JPH09255365A - マイクロ波加熱体 - Google Patents

マイクロ波加熱体

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JPH09255365A
JPH09255365A JP8090002A JP9000296A JPH09255365A JP H09255365 A JPH09255365 A JP H09255365A JP 8090002 A JP8090002 A JP 8090002A JP 9000296 A JP9000296 A JP 9000296A JP H09255365 A JPH09255365 A JP H09255365A
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JP
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glass
powder
microwave heating
ductile metal
metal particles
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Application number
JP8090002A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Waku
芳春 和久
Michiyuki Suzuki
道之 鈴木
Yoshihiko Oda
良彦 織田
Yasuhiko Kamitoku
泰彦 神徳
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • C03C14/004Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2214/00Nature of the non-vitreous component
    • C03C2214/04Particles; Flakes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2214/00Nature of the non-vitreous component
    • C03C2214/08Metals

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波による加熱時に自ら発熱を起こし
て食品への焦げ目つけを可能にし、かつ耐熱性及び機械
的特性に優れたマイクロ波加熱体を提供する。 【解決手段】 ガラス又はセラミックスをマトリックス
とし、扁平状の延性金属粒子を複合相とする複合材料か
らなるマイクロ波加熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性及び機械的
特性に優れた新規なマイクロ波加熱体に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、マイクロ波による調
理では、通常の調理のように食品に焦げ目をつけること
ができず、通常の調理法に比べて風味が及ばなかった。
そのため、食品容器内にマイクロ波によって特に加熱を
受けるような膜や層を組み込んだ発熱体を用いたり、擬
似的な焦げ目つけを行ったりする工夫がなされている。
例えば、酸化錫のような導電体の薄層を陶器容器に施し
た発熱体、基材シートにアルミニウム膜を蒸着した発熱
体、非常に薄い導電性フィルムを使用した発熱体、食品
自体に二糖類などの焦げ目のつきやすい可食物を塗布す
る方法などが挙げられる。しかし、これらの方法では、
充分な加熱効果が生かせず、また、食品の焦げ目付けの
目的が充分に果たされず、また発熱体自体が発熱のため
焦げたりこわれたりする等の問題があった。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
マイクロ波による加熱時に自ら発熱を起こして食品への
焦げ目つけを可能にし、かつ耐熱性及び機械的特性に優
れたマイクロ波加熱体を提供するものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、ガラ
ス又はセラミックスをマトリックスとし、扁平状の延性
金属粒子を複合相とする複合材料からなるマイクロ波加
熱体が提供される。本発明のマイクロ波加熱体は、優れ
たマイクロ波加熱特性を示すので、食品の加熱に好適に
用いることができる。また、複合相に扁平状の延性金属
粒子を用いているので、複合体の機械的特性、特に強度
及び靱性を改善することができる。
【0005】本発明のマイクロ波加熱体は、マイクロ波
調理時の発熱体として用いられ、また電子レンジなどマ
イクロ波で食品を調理する際に食品を適用する容器・調
理器具の素材として、あるいは容器・調理器具の一部と
して使用される。例えば、パイやグラタンなどの食品に
きれいな焦げ目をつけるための受け皿の素材として使用
したり、フライパンのように焦げ目をつける器具の素材
として用いたり、本発明の加熱体の上に食品入りの容器
を乗せて加熱することもできる。また、スープなどの液
状食品を入れる食品容器の底部に用いれば、食品は下か
ら加熱されるため、対流を生じさせることができる。
【0006】本発明における複合材料のマトリックスを
構成するガラスとしては、特に制限はなく、例えば、結
晶化ガラス、汎用ガラス等の酸化物系ガラスや非酸化物
系ガラスから選ばれる一種又は二種以上のガラスを用い
ることができる。具体的には、結晶化ガラスとしては、
LAS I(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO系)、LASII、III
(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO-Nb2O5系)、MAS(MgO-Al2O3
-SiO2系)、BMAS(BaO-MgO-Al2O3-SiO2系)、Terna
ry mullite(BaO-Al2O3-SiO2系)、Hexacelsian(BaO-A
l2O3-SiO2系)や、Li2O-Al2O3-SiO2系、Na2O-Al2O3-SiO
2系、Na2O-CaO-MgO-SiO2系、PbO-ZnO-B2O3系、ZnO-B2O3
-SiO2系、ZrO2-SiO2系、CaO-Y2O3-Al2O3-SiO2系、CaO-A
l2O3-SiO2系、MgO-CaO-Al2O3-SiO2系、SiO2-B2O3-Al2O3
-MgO-K2O-F系等が挙げられる。汎用ガラスとしては、ケ
イ酸ガラス(SiO2系)、ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-S
iO2系)、カリ石灰ガラス(K2O-CaO-SiO2系)、ホウケ
イ酸ガラス(Na2O-B2O3-SiO2系)、アルミノケイ酸ガラ
ス(Al2O3-MgO-CaO-SiO2系)、鉛ガラス(K2O-PbO-SiO2
系)、バリウムガラス(BaO-SiO2-B2O3系)等が挙げら
れる。また、低融点ガラスとして、鉛ケイ酸塩ガラス
(PbO-SiO2系、PbO-B2O3-SiO2系等)、ほう酸塩ガラス
(B2O3系、Li2O-B2O3系、Na2O-B2O3系等)、りん酸塩ガ
ラス(Na2O-P2O5系、B2O3-P2O5系等)やAl2O3-Li2O-Na2
O-K2O-P2O5系等が挙げられる。さらに、近年、開発が進
められているY2O3-Al2O3-SiO2系ガラス、オキシナイト
ライドガラス(La-Si-O-N系、Ca-Al-Si-O-N系、Y-Al-Si
-O-N系、Na-Si-O-N系、Na-La-Si-O-N系、Mg-Al-Si-O-N
系、Si-O-N系、Li-K-Al-Si-O-N系)や熱膨張率の小さい
TiO2-SiO2系、Cu2O-Al2O3-SiO2系等が挙げられる。ま
た、非酸化物系ガラスとしては、ふっ化物系ガラスやカ
ルコゲン系ガラスを用いることができる。
【0007】また、複合材料のマトリックスを構成する
セラミックスとしては、Al23、ZrO2、MgO、
ムライト、MgO/Al23、Al23/Y23等が挙
げられる。一方、複合相の延性金属としては、Ti、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、
Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合
金、ステンレス鋼、パーマロイ及び超耐熱合金から選ば
れる少なくとも一種の延性金属が用いられる。
【0008】また、本発明においては、複合相として扁
平状の延性金属とともに、粒状金属粒子、セラミックス
粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併用
してもよい。これらを併用することにより、複合体の強
度、靱性をさらに向上させることができる。粒状金属と
しては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、W、Fe、Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn及
びそれらの合金、ステンレス鋼、パーマロイ及び超耐熱
合金から選ばれる少なくとも一種の金属が用いられる。
粒状金属と扁平状の延性金属を併用する場合、これらは
同一でも異なっていてもよい。セラミックス粒子として
は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、
W、Fe、Ni、Co、Al、Y、Si及びBの酸化
物、窒化物、炭化物、ほう化物、珪化物及び炭窒化物か
ら選ばれる少なくとも一種のセラミックス粒子が挙げら
れる。セラミックスウイスカーとしては、Si34、S
iC、TiC、グラファイト、チタン酸カリウム、ほう
酸アルミニウム、ZnO、MgO、ほう酸マグネシウ
ム、TiB2 、ムライト等のセラミックスウイスカーか
ら選ばれる少なくとも一種が挙げられる。また、無機質
短繊維としては、アルミナ、アルミナ・シリカ、シリ
カ、ジルコニア等の短繊維、アルミナ、Si34、Si
C、特公昭58−5286号公報に代表されるSi、T
i、C及びOを主成分とする無機繊維等の長繊維をチョ
ップ状に切断したものから選ばれる少なくとも一種が挙
げられる。これらは、特に、焼結温度で使用する金属粒
子と反応して脆弱な化合物を生成しないものを選択する
ことが重要である。
【0009】マトリックスと金属の組み合わせは、マト
リックスの焼結可能温度より金属の融点が高い組み合わ
せを選択することが必要である。マトリックスがガラス
の場合、例えば、マトリックスがケイ酸ガラス系やTiO2
-SiO2系の場合には、焼結温度が1600℃以上になる
ため、それより高い融点を持つ金属であるV、Cr、Z
r、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びそれらの合金を用
いることが好ましい。また、オキシナイトライドガラス
の焼結温度、及びPbO-ZnO-B2O3系を除く結晶化ガラスの
焼結温度と結晶化温度は、およそ700〜1300℃で
あるため、さらにTi、Fe、Ni、Co及びそれらの
合金、ステンレス鋼、パーマロイ、超耐熱合金も使用す
ることができる。さらに、汎用ガラスでは焼結温度がお
よそ600〜1000℃であるため、上記の他にCuも
使用することができ、PbO-ZnO-B2O3系結晶化ガラスと低
融点ガラスでは焼結温度がおよそ200〜600℃であ
るため、さらにAl、Mg、Zn及びそれらの合金を使
用することができる。
【0010】セラミックスをマトリックスとする場合
は、例えば、Al23の場合には、一般的な粉末では焼
結温度が1600℃であるため、それより高い融点を持
つ金属であるV、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、Wを用いることが好ましい。また、低温度焼結タイ
プ(例えば、タイミクロンTM−DAR;大明化学工業
株式会社製)では、焼結温度が1200℃となるため、
さらにTi、Fe、Ni、Co、ステンレス鋼、超耐熱
合金も使用することができる。さらに、Al23にガラ
ス相を加えていくと焼結温度を約900℃まで下げるこ
とができるので、上記の他にCuも使用することができ
る。また、ZrO2(焼結温度>1800℃)とMgO
(焼結温度>1400℃)の場合には、Ti、V、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、
Co、ステンレス鋼、超耐熱合金を用いることができ
る。ムライト(焼結温度>1500℃)の場合には、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Feを
用いることができる。
【0011】本発明においては、耐熱性の絶縁体である
ガラス又はセラミックスマトリックスに導電物質である
扁平状の延性金属を添加するこにより、機構はまだよく
わかっていないが、体積抵抗率を制御できると共に優れ
たマイクロ波加熱特性が発現する。さらに、ガラス又は
セラミックスマトリックスに複合相として扁平状の延性
金属粒子を添加することで、複合相の金属の形態が扁平
状であることにより金属の塑性変形がより作用するた
め、複合材料の強度及び靱性を向上することができる。
特に、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/
t≧3であることが望ましい。d/tが3未満の場合に
は、クラックが金属粒子とマトリックスとの界面を進行
しやすくなるため金属相の塑性変形を十分に利用できな
くなるので好ましくない。d及びtの範囲としては特に
制限はないが、d/t≧3の関係を満足していることが
好ましい。
【0012】また、複合相として粒状金属粒子、セラミ
ックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等
を併用することにより、マトリックス部の高強度化が図
れるため、複合体の強度、靱性をさらに向上させること
ができる。粒状金属の粒径は2μm以下、好ましくは、
1μm以下であることが望ましい。粒径が2μmよりも
大きくなると粒子分散効果が得られないので好ましくな
い。セラミックス粒子の粒径は2μm以下、好ましく
は、1μm以下であることが望ましい。粒径が2μmよ
りも大きくなると粒子分散効果が得られないので好まし
くない。セラミックスウイスカーの形状については、特
に制限はなく、無機質短繊維は、分散性から長さが5m
m以下のものが好ましい。
【0013】本発明の複合材料における複合相の体積率
は2〜40%、特に5〜30%であることが好ましい。
複合相の体積率が2%よりも少ない場合には、金属の塑
性変形量が相対的に少なすぎるために機械的性質の改善
効果が十分ではなく、また、複合相の体積率が40%よ
りも多くなると、複合体の体積抵抗率が下がり発明の効
果が発現しない。また、複合相として粒状金属粒子、セ
ラミックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊
維等を併用する場合、これらの体積率は、2〜40%、
特に3〜30%であることが好ましい。体積率が2%よ
りも少ない場合には、添加の効果が発現しない。また、
体積率が40%よりも多くなってもそれ以上機械的物性
は向上しない。
【0014】本発明のマイクロ波加熱体は、以下の方法
で製造される。まず、延性金属粉末表面にガラス粉末又
はセラミックス粉末が付着している複合粉末を製造す
る。このような複合粉末は、延性金属粉末とガラス粉末
又はセラミックス粉末を混合し、延性金属粉末を混合中
に塑性変形させて扁平化させることにより製造できる。
ガラス粉末の粒度は、特に制限はないが、50μm以下
のものが望ましい。セラミックス粉末の粒度は特に制限
はないが、焼結性のよい平均粒径1μm以下のものが望
ましい。また、延性金属粉末の粒子径は、扁平化を容易
に促進するために1〜200μm、特に3〜100μm
の範囲が好ましい。延性金属粉末の粒子径が1μmより
も小さいと、微粒のため扁平化させることができない。
また、200μmよりも大きくなると、粗粒のため焼結
を困難にし、またガラス粉末又はセラミックス粉末との
分離が激しくなるため、均一混合が困難となる。延性金
属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉末の混合割合
は、混合粉末における延性金属粉末の体積率が2〜40
%、特に5〜30%であることが好ましい。
【0015】また、複合相として粒状金属粒子、セラミ
ックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等
を併用する場合、延性金属粉末とガラス粉末の混合時に
添加する。粒状金属の粒子径は、2μm以下、好ましく
は1μm以下であることが望ましい。セラミックス粉末
の粒子径は、2μm以下、特に1μm以下が好ましい。
セラミックス粉末の粒子径が2μmよりも大きくなる
と、粒子分散効果が得られない。セラミックスウイスカ
ーの形状については、特に制限はなく市場にでているタ
イプをそのまま用いることができる。無機質短繊維や長
繊維を切断して用いる場合には、取扱易さや分散性から
長さが5mm以下のものを用いるのが好ましい。これら
の混合割合は、体積率が、2〜40%、特に3〜30%
であることが好ましい。
【0016】金属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉
末の混合方法については、特に制限はなく湿式及び乾式
のいずれも採用できる。湿式混合の場合の溶媒としては
エ夕ノール、メ夕ノール等が一般に使用される。混合装
置については、ボールミル、振動ミル、アトライター、
遊星型ボールミル等を用いることができる。延性金属粉
末は、混合時のボール等の混合媒体による機械的混合に
より球状から扁平状へと変形が進む。したがって、混合
条件の制御により扁平化の程度を制御することができ
る。一般に、混合時間、回転数等の条件により変形量は
変わってくるので、扁平粒子とする時はこれらの条件を
制御し、扁平化の形状がd/t≧3を満足するように扁
平化させることが望ましい。さらに、この混合過程で、
金属粉末の表面にガラス粉末又はセラミックス粉末が付
着するため、焼結過程で金属同士が接触、造粒すること
を防止することができる。なお、金属粉末とガラス粉末
又はセラミックス粉末の混合割合によっては、金属表面
に付着しないガラス粉末又はセラミックス粉末も共存す
ることは言うまでもない。また、使用する金属粉末の粒
度によっては、混合後も未変形の粒子が残るが、扁平化
した粒子が適当量あれば、機械的特性の改善効果は得ら
れる。また、上記の扁平な延性金属粉末表面にガラス粉
末又はセラミックス粉末が付着している複合粉末は、予
め延性金属粉末を圧延加工等により扁平化させ、これと
ガラス粉末又はセラミックス粉末を混合することによっ
ても製造することができるが、混合と扁平化を同時に行
う前述の方法が工程の簡略化と均−混合の面で有利であ
る。
【0017】次に、得られた混合粉末を所望の形状に成
形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下また
は真空中で200〜1800℃で焼結する。焼結方法と
しては、公知の焼結方法を用いることができる。例え
ば、CIP成形や射出成形した成形体を常圧焼結や真空
焼結さらにHIPで高密度化するプロセスでは、球状粒
子の場合や扁平化した粒子でも3次元にランダムに配向
するため等方的な組織となるが、扁平粒子を用いてホッ
トプレス等の一軸加圧方法により成形を行うと、扁平化
した粒子はプレス方向と垂直方向に2次元に配向するの
で、特に厚さ方向の強度が向上する。また、ガラスマト
リックスの場合は、押し出し法やロール成形などによ
り、長尺の形状に成形することもできる。さらに、鍛造
法や鋳造法、好ましくは加圧鋳造法により直接複雑形状
の成形をすることもできる。また、焼結は、200〜1
800℃の温度範囲で行うことができるが、扁平粒子を
用いる場合には、扁平な延性金属の形状が保持されるよ
うに延性金属の融点より低い温度で行えるように、前記
したガラス粉末と延性金属を選択することが必要であ
る。
【0018】
【作用】本発明によれば、ガラス又はセラミックスマト
リックスに複合相として扁平状の金属粒子を添加するこ
により、機構はまだよくわかっていないが、体積抵抗率
を制御できると共に優れたマイクロ波加熱特性が発現す
る。さらに複合相の金属の形態が扁平状であることによ
り扁平粒子の塑性変形も十分利用することができるため
高靱性化に寄与でき、さらに強度も向上させることがで
きるため、機械的特性の優れたマイクロ波加熱体が提供
できる。また、複合相として粒状金属粒子、セラミック
ス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併
用することにより、ガラスマトリックス部の高強度化が
図れるため、複合体の強度、靱性をさらに向上させるこ
とができる。さらにガラス又はセラミックスと熱膨張係
数の大きく異なる粒子を選択すれば、焼結過程で発生す
る熱応力による残留応力により、さらに高強度化が可能
となり、高強度、高靱性の構造部材に適用できる複合材
料が提供できる。また、前述したように複合相を2次元
に配向させれば、配向方向と垂直方向の強度をさらに向
上させることができる。さらに、複合相の形態は、原料
粉末である延性金属粉末とガラス粉末又はセラミックス
粉末の混合中の変形を利用して扁平化が達成できるた
め、複合相の形状の制御が容易であり、追加の製造プロ
セスを必要とせず、複合化によるコスト増を抑えること
ができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 MAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径20μm以下)
と45μmアンダーのステンレス粉末(SUS316
L;山陽特殊製鋼製)をステンレスの体積率が5、1
0、15、20、30%となるように秤量した。これら
の混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用い
てボールミル混合を行った。図1及び図2にステンレス
粉末の体積率が10%の場合のボールミル後の混合粉末
の外観の走査型電子顕微鏡像と断面組織の光学顕微鏡像
を示す。これらより、添加した45μmアンダーのステ
ンレス粉末がボールミル混合により扁平化し、さらにガ
ラス粉末が表面に付着していることがわかる。この混合
粉末を黒鉛のモールドにいれホットプレスにより、10
00℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保
持して焼結を行った。図3にステンレスの体積率が10
%の場合の複合材料のプレス方向と平行方向の断面組織
の光学顕微鏡像を示す。45μmアンダーのステンレス
粉末は2次元に配向し、d/t≧3を満たして扁平化し
ていることがわかる。
【0020】法により破壊靱性を測定したところ、曲げ
強度25kg/mm2 、破壊靱性6MPam1/2 という高い値
が得られた。この複合材料から30×30×3mmの板
状の試験片を加工し、6GHz,500Wの条件でマイ
クロ波加熱特性を評価した。図4に試験片の温度とマイ
クロ波の照射時間の関係を示す。比較のため、MASガ
ラス単相とステンレス粉末を50体積%添加した複合材
料を実施例1と同様の方法で製造し、マイクロ波加熱特
性を評価したも合わせて示す。これから本発明品は優れ
たマイクロ波加熱特性を示しているのがわかる。また、
3点曲げ試験により曲げ強度を、SEVNB法により破
壊靱性を測定した結果を表1にMASガラス単相の結果
も合わせて示す。扁平状のステンレス粒子で強化するこ
とより、MASガラス単相に比べ強度、靱性共に改善さ
れ、本発明の効果が確認された。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-SiO2系)粉末(粒径45
μm以下)と45〜10μmのNi合金(Ni17Cr
6Al10.6Y,MA−90;昭和電工社製)を体積
率が85:15となるように秤量し、これらの混合粉末
をエタノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミ
ル混合を行った。この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ
ホットプレスにより、700℃、100kg/cm2 の圧力
でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。得られた
複合材料について実施例1と同様にマイクロ波加熱特性
と曲げ強度、破壊靱性を評価した。マイクロ波加熱特性
は500℃まで加熱されるのに10秒と優れたマイクロ
波加熱特性を示し、曲げ強度は25kg/mm2 、破壊靱性
は5.2MPam1/2 という高い値を示した。
【0023】実施例3 マトリックスに純度99.99%のアルミナ粉末(AK
P−30;住友化学製)と粒径53〜10μmのMo粉
末(MA−60;昭和電工製)を体積率が80:20に
なるようにして、実施例2と同様にして複合材料を製造
した。なお、ホットプレス温度は1600℃、圧力は3
00kg/cm2 とした。得られた複合材料について実施例
1と同様にマイクロ波加熱特性と曲げ強度、破壊靱性を
評価した。マイクロ波加熱特性は500℃まで加熱され
るのに20秒と優れたマイクロ波加熱特性を示し、曲げ
強度50kg/mm2 、破壊靱性11MPam1/2 という高
い値が得られた。
【0024】実施例4 ZrO2粉末(3Y;東ソー製)とNi(300メッシ
ュアンダー;高純度化学研究所製)を体積率が85:1
5になるようにして、実施例1と同様にして複合材料を
製造した。なお、ホットプレス温度は1400℃、圧力
は300kg/cm2 とした。得られた複合材料について実
施例1と同様にマイクロ波加熱特性と曲げ強度、破壊靱
性を評価した。マイクロ波加熱特性は500℃まで加熱
されるのに15秒と優れたマイクロ波加熱特性を示し、
曲げ強度70kg/mm2 、破壊靱性11.5MPam1/2
という高い値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真
である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で得られた複合材
料の組織を表す図面に代える光学顕微鏡写真である。
【図4】 図4は、本発明の実施例1で得られた複合材
料のマイクロ波加熱特性を測定した結果を表す図面であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 神徳 泰彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス又はセラミックスをマトリックス
    とし、扁平状の延性金属粒子を複合相とする複合材料か
    らなるマイクロ波加熱体。
  2. 【請求項2】 複合相の体積率が、2〜40%である請
    求項1記載のマイクロ波加熱体。
  3. 【請求項3】 複合相の金属が、Ti、V、Cr、Z
    r、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、Co、
    Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合金、ステンレス
    鋼、パーマロイ及び超耐熱合金から選ばれる少なくとも
    一種である請求項1記載のマイクロ波加熱体。
JP8090002A 1996-03-21 1996-03-21 マイクロ波加熱体 Pending JPH09255365A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7718445B2 (en) 2000-10-03 2010-05-18 Mirari Biosciences, Inc. Methods and compositions for directed microwave chemistry
US8309367B2 (en) 2000-10-03 2012-11-13 Mirari Biosciences, Inc. Microwave microfluidics
US8431414B2 (en) 2000-10-03 2013-04-30 Mirari Biosciences, Inc. Methods and compositions for directed microwave chemistry

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US7718445B2 (en) 2000-10-03 2010-05-18 Mirari Biosciences, Inc. Methods and compositions for directed microwave chemistry
US8309367B2 (en) 2000-10-03 2012-11-13 Mirari Biosciences, Inc. Microwave microfluidics
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