JP3596086B2 - ガラス複合材料及びガラス複合粉末並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、約1000℃以下の温度域で構造材料部材として安定的に使用されるガラス複合材料及びその焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ガラスは現在工業材料として広範な分野に使用されているが、強度及び靱性が低いことから、その構造部材ヘの利用が阻害されている。
このため、機械的特性、特に靱性や強度の向上を目的とした複合化が検討されてきている。複合化させる強化材としては、セラミックスの粒子やウイスカー(例えば特開昭63−282131号)及び長繊維(例えば特開昭56−169152号)を使用した技術が開示されている。
【0003】
上述した技術によれば、いずれにおいても機械的特性は改善され、実際に論文で報告されている結果を示すと、ウイスカーを使用した場合では、ボロンシリケートガラスマトリックスを各種のSiCウイスカーで強化(20体積%)した複合材料で、曲げ強度12〜18kg/mm2 、破壊靱性3.8〜5.5MPam1/2 の値(Ceram.Eng.Sci.Proc.,7(7−8)(1986)978.)が報告されている。
長繊維を使用した場合では、LASガラスマトリックスをSiC繊維で一方向強化(44体積%)した複合材料で繊維方向では、曲げ強度約65kg/mm2 、破壊靱性17MPam1/2 の値が報告されているが、繊維と直角方向の強度を補うため、0゜/90゜の積層したものでは、曲げ強度約35kg/mm2 、破壊靱性9MPam1/2 と大きく低下している(Amer.Ceram.Soc.Bull.,65(1986)305)。
【0004】
これからウイスカー強化では、構造部材としての使用を考えると強度、靱性共に不十分である。また、長繊維強化では、繊維方向では優れた値を示しているが、強度の低い直角方向の強度を改善するため、積層パターンを変えると特性は大きく低下する。しかも、実用部材を考えた場合、応力状態は複雑で形状も複雑であるから、一方向材の使用は困難であり、上記の一方向材の値は実用の際にはあまり参考とならない。さらに、長繊維は高価であり、複合化プロセスも複雑であるから製品コストは非常に高いものとなり、一般工業材料としての使用は困難である。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的は、前記問題点を解決し、構造部材に適した高強度高靱性のガラス複合材料及びその焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、酸化物系ガラスをマトリックスとし、扁平状の延性金属粒子を強化相とすることにより高強度高靱性のガラス複合材料が提供される。前記扁平状の延性金属粒子は平均粒子径1〜200μmの金属粉末を扁平化したものであり、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmである。このような高強度高靱性のガラス複合材料は、平均粒子径1〜200μmの金属粉末を扁平化し、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmである扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末を出発原料とし、この混合粉末を成形後、200〜1800℃で焼結することにより得られる。また、本発明によれば、平均粒子径1〜200μmの金属粉末を扁平化した延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末であり、前記延性金属粉末の粒子は扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmであることを特徴とするガラス複合粉末が提供される。このようなガラス複合粉末は、平均粒子径1〜200μmの延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末を混合することにより、該延性金属粉末を塑性変形させて扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmとなるように扁平化させることにより得られる。
【0007】
本発明のガラス複合材料のマトリックスを構成する酸化物系ガラスとしては、特に制限はなく、結晶化ガラス、汎用ガラス等から選ばれる一種又は二種以上の酸化物系ガラスを用いることができる。
具体的には、結晶化ガラスとしては、LAS I(Li2O−Al2O3−SiO2−MgO系)、LASII、III(Li2O−Al2O3−SiO2−MgO−Nb2O5系)、MAS(MgO−Al2O3−SiO2系)、BMAS(BaO−MgO−Al2O3−SiO2系)、Ternary mullite(BaO−Al2O3−SiO2系)、Hexacelsian(BaO−Al2O3−SiO2系)や、Li2O−Al2O3−SiO2系、Na2O−Al2O3−SiO2系、Na2O−CaO−MgO−SiO2系、PbO−ZnO−B2O3系、ZnO−B2O3−SiO2系、ZrO2−SiO2系、CaO−Y2O3−Al2O3−SiO2系、CaO−Al2O3−SiO2系、MgO−CaO−Al2O3−SiO2系、SiO2−B2O3−Al2O3−MgO−K2O−F系等が挙げられる。汎用ガラスとしては、ケイ酸ガラス(SiO2系)、ソーダ石灰ガラス(Na2O−CaO−SiO2系)、カリ石灰ガラス(K2O−CaO−SiO2系)、ホウケイ酸ガラス(Na2O−B2O3−SiO2系)、アルミノケイ酸ガラス(Al2O3−MgO−CaO−SiO2系)、鉛ガラス(K2O−PbO−SiO2系)、バリウムガラス(BaO−SiO2−B2O3系)等が挙げられる。また、低融点ガラスとして、鉛ケイ酸塩ガラス(PbO−SiO2系、PbO−B2O3−SiO2系等)、ほう酸塩ガラス(B2O3系、Li2O−B2O3系、Na2O−B2O3系等)、りん酸塩ガラス(Na2O−P2O5系、B2O3−P2O5系等)やAl2O3−Li2O−Na2O−K2O−P2O5系等が挙げられる。さらに、近年、開発が進められているY2O3−Al2O3−SiO2系ガラス、オキシナイトライドガラス(La−Si−O−N系、Ca−Al−Si−O−N系、Y−Al−Si−O−N系、Na−Si−O−N系、Na−La−Si−O−N系、Mg−Al−Si−O−N系、Si−O−N系、Li−K−Al−Si−O−N系)や熱膨張率の小さいTiO2−SiO2系、Cu2O−Al2O3−SiO2系等が挙げられる。
【0008】
また、強化相の金属としては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合金、ステンレス鋼及び超耐熱合金から選ばれる少なくとも一種の延性金属が用いられる。
マトリックスと金属の組み合わせは、焼結時に扁平な延性金属の形状が保持されるように、マトリックスの焼結可能温度より延性金属の融点が高い組み合わせを選択することが必要である。
例えば、マトリックスがケイ酸ガラス系やTiO2−SiO2系の場合には、焼結温度が1600℃以上になるため、それより高い融点を持つ金属であるV、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びそれらの合金を用いることが好ましい。また、オキシナイトライドガラスの焼結温度、及びPbO−ZnO−B2O3系を除く結晶化ガラスの焼結温度と結晶化温度は、およそ700〜1300℃であるため、さらにTi、Fe、Ni、Co及びそれらの合金、ステンレス鋼、超耐熱合金も使用することができる。さらに、汎用ガラスでは焼結温度がおよそ600〜1000℃であるため、上記の他にCuも使用することができ、PbO−ZnO−B2O3系結晶化ガラスと低融点ガラスでは焼結温度がおよそ200〜600℃であるため、さらにAl、Mg、Zn及びそれらの合金を使用することができる。
【0009】
本発明においては、強化相の形態を扁平状とすることにより強度及び靱性が向上し、特に靱性において大きな向上が達成できる。特に、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3であることが好ましい。d/tが3未満の場合には、クラックが金属粒子とマトリックスとの界面を進行しやすくなるため金属相の塑性変形を十分に利用できなくなるので好ましくない。厚さtは0.5μm以上であることが望ましい。これより小さくなると塑性変形による効果が発揮されない。dの範囲としては特に制限はないが、d/t≧3の関係を満足していることが好ましい。
【0010】
ガラス複合材料における強化相の体積率は2〜60%、特に10〜50%であることが好ましい。強化相の体積率が2%よりも少ない場合には、金属の塑性変形量が相対的に少なすぎるために強度及び靱性の向上が十分でなく、また、強化相の体積率が60%よりも多くなると、複合体の硬度が下がり、耐熱性も低下するため実用的でない。
【0011】
本発明のガラス複合材料は、以下の方法で製造される。
まず、扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末を製造する。
このような複合粉末は、延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末を混合することにより、該延性金属粉末を塑性変形させて扁平化させることにより製造できる。
酸化物系ガラス粉末の粒度は、特に制限はないが、50μm以下のものが望ましい。また、延性金属粉末の粒子径は、扁平化を容易に促進するために1〜200μm、特に3〜100μmの範囲が好ましい。延性金属粉末の粒子径が1μmよりも小さいと、微粒のため扁平化させることができない。また、200μmよりも大きくなると、粗粒のため焼結を困難にし、またガラス粉末との分離が激しくなるため、均一混合が困難となる。
延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末の混合割合は、混合粉末における延性金属粉末の体積率が2〜60%、特に10〜50%であることが好ましい。
【0012】
延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末の混合方法については、特に制限はなく湿式及び乾式のいずれも採用できる。湿式混合の場合の溶媒としてはエ夕ノール、メ夕ノール等が一般に使用される。混合装置については、ボールミル、振動ミル、アトライター、遊星型ボールミル等を用いることができる。
延性金属粉末は、混合時のボール等の混合媒体による機械的混合により球状から扁平状へと変形が進む。したがって、混合条件の制御により扁平化の程度を制御することができる。一般に、混合時間、回転数等の条件により変形量は変わってくるので、扁平化の形状がd/t≧3を満足するように混合条件を制御することが望ましい。
さらに、この混合過程で、扁平化した延性金属粉末の表面に酸化物系ガラス粉末が付着するため、焼結過程で延性金属同士が接触、造粒することを防止することができる。なお、延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末の混合割合によっては、金属表面に付着しないガラス粉末も共存することは言うまでもない。また、使用する延性金属粉末の粒度によっては、混合後も未変形の粒子が残るが、扁平化した粒子が適当量あれば、発明の効果は得られる。
また、上記の扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末は、予め延性金属粉末を圧延加工等により扁平化させ、これと酸化物系ガラス粉末を混合することによっても製造することができるが、混合と扁平化を同時に行う前述の方法が工程の簡略化と均−混合の面で有利である。
【0013】
次に、得られた混合粉末を所望の形状に成形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下または真空中で200〜1800℃で焼結する。
焼結方法としては、公知の焼結方法を用いることができる。例えば、CIP成形や射出成形した成形体を常圧焼結や真空焼結さらにHIPで高密度化するプロセスでは、扁平化した粒子は3次元にランダムに配向するが、ホットプレス等の一軸加圧方法により成形を行うと、扁平化した粒子はプレス方向と垂直方向に2次元に配向するので、焼結体の特牲(特に靱性)に異方性を持たせることもできる。
また、押し出し法やロール成形などにより、長尺の形状に成形することもできる。さらに、鋳造法、好ましくは加圧鋳造法により直接複雑形状の成形をすることもできる。
また、焼結は、200〜1800℃の温度範囲で行うことができるが、扁平な延性金属の形状が保持されるように延性金属の融点より低い温度で行えるように、前記したガラス粉末と延性金属を選択することが必要である。
【0014】
【作用】
本発明によれば、強化相が扁平状の金属粒子であるので、球状粒子を用いた場合に発生するクラックが粒子とマトリックスの界面を進行する現象を抑制することができ、したがって金属粒子の塑性変形による靱性向上を十分に利用することができる。また、クラックが粒子とマトリックスの界面を進行する場合でも異形であるため、クラックは偏向し、高靱性化に寄与でき、さらに強度も向上させることができるため、構造部材に適用できるガラス複合材料が提供できる。
また、前述したように強化相を2次元に配向させれば、配向方向と垂直方向の靱性をさらに向上させることができる。
さらに、強化相の形態は、原料粉末である延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末の混合中の変形を利用して扁平化が達成できるため、強化相の形状の制御が容易であり、追加の製造プロセスを必要とせず、複合化によるコスト増を抑えることができる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
MAS(MgO−Al2O3−SiO2系)粉末(粒径20μm以下)と粒径53〜10μmのMo粉末(M−60;昭和電工製)を体積率が80:20となるように秤量した。
これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。図1及び図2にボールミル後の混合粉末の外観の走査型電子顕微鏡像と断面組織の光学顕微鏡像を示す。これらより、添加した粒径53〜10μmMo粉末がボールミル混合により扁平化し、さらにガラス粉末が表面に付着していることがわかる。
【0016】
この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、1000℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。図3に得られた複合材料のプレス方向と平行方向の断面組織の光学顕微鏡像を示す。強化相は2次元に配向し、d/t≧3を満たして扁平化していることがわかる。
この複合材料から3×4×40の試験片を加工し、3点曲げ試験により曲げ強度を、SEVNB法により破壊靱性を測定したところ、曲げ強度35kg/mm2 、破壊靱性7MPam1/2 という高い値が得られた。
【0017】
比較例1
MAS(MgO−Al2O3−SiO2系)粉末(粒径20μm以下)のみを実施例1と同様の方法で焼結した。得られたガラス単相の焼結体は、曲げ強度10kg/mm2 、破壊靱性1.1MPam1/2 であり、本発明の効果が顕著であることがわかる。
【0018】
実施例2
実施例1と同じ組成の混合粉末で、混合条件を変え、d/tを変化させたものを用い、実施例1と同じ条件で焼結を行った。得られた複合材料の破壊靱性を測定した結果を図4に示す。これより破壊靱性はd/t≧3で大きな値を示しており、d/tが1.5以下では破壊靱性3.5MPam1/2 と靱性の向上効果は小さいことがわかる。
【0019】
実施例3
LAS I(Li2O−Al2O3−SiO2−MgO系)粉末(粒径20μm以下)と粒径45〜5μmのTa粉末(M−40;昭和電工製)を体積率が70:30となるように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
この混合粉末を用いて実施例1と同様にして焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度45kg/mm2 、破壊靱性9MPam1/2 という高い値が得られた。
【0020】
実施例4
LASIII(Li2O−Al2O3−SiO2−MgO−Nb2O5系)粉末(粒径20μm以下)と粒径45μm以下のNb粉末(石津製薬製)を体積率が70:30となるように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
この混合粉末を用いて実施例1と同様にして焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度47kg/mm2 、破壊靱性8.8MPam1/2 という高い値が得られた。
【0021】
実施例5
ソーダ石灰ガラス(Na2O−CaO−SiO2系)粉末(粒径45μm以下)と粒径45〜10μmのNi合金(Ni17Cr6Al10.6Y,MA−90;昭和電工製)を体積率が70:30となるように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、700℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度35kg/mm2 、破壊靱性8.3MPam1/2 という高い値が得られた。
【0022】
実施例6
ケイ酸ガラス(SiO2系)粉末(粒径20μm以下)と粒径45μm以下のNb粉末(石津製薬製)を体積率が60:40となるように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、1600℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度38kg/mm2 、破壊靱性9.2MPam1/2 という高い値が得られた。
【0023】
実施例7
アルミノケイ酸ガラス(Al2O3−MgO−CaO−SiO2系)粉末(粒径45μm以下)と粒径45μm以下のステンレス(SUS316L)粉末(山陽特殊製鋼製)を体積率が70:30となるように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、950℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度32kg/mm2 、破壊靱性7.5MPam1/2 という高い値が得られた。
【0024】
実施例8
低融点ガラス(Al2O3−Li2O−Na2O−K2O−P2O5系)粉末(粒径45μm以下)と粒径90〜38μmのAl粉末(スルザーサーフェイステックジャパン製)を体積率が80:20となるように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、400℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度25kg/mm2 、破壊靱性6.3MPam1/2 という高い値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1のボールミル後の混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明の実施例1のボールミル後の混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明の実施例1で得られた複合材料のガラス材料の組織を表す図面に代える光学顕微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明の実施例2で得られた複合材料の破壊靱性を測定した結果を表す図面である。
Claims (4)
- 酸化物系ガラスをマトリックスとし、扁平状の延性金属粒子を強化相とするガラス複合材料であり、前記扁平状の延性金属粒子は、粒子径1〜200μmの金属粉末を扁平化したものであり、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmであることを特徴とするガラス複合材料。
- 粒子径1〜200μmの金属粉末を扁平化し、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmである扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末を出発原料とし、この混合粉末を成形後、200〜1800℃で焼結することを特徴とする請求項1記載のガラス複合材料の製造方法。
- 粒子径1〜200μmの金属粉末を扁平化した延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末であり、前記延性金属粉末の粒子は扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmであることを特徴とするガラス複合粉末。
- 粒子径1〜200μmの延性金属粉末と酸化物系ガラス粉末を混合することにより、該延性金属粉末を塑性変形させて扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3、t≧0.5μmとなるように扁平化させることを特徴とする請求項3記載のガラス複合粉末の製造方法。
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