JPH09272893A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JPH09272893A
JPH09272893A JP3982097A JP3982097A JPH09272893A JP H09272893 A JPH09272893 A JP H09272893A JP 3982097 A JP3982097 A JP 3982097A JP 3982097 A JP3982097 A JP 3982097A JP H09272893 A JPH09272893 A JP H09272893A
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JP
Japan
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acid ester
acid
weight
polyglycerin
fatty acid
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Application number
JP3982097A
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English (en)
Inventor
Toshiro Endo
敏郎 遠藤
Terumasa Daito
照政 大東
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体に対して安全でかつ高い洗浄力を有する
洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 脂肪酸とグリシドールとから付加重合反
応により合成された一般式(1)で表されるモノエステ
ル体含有率が70重量%以上のポリグリセリンモノ脂肪
酸エステルを含む洗浄剤組成物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な洗浄剤、さら
に詳しくは、人体に対して安全であり、かつ高い洗浄力
を有し、特に食品、加工食品原料、食品製造設備、食器
類等の洗浄に好適な洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品工業用洗浄剤や台所用洗浄剤等は、
洗浄対象物に洗浄剤が残留した場合、飲食等により人体
に摂取される可能性が高いことから、安全性が重要な問
題となっている。特に食品工業用洗浄剤は、食品そのも
のを対象とする場合が多いため、安全性の観点からショ
糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステル等の食品
添加物を基剤とした洗浄剤が多く用いられている(「食
衛誌」第18巻、第3号、第217ページ等)。
【0003】一方、特開平6−158090号公報に
は、イオン性界面活性剤であるモノグリセリド多価カル
ボン酸エステルとグリセリン脂肪酸エステルを組合わせ
た基剤を用いた洗浄剤が記載されている。しかしなが
ら、これらの洗浄剤は洗浄力の面で十分に満足し得るも
のではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況のもと、人体に対して安全であり、かつ高い洗浄力
を有し、特に食品、加工食品原料、食品製造設備、食器
類等に好適に用いられる洗浄剤組成物を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、安全性の高い基剤である特定のポリグリセ
リンモノ脂肪酸エステルを含む組成物、および特定のポ
リグリセリンモノ脂肪酸エステルと特定のモノグリセリ
ド多価カルボン酸エステルもしくはその塩とを所定の割
合で含有する組成物が、人体に対して安全であり、かつ
高い洗浄力を有することを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、脂肪酸とグリシドール
とから付加重合反応により合成された一般式(1)で表
されるモノエステル体含有率が70重量%以上のポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステル(モノ置換体を主成分と
し、それ以外の置換体も含まれるが、便宜上、このよう
に称す。以下、同様。)を含む洗浄剤組成物を提供する
ものである。また、脂肪酸とグリシドールとから付加重
合反応により合成されたモノエステル体含有率が70重
量%以上のポリグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)、
および一般式(2)で表わされるモノグリセリド多価カ
ルボン酸エステルまたはその塩(B)を含み、(A)/
(B)の重量比が10/90〜70/30の割合である
ことを特微とする洗浄剤組成物を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤組成物には、モノ
エステル体含有率が70重量%以上のポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステル(A)を用いる。
【0010】従来、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製
造方法としては、(1)ポリグリセリンと脂肪酸類との
エステル化反応[JAOCS(Journal of
American Oil Chemists Soc
iety)第58巻、第878頁(1981年)、特開
平6−41007号公報等を参照]、(2)ポリグリセ
リンと脂肪酸エステル類とのエステル交換反応、(3)
ポリグリセリンと油脂類とのエステル交換反応、(4)
グリシドールと脂肪酸モノグリセライド類との付加重合
反応[US Patent 4,515,775を参
照]、(5)グリシドールと脂肪酸類との付加重合反応
(特開昭51−65705号公報参照)等が知られてい
る。
【0011】本発明で使用する脂肪酸とグリシドールと
から合成されたモノエステル体含有率が70重量%以上
のポリグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)は、上記
(5)の方法で製造される。一般式(1)中、nは好ま
しくは4以上であり、グリシドールと脂肪酸類の使用量
比により変えることができる。
【0012】本発明で使用するポリグリセリンモノ脂肪
酸エステルの製造には、Rの炭素数が6〜21の脂肪酸
RCOOHを用いる。ここで、Rはアルキル基、アルケ
ニル基またはヒドロキシル基で置換されたアルキル基を
表わす。即ち、前記脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂
肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸でも側鎖をもつ脂肪酸
でも、さらにはヒドロキシル基置換脂肪酸でもよい。こ
れらの脂肪酸としては、たとえばカプリル酸、2−エチ
ルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、ベヘン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロ
キシステアリン酸等がある。
【0013】脂肪酸とグリシドールの反応は、酸性触媒
の存在下で反応させることが好ましい。使用し得る酸性
触媒としては、リン酸類またはリン酸のエステル類があ
り、具体的には、リン酸、無水リン酸、ポリリン酸、オ
ルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リ
ン酸等のリン酸類または、メチルアシッドホスフェー
ト、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッ
ドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、2−エ
チルヘキシルアシッドホスフェート等の酸性リン酸エス
テル類等を用いることができる。なお、本発明では、こ
れら酸性リン酸エステルのモノエステル体、ジエステル
体混合物のいずれも使用することができる。また、これ
らを単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよ
い。
【0014】触媒の添加量は、脂肪酸に対して0.01
〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
0.01重量%未満では反応速度が小さく、10重量%
を越えると、効果の向上は期待できず、使用する触媒に
よっては触媒が開始剤となりグリシドールの付加重合体
が多く生成し好ましくない。
【0015】反応方法は、反応容器中に脂肪酸をとり、
これに前記触媒を添加し、グリシドールを少量ずつ添加
しながら反応を行う。反応温度は50〜180℃、好ま
しくは70〜160℃であり、より好ましくは120〜
140℃である。50℃未満では反応速度が小さく、ま
た180℃を越えると着色が激しくなり230℃以上で
はグリシドールが分解して副反応を起こし好ましくな
い。
【0016】この場合、反応温度の上昇を防止するた
め、グリシドールと反応しない低沸点化合物を添加して
もよい。また反応は窒素ガス雰囲気下で行うことが望ま
しく、必要に応じて加圧してもよい。以上の反応により
脂肪酸にグリシドールが付加重合してより高重合度のポ
リグリセリンモノ脂肪酸エステルが生成する。生成物
は、モノエステル体含有率の高いポリグリセリンモノ脂
肪酸エステルである。
【0017】本発明に用いるモノエステル体含有率が7
0重量%以上のポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
(A)とは、カラムクロマト分析法で溶離し、紫外線吸
収検出器を用いて検出される一般式(1)で示されるモ
ノ脂肪酸エステル体のピーク面積がポリグリセリン脂肪
酸エステル全体のピーク面積に対し、70%以上である
ことをいう。ここでカラムクロマト分析法とは、官能基
として、例えばオクタデシルシリル基、オクチルシリル
基、ブチルシリル基、トリメチルシリル基、フェニルシ
リル基を結合したシリカゲルを担体として用いる逆相分
配カラム分析法を用い、特に好ましくはオクタデシルシ
リル(ODS)基が結合したシリカゲルを担体として用
いる高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」
という。)による。
【0018】HPLCの展開溶媒は、ポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルの脂肪酸の種類やグリシドールの付加
モル数により異なるため、被検体の溶解性および分離性
から展開溶媒を決定する。具体的には、被検体の溶解性
および分離性に優れた具体的な展開溶媒としては、アル
コールまたはアルコールと水との混合溶液が好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等が例示できる。なお、例えばポリグリセリ
ンモノラウリン酸エステルにはメタノールを、ポリグリ
セリンモノステアリン酸エステルにはエタノールを使用
することが好ましい。
【0019】展開溶媒の流速は、使用するカラムの耐圧
及び得られるクロマトグラムの分離度合により選択し、
通常0.05〜1.0ml/minの範囲、より好まし
くは、0.1〜0.8ml/minの範囲である。カラ
ム温度は、好ましくは30〜60℃の範囲である。な
お、紫外線吸収検出器の波長は210nmを用いる。
【0020】HPLCに供する試料は、使用する展開液
を溶媒として用いることが好ましく、濃度及び注入量は
被検体の溶解性および分離性に優れた量を選択する。具
体的には、試料の濃度は1〜50%が好ましく、注入量
は0.1〜20μlが好ましい。
【0021】含有率の測定は、以下に従う。ODSカラ
ムによるHPLC分析では、一般に極性の順に溶離され
る。従って、ポリグリセリン同士であれば、まず極性の
高い無置換ポリグリセリンが溶離され、次いでポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリンジ脂肪酸エ
ステルが検出される。一方、グリセリンモノ脂肪酸エス
テル同士であれば、極性の高いポリグリセリンモノエス
テルが最初に溶離され、最後にグリセリンモノエステル
が溶離される。従ってポリグリセリンとグリセリンモノ
脂肪酸エステルの標準品を同条件でHPLC分析し、標
準品と検体との保持時間を比較検討し、グリセリンモノ
エステルの溶離以降に溶離されるものをジエステル以上
の多置換エステル成分とする。
【0022】モノ脂肪酸エステル体の含有率(重量%)
は、以下に従いピーク面積比で表す。分析チャートか
ら、ポリグリセリンのピーク面積、ポリグリセリンのモ
ノ脂肪酸エステル(「ポリグリセリン」とあるが、本発
明においてはグリセリン部分はポリグリセリンからモノ
グリセリンまでを含む。)のピーク面積、およびジエス
テル以上の多置換エステル成分のピーク面積を求める。
次いで、下記式に従い算出する。なお、溶媒は、ピーク
位置がポリグリセリン、モノ脂肪酸エステル、ジエステ
ル以上の多置換エステルのいずれのピークとも重複しな
いものを選択する。また下記式は、溶媒の保持時間がジ
エステルの溶離以降であることを前提とする。
【0023】
【数1】式:ポリグリセリンのモノ脂肪酸エステル体の
含有率(重量%)={ポリグリセリンのモノ脂肪酸エス
テル体のピーク面積/(ポリグリセリンのピーク面積+
ポリグリセリンのモノ脂肪酸エステルのピーク面積+ジ
エステル以上の多置換エステルのピーク面積)}×10
0(%)
【0024】具体的なHPLCの分析条件を例示する。 カラム:Wakosil 5C18×2(和光純薬工業
(株)製:逆相分配カラムであるオクタデシルシリル基
を官能基として持つカラム、サイズ:4.6mmφ×2
50mm)、展開溶媒:メタノール、流速:0.05〜
1.0ml/min.、カラムオーブン温度:30〜6
0℃、検出方法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試
料濃度:1〜50%(溶媒:メタノール)、注入量:
0.1〜20μl。各成分のリテンションタイムは、例
えばポリグリセリンモノラウリン酸エステルの場合、ポ
リグリセリン:8分以前、モノラウリン酸エステル体:
8分〜12分、ジラウリン酸エステル体以上:12分以
降である。
【0025】上記方法で製造されたポリグリセリンモノ
脂肪酸エステルは製造条件によっては、グリシドールに
由来すると考えられるオキシラン酸素を500〜200
0ppm含有していることがある。従って、上記方法で
得られた生成物に水を添加し、加熱した後脱水する方法
によりオキシラン酸素濃度の検出量が少ない高純度ポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステルに精製することができ
る。
【0026】添加する水の量は、最初の工程で得られた
ポリグリセリン脂肪酸エステル液に対して0.1〜20
重量%の範囲で選ぶことが好ましい。水の量が0.1重
量%未満であると、未反応グリシドールを十分に低減す
ることができず、20重量%を越えるときは、後処理操
作が繁雑になり、いずれも好ましくない。添加する水の
量の特に好ましい範囲は、1〜10重量%である。
【0027】また、この精製工程でポリグリセリンモノ
脂肪酸エステル液に水を添加した後、加熱することによ
り、未反応グリシドールをグリセリンに変換させること
ができる。この際の加熱温度は、60〜200℃の範囲
で選ぶことが好ましい。加熱温度が60℃未満である
と、未反応グリシドールまたは副反応の生成物と推定さ
れるオキシラン基含有化合物由来の残存するオキシラン
酸素濃度を十分に低減することができず、200℃を越
えると目的生成物であるポリグリセリンモノ脂肪酸エス
テルが着色するので、いずれも好ましくない。
【0028】上記温度範囲で特に好ましくは、80〜1
60℃の範囲である。加熱時間は、温度にもよるが、
0.5〜15時間、特に好ましくは1〜7時間の範囲で
ある。脱水は、蒸留、共沸蒸留、減圧蒸留等によること
ができる。蒸留する際の加熱温度は、100〜200℃
の範囲で選ぶことが好ましい。加熱温度が100℃未満
であると、製品のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルに
含まれる水を除去するのに十分でなく、200℃を越え
ると生成物の高純度ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
が着色するので、いずれも好ましくない。上記温度範囲
で特に好ましいのは、110〜160℃の範囲である。
脱水時間は、温度、減圧度にもよるが、1〜10時間の
範囲で選ばれる。中でも好ましいのは、1〜6時間の範
囲である。
【0029】このようにして精製されたポリグリセリン
モノ脂肪酸エステルは、A.O.C.S.試験法Cd.
9−57で規定された滴定法によるオキシラン酸素濃度
が100ppm未満の高純度ポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルである。
【0030】本発明の洗浄剤組成物では、上記方法で製
造されたモノエステル体含有率が70重量%以上のポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステルを1種または2種以上を
組合せて用いることができる。この様なポリグリセリン
モノ脂肪酸エステルを洗浄剤組成物の全量に対して1.
0〜50.0重量%含有することができ、さらに、好ま
しくは、2.0〜10.0重量%である。洗浄剤組成物
におけるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が
1.0重量%より少ないと洗浄力に乏しくなり、50.
0重量%を超えた場合には洗浄力の効果も飽和に達し、
洗浄力の向上はみられなかった。従来のポリグリセリン
モノ脂肪酸エステルは、モノエステル含有率が50〜6
0重量%と低く、このようなポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルでは、本発明の目的とする十分な効果が得られ
ない。
【0031】本発明の洗浄剤組成物は、一般式(2)で
表されるモノグリセリド多価カルボン酸エステルもしく
はその塩(B)を配合することができる。一般式(2)
において、R1は炭素数7〜17のアルキル基またはア
ルケニル基を示し、Z1およびZ2はいずれか一方が多価
カルボン酸もしくはその塩の残基を示し、他方は水素原
子または多価カルボン酸もしくはその塩の残基を示す。
式中、R1のアルキル基またはアルケニル基は、直鎖状
であってもく、分枝鎖状であってもよい。具体例とし
て、ヘプチル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル
基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル
基等が挙げられるが、洗浄力の点でノニル基、ウンデシ
ル基、トリデシル基が好ましい。またZ1およびZ2とし
ては、具体的にクエン酸、コハク酸、マレイン酸、リン
ゴ酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、ジアセチル酒
石酸等の二塩基酸や三塩基酸もしくはそれらの塩の残基
が例示できる。これらの中では、特にコハク酸、クエン
酸、ジアセチル酒石酸もしくはその塩の残基が好適であ
る。また、塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等
のアルカリ土類金属塩、さらにはアンモニウム塩、低級
アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)塩、
リジン塩、モノ、ジまたはトリ低級アルカノールアミン
(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等)塩等の置換もしくは無置換のアンモ
ニウム塩等が挙げられる。
【0032】モノグリセリド多価カルボン酸もしくはそ
の塩(B)において、酸型は加工食品原料等に付着する
生菌数の減少効果を有し、一方、塩型は牛脂等の汚垢に
対し、高い洗浄力を示す。したがって、必要に応じ両者
を適宜混合して使用することが好ましい。また、モノグ
リセリド多価カルボン酸塩は、精製工程でモノグリセリ
ドの1位あるいは2位の水酸基に多価カルボン酸が結合
した位置異性体や、該多価カルボン酸がモノグリセリド
に2分子結合したものを一部生成することがあるが、本
発明においては、このような混合物をそのまま使用して
も差し支えない。
【0033】本発明の洗浄剤組成物において、脂肪酸と
グリシドールから付加重合反応により合成されたモノエ
ステル体含有率が70重量%以上のポリグリセリンモノ
脂肪酸エステル(A)とモノグリセリド多価カルボン酸
もしくはその塩(B)とを配合する場合には、(A)/
(B)が重量比で10:90〜70:30、特には2
0:80〜60:40の割合であることが好ましい。そ
の理由は(A)の重量比が10以下の場合、洗浄力の効
果が劣り十分な効果が発現されないからである。
【0034】本発明の洗浄剤組成物には、本発明の目的
がそこなわれない範囲で、通常の洗剤に慣用される添加
成分の中から任意のものを選択して添加することができ
る。添加成分としては、例えば平均付加モル数5〜10
のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル
(前記(B)成分を除く)、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノエタノ
ールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、あるいは
カルボキシベタイン型、イミダゾリニウム型、スルホベ
タイン型、アラニン型両性界面活性剤等の人体に対して
マイルドな界面活性剤、ピロリン酸ナトリウム、トリポ
リリン酸ナトリウム、ゼオライト、クエン酸ナトリウ
ム、リンゴ酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸ナトリウム等のビルダー、炭酸ナト
リウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネ
シウム、塩化カルシウム等の無機ビルダー、グリセリ
ン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール等の流動性向上剤、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、さらに
は香料、着色剤、殺菌剤、酵素、抗炎症剤等が挙げられ
る。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお
「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
【0036】[参考例1]窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とリン酸(85%品)0.0622gを加え、1
40℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃に保ち
ながらグリシドール3.0mol(222.24g)を
5時間かけて滴下し、さらに温度を保ち、26時間反応
を続けた。冷却後反応物を取り出し、ヘキサグリセリン
モノラウリン酸エステルを約300g得た。得られたヘ
キサグリセリンモノラウリン酸エステルを下記したHP
LCの分析条件で評価したところ、モノ置換率は87.
7%であった。
【0037】(HPLCの分析条件) 使用機器;日本分光社製HPLC装置(LC System Stat
ion LCSS-905 Chromatography, UV-970 variable wavel
ength UV detector at 210nm) カラム:Wakosil 5C18×2、展開溶媒:M
eOH、流速:0.75ml/min.、カラムオーブ
ン温度:40℃、検出方法:紫外線吸収法(λ=210
nm)、試料濃度:10%、注入量:5μlとした。
【0038】[参考例2]グリシドールを4.0mol
(296.32g)使用した以外は参考例1と同様の操
作を行い、冷却後反応物を取り出し、オクタグリセリン
モノラウリン酸エステルを約400g得た。得られたオ
クタグリセリンモノラウリン酸エステルをHPLCで評
価した評価したところ、モノ置換率は84.5%であっ
た。
【0039】[参考例3]グリシドール5.0mol
(370.40g)使用した以外は参考例1と同様な操
作を行い、冷却後反応物を取り出し、デカグリセリンモ
ノラウリン酸エステルを約470g得た。得られたデカ
グリセリンモノラウリン酸エステルをHPLCで分析し
たところ、モノ置換率は77.2%であった。
【0040】[比較参考例1/脂肪酸とポリグリセリン
との反応の場合]窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調
節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの4ツ口フラ
スコにポリグリセリン[ダイセル化学工業(株)製PG
L06:ヘキサグリセリン、水酸基価960]175.
3g(0.5mol)を取り、80℃に加熱し、温度を
80℃に保ちながらラウリン酸0.5mol(100.
16g)を加え溶解させた。次いで、炭酸ナトリウム
0.75gと亜硫酸水素ナトリウム0.25gを加え、
210℃でエステル化反応を行った。2時間の反応で、
酸価が0.89となり、100℃に冷却後反応生成物を
取り出した。得られたポリグリセリンモノラウリン酸エ
ステルをHPLCで分析したところ、モノ置換率は5
5.1%であった。
【0041】[比較参考例2、3/市販品ポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルの評価結果]ポリグリセリンと脂
肪酸との反応より製造される市販品ポリグリセリンモノ
脂肪酸エステルとして、SYグリスター(阪本薬品工業
製)の2品番(ML−500、ML−750)を選択し
た。これらのポリグリセリンモノラウリン酸エステルを
HPLCで評価した評価したところ、ML−500(ヘ
キサグリセリンモノラウリン酸エステル)、ML−75
0(デカグリセリンモノラウリン酸エステル)のモノ置
換率はそれぞれ52.0%、44.3%であった。ま
た、それぞれを比較参考例2、3とする。
【0042】<実施例1>表−1に示す(A)成分1
6.0重量部に、トリポリリン酸ナトリウム35重量部
及び無水硫酸ナトリウム49.0重量部を加え、さらに
イオン交換水l00重量部を加えて、60℃において均
一になるようにかきまぜたのち、硫酸でpHを7.0に
調整し、次いでスプレードライして洗浄剤を調製した。
500mlのビーカーで、各洗浄剤1.3gを25℃の
水道水400mlで溶解した。洗浄剤溶液をマグネチッ
クスターラーで撹拌させながら、牛脂0.03〜0.0
4g/1枚を塗布したスライドガラス4枚を5分間浸漬
させた。牛脂がガラス表面より剥離した面積の割合(4
枚の平均値)を洗浄力(%)とした。結果を表−1に示
す。なお、化合物A7(ショ糖ラウリン酸エステル)に
ついては、その16重量部を用い、前記と同様にして洗
浄剤を調製し、洗浄力を求めた。
【0043】<実施例2>表−2に示す(A)成分5.
0重量部と(B)成分11.0重量部との混合物に、ト
リポリリン酸ナトリウム35重量部及び無水硫酸ナトリ
ウム49.0重量部を加え、さらにイオン交換水l00
重量部を加えて、60℃において均一になるようにかき
混ぜた後、硫酸でpHを7.0に調整し、次いでスプレ
ードライして洗浄剤を調製した。各洗浄剤について実施
例1と同様に操作して、洗浄力を評価した。結果を表−
2に示す。
【0044】<実施例3>グリセリンコハク酸モノラウ
リン酸エステル12.0重量部、参考例1で得たポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステル5.0重量部、トリポリリ
ン酸ナトリウム35.0重量部、クエン酸2.5重量部
及び硫酸ナトリウム45.5重量部を混合して洗浄剤を
調製した。次に、この洗浄剤を水に溶かして0.33重
量%濃度の水溶液を調製し、大豆を洗浄した。得られた
洗浄剤は高洗浄力を示した。
【0045】<実施例4>グリセリンコハク酸モノミリ
スチン酸エステル15.0重量部、参考例1で得たポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステル2.0重量部、参考例3
で得たポリグリセリンモノ脂肪酸エステル5.0重量
部、ピロリン酸ナトリウム30.0重量部、リン酸2.
0重量部及び硫酸ナトリウム46.0重量部を混合して
洗浄剤を調製した。次に、この洗浄剤を水に溶かして、
0.20重量%濃度の水溶液を調製し、トマトを洗浄し
た。得られた洗浄剤は高い洗浄力を示した。
【0046】<実施例5>グリセリンコハク酸モノラウ
リン酸エステル0.10重量%と参考例1で得たポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステル0.03重量%とを含有す
る水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整
し、洗浄剤水溶液を調製した。得られた洗浄剤水溶液に
ついて、以下の方法により除菌力を評価した。
【0047】大正金時豆10gと上記洗浄剤水溶液90
mlとを500mlの三角フラスコに入れ、5分間振盪
した。次いでこの豆と滅菌水90mlとl00mlの三
角フラスコに入れ、35℃の恒温室にて20時間静置し
た。次いで、無菌下でこの豆をホモジナイザーにかけて
微粉砕し、滅菌ガーゼで固形物を分離し濾液を得た。こ
の濾液を試料原液とした。得られた試料原液を滅菌生理
食塩水で10倍に希釈し、滅菌シヤーレに1ml分注し
た。これに、予め高圧滅菌後約50℃に保温しておいた
標準寒天培地15〜20mlを注ぎ、直ちに試料液と培
地とを混合し、次いで培地が完全に凝固するまで静置し
た。凝固後、35℃で2日間培養し、シャーレ中のコロ
ニー数を計測した。この結果、豆1g当りの菌数は10
以下であった。なお、比較のために洗浄剤水溶液に代え
て水(pH7)を用いて同様の操作および評価を行っ
た。その結果、豆1g当りの菌数は5.5×l06であ
った。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、安全性の高い特定のポ
リグリセリンモノ脂肪酸エステルを含む洗浄剤組成物が
提供される。また、特定のポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルと特定のモノグリセリド多価カルボン酸エステル
もしくはその塩とを所定の割合で含有させた洗浄剤組成
物が提供される。これらは洗浄力が高く、かつ安全性に
優れ、食品、加工食品原料、食品製造設備、食器類等の
洗浄用として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸とグリシドールとから付加重合反
    応により合成された一般式(1)で表されるモノエステ
    ル体含有率が70重量%以上のポリグリセリンモノ脂肪
    酸エステルを含む洗浄剤組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 脂肪酸とグリシドールとから付加重合反
    応により合成されたモノエステル体含有率が70重量%
    以上のポリグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)、およ
    び一般式(2)で表わされるモノグリセリド多価カルボ
    ン酸エステルまたはその塩(B)を含み、(A)/
    (B)の重量比が10/90〜70/30の割合である
    ことを特微とする洗浄剤組成物。 【化2】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241263A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Pola Chem Ind Inc 水性洗浄料

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