JP4279292B2 - 眼内レンズ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、眼内レンズ及びその製造方法に関し、特に眼内挿入時に光学部を折り曲げて小切開創からの挿入可能な一体型軟性眼内レンズ及びその製造方法に適用し得るものである。
白内障等によって視力が低下した場合に、機能を損なわれた水晶体の代わりに眼内レンズ(IntraOcular Lens:IOL)の移植する手術を行うことにより、患者の視力の回復が図られている。
眼内レンズは、白内障により除去された水晶体の代替レンズとして機能する光学部とその光学部を嚢内での中心位置に固定、保持するための細長いフィラメント状の支持部とから構成される。
従来からの光学部の材質としては、硬質の材料であるPMMA(ポリメチルメタクリレート)が主に使用されてきた。PMMAが眼内レンズの材料として用いられる理由は、透明性、体内での安定性に優れている為であり、しかも機械加工性もよいことから精巧なレンズを安定供給できる点にあった。
そして、このPMMA製光学部を固定、保持するための支持部としては、PMMA、PP(ポリプロピレン)等のモノフィラメントが使用されてきた。
光学部と支持部との結合は、光学部に支持部を取り付けるための小孔を予め設けておき、光学部を完成させた後に支持部を小孔に挿入し、ステーキングやレーザー等により支持部を光学部に固定させる方法、あるいは、PMMA製の一体型(ワンピース)形状を作成する方法等がある。
一方、近年、超音波乳化吸引術等の普及に伴い、術後乱視と手術浸襲の軽減を目的とした小切開創からの挿入可能な眼内レンズが開発されている。すなわち、光学部材質に軟性材料を用いることにより、光学部折り曲げて小切開創からの挿入を可能にした軟性眼内レンズである。
しかし、軟性材料は機械加工、特に従来のPMMAのように切削加工及び研磨が困難なために、光学部形成材料であるモノマー、プレモノマー及びオリゴマーを型内で重合するキャストモールド法によって光学部を作成する必要がある。また、支持部の取り付け方法も従来のように機械的に小孔を設けるということが困難なために、従来とは異なる方法を用いなければならない。
このような軟性眼内レンズの製造方法として、特開昭62−142558号及び特開昭62−152450号には、支持部を構成するフィラメントの末端部分を球根状などの機械的な係合部を形成するような形状へと恒久的に変形するか、あるいはフィラメントの末端部に機械的な係合部を形成する別のフィラメントを接合することによって、得られた支持部の末端部分を取り囲んで光学部材を型成形することによって離脱しにくい支持部を有する眼内レンズの製造方法が開示されている。
また、特開平4−292609号には、型内で軟性光学材料を重合した後に、型ごと冷却することによって軟性材料を硬くして支持部を挿入するための小孔、アンカーフィラメントを挿入するための小孔を機械的に設ける。次に、軟性光学部に設けられた支持部挿入孔に支持部を挿入し、アンカーフィラメント挿入孔にも支持部と同材質のフィラメントを挿入し、支持部とアンカーフィラメントとの交点にレーザービームを照射して、溶融融着させる。レーザービームをこの挿入孔にそって照射して完成させるという眼内レンズの製造方法が開示されている。
また、特開平4−295353号には、以下に示すような眼内レンズの製造方法が開示されている。すなわち、折りたたみ可能な光学部材としてPHEMA(ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル)又はその共重合体等を用い、重合してロッドを作成する。そのロッド管状を型内に設置して、該ロッドの周囲に支持部材となるPMMA等の重合可能な液体溶液の円筒状層を形成する。その後、重合可能な液体溶液を重合させる。次いで、この重合したディスクを切り出し、切削加工を行い、眼内レンズを作成する。その後、レンズを水和(含水)させることで折りたたみ可能とする。
特開平1−158949号には、以下に示すような眼内レンズの製造方法が開示されている。すなわち、架橋済アクリル樹脂材料で平板等を作成し、その平板をホルダー上に乗せ、低温で旋盤工作でディスクに切断し、切削することで軟性光学部を得る。得られた光学部に支持部孔を設けてスリーピース型眼内レンズを得る。若しくは、上記の作成した平板より、レンズ形状を切り出して折りたたみ可能な光学部及び光学部材と同材質である軟質性の支持部を有した眼内レンズを得る。
さらに、特開平5−269191号には、以下に示すような眼内レンズの製造方法が開示されている。すなわち、5mmφ、高さ20mmの光学部材を重合し、その後内径15mm、高さ20mmの円筒状中央に設置して、その周辺部で支持部材となる溶液を重合させる。重合後、切削により眼内レンズ形状を作成し、アルコール中に約48時間浸漬させ光学部をエステル化反応により軟質にさせる。
上述のような眼内レンズの製造方法が種々開示されているが、これらの製造方法はいずれも煩雑、複雑な操作を伴うか、もしくは生産上効率が悪い。
すなわち、特開昭62−142558号及び特開昭62−152450号に開示されている眼内レンズの製造方法では、支持部となる合成樹脂フィラメントを複雑な形状に加工しなければならない。支持部となるフィラメントは径が0.15mm程度のもので、この末端部分を全て同じ形状に熱溶融に加工するには非常に煩雑で微細な処理を要する工程を設けなければならない。支持部は、眼内で保持、固定するために適する形状を有する必要があり、その形状を熱成形等により精巧に作成される必要がある。つまり、この精巧に作成された支持部を取り囲んで型内で軟性光学材料を製造する場合には支持部は再度加熱及び加圧工程を経る必要があり、眼内レンズの形状、寸法が変わってしまう可能性がある。
また、特開平4−292609号における製造方法では、材料を冷却して支持部挿入孔とその孔に交差するアンカーフィラメント挿入孔の2つの孔開け操作が必要であり、その孔に支持部とアンカーフィラメントを挿入し、支持部の融着と孔のフィラメントによる充填をレーザービームを繰り返し照射することで達成しなければならず、かなり煩雑な操作を必要とする。
また、特開平4−295353号においては、光学部にHEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を主成分とする素材を用いており、レンズの切削時には硬質であるが切削後に水和(含水)させることで軟質性とする。HEMAは、ロット間において吸水率に相違がある。従って、眼内レンズにおいては、一定のパワーを維持することは困難である。さらに、手術時に眼内レンズを含水させるにはかなりの時間がかかってしまう。また、眼内レンズにあらかじめ含水させた場合は、眼内レンズの滅菌状態を維持することが困難になる。
特開平1−158949号においては、支持部材質が光学部材質と同材質であるため、支持部は軟質になる。従来の眼内レンズの支持部径は約0.1〜0.2mm程度であるので、支持部はかなり柔軟になってしまう。したがって、支持部角度の維持も困難であり、嚢内での光学部の位置安定性はかなり不安定であると考えられる。
さらに、特開平5−269191号においては、支持部材がアルコールと反応性を有するものは使用できない。また、光学部材と支持部材とを重合し、精密な切削研磨加工を行って眼内レンズ形状を作成した後、光学部に化学的反応を加えることにより光学部の形状(曲率の変化、厚さ、光学径等)が変化してしまう可能性があり、加工時の支持部角度(アングル)を維持することも困難である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、簡便で、生産上効率のよい、一体型軟性眼内レンズの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とを有し、前記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有する材料で構成された眼内レンズの製造方法であって、
上記支持部を形成させ得る重合可能な原料を重合して上記支持部の材料を形成する工程と、
この重合した支持部の材料に穴をあける工程と、
この穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、
注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、
この一体型部材を冷却しながら切削する切削工程とを有することを特徴とする
眼内レンズの製造方法である。
請求項2の発明は、
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とを有し、前記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有する材料で構成された眼内レンズの製造方法であって、
上記支持部を形成させ得る重合可能な原料を重合して上記支持部の材料を形成する工程と、
この重合した支持部の材料を機械加工により穴をあける工程と、
この穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、
注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、
この一体型部材を冷却しながら切削する切削工程と研磨する研磨工程とを有することを特徴とする眼内レンズの製造方法である。
請求項3の発明は、
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とを有し、前記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有する材料で構成された眼内レンズの製造方法であって、
上記支持部を形成させ得る重合可能な原料の中心部に棒状部材を挿入した状態で当該原料を重合して、
重合後に上記棒状部材を引き抜くことにより穴のあいた上記支持部の材料を形成する工程と、
上記支持部の材料の穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、
注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、
この一体型部材を冷却しながら切削する切削工程とを有することを特徴とする眼内レンズの製造方法である。
請求項4の発明は、
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とを有し、前記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有する材料で構成された眼内レンズの製造方法であっ
て、
上記支持部を形成させ得る重合可能な原料を重合して上記支持部の材料を形成
する工程と、
この重合した支持部の材料を加熱しプレスして穴をあける工程と、
この穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、
注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、
この一体型部材を冷却しながら切削する切削工程とを有することを特徴とする
眼内レンズの製造方法である。
請求項5の発明は、
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とを有し、前記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有する材料で構成された眼内レンズの製造方法であって、
上記支持部を形成させ得る重合可能な原料を重合して上記支持部の材料を形成する工程と、
この重合した支持部の材料を加熱しプレスする工程と、
前記重合した支持部の材料に穴をあける工程と、
この穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、
注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、
この一体型部材を冷却しながら切削する切削工程とを有することを特徴とする眼内レンズの製造方法である。
さらに、本発明の態様として、以下の態様がある。
(第1の態様)
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とからなる眼内レンズであって、上記光学部が、少なくとも、5〜20重量%の式
Figure 0004279292
(式中R1 は、水素原子又はアルキル基の置換基を表す)で表される化合物と、40〜60重量%の式
Figure 0004279292
(式中R2 は、水素原子又はアルキル基の置換基を表す)で表される化合物と、30〜50重量%の式
Figure 0004279292
(式中R3 は、水素原子又はアルキル基の置換基を表す、R4 は、炭素数が4以上12以下である直鎖又は分岐状のアルキル基の置換基を表す)で表される化合物と、(1)〜(3)式で表される化合物の総重量に対して0.5〜4重量%の架橋性化合物とをモノマーとする共重合体からなることを特徴とする眼内レンズ。
(第2の態様)
上記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有することを特徴とする第1の態様に記載の軟性の眼内レンズ。
(第3の態様)
上記光学部と上記上記支持部とを接合したことを特徴とする第1又は第2に記載の一体型の軟性の眼内レンズ。
(第4の態様)
上記光学部と上記上記支持部とを重合により接合したことを特徴とする第3の態様に記載の一体型の眼内レンズ。
(第5の態様)
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とからなる眼内レンズの製造方法であって、上記支持部を形成させ得る重合可能な原料を重合して上記支持部の材料を形成する工程と、この重合した支持部の材料を機械加工により穴をあける工程と、この穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、この一体型部材を切削する切削工程と研磨する研磨工程とを有することを特徴とする眼内レンズの製造方法。
(第6の態様)
水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とからなる眼内レンズの製造方法であって、上記支持部を形成させ得る重合可能な原料の中心部に棒状部材を挿入した状態で当該原料を重合して、重合後に上記棒状部材を引き抜くことにより穴のあいた上記支持部の材料を形成する工程と、上記支持部の材料の穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、この一体型部材を切削する切削工程と研磨する研磨工程とを有することを特徴とする眼内レンズの製造方法。
(第7の態様)
上記光学部を形成させ得る重合可能な原料が、少なくとも、5〜20重量%の(1)式
Figure 0004279292
(式中R1 は、水素原子又はアルキル基の置換基を表す)で表される化合物と、40〜60重量%の(2)式
Figure 0004279292
(式中R2 は、水素原子又はアルキル基の置換基を表す)で表される化合物と、30〜50重量%の(3)式
Figure 0004279292
(式中R3 は、水素原子又はアルキル基の置換基を表す、R4 は、炭素数が4以上12以下である直鎖又は分岐状のアルキル基の置換基を表す)で表される化合物と、(1)〜(3)式で表される化合物の総重量に対して0.5〜4重量%の架橋性化合物とを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の眼内レンズの製造方法。
(第8の態様)
上記切削工程において、冷却しながら、上記一体型部材を切削することを特徴とする第5〜第7の何れかに記載の眼内レンズの製造方法。
(第9の態様)
上記研磨工程において、冷却しながら、上記一体型部材を研磨することを特徴とする第5〜第8の何れかに記載の眼内レンズの製造方法。
以上説明したように本発明によれば、簡便に且つ生産上効率よく眼内レンズをの製造することができる。
以下、本発明による眼内レンズ及びその製造方法の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る眼内レンズは、水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とからなる。
本発明の特徴は、この光学部を、少なくとも、5〜20重量%の(1)式で表される化合物と、40〜60重量%の(2)式で表される化合物と、30〜50重量%の(3)式で表される化合物と、(1)〜(3)式で表される化合物の総重量に対して0.5〜4重量%の架橋性化合物とを重合して作成するところにある。
なお、(1)式中のR1 は、水素原子又は、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基等のアルキル基の何れかの置換基を表す。
また、(2)式中のR2 は、水素原子又は、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基等のアルキル基の何れかの置換基を表す。
同様に、(3)式中のR3 は、水素原子又は、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基等のアルキル基の何れかの置換基を表し、R4は、ブチル基、ペンチル基等の炭素数が4以上12以下である直鎖又は分岐状のアルキル基の置換基を表す。
なお、本発明では、上記化合物に加えて、紫外線吸収能を有する化合物や眼内レンズを着色するための重合性色素等を光学部に係るモノマーとして用いることができる。
このような(1)〜(3)式で表される化合物及び架橋性化合物を重合して、一体型軟性眼内レンズを製造する方法を以下に説明する。
まず、本実施の形態では、図1、2に示すようなPMMAのボタン材を支持部の材料とする。
図1はPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの側面図であり、図2は、同正面図である。PMMAボタン材2,3は径15mmφ、高さ10mmであり、軟性光学部作成用の穴1,4は径7mmφ、深さ4mmである。
このように眼内レンズに一般的に使用されているPMMAの円筒形状のボタン2,3にPMMA材に軟性光学部作成用の穴1,4をあける。
この穴1,4に、少なくとも、5〜20重量%の(1)式で表される化合物と、40〜60重量%の(2)式で表される化合物と、30〜50重量%の(3)式で表される化合物と、、(1)〜(3)式で表される化合物の総重量に対して0.5〜4重量%の架橋性化合物とを注入して、重合させる。
重合後、ボタンを3mmにカットして冷却しながら、ミーニングマシーンによって光学部と支持部とが一体(ワンピース)形状をなした眼内レンズを作成する。
その後、低温下(冷却しながら)においてバレル研磨することにより、所望の一体型軟性眼内レンズを作成する。
(実施例1)
図1,2に示すPMMAのボタン材に7mmφの穴をあけ、軟性光学部の材料として下記に示す配合のモノマーを使用した。
量部(重量%)
2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA) 49
n−ブチルアクリレート(BA) 42
2−[2−(パーフルオロオクチル)エトキシ]
−1−メチルエチルメタクリレート (BRM) 9
エチレングリコールジメタクリレート(EDMA) 3
アゾビスイソブチロニトリル (AIBN) 0.3
上記の混合物を、ボタンの穴1,4に注入して、窒素圧2.0Kg/cm2
温度60℃で2時間加圧重合を行った。その後80℃・2時間、次いで100℃と昇温させた。
このようにして、作成した軟性光学部材がPMMAボタンの中心部にあるボタンを図3、4に示す。図3はこのようにして作成したボタンを示す側面図であり、図4は、同正面図である。
その後、図5のボタンの側面図に示した位置22に沿って3mm厚のボタンを切り出して、切り出したボタンに−5℃の冷気を吹きかけながら光学面を切削した。次いで、再度冷気を吹きかけながら、この切り出したボタンを図6の太線14部分をミーリングマシーンにより切り出し、一体型眼内レンズ形状を得た。
得られたレンズを−5℃の恒温層中でバレル研磨を3日間行い、一体型軟性眼内レンズを得た。図7はこのようにして作成した眼内レンズを示す正面図であり、図8は、同側面図である。
(実施例2)
本実施例は、ボタン材に実施例1とは異なる形状の穴をあけて、このボタンを用いて眼内レンズを製造したときの例を示すものである。
図1,2に示すPMMAのボタン材に7mmφの穴をあけ、軟性光学部の材料として実施例1と同様のモノマーを使用した。
まず、ボタン材を140℃のプレス板内で加熱して穴の形状を作成するために、冶具をボタン上に載せ、39.2×104Pa(4.0Kgf/cm2) の加重を加えてボタンのプレスを行った。
このようにして、作成したボタンを図9,10示す。図9はこのようにして作成したボタンを示す側面図であり、図10は、同正面図である。ボタン材22,23は径15mmφ、高さ10mmであり、穴21,24は径7mmφ、深さ4mmである。
作成した穴21,24へ実施例1と同様の組成の混合物を注入して実施例1と同条件で重合を行った(窒素圧19.6×104Pa(2.0Kgf/cm2)、温度60℃で2時間加圧重合を行った。その後80℃・2時間、次いで100℃と昇温させた。)さらに、実施例1と同様の切削・研磨処理を行うことによって、一体型軟性眼内レンズを得た。
本実施例に用いた図9,10のボタンの特徴は、穴21,24に突部を設けているところにある。この突部を有する穴21,24にモノマーの混合物を注入して、重合させて、図11の太線27の示すように一体型眼内レンズをミーリングマシーンによって切り抜くことにより、光学部と支持部との接合部分に強度を持たせることができる。
本実施例で得られた眼内レンズを図12,13に示す。図12は作成した眼内レンズを示す正面図であり、図13は、同側面図である。
(比較例1)
本比較例は、光学面の切削及びミーリングマシーンによる切り出しを行う際に冷却しかなったこと以外は、実施例1と同様の処理を行って、一体型眼内レンズを作成したときの例である。
図1,2に示すPMMAのボタン材に7mmφの穴をあけ、軟性光学部の材料として実施例1と同様の組成の混合物をを、ボタンの穴1,4に注入して、窒素圧19.6×104Pa(2.0Kgf/cm2)、温度60℃で2時間加圧重合を行った。その後80℃・2時間、次いで100℃と昇温させた。
その後、3mm厚のボタンを切り出して、冷却せずに光学面を切削した。次いで、冷却せずに、この切り出したボタンをミーニングマシーンにより切り出し、一体型眼内レンズ形状を得た。
得られたレンズを−5℃の恒温層中でバレル研磨を3日間行い、一体型軟性眼内レンズを得た。
このようにして得られた一体型軟性眼内レンズは、軟性光学面が白化してしまって、光学機能を持たないものになってしまった。
(比較例2)
本比較例は、ボタン材を実施例2と同様にプレスによる成形を行って図9,10示すように穴21,24をあけて、この穴21,24にHEMAを注入して重合して、含水処理を行った場合の例である。
まず、ボタン材を140℃のプレス板内で加熱して穴の形状を作成するために、冶具をボタン上に載せ、39.2×104Pa(4.0Kgf/cm2)の加重を加えてボタンのプレスを行った。
作成した穴21,24へHEMAを注入して重合を行った。
その後、ボタンを切り出して、冷却せずに光学面を切削した。次いで、冷却せずに、この切り出したボタンをミーリングマシーンにより切り出し、一体型眼内レンズ形状を得た。本比較例では、後述するように含水処理を行うために、冷却を行わなかった。次いで、得られたレンズにバレル研磨を3日間行い、一体型眼内レンズを得た。このとき作成した一体型眼内レンズの支持部角度は10゜であった。
さらに、得られた眼内レンズを3日間蒸留水中に浸漬させることにより、光学部部分を含水させた。含水後の一体型眼内レンズの支持部角度は5〜6゜程度であり、含水前のものからかなり変化していた。
以上の実施例1,2、比較例1,2で作成した眼内レンズについて、光学部と支持部との接合強度を引っ張り試験により比較した。その試験結果を以下に示す。
本発明は、上記の実施の形態のものに限定されるものでなく、種々の変形を許容するものである。
なお、本発明の眼内レンズの製造方法では、穴の形状は、図14,15に示すような穴の形状でもよく、図示しない他の穴の形状でもよい。また、様々な形状でボタンを貫通させるようにしてもよい。同様に、穴の径も任意に定めてもよい。図14はPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの1例を示す側面図であり、図15は、同正面図である。PMMAボタン材35,38は径15mmφ、高さ10mmであり、軟性光学部作成用の穴37は径7mmφ、深さ4mmである。
ボタンの穴はフライス板等によってあけることができるが、あけたい穴の形状の冶具を作成してプレス機により穴をあけるほうが複雑な穴の形状も容易に作成できる。また、ボタン材もプレス(延伸)されることで、引っ張り強度が増し、支持部となる部分の強度を増すことができる。
また、ボタンを原料から重合するときに、原料の中心部にテフロン(登録商標)棒等挿入しておいて、重合終了後にテフロン(登録商標)棒等を引き抜いて中心部に穴のあいたボタンを作成してもよい。
また、本発明に係るボタン材には、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートの共重合体、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂及びそれらを着色したもの使用することができる。
さらに,本発明に係る光学部と支持部の材料は、実施例に示した以外のものでもよく、低含水率(冷却しながら切削可能)のもので、重合によって光学部と支持部とが結合可能なものであれば、他の材質を用いてもよい。
実施例1に係るPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの側面図である。 実施例1に係るPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの正面図である。 実施例1に係る軟性素材のボタンの側面図である。 実施例1に係る軟性素材のボタンの正面図である。 実施例1に係る軟性素材のボタンを3mmに切り出す位置を示した側面図である。 実施例1に係るミーリングマシーンによる一体型眼内レンズの切り出し位置を示したボタンの正面図である。 実施例1で作成した眼内レンズの正面図である。 実施例1で作成した眼内レンズの側面図である。 実施例2に係るPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの側面図である。 実施例2に係るPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの正面図である。 実施例2に係るミーリングマシーンによる一体型眼内レンズの切り出し位置を示したボタンの正面図である。 実施例2で作成した眼内レンズの正面図である。 実施例2で作成した眼内レンズの側面図である。 実施の形態に係るPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの側面図である。 実施の形態に係るPMMA材に軟性光学部作成用の穴をあけたボタンの正面図である。
符号の説明
1,4,13,21,24,26,34,36,37… 穴
2,3,13,22,23,25,35,38 …PMMAボタン材
5,7,9 …ボタンの軟性光学部素材部分
6,8,11 …ボタンの支持部材部分
15,18,28,31… 光学部
16,17,19,20,29,30,32,33 …支持部

Claims (1)

  1. 水晶体の代替レンズとして機能する光学部と、この光学部を眼内の所定の位置に固定、保持するための支持部とを有し、前記光学部が、眼科手術中のレンズの挿入時に変形可能な軟性を有する材料で構成された眼内レンズの製造方法であって、
    上記支持部を形成させ得る重合可能な原料であって重合によって硬質な材料となる原料を重合して上記支持部の材料を形成する工程と、
    この重合した支持部の材料を加熱しプレスして穴をあける工程と、
    この穴に上記光学部を形成させ得る重合可能な原料を注入する工程と、
    注入した原料を重合して、上記光学部と上記支持部の一体型部材を形成する工程と、
    この一体型部材を冷気を吹きかけて冷却しながら切削する切削工程とを有することを特徴とする眼内レンズの製造方法。
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