JPH09260031A - 抵抗発熱体 - Google Patents

抵抗発熱体

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JPH09260031A
JPH09260031A JP8090006A JP9000696A JPH09260031A JP H09260031 A JPH09260031 A JP H09260031A JP 8090006 A JP8090006 A JP 8090006A JP 9000696 A JP9000696 A JP 9000696A JP H09260031 A JPH09260031 A JP H09260031A
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glass
powder
heating element
metal
resistance heating
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JP8090006A
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Yoshiharu Waku
芳春 和久
Michiyuki Suzuki
道之 鈴木
Yoshihiko Oda
良彦 織田
Yasuhiko Kamitoku
泰彦 神徳
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気抵抗特性及び機械的性質に優れた抵抗発
熱体を提供する。 【解決手段】 ガラス又はセラミックスをマトリックス
とし、金属粒子を複合相とする複合材料からなる抵抗発
熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、およそ1400℃
まで使用でき、電気抵抗特性及び機械的特性に優れた新
規な抵抗発熱体に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】現在、最高1400℃まで
使用できる抵抗発熱体としては主にNi−Cr系合金や
Fe−Cr−Al系合金の金属系の材料が使用されてい
る。これらの発熱体は炊飯器、ドライヤーなどの発熱体
として、あるいは金属の熱処理用の炉の発熱体として利
用されている。しかし、これらの金属系の発熱体では、
目的に応じて抵抗値を大きく変化させることができず、
抵抗値もおよそ1〜1.5×10-4Ωcmと小さいた
め、発熱の効率も悪いといった欠点があった。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
電気抵抗特性及び機械的性質に優れた抵抗発熱体を提供
するものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、ガラ
ス又はセラミックスをマトリックスとし、金属粒子を複
合相とする複合材料からなる抵抗発熱体が提供される。
本発明の抵抗発熱体は、ガラス又はセラミックスに複合
相の金属粒子として粒状金属を用いることにより、粒子
分散効果によりマトリックス部の高強度が図れるため複
合体の強度を向上させることができる。さらに、複合相
の金属粒子を扁平状の延性金属粒子とすることにより複
合体の機械的特性、特に強度及び靱性を改善することが
できる。また、複合相の金属粒子として、粒状金属と扁
平状の延性金属粒子を併用してもよい。このように本発
明の抵抗発熱体はマトリックスがガラス又はセラミック
スで、複合相が金属であるため、耐熱性にも優れてい
る。
【0005】本発明における複合材料のマトリックスを
構成するガラスとしては、特に制限はなく、例えば、結
晶化ガラス、汎用ガラス等の酸化物系ガラスや非酸化物
系ガラスから選ばれる一種又は二種以上のガラスを用い
ることができる。具体的には、結晶化ガラスとしては、
LAS I(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO系)、LASII、III
(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO-Nb2O5系)、MAS(MgO-Al2O3
-SiO2系)、BMAS(BaO-MgO-Al2O3-SiO2系)、Terna
ry mullite(BaO-Al2O3-SiO2系)、Hexacelsian(BaO-A
l2O3-SiO2系)や、Li2O-Al2O3-SiO2系、Na2O-Al2O3-SiO
2系、Na2O-CaO-MgO-SiO2系、PbO-ZnO-B2O3系、ZnO-B2O3
-SiO2系、ZrO2-SiO2系、CaO-Y2O3-Al2O3-SiO2系、CaO-A
l2O3-SiO2系、MgO-CaO-Al2O3-SiO2系、SiO2-B2O3-Al2O3
-MgO-K2O-F系等が挙げられる。汎用ガラスとしては、ケ
イ酸ガラス(SiO2系)、ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-S
iO2系)、カリ石灰ガラス(K2O-CaO-SiO2系)、ホウケ
イ酸ガラス(Na2O-B2O3-SiO2系)、アルミノケイ酸ガラ
ス(Al2O3-MgO-CaO-SiO2系)、鉛ガラス(K2O-PbO-SiO2
系)、バリウムガラス(BaO-SiO2-B2O3系)等が挙げら
れる。また、低融点ガラスとして、鉛ケイ酸塩ガラス
(PbO-SiO2系、PbO-B2O3-SiO2系等)、ほう酸塩ガラス
(B2O3系、Li2O-B2O3系、Na2O-B2O3系等)、りん酸塩ガ
ラス(Na2O-P2O5系、B2O3-P2O5系等)やAl2O3-Li2O-Na2
O-K2O-P2O5系等が挙げられる。さらに、近年、開発が進
められているY2O3-Al2O3-SiO2系ガラス、オキシナイト
ライドガラス(La-Si-O-N系、Ca-Al-Si-O-N系、Y-Al-Si
-O-N系、Na-Si-O-N系、Na-La-Si-O-N系、Mg-Al-Si-O-N
系、Si-O-N系、Li-K-Al-Si-O-N系)や熱膨張率の小さい
TiO2-SiO2系、Cu2O-Al2O3-SiO2系等が挙げられる。ま
た、非酸化物系ガラスとしては、ふっ化物系ガラスやカ
ルコゲン系ガラスを用いることができる。一方、複合材
料のマトリックスを構成するセラミックスとしては、A
23、ZrO2、MgO、ムライト、MgO/Al2
3、Al23/Y23が挙げられる。
【0006】本発明における複合材料の複合相の金属と
しては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、W、Fe、Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn及
びそれらの合金、ステンレス鋼、パーマロイ及び超耐熱
合金から選ばれる少なくとも一種の金属が用いられる。
複合相の金属として、粒状金属と扁平状の延性金属を併
用する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
【0007】また、本発明においては、複合相として金
属粒子とともに、セラミックス粒子、セラミックスウイ
スカー、無機質短繊維等を併用してもよい。これらを併
用することにより、複合体の強度、靱性をさらに向上さ
せることができる。セラミックス粒子としては、Ti、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、
Ni、Co、Al、Y、Si及びBの酸化物、窒化物、
炭化物、ほう化物、珪化物及び炭窒化物から選ばれる少
なくとも一種のセラミックス粒子が挙げられる。セラミ
ックスウイスカーとしては、Si34、SiC、Ti
C、グラファイト、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニ
ウム、ZnO、MgO、ほう酸マグネシウム、Ti
2 、ムライト等のセラミックスウイスカーから選ばれ
る少なくとも一種が挙げられる。また、無機質短繊維と
しては、アルミナ、アルミナ・シリカ、シリカ、ジルコ
ニア等の短繊維、アルミナ、Si34、SiC、特公昭
58−5286号公報に代表されるSi、Ti、C及び
Oを主成分とする無機繊維等の長繊維をチョップ状に切
断したものから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
これらは、特に、焼結温度で使用する金属粒子と反応し
て脆弱な化合物を生成しないものを選択することが重要
である。
【0008】マトリックスと金属の組み合わせは、マト
リックスの焼結可能温度より金属の融点が高い組み合わ
せを選択することが必要である。ガラスをマトリックス
とする場合、例えば、マトリックスがケイ酸ガラス系や
TiO2-SiO2系の場合には、焼結温度が1600℃以上に
なるため、それより高い融点を持つ金属であるV、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びそれらの合
金を用いることが好ましい。また、オキシナイトライド
ガラスの焼結温度、及びPbO-ZnO-B2O3系を除く結晶化ガ
ラスの焼結温度と結晶化温度は、およそ700〜130
0℃であるため、さらにTi、Fe、Ni、Co及びそ
れらの合金、ステンレス鋼、パーマロイ、超耐熱合金も
使用することができる。さらに、汎用ガラスでは焼結温
度がおよそ600〜1000℃であるため、上記の他に
Cuも使用することができ、PbO-ZnO-B2O3系結晶化ガラ
スと低融点ガラスでは焼結温度がおよそ200〜600
℃であるため、さらにAl、Mg、Zn及びそれらの合
金を使用することができる。
【0009】セラミックスをマトリックスとする場合
は、例えば、Al23の場合には、一般的な粉末では焼
結温度が1600℃であるため、それより高い融点を持
つ金属であるV、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、Wを用いることが好ましい。また、低温度焼結タイ
プ(例えば、タイミクロンTM−DAR;大明化学工業
株式会社製)では、焼結温度が1200℃となるため、
さらにTi、Fe、Ni、Co、ステンレス鋼、超耐熱
合金も使用することができる。さらに、Al23にガラ
ス相を加えていくと焼結温度を約900℃まで下げるこ
とができるので、上記の他にCuも使用することができ
る。また、ZrO2(焼結温度>1800℃)とMgO
(焼結温度>1400℃)の場合には、Ti、V、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、
Co、ステンレス鋼、超耐熱合金を用いることができ
る。ムライト(焼結温度>1500℃)の場合には、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Feを
用いることができる。
【0010】本発明においては、ガラス又はセラミック
スマトリックスに複合相として金属粒子を添加し、その
添加量等を変えることで、金属の領域から金属では達成
できない高抵抗領域まで複合体の体積抵抗率を制御でき
るため、任意の抵抗値を持つ抵抗発熱体が提供できる。
さらに複合相の金属の形態を扁平状とすることにより金
属の塑性変形がより作用するため、複合材料の強度及び
靱性を向上することができる。特に、扁平面の最小径を
d、厚さをtとしたときにd/t≧3であることが望ま
しい。d/tが3未満の場合には、クラックが金属粒子
とマトリックスとの界面を進行しやすくなるため金属相
の塑性変形を十分に利用できなくなるので好ましくな
い。d及びtの範囲としては特に制限はないが、d/t
≧3の関係を満足していることが好ましい。また、複合
相として粒状金属と扁平状の延性金属を併用することに
より、粒状金属の粒子分散効果によりマトリックス部の
高強度化が図れるため、複合体の強度をさらに向上させ
ることができる。
【0011】さらに、複合相としてセラミックス粒子、
セラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併用するこ
とにより、マトリックス部の高強度化が図れるため、複
合体の強度、靱性をさらに向上させることができる。セ
ラミックス粒子の粒径は2μm以下、好ましくは、1μ
m以下であることが望ましい。粒径が2μmよりも大き
くなると粒子分散効果が得られないので好ましくない。
セラミックスウイスカーの形状については、特に制限は
なく、無機質短繊維は、分散性から長さが5mm以下の
ものが好ましい。
【0012】本発明の複合材料における複合相の体積率
は5〜70%、特に10〜60%であることが好まし
い。複合相の体積率が5%よりも少ない場合には、複合
体の体積抵抗率が高すぎるため抵抗発熱できず、また、
複合相の体積率が70%よりも多くなると、複合体の体
積抵抗率が小さくなり、複合相の金属とほぼ同じ値とな
るため、これ以上添加しても体積抵抗率は変化しない。
また、複合相としてセラミックス粒子、セラミックスウ
イスカー、無機質短繊維等を併用する場合、これらの体
積率は、2〜40%、特に3〜30%であることが好ま
しい。体積率が2%よりも少ない場合には、添加の効果
が発現しない。また、体積率が40%よりも多くなって
もそれ以上機械的物性は向上しない。
【0013】本発明の抵抗発熱体は、以下の方法で製造
される。まず、金属粉末表面にガラス粉末又はセラミッ
クス粉末が付着している複合粉末を製造する。このよう
な複合粉末は、金属粉末とガラス粉末又はセラミックス
粉末を混合することにより製造できる。扁平状の金属粒
子とするときには、延性金属粉末を混合中に塑性変形さ
せて扁平化させることにより製造できる。ガラス粉末の
粒度は、特に制限はないが、50μm以下のものが望ま
しい。セラミックス粉末の粒度は特に制限はないが、焼
結性のよい平均粒径1μm以下のものが望ましい。ま
た、金属粉末の粒子径は、球状の場合は、機械的性質を
維持する点から150μm以下、特に100μm以下の
ものが望ましい。扁平状とする場合には、扁平化を容易
に促進するために1〜200μm、特に3〜100μm
の範囲が好ましい。延性金属粉末の粒子径が1μmより
も小さいと、微粒のため扁平化させることができない。
また、200μmよりも大きくなると、粗粒のため焼結
を困難にし、またガラス粉末又はセラミックス粉末との
分離が激しくなるため、均一混合が困難となる。金属粉
末とガラス粉末又はセラミックス粉末の混合割合は、混
合粉末における金属粉末の体積率が2〜60%、特に1
0〜50%であることが好ましい。
【0014】また、複合相としてセラミックス粒子、セ
ラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併用する場
合、金属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉末の混合
時に添加する。セラミックス粉末の粒子径は、2μm以
下、特に1μm以下が好ましい。セラミックス粉末の粒
子径が2μmよりも大きくなると、粒子分散効果が得ら
れない。セラミックスウイスカーの形状については、特
に制限はなく市場にでているタイプをそのまま用いるこ
とができる。無機質短繊維や長繊維を切断して用いる場
合には、取扱易さや分散性から長さが5mm以下のもの
を用いるのが好ましい。これらの混合割合は、体積率
が、2〜40%、特に3〜30%であることが好まし
い。
【0015】金属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉
末の混合方法については、特に制限はなく湿式及び乾式
のいずれも採用できる。湿式混合の場合の溶媒としては
エ夕ノール、メ夕ノール等が一般に使用される。混合装
置については、ボールミル、振動ミル、アトライター、
遊星型ボールミル等を用いることができる。延性金属粉
末は、混合時のボール等の混合媒体による機械的混合に
より球状から扁平状へと変形が進む。したがって、混合
条件の制御により扁平化の程度を制御することができ、
球状あるいは扁平状の選択をすることができる。一般
に、混合時間、回転数等の条件により変形量は変わって
くるので、扁平粒子とする時はこれらの条件を制御し、
扁平化の形状がd/t≧3を満足するように扁平化させ
ることが望ましい。さらに、この混合過程で、金属粉末
の表面にガラス粉末又はセラミックス粉末が付着するた
め、焼結過程で金属同士が接触、造粒することを防止す
ることができる。なお、金属粉末とガラス粉末又はセラ
ミックス粉末の混合割合によっては、金属表面に付着し
ないガラス粉末又はセラミックス粉末も共存することは
言うまでもない。また、使用する金属粉末の粒度によっ
ては、混合後も未変形の粒子が残るが、扁平化した粒子
が適当量あれば、機械的特性の改善効果は得られる。ま
た、上記の扁平な延性金属粉末表面にガラス粉末又はセ
ラミックス粉末が付着している複合粉末は、予め延性金
属粉末を圧延加工等により扁平化させ、これとガラス粉
末又はセラミックス粉末を混合することによっても製造
することができるが、混合と扁平化を同時に行う前述の
方法が工程の簡略化と均−混合の面で有利である。
【0016】次に、得られた混合粉末を所望の形状に成
形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下また
は真空中で200〜1800℃で焼結する。焼結方法と
しては、公知の焼結方法を用いることができる。例え
ば、CIP成形や射出成形した成形体を常圧焼結や真空
焼結さらにHIPで高密度化するプロセスでは、球状粒
子の場合や扁平化した粒子でも3次元にランダムに配向
するため等方的な組織となるが、扁平粒子を用いてホッ
トプレス等の一軸加圧方法により成形を行うと、扁平化
した粒子はプレス方向と垂直方向に2次元に配向するの
で、特に厚さ方向の強度が向上する。また、マトリック
スがガラスの場合、ガラスの軟化点付近以上に加熱する
ことより2次加工ができるため、成形したビレットを押
し出し法やロール成形などにより、サッシ等の長尺の形
状に成形することもできる。さらに、鍛造法や鋳造法、
好ましくは加圧鋳造法により直接複雑形状の成形をする
こともできる。また、焼結は、200〜1800℃の温
度範囲で行うことができるが、扁平粒子を用いる場合に
は、扁平な延性金属の形状が保持されるように延性金属
の融点より低い温度で行えるように、前記したガラス粉
末又はセラミックス粉末と延性金属を選択することが必
要である。
【0017】
【作用】本発明によれば、ガラス又はセラミックスマト
リックスに複合相として金属粒子を添加し、その添加量
等を変えることで、金属の領域から金属では達成できな
い高抵抗領域まで複合体の体積抵抗率を制御できるた
め、任意の抵抗値を持つ抵抗発熱体が提供できる。さら
に複合相の金属の形態を扁平状とすることにより扁平粒
子の塑性変形も十分利用することができるため高靱性化
に寄与でき、さらに強度も向上させることができるた
め、機械的性質に優れた抵抗発熱体を提供できる。ま
た、複合相としてセラミックス粒子、セラミックスウイ
スカー、無機質短繊維等を併用することにより、マトリ
ックス部の高強度化が図れるため、複合体の強度、靱性
をさらに向上させることができる。さらにガラス又はセ
ラミックスと熱膨張係数の大きく異なる粒子を選択すれ
ば、焼結過程で発生する熱応力による残留応力により、
さらに高強度化が可能となり、高強度、高靱性の構造部
材に適用できる抵抗発熱体が提供できる。また、前述し
たように複合相を2次元に配向させれば、配向方向と垂
直方向の強度をさらに向上させることができる。さら
に、複合相の形態は、原料粉末である延性金属粉末とガ
ラス粉末又はセラミックス粉末の混合中の変形を利用し
て扁平化が達成できるため、複合相の形状の制御が容易
であり、追加の製造プロセスを必要とせず、複合化によ
るコスト増を抑えることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 MAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径20μm以下)
と45〜10μmのNi合金(Ni17Cr6Al1
0.6Y,MA−90;昭和電工社製)をNi合金の体
積率が15、20、30、40、50%となるように秤
量した。これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪
素ボールを用いてボールミル混合を行った。図1及び図
2に、Ni合金の体積率が20%の場合のボールミル後
の混合粉末の外観の走査型電子顕微鏡像と断面組織の光
学顕微鏡像を示す。これらより、添加した粒径45〜1
0μmのNi合金がボールミル混合により扁平化し、さ
らにガラス粉末が表面に付着していることがわかる。他
のNi合金の体積率の場合も同様の結果が得られた。こ
の混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスによ
り、1000℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、
1時間保持して焼結を行った。図3にNi合金の体積率
が20%の場合に得られた複合材料のプレス方向と平行
方向の断面組織の光学顕微鏡像を示す。粒径45〜10
μmのNi合金粉末は2次元に配向し、d/t≧3を満
たして扁平化していることがわかる。
【0019】この複合材料から2.5×2.5×40m
mの棒状の試験片を加工し、4端子法で体積抵抗率を求
めた。また、3点曲げ試験により曲げ強度を、SEVN
B法により破壊靱性を測定した。測定結果を表1に、M
ASガラス単相の結果と、現在、抵抗発熱体と使用され
ているNi−Cr合金とFe−Cr−Al合金の値(日
本赤外線学会誌;vol.2,No.2(1992))
も合わせて示す。これから、本発明で得られた複合材料
の体積抵抗率は添加したNi合金の体積率を変えること
により、Ni−Cr合金やFe−Cr−Al合金より高
体積抵抗率領域で大きくかえることができ、曲げ強度、
破壊靱性もNi合金の体積率の増加に伴い向上し、50
%では曲げ強度60kg/mm2 、破壊靱性12MPam
1/2 とMASガラス単相のそれぞれ約3.5倍と6倍と
いう高い値が得られており、本発明により高い機械特性
を持つ優れた抵抗発熱体が得られることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 実施例1の20体積%Ni合金を加えた試料について測
定1000℃までの体積抵抗変化を測定したところ抵抗
変化は認められず、きわめて安定に高温まで室温の体積
抵抗率を維持しており、優れた抵抗発熱体であることが
わかった。
【0022】実施例3 ZrO2粉末(3Y;東ソー製)とNi(300メッシ
ュアンダー;高純度化学研究所製)を体積率が80:2
0になるようにして、実施例1と同様にして複合材料を
製造した。なお、ホットプレス温度は1400℃、圧力
は300kg/cm 2 とした。得られた複合材料の体積抵抗
率は2.5×10-3ΩcmとNi−Cr合金やFe−C
r−Al合金より高い値を示し、さらに、1000℃ま
での抵抗変化はほとんど認められなかった。また、曲げ
強度100kg/mm2 、破壊靱性14MPam1/2 という
高い値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真
である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で得られた複合材
料の組織を表す図面に代える光学顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神徳 泰彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス又はセラミックスをマトリックス
    とし、金属粒子を複合相とする複合材料からなる抵抗発
    熱体。
  2. 【請求項2】 複合相の金属粒子が扁平状の延性金属粒
    子であることを特徴とする請求項1記載の抵抗発熱体。
  3. 【請求項3】 複合相の体積率が、5〜70%である請
    求項1又は2記載の抵抗発熱体。
  4. 【請求項4】 複合相の金属が、Ti、V、Cr、Z
    r、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、Co、
    Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合金、ステンレス
    鋼、パーマロイ及び超耐熱合金から選ばれる少なくとも
    一種である請求項1又は2記載の抵抗発熱体。
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