JPH08295535A - 高強度高靱性ガラス複合材料及びガラス複合粉末並びにそれらの製造方法 - Google Patents

高強度高靱性ガラス複合材料及びガラス複合粉末並びにそれらの製造方法

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JPH08295535A
JPH08295535A JP12042695A JP12042695A JPH08295535A JP H08295535 A JPH08295535 A JP H08295535A JP 12042695 A JP12042695 A JP 12042695A JP 12042695 A JP12042695 A JP 12042695A JP H08295535 A JPH08295535 A JP H08295535A
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powder
glass
composite material
ductile metal
glass composite
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JP12042695A
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English (en)
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Yoshiharu Waku
芳春 和久
Michiyuki Suzuki
道之 鈴木
Yoshihiko Oda
良彦 織田
Yasuhiko Kamitoku
泰彦 神徳
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 約1000℃以下の温度域で構造材料部材と
して安定的に使用されるガラス複合材料及びその焼結用
原料粉末並びにそれらの製造方法を提供する。 【構成】 酸化物系ガラスをマトリックスとし、扁平状
の延性金属及びセラミックス粒子を強化相とすることを
特徴とする高強度高靱性ガラス複合材料。該複合材料
は、扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラス粉末及び
セラミックス粉末が付着しているガラス複合粉末を出発
原料とし、この混合粉末を成形後、200〜1800℃
で焼結することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、約1000℃以下の温
度域で構造材料部材として安定的に使用されるガラス複
合材料及びその焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ガラスは現在工業材料とし
て広範な分野に使用されているが、強度及び靱性が低い
ことから、その構造部材ヘの利用が阻害されている。こ
のため、機械的特性、特に靱性や強度の向上を目的とし
た複合化が検討されてきている。複合化させる強化材と
しては、セラミックスの粒子やウイスカー(例えば特開
昭63−282131号)及び長繊維(例えば特開昭5
6−169152号)を使用した技術が開示されてい
る。
【0003】上述した技術によれば、いずれにおいても
機械的特性は改善され、実際に論文で報告されている結
果を示すと、ウイスカーを使用した場合では、ボロシリ
ケートガラスマトリックスを各種のSiCウイスカーで
強化(20体積%)した複合材料で、曲げ強度12〜1
8kg/mm2 、破壊靱性3.8〜5.5MPam1/2 の値
(Ceram.Eng.Sci.Proc.,7(7-8)(1986)978.)が報告され
ている。長繊維を使用した場合では、LASガラスマト
リックスをSiC繊維で一方向強化(44体積%)した
複合材料で繊維方向では、曲げ強度約65kg/mm2 、破
壊靱性17MPam1/2 の値が報告されているが、繊維と
直角方向の強度を補うため、0゜/90゜の積層したも
のでは、曲げ強度約35kg/mm2 、破壊靱性9MPam
1/2 と大きく低下している(Amer.Ceram.Soc.Bull.,65
(1986)305)。
【0004】これからウイスカー強化では、構造部材と
しての使用を考えると強度、靱性共に不十分である。ま
た、長繊維強化では、繊維方向では優れた値を示してい
るが、強度の低い直角方向の強度を改善するため、積層
パターンを変えると特性は大きく低下する。しかも、実
用部材を考えた場合、応力状態は複雑で形状も複雑であ
るから、一方向材の使用は困難であり、上記の一方向材
の値は実用の際にはあまり参考とならない。さらに、長
繊維は高価であり、複合化プロセスも複雑であるから製
品コストは非常に高いものとなり、一般工業材料として
の使用は困難である。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
構造部材に適した高強度高靱性のガラス複合材料及びそ
の焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法を提供するも
のである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、酸化
物系ガラスをマトリックスとし、扁平状の延性金属及び
セラミックス粒子を強化相とすることにより高強度高靱
性のガラス複合材料が提供される。このような高強度高
靱性のガラス複合材料は、扁平な延性金属粉末表面に酸
化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末が付着している
ガラス複合粉末を出発原料とし、この混合粉末を成形
後、200〜1800℃で焼結することにより得られ
る。また、本発明によれば、扁平な延性金属粉末表面に
酸化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末が付着してい
ることを特徴とするガラス複合粉末が提供される。この
ようなガラス複合粉末は、延性金属粉末、酸化物系ガラ
ス粉末及びセラミックス粉末を混合することにより、該
延性金属粉末を塑性変形させて扁平化させることにより
得られる。
【0007】本発明のガラス複合材料のマトリックスを
構成する酸化物系ガラスとしては、特に制限はなく、結
晶化ガラス、汎用ガラス等から選ばれる一種又は二種以
上の酸化物系ガラスを用いることができる。具体的に
は、結晶化ガラスとしては、LAS I(Li2O-Al2O3-SiO
2-MgO系)、LASII、III(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO-Nb2O
5系)、MAS(MgO-Al2O3-SiO2系)、BMAS(BaO-M
gO-Al2O3-SiO2系)、Ternary mullite(BaO-Al2O3-SiO2
系)、Hexacelsian(BaO-Al2O3-SiO2系)や、Li2O-Al2O
3-SiO2系、Na2O-Al2O3-SiO2系、Na2O-CaO-MgO-SiO2系、
PbO-ZnO-B2O3系、ZnO-B2O3-SiO2系、ZrO2-SiO2系、CaO-
Y2O3-Al2O3-SiO2系、CaO-Al2O3-SiO2系、MgO-CaO-Al2O3
-SiO2系、SiO2-B2O3-Al2O3-MgO-K2O-F系等が挙げられ
る。汎用ガラスとしては、ケイ酸ガラス(SiO2系)、ソ
ーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-SiO2系)、カリ石灰ガラス
(K2O-CaO-SiO2系)、ホウケイ酸ガラス(Na2O-B2O3-Si
O2系)、アルミノケイ酸ガラス(Al2O3-MgO-CaO-SiO
2系)、鉛ガラス(K2O-PbO-SiO2系)、バリウムガラス
(BaO-SiO2-B2O3系)等が挙げられる。また、低融点ガ
ラスとして、鉛ケイ酸塩ガラス(PbO-SiO2系、PbO-B2O3
-SiO2系等)、ほう酸塩ガラス(B2O3系、Li2O-B2O3系、
Na2O-B2O3系等)、りん酸塩ガラス(Na2O-P2O5系、B2O3
-P2O5系等)やAl2O3-Li2O-Na2O-K2O-P2O5系等が挙げら
れる。さらに、近年、開発が進められているY2O3-Al2O3
-SiO2系ガラス、オキシナイトライドガラス(La-Si-O-N
系、Ca-Al-Si-O-N系、Y-Al-Si-O-N系、Na-Si-O-N系、Na
-La-Si-O-N系、Mg-Al-Si-O-N系、Si-O-N系、Li-K-Al-Si
-O-N系)や熱膨張率の小さいTiO2-SiO2系、Cu2O-Al2O3-
SiO2系等が挙げられる。
【0008】また、強化相を構成する扁平状の延性金属
としては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、
Ta、W、Fe、Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn
及びそれらの合金、ステンレス鋼及び超耐熱合金から選
ばれる少なくとも一種の延性金属が用いられる。強化相
を構成するセラミックス粒子としては、Ti、V、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、
Co、Al、Y、Si及びBの酸化物、窒化物、炭化
物、ほう化物、珪化物及び炭窒化物から選ばれる少なく
とも一種のセラミックス粒子が挙げられる。特に、焼結
温度で使用する延性金属と反応して脆弱な化合物を生成
しない粒子を選択することが重要である。マトリックス
と金属の組み合わせは、焼結時に扁平な延性金属の形状
が保持されるように、マトリックスの焼結可能温度より
延性金属の融点が高い組み合わせを選択することが必要
である。例えば、マトリックスがケイ酸ガラス系やTiO2
-SiO2系の場合には、焼結温度が1600℃以上になる
ため、それより高い融点を持つ金属であるV、Cr、Z
r、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びそれらの合金を用
いることが好ましい。また、オキシナイトライドガラス
の焼結温度、及びPbO-ZnO-B2O3系を除く結晶化ガラスの
焼結温度と結晶化温度は、およそ700〜1300℃で
あるため、さらにTi、Fe、Ni、Co及びそれらの
合金、ステンレス鋼、超耐熱合金も使用することができ
る。さらに、汎用ガラスでは焼結温度がおよそ600〜
1000℃であるため、上記の他にCuも使用すること
ができ、PbO-ZnO-B2O3系結晶化ガラスと低融点ガラスで
は焼結温度がおよそ200〜600℃であるため、さら
にAl、Mg、Zn及びそれらの合金を使用することが
できる。
【0009】本発明においては、強化相の形態を扁平状
とすることにより強度及び靱性が向上し、特に靱性にお
いて大きな向上が達成できる。特に、扁平面の最小径を
d、厚さをtとしたときにd/t≧3であることが好ま
しい。d/tが3未満の場合には、クラックが金属粒子
とマトリックスとの界面を進行しやすくなるため金属相
の塑性変形を十分に利用できなくなるので好ましくな
い。厚さtは0.5μm以上であることが望ましい。こ
れより小さくなると塑性変形による効果が発揮されな
い。dの範囲としては特に制限はないが、d/t≧3の
関係を満足していることが好ましい。また、強化相とし
てセラミックス粒子を用いることにより、粒子分散効果
により酸化物系ガラスマトリックス部の高強度化が図れ
るため、複合体の強度をさらに向上させることができ
る。特に、セラミックス粒子の粒径は2μm以下、好ま
しくは、1μm以下であることが望ましい。粒径が2μ
mよりも大きくなると粒子分散効果が得られないので好
ましくない。
【0010】ガラス複合材料における強化相の扁平状の
延性金属の体積率は2〜60%、特に10〜50%であ
ることが好ましい。強化相の体積率が2%よりも少ない
場合には、金属の塑性変形量が相対的に少なすぎるため
に強度及び靱性の向上が十分でなく、また、強化相の体
積率が60%よりも多くなると、複合体の硬度が下が
り、耐熱性も低下するため実用的でない。また、強化相
のセラミックス粒子の体積率は、2〜40%、特に3〜
30%であることが好ましい。体積率が2%よりも少な
い場合には、粒子分散効果が発現しない。また、体積率
が40%よりも多くなってもそれ以上強度は向上しな
い。
【0011】本発明のガラス複合材料は、以下の方法で
製造される。まず、扁平な延性金属粉末表面に酸化物系
ガラス粉末及びセラミックス粉末が付着しているガラス
複合粉末を製造する。このような複合粉末は、延性金属
粉末、酸化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末を混合
することにより、該延性金属粉末を塑性変形させて扁平
化させることにより製造できる。酸化物系ガラス粉末の
粒度は、特に制限はないが、50μm以下のものが望ま
しい。また、延性金属粉末の粒子径は、扁平化を容易に
促進するために1〜200μm、特に3〜100μmの
範囲が好ましい。延性金属粉末の粒子径が1μmよりも
小さいと、微粒のため扁平化させることができない。ま
た、200μmよりも大きくなると、粗粒のため焼結を
困難にし、またガラス粉末との分離が激しくなるため、
均一混合が困難となる。セラミックス粉末の粒子径は、
2μm以下、特に1μm以下が好ましい。セラミックス
粉末の粒子径が2μmよりも大きくなると、粒子分散効
果が得られない。延性金属粉末、酸化物系ガラス粉末及
びセラミックス粉末の混合割合は、混合粉末における延
性金属粉末の体積率が2〜60%、特に10〜50%、
セラミックス粉末の体積率が、2〜40%、特に3〜3
0%であることが好ましい。
【0012】延性金属粉末、酸化物系ガラス粉末及びセ
ラミックス粉末の混合方法については、特に制限はなく
湿式及び乾式のいずれも採用できる。湿式混合の場合の
溶媒としてはエ夕ノール、メ夕ノール等が一般に使用さ
れる。混合装置については、ボールミル、振動ミル、ア
トライター、遊星型ボールミル等を用いることができ
る。延性金属粉末は、混合時のボール等の混合媒体によ
る機械的混合により球状から扁平状へと変形が進む。し
たがって、混合条件の制御により扁平化の程度を制御す
ることができる。一般に、混合時間、回転数等の条件に
より変形量は変わってくるので、扁平化の形状がd/t
≧3を満足するように混合条件を制御することが望まし
い。さらに、この混合過程で、扁平化した延性金属粉末
の表面に酸化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末が付
着するため、焼結過程で延性金属同士が接触、造粒する
ことを防止することができる。なお、延性金属粉末と酸
化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末の混合割合によ
っては、金属表面に付着しないガラス粉末及びセラミッ
クス粉末も共存することは言うまでもない。また、使用
する延性金属粉末の粒度によっては、混合後も未変形の
粒子が残るが、扁平化した粒子が適当量あれば、発明の
効果は得られる。また、上記の扁平な延性金属粉末表面
に酸化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末が付着して
いるガラス複合粉末は、予め延性金属粉末を圧延加工等
により扁平化させ、これと酸化物系ガラス粉末及びセラ
ミックス粉末を混合することによっても製造することが
できるが、混合と扁平化を同時に行う前述の方法が工程
の簡略化と均一混合の面で有利である。
【0013】次に、得られた混合粉末を所望の形状に成
形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下また
は真空中で200〜1800℃で焼結する。焼結方法と
しては、公知の焼結方法を用いることができる。例え
ば、CIP成形や射出成形した成形体を常圧焼結や真空
焼結、さらにHIPで高密度化するプロセスでは、扁平
化した粒子は3次元にランダムに配向するが、ホットプ
レス等の一軸加圧方法により成形を行うと、扁平化した
粒子はプレス方向と垂直方向に2次元に配向するので、
焼結体の特牲(特に靱性)に異方性を持たせることもで
きる。また、押し出し法やロール成形などにより、長尺
の形状に成形することもできる。さらに、鋳造法、好ま
しくは加圧鋳造法により直接複雑形状の成形をすること
もできる。また、焼結は、200〜1800℃の温度範
囲で行うことができるが、扁平な延性金属の形状が保持
されるように延性金属の融点より低い温度で行えるよう
に、前記したガラス粉末と延性金属を選択することが必
要である。
【0014】
【作用】本発明によれば、強化相が扁平状の金属粒子で
あるので、球状粒子を用いた場合に発生するクラックが
粒子とマトリックスの界面を進行する現象を抑制するこ
とができ、したがって金属粒子の塑性変形による靱性向
上を十分に利用することができる。また、クラックが粒
子とマトリックスの界面を進行する場合でも異形である
ため、クラックは偏向し、高靱性化に寄与でき、さらに
強度も向上させることができるため、構造部材に適用で
きるガラス複合材料が提供できる。また、強化相にセラ
ミックス粒子を用いているので、粒子分散効果により酸
化物系ガラスマトリックス部の高強度化が図れるため、
複合体の強度をさらに向上させることができる。さらに
ガラスと熱膨張係数の大きく異なる粒子を選択すれば、
焼結過程で発生する熱応力による残留応力により、さら
に高強度化が可能となり、高強度、高靱性の構造部材に
適用できるガラス複合材料が提供できる。また、前述し
たように強化相を2次元に配向させれば、配向方向と垂
直方向の靱性をさらに向上させることができる。さら
に、強化相の形態は、原料粉末である延性金属粉末と酸
化物系ガラス粉末及びセラミックス粉末の混合中の変形
を利用して扁平化が達成できるため、強化相の形状の制
御が容易であり、追加の製造プロセスを必要とせず、複
合化によるコスト増を抑えることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 MAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径20μm以下)
と粒径0.6〜0.9μmのTiC粉末(TiC−00
7;日本新金属製)及び平均粒径9.3μmのMo粉末
(日本プランゼー製)を体積率が75:5:20となる
ように秤量した。これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒
中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。
図1及び図2にボールミル後の混合粉末の外観の走査型
電子顕微鏡像と断面組織の光学顕微鏡像を示す。これら
より、添加した平均粒径9.3μmMo粉末がボールミ
ル混合により扁平化し、さらにガラス粉末とTiC粉末
が表面に付着していることがわかる。
【0016】この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホ
ットプレスにより、1000℃、100kg/cm2 の圧力
でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。図3に得
られた複合材料のプレス方向と平行方向の断面組織の光
学顕微鏡像を示す。平均粒径9.3μmのMo粉末から
形成された金属相は2次元に配向し、d/t≧3を満た
して扁平化していることがわかる。この複合材料から3
×4×40の試験片を加工し、3点曲げ試験により曲げ
強度を、SEVNB法により破壊靱性を測定したとこ
ろ、曲げ強度65kg/mm2 、破壊靱性7MPam1/2 とい
う高い値が得られた。
【0017】比較例1 MAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径20μm以下)
のみを実施例1と同様の方法で焼結した。得られたガラ
ス単相の焼結体は、曲げ強度10kg/mm2 、破壊靱性
1.1MPam1/2 であり、本発明の効果が顕著であるこ
とがわかる。
【0018】比較例2 MAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径20μm以下)
及び平均粒径9.3μmのMo粉末(日本プランゼー
製)の体積率が80:20の粉末を用いて実施例1と同
様の方法で焼結した。得られた複合材料は、曲げ強度4
3kg/mm2、破壊靱性6MPam1/2であった。以上の結果
から、扁平粒子により靱性が大きく上昇し、セラミック
ス粒子によりさらに強度が大きく上昇していることが明
らかであり、本発明の効果が顕著であることがわかる。
【0019】実施例2 実施例1と同じ組成の混合粉末で、混合条件を変え、d
/tを変化させたものを用い、実施例1と同じ条件で焼
結を行った。得られた複合材料の破壊靱性を測定した結
果を図4に示す。これより破壊靱性はd/t≧3で大き
な値を示しており、d/tが1.5以下では破壊靱性
2.5MPam1/2と靱性の向上効果は小さいことがわか
る。
【0020】実施例3 LAS I(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO系)粉末(粒径20μ
m以下)と比表面積16m2/gのZrO2粉末(3Y;
東ソー製)及び粒径45〜5μmのTa粉末(M−4
0;昭和電工製)を体積率が70:10:20となるよ
うに秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒
化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。この混
合粉末を用いて実施例1と同様にして焼結を行った。得
られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様
の方法で測定したところ、曲げ強度57kg/mm2 、破壊
靱性8.8MPam1/2 という高い値が得られた。
【0021】実施例4 LASIII(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO-Nb2O5系)粉末(粒径
20μm以下)と比表面積16m2/gのZrO2粉末
(3Y;東ソー製)及び粒径45μm以下のNb粉末
(石津製薬製)を体積率が55:15:30となるよう
に秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化
珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。この混合
粉末を用いて実施例1と同様にして焼結を行った。得ら
れた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の
方法で測定したところ、曲げ強度70kg/mm2 、破壊靱
性11MPam1/2 という高い値が得られた。
【0022】実施例5 ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-SiO2系)粉末(粒径45
μm以下)と平均粒径0.36μmのアルミナ粉末(A
KP−30;住友化学製)及び粒径45〜10μmのN
i合金(Ni17Cr6Al10.6Y,MA−90;
昭和電工製)を体積率が55:15:30となるように
秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪
素ボールを用いてボールミル混合を行った。この混合粉
末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、70
0℃、100kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持
して焼結を行った。得られた複合材料の曲げ強度と破壊
靱性を実施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強
度60kg/mm2 、破壊靱性8.7MPam1/2 という高い
値が得られた。
【0023】実施例6 ケイ酸ガラス(SiO2系)粉末(粒径20μm以下)と比
表面積16m2/gのZrO2粉末(3Y;東ソー製)及
び粒径45μm以下のNb粉末(石津製薬製)を体積率
が60:10:30となるように秤量し、これらの混合
粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボー
ルミル混合を行った。この混合粉末を黒鉛のモールドに
いれ、ホットプレスにより、1600℃、100kg/cm
2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。
得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同
様の方法で測定したところ、曲げ強度65kg/mm2 、破
壊靱性9MPam1/2 という高い値が得られた。
【0024】実施例7 アルミノケイ酸ガラス(Al2O3-MgO-CaO-SiO2系)粉末
(粒径45μm以下)と平均粒径1μmのBN粉末(M
BN−010;三井東圧化学製)及び粒径45μm以下
のステンレス(SUS316L)粉末(山陽特殊製鋼
製)を体積率が60:10:30となるように秤量し、
これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボール
を用いてボールミル混合を行った。この混合粉末を黒鉛
のモールドにいれ、ホットプレスにより、950℃、1
00kg/cm2 の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結
を行った。得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実
施例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度60kg
/mm2 、破壊靱性8MPam1/2 という高い値が得られ
た。
【0025】実施例8 低融点ガラス(Al2O3-Li2O-Na2O-K2O-P2O5系)粉末(粒
径45μm以下)と比表面積16m2/gのZrO2粉末
(3Y;東ソー製)及び粒径90〜38μmのAl粉末
(スルザーサーフェイステックジャパン製)を体積率が
65:15:20となるように秤量し、これらの混合粉
末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボール
ミル混合を行った。この混合粉末を黒鉛のモールドにい
れ、ホットプレスにより、400℃、100kg/cm2
圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。得ら
れた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の
方法で測定したところ、曲げ強度45kg/mm2 、破壊靱
性7.3MPam1/2 という高い値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真
である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で得られた複合材
料のガラス材料の組織を表す図面に代える光学顕微鏡写
真である。
【図4】 図4は、本発明の実施例2で得られた複合材
料の破壊靱性を測定した結果を表す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神徳 泰彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物系ガラスをマトリックスとし、扁
    平状の延性金属及びセラミックス粒子を強化相とするこ
    とを特徴とする高強度高靱性ガラス複合材料。
  2. 【請求項2】 扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラ
    ス粉末及びセラミックス粉末が付着しているガラス複合
    粉末を出発原料とし、この混合粉末を成形後、200〜
    1800℃で焼結することを特徴とする請求項1記載の
    高強度高靱性ガラス複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 扁平な延性金属粉末表面に酸化物系ガラ
    ス粉末及びセラミックス粉末が付着していることを特徴
    とするガラス複合粉末。
  4. 【請求項4】 延性金属粉末、酸化物系ガラス粉末及び
    セラミックス粉末を混合することにより、該延性金属粉
    末を塑性変形させて扁平化させることを特徴とする請求
    項3記載のガラス複合粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2541286A4 (en) * 2010-02-26 2017-04-19 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Light-reflecting substrate and illumination device using same

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