JPH1014955A - 軟性眼内レンズの製造方法 - Google Patents

軟性眼内レンズの製造方法

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JPH1014955A
JPH1014955A JP17665096A JP17665096A JPH1014955A JP H1014955 A JPH1014955 A JP H1014955A JP 17665096 A JP17665096 A JP 17665096A JP 17665096 A JP17665096 A JP 17665096A JP H1014955 A JPH1014955 A JP H1014955A
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optical
support
insertion hole
intraocular lens
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JP17665096A
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Sukeo Hamano
右生 浜野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易な工程で構成される軟性眼内レンズの製
造方法を提供する。 【解決手段】 2対の固定穴14、15を成型部13に
備えた型11に、軟性材料を注入して重合させ、光学部
2を形成するとともに、固定穴14から15に至るよう
になだらかなカーブを描いた中子17により、光学部2
を貫通する支持部挿入孔3を形成し、中子17の抜去後
に、室温または冷却下において、この支持部挿入孔3に
フィラメント状の支持部4の基端5を挿入し、超音波の
照射または熱棒20の近接による加熱で、支持部4を光
学部2に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼内レンズおよび
眼内レンズの製造方法に関し、眼内挿入のための切開創
を小さくできるように、軟性材料を用いて折り畳み式と
した軟性眼内レンズの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば白内障等により水晶体の除去手術
を行った眼球には、視力回復の為に眼内レンズが挿入さ
れる。このような眼内レンズは、一般に、除去された水
晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部
を嚢内での中心位置に固定、保持するための細長いフィ
ラメント状の支持部から構成される。
【0003】この場合、光学部の材質としては、従来か
ら硬質の材料であるPMMAが主に使用されて来た。こ
のPMMAは、透明性、および人体内での安定性に優れ
ており、機械加工性もよいことから精巧なレンズを安定
して供給できる。
【0004】また、支持部の材質としては、PMMA、
PP等のモノフィラメントが使用されて来た。
【0005】さらに、光学部と支持部の接合は、光学部
に支持部を取り付ける小孔をあらかじめ形成しておき、
この小孔に挿入した支持部を、ステーキングまたはレー
ザー等で、光学部に固定することによりなされて来た。
【0006】これに対して、近年においては、超音波乳
化吸引術などの普及に伴い、光学部の材質として軟性材
料を用い、眼内レンズを眼球内に挿入するときに、光学
部を折り曲げ可能とした軟性眼内レンズが開発されて来
ている。この軟性眼内レンズによれば、眼内レンズを挿
入するための眼球に対する切開創を小さくすることがで
きるので、術後乱視と手術浸襲の軽減が行い得る。
【0007】しかし、このような軟性材料は、従来のP
MMAのような切削加工および研磨等の機械加工が困難
である。このため、軟性眼内レンズの光学部の製造は、
軟性材料を型内で重合するキャストモールド法によって
行う一方、支持部の光学部への取り付けも、従来の硬質
材料のように機械的に小孔を設けることが困難であるこ
とから、従来とは異なる方法を採用する必要がある。こ
のための種々の方法については、例えば、特開昭62−
142558号公報、特開昭62−152450号公
報、特開平4−292609号公報、特開平5−569
88号公報等に、具体的な提案がなされている。
【0008】これらのうち、まず特開昭62−1425
58号公報のものは、支持部を構成するフィラメントの
末端部分を、球根状などの機械的な係合部を形成するよ
うな形状へと恒久的に変形し、この支持部の末端部分を
取り囲んで光学部を型成形することによって、支持部が
光学部から離脱しにくい軟性眼内レンズを得るものであ
る。
【0009】また、特開昭62−152450号公報の
ものは、軟性眼内レンズにおいて、支持部のフィラメン
トの末端に、機械的な係合部を形成する別のフィラメン
ト(アンカー)を接合することにより、支持部の光学部
への取り付け性を改良したものである。
【0010】また、特開平4−292609号のもので
は、型内で軟性光学材料を重合した後に型ごと冷却し
て、光学部の軟性材料を硬くすることにより、支持部を
挿入するための挿入孔、およびアンカーフィラメントを
挿入するための挿入孔を機械的に形成する。その後、こ
の支持部の挿入口に支持部を、アンカーフィラメントの
挿入口に支持部と同材質のフィラメントをそれぞれ挿入
して、支持部とアンカーフィラメントの交点および各挿
入口に沿ってレーザービームを照射して、溶融、融着が
行われる。
【0011】さらに、特開平5−56988号のものに
は、光学部周辺に形成された支持部の挿入口にプレポリ
マー等の中間物質を注入してから支持部を挿入し、その
後中間物質を硬化させて支持部を固定する方法と、支持
部をプレポリマー等の中間物質中に浸漬させた後、支持
部の挿入口に挿入し、中間物質を硬化させて支持部を固
定する方法とが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の軟性眼内レンズ製造方法は、いずれも煩雑で複雑
な作業が必要である。
【0013】具体的には、特開昭62−142558号
公報および特開昭62−152450号公報のもので
は、支持部となる合成樹脂フィラメントを、眼球内での
光学部の保持、固定に適した複雑な形状に加工しなけれ
ばならないが、このフィラメントは径が0.15mm程
度のものであるので、末端部分を熱溶融により所定の形
状に加工するには、非常に煩雑で微細な工程が必要とな
る。また、このように精巧に作成された支持部を取り囲
んで軟性材料からなる光学部を製造するときには、支持
部は再度過熱および加圧工程にされされ、その形状およ
び寸法の変形が引き起こされてしまう可能性がある。
【0014】また、特開平4−292609号公報のも
のでは、従来の光学部をPMMAで形成した眼内レンズ
は、室温での機械加工による精密な孔空け作業が行え、
また、形成する孔は支持部の挿入孔のみでよく、支持部
を挿入孔に挿入して適切な点にステーキングを行って光
学部と支持部の接合を行えばよかったのに対し、光学部
を冷却した状態での、支持部の挿入孔とアンカーフィラ
メントの挿入孔の孔空け作業が必要となり、さらに、軟
性材料は一般にきれいに溶融することができず、ステー
キングを行うと白化して粉状になってしまうので、これ
らの孔に挿入された支持部とアンカーフィラメントの固
定には、レーザービームを繰り返し照射して、支持部の
融着と孔のフィラメントによる充填を行う必要があり、
このための複雑な装置および作業が必要となってしま
う。
【0015】また、特開平5−56988号公報のもの
では、わずか0.15〜0.25mmの支持部の挿入孔
に、モノマーあるいはプレポリマーを針状の器具で注入
する煩雑で微細な作業が必要となるか、また支持部をモ
ノマーあるいはプレポリマーに浸漬させた後に支持部挿
入孔に挿入するという難しい作業が必要となってしま
う。
【0016】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、容易な工程で構成される軟性眼内レンズ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、軟性材料
からなる変形可能な光学部と、眼球内においてこの光学
部を固定保持する支持部とを備えた軟性眼内レンズの製
造方法において、前記光学部を型内において軟性材料を
重合して成形するとともに、この重合工程において前記
光学部に前記支持部を挿入する支持部挿入孔を形成して
おき、この支持部挿入孔に前記支持部を室温または冷却
下で挿入し、その後、前記支持部の前記光学部への挿入
部分または前記支持部挿入孔からの突出部分を加熱する
ことにより、前記支持部を熱膨張または溶融させ、前記
光学部へと固定する。
【0018】第2の発明は、第1の発明において、前記
加熱は、前記支持部の前記光学部への挿入部分、または
前記支持部を含めた前記軟性眼内レンズの全体に、超音
波を照射することによりなされる。
【0019】第3の発明は、第1の発明において、前記
加熱は、高熱に熱した熱棒を前記支持部の前記光学部へ
の挿入部分に近づけることによりなされる。
【0020】第4の発明は、第1の発明において、前記
支持部挿入孔の形成は、前記重合工程において、支持部
と同一径の線状の中子を型内に固定しておき、光学部完
成後に、室温または冷却下でこの中子を抜き取ってなさ
れる。
【0021】第5の発明は、第4の発明において、前記
型は前記中子を固定するために各中子に対して一対の固
定穴を備え、この一対の固定穴の一方から他方へと至る
ように挿入された各中子により、前記光学部を貫通して
なだらかなカーブを描いた前記支持部挿入孔が形成され
る。
【0022】
【作用】第1の発明では、光学部の重合工程において、
支持部挿入孔を形成しておくので、この支持部挿入孔に
支持部を挿入して、加熱により固定するだけで、軟性材
料からなる光学部に支持部を容易に固定することができ
るので、複雑な工程による煩雑な作業は必要でなく、製
造効率の向上およびコスト削減が図れる。
【0023】第2の発明では、支持部は超音波の照射に
より加熱されて、光学部に固定されるので、容易な作業
で、光学部に対する堅固な固定が可能となる。
【0024】第3の発明では、支持部は熱棒を近接させ
て加熱するだけで、光学部に固定できるので、容易な作
業で、光学部に対する堅固な固定が可能となる。
【0025】第4の発明では、重合により形成される光
学部には、支持部と同一径の中子を抜き取ることによ
り、支持部と同一径の支持部挿入孔が形成されるので、
適切な大きさの支持部挿入孔の形成が、容易な作業でな
される。
【0026】第5の発明では、固定穴に挿入された中子
は、光学部を貫通するなだらかなカーブを描いた支持部
挿入孔を形成するので、この支持部挿入孔への支持部の
挿入は容易であり、また、この支持部挿入孔に挿入され
固定された支持部の引っ張り強度は強いものとなり、支
持部と光学部の接合強度の強い軟性眼内レンズが得られ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0028】本発明においては、図1に示すような、光
学部2とこれを眼球内で支持するフィラメント状の支持
部3とを備えた軟性眼内レンズ1を製造するために、ま
ず、図2、図3に示すような型11によって、光学部
(レンズ部)2を形成する。この型11は、基台12上
に、その内周の形状にかたどられて光学部2が形成され
るほぼ環状の成型部13を備えるとともに、この成型部
13の側面部18には、光学部2に支持部挿入孔3を形
成するための中子17を固定する2対の固定穴14、1
5が設けられている。
【0029】これらの固定穴14、15の対は、成型部
13の中心を挟んで相対する位置に設けられるととも
に、対となった固定穴14、15は隣接し、図4に示す
ように、一方の固定穴14または15から挿入された線
状の中子17が、成型部13の内側を通って、他方の固
定穴15または14から、先端側を抜け出すようになっ
ている。
【0030】また、固定穴14、15は、これらを通っ
て案内される中子17がなだらかなカーブを描くよう
に、成型部13内側に形成された開口がわずかに互いの
方向に向き合うように、成型部13の側面部18に対し
て斜めに形成されている。これにより、中子17でかた
どられた支持部挿入孔3に挿入された支持部4は、引っ
張り強度の強いものとなり、また、挿入操作も容易とな
る。
【0031】線状の中子17は、光学部2に、支持部4
が挿入される支持部挿入孔3を形成するものであるの
で、フィラメント状の支持部4と同一径に形成される。
また、その材質は光学部2に影響を与えないものであれ
ばよく、例えば、PP(ポリプロピレン)や、PVDF
(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(エチレン・四フ
ッ化エチレン共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・
六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(パーフルオロ
アルコキシフッ素樹脂)、PTFE(ポリ四フッ化エチ
レン)等のフッ素系樹脂や、アルミニウム、真鍮等の金
属等が用いられる。これらのうちでも、特にフッ素系樹
脂は、成型後の支持部挿入孔3からの抜去が容易である
ことから、中子7の材質として適したものである。
【0032】光学部2は、成型部13内側に注入された
軟性材料を、重合させることによって形成される。この
ように形成された光学部2は、図5に示すように、中子
17が貫通した状態にあるので、室温または冷却下にお
いて固定させておいた中子17を抜き取ることによっ
て、図6に示すように、光学部2を貫通する支持部挿入
孔3を形成する。
【0033】この支持部挿入孔3に、図7に断面図で示
すように、フィラメント状の支持部4の基端5を挿入す
る。この場合、前述のように支持部挿入孔3は緩やかな
カーブを描いた形状とされているので、支持部4の基端
5の挿入は容易である。
【0034】このように支持部4を光学部2へと挿入し
た後、図8に示すような超音波の照射による加熱、また
は図9、10に示すような熱棒20を用いた加熱によ
り、支持部4の基端5を膨張または溶融させて、支持部
4の基端5を支持部挿入孔3内に固定する。
【0035】ここで、超音波の照射は、図8の領域A、
領域Bに示すような支持部4と光学部2の結合部分、ま
たは支持部4を含む軟性眼内レンズ1の全体に対して行
うようにする。
【0036】一方、熱棒20は、図11に示すように、
棒状の熱棒本体21の先端部分に切り欠き状の加熱部2
2を備えたもので、高熱に熱せられたこの加熱部22
で、加熱すべき支持部4の光学部2との結合部分付近を
挟み込むことにより、加熱作業を行い得るようになって
いる。
【0037】この加熱部22の切り欠きの形状として
は、例えば図12〜図14に断面図として示すようなも
のが用いられる。加熱部22は、必ずしも光学部2を挟
み込むようなものでなくてよく、図14に示すように、
光学部2の片面側から近接させるようなものでも構わな
い。
【0038】このような熱棒20の加熱部22を、図
9、図10に示すように、支持部4と光学部2の結合部
分に近接させて、加熱作業を行う。この場合、加熱部2
2は170℃程度に熱しておくとよい。
【0039】また、加熱部22が光学部2に接触してし
まうと、加熱部22と接触した光学部2表面が白化して
粉状になってしまう恐れがあるので、図9に示すよう
に、光学部2と加熱部22は非接触状態に保つようにす
る。この場合、これらの距離は0.1〜0.2mm程度
離しておくのが好ましい。
【0040】このように、本発明によれば、繁雑な工程
を含まない簡単な作業で、軟性材料からなる光学部2に
支持部4を接合することができ、製造効率の向上および
コスト削減が図れる。また、支持部4は加熱による膨張
及び溶融で光学部2の支持部挿入孔3へと完全に固定さ
れ、さらに、前述のように、なだらかなカーブを描いた
支持部挿入孔3に固定された支持部4は引っ張り強度が
強いので、支持部4の光学部2への接合強度の強い軟性
眼内レンズ1を得ることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、これらの実施例は例示的に挙げたものであり、本発
明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0042】実施例1 図1に示したような型において、光学部の重合および支
持部挿入孔の形成を行った。このとき、中子は支持部と
同一径のPVDF製のものを使用した。また、光学部の
形成材料としては表1の配合による単量体混合物を使用
した。
【0043】
【表1】
【0044】表1の配合の混合物を型内に注入し、窒素
圧2.0kg/cm2、温度110℃で2時間加圧重合
を行った後、光学部から中子を抜き取り、支持部挿入孔
を備えた軟性光学部を得た。
【0045】支持部はPMMA製のフィラメントを熱成
形して形成した。この支持部の基端を、支持部挿入孔の
入口側から反対の出口側まで挿入したのち、支持部挿入
孔出口付近に超音波を照射し、摩擦熱により支持部を溶
融させて、光学部と支持部を接合した。
【0046】さらに、得られた眼内レンズをガラスビー
ズと研磨材および水の入ったボトルに入れ、バレル研磨
を3日間行って、軟性眼内レンズを完成した。
【0047】実施例2 型内に、実施例1と同様な組成の単量体混合物を注入し
て、実施例1と同様な条件で重合を行った。
【0048】その後、実施例1と同様にPMMA製フィ
ラメントを支持部挿入孔に挿入し、支持部挿入孔出口付
近に、170℃に加熱した熱棒の加熱部を非接触で近接
させ、支持部を溶融させ光学部と支持部の接合を行っ
た。
【0049】比較例1 型内に、実施例1、2と同様な組成の単量体混合物を注
入し、実施例1、2と同一条件で重合を行った。
【0050】重合後、型ごとフリーザー内に入れ冷却し
た状態で、微細ドリルを用いて、光学部に支持部挿入孔
を形成した。しかし、軟性光学部完成後に支持部挿入孔
を設けるには、複雑な作業と時間を要し、また完成した
支持部挿入孔にはドリルの跡が残り、きれいな仕上がり
を得ることはできなかった。
【0051】さらに、実施例1、2と同様にPMMA製
のフィラメントを熱成形して得た支持部を、光学部に設
けられた支持部挿入孔に挿入して、適切な一点にステー
キングを施した。しかし、この操作でロッドが押し当て
られた部分の軟性材料は白化し、粉状となってしまっ
た。
【0052】比較例2 型内に、実施例1、2と同様な組成の単量体混合物を注
入して、実施例1、2と同一条件で重合を行った。重合
後、比較例1と同様な操作で支持部挿入孔を形成した。
【0053】支持部挿入孔形成後、この支持部挿入孔に
モノマーとプレポリマーを各々注入したが、いずれも困
難な作業であった。
【0054】また、支持部挿入孔形成後、PMMA製の
フィラメントを熱成形して得た支持部を、モノマーまた
はプレポリマーにそれぞれ浸漬させ、このモノマーまた
はプレポリマーが塗布された支持部を、支持部挿入孔に
挿入した。しかし、支持部挿入の際に、光学部の光学面
あるいは支持部挿入孔の回りに、モノマーまたはプレポ
リマーが付着してしまい、きれいな仕上がりが得られな
かった。また、支持部に塗布されたモノマーまたプレポ
リマーは、支持部挿入孔の入口の縁の部分で、大部分削
り取られてしまった。
【0055】上記実施例1、2および比較例1、2によ
り得られた4種類の眼内レンズについて、光学部と支持
部の接合強度を引っ張り試験により比較した。引っ張り
強度(接合強さ)は、比較例1では約10g、比較例2
では約20g程度であったのに対し、本発明の実施例
1、2においては、約50gあった。
【0056】
【発明の効果】第1の発明によれば、光学部の重合工程
において、支持部挿入孔を形成しておくので、この支持
部挿入孔に支持部を挿入して、加熱により固定するだけ
で、軟性材料からなる光学部に支持部を容易に固定する
ことができるので、複雑な工程による煩雑な作業は必要
でなく、製造効率の向上およびコスト削減が図れる。
【0057】第2の発明によれば、支持部は超音波の照
射により加熱されて、光学部に固定されるので、容易な
作業で、光学部に対する堅固な固定が可能となる。
【0058】第3の発明によれば、支持部は熱棒を近接
させて加熱するだけで、光学部に固定できるので、容易
な作業で、光学部に対する堅固な固定が可能となる。
【0059】第4の発明によれば、重合により形成され
る光学部には、支持部と同一径の中子を抜き取ることに
より、支持部と同一径の支持部挿入孔が形成されるの
で、適切な大きさの支持部挿入孔の形成が、容易な作業
でなされる。
【0060】第5の発明によれば、固定穴に挿入された
中子は、光学部を貫通するなだらかなカーブを描いた支
持部挿入孔を形成するので、この支持部挿入孔への支持
部の挿入は容易であり、また、この支持部挿入孔に挿入
され固定された支持部の引っ張り強度は強いものとな
り、支持部と光学部の接合強度の強い軟性眼内レンズが
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される軟性眼内レンズを示す
平面図である。
【図2】本発明の光学部成型用の鋳型を示す斜視図であ
る。
【図3】同じく平面図である。
【図4】同じく中子が貫通した状態を示す平面図であ
る。
【図5】同じく中子が貫通した光学部を示す平面図であ
る。
【図6】同じく支持部挿入孔が形成された光学部を示す
平面図である。
【図7】同じく光学部の支持部挿入孔に支持部の基端が
挿入された様子を示す断面図である。
【図8】同じく超音波の照射がなされる領域を示す平面
図である。
【図9】同じく熱棒による加熱の様子を示す平面図であ
る。
【図10】同じく側面図である。
【図11】同じく熱棒を示す斜視図である。
【図12】同じく熱棒の加熱部を示す断面図である。
【図13】同じく断面図である。
【図14】同じく断面図である。
【符号の説明】
1 軟性眼内レンズ 2 光学部 3 支持部挿入孔 4 支持部 5 支持部の基端 11 型 12 基台 13 成型部 14 固定穴 15 固定穴 17 中子 18 成型部の側面部 20 熱棒 21 熱棒本体 22 加熱部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟性材料からなる変形可能な光学部と、眼
    球内においてこの光学部を固定保持する支持部とを備え
    た軟性眼内レンズの製造方法において、 前記光学部を型内において軟性材料を重合して成形する
    とともに、この重合工程において前記光学部に前記支持
    部を挿入する支持部挿入孔を形成しておき、この支持部
    挿入孔に前記支持部を室温または冷却下で挿入し、その
    後、前記支持部の前記光学部への挿入部分または前記支
    持部挿入孔からの突出部分を加熱することにより、前記
    支持部を熱膨張または溶融させ、前記光学部へと固定す
    ることを特徴とする軟性眼内レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】前記加熱は、前記支持部の前記光学部への
    挿入部分、または前記支持部を含めた前記軟性眼内レン
    ズの全体に、超音波を照射することによりなされること
    を特徴とする請求項1に記載の軟性眼内レンズの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記加熱は、高熱に熱した熱棒を前記支持
    部の前記光学部への挿入部分に近づけることによりなさ
    れることを特徴とする請求項1に記載の軟性眼内レンズ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記支持部挿入孔の形成は、前記重合工程
    において、支持部と同一径の線状の中子を型内に固定し
    ておき、光学部完成後に、室温または冷却下でこの中子
    を抜き取ってなされることを特徴とする請求項1に記載
    の軟性眼内レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】前記型は前記中子を固定するために各中子
    に対して一対の固定穴を備え、この一対の固定穴の一方
    から他方へと至るように挿入された各中子により、前記
    光学部を貫通してなだらかなカーブを描いた前記支持部
    挿入孔が形成されることを特徴とする請求項4に記載の
    軟性眼内レンズの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6302912B1 (en) * 1999-04-01 2001-10-16 Staar Surgical Ag Deformable intraocular lens with haptic
US6306167B1 (en) * 1999-04-12 2001-10-23 Staar Surgical Ag Deformable intraocular lens with anchored haptics
JP2013080262A (ja) * 2006-05-31 2013-05-02 Coopervision Internatl Holding Co Lp 眼科レンズを製造する方法

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