JPH09263048A - レーザマーキング用記録体及びそのための組成物 - Google Patents

レーザマーキング用記録体及びそのための組成物

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JPH09263048A
JPH09263048A JP8072149A JP7214996A JPH09263048A JP H09263048 A JPH09263048 A JP H09263048A JP 8072149 A JP8072149 A JP 8072149A JP 7214996 A JP7214996 A JP 7214996A JP H09263048 A JPH09263048 A JP H09263048A
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JP
Japan
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imino
laser
iminoisoindoline
mica
compound
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JP8072149A
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English (en)
Inventor
Akihiro Iwamoto
明洋 岩本
Toshiyuki Kiyonari
俊之 清成
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ光によるマーキングによってラベル等
の表示体や文書を作成するための、発色感度が高く画像
安定性に優れた記録体及びそれのための組成物を提供す
る。 【構成】 記録体の感熱発色層を形成するための組成物
中に、発色成分として芳香族イソシアナート化合物とイ
ミン化合物を使用し、レーザ用増感剤として天然雲母、
合成雲母、カオリンの中から選ばれる少なくとも1種を
使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像(本明細書に
おいては、文字や記号も「画像」に含まれるものとす
る)の保存性に優れたラベル等の表示体、文書等を提供
するためのレーザマーキング用記録体及びそのための組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像保存性の優れた感熱記録
材料として、芳香族イソシアナート化合物と、イミノ化
合物との反応が応用されている。例えば、特開昭58−
149388号等に開示されている。また、この感熱記
録材料を用いた部分印刷が可能なインクとしては、特開
平2−129275号及び特開平2−265978号に
開示されている。
【0003】一方、レーザ光を利用したマーキング材料
としては、フルオラン誘導体であるロイコ染料とフェノ
ール性酸性基を持つ顕色剤からなる発色成分を用いたも
のがある。例えば、特開平4−320086号に開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フルオラン誘導体であ
るロイコ染料とフェノール性酸性基を持つ顕色剤からな
る発色成分を用いたレーザマーキング用記録体では発色
濃度は十分であるが、油脂や界面活性剤等の薬品によっ
てマーキング部分が消色するといった問題があり、画像
保存性は十分ではなかった。
【0005】一方、芳香族イソシアナート化合物とイミ
ノ化合物からなる記録材料では、熱ヘッド、熱ペンで加
熱することによって鮮明かつ安定性の良い記録画像が得
られるが、レーザ光によるマーキングでは発色濃度が不
十分なため、視認性の良い記録画像は得られないでい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族イソシアナ
ート化合物とイミノ化合物からなる感熱発色層を有する
感熱記録材料において、該感熱発色層にレーザ光を熱に
変換するレーザ用増感剤として天然雲母、合成雲母、カ
オリンの中から選ばれる少なくとも1種を加えることに
より、発色濃度が特異的に向上し視認性及び画像保存性
に優れたマーキングが得られることを見いだした。
【0007】該増感剤としては中でも合成雲母が好適
で、例えばフッ素金雲母又はフッ素四珪素雲母又は両者
の併用がとりわけ好ましい。
【0008】本発明における芳香族イソシアナート化合
物は、イミノ化合物に対して10〜200重量%配合さ
れる。好ましくは60〜70重量%である。
【0009】本発明におけるレーザ用増感剤は、イミノ
化合物に対して、10重量%以上添加される。好ましく
は30〜200重量%である。添加量が30重量%以下
では増感効果が十分でなく、200重量%以上では、発
色成分が希釈され十分な発色濃度が得られない。
【0010】また、本発明の記録体は、その感熱記録層
の上にオーバーコート層を形成することが有効である。
これによって記録画像の保存安定性を格段に向上させる
ことができる。
【0011】一方本発明は、この様な記録体の感熱発色
層をもたらすための組成物に関する。即ち、本発明は、
芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物とを含有し
た感熱発色層用の組成物において、レーザ用増感剤とし
て天然雲母、合成雲母、カオリンの中から選ばれる少な
くとも1種を必須的に含有させたレーザーマーキング用
記録体のための組成物であり、所望に応じて従来慣用さ
れている各種の他の成分を任意に加えることができる。
必須とする芳香族イソシアナート化合物、イミノ化合
物、及びレーザ用増感剤の配合割合は、上記の通りであ
る。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の好ましい実施の態様は、
後記の実施例に具体的且つ詳細に説明されるが、本発明
の実施に当たって選択可能な必須成分、副次成分、その
他の要件について以下に説明する。
【0013】本発明に用いられる芳香族イソシアナート
化合物は、常温で固体の無色又は淡色のものであり、好
ましくは4,4’,4’’−トリイソシアナート−2,
5−ジメトキシトリフェニルアミンである。他の具体例
としては以下の芳香族イソシアナート化合物が挙げられ
る。これらは2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】2,6−ジクロロフェニルイソシアナー
ト、p−クロロフェニルイソシアナート、1,3−フェ
ニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシ
アナート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソ
シアナート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイ
ソシアナート、1−メトキシベンゼン−2,4−ジイソ
シアナート、1−メトキシベンゼン−2,5−ジイソシ
アナート、1−エトキシベンゼン−2,4−ジイソシア
ナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソ
シアナート、2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジ
イソシアナート、2,5−ジブトキシベンゼン−1,4
−ジイソシアナート、アゾベンゼン−4,4’−ジイソ
シアナート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシ
アナート、
【0015】ナフタレン−1,4−ジイソシアナート、
ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、ナフタレン−
2,6−ジイソシアナート、ナフタレン−2,7−ジイ
ソシアナート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,
4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメトキシビフェ
ニル−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルジメチルメ
タン−4,4’−ジイソシアナート、ベンゾフェノン−
3,3’−ジイソシアナート、フルオレン−2,7−ジ
イソシアナート、アンスラキノン−2,6−ジイソシア
ナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシア
ナート、ピレン−3,8−ジイソシアナート、ナフタレ
ン−1,3,7−トリイソシアナート、ビフェニル−
2,4,4’−トリイソシアナート、4,4’,4’’
−トリイソシアナート−2,5−ジメトキシトリフェニ
ルアミン、p−ジメチルアミノフェニルイソシアナー
ト、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオフォス
フェート等がある。
【0016】また、本発明に用いられる芳香族イミノ化
合物は、分子中に少なくとも1個の=C=NH基を有
し、一般式φC=NH(φは隣接するC=Nと共役系を
形成し得る芳香族性化合物残基)で表される化合物で、
常温で固体の無色又は淡色の化合物であり、好ましくは
1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソ
インドリンである。他の具体例として以下のイミノ化合
物が挙げられ、これらは2種以上併用してもよい。
【0017】3−イミノイソインドリン−1−オン、3
−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリ
ン−1−オン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラブ
ロモイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,
6,7−テトラフルオロイソインドリン−1−オン、3
−イミノ−5,6−ジクロロイソインドリン−1−オ
ン、3−イミノ−4,5,7−トリクロロイソインドリ
ン−1−オン、3−イミノ−4,5,7−トリクロロ−
6−メトキシイソインドリン−1−オン、3−イミノ−
4,5,7−トリクロロ−6−メチルメルカプトイソイ
ンドリン−1−オン、3−イミノ−6−ニトロイソイン
ドリン−1−オン、3−イミノ−イソインドリン−1−
スピロジオキソラン、1,1−ジメトキシ−3−イミノ
イソインドリン、1,1−ジエトキシ−3−イミノ−
4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−エ
トキシ−3−イミノイソインドリン、1,3−ジイミノ
イソインドリン、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−
テトラクロロイソインドリン、1,3−ジイミノ−4,
5,6,7−テトラブロモイソインドリン、1,3−ジ
イミノ−4,5,6,7−テトラフルオロイソインドリ
ン、1,3−ジイミノ−6−メトキシイソインドリン、
1,3−ジイミノ−6−シアノイソインドリン、
【0018】1,3−ジイミノ−4,7−ジチア−5,
5,6,6−テトラヒドロイソインドリン、7−アミノ
−2、3−ジメチル−5−オキソピロロ[3,4b]ピ
ラジン、7−アミノ−2、3−ジフェニル−5−オキソ
ピロロ[3,4b]ピラジン、1−イミノナフタル酸イ
ミド、1−イミノジフェン酸イミド、1−フェニルイミ
ノ−3−イミノイソインドリン、1−(3’−クロロフ
ェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(2’,5’−ジクロロフェニルイミノ)−3−イミノ
イソインドリン、1−(2’,4’,5’−トリクロロ
フェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(2’−シアノ−4’−ニトロフェニルイミノ)−3−
イミノイソインドリン、1−(2’−クロロ−5’シア
ノフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(2’,6’−ジクロロ−4’−ニトロフェニルイミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2’,5’−
ジメトキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(2’,5’−ジエトキシフェニルイミノ)−
3−イミノイソインドリン、1−(2’−メチル−4’
−ニトロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(5’−クロロ−2’−フェノキシフェニルイ
ミノ)−3−イミノイソインドリン、
【0019】1−(4’−N,N−ジメチルアミノフェ
ニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(3’
−N,N−ジメチルアミノ−4’−メトキシフェニルイ
ミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2’−メト
キシ−5’−N−フェニルカルバモイルフェニルイミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2’−クロロ
−5’−トリフルオロメチルフェニルイミノ)−3−イ
ミノイソインドリン、1−(5’,6’−ジクロロベン
ズチアゾリル−2’−イミノ)−3−イミノイソインド
リン、1−(6’−メチルベンズチアジリル−2’−イ
ミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(4’−フェ
ニルアミノフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(p−フェニルアゾフェニルイミノ)−3−イ
ミノイソインドリン、1−(ナフチル−1’−イミノ)
−3−イミノイソインドリン、1−(アンスラキノン−
1’−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(5’−クロロアンスラキノン−1’−イミノ)−3−
イミノイソインドリン、1−(N−エチルカルバゾリル
−3’−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−ナ
フトキノン−1’−イミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(ピリジル−4’−イミノ)−3−イミノイソ
インドリン、1−(ベンズイミダゾロン−6’−イミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(1’−メチル
ベンズイミダゾロン−6’−イミノ)−3−イミノイソ
インドリン、1−(7’−クロロベンズイミダゾロン−
5’−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ベ
ンズイミダゾリル−2’−イミノ)−3−イミノイソイ
ンドリン、1−(ベンズイミダゾリル−2’−イミノ)
−3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソイン
ドリン、1−(2’,4’−ジニトロフェニルヒドラゾ
ン)−3−イミノイソインドリン、1−(インダゾリル
−3’−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(インダゾリル−3’−イミノ)−3−イミノ−4,
5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−(イン
ダゾリル−3’−イミノ)−3−イミノ−4,5,6,
7−テトラブロモイソインドリン、1−(インダゾリル
−3’−イミノ)−3−イミノ−4,5,6,7−テト
ラフルオロイソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル
−2’−イミノ)−3−イミノ−4,7−ジチアテトラ
ヒドロイソインドリン、1−(4’,5’−ジシアノイ
ミダゾリル−2’−イミノ)−3−イミノ−5,6−ジ
メチル−4,7−ピラジイソインドリン、1−(シアノ
ベンゾイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1
−(シアノカルボンアミドメチレン)−3−イミノイソ
インドリン、1−(シアノカルボメトキシメチレン)−
3−イミノイソインドリン、1−(シアノカルボエトキ
シメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シア
ノ−N−フェニルカルバモイルメチレン)−3−イミノ
イソインドリン、1−[シアノ−N−(3’−メチルフ
ェニル)−カルバモイルメチレン]−3−イミノイソイ
ンドリン、1−[シアノ−N−(4’−クロロフェニ
ル)−カルバモイルメチレン]−3−イミノイソインド
リン、
【0020】1−[シアノ−N−(4’−メトキシフェ
ニル)−カルバモイルメチレン]−3−イミノイソイン
ドリン、1−[シアノ−N−(3’−クロロ−4’−メ
チルフェニル)−カルバモイルメチレン]−3−イミノ
イソインドリン、1−(シアノ−p−ニトロフェニルメ
チレン)−3−イミノイソインドリン、1−(ジシアノ
メチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノ
−1’,2’,4’−トリアゾリル−(3’)−カルバ
モイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−
(シアノベンズチアゾリル−(2’)−カルバモイルメ
チレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノベ
ンズイミダゾリル−(2’)−カルバモイルメチレン)
−3−イミノイソインドリン、1−(シアノベンズチア
ゾリル−(2’)−カルバモイルメチレン)−3−イミ
ノイソインドリン、1−[(シアノベンズイミダゾリル
−2’)−メチレン]−3−イミノイソインドリン、1
−[(シアノベンズイミダゾリル−2’)−メチレン]
−3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソイン
ドリン、1−[(シアノベンズイミダゾリル−2’)−
メチレン]−3−イミノ−5−メトキシイソインドリ
ン、1−[(シアノベンズイミダゾリル−2’)−メチ
レン]−3−イミノ−6−クロロイソインドリン、
【0021】1−[(1’−フェニル−3’−メチル−
5−オキソ)−ピラゾリデン−4’]−3−イミノイソ
インドリン、1−[(シアノベンズイミダゾリル−
2’)−メチレン]−3−イミノ−4,7−ジチアテト
ラヒドロイソインドリン、1−[(シアノベンズイミダ
ゾリル−2’)−メチレン]−3−イミノ−5,6−ジ
メチル−4,7−ピラジイソインドリン、1−[(1’
−メチル−3’−n−ブチル)−バルビツル酸−5’]
−3−イミノイソインドリン、3−イミノ−1−スルホ
安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−6−クロロ
安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−5,6−ジ
クロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,
5,6,7−テトラクロロ安息香酸イミド、3−イミノ
−1−スルホ−4,5,6,7−テトラブロモ安息香酸
イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,6,7−テ
トラフルオロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ
−6−ニトロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ
−6−メトキシ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スル
ホ−4,5,7−トリクロロ−6−メチルメルカプト安
息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホナフトエ酸イミ
ド、3−イミノ−1−スルホ−5−ブロモナフトエ酸イ
ミド、3−イミノ−2−メチル−4,5,6,7−テト
ラクロロイソインドリン−1−オン等がある。
【0022】本発明のレーザマーキング用記録体及びそ
のための組成物に用いるレーザ用増感剤は、天然雲母、
合成雲母、カオリンが挙げられる。天然雲母としては、
マスコバイト、フロゴバイト、バイオタイト、セリサイ
ト等が挙げられ、合成雲母としては、フッ素金雲母、フ
ッ素四珪素雲母等が挙げられる。中でも合成雲母のフッ
素金雲母、フッ素四珪素雲母は低エネルギーでレーザ発
色させた場合、視認性が良い点から好ましい。これらの
レーザ増感剤は、単独あるいは2種以上を混合して使用
できる。また、レーザ用増感剤は、塗膜中での均一性を
高める点から、微細であることが好ましく、平均粒子径
0.1〜10μmが良い。
【0023】本発明のレーザマーキング用記録体及びそ
のための組成物のバインダーは、発色成分である芳香族
イソシアナート化合物及びイミノ化合物に影響を与えな
いものであれば何ら限定するものではないが、石油系炭
化水素樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル
アルコール、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リエステル樹脂、シリコン樹脂、水性UV硬化型樹脂等
の樹脂が好ましく、中でもポリビニルアルコールが特に
好ましい。これらは単独あるいは2種以上を混合して使
用できる。
【0024】本発明のレーザマーキング用組成物を用い
記録体を作製する為、レーザマーキング用組成物には溶
剤を使用することができる。使用できる溶剤としては、
発色成分である芳香族イソシアナート化合物及びイミノ
化合物に対して低い活性でバインダー樹脂を溶解するも
のあれば何ら限定するものではないが、具体例として
は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デカン、シクロ
ヘキサン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル溶剤及び水が挙げられる。これらは単独あるいは2種
以上の混合溶剤として使用でき、中でもメタノールと水
とを混合した溶剤が有用である。また、必要に応じて、
一般に使用されている、分散剤、滑剤、レベリング剤、
消泡剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加
剤、着色剤や体質顔料等の充填剤を本発明の効果を減じ
ない範囲で1種以上使用することができる。
【0025】本発明のバインダー量は、発色成分(芳香
族イソシアナート化合物、イミン化合物、レーザ用増感
剤の合計)に対して、20〜50重量%であり、好まし
くは30〜40重量%である。バインダー量が30重量
%以下では塗膜の強度が不十分となり、40重量%以上
では発色成分が希釈され十分な発色濃度が得られない。
【0026】本発明の溶剤量は、不揮発分で20〜50
重量%で、好ましくは30〜40重量%である。
【0027】また、この芳香族イソシアナート化合物と
イミン化合物とを用いたレーザマーキング用記録体及び
組成物において発色の色相が黒でない場合、必要に応じ
て他の黒に発色する成分、例えばロイコ染料とフェノー
ル性酸性基を持つ顕色剤との発色系等を併用し、色相を
黒に近づけることも可能である。
【0028】本発明のオーバーコート層に用いる樹脂
は、発色成分に影響が少ないものなら何ら限定するもの
ではないが、具体例としては、ポリビニルアルコール、
ニトロセルロース、石油系炭化水素樹脂、ポリエステ
ル、シリコン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、好まし
くはポリビニルアルコールである。これらは、2種以上
で使用することも可能である。
【0029】また、オーバーコート層に用いる溶剤は、
樹脂を溶解する溶剤ならばよく、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トル
エン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デ
カン、メチルエチルケトン、水等である。これらは単独
あるいは2種以上の混合溶剤として使用できる。また、
必要に応じて、一般に使用されている、分散剤、滑剤、
レベリング剤、消泡剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤等の添加剤、着色剤や体質顔料等の充填剤を本発明
の効果を減じない範囲で1種以上使用することができ
る。
【0030】基材としてはラベルに用いられるもので、
紙、合成紙、不織布、アルミ蒸着紙、ラミネート紙、金
属箔、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等
のシート状のものやそれらを組み合わせた複合シートが
用いられる。
【0031】本発明のレーザマーキング用組成物を部分
的に基材に塗布する方法としては、該組成物を印刷イン
キとして用い、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、スク
リーン印刷機等で印刷する方法が挙げられる。
【0032】また、レーザマーキング用組成物を部分的
ではなく基材全面に塗布するため、エアナイフコータ
ー、ロールコーター、ブレードコーター等を使用でき
る。
【0033】本発明のレーザマーキング用記録体は、パ
ルス及び走査型の炭酸ガスレーザ光、YAGレーザ光、
エキシマレーザ光等を照射することにより、視認性のよ
いマーキングが得られる。パルス型炭酸ガスレーザを用
いた場合は、0.2J/cm 2以上の照射エネルギー密
度でマーキングが可能である。
【0034】本発明のレーザマーキング用記録体は、食
品及び医療品等の容器、電子部品、家電製品に貼り付け
られるラベル及び包材に用いられ、製造者名、内容表
示、製造年月日、賞味期限、ロット番号等の情報を表示
するのに使用される。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0036】実施例1 発色成分であるイミノ化合物、芳香族イソシアナート化
合物及びレーザ用増感剤は、以下に示すようにA液、B
液及びC液に分けて、10%ポリビニルアルコール溶液
中にペイントコンディショナーを用いて分散した。 [10%ポリビニルアルコール溶液] ポリビニルアルコール (クラレ社製 ポバールLM−10HD) 10重量部 メタノール 45重量部 精製水 45重量部 [A液] 1,3−ジイミノ−4,5,6,7− テトラクロロイソインドリン (旭化成社製 A−100) 30重量部 10%ポリビニルアルコール溶液 80重量部 [B液] 4,4’,4’’−トリイソシアナート− 2,5−ジメトキシトリフェニルアミン (旭化成社製 B−500) 20重量部 10%ポリビニルアルコール溶液 80重量部 [C液] フッ素四珪素雲母 30重量部 10%ポリビニルアルコール溶液 80重量部
【0037】上記の3種の分散液を均一に混合し、本発
明のレーザマーキング用組成物を得た。これをアルミ蒸
着紙上にバーコーターで3g/m2に塗布した。次い
で、その上にオーバーコート層として先記の10%ポリ
ビニルアルコール溶液をバーコーターで1g/cm2
塗布し、試験片とした。
【0038】実施例2 実施例1のフッ素四珪素雲母をマスコバイトに置き換え
たものを同条件で塗布し試験片とした。
【0039】実施例3 実施例1のフッ素四珪素雲母をカオリンに置き換えたも
のを同条件で塗布し試験片とした。
【0040】比較例1 実施例1でフッ素四珪素雲母を含有しないものを試験片
とした。
【0041】比較例2 実施例1のフッ素四珪素雲母を炭酸カルシウム(白石工
業社製 ブリリアント1500)に置き換えたものを同
条件で塗布し試験片とした。
【0042】比較例3 実施例1のフッ素四珪素雲母を硼酸亜鉛に置き換えたも
のを同条件で塗布し試験片とした。
【0043】比較例4 実施例1のフッ素四珪素雲母を水酸化アルミニウムに置
き換えたものを同条件で塗布し試験片とした。
【0044】比較例5 実施例1のフッ素四珪素雲母をリン酸カルシウムに置き
換えたものを同条件で塗布し試験片とした。
【0045】試験法 各試験片にTEA型炭酸ガスレーザ(エネルギー密度:
0.4J/cm2)でレーザを照射しマーキングした
後、その視認性及び各種耐性を試験した。発色濃度及び
地肌濃度は色彩色差計(ミノルタ社製、CR−241)
を用いL値(明度)で評価した。また、各試験は以下の
方法で行った。
【0046】視認性試験 地肌部と発色部との間の明度差(△L)で評価した。基
準は以下の通り。 △L=地肌部のL値−発色部のL値 ◎:明度差35以上、○:明度差30以上、△:明度差
25以上、×:明度差25未満
【0047】耐水性試験 マーキングした試験片を水道水に5日間浸漬し、試験前
と試験後のレーザ発色部分の明度差を比較して評価し
た。
【0048】耐界面活性剤水溶液性試験 マーキングした試験片を界面活性剤(ポリオキシエチレ
ンモノラウレート)2%水溶液に5日間浸漬し、レーザ
発色部分の明度差を測定し、試験前と比較して評価し
た。
【0049】耐可塑剤性試験 マーキングした試験片表面に可塑剤(フタル酸ジオクチ
ル)を塗布し、5日後のレーザ発色部分の明度差を測定
し、試験前の測定値と比較して評価した。
【0050】各耐性試験の評価基準 発色部の明度(L値)の変化で評価した。基準は以下の
通り。 ○:L値が減少又は変化なし、△:L値の増加が15未
満、×:L値の増加が15以上
【0051】各試験結果は、表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明のレーザマーキング用記録体は、
発色成分として芳香族イソシアナート化合物及びイミノ
化合物を使用し、レーザ用増感剤として天然雲母、合成
雲母、カオリンの中から一種以上使用することにより、
発色感度が高く画像保存性に優れたレーザマーキング用
記録体が得られた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、芳香族イソシアナート化合
    物とイミノ化合物とからなる感熱発色層を有する感熱記
    録体において、該感熱発色層にレーザ用増感剤として天
    然雲母、合成雲母、カオリンの中から選ばれる少なくと
    も1種を含有させたことを特徴とするレーザマーキング
    用記録体。
  2. 【請求項2】 合成雲母がフッ素金雲母及び/又はフッ
    素四珪素雲母である請求項1記載のレーザマーキング用
    記録体。
  3. 【請求項3】 イミノ化合物に対して、芳香族イソシア
    ナート化合物を10〜200重量%、レーザ用増感剤を
    10〜200重量%含有させた請求項1又は2記載のレ
    ーザマーキング記録体。
  4. 【請求項4】 感熱発色層の上にオーバーコート層を有
    する請求項1、2又は3記載のレーザマーキング用記録
    体。
  5. 【請求項5】 該記録体がラベルである請求項1〜4の
    いずれか1つに記載のレーザマーキング用記録体。
  6. 【請求項6】 芳香族イソシアナート化合物とイミノ化
    合物とを含有した感熱発色層用の組成物において、更に
    レーザ用増感剤として天然雲母、合成雲母、カオリンの
    中から選ばれる少なくとも1種を含有させたことを特徴
    とするレーザマーキング用記録体のための組成物。
  7. 【請求項7】 合成雲母がフッ素金雲母及び/又はフッ
    素四珪素雲母である請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 イミノ化合物に対して、芳香族イソシア
    ナート化合物を10〜200重量%、レーザ用増感剤を
    10〜200重量%含有させた請求項6又は7記載の組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010502487A (ja) * 2006-09-05 2010-01-28 フジフイルム ハント ケミカルズ ユー.エス.エイ. インコーポレイテッド レーザー−マーキング性被膜を形成するための組成物および有機吸収性増強添加剤を含むレーザー−マーキング性物質

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JP2010502487A (ja) * 2006-09-05 2010-01-28 フジフイルム ハント ケミカルズ ユー.エス.エイ. インコーポレイテッド レーザー−マーキング性被膜を形成するための組成物および有機吸収性増強添加剤を含むレーザー−マーキング性物質

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