では、軟性光学部形成材料としては、以下のよう
なポリジメチルシリコーンからなる主剤と硬化剤の混合
物を使用する。
【0040】主剤であるポリジメチルシリコーン(商品
名:KE106、信越シリコーン社製)は、重量部「1
00」。硬化剤であるシリコーン(商品名:Cat−R
G、信越シリコーン社製)は、重量部「10」。
【0041】このような配合の混合物を金型内に注入
し、80°Cの循環恒温槽中で48時間加熱して硬化さ
せる。重合終了後、金型内より軟性眼内レンズを取り出
し、タンブリング研磨を行う。これにより、ポジショニ
ングホールを有する眼内レンズが得られる。
【0042】このように、軟性の光学系を有する眼内レ
ンズの支持部にポジショニングホールを設けることも容
易である。ポジショニングホールがあれば、眼内レンズ
を挿入後に所定の位置に固定する作業が容易となる。
【0043】ここで、前述した本発明の眼内レンズの2
つの例と、従来考えられていた方法で作成された眼内レ
ンズとの比較結果を説明する。比較対象として、軟性材
料の光学部と支持部から構成され、かつ従来の技術の中
では製造が比較的容易な眼内レンズを試作した(以後、
これを比較例とする)。比較例は次のように作成した。
【0044】まず、図5に示したものと同様の金型に、
第1の例と同じ組成の単量体混合物を導入し、第1の例
と同じ条件で重合した。次に、金型ごとフリーザの中に
入れて冷却し、微細ドリルにより硬くなった光学部に支
持部挿入孔を設けた。これにより、軟性材料で作成され
た光学部に支持部挿入孔を設けることができたが、PM
MAからなる光学部に孔を設けた場合ほど精巧な孔をあ
けることはできなかった。
【0045】上記光学部の作成と並行して2本の支持部
を形成する。支持部は、PMMA製のモノフィラメント
状の部材を熱形成することにより形成した。形成された
支持部を光学部に設けた支持部挿入孔に挿入して、適当
な一点でステーキングを施した。この際、ステーキング
のためのロッドが押し当てられた部分の軟性材料は、P
MMAの場合のように溶融せずに、屑状になってしまっ
た。
【0046】以上のようにして作成された、第1の例、
第2の例、及び比較例の眼内レンズを、眼内レンズ承認
基準(昭和60年5月10日 薬発第489号 厚生省
薬務局長発行)の「III 品質及び試験方法」に規定さ
れている「5 支持部の接合強さ」の試験を実施した。
【0047】この眼内レンズ承認基準では、「本品の2
ヵ所の支持部をそれぞれクリップで挟み、一方の支持部
を吊るしあげ、静かに20gの重りをかけるとき、支持
部は光学部から1分以内に抜けては行けない」と規定し
ている。
【0048】この試験により、第1の例の眼内レンズは
「適合」、第2の例の眼内レンズは「適合」、比較例の
眼内レンズは「不適合」、という結果が得られた。これ
により、本発明に係る眼内レンズが、眼内レンズ承認基
準に適合するだけの支持部の接合強さを有していること
が分かった。
【0049】さらに、本発明の支持部はPMMA等の比
較的硬質の材料であり加工性が良いため、連結部を様々
な形にすることも可能である。そこで、連結部の終端の
幅、あるいは厚さ方向の寸法を他の部分よりも大きくと
り、支持部と光学部とを機械的にかみ合わせることがで
きる。そのような連結部の形状の例を以下に示す。な
お、以下に示す例ではループを省略しているが、連結部
とループが一体に形成されていることは上記の例と同様
である。また、連結部のうち、ループに繋がっている部
分を主要部とし、その主要部の先の部分を末端部とす
る。
【0050】図8は離脱しにくい形状の末端部を有する
連結部の第1の例を示す図である。この例では、左側に
正面図を示し、右側に側面図を示している。この例で
は、連結部31の主要部31aと末端部31bとの間に
段差が設けれており、末端部31bでは主要部31aよ
りも厚みが増している。また、連結部31とループとの
境界にはポジショニングホール31cが設けられてい
る。
【0051】図9は離脱しにくい形状の末端部を有する
連結部の第2の例を示す図である。この例では、連結部
32の末端部32bは長方形をしており、主要部32a
よりも末端部32bのほうが幅が広くなっている。
【0052】図10は離脱しにくい形状の末端部を有す
る連結部の第3の例を示す図である。この例では、連結
部33の末端部33bが三角形をしており、主要部33
aから末端部33bの先端に近づくにつれて幅が広くな
っている。
【0053】図11は離脱しにくい形状の末端部を有す
る連結部の第4の例を示す図である。この例では、連結
部34の末端部34bは半円の形状をしている。その半
円の直径は主要部34aの幅よりも広い。
【0054】図12は離脱しにくい形状の末端部を有す
る連結部の第5の例を示す図である。この例では、連結
部35の末端部35bは三日月形をしている。その三日
月形の直径は主要部35aの幅よりも広い。また、連結
部35とループとの境界にはポジショニングホール35
cが設けられている。
【0055】このように、末端部を形状を工夫すること
により、光学部と接合させた際に機械的にかみ合わせる
ことができ、支持部をさらに強固に接合することができ
る。また、連結部の末端部の幅を狭くすることにより、
レンズの機能を有する有効光学部面積を広くとることも
できる。図13は広い有効光学面積を確保した眼内レン
ズを示す図である。この眼内レンズは、光学部41と、
その光学部41を眼内に固定するための2本の支持部4
2,43とで構成されている。光学部41の構成は、図
1のものと同じである。
【0056】支持部42,43は、ループ42a,43
aと連結部42b,43bとからなる。そして、ループ
42a,43aと連結部42b,43bとの境界付近
に、ポジショニングホール42c,43cが設けられて
いる。連結部42b,43bの長さは1.8mmであ
り、ループ42a,43aに近い方の幅が0.6mmで
ある。そして、有効光学部側の辺が湾曲しており、連結
部42b,43bの先端に近づくにつれて幅が狭くなっ
ている。連結部42b,43bの先端では、幅が0.3
mmである。
【0057】このように、連結部の一辺を湾曲形状とす
ることにより、図6に示したような連結部が長方形の支
持部の眼内レンズよりも、レンズ機能を有する中央部分
の有効光学面積を増加させることができる。
【0058】なお、上記の例では、光学部の材料は、ア
クリル樹脂の場合(第1の例)とシリコーン樹脂の場合
(第2の例)とを示したが、その他にもヒドロゲルを光
学部の軟性材料として用いることもできる。
【0059】また、支持部の材料としては、PMMAや
PP以外に、メチルメタクリレートの共重合樹脂、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアクリル
系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカー
ボネイト、ポリミアン、フッ素樹脂等からなる比較的硬
質で成形性の良い材料を用いることができる。
【0060】また、上記の説明では支持部の切断面の形
状を正方形としたが、正方形に切削された後にタンブラ
ー研磨を行うことにより、周辺の角を削り取り円形にす
ることもできる。例えば、図3に示した支持部の周囲の
角を削り取り、直径0.16mmの円形の断面形状にす
ることができる。また、厚さを薄くし、長方形の断面と
することもできる。例えば、厚さを0.12mmとする
こともできる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の眼内レンズ
では、支持部の連結部を平板状にし、その連結部を軟性
材料からなる光学部に埋め込むようにしたため、支持部
は、一般的な機械加工により容易に作成することができ
るとともに、支持部と光学部とを結合する際には、支持
部を型内の正確な位置に配置でき、支持部と光学部との
結合作業が簡便になる。
【0062】また、本発明の眼内レンズの製造方法で
は、連結部が平板状の支持部を機械加工により作成し、
支持部の連結部を型内に含んだ状態で、型内で軟性材料
を重合するようにしたため、支持部の作成及び支持部と
光学部との結合を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼内レンズを示す図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】支持部を示す図である。
【図4】図3のY−Y線断面図である。
【図5】金型に支持部を配置した状態を示す図である。
【図6】ポジショニングホールを有する眼内レンズの例
を示す図である。
【図7】ポジショニングホールを有する支持部を示す図
である。
【図8】離脱しにくい形状の末端部を有する連結部の第
1の例を示す図である。
【図9】離脱しにくい形状の末端部を有する連結部の第
2の例を示す図である。
【図10】離脱しにくい形状の末端部を有する連結部の
第3の例を示す図である。
【図11】離脱しにくい形状の末端部を有する連結部の
第4の例を示す図である。
【図12】離脱しにくい形状の末端部を有する連結部の
第5の例を示す図である。
【図13】広い有効光学面積を確保した眼内レンズを示
す図である。
【符号の説明】
1 光学部 2,3 支持部 2a,3a ループ 2b,3b 連結部 10 金型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折り曲げて小切開創から眼内へ挿入可能
    な眼内レンズにおいて、 細長い部分の一端に平板状の連結部が設けられた支持部
    と、 軟性材料の重合体で形成され、レンズ機能を有する部分
    の周辺領域に前記連結部を包含する光学部と、 を有することを特徴とする眼内レンズ。
  2. 【請求項2】 前記支持部は、前記連結部分の末端の
    幅、あるいは厚さが、他の部分よりも大きいことを特徴
    とする請求項1記載の眼内レンズ。
  3. 【請求項3】 前記支持部は、前記連結部上の前記細長
    い部分に近い位置にポジショニングホールを有し、 前記光学部は、前記連結部の前記ポジショニングホール
    の周辺部分以外の領域を包含している、 ことを特徴とする請求項1記載の眼内レンズ。
  4. 【請求項4】 折り曲げて小切開創から眼内へ挿入可能
    な眼内レンズの製造方法において、 比較的硬質の材料を機械的に加工することにより、細長
    い部分の一端に平板状の連結部が設けられた支持部を作
    成し、 光学部を形成するための型の内部に前記連結部が含まれ
    るように、前記支持部を前記型に装着し、 前記型内で前記軟性材料を重合させ、レンズ機能を有す
    る部分の周辺領域に前記連結部を包含した前記光学部を
    形成する、 ことを特徴とする眼内レンズの製造方法。
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