JPH09268174A - マレイミド類の製造方法 - Google Patents

マレイミド類の製造方法

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JPH09268174A
JPH09268174A JP8081614A JP8161496A JPH09268174A JP H09268174 A JPH09268174 A JP H09268174A JP 8081614 A JP8081614 A JP 8081614A JP 8161496 A JP8161496 A JP 8161496A JP H09268174 A JPH09268174 A JP H09268174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法では、工業的に高純度のマレイミ
ドを単離することは非常に困難であった。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1,R2は、各々独立して、水素、炭素数1
〜10のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するア
リール基又はR1,R2が炭素−炭素結合により結合し
た環状置換基を示す。)で示されるN−カルバモイルマ
レイミド類を脱カルバモイルさせて、下記一般式(I
I) 【化2】 (式中、R1,R2は、各々独立して、水素、炭素数1
〜10のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するア
リール基又はR1,R2が炭素−炭素結合により結合し
た環状置換基を示す。)で示されるマレイミド類を製造
するに当たり、3級アミンの存在下に反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマレイミド類の製造
方法に関する。
【0002】マレイミドは、医薬、農薬の中間体原料と
して、また各種高分子化合物の原料及びゴムの硬化剤と
して有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】N−カルバモイルマレイミドからマレイ
ミドを製造する方法は、ジャーナルオブ オーガニック
ケミストリー,Vol.25,pp.56〜60,
(1960)に報告されている。これによれば、無水マ
レイン酸と尿素から得られるN−カルバモイルマレアミ
ド酸を無水酢酸で閉環させてN−カルバモイルマレイミ
ドを得た後、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中、
95℃〜99℃に加熱して35分間反応し、副生したシ
アヌル酸を濾別、DMF溶媒を減圧下に留去後、蒸留し
て85%の収率でマレイミドが単離できることが記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、高価なDMF溶媒を使用するばかりでなく、
DMFは高沸点を有するため完全には留去できない。そ
の結果、蒸留によりDMFとマレイミドを分離する必要
が生じるが、DMFとマレイミドを蒸留により十分に分
離することは困難である。さらに、マレイミドは結晶性
の高い化合物であり、マレイミド蒸気密度が高くなると
蒸留装置内にマレイミド結晶が固結し、蒸留塔を閉塞し
てしまうという問題があり、工業的にマレイミドを蒸留
単離することは非常に困難である。
【0005】一方、反応液から一部DMFを留去した
後、抽出によりマレイミドを単離する方法も考えられる
が、抽出過程でDMFは有機相にも分配するため、DM
Fに高い溶解性を有する副生シアヌル酸のマレイミド結
晶中への混入を避けることはできないという問題があ
る。さらに、水相に分配するDMFによりマレイミドが
同伴されてしまうためマレイミドの回収率が低下すると
いう問題もある。
【0006】以上のように従来の方法では、工業的に高
純度のマレイミドを単離することは非常に困難であっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点に鑑みて鋭意検討を行った結果、N−カルバモイ
ルマレイミドを脱カルバモイルしてマレイミドを製造す
るに当たり、3級アミンを存在させることにより、単離
を困難とするDMF以外の溶媒を用いても該脱カルバモ
イル反応が進行し、その結果、反応液から簡便な操作に
より容易に高純度のマレイミドを単離できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1,R2は、各々独立して、水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、
無置換若しくは置換基を有するアリール基又はR1,R
2が炭素−炭素結合により結合した環状置換基を示
す。)で示されるN−カルバモイルマレイミド類を脱カ
ルバモイルさせて、下記一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1,R2は、各々独立して、水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、
無置換若しくは置換基を有するアリール基又はR1,R
2が炭素−炭素結合により結合した環状置換基を示
す。)で示されるマレイミド類を製造するに当たり、3
級アミンの存在下に反応させることを特徴とするマレイ
ミド類の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。
【0014】本発明の方法において原料として用いられ
るN−カルバモイルマレイミド類は、下記一般式(I)
【0015】
【化5】
【0016】で表されるN−カルバモイルマレイミド類
である。上記一般式(I)中、R1,R2は、各々独立
して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜10のア
ルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又
はR1,R2が炭素−炭素結合により結合した環状置換
基を示す。なお、アルキル基としては入手の容易さから
炭素数が1〜4のアルキル基が好ましい。
【0017】上記一般式(I)で表されるN−カルバモ
イルマレイミド類の製造方法は特に限定されない。例え
ば、無水マレイン酸又はその誘導体と尿素を酢酸溶媒中
50〜60℃で反応させて得られるN−カルバモイルマ
レアミド酸を、無水酢酸溶媒中で脱水閉環させることに
より容易に製造できるが、いかなる方法により製造され
たものを使用しても差し支えない。
【0018】本発明の方法に使用される上記一般式
(I)で表されるN−カルバモイルマレイミド類として
は、具体的には、N−カルバモイルマレイミド、2−ク
ロロ−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジクロロ
−N−カルバモイルマレイミド、2−ブロモ−N−カル
バモイルマレイミド、2,3−ジブロモ−N−カルバモ
イルマレイミド、2−メチル−N−カルバモイルマレイ
ミド、2,3−ジメチル−N−カルバモイルマレイミ
ド、2−エチル−N−カルバモイルマレイミド、2,3
−ジエチル−N−カルバモイルマレイミド、2−n−プ
ロピル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(n
−プロピル)−N−カルバモイルマレイミド、2−イソ
プロピル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジイ
ソプロピル−N−カルバモイルマレイミド、2−n−ブ
チル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(n−
ブチル)−N−カルバモイルマレイミド、2−イソブチ
ル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジイソブチ
ル−N−カルバモイルマレイミド、2−(2−ブチル)
−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(2−ブチ
ル)−N−カルバモイルマレイミド、2−t−ブチル−
N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(t−ブチ
ル)−N−カルバモイルマレイミド、2−n−ペンチル
−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(n−ペン
チル)−N−カルバモイルマレイミド、2−イソペンチ
ル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジイソペン
チル−N−カルバモイルマレイミド、2−ネオペンチル
−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジネオペンチ
ル−N−カルバモイルマレイミド、2−n−ヘキシル−
N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(n−ヘキシ
ル)−N−カルバモイルマレイミド、2−n−ヘプチル
−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(n−ヘプ
チル)−N−カルバモイルマレイミド、2−n−オクチ
ル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジ(n−オ
クチル)−N−カルバモイルマレイミド、2−(2−エ
チルヘキシル)−N−カルバモイルマレイミド、2,3
−ジ(2−エチルヘキシル)−N−カルバモイルマレイ
ミド、2−n−ノニル−N−カルバモイルマレイミド、
2,3−ジ(n−ノニル)−N−カルバモイルマレイミ
ド、2−n−デシル−N−カルバモイルマレイミド、
2,3−ジ(n−デシル)−N−カルバモイルマレイミ
ド、2−フェニル−N−カルバモイルマレイミド、2,
3−ジフェニル−N−カルバモイルマレイミド、2−ト
リル−N−カルバモイルマレイミド、2,3−ジトリル
−N−カルバモイルマレイミド、N−カルバモイルフタ
ルイミド、3,4,5,6,−テトラヒドロ−N−カル
バモイルフタルイミド等を挙げることができる。
【0019】本発明の方法に使用される3級アミンとし
ては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、メチ
ルジイソプロピルアミン、N−メチルピロリジン、N−
エチルピロリジン等の3級モノアミン類、トリエチレン
ジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン等の環状3級
ジアミン類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデカ−7−エンに代表されるイミノ基を含む3級アミ
ン類、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミンに代表されるN,N,N’N’−テトラアルキルジ
アミン類、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−
メチルピペラジン等、3級ポリアミン類を例示すること
ができる。これらのうち3級モノアミン類及び環状3級
ジアミン類が反応性を向上させるため好ましい。
【0020】3級アミンの使用量は、原料のN−カルバ
モイルマレイミド類に対して通常0.1重量%〜30重
量%であり、好適には0.5重量%〜20重量%の範囲
で使用される。上記範囲に対して、3級アミンの添加量
が少なすぎると、熱分解反応が十分に進行せず原料回収
となり、逆に多くなり過ぎると経済的に不利となるばか
りか、水洗時に有機相に残留し製品内に混入するおそれ
がある。
【0021】本発明の方法に使用される溶媒としては、
例えば、酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチル等のエ
ステル類、ジオキサン,エチレングリコールジメチルエ
ーテル,エチレングリコールジエチルエーテル等のエー
テル類、メチルプロピルケトン,メチルイソブチルケト
ン等のケトン類を挙げることができる。これらのうち取
扱いの容易さからエステル類が好ましく使用される。こ
れらの溶媒はいずれも減圧下で容易に溶媒留去が可能で
ある。また、これらの溶媒にシアヌル酸が溶解すること
はないため、回収するマレイミド中にシアヌル酸が混入
することはない。
【0022】溶媒の使用量は、原料のN−カルバモイル
マレイミド類に対して通常1.5〜10重量倍、好まし
くは2〜4重量倍の範囲である。上記範囲に比べて溶媒
量が少なすぎると副生するシアヌル酸がスラリーとなる
ため、攪拌が困難となり十分な反応収率が得られないこ
とがある。また、過剰の使用は経済的に不利である。
【0023】本発明の方法における反応温度は通常60
〜150℃の範囲であり、好ましくは70〜100℃で
ある。
【0024】本発明の方法における反応時間は通常0.
5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。上記範囲に
比べて反応時間が短かすぎる場合は、十分に反応が進行
せず未反応の原料が残存するおそれがある。逆に反応時
間が長すぎる場合には、生産性が低下する。
【0025】本発明の方法は通常空気中で実施される
が、窒素及びアルゴン等の不活性気体の雰囲気下で実施
してもよい。
【0026】また、本反応では重合禁止剤は不要である
が、生成物は重合性の高いオレフィンを有していること
から重合禁止剤を添加しても差し支えない。重合禁止剤
としては硫酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸銅等の
無機及び有機塩を使用することができる。
【0027】本発明の方法により生成したマレイミド
は、以下に示すような方法により容易に回収することが
できる。
【0028】生成したマレイミドは、副生するシアヌル
酸を濾別した後、濾液側を水洗し、得られる有機相から
減圧下に溶媒を留去するだけで高純度マレイミドを得る
ことができる。
【0029】また必要であれば、シアヌル酸を濾別し、
濾液を水洗後、反応溶媒をマレイミドが難溶でかつマレ
イミドに対して不活性な溶媒に置換することにより、析
出するマレイミド結晶を濾別回収することも可能であ
る。
【0030】溶媒置換に使用される溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類
等を挙げることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、マレイミドの単
離を困難とするDMF以外の溶媒を使用することがで
き、簡便な操作により高純度のマレイミドを単離するこ
とが可能となる。
【0032】
【実施例】本発明を以下に実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるも
のではない。
【0033】参考例 N−カルバモイルマレイミドの合成 2Lのセパラブルフラスコに無水マレイン酸400g、
尿素240g及び酢酸800gを仕込み、温度を56℃
に設定した。56℃でこの混合液を8時間攪拌した後、
15℃まで冷却した。析出した結晶を濾別後、乾燥して
N−カルバモイルマレアミド酸350g(収率54.8
%)を得た。
【0034】得られたN−カルバモイルマレアミド酸3
50g及び無水酢酸875gを2Lのセパラブルフラス
コに仕込み、この混合液を反応温度90℃で3時間攪拌
し、閉環反応を行った。
【0035】15℃に冷却後、析出した結晶を濾別し、
アセトン250mlで洗浄し、不純物を除去した後、乾
燥してN−カルバモイルマレイミド221.0g(収率
71.3%)を得た。
【0036】実施例1 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコにN−カルバモイルマレイミド40g、酢酸エ
チル120ml(108.6g)、トリエチルアミン
1.0ml(0.73g)を仕込み、反応温度を75℃
に昇温した。
【0037】75℃で2時間反応を行った後、15℃ま
で冷却し、15℃で1.0時間攪拌を行った。
【0038】副生したシアヌル酸を濾別した後、濾液を
60mlの水で水洗した。有機相から酢酸エチルを90
Torrの減圧下に留去した後、減圧乾燥してマレイミ
ド20.7gを得た。
【0039】得られた結晶をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、純度>99wt%であった。さらに、
高速液体クロマトグラフィーで分析を行ったところ、純
度97.5wt%であり、収率は72.8%であった。
【0040】実施例2 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコにN−カルバモイルマレイミド40g、酢酸エ
チル120ml(108.6g)、トリエチレンジアミ
ン5.6gを仕込み、反応温度を75℃に昇温した。
【0041】75℃で2時間反応を行った後、15℃ま
で冷却し、15℃で1.0時間攪拌を行った。
【0042】副生したシアヌル酸を濾別した後、濾液を
60mlの水で水洗した。有機相から酢酸エチルを90
Torrの減圧下に留去した後、減圧乾燥してマレイミ
ド20.1gを得た。
【0043】得られた結晶をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、純度>99wt%であった。さらに、
高速液体クロマトグラフィーで分析を行ったところ、純
度97.6wt%であり、収率は70.9%であった。
【0044】実施例3 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコにN−カルバモイルマレイミド40g、1,4
−ジオキサン120ml(123.8g)、トリエチル
アミン1.0ml(0.73g)を仕込み、反応温度を
75℃に昇温した。
【0045】75℃で2時間反応を行った後、15℃ま
で冷却し、15℃で1.0時間攪拌を行った。
【0046】副生したシアヌル酸を濾別した後、濾液か
ら溶媒を減圧下に留去した。その後酢酸エチル120m
lを加え、60mlの水で水洗した。
【0047】有機相から酢酸エチルを90Torrの減
圧下に留去した後、減圧乾燥してマレイミド20.6g
を得た。
【0048】得られた結晶をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、純度>99wt%であった。さらに、
高速液体クロマトグラフィーで分析を行ったところ、純
度97.0wt%であり、収率は72.0%であった。
【0049】実施例4 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコに2,3−ジメチル−N−カルバモイルマレイ
ミド40g、酢酸エチル120ml(108.6g)、
トリエチルアミン2.0ml(1.46g)を仕込み、
反応温度を75℃に昇温した。
【0050】75℃で2時間反応を行った後、15℃ま
で冷却し、15℃で1.0時間攪拌を行った。
【0051】副生したシアヌル酸を濾別した後、60m
lの水で水洗した。
【0052】有機相から酢酸エチルを90Torrの減
圧下に留去した後、減圧乾燥してマレイミド26.7g
を得た。
【0053】得られた結晶をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、純度>99wt%であった。
【0054】さらに、高速液体クロマトグラフィーで分
析を行ったところ、純度は98.0wt%であり、収率
は73.4%であった。
【0055】実施例5 2,3−ジメチル−N−カルバモイルマレイミドの代わ
りに、3,4,5,6−テトラヒドロ−N−カルバモイ
ルフタルイミドを使用した以外は実施例4と同様に反応
操作を行い、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミ
ド23.7gを得た。
【0056】得られた結晶をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、純度>99wt%であった。
【0057】さらに高速液体クロマトグラフィーで分析
を行ったところ、純度は98.5wt%であり、収率は
75.1%であった。
【0058】実施例6 2,3−ジメチル−N−カルバモイルマレイミドの代わ
りに、2,3−ジクロロ−N−カルバモイルマレイミド
を使用した以外は実施例4と同様に反応操作を行い、
2,3−ジクロロマレイミド22.6gを得た。
【0059】得られた結晶をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、純度>99wt%であった。
【0060】さらに高速液体クロマトグラフィーで分析
を行ったところ、純度は98.4wt%であり、収率は
70.1%であった。
【0061】比較例1 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコにN−カルバモイルマレイミド40g、DMF
80gを仕込み、反応温度を99℃に昇温した。99℃
で0.5時間反応を行った後、15℃まで冷却し、15
℃で1.0時間攪拌を行った。副生したシアヌル酸を濾
別した後、濾液からDMFを減圧下に60g留去した。
【0062】得られた液体を、4Torr、100℃で
減圧蒸留した。この際、蒸留装置内でマレイミドが固結
し、減圧口を閉塞させたため、蒸留の継続は困難であっ
た。
【0063】この蒸留により得られた結晶は7.8gで
あった。この結晶をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、十分にDMFとの分離ができず、純度は96.
9wt%であり、収率は27.0%であった。
【0064】比較例2 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコにN−カルバモイルマレイミド40g、DMF
80gを仕込み、反応温度を99℃に昇温した。99℃
で0.5時間反応を行った後、15℃まで冷却し、15
℃で1.0時間攪拌を行った。副生したシアヌル酸を濾
別した後、濾液からDMFを減圧下に60g留去した。
その後酢酸エチル120mlを加え、60mlの水で水
洗した。
【0065】油水分離後、水相をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、10%のマレイミドが存在するこ
とが解った。
【0066】また、有機相から酢酸エチル及びDMFを
40Torrの減圧下、90℃で留去した後、減圧乾燥
したが結晶の析出はなく、マレイミドを含む黄色液体2
8.6gを得た。
【0067】この黄色液体をガスクロマトグラフィーで
分析したところ8.2gのDMFが含有されていた。
【0068】得られた液体に水50mlを添加し、5℃
で2時間静置し、析出結晶を濾別し13.5gの結晶を
得た。この結晶をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、DMFが残存し純度は90wt%であり、収率は
43.8%であった。。
【0069】比較例3 攪拌機、温度計及び冷却管を付した200mlの四つ口
フラスコにN−カルバモイルマレイミド40g、酢酸エ
チル120ml(108.6g)を仕込み、反応温度を
75℃に昇温した。
【0070】78℃で2時間反応を行った後、15℃ま
で冷却し、15℃で1.0時間攪拌を行った。
【0071】析出した結晶を濾別した後、濾液を高速液
体クロマトグラフィーで分析したところ、マレイミドの
ピークは全く観測されず、N−カルバモイルマレイミド
が観測された。
【0072】また、濾滓結晶を分析したところ原料のN
−カルバモイルマレイミドであることがわかった。
【0073】アミン不存在下では全く反応の進行は確認
されなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1,R2は、各々独立して、水素原子、ハロ
    ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、無置換若しく
    は置換基を有するアリール基又はR1,R2が炭素−炭
    素結合により結合した環状置換基を示す。)で示される
    N−カルバモイルマレイミド類を脱カルバモイルさせ
    て、下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1,R2は、各々独立して、水素原子、ハロ
    ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、無置換若しく
    は置換基を有するアリール基又はR1,R2が炭素−炭
    素結合により結合した環状置換基を示す。)で示される
    マレイミド類を製造するに当たり、3級アミンの存在下
    に反応させることを特徴とするマレイミド類の製造方
    法。
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