JPH0927314A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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- JPH0927314A JPH0927314A JP7175751A JP17575195A JPH0927314A JP H0927314 A JPH0927314 A JP H0927314A JP 7175751 A JP7175751 A JP 7175751A JP 17575195 A JP17575195 A JP 17575195A JP H0927314 A JPH0927314 A JP H0927314A
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Abstract
液二次電池を提供する。 【構成】 負極に平均粒子径が異なる黒鉛粉末を少なく
とも2種類混合したもので、鱗片状の人造黒鉛あるいは
天然黒鉛を用いる。特に好ましくは、平均粒子径が10
〜20μmの黒鉛粉末と平均粒子径が1〜10μmの黒
鉛粉末を混合したものであり、平均粒子径が1〜10μ
mの黒鉛粉末が占める割合を10〜40重量%にする。
Description
に負極の改善に関するものである。
れ、その電源としての電池に対しても小型、軽量化の要
望が高まっている。中でも負極にリチウム金属を用いる
非水電解液二次電池はその理論エネルギー密度が大なる
ことから大きな期待が寄せられてきた。しかしながら、
負極にリチウム金属を用いた場合、充電時に樹枝状のリ
チウム(デンドライト)が生成し、電池の充放電を繰り
返すうちにこのデンドライトが成長してセパレータを貫
通し、電池の内部短絡を引き起こす問題があり、現在に
至るまで完全には解決されていない。
金属単独ではなく、アルミニウム、鉛、インジウム、ビ
スマス、カドミウムなどの低融点金属とリチウムの合金
を負極とする試みが種々なされてきたが、この場合も電
池の充放電に伴い、合金内へのリチウムの吸蔵、放出を
繰り返すうちに合金が微細化し、この微細な合金がセパ
レータを貫通してリチウム金属負極と同様、電池の短
絡、急激な温度上昇が発生するため解決されたとは言い
難い。
負極にカーボンを用いる電池が提案された。非水電解液
二次電池の負極としてカーボンを用いた電池は1986
年第27回電池討論会要旨集P.97、あるいは198
7年第28回電池討論会要旨集P.201に紹介されて
おり、正極活物質として五酸化バナジウム、二酸化マン
ガン、または酸化クロムを用い、活物質であるリチウム
を負極のカーボン中へ担持させる方法としては電池系外
での電気化学的な手法によるとされている。中でも、正
極に五酸化バナジウム、負極にカーボンを用いた電池が
主としてメモリーバックアップ用途などに用いられるコ
イン形電池として実用化され、負極へのリチウムの担持
方法としては、電池内でリチウム金属とカーボンとを電
気的に接触させる方法がとられている。
会要旨集P.83で電子機器用電源として、正極にLi
CoO2、負極にカーボンを用いた円筒形電池が提案さ
れ、深度の深い充放電において、1200サイクル経過
後も初期の70%以上の容量が保持されていたと報告さ
れている。現在ではこの電池系が4V級リチウムイオン
二次電池として各社で実用化されている。この電池系の
特徴は、負極の充放電反応は負極のカーボン中へのリチ
ウムイオンの吸蔵、放出反応であり、充電に伴う負極上
へのリチウムの析出がおこらず、従ってデンドライトが
生じないため良好なサイクル特性が得られるというとこ
ろにある。同時にこの電池系のもう一つの特徴は、正極
にLiCoO2というリチウム含有酸化物を用いてお
り、活物質であるリチウムは正極から供給されるため、
特別な処法により負極にリチウムを担持させる必要がな
いということにある。
質としては上記のLiCoO2のみならず、LiNi
O2,LiMn2O4,LiFeO2、あるいはこれらC
o,Ni,Mn,Feを他の金属元素で一部置換したも
のなどがこれまで検討されている。また、負極材料であ
るカーボンとして、当初はコークス、熱分解炭素、ある
いは各種有機物の低温焼成品などの、いわゆる非晶質カ
ーボンを中心に検討されてきたが、活物質であるリチウ
ムの吸蔵、放出能力という観点から最近では高結晶性の
カーボン、いわゆる黒鉛系のカーボンが注目されてい
る。
して易黒鉛化性の球状粒子から成る黒鉛質材料が優れた
特性を示すとされている。黒鉛とリチウムの層間化合物
であるC6Liは古くから知られており、電気化学的に
リチウムを吸蔵、放出(インターカレーション、デイン
ターカレーション)した場合、理論容量はカーボン1g
に対し372mAhという非常に大きな値を示す。それ
にもかかわらず、当初リチウムイオン二次電池の負極と
して採用されなかったのはJournal of Electrochemical
Society117,No.2(1970)p.222で報告されているよう
に、現在非水電解液一次電池で電解液の溶媒成分の一つ
として広く用いられているプロピレンカーボネートを用
いると、その溶媒分子が黒鉛の表面で分解し、リチウム
の黒鉛中へのインターカレーション反応がスムーズに行
われないということにあった。これに対し、1992年
第59回電気化学大会講演要旨集P.238では電解液
の溶媒成分にエチレンカーボネートを主体として用いる
ことにより、この問題が解決されると報告されている。
以降、天然黒鉛や種々の人造黒鉛がリチウムイオン二次
電池の負極として検討され、現在ではむしろ黒鉛系の負
極が主流となってきている。
してカーボン自身のリチウムの吸蔵、放出の能力と共
に、電池という限られた体積の中に如何に多量のカーボ
ンを詰め込み得るかという充填性があり、これはカーボ
ンに限らず粉末であればその形状により大きく左右され
るものである。
塊状、鱗片状、繊維状の4つに大別される。リチウムイ
オン電池では通常、集電体である金属薄膜の両面または
片面にカーボンと結着剤の混合ペーストを塗布し、極板
としたものを乾燥後、適宜圧延して電極を形成するが、
上記4種の形状のうちでは鱗片状のカーボンがもっとも
充填性に優れている。すなわち、他の3種の形状のカー
ボンでは極板を乾燥後圧延しても粒子の形状は変わらず
単に密に充填されるだけであるが、鱗片状カーボンは圧
延により粒子が同一方向に配向するため、より緊密性が
大となり充填性も大となる。したがって、リチウムの吸
蔵、放出の能力およびカーボン粉末の充填性という観点
では、天然黒鉛あるいは人造黒鉛でかつ粉末形状が鱗片
状のものがカーボン負極材料として最も優れた材料であ
ると言える。
を施したものであれば産出地の違いによる差はなく使用
できる。また、代表的な鱗片状の人造黒鉛としては石炭
ピッチもしくは石油ピッチを黒鉛化したもので、ロンザ
社製、あるいは日本黒鉛社製の人造黒鉛が挙げられる。
に限らず、粒子径が揃った黒鉛粉末を用いて塗布し一定
の充填密度にした場合、黒鉛の粒子と粒子の間の隙間に
無理に詰め込まれることとなり、充填密度の高いところ
と低いところが生じてしまう。このため充填密度の高い
ところは充放電時のリチウムイオンの移動を妨げてしま
い、高率放電特性が著しく低下してしまう。
を負極材料として用いた場合、配向性が大なるため圧延
により充填性が上がるが、充填性が上がりすぎて空孔部
分が減少してしまうため、充放電に伴うリチウムイオン
の移動を妨げてしまう。また、これらの形状は結晶構造
のa−b面の面積が大半で、電気化学反応に関与するc
軸方向の面積が小さいために、低温放電特性や高率放電
特性が悪いという問題がある。
に、黒鉛粉末の粒子を小さくし、c軸方向の面積を大き
くした場合、上記特性は向上するが、逆に、電池が高温
になった場合にリチウムイオンを吸蔵した黒鉛と電解液
が急速に発熱反応を起こし安全性が悪くなってしまう。
り、粒子径の異なった黒鉛粉末を混合し黒鉛粉末粒子の
配列を調整することで、低温放電特性および高率放電特
性を向上し、かつ安全性に優れた非水電解液二次電池を
提供することを目的としたものである。
ために、本発明は黒鉛からなる負極と、リチウム含有酸
化物からなる正極を備えた非水電解液二次電池であり、
負極として平均粒子径が異なる黒鉛粉末を少なくとも2
種類混合したものを用いたものであり、黒鉛粉末は鱗片
状の人造黒鉛あるいは天然黒鉛が良い。特に好ましく
は、黒鉛粉末の平均粒子径が10〜20μmから選ばれ
たもの1種と黒鉛粉末の平均粒子径が1〜10μmから
選ばれたものを少なくとも1種類混合したものであり、
その混合黒鉛材における平均粒子径が1〜10μmから
選ばれた黒鉛粉末の占める割合が10〜40重量%であ
る。
混合して用いることから、大きな黒鉛の粒子と粒子の隙
間に小さな粒子径をもった黒鉛が入り込み、一定の充填
密度にした場合においても、黒鉛粉末粒子の配列を調整
することで均一な充填密度が得られるため、リチウムイ
オンの移動は妨げることなく均一に行われる。
向上するために、単に小さい粒子径の黒鉛を用いるのと
は違い、粒子径の異なる黒鉛を混合することにより電極
の反応面積を調整し、電池が高温になった場合に起こる
急な発熱反応を起こさない安全性のよい非水電解液二次
電池とすることができる。
詳しく述べる。
面図を示す。図において1は耐有機電解液性のステンレ
ス鋼板を加工した電池ケース、2は安全弁を設けた封口
板、3は絶縁パッキングを示す。4は極板群であり、正
極および負極がセパレータを介して複数回渦巻状に巻回
されて電池ケース1内に収納されている。そして上記正
極からは正極リード5が引き出されて封口板2に接続さ
れている。負極からは負極リード6が引き出され、電池
ケース1の底部に接続されている。7は絶縁リングで極
板群4の上下部にそれぞれ設けられている。以下、正、
負極板等について詳しく説明する。
900℃で10時間焼成して合成したLiCoO2の粉
末100重量部に、アセチレンブラック3重量部、フッ
素樹脂系結着剤7重量部を混合し、カルボキシメチルセ
ルロース水溶液に懸濁させてペースト状にした。このペ
ーストを厚さ0.03mmのアルミ箔の両面に塗工し、
乾燥後圧延して厚さ0.18mm、幅38mm、長さ2
40mmの極板とした。
m、d002=3.36Å、Lc=1000Å、BET
法による表面積=8.2m2/g)100重量部に、ス
チレン/ブタジエンゴム5重量部を混合し、カルボキシ
メチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にし
た。そしてこのペーストを厚さ0.02mmの銅箔の両
面に塗工し、乾燥後圧延して厚さ0.19mm、幅40
mm、長さ280mmの極板とした。
板にはニッケル製のリードをそれぞれ取り付け、厚さ
0.025mm、幅45mm、長さ730mmのポリエ
チレン製多孔質フィルムを介して渦巻状に巻回し、直径
14.0mm、高さ50mmの電池ケースに納入した。
電解液にはエチレンカーボネート(以下ECと略す)と
ジエチルカーボネート(以下DECと略す)プロピオン
酸メチル(以下MPと略す)とを30:50:20の体
積比で混合した溶媒に1モル/リットルのLiPF6を
溶解したものを用い、これを注液した後封口して電池を
作製し、これを電池Aとした。ここで、電池仕様は公称
電圧3.6V、公称容量550mAhとした。
7.8μm(d002=3.36Å、Lc=1000
Å、BET法による表面積=8.2m2/g)の黒鉛粉
末と平均粒子径2.6μm(d002=3.36Å、L
c=1000Å、BET法による表面積=23.2m2
/g)の黒鉛粉末の混合比を変化させた以外は上記と同
様にして電池を作製し、これらを電池B〜Kとした。
(2C放電:30分率)を行った。充放電条件は、環境
温度20℃において充電電流110mA、充電終止電圧
4.2V、放電電流1100mA、放電終止電圧3.0
Vとして行った。さらに、これらの電池を同様の充電条
件で充電状態にした後、外部短絡試験を行った。(表
1)にこれらの試験結果を示す。
を10重量%以上混合することで、2C放電容量は著し
く大きくなり、40重量%混合したところで2C放電容
量はほぼ一定になった。しかし、外部短絡による安全性
試験では、平均粒径の小さな黒鉛粉末を40重量%以下
混合したものまでは急激な温度上昇は起こらなかった
が、40重量%以上混合するとその比率にともない温度
急上昇が大きくなった。
〜40重量%であることが好ましい。
示すように平均粒子径を変化させた単一の黒鉛粉末を負
極に用いた以外は上記実施例と同様にして電池を作製
し、これらを電池L〜Nとした。
例1と同様の方法で高率放電試験および外部短絡試験を
行った。(表2)にこれらの試験結果を示す。
を変化させた場合においては、粒子径を小さくし、表面
積を大きくすることで2C放電容量は大きくなるが、そ
れにともない外部短絡試験の温度急上昇発生率が大きく
なった。このため、安全性が低下し、高率放電特性およ
び安全性ともに優れた電池は得られなかった。
の効果について詳しく述べる。(図2)に実施例および
比較例の電池A〜Nの表面積に対する2C放電容量およ
び外部短絡時発火率を示す。
は、負極に用いた黒鉛粉末の表面積に依存していること
が確認できる。しかし、2C放電容量は、黒鉛粉末の表
面積だけに依存せず、本実施例の電池のように平均粒子
径の大きい黒鉛粉末に平均粒子径の小さい黒鉛粉末を混
合することで、単に黒鉛粉末の平均粒子径を変化させた
比較例の電池よりも放電容量は大きなものが得られた。
応面積だけではなく、リチウムイオンの移動が容易に行
えるかどうかということが影響を及ぼすためである。
布した場合は、黒鉛の粒子と粒子の間に隙間が生じ、一
定の充填密度にした場合、隙間に無理に詰め込まれるこ
ととなり、充填密度の高いところと低いところが生じて
しまう。このため充填密度の高いところは充放電時のリ
チウムイオンの移動を妨げてしまい、高率放電特性が著
しく低下してしまう。
いた場合は、大きな黒鉛の粒子と粒子の隙間に小さな粒
子径の黒鉛が入りこみ、一定の充填密度にした場合でも
均一な充填密度が得られ、充放電時のリチウムイオンの
移動は妨げられることなく均一に行われる。
粉末を負極に用いた場合、その粒子径が大きすぎるため
に集電体上に塗布、圧延することが困難であり、また、
10μm以下の黒鉛を用いた場合は外部短絡時に急激な
温度上昇が起こりやすくなることから、10μm〜20
μmの黒鉛を少なくとも一種類用いることが望ましい。
は困難であり、また粉砕によりこのような平均粒子径を
得た場合でも収率は悪く、コスト的にも不利であること
から、1μm〜10μmの黒鉛を少なくとも一種類用い
ることが望ましい。
μmの黒鉛粉末に平均粒子径2.6μmの小粒子黒鉛粉
末を混合したが、小さい粒子の黒鉛粉末の平均粒子径が
5.3μmあるいは7.8μmであっても良い。また、
大きい粒子の黒鉛粉末の平均粒子径が12.1μmを用
いた場合においても同様の効果が得られる。
2を用いたが、リチウムイオンを含む化合物であるLi
NiO2やLiMn2O4更にはこれらのCo、Ni、あ
るいはMnの一部を他の元素、例えばCo、Mn、F
e、Niなどで置換した複合化合物を用いた場合でも同
様の効果が得られる。上記複合酸化物は、例えば、リチ
ウムやコバルトの炭酸塩あるいは酸化物を原料として、
目的組成に応じて混合、焼成することにより容易に得る
ことができ、勿論他の原料を用いた場合においても同様
に合成できる。通常焼成温度は650℃〜1200℃の
間で設定される。
が使用できるが、黒鉛材料を負極に使用する場合、プロ
ピレンカーボネート(以下PCと略す)は充電時に分解
反応を起しガス発生を伴う傾向があるために好ましくな
く、同様な環状カーボネートである本実施例で用いたエ
チレンカーボネート(EC)がPCの場合のような副反
応をほとんど伴わないために適していると言える。しか
しながら、ECは非常に高融点であり常温では固体であ
るために単独溶媒での使用は困難である。従って、低融
点であり且つ低粘性の溶媒である1,2−ジメトキシエ
タンやジエチルカーボネート(DEC)、さらにはプロ
ピオン酸メチル(MP)などの脂肪族カルボン酸エステ
ルとの混合溶媒を用いることが好ましい。また、これら
の溶媒に溶解するLi塩として本実施例では六フッ化リ
ン酸リチウムを用いたが、ホウフッ化リチウム、六フッ
化ヒ酸リチウム、過塩素酸リチウムなど従来より公知の
ものを用いた場合でも同様の効果が得られる。
は、負極に平均粒子径が10〜20μmの黒鉛粉末と平
均粒子径が1〜10μmの黒鉛粉末を混合し、特に平均
粒子径が1〜10μmの黒鉛粉末が占める割合を10〜
40重量%にすることで、一定の充填密度にした場合に
おいても、均一な充填密度が得られるため、リチウムイ
オンの移動を妨げることなく、高率放電特性および安全
性に優れた非水電解液二次電池を提供することができ
る。
液二次電池の縦断面図
発火率の関係を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】黒鉛からなる負極とリチウム含有酸化物か
らなる正極と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池
であり、前記負極は平均粒子径が異なる黒鉛粉末を少な
くとも2種類混合した黒鉛混合材を用いたことを特徴と
する非水電解液二次電池。 - 【請求項2】黒鉛粉末は、鱗片状の人造黒鉛あるいは天
然黒鉛である請求項1記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項3】黒鉛混合材は、黒鉛粉末の平均粒子径が1
0〜20μmから選ばれたものを少なくとも1種と黒鉛
粉末の平均粒子径が1〜10μmから選ばれたものを少
なくとも1種を混合したものである請求項1記載の非水
電解液二次電池。 - 【請求項4】黒鉛混合材において平均粒子径が1〜10
μmから選ばれた黒鉛粉末の占める割合が10〜40重
量%である請求項1記載の非水電解液二次電池。
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