JPH09271339A - 電子レンジ調理用生麺類の製造方法 - Google Patents

電子レンジ調理用生麺類の製造方法

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JPH09271339A
JPH09271339A JP8104822A JP10482296A JPH09271339A JP H09271339 A JPH09271339 A JP H09271339A JP 8104822 A JP8104822 A JP 8104822A JP 10482296 A JP10482296 A JP 10482296A JP H09271339 A JPH09271339 A JP H09271339A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製麺性がよく、麺本来の食感を保持しうる電
子レンジ調理用麺類の製造方法を提供する 【解決手段】 ヒドロキシプロピル化コーン澱粉などの
糊化開始温度が50〜60℃の化工澱粉およびグリアジ
ンを主成分とする小麦蛋白質を、全粉原料中でそれぞ
れ、10〜50重量%、0.5〜5重量%となる量、他
の粉原料に添加して麺帯を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジ調理用生
麺類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンジは解凍、加温ばかりでなく、
調理用にも使用されるようになり、短時間で調理できる
手軽さから、特に、少量の材料の調理、個食の加熱、調
理に広く利用されるようになってきている。このような
利用に供するため、麺類においても、例えば、即席フラ
イ麺やα化後乾燥させた即席麺類、冷凍麺類などの電子
レンジ調理用のものが上市されている。しかし、これら
は、いずれも熱処理を経ており、熱処理を経ないで、電
子レンジ調理により可食状態にできる生麺は従来知られ
ていない。
【0003】一方、麺類の製造にあたり、グリアジンを
主成分とする小麦蛋白質を添加する方法を本発明者らは
提案した(例えば、特開平6−105662号公報、特
開平7−289187号公報等)。しかし、通常の小麦
粉に添加して製造した麺類では電子レンジ調理の特徴で
ある短時間加熱(1〜3分)により手軽に可食麺類とす
ることはできない。
【0004】また、化工澱粉を含有させることについて
も多くの提案(例えば特開平4−252147号公報
等)がされており、化工澱粉を大量(30重量%以上)
に使用すると、短時間で糊化させることはできるが、製
麺時および生麺の保存時に麺線が切れやすくなる。これ
を防止するため、グルテンを添加する方法や麺線の保存
性向上を兼ねて加熱殺菌により、麺線の一部をα化する
方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記方法、グ
ルテンを添加する方法では茹で時間が長くなり、一部α
化する方法では麺の食感が小麦粉を用いた麺本来の食感
とは異なるものとなってしまう。そこで、本発明におい
ては、製麺性がよく、短時間の電子レンジ加熱により、
麺本来の食感に調理することのできる電子レンジ調理用
生麺類の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、糊化開始温度が
50〜60℃の化工澱粉およびグリアジンを主成分とす
る小麦蛋白質、またはそれらとα化澱粉を粉原料に添加
して麺帯を作ることにより、生麺類を電子レンジ調理に
より、短時間で可食状態にすることができ、しかも麺本
来の食感を保持できることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0007】すなわち、本発明は、糊化開始温度が50
〜60℃の化工澱粉を粉原料中、10〜50重量%およ
びグリアジンを主成分とする小麦蛋白質を0.5〜5重
量%となる量、粉原料に添加して麺帯を形成することを
特徴とする電子レンジ調理用生麺類の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】化工澱粉とは、一般に生澱粉に焼
成(焼成澱粉)、分解(デキストリン)、化学修飾など
の加工を施された澱粉類をいうが、本発明において用い
ることのできる化工澱粉としては、化学修飾を施され
た、糊化開始温度が50〜60℃のものであればその加
工方法および原料澱粉に限定されない。例えば、タピオ
カ澱粉、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉などをその
原料澱粉として挙げることができ、化学修飾としては、
酢酸エステル等の有機酸エステル化、次亜塩素酸などに
よる酸化、ヒドロキシプロピル化、エーテル化などを挙
げることができる。タピオカ澱粉、コーン澱粉または小
麦澱粉などのヒドロキシプロピル化澱粉が、溶解性、匂
い等に影響が少ないこと及び糊化温度の点から好まし
い。
【0009】グリアジンは、小麦グルテンから70容量
%エタノール水溶液により抽出される蛋白質の混合物で
ある。本発明で用いるグリアジンを主成分とする小麦蛋
白質としては、小麦粉より分離された生グルテンまたは
グルテン粉末より、50〜70容量%エタノール水溶液
抽出法、10〜30容量%イソプロピルアルコール水溶
液抽出法、20〜50容量%アセトン水溶液抽出法など
により抽出されるものや、5〜20容量%の低濃度エタ
ノール水溶液に乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸などの
有機酸またはその塩類を添加することにより抽出液のp
Hを3.5〜5.5に調整した酸性エタノール水溶液抽
出法(特開平6−105662号公報、特開平7−28
9187号公報参照)により抽出されるものなど、いず
れの抽出法によるものでもよい。
【0010】このような抽出法によって、通常、グリア
ジンを50〜100重量%含有する乾燥抽出物が得られ
る。本発明においては、これらのうち、好ましくは、酸
性エタノール水溶液抽出法による抽出物であり、乾燥粉
末中、グリアジン含有量は70重量%以上である。
【0011】化工澱粉及びグリアジンを同時に添加する
ことにより、生の麺線のつなぎ効果を持たせることがで
きるとともに、茹で時間をむしろ短縮することができ、
電子レンジ調理に好適な生麺を得ることができる。
【0012】本発明において、化工澱粉は、小麦粉、そ
ば粉、澱粉、グリアジンを主成分とする小麦蛋白質な
ど、および化工澱粉を含む全粉原料中で、10〜50重
量%となる量を添加する。化工澱粉の量が10重量%未
満では麺類の電子レンジ調理に長時間を要し、好ましく
ない。一方50重量%を超えると麺線が脆くなり、保存
中の麺線が切れるとともに、食感、風味等の低下が著し
くなるおそれがある。好ましい添加量は、20〜50重
量%となる量であり、さらに好ましくは、茹で時間の比
較的長いうどんなどにおいては30〜50重量%、日本
そばや中華麺などの茹で時間の短い麺類においては、2
0〜40重量%である。
【0013】また、グリアジンを主成分とする小麦蛋白
質は、粉原料中で0.5〜5重量%となる量添加する。
粉原料中で0.5重量%未満では麺線のつなぎ効果が発
揮されない。一方5重量%を超えると、麺の食感が麺本
来の食感とは異なったものとなってしまう。グリアジン
を主成分とする小麦蛋白質の好ましい添加量は1〜4重
量%となる量である。これらは添加方法には限定されな
いが、好ましくは他の粉原料との粉−粉混合である。
【0014】また、本発明においては、さらにα化澱粉
を麺生地に含有させることにより、製麺時のつなぎ効果
を補助することができるとともに、製麺時の加水量を増
加することができるため、茹で時間の短縮に寄与でき、
電子レンジ調理用にさらに好適な生麺を得ることができ
る。α化澱粉としては、その澱粉原料及びα化方法に限
定されない。例えば、澱粉原料として、タピオカ澱粉、
コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉などを挙げることが
でき、α化方法としては澱粉を水に分散させたスラッジ
をドラムドライヤーなどでα化と乾燥を同時に行う方
法、澱粉をエクストルーダーなどで直接α化粉末を作る
方法、澱粉を水に分散させ、加熱し、α化した溶液を噴
霧乾燥機などで乾燥する方法などを挙げることができ
る。好ましくは、α化の作業性、澱粉粉の特性(付着性
等)等の点から、コーン澱粉のドラムドライヤーを用い
たα化澱粉である。
【0015】α化澱粉の好ましい添加量は粉原料中、1
〜10重量%、さらに好ましくは1〜6重量%となる量
であり、特に好ましくは化工澱粉の添加量が少なくてよ
い中華麺などにおいては1〜3重量%、日本そばやうど
んのように化工澱粉またはそば粉を多く使用するものに
おいては4〜6重量%である。好ましい添加方法は化工
澱粉等と同様、他の粉原料との粉−粉混合である。
【0016】製麺方法は、常法によればよく、混捏、麺
帯成形、麺帯複合、麺帯熟成、麺帯圧延、切断(麺線と
する)の工程で日本そばや中華麺の生麺を作ることがで
きる。また、うどんにおいては、切断前の麺帯の厚さを
2.5〜1.5mmとすることにより生麺を得る。
【0017】本発明の製造方法においては、通常、麺類
に混合される原料又は添加物を混合することができる。
これらの例としては、例えばそば粉、米粉、トウモロコ
シ粉等の穀粉類;馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱
粉、コーン澱粉、小麦澱粉、米澱粉、等の澱粉類又はそ
れらの有機酸エステル、リン酸架橋、エーテル化、酸化
などを施した化工澱粉のうち、糊化開始温度が本発明の
範囲外のもの;卵白、乳蛋白、大豆蛋白、グルテンなど
の動植物性蛋白質類;キサンタンガム、グアガム、カラ
ギーナン、ローカストビーンガム、カードラン、寒天、
コンニャク、ゼラチン、タマリンドウガム、ペクチン、
ジェランガム、アルギン酸又はその塩類等のガム類;糖
質またはその還元物、グリセリン、プロピレングリコー
ルなどのポリオール類;油脂類;グリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステ
ル、レシチン、酵素処理レシチン等の乳化剤類;クエン
酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、リン
酸、炭酸、塩酸、硫酸等の酸類またはそのナトリウム、
カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩類があ
る。これらはその一種又は二種以上を併用してもよい。
【0018】本発明においては、これらの小麦粉以外の
混合物の添加方法及び添加量には限定されないが、添加
方法としては、小麦粉に混合する方法と水に溶解させる
方法があるが、好ましくは小麦粉に混合する方法であ
る。
【0019】また、これらの混合物の添加量は、穀粉類
または澱粉類においては小麦粉との置換量が5〜50重
量%であり、それ以外のものにあっては小麦粉に対し
0.01〜5重量%である。
【0020】本発明における麺類としては、うどん、日
本そば、中華麺などを挙げることができる。これらは、
電子レンジ調理の可能な容器に1〜2食分収容し、喫食
に際して水やお湯を注いで、電子レンジ調理されるよう
な生麺として好適である。
【0021】さらに本発明の生麺は通常のガス火加熱に
よる調理においても、従来の生麺よりはるかに短時間で
調理できることはいうまでもない。
【0022】電子レンジによる調理方法としては、例え
ば、通常1食分、即ち100〜150gの生麺にお湯2
50〜300gとして、家庭用に普及している出力50
0wの電子レンジにおいては、比較的茹で時間の短い日
本そばや中華麺の場合、麺の入った容器にお湯(95℃
以上)を注ぎ蓋をした後、60〜90秒間、電子レンジ
で加熱した後、濃縮スープを入れる調理方法、またはそ
のお湯を一旦捨て、新たにお湯と濃縮スープを入れる方
法を挙げることができる。また、比較的茹で時間の長い
うどんの場合、麺の入った容器にお湯を注ぎ蓋をした
後、60〜90秒間電子レンジで加熱した後、そのま6
0〜120秒間放置し、その後濃縮スープを入れる調理
方法、またはそのお湯を捨て新たにお湯を注ぐと同時に
濃縮スープを入れ再び電子レンジで60〜90秒間加熱
する調理方法がある。さらにはお湯の代わりに、水を使
用することもでき、この場合、電子レンジによる加熱時
間が僅かに長くなる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例において、%は特に説明のない限り、
重量基準である。
【0024】参考例1(グリアジンを主成分とする小麦
蛋白質の調製) 粉末グルテン(オギルビー社製)1kgを10容量%の
エタノール水溶液10リットルにクエン酸2gを溶解し
た酸性エタノール水溶液に加え、室温で2時間攪拌抽出
した後、遠心分離機で分離した上澄液を濃縮、乾燥し、
約400gのグリアジンを主成分とする蛋白質(蛋白質
含有量75%)を得た(以下、グリアジン蛋白質と略記
する)。
【0025】実施例1、比較例1〜3 準強力小麦粉5kgと化工澱粉(糊化開始温度58℃、
ヒドロキシプロピル化コーン澱粉)4.6kg、グリア
ジン蛋白質400gを混合した粉原料を混捏機に入れ、
食塩200gを4.3kgの水に溶解させた水溶液を加
え、20分間混捏した後、製麺機で厚さ6〜7mmの麺
帯とし、麺帯が乾燥しないようにビニール袋に包み、室
温で約1時間、熟成させた。その後、圧延ロールの間隙
を狭くしながら、厚さ約1.7mmになるまで麺帯を圧
延した。この麺帯を玉取り機で切歯12番で麺線とし、
生うどんを得た。同時に化工澱粉とグリアジン蛋白質を
中力小麦粉に置き換え、同様にして生うどんを得た(比
較例1)。また、実施例1においてグリアジン蛋白質を
準強力小麦粉に替えた生うどん(比較例2)、グリアジ
ン蛋白質をグルテンに替えた生うどん(比較例3)を同
様にして得た。
【0026】各生うどんについて、製麺性と調理食味試
験を行った。調理食味試験は、生うどん100gをそれ
ぞれ500mlの発泡スチロール製容器に入れ、95℃
のポットのお湯を300ml入れ、ラップで蓋をし、電
子レンジで90秒間加熱した後、お湯を切り、新たにポ
ットのお湯約250mlと濃縮麺汁50ml、カレー調
味料10gを入れ、再びラップで蓋をして、電子レンジ
で60秒間加熱してカレーうどんを得、得られたカレー
うどんについて10人のパネラーにより、風味と食感の
評価として行った。
【0027】その結果、製麺性については、本発明の方
法、比較例1の方法は製麺性がよいのに対し、比較例
2、3の方法においては、麺線が切れてしまい、製麺性
に劣るものであり、特に比較例2においてはその傾向が
強く、うどんを作ることができなかった。また、調理食
味試験においては、10人のパネラーの全てが、本発明
で得られたカレーうどんは、腰、滑らかさ共、釜上げう
どんと同等であると評価したのに対し、比較例1、3の
ものはこの時間では茹だっておらず、粉臭さが残り、硬
く、滑らかさのないものと評価した。
【0028】次に、実施例1の生うどん及び比較例1の
生うどんについて、水を用いた場合の調理に要する時間
を比較した。各生うどん100gを1,000mlの電
子レンジ対応性袋に入れ、400mlの水を加えて、茹
だるまでの電子レンジ加熱時間を測定した。その結果、
実施例1の生うどんは約5分間で茹だったのに対し、比
較例1のものは約倍の9〜10分間の電子レンジ加熱が
必要であった。
【0029】実施例2、比較例4 中力小麦粉5kgと実施例1で使用した化工澱粉4.2
kg、α化コーン澱粉500g、グリアジン蛋白質30
0gを混合した粉原料を混捏機に入れ、食塩200gお
よび重炭酸ナトリウム90gを4.3kgの水に溶解さ
せた水溶液を加え、20分間混捏した後、製麺機で厚さ
6〜7mmの麺帯とし、麺帯が乾燥しないようにビニー
ル袋に包み、室温で約1時間、熟成させた。その後、圧
延ロールの間隙を狭くしながら、厚さ約1.7mmにな
るまで麺帯を圧延した。この麺帯を玉取り機で切歯12
番で麺線とし、生うどんを得た。同時にグリアジン蛋白
質を小麦グルテンに、α化澱粉を中力小麦粉に換えて、
同様にして生うどんを得た(比較例4)。
【0030】各うどんについて、製麺性および調理食味
試験を行った。調理食味試験において、始めの電子レン
ジ加熱時間を90秒とするほかは、実施例1と同様に評
価した。その結果、製麺性においては、本発明の方法は
製麺性がよいのに対し、比較例4の方法では麺線が切れ
てしまい、製麺性に劣るものであった。また、調理食味
試験においては、10人のパネラーの全てが、本発明で
得られたカレーうどんは腰、滑らかさとも、釜上げうど
んと同等であると評価したのに対し、比較例4において
は、この時間では茹だっておらず、粉臭さが残り、硬
く、滑らかさのないものと評価した。
【0031】実施例3、比較例5、6 準強力小麦粉6.8kgと実施例1で使用した化工澱粉
3.0kg、グリアジン蛋白質200gを混合した粉原
料を混捏機に入れ、食塩100gとかん粉100gを
4.3kgの水に溶解した水溶液を加え、20分間混捏
した後、製麺機で厚さ6〜7mmの麺帯とし、麺帯が乾
燥しないようにビニール袋に包み、室温で約1時間、麺
帯を熟成させた。その後、圧延ロールの間隙を狭くしな
がら、厚さ1.5mmになるまで麺帯を圧延した。この
麺帯を玉取り機で切歯20番で麺線とし、生中華麺を得
た。同時に化工澱粉とグリアジン蛋白質を準強力小麦粉
に替え、同様にして生中華麺を得た(比較例5)。さら
に、グリアジン蛋白質の代わりに小麦グルテンを用いて
同様にして生中華麺を得た(比較例6)。
【0032】各生中華麺150gをそれぞれ500ml
の発泡スチロール製容器に入れ、95℃のポットのお湯
を300ml入れ、ラップで蓋をし、電子レンジで90
秒間加熱した後、お湯を切り、新たにポットのお湯約2
50mlと濃縮中華スープ30ml(醤油味)を入れ、
醤油ラーメンを得た。これを、10人のパネラーによ
り、風味と食感について、評価した。
【0033】その結果、10人のパネラーの全てが、本
発明の方法で得られた醤油ラーメンは腰、滑らかさと
も、生中華麺を通常のガス火加熱で茹でたものと同等で
あると評価したのに対し、比較例5、6のものは茹だっ
ておらず、粉臭さが残り、硬く、滑らかさのないものと
評価した。
【0034】実施例4 準強力小麦粉6.6kgと実施例1で使用した化工澱粉
3.0kg、実施例2で使用したα化澱粉200g、グ
リアジン蛋白質200gを混合した粉原料を混捏機に入
れ、食塩100gとかん粉100gを4.5kgの水に
溶解した水溶液を加え、20分間混捏した後、製麺機で
厚さ6〜7mmの麺帯とし、麺帯が乾燥しないようにビ
ニール袋に包み、室温で約1時間、麺帯を熟成させた。
その後、圧延ロールの間隙を狭くしながら、厚さ1.5
mmになるまで麺帯を圧延した。この麺帯を玉取り機で
切歯20番で麺線とし、生中華麺を得た。
【0035】得られた生中華麺について、実施例3と同
様にして調理食味試験を行った。その結果、実施例3に
おいては、電子レンジにおける加熱に90秒間が必要で
あったのに対し、実施例4のものは、60秒間の加熱で
可食状態とすることができた。また、加水を実施例3よ
り多くしたにもかかわらず、製麺性においては同等であ
った。
【0036】実施例5、比較例7 強力小麦粉3.3kgとそば粉3.0kg、実施例1で
使用した化工澱粉3.0kg、グリアジン蛋白質400
g、α化コーン澱粉300gを混合した粉原料を混捏機
に入れ、食塩100gとグアガム60gを4.3kgの
水に溶解した水溶液を加え、20分間混捏した後、製麺
機で厚さ6〜7mmの麺帯とし、麺帯が乾燥しないよう
にビニール袋に包み、室温で約1時間、麺帯を熟成させ
た。その後、圧延ロールの間隙を狭くしながら、厚さ
1.5mmになるまで麺帯を圧延した。この麺帯を玉取
り機で切歯20番で麺線とし、生そばを得た。同時に、
化工澱粉とグリアジン蛋白質、α化澱粉を強力小麦粉に
替え、グアガムを入れないで同様にして生そばを得た
(比較例7)。
【0037】各生そば150gをそれぞれ500mlの
発泡スチロール製容器に入れ、95℃のポットのお湯を
300ml入れ、ラップで蓋をし、電子レンジで60秒
間加熱した後、お湯を切り、新たにポットのお湯約25
0mlと濃縮そばスープ30mlを入れ、かけそばを得
た。これを、10人のパネラーにより、風味と食感につ
いて、評価した。
【0038】その結果、10人のパネラーの全てが、本
発明の方法で得られた生そばは腰、滑らかさとも生そば
を通常のガス火加熱で茹でたものと同等であると評価し
たのに対し、比較例7のものは茹だっておらず、粉臭さ
が残り、硬く、滑らかさのないものと評価した。
【0039】実施例6 実施例4の準強力小麦粉の一部(60g)を乾燥卵白分
に替え、実施例4と同様にして生中華麺を得た。この生
麺と実施例4の生中華麺を使用して、実施例4と同様の
調理方法で調理し、醤油ラーメンの茹で伸び試験を行っ
た。
【0040】その結果、実施例6のものは、実施例4の
ものに比べ、可食状態になった後の茹で伸びを有意に抑
制した。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、糊化開始温度が50〜
60℃の化工澱粉を粉原料中、10〜50重量%および
グリアジンを主成分とする小麦蛋白質を0.5〜5重量
%となる量、添加して麺帯を形成することにより、製麺
性がよく、電子レンジ調理に好適な生麺類を得ることが
できる。さらには、α化澱粉を添加することにより、加
熱時間のさらに短く電子レンジ調理にさらに好適な麺類
を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糊化開始温度が50〜60℃の化工澱粉
    を粉原料中、10〜50重量%およびグリアジンを主成
    分とする小麦蛋白質を0.5〜5重量%となる量、粉原
    料に添加して麺帯を形成することを特徴とする電子レン
    ジ調理用生麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 α化澱粉1〜10重量%をさらに添加す
    る請求項1記載の電子レンジ調理用生麺類の製造方法。
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