JPH07323082A - 眼内レンズ - Google Patents
眼内レンズInfo
- Publication number
- JPH07323082A JPH07323082A JP6142396A JP14239694A JPH07323082A JP H07323082 A JPH07323082 A JP H07323082A JP 6142396 A JP6142396 A JP 6142396A JP 14239694 A JP14239694 A JP 14239694A JP H07323082 A JPH07323082 A JP H07323082A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pmma
- intraocular lens
- plate material
- lens
- support part
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Materials For Medical Uses (AREA)
- Prostheses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 PMMAの持つ安定した化学的、物理的な特
性を損なうことなく、脆いという欠点を補った眼内レン
ズを提供する。 【構成】 屈折力を持つ光学部と、該光学部を眼内に支
持固定するための支持部を備える眼内レンズにおいて、
前記支持部は手術時に折損させる力が加わる方向に対抗
するように分子鎖が配向されたことを特徴とする。
性を損なうことなく、脆いという欠点を補った眼内レン
ズを提供する。 【構成】 屈折力を持つ光学部と、該光学部を眼内に支
持固定するための支持部を備える眼内レンズにおいて、
前記支持部は手術時に折損させる力が加わる方向に対抗
するように分子鎖が配向されたことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白内障手術等により摘
出した水晶体に代えて眼内に挿入される眼内レンズに関
する。
出した水晶体に代えて眼内に挿入される眼内レンズに関
する。
【0002】
【従来の技術】現在の白内障の治療の方法としては、白
濁した水晶体を摘出した後、眼内レンズを挿入する手術
が一般的な方法となっている。現在普及している眼内レ
ンズは、光学部と支持部から構成されているが、両者の
加工方法によりスリ−ピ−スタイプのものとワンピ−ス
タイプのものが分類される。
濁した水晶体を摘出した後、眼内レンズを挿入する手術
が一般的な方法となっている。現在普及している眼内レ
ンズは、光学部と支持部から構成されているが、両者の
加工方法によりスリ−ピ−スタイプのものとワンピ−ス
タイプのものが分類される。
【0003】スリ−ピ−スタイプのレンズでは、通常ポ
リメチルメタクリレ−ト(以下PMMAと略称する)か
らなる光学部と、ポリプロピレン(以下PPと略称す
る)からなる支持部をそれぞれ別個に加工した後、これ
をカシメ等により一体にする。
リメチルメタクリレ−ト(以下PMMAと略称する)か
らなる光学部と、ポリプロピレン(以下PPと略称す
る)からなる支持部をそれぞれ別個に加工した後、これ
をカシメ等により一体にする。
【0004】ワンピ−スタイプのレンズは、PMMA等
の板材を加工して光学部と支持部を一体的に形成する。
このワンピ−スタイプのレンズの中でもPMMAを主成
分とするレンズは、PMMAの生体内での安定性や、機
械的特性の観点から、PPを支持部とするスリ−ピ−ス
タイプのレンズに比べて優れているといわれている。
の板材を加工して光学部と支持部を一体的に形成する。
このワンピ−スタイプのレンズの中でもPMMAを主成
分とするレンズは、PMMAの生体内での安定性や、機
械的特性の観点から、PPを支持部とするスリ−ピ−ス
タイプのレンズに比べて優れているといわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、PMM
Aはレンズを眼内に安定して保持するという目的におい
てはPPに優れているが、PMMA製の支持部は折損し
やすいという欠点を持つことも指摘されている。
Aはレンズを眼内に安定して保持するという目的におい
てはPPに優れているが、PMMA製の支持部は折損し
やすいという欠点を持つことも指摘されている。
【0006】眼内レンズに使用されるPMMA材は、一
般に塊重合という方法で製造されるが、この塊重合にお
いては重合反応がランダムに行われるため、分子量10
0万もの線状の分子が図1に示すように丸まり、ランダ
ムに入り組んだ状態となっている。このため、PMMA
は分子と分子の間に力が加わると、脆いという性質を持
つ(図2参照)。
般に塊重合という方法で製造されるが、この塊重合にお
いては重合反応がランダムに行われるため、分子量10
0万もの線状の分子が図1に示すように丸まり、ランダ
ムに入り組んだ状態となっている。このため、PMMA
は分子と分子の間に力が加わると、脆いという性質を持
つ(図2参照)。
【0007】このため、術者はレンズ挿入時に、支持部
に必要以上の応力をかけないように注意する必要があっ
た。
に必要以上の応力をかけないように注意する必要があっ
た。
【0008】そこで、本発明の技術課題は、PMMAの
持つ安定した化学的、物理的な特性を損なうことなく、
脆いという欠点を補った眼内レンズを提供することにあ
る。
持つ安定した化学的、物理的な特性を損なうことなく、
脆いという欠点を補った眼内レンズを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次のような構成を持つことを特徴とす
る。
決するために、次のような構成を持つことを特徴とす
る。
【0010】(1) 屈折力を持つ光学部と、該光学部
を眼内に支持固定するための支持部を備える眼内レンズ
において、前記支持部は手術時に折損させる力が加わる
方向に対抗するように分子鎖が配向されたことを特徴と
する。
を眼内に支持固定するための支持部を備える眼内レンズ
において、前記支持部は手術時に折損させる力が加わる
方向に対抗するように分子鎖が配向されたことを特徴と
する。
【0011】(2) (1)の眼内レンズは、ポリメチ
ルメタクリレ−トを加熱処理した後、1軸方向に引き延
ばされた板材を基材とすることを特徴とする。
ルメタクリレ−トを加熱処理した後、1軸方向に引き延
ばされた板材を基材とすることを特徴とする。
【0012】(3) (1)の眼内レンズは、ポリメチ
ルメタクリレ−トを加熱処理した後1軸方向に引き延ば
された板材に対して、レンズ光学部相当部分を削り取
り、削り取られた光学部相当部分に分子鎖のランダムな
PMMA重合を施こしたものを基材として形成されたこ
とを特徴とする。
ルメタクリレ−トを加熱処理した後1軸方向に引き延ば
された板材に対して、レンズ光学部相当部分を削り取
り、削り取られた光学部相当部分に分子鎖のランダムな
PMMA重合を施こしたものを基材として形成されたこ
とを特徴とする。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図3はワンピ−スタイプの眼内レンズの代表的
な平面形状を示した図である。1は屈折力を持った光学
部であり、一般には凸レンズに形成される。2は光学部
1を眼内に支持固定するための支持部であり、支持部2
は光学部1の径方向に対向して周方向に湾曲して2本伸
びている。支持部2の湾曲部は挿入眼の毛様体に当接し
て、光学部1を眼の後房内の所定位置に支持する。
明する。図3はワンピ−スタイプの眼内レンズの代表的
な平面形状を示した図である。1は屈折力を持った光学
部であり、一般には凸レンズに形成される。2は光学部
1を眼内に支持固定するための支持部であり、支持部2
は光学部1の径方向に対向して周方向に湾曲して2本伸
びている。支持部2の湾曲部は挿入眼の毛様体に当接し
て、光学部1を眼の後房内の所定位置に支持する。
【0014】上記のような眼内レンズは、次のようにし
て作られる。基材としては、塊重合などにより得られる
高分子量のPMMAの板材を使用する。まず、PMMA
の板材をガラス転移点以上に加熱することで柔らかくし
た後、一方向に引き延ばす。PMMAの一般的なガラス
転移点は70〜100°C程度であり、実施に際し望ま
しくは、120〜160°Cの間である。また、引き延
ばす程度としては5%以上であり、望ましくは10%〜
60%である。20%,30%の引き伸しでは、光学特
性に対しても格別な影響は現れなかった。
て作られる。基材としては、塊重合などにより得られる
高分子量のPMMAの板材を使用する。まず、PMMA
の板材をガラス転移点以上に加熱することで柔らかくし
た後、一方向に引き延ばす。PMMAの一般的なガラス
転移点は70〜100°C程度であり、実施に際し望ま
しくは、120〜160°Cの間である。また、引き延
ばす程度としては5%以上であり、望ましくは10%〜
60%である。20%,30%の引き伸しでは、光学特
性に対しても格別な影響は現れなかった。
【0015】PMMAの板材は引き延ばされると、丸ま
った線状の長い分子も引き延ばし方向に引っ張られ、図
4に示すような状態となる。このように分子鎖が一定方
向に揃うと、これに直交する方向の力に対しては、非常
に高い靭性及び可撓性を持つようになる。
った線状の長い分子も引き延ばし方向に引っ張られ、図
4に示すような状態となる。このように分子鎖が一定方
向に揃うと、これに直交する方向の力に対しては、非常
に高い靭性及び可撓性を持つようになる。
【0016】次に、この分子鎖が一定方向に配向された
材料から周知の加工方法によりレンズを削り出す。レン
ズの削り出しは、図5に示す如く、眼内レンズの支持部
2の根本が伸びる方向に分子鎖の配向が沿うようにす
る。これは、支持部の折損デ−タを分析した結果、眼内
レンズの挿入操作時に無理な力が加わる部分は特定の場
所に限定されていることが分かったからである。折損箇
所は支持部2の形状等によりその位置の変化はあるもの
の、特定の形状の支持部2における折損箇所はほぼ特定
される。そこで、挿入操作時に無理な力が加わり易い部
分の折損を防ぐために、その折損箇所の力が加わる方向
に対して高い靭性を持つように、分子鎖の向きを揃え
る。
材料から周知の加工方法によりレンズを削り出す。レン
ズの削り出しは、図5に示す如く、眼内レンズの支持部
2の根本が伸びる方向に分子鎖の配向が沿うようにす
る。これは、支持部の折損デ−タを分析した結果、眼内
レンズの挿入操作時に無理な力が加わる部分は特定の場
所に限定されていることが分かったからである。折損箇
所は支持部2の形状等によりその位置の変化はあるもの
の、特定の形状の支持部2における折損箇所はほぼ特定
される。そこで、挿入操作時に無理な力が加わり易い部
分の折損を防ぐために、その折損箇所の力が加わる方向
に対して高い靭性を持つように、分子鎖の向きを揃え
る。
【0017】このようにして作られた眼内レンズにおけ
る支持部2の分子鎖が一定方向に配向された部分は、本
出願人が試験したところ、従来のランダムな分子鎖でで
きたものに比べ、3〜5倍の引っ張り強度を持ってい
た。
る支持部2の分子鎖が一定方向に配向された部分は、本
出願人が試験したところ、従来のランダムな分子鎖でで
きたものに比べ、3〜5倍の引っ張り強度を持ってい
た。
【0018】なお、以上の実施例では、PMMAの板材
を使用したが、これに限定されるものではなく、高分子
量の線状の分子が丸まっている材料に利用できる。ま
た、光学部1や支持部2の形状は、本発明を限定する意
味はなく、例えば楕円形状のものでもよい。また、支持
部3の形状もC型形状、J型形状等種々の形状のものに
することができる。更には、手術時の操作上の便宜を図
るための切り欠きや小孔等を適宜に設けても良い。
を使用したが、これに限定されるものではなく、高分子
量の線状の分子が丸まっている材料に利用できる。ま
た、光学部1や支持部2の形状は、本発明を限定する意
味はなく、例えば楕円形状のものでもよい。また、支持
部3の形状もC型形状、J型形状等種々の形状のものに
することができる。更には、手術時の操作上の便宜を図
るための切り欠きや小孔等を適宜に設けても良い。
【0019】さらに、実施例では、分子鎖が一定方向に
配向された材料からレンズ全体を削り出すことにより、
支持部2の高い靭性を得ることができたが、レンズとな
る光学部1の部分にはこのような特性が求められている
わけではない。したがって、前述の分子鎖が一定方向に
配向された材料の段階において、まずレンズ光学部とな
る部分のみ削り取り、そこへ新たに分子鎖のランダムな
PMMA重合を施して再度一体化した材料とした後、レ
ンズ全体を削り出すことにより、支持部2のみ非常に高
い靭性及び可撓性を持った眼内レンズとすることができ
る。
配向された材料からレンズ全体を削り出すことにより、
支持部2の高い靭性を得ることができたが、レンズとな
る光学部1の部分にはこのような特性が求められている
わけではない。したがって、前述の分子鎖が一定方向に
配向された材料の段階において、まずレンズ光学部とな
る部分のみ削り取り、そこへ新たに分子鎖のランダムな
PMMA重合を施して再度一体化した材料とした後、レ
ンズ全体を削り出すことにより、支持部2のみ非常に高
い靭性及び可撓性を持った眼内レンズとすることができ
る。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、生体適合性、安定性を
もつ材料の化学的特性を損なうことなく、レンズ光学部
を眼内に支持固定するための支持部に高度の靭性を持た
せることができた。これにより、手術時の挿入操作にお
いて支持部の折損の恐れの少ない眼内レンズを提供でき
る。
もつ材料の化学的特性を損なうことなく、レンズ光学部
を眼内に支持固定するための支持部に高度の靭性を持た
せることができた。これにより、手術時の挿入操作にお
いて支持部の折損の恐れの少ない眼内レンズを提供でき
る。
【図1】PMMAの塊重合における丸まった線状の分子
がランダムに入り組んだ状態を示す図である。
がランダムに入り組んだ状態を示す図である。
【図2】PMMAの分子と分子の間に力が加わった状態
を示す図である。
を示す図である。
【図3】ワンピ−スタイプの眼内レンズの代表的な平面
形状を示した図である。
形状を示した図である。
【図4】PMMAの板材が引き延ばされ、丸まった線状
の長い分子も引き延ばし方向に引っ張られた状態を示す
図である。
の長い分子も引き延ばし方向に引っ張られた状態を示す
図である。
【図5】一定方向に配向された分子鎖の材料から削り出
したレンズを示す図である。
したレンズを示す図である。
1 光学部 2 支持部
Claims (3)
- 【請求項1】 屈折力を持つ光学部と、該光学部を眼内
に支持固定するための支持部を備える眼内レンズにおい
て、前記支持部は手術時に折損させる力が加わる方向に
対抗するように分子鎖が配向されたことを特徴とする眼
内レンズ。 - 【請求項2】 請求項1の眼内レンズは、ポリメチルメ
タクリレ−トを加熱処理した後、1軸方向に引き延ばさ
れた板材を基材とすることを特徴とする眼内レンズ。 - 【請求項3】 請求項1の眼内レンズは、ポリメチルメ
タクリレ−トを加熱処理した後1軸方向に引き延ばされ
た板材に対して、レンズ光学部相当部分を削り取り、削
り取られた光学部相当部分に分子鎖のランダムなPMM
A重合を施こしたものを基材として形成されたことを特
徴とする眼内レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6142396A JPH07323082A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 眼内レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6142396A JPH07323082A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 眼内レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07323082A true JPH07323082A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=15314386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6142396A Pending JPH07323082A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 眼内レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07323082A (ja) |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP6142396A patent/JPH07323082A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |