JPH09274286A - ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法

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JPH09274286A
JPH09274286A JP11037896A JP11037896A JPH09274286A JP H09274286 A JPH09274286 A JP H09274286A JP 11037896 A JP11037896 A JP 11037896A JP 11037896 A JP11037896 A JP 11037896A JP H09274286 A JPH09274286 A JP H09274286A
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JP
Japan
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developing
silver halide
solution
halide photographic
sensitive material
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JP11037896A
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Yasunori Wada
安則 和田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像時間が8秒以下であっても、感度低下や
階調低下がない現像方法を提供すること。 【解決手段】 ゼラチン量が2g/m2以下であるハロゲ
ン化銀写真感光材料を、現像液中の無機塩類のイオン強
度が0.1〜0.5の現像液で、現像時間3〜7秒で現像する
ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の現像処理方法に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、早く仕上り写真を見たいというユ
ーザーの要求に応えるため、写真処理の迅速化が行なわ
れてきている。特に、医療用感光材料おいては、定期健
康診断、人間ドックが普及し、また、一般診療における
検査等が急激に増加しており、より迅速な写真処理を行
なうことが求められている。また、環境公害の規制が強
化されてきており、処理液の廃液を、下水道や河川へ廃
棄することは不可能な状態にあり、廃液量を多くするこ
とはできないので、写真処理液の補充量及び廃液量の削
減が望まれており、感光材料、処理剤、自現機の各分野
でさまざまな技術検討がなされてきた。
【0003】写真処理を迅速にするために、現像時間を
短縮した場合、十分な現像がなされず、感度低下やコン
トラストの低下を生じる。
【0004】従来、感度低下やコントラストの低下を避
けるための対策として、現像主薬を増量するとか現像液
のpHをあげるなどして現像液の還元反応の活性度を高め
るなどの手段が採られてきている。しかしながら、これ
らの手段により現像液の還元反応の活性度を上げると、
現像液の空気酸化耐性を劣化させてしまうという問題が
発生する。
【0005】また、現像液の補充量を低減させると、結
果として、現像処理槽での現像液の滞留する時間が長く
なため、現像液が空気酸化を受ける時間が長くなり、現
像液がさらに空気酸化を受け劣化してしまう。
【0006】従来、これら現像液の空気酸化による劣化
下を避けるための対策として、亜硫酸塩、アスコルビン
酸やポリヒドロキシベンゼン類などの保恒剤を多量に用
いることが行なわれてきた。また、これら対策として、
バッファー剤である炭酸塩などの塩類を多量に添加する
ことも有効であった。
【0007】従って、迅速に写真処理を行ない、かつ、
現像液の補充量を低減した現像処理システムに用いる現
像液としては、亜硫酸塩や炭酸塩などの濃度が高い組成
となっている現像液が用いられていた。
【0008】感光材料の現像においては、感光材料が現
像液中に浸漬されると、親水性コロイド層が膨潤する。
この膨潤が十分に行なわれると親水性コロイド層中での
現像液組成や反応生成物の拡散速度が得られるが、膨潤
が不十分であると拡散が遅く、反応に必要な有効成分の
供給が遅れてしまう。また、現像反応によって生成し、
現像反応を阻害する酸の中和やハロゲンイオンの排出が
遅れる。
【0009】この膨潤がもたらす影響は、従来用いられ
ていた現像時間でもいくぶんかあり、現像反応に影響は
あったが、現像時間を8秒以下とした場合には大きな影
響をもたらすこととなる。現像時間を8秒以下、特に7.
5秒以下とした場合、親水性コロイド層の膨潤は律速と
なり、これまで迅速化技術で行なわれていたように現像
液の還元反応の活性度を上げても現像速度は上がらず、
しかも、現像主薬の濃度を上げると逆に感度低下が起き
るなどの現象が生じるため、別の観点から問題の解決を
図る必要があった。
【0010】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、現像時間が8
秒以下であっても、感度低下や階調低下がない現像方法
を提供することにある。
【0011】
【発明の構成】上記目的は、 (1) ゼラチン量が2g/m2以下であるハロゲン化銀
写真感光材料を、現像液中の無機塩類のイオン強度が0.
1〜0.5の現像液で、現像時間3〜7秒で現像することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法。 (2) 現像液として、酢酸根の濃度が1モル/リット
ル以上である現像液を用いることを特徴とする上記
(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方
法。 (3) 現像液として、エチレングリコール類の濃度が
60〜200g/リットルである現像液を用いることを特徴
とする上記(1)または(2)記載のハロゲン化銀写真
感光材料の現像処理方法。によって達成される。
【0012】本発明者らは、本発明において、現像時間
が8秒以下であっても、感度低下や階調低下がなく現像
処理ができるのは、ハロゲン化銀写真感光材料のゼラチ
ン量を2g/m2以下にし、かつ、現像液中の塩濃度を
低減することにより、ハロゲン化銀写真感光材料の親水
性コロイド層への水の浸透速度が速くなり、膨潤が早く
行なわれ、膜(層)中への反応に必要な有効成分の拡散
速度が高められ、短時間の現像においても感度低下や階
調低下がなく現像処理ができるものと推定している。従
来、このように現像液組成に着目し、8秒以下の現像処
理速度に対応する考えはなかった。また、現像液中の酢
酸やエチレングリコール類はゼラチンへの液浸透速度を
早めると思われる。
【0013】酢酸根は、従来ピラゾリドン類の溶剤とし
て使用されてきたが、現像液中に本発明のように多量に
添加し、現像促進効果を得ることは知られていない。ま
た、エチレングリコールを本発明のように多量に添加す
ることも知られていないが、本発明者らは、エチレング
リコールは多量に添加すると現像液の空気酸化が改善さ
れ、現像の迅速処理化と現像液の空気酸化耐性の両者を
同時に達成できることを見出した。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】本発明の現像処理方法によって処理するこ
とができるハロゲン化銀写真感光材料は特に限定される
ものではなく、ゼラチン量が2g/m2以下であれば如何
なる種類のハロゲン化銀写真感光材料であってもよい。
【0016】以下に、本発明に用いることができるハロ
ゲン化銀写真感光材料について説明する。
【0017】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支
持体にハロゲン化銀乳剤層を含む写真構成層をゼラチン
量が2g/m2以下になるように設けたハロゲン化銀写真
感光材料である。
【0018】これらハロゲン化銀写真感光材料に用いら
れるハロゲン化銀乳剤は、公知の方法で製造できる。例
えば、リサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643
(1978年12月)・22〜23頁の1・乳剤製造法( Emulsio
n Preparation and types )及び同(RD)No.18716
(1979年11月)・648頁に記載の方法で調製することが
できる。また、例えば、T.H.James著“ The theory of
the photographic process ”第4版、Macmillan社刊
(1977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Dauffin著「写
真乳剤化学」“ Photographic emulsion Chemistry ”F
ocal press社刊(1966年)、P.Glafkides著「写真の物
理と化学」( Chimie et physique photographique )P
aul Montel社刊(1967年)、V.L.Zelikman他著「写真乳
剤の製造と塗布」( Making and Coating Photographi
c Emulsion )Focal press社刊(1964年)などに記載の
方法により調製される。
【0019】ハロゲン化銀乳剤としては、例えば、特開
昭59-177535号公報、同61-802237号公報、同61-132943
号公報、同63-49751号公報及び特願昭63-238225号明細
書などに開示されている内部高沃度型単分散粒子が挙げ
られる。結晶の晶癖は立方体、14面体、8面体及びそ
の中間の(111)面と(100)面が任意に混在していても
よい。
【0020】ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が
異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよい。これ
らハロゲン化銀乳剤としては、例えば、高沃度のコア部
分に低沃度のシェル層からなる二層構造を有するコア/
シェル型単分散乳剤が挙げられる。これら乳剤におい
て、好ましい高沃度部の沃化銀含量は20〜40モル%であ
り、特に好ましくは20〜30モル%である。これら乳剤に
ついては、例えば、 J.Phot.Sic.”12.242〜251頁(19
63)、特開昭48-36890号公報、同52-16364号公報、同55
-142329号公報、同58-49938号公報、英国特許第1,413,7
48号明細書、米国特許第3,574,628号明細書、同第3,65
5,394号明細書、英国特許第1,027,146号明細書、米国特
許第3,505,068号明細書、同第4,444,877号明細書、特開
昭60-14331号公報などに記載されている。
【0021】ハロゲン化銀乳剤は、平均アスペクト比が
lより大きい平板状粒子であってもよい。かかる平板状
のハロゲン化銀乳剤は、分光増感効率の向上、画像の粒
状性及び鮮鋭性の改良などが得られる。これらハロゲン
化銀乳剤は、例えば、英国特許第2,112,157号明細書、
米国特許第4,439,520号明細書、同第4,433,048号明細
書、同第4,414,310号明細書、同第4,434,226号明細
書、特開昭58-113927号公報、同58-127921号公報、同63
-138342号公報、同63-284272号公報、同63-305343号公
報などに開示されており、これらの公報に記載の方法に
より調製することができる。
【0022】特に、特願平4-289002号明細書(1〜3
頁)、特開昭59-177535号公報(2〜5頁)、特願平4-2
77369号明細書(5〜6頁)、特開昭62-42146号公報(1
4〜15頁)に記載のものが好ましく用いられている。
【0023】ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀の含有率が50
%以上の塩臭化銀または塩化銀であってもよい。
【0024】ハロゲン化銀乳剤は、粒子表面に潜像を形
成する表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内
部潜像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳
剤であってもよい。
【0025】ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成の段階ある
いは粒子調製の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タ
リウム塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩また
はその錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0026】ハロゲン化銀乳剤は可溶性塩類を除去する
ために、ヌードル水洗法、フロキュレーシヨン沈降法な
どよって水洗してもよい。好ましい水洗法としては、例
えば、特公昭35-16086号公報記載のスルホ基を含む芳香
族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭
63-158644号公報記載の凝集高分子剤、例示G3、G8
などを用いる方法が挙げられ、これら水洗方法によって
脱塩がなされる。ハロゲン化銀乳剤には化学熟成がなさ
れていてもよく、化学熟成には、金増感、硫黄増感、還
元増感、カルコゲン化合物やそれらを組み合わせたによ
る増感なされてもよい。
【0027】ハロゲン化銀乳剤には、物理熟成または化
学熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用い
ることができる。ヒドラジン化合物を添加することもで
き、特願平5-134743号明細書の化合物が好ましく、特
に、一般式(5)及び造核促進剤として一般式(7)、
(8)の化合物が好ましい。テトラゾリウム塩を添加す
ることもでき、特開平2-250050号公報記載のものが特に
好ましい。その他、公知の添加剤としては、例えばリサ
ーチ・ディスクロージャーNo.17643(1978年12月)、同
No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類
と記載箇所を以下に掲載した。
【0028】
【表1】
【0029】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いることのできる支持体としては、例えば、前述のR
D-17643の28頁及びRD-308119の1009頁に記載されて
いるものが挙げられる。
【0030】適当な支持体は、プラスチックフィルムな
どで、これら支持体の表面には、塗布層の接着性をよく
するために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照
射などを施してもよい。また、クロスオーバーカット層
や帯電防止層を設けても良い。
【0031】ハロゲン化銀乳剤は支持体の両側に存在し
てもよく、一方の側のみでもよい。両側の場合、両面と
も同じ性能を有するハロゲン化銀乳剤でもよく、性能を
異にするハロゲン化銀乳剤でもよい。
【0032】本発明において、ハロゲン化銀写真感光材
料を現像するする場合、ハロゲン化銀写真感光材料を個
々に現像タンクに浸漬し現像してもよく、また、自動現
像機を用いて連続的に現像してもよく、如何なる現像方
法を用いてもよいが、自動現像機を用いる連続処理によ
ることが好ましい。
【0033】多量の感光材料を処理する場合、通常、処
理によって消費された成分を補充するとともに、感光材
料から処理液中に溶出してくる成分を除去し、処理液成
分を一定に保つことによって処理液の性能を一定に維持
する手段がとられている。具体的には、上記補充のため
に補充液が処理液に補充され、溶出成分の除去のために
処理液の一部が系外に廃液として廃棄される。
【0034】補充液は、感光材料を一定量処理したとき
に補充される。補充液の補充量は、通常、ハロゲン化銀
写真感光材料1m2当たり50〜250ミリリットルである。
補充液に代え、補充する薬剤と希釈水とを分けて別々に
添加してもよい。
【0035】本発明において、現像時間とは、感光材料
が現像液に浸漬されてから、次の処理液に浸漬されるま
での時間をいう。次の処理液とは、現像工程に続いて行
なわれる工程に用いられる処理液であり、現像工程に続
いて行なわれる工程としては、例えば、停止工程、定着
工程などが挙げられる。
【0036】現像処理の温度としては20℃以上が好まし
い。また、現像液の空気酸化、臭気の発生などの面を考
慮すると50℃以下であることが好ましい。より好ましく
は25〜45℃であり、特に好ましくは28〜40℃である。
【0037】現像処理中においては、現像液は循環され
るが、循環によって現像槽中に吐出される現像液の量を
多くすることは、現像速度を大きくするので好ましい。
具体的には、10リットル/min以上であることが好まし
い。また、超音波などを用いて現像速度を大きくするこ
とも好ましい。
【0038】現像に続いて、停止、定着、水洗、乾燥等
の通常ハロゲン化銀写真感光材料の処理において行なわ
れる処理が行なわれる。
【0039】次に、本発明の現像処理方法に使用される
現像液について説明する。
【0040】本発明の現像処理方法に使用される現像液
は、現像液中の無機塩類のイオン強度が0.1〜0.5である
現像液であれば、どのような現像液でもよく、特に限定
されるものではないが、現像液中の酢酸根の濃度が1モ
ル/リットル以上になるようすること、現像液中に、エ
チレングリコール類を60〜200g/リットル加えること
は、現像液の浸透速度を早めるので好ましい。
【0041】本発明でいう無機塩類のイオン強度とは、
現像液中に存在するの無機塩のモル濃度をc、該無機塩
の荷数をzとしたとき、現像液中に存在する各無機塩の
c×z2を算出し、その総計を2で除した値をいう。例
えば、現像液中に亜硫酸カリが1モル/リットル、臭化
カリが0.1モル/リットル存在するときこの系のイオン
強度は、亜硫酸カリのモル濃度1と亜硫酸カリの荷数2
の2乗との積4と臭化カリのモル濃度0.1と臭化カリの
荷数1の2乗との積0.1との和を2で除した値 2.05〔0.
5×(1×22+0.1×12)=2.05〕となる。
【0042】本発明でいうエチレングリコール類とは、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコールなど、エチレングリコール及びその多量
体をいう。分子量が500を越えるエチレングリコールの
多量体では効果が低い。
【0043】本発明でいう酢酸根の濃度が1モル/リッ
トル以上とは、現像液中に存在するの酢酸及び酢酸塩の
総量が1モル/リットル以上であることをいう。
【0044】次に、本発明の現像処理方法に使用される
現像液の一例について説明するが、以下の現像液の説明
は、本発明に用いられる現像液を限定するためのもので
はない。。
【0045】上記現像液には現像主薬が添加される。こ
れら現像主薬としては、HO−(CH=CH)n−OH
型現像主薬、HO−(CH=CH)n−NH2 型現像主
薬、H2N−(CH=CH)n−NH2 型現像主薬、ヘ
テロ環型現像主薬を挙げることができる。
【0046】HO−(CH=CH)n−OH型現像主薬
のとしては、ハイドロキノンが代表的なものとして挙げ
られ、その他にカテコール、ピロガロール及びその誘導
体並びにアスコルビン酸、クロロハイドロキノン、ブロ
ムハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチ
ルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、
2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジブロムハ
イドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン等も挙
げられる。
【0047】HO−(CH=CH)n−NH2 型現像主
薬としては、オルト及びパラのアミノフェノールが代表
的なものとして挙げられ、N−メチル−p−アミノフェ
ノール、その他4−アミノフェノール等も挙げられる。
【0048】H2N−(CH=CH)n−NH2 型現像
主薬としては、4−アミノ−2−メチル−N,N−ジエ
チルアニリン、p−フェニレンジアミン等が挙げられ
る。
【0049】ヘテロ環型現像主薬としては、1−フェニ
ル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチ
ル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4
−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等が
挙げられる。
【0050】上記の現像主薬は単独で用いてもよいし、
二種以上組み合わせて用いることもできる。
【0051】また、現像液には、その他、必要に応じて
保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩等)、緩衝剤
(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカノールアミン
など)、アルカリ剤(例えば、炭酸塩など)、溶解助剤
(例えば、ポリエチレングリコール類及びこれらのエス
テルなど)、pH調整剤(例えば、クエン酸のごとき有機
酸等)、増感剤(例えば、四級アンモニウム塩)、現像
促進剤、硬膜剤(例えば、グルタールアルデヒドなどの
ジアルデヒド類)、界面活性剤などを含有させることが
できる。さらに、カブリ防止剤として、アゾール系有機
カブリ防止剤(例えば、インダゾール系、イミダゾール
系、ベンツイミダゾール系、トリアゾール系、ベンツト
リアゾー系、テトラゾール系、チアジアゾール系カブリ
防止剤)、処理液に用いられる水道水中に混在するカル
シウムイオンを隠蔽するための隠蔽剤として、例えば、
ヘキサメタ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸カルシウ
ム、ポリ燐酸塩等を含有させることができる。
【0052】現像液のpHは、9.00〜13.00の範囲が好ま
しく、より好ましくは10.00〜12.00の範囲である。
【0053】現像補充液としては、上記現像液と同一組
成またはそれに準じた組成のものが用いられる。現像す
るに当たり用いられる現像補充液の補充量は、感光材料
1m2当たり220ミリリットル以下、好ましくは感光材料
1m2当たり50〜200ミリリットル、より好ましくは感光
材料1m2当たり80〜190ミリリットルである。
【0054】次に、本発明の現像処理方法に使用される
定着液の一例について説明するが、以下の定着液の説明
は、本発明に用いられる定着液を限定するためのもので
はない。
【0055】定着主薬としては、チオ硫酸塩が好ましく
用いられる。チオ硫酸塩は、具体的には、リチウム、カ
リウム、ナトリウム、アンモニウムとの塩として供給さ
れるが、好ましいチオ硫酸塩は、チオ硫酸ナトリウム、
チオ硫酸アンモニウムであり、さらに好ましくはチオ硫
酸アンモニウムである。チオ硫酸アンモニウムは定着速
度の速い定着液が得られるが、保有性などの点からはチ
オ硫酸ナトリウムが好ましい。
【0056】定着液中におけるチオ硫酸塩の含有量は、
好ましくは0.1〜5モル/リットルであり、より好まし
くは0.5〜2モル/リットルであり、さらに好ましくは
0.7〜1.8モル/リットルである。
【0057】その他、定着主薬として、沃化物塩やチオ
シアン酸塩なども用いることができる。
【0058】定着液は、亜硫酸塩を含有する。亜硫酸塩
としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニ
ウム塩等が用いられる。
【0059】定着液中における亜硫酸塩の含有量は、亜
硫酸塩の水系溶媒に対する溶解混合時において、0.2モ
ル/リットル以下である。
【0060】また、定着液には、クエン酸、酒石酸、り
んご酸、琥珀酸、フェニル酢酸等またはこれらの塩を添
加することが好ましい。
【0061】これらの塩としては、例えば、クエン酸カ
リウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエ
ン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カ
リウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石
酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモ
ニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、りんご酸
ナトリウム、りんご酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウ
ム、琥珀酸アンモニウムなどに代表されるリチウム、カ
リウム、ナトリウム、アンモニウム塩が好ましいものと
して挙げられ、この中から1種または2種以上を組み合
わせて使用することができる。
【0062】前記化合物の中でより好ましいものとして
は、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸
及びこれらの塩である。
【0063】定着液中におけるこれら酸またはその塩の
好ましい含有量は、0.05モル/リットル以上であり、最
も好ましい含有量は0.2〜0.6モル/リットルである。
【0064】また、酸としては、例えば、硫酸、塩酸、
硝酸、硼酸のような無機酸の塩や、蟻酸、プロピオン
酸、シュウ酸などの有機酸類またはその塩を添加するこ
とができるが、硼酸酸及びその塩を添加するのが好まし
く、好ましい添加量は、定着液1リットル当たり0.5〜2
0gである。
【0065】また、定着液にはキレート剤、界面活性
剤、湿潤剤、定着促進剤等を添加することができる。こ
れらキレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類及
びこれらの塩などが挙げられ、これら界面活性剤として
は、例えば、硫酸エステル化物、スルホン化物などのア
ニオン活性剤、ポリエチレングリコール系、エステル系
などのノニオン界面活性剤、特開昭57-6840号公報記載
の両性界面活性剤などが挙げられ、湿潤剤としては、例
えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなど
が挙げられ、 定着促進剤としては、例えば、特開昭45
-35754号公報、特公昭58-122535号公報、同58-122536号
公報記載のチオ尿素誘導体、分子内に三重結合を有する
アルコール、米国特許第4,126,459号明細書記載のチオ
エーテルなどが挙げられる。
【0066】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理方法は、現像開始から、定着、水洗、乾燥終了まで
の全現像処理時間(dry to dry)を35秒以下とすること
が好ましい。
【0067】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0068】なお、実施例に用いたハロゲン化銀写真感
光材料(ア)〜(ウ)は下記により調製した。
【0069】現像液は、表2の現像液処方に示した現像
液A〜Eを用い、定着液としては、下記の定着液処方に
示した定着液を用いた。
【0070】 《ハロゲン化銀写真感光材料(ア)〜(ウ)の調製》 〈種乳剤−1の調製〉 溶液A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ミリリットル ポリプロピレンオキシーポリエチレンオキシージサクシネートナトリウム塩( 10%エタノール水溶液) 6.78ミリリットル 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ミリリットル 溶液B1 2.5N硝酸銀水溶液 2825ミリリットル 溶液C1 臭化カリウム 841g 水で2825ミリリットルにする。 溶液D1 1.75N臭化カリウム水溶液
【0071】42℃で、特公昭58-58288号公報、同58-582
89号公報に示される混合撹拌機を用いて、溶液A1に溶
液B1及び溶液C1の各々464.3ミリリットルを同時混合
法により1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0072】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した後、
60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇させ、
3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1と溶液
1を同時混合法により、各々55.4ミリリットル/minの
流量で42分間添加した。この時、42℃から60℃へ昇温し
た。溶液B1、C1による再同時混合の間の銀電位(飽和
銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測
定)を、溶液D1を用いてそれぞれ+8mV及び+16mVに
なるよう制御した。
【0073】添加終了後、3%KOHによってpHを6に
合わせ、直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤−1は
ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が、最大隣接
辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子
の平均厚さは0.064μm、平均粒径(円直径換算)は0.59
5μmであることを電子顕微鏡にて確認した。又、厚さの
変動係数は40%、双晶面間距離の変動係数は42%であっ
た。
【0074】〈ハロゲン化銀乳剤(Em−1)の調製〉
上記種乳剤−1と以下に示す4種の溶液を用い、ハロゲ
ン化銀乳剤(Em−1)を調製した。 溶液A2 オセインゼラチン 34.03g ポリプロピレンオキシーポリエチレンオキシージサクシネートナトリウム塩( 10%エタノール水溶液) 2.25ミリリットル 種乳剤−1 1.218モル相当 水で3150ミリリットルに仕上げる 溶液B2 臭化カリウム 1734g 水で3644ミリリットルに仕上げる 溶液C2 硝酸銀 2478g 水で4165ミリリットルに仕上げる 溶液D2 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)から成る微粒子乳剤 0.080モル相当 溶液D2は、0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%の
ゼラチン水溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸銀と、
7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液それぞれ2リット
ルを、10分間かけて添加し、微粒子形成中のpHを硝酸を
用いて2.0に、温度は40℃に制御し、粒子形成後に、炭
酸ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調整しすること
により調製した。
【0075】反応容器内で溶液A2を60℃に保ちながら
激しく撹拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一部及
び溶液D2の半分量を5分かけて同時混合法にて添加
し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分量を
37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部と溶液
2の一部及び溶液D2の残り全量を15分かけて添加し、
最後に溶液B2とC2の残り全量を33分かけて添加した。
この間、pHは5.8に、pAgは、8.8に終始保った。ここ
で、溶液B2と溶液C2の添加速度は臨界成長速度に見合
った速度にした。
【0076】更に、上記溶液D2を全銀量に対して0.15
モル%相当添加してハロゲン置換を行った。
【0077】添加終了後、この乳剤を40℃に冷却し、凝
集高分子剤としてフェニルカルバモイル基で変性された
(置換率90%)変性ゼラチン13.8%(重量)水溶液1800
ミリリットルを添加し、3分間撹拌した。その後、酢酸
56%(重量)水溶液を添加して、乳剤のpHを4.6に調整
し、3分間撹拌した後、20分間静置させ、デカンテーシ
ョンにより上澄み液を排水した。その後、40℃の蒸留水
9.0リットルを加え、撹拌静置後上澄み液を排水し、更
に蒸留水11.25リットルを加え、撹拌静置後、上澄み液
を排水した。続いて、ゼラチン水溶液と炭酸ナトリウム
10%(重量)水溶液を加えて、pHが5.80に成るように調
整し、50℃で30分間撹拌し、再分散した。再分散後、40
℃にてpHを5.80、pAgを8.06に調整した。
【0078】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観
察したところ、平均粒径1.11μm、平均厚さ0.25μm,平
均アスペクト比約4.5、粒径分布の広さ18.1%の平板状
ハロゲン化銀粒子であった。また、双晶面間距離の平均
は0.020μmであり、双晶面間距離と厚さの比が5以上の
粒子が全平板状ハロゲン化銀粒子の97%(個数)、10以
上の粒子が49%、15以上の粒子が17%を占めていた。
【0079】次に、得られた乳剤を60℃にした後に、分
光増感色素(5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,
3′−ジ−(スルホプロピル)−オキサカルボシアニン
ナトリウム塩無水物及び5、5′−ジ−(ブトキシカル
ボニル)−3,3′−ジ−(4−スルホブチル)−べン
ゾイミダゾロカルポシアニンナトリウム塩無水和物)
を、固体微粒子状の分散物として添加した後に、アデニ
ン、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸
ナトリウムの混合水溶液及びトリフェニルフォスフィン
セレナイドの分散液を加え、更に、60分後に沃化銀微粒
子乳剤を加え、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時
に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデン(TAI)の所定量を添加
し、ハロゲン化銀乳剤(Em−1)を調製した。
【0080】なお、上記の添加剤とその添加量(AgX
1モル当たり)を下記に示す。
【0081】 5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ−(スルホプロピル)−オキ サカルボシアニンナトリウム塩無水物 2.0mg 5、5′−ジ−(ブトキシカルボニル)−3,3′−ジ−(4−スルホブチ ル)−べンゾイミダゾロカルポシアニンナトリウム塩無水和物 120mg アデニン 15mg チオシアン酸カリウム 95mg 塩化金酸 2.5mg チオ硫酸ナトリウム 2.0mg トリフェニルフォスフィンセレナイド 0.4mg 沃化銀微粒子 280mg 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI ) 500mg 分光増感色素の固体微粒子状分散物は、特願平4-99437
号明細書に記載の方法に準じた方法によって調製した。
即ち、分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した水に
加え、高速撹拌機(ディゾルバー)で3500rpmにて30〜1
20分間にわたって撹拌することによって得た。
【0082】トリフェニルフォスフィンセレナイド(セ
レン増感剤)の分散液は次のように調製した。即ち、ト
リフェニルフォスフィンセレナイド120gを50℃の酢酸
エチル30kg中に添加、撹拌し、完全に溶解した。他方で
写真用ゼラチン3.8kgを純水38kgに溶解し、これにドデ
シルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25重量%水溶液93
gを添加した。次いでこれらの2液を混合して直径10cm
のディゾルバーを有する高速撹拌型分散機により50℃下
において分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。そ
の後、速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3
重量%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除
去した。その後、この分散液を純水で希釈して80kgに仕
上げた。このようにして得られた分散液の一部を分取し
て使用した。
【0083】なお、上記の沃化銀微粒子の添加により、
ハロゲン化銀乳剤(Em−1)中に含有されるハロゲン
化銀粒子の最表面の平均ヨード含有率は約4モル%とな
っていた。 〈ハロゲン化銀写真感光材料(ア)〜(ウ)の調製〉濃
度0.15に青色着色したX線用のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムベース(厚さ175μm)の両面に下記の横断
光遮光層を予め塗設した支持体の両面に、同時重層塗布
により、下記第1層(乳剤層)及び第2層(保護層)を
形成した。
【0084】記載の付量は、片面当たりの付量である。
【0085】なお、第1層(乳剤層)のゼラチン量を変
化させて、ハロゲン化銀写真感光材料(ア)において
は、第1層(乳剤層)に含まれるゼラチン量を1.2g/m
2とし、ハロゲン化銀写真感光材料(イ)においては、
第1層(乳剤槽)に含まれるゼラチン量を2.0g/m2
し、ハロゲン化銀写真感光材料(ウ)においては、第1
層(乳剤槽)に含まれるゼラチン量を2.2g/m2とし
た。
【0086】 横断光遮光層 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ (平均粒径0.014μm) 10mg/m2 第1層(乳剤層) ハロゲン化銀乳剤(Em−1) (銀の量として)1.6g/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5−トリ アジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニルートリフェニルーホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ 0.5g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 デキストリン (平均分子量1000) 0.2g/m2 第2層(保護層) ゼラチン 0.8g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 50mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2919−O−(CH2CH2O)11−H 3mg/m2817SO2N(C37)〔(CH2CH2O)15H〕 2mg/m2817SO2N(C37)〔(CH2CH2O)4−(CH24S03Na〕 1mg/m2
【0087】
【化1】
【0088】
【化2】
【0089】
【化3】 《現像液処方》
【0090】
【表2】
【0091】実施例1 搬送速度が変化できるよう改造した自動現像機CEPR
OS−30(富士フィルム株式会社製)を用い、表3に
示したハロゲン化銀写真感光材料と現像液の組み合わせ
で現像処理した。
【0092】また、現像温度は35℃、定着温度は34℃、
乾燥風温度は70℃、遠赤外線ヒーター温度は200℃とし
た。現像時間は搬送速度を変更し、表3に記載する時間
になるようにした。
【0093】上記現像処理によって得られたハロゲン化
銀写真感光材料の感度を、実験No.1における感度を100
とする相対値で表3に記載した。
【0094】
【表3】 表3から明らかなように、イオン強度の大きい現像剤A
を用いたのでは、現像時間が短いと感度低下が生じる
が、本発明の現像処理では感度低下が起きない。また、
感度低下が生じるイオン調度の境は0.5付近である。
【0095】実施例2 ハロゲン化銀写真感光材料と現像液を表4に示したハロ
ゲン化銀写真感光材料と現像液の組み合わせで用い、現
像時間を7.0秒とした以外は実施例1と同様にしてハロ
ゲン化銀写真感光材料を処理した。
【0096】なお、現像液は、現像液C及び現像液Dを
基本現像液とし、酢酸量を表4に示したように変更した
現像液を用いた。
【0097】上記現像処理によって得られたハロゲン化
銀写真感光材料の感度を、実験No.15における感度を1
00とする相対値で表4に記載した。
【0098】
【表4】
【0099】実施例3 ハロゲン化銀写真感光材料(イ)を用い、現像時間を7.
0秒とし、現像液Cを基本現像液とし、現像液Cに酢酸
及び水酸化カリウムを添加して現像液C中の酢酸根量を
表5に記載のとおりにした以外は実施例1と同様にして
ハロゲン化銀写真感光材料を処理した。
【0100】上記現像処理によって得られたハロゲン化
銀写真感光材料の感度を、実験No.25における感度を1
00とする相対値で表5に記載した。
【0101】
【表5】 表5から明らかなように、酢酸根が多いと、現像時間を
短くしても感度低下が少ない。
【0102】実施例4 表6に示すように、ハロゲン化銀写真感光材料(ア)及
び(イ)を用い、現像時間を7.0秒とし、現像液C及び
現像液Eを基本現像液とし、現像液C及びEのトリエチ
レングリコール、ジエチレングリコールをエチレングリ
コールに代えるとともに、その添加量を表6に示すよう
に代えた以外は実施例1と同様にしてハロゲン化銀写真
感光材料を処理した。
【0103】現像処理は、9時から17時まで行ない、20
日間続けた。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量は、2.
3m2/日であった。また、現像液の補充量は130cc/m2
定着液の補充量は130cc/m2とした。
【0104】上記現像処理によって得られたハロゲン化
銀写真感光材料の感度を、実験No.31における初日の
感度を100とする相対値で表6に記載した。
【0105】
【表6】 表6から明らかなように、エチレングリコールがより多
いと、経時、即ち空気酸化による感度低下が小さく、な
おかつ、現像時間が短いときの感度低下が少ない。
【0106】
【発明の効果】本発明の現像方法によれば、現像時間が
8秒以下であっても、感度低下や階調低下がない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチン量が2g/m2以下であるハロゲ
    ン化銀写真感光材料を、現像液中の無機塩類のイオン強
    度が0.1〜0.5の現像液で、現像時間3〜7秒で現像する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像処理
    方法。
  2. 【請求項2】 現像液として、酢酸根の濃度が1モル/
    リットル以上である現像液を用いることを特徴とする請
    求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方
    法。
  3. 【請求項3】 現像液として、エチレングリコール類の
    濃度が60〜200g/リットルである現像液を用いること
    を特徴とする請求項1または2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料の現像処理方法。
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