JP2002047519A - 金属間化合物基複合材料の製造方法 - Google Patents
金属間化合物基複合材料の製造方法Info
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Abstract
する金属間化合物基複合材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 強化材と金属間化合物からなる金属間化
合物基複合材料の製造方法であって、強化材と金属粉末
とを混合し、得られた混合粉体を容器に充填した後、充
填された混合粉体の上方にAlを配し、次いでこのAl
を溶融し混合粉体の間隙に含浸させることにより、金属
粉末とAlとが自己燃焼反応を生起し、Alがアルミナ
イド金属間化合物に置換される際に、残存するAlと、
アルミナイド金属間化合物の質量比が、0:10〜3:
7となるように、Alと金属粉末を配合する金属間化合
物基複合材料の製造方法。該金属粉末はTi、Ni、N
bから選ばれる、該強化材は繊維、粒子、ウィスカーの
形状を有する無機材料である。
Description
合材料の製造方法に係り、更に詳しくは、金属間化合物
調製のための前処理を必要とせず、且つ、マトリックス
と強化材との複合化の際に高温・高圧条件を必要としな
い金属間化合物基複合材料の製造方法に関する。
合した組成集合体であり、各素材の持つ機械特性を相補
的に利用して、単独素材では実現できなかった特性発現
を可能にしたものである。基本的には、材料と材料を組
み合わせる技術手法であり、マトリックスと強化材、使
用目的、又はコスト等により、種々の組み合わせが存在
する。
間化合物基複合材料とは、Al、Ti、Ni、Nb等の
金属、若しくはTiAl、Ti3Al、Al3Ti、Ni
Al、Ni3Al、Ni2Al3、Al3Ni、Nb3A
l、Nb2Al、Al 3Nb等の金属間化合物をマトリッ
クスとし、セラミックス等の無機材料を強化材として複
合材料化されたものである。従って、金属基複合材料、
或いは金属間化合物基複合材料は、軽量且つ高強度を有
するといった特性を生かし、宇宙・航空分野を始めとし
て多方面での利用が図られている。
料は金属基複合材料に比して破壊靭性が低いという欠点
はあるが、反面マトリックスの機械的・物理的特性に起
因して、耐熱特性、耐摩耗特性に優れており、また低熱
膨張、高剛性であるという特徴をも有している。
ては、予め金属間化合物粉末をメカニカルアロイング
(MA)等にて製造し、強化材となる繊維及び/又は粒
子等と共に、高温・高圧条件下においてホットプレス
(HP)もしくは熱間等方圧成形(HIP)する方法が
挙げられる。また、金属基複合材料の製造方法としても
加圧含浸法や溶湯鍛造法等のように高圧を必要とする方
法を挙げることができる。
材料を製造する従来の製造方法における問題点として、
緻密な金属間化合物基複合材料の製造を行うためには、
HP及びHIP等の製造方法によって高温・高圧を負荷
し、金属間化合物を焼結することで複合材料の緻密化を
行う必要性がある。このため、前処理工程の必要性があ
るだけでなく、製造装置の性能や規模に制約があり、大
型、或いは複雑形状の複合材料の製造が極めて困難であ
ると共に、最終製品の形状を考慮したニアネットシェイ
プ化を行うことができず、その後の工程において機械加
工処理が必要となるといった問題点をも有している。
よる金属間化合物粉末の合成が必要であり、製造工程の
多段階・煩雑化といった問題点を有している。従って、
上述のように、従来の金属間化合物基複合材料の製造に
おいては多段階に渡る工程が必要であると共に、高温・
高圧条件下において行う製造方法であるために極めて高
コストな製造方法である。
09376号公報、特開平9−227969号公報にお
いては、Al等により還元可能な金属酸化物等からなる
予備成形体を用い、その表面層中において液状のAl等
と反応させ、その場合成にてアルミナイド金属間化合
物、及び酸化物(特にAl2O3)を合成させる複合材料
の製造方法が開示されている。
公報、及び、特開平9−227969号公報に示される
製造方法によれば、得られる複合材料中に分散される強
化材の種類が限定されるために、目的となる材料設計が
特定の組み合わせに限定され、複合材料特性を変化させ
ることが困難となる。また、用いる材料の比率を厳密に
制御しなければ、金属酸化物等、又はAl等が残存して
しまうといった問題点をも有している。更には、瞬時に
大量の反応熱を生ずるため、反応制御が困難な場合があ
る。
ては、微細片の形態をなす強化材と、酸素及び窒素のゲ
ッター効果を有するTi等の微細片からなるプリフォー
ムを形成し、これをAl等の溶湯中に浸漬することで、
Al等の金属をマトリックスとする金属基複合材料の製
造方法が開示されている。
公報に示される製造方法によれば、製造過程で混合粉に
圧力をかけてプリフォームをつくり、このプリフォーム
をAl等の溶湯中に保持する必要があるため、設備の都
合上、得られる製品形状には一定の制約がある。また、
得られる複合材料は金属をマトリックスとする金属基複
合材料に限定される。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは製造工程を削減し、且つ大型・複雑形状を有する
金属間化合物基複合材料の製造方法を提供することにあ
る。
ば、強化材と金属間化合物からなる金属間化合物基複合
材料の製造方法であって、該強化材と金属粉末とを混合
し、得られた混合粉体を容器に充填した後、該充填され
た混合粉体の上方にAlを配し、次いで、該混合粉体の
間隙に該Alを溶融含浸することにより、該金属粉末と
該Alとが自己燃焼反応を生起し、該Alがアルミナイ
ド金属間化合物に置換される際に、残存する該Alと、
該アルミナイド金属間化合物の質量比が、0:10〜
3:7となるように、該Alと該金属粉末を配合するこ
とを特徴とする金属間化合物基複合材料の製造方法が提
供される。
を用い、Alの質量をA、Tiの質量をBとしたとき、
A:B=1:0.34〜1:0.57の関係を満足する
ようにAlとTiを配合することが好ましい。
てNiを用い、Alの質量をA、Niの質量をCとした
とき、A:C=1:0.47〜1:0.72の関係を満
足するようにAlとNiを配合することが好ましい。
てNbを用い、Alの質量をA、Nbの質量をDとした
とき、A:D=1:0.75〜1:1.13の関係を満
足するようにAlとNbを配合することも同様に好まし
い。
しない配合比で、Alと金属粉末を配合することが好ま
しく、また、金属粉末としてTiを用い、Alの質量を
A、Tiの質量をBとしたとき、A:B=1:0.57
〜1:6.14の関係を満足するようにAlとTiを配
合することが好ましい。
てNiを用い、Alの質量をA、Niの質量をCとした
とき、A:C=1:0.72〜1:7.20の関係を満
足するようにAlとNiを配合することが好ましい。
てNbを用い、Alの質量をA、Nbの質量をDとした
とき、A:D=1:1.13〜1:12.16の関係を
満足するようにAlとNbを配合することも同様に好ま
しい。
基複合材料に占める強化材の体積分率を10〜70vo
l%とすることが好ましい。
化合物からなる金属間化合物基複合材料の製造方法であ
って、該強化材、金属粉末、及び、Alによって還元可
能な酸化物粉末を混合し、得られた混合粉体を容器に充
填した後、該充填された混合粉体の上方にAlを配し、
次いで、該混合粉体の間隙に該Alを溶融含浸すること
により、該金属粉末及び該酸化物粉末と、該Alとが反
応を生起し、該Alがアルミナイド金属間化合物に置換
される際に、残存する該Alと、該アルミナイド金属間
化合物の質量比が、0:10〜3:7となるように、該
Al、該金属粉末、及び、該酸化物粉末を配合すること
を特徴とする金属間化合物基複合材料の製造方法が提供
される。
び、酸化物粉末が実質的に残存しない配合比で、Al、
金属粉末、及び、酸化物粉末を配合することが好まし
く、金属間化合物基複合材料に占める強化材の体積分率
を10〜70vol%とすることが好ましい。
ウィスカーのいずれかの形状を有する無機材料を強化材
として用いることが好ましく、Al2O3、AlN、Si
C、Si3N4のいずれかの無機材料を用いることが好ま
しい。
粒径に比して、5〜80%の平均粒径の金属粉末を用い
ることが好ましい。
き詳しく説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定
されるものではない。
る。本発明の第1の実施態様は、強化材と金属間化合物
からなる金属間化合物基複合材料の製造方法であって、
予め強化材と金属粉末を混合しておき、得られた混合粉
体を適当な容器に充填した後、この上方にAlを配し、
次いで、多孔体である混合粉体の間隙にAlを溶融含浸
することにより、自己燃焼反応、即ち、in−situ
(その場)合成でアルミナイド金属間化合物が生成す
る。このとき、Alがアルミナイド金属間化合物に置換
してマトリックスが形成され、目的とする金属間化合物
基複合材料が製造される。
するAlと、アルミナイド金属間化合物の質量比が、
0:10〜3:7となるように、Alと金属粉末を配合
する。前処理として金属間化合物を調製する必要がな
く、従って、製造工程とコストの削減が容易に達成され
た金属間化合物基複合材料の製造方法である。また、形
成されるマトリックス中にAlを残存させることによ
り、破壊靭性に優れた金属間化合物基複合材料を得るこ
とが可能となる。
間化合物の質量比が、3:7よりもAlが多くなると、
得られる金属間化合物基複合材料の破壊靭性値は高くな
る反面、ヤング率が低下して高剛性材料としての魅力が
低下し、またAlの融点域において強度低下等の現象が
起こり易くなるために好ましくない。適度な破壊靭性と
強度とを示す金属間化合物基複合材料を得るといった観
点からは、Alとアルミナイド金属間化合物の質量比を
0:10〜2:8とすることが好ましい。
属粉末との自己燃焼反応熱を利用してアルミナイド金属
間化合物の生成を推進するために、低温条件下において
金属間化合物基複合材料の製造が可能である。さらに、
従来の製造方法である、HP若しくはHIPのような高
圧を必要とせず、無加圧浸透による金属間化合物基複合
材料の製造が可能である。このことにより、製造装置の
性能上困難であった、比較的大きな、或いは、複雑な形
状を有する金属間化合物基複合材料の製造が可能とな
る。
より、反応系内が瞬間的に高温に保持されるため、Al
溶湯が自己燃焼反応を生起しながら強化材間隙中に無加
圧浸透され、高圧を負荷せずに緻密な金属間化合物基複
合材料を製造することが可能である。
残存するAlと、アルミナイド金属間化合物の質量比
が、0:10」とは、形成されるマトリックス中にアル
ミニウムが実質的に残存していない状態のことであっ
て、得られる金属間化合物基複合材料に、アルミニウム
の物理的特性が実質的に反映されない程度に少ない状態
であることをいうものとする。
てTi、Ni、Nbのいずれかを使用することが好まし
い。混合粉体の間隙にAlが溶融含浸される際に、Al
と金属粉末が反応することにより、アルミナイド金属間
化合物が生成する。このときの反応の代表例を数1〜数
3に示す。数1〜数3において示す通り、これらの反応
は発熱反応(自己燃焼反応)であり、本発明に係る金属
間化合物基複合材料の製造方法では、この反応熱を利用
する。従って、HP等において必要であった、高温・高
圧力条件は不必要となる。即ち、本発明においては製造
装置の性能上困難であった、比較的大きな、或いは、複
雑な形状を有する金属間化合物基複合材料等の製造が可
能となる。
46kJ/mol ΔH:生成反応熱(Δ<0にて発熱反応)
50kJ/mol ΔH:生成反応熱(Δ<0にて発熱反応)
60kJ/mol ΔH:生成反応熱(Δ<0にて発熱反応)
び、特開平9−227969号公報に示される製造方法
とは異なり、in−situで合成するのはマトリック
スのみである。したがって、強化材の種類については自
由に選択可能であり、所望の特性を有する複合材料を任
意に選択し、且つ、所望の物理的特性を有する複合材料
を製造することができる。更に、強化材の種類、及び使
用量を任意に選択・設定することにより、反応熱を制御
することも容易であるために、工業的な製造工程にも適
用可能である。
を起こす金属粉末としてTiを用いた場合、Alの質量
をA、Tiの質量をBとしたときに、A:B=1:0.
34〜1:0.57の範囲で配合することが好ましい。
この配合割合とすることにより、マトリックスに残存す
るAlと、アルミナイド金属間化合物の質量比が、0:
10〜3:7である金属間化合物基複合材料を得ること
ができる。
粉末としてNiを用いた場合、Alの質量をA、Niの
質量をCとしたときに、A:C=1:0.47〜1:
0.72の範囲で配合することが好ましい。この配合割
合とすることにより、マトリックスに残存するAlと、
アルミナイド金属間化合物の質量比が、0:10〜3:
7である金属間化合物基複合材料を得ることができる。
粉末としてNbを用いた場合、Alの質量をA、Nbの
質量をDとしたときに、A:D=1:0.75〜1:
1.13の範囲で配合することが好ましい。この配合割
合とすることにより、マトリックスに残存するAlと、
アルミナイド金属間化合物の質量比が、0:10〜3:
7である金属間化合物基複合材料を得ることができる。
材料の製造方法においては、形成されるマトリックス中
に、Alが実質的に残存しない配合比で、Alと金属粉
末を配合することが好ましく、このことにより、Alの
融点域において強度低下等の現象を起こさない金属間化
合物基複合材料を得ることができる。このため、後述す
る400℃条件下、高温曲げ強度試験において、マトリ
ックス中にAlが残存した場合のような強度低下等の現
象を示さずに、良好な耐熱性を示すこととなる。これに
対して、マトリックス中にAlを残存させた場合におい
ては、耐熱性は前述の如く低下するが、金属間化合物の
短所でもある脆性的な特徴が延性相となるAlによって
改善されるために、破壊靭性値が増大した金属間化合物
基複合材料を得ることが可能となる。従って、前述の配
合比率でAlと金属粉末を用いることにより、優れた強
度特性等を示す金属間化合物基複合材料を製造すること
ができる。
してTiを用いた場合、Alの質量をA、Tiの質量を
Bとしたときに、A:B=1:0.57〜1:6.14
の範囲で配合することが好ましい。この配合割合とする
ことにより、マトリックスの全体を低融点のAlから高
融点のアルミナイド金属間化合物へと置換することがで
きる。即ち、アルミナイド金属間化合物を予め調製する
工程が不要になると共に、Alの融点域において強度低
下等の現象を起こさない金属間化合物基複合材料を製造
することができる。
粉末としてNiを用いた場合、Alの質量をA、Niの
質量をCとしたときに、A:C=1:0.72〜1:
7.20の範囲で配合することが好ましい。この配合割
合とすることにより、前述したTiを用いた場合と同様
に、マトリックスの全体を低融点のAlから高融点のア
ルミナイド金属間化合物へと置換することができる。即
ち、アルミナイド金属間化合物を予め調製する工程が不
要になると共に、Alの融点域において強度低下等の現
象を起こさない金属間化合物基複合材料を製造すること
ができる。
属粉末としてNbを用いた場合、Alの質量をA、Nb
の質量をDとしたときに、A:D=1:1.13〜1:
12.16の範囲で配合することが好ましい。この配合
割合とすることにより、前述したTi、Niを用いた場
合と同様に、マトリックスの全体を低融点のAlから高
融点のアルミナイド金属間化合物へと置換することがで
きる。即ち、アルミナイド金属間化合物を予め調製する
工程が不要になると共に、Alの融点域において強度低
下等の現象を起こさない金属間化合物基複合材料を製造
することができる。
場合においても、当該金属粉末とAlの比を、浸透した
Alがアルミナイド金属間化合物に置換される際に、金
属粉末とAlが残存しない様な比率とすることで、前述
したTi、Ni、Nbを用いた場合と同様に、マトリッ
クスの全体を低融点のAlから高融点のアルミナイド金
属間化合物へと置換することができる。即ち、アルミナ
イド金属間化合物を予め調製する工程が不要になると共
に、Alの融点域において強度低下等の現象を起こさな
い金属間化合物基複合材料を製造することができる。
は純Alに限らず、各種Al合金を利用しても同様な効
果があることはいうまでもない。また、生成した金属間
化合物の融点に比して低温度域において金属間化合物基
複合材料の製造が可能であるため、混合粉体を充填した
容器、治具や製品型との反応や融着が極めて起こりにく
い。従って、製造後の離型性が非常に良好であり、複雑
な形状を有する金属間化合物基複合材料の製造にも好適
である。
終製品である金属間化合物基複合材料に含有する強化材
の体積分率が、10〜70vol%となるように、強化
材と各種金属粉末とを混合して混合粉体を調製すること
が好ましく、30〜60vol%となるように調製する
ことがさらに好ましい。強化材の体積分率が10vol
%に満たない場合には、複合材料として充分な強度を発
現することができず、また、70vol%を超える場合
には、Al溶湯の浸透に不具合が生じ、アルミナイド金
属間化合物への合成が困難となるからである。従って、
本発明は一般的な金属間化合物基複合材料に用いられる
強化材の含有率において好適に使用することができる製
造方法である。
説明する。第1の実施態様と同じく、第2の実施態様も
また強化材と金属間化合物からなる金属間化合物基複合
材料の製造方法であって、予め強化材、金属粉末、及び
Alによって還元可能な酸化物粉末を混合し、得られた
混合粉体を適当な容器に充填した後、この上方にAlを
配し、次いで、多孔体である混合粉体の間隙にAlを溶
融含浸することにより、自己燃焼反応、即ち、in−s
itu(その場)合成でアルミナイド金属間化合物を生
成する。このとき、Alがアルミナイド金属間化合物に
置換してマトリックスが形成され、目的とする金属間化
合物基複合材料が製造される。このとき、金属粉末のみ
を強化材と混合する第1の実施態様の場合と同じく、前
処理で金属間化合物を調製する必要がない。従って、製
造工程とコストの削減が図られている。
粉末は金属に還元される。生成した金属は、Alと反応
し、アルミナイド金属間化合物を生成して、マトリック
スを形成する。一方、酸化物を還元したAlは、アルミ
ナ(Al2O3)を生成し、マトリックス中に分散する。
したがって、従来困難であった強化材の体積分率の高い
複合材料を、簡便に製造することが可能である。一例と
して、強化材にAl2O3、酸化物粉末にTiO2を使用
した場合の反応式を数4に示す。
粉末は、上記のTiO2に限定されることはなく、Al
により還元可能な化合物であればよい。具体的には、T
iO2、TiO、CaO、Cr2O3、CuO、Cu2O、
CoO、Co2O3、FeO、Fe2O3、Fe3O4、Hf
O2、Li2O、MnO、MgO、MoO3、Na2O、N
b2O、Nb2O5、NiO、SiO2、V2O5、WO3、
Y2O3、ZrO2、ムライト、スピネル、ジルコン酸
塩、チタン酸塩、並びにFe、Ti、Co、Ni、Z
r、Si、Nb含有の鉱石等を好適に用いることができ
る。
するAlと、アルミナイド金属間化合物の質量比が、
0:10〜3:7となるように、Al、金属粉末、及び
酸化物粉末を配合する。前処理として金属間化合物を調
製する必要がなく、従って、製造工程とコストの削減が
容易に達成された金属間化合物基複合材料の製造方法で
ある。また、形成されるマトリックス中にAlを残存さ
せることにより、破壊靭性に優れた金属間化合物基複合
材料を得ることが可能となる。
間化合物の質量比が、3:7よりもAlが多くなると、
得られる金属間化合物基複合材料の破壊靭性値は高くな
る反面、ヤング率が低下して高剛性材料としての魅力が
低下し、またAlの融点域において強度低下等の現象が
起こり易くなるために好ましくない。適度な破壊靭性と
強度とを示す金属間化合物基複合材料を得るといった観
点からは、Alとアルミナイド金属間化合物の質量比を
0:10〜2:8とすることが好ましい。
lが実質的に残存しない配合比で、Al、金属粉末、及
び酸化物粉末を配合することが好ましく、このことによ
り、Alの融点域において強度低下等の現象を起こさな
い金属間化合物基複合材料を得ることができる。
強化材の体積分率を、10〜70vol%とすることが
好ましく、30〜60vol%とすることがさらに好ま
しい。強化材の体積分率が10vol%に満たない場合
には、複合材料として充分な強度を発現することができ
ず、また、70vol%を超える場合には、Al溶湯の
浸透に不具合が生じ、アルミナイド金属間化合物への合
成が困難となるからである。従って、本発明の製造方法
によれば、より強化材の含有率が高い金属間化合物基複
合材料を製造することができる。
詳細を説明する。強化材として、所定の平均粒径を有す
るAl2O3、AlN、SiC、Si3N4粒子(粉砕
粒)、金属粉末として、所定の平均粒径を有するTi、
Ni、Nb、さらに、強化材間隙に含浸する金属とし
て、Alを用いる。このとき、金属粉末の平均粒径が強
化材の平均粒径の5〜80%であることが好ましく、1
0〜60%であることがさらに好ましい。これは、金属
粉末の平均粒径が強化材の平均粒径の5%に満たない場
合には、金属粉末自体の入手が困難及び粉塵爆発の危険
性が伴なってくる点から取り扱いが不便となり、80%
より大きい場合には、自己燃焼反応の活性度が充分に高
められず、生成する金属間化合物基複合材料の緻密化を
なし得ることができないためである。
した場合には、Alと自己燃焼反応を起こすために用い
る金属粉末の平均粒径は、2〜40μmが好ましく、5
〜30μmがさらに好ましい。金属粉末の平均粒径が2
μmに満たない場合には、当該金属粉末の入手が困難で
あるとともに取り扱いが不便であり、また、40μmを
超える場合には、当該金属粉末とAlとの自己燃焼反応
は生起されるが、緻密な金属間化合物基複合材料を製造
することができないためである。
1に基づく組成からなるアルミナイド金属間化合物とな
るように調合を行う。目的とするアルミナイド金属間化
合物に関しては、例えばTi−Al系について見てみる
と、代表的にはAl−rich側からAl3Ti、Ti
Al、Ti3Alの3相が存在し、これらの単相材及び
2相材等が得られることから、必要となる材料特性に応
じてマトリックスとなる金属間化合物相を選択すること
が出来る。表1に示す割合に従ってAlと各種金属粉末
を反応させることにより、マトリックスを低融点のAl
から、高融点のアルミナイド金属間化合物へと完全に置
換することができる。即ち、アルミナイド金属間化合物
を予め調製する工程が不要になると共に、Alの融点域
において強度低下等の現象を起こさない金属間化合物基
複合材料を製造することができる。なお、反応に伴なう
Alのアルミナイド金属間化合物への置換に関しては、
微視的な残存Alによる強度低下等の特性面での劣化が
生じないものであれば問題は無い。具体的には、X線回
折もしくは後述するDTA等の熱分析にて残存Alのピ
ークが確認されず、若しくは、不可避的に残存する微少
量のAlが確認される程度であれば差し支えないもので
ある。
粒子、ウィスカーのいずれかの形状を有する無機材料を
用いることが好ましい。このような形状の無機材料を用
いることにより、最終製品としての使用用途に沿った強
度や特徴を有する金属間化合物基複合材料を製造するこ
とができる。なお、本発明の実施は、これらの形状を有
する無機材料を用いることに限定されるものでないこと
はいうまでもない。
150μmの強化材」というときは、強化材が粒子状の
場合にあっては、「平均粒径10〜150μmの粒子」
のことをいい、また強化材が粒子状ではなく、繊維、ウ
ィスカー等の場合にあっては、「繊維長さ/繊維径の比
が150未満の場合で、繊維径が0.1〜30μmの繊
維、ウィスカー等」、若しくは「繊維長さ/繊維径の比
が150以上の場合で、繊維径が0.5〜500μmの
繊維及びウィスカー等」のことをいう。
SiC、Si3N4のいずれかを無機材料として使用する
ことが好ましい。金属間化合物基複合材料は、用いる金
属間化合物と強化材との組み合わせにより、種々の特性
を示す。従って、前記無機材料と組み合わせることによ
り、用途に応じた金属間化合物基複合材料を適宜製造す
ることができる。表2に、各種の無機材料からなる強化
材の種類と、金属間化合物と組み合わせた場合における
金属間化合物複合材料の特徴の一例を示す。なお、本発
明においては、これらの強化材以外の材質と金属間化合
物との組み合わせを妨げるものではない。
合粉体を、適当な形状を有する容器に充填し、約1MP
aの圧力にて成形を行った後、この上にAl(市販の純
Al)を配置する。このとき用いるAlは純Alに限ら
ず、約90%以上の純度であれば差し支えなく使用する
ことができ、また、各種Al合金を使用しても良い。続
いて適度な減圧条件、例えば真空条件下で、Alが溶解
する温度(約660℃)より数十℃高い温度、具体的に
は約700℃まで加熱し、混合粉体の間隙に溶融状態の
Alを含浸する。自己燃焼反応に誘起された毛細管浸透
が生じて、目的とする複合材料のマトリックスが瞬時に
合成される。
ら、予め加熱して溶融状態としたAl溶湯を含浸しても
よいが、前述のように、混合粉体上に、例えば固体のA
lを配置した後、加熱することによってAlを溶融含浸
することが、予めAl溶湯を準備する手間や特定の設備
が不要となるために好ましい。
にて完了するため、加熱に要する時間は、数分程度で十
分である。更に、自己燃焼反応が終了した後に、得られ
た複合材料のマトリックスの均質化及び安定化を図るた
めに等温保持や加熱保持を行えばよい。このときの保持
温度は、材料系によって若干左右されるが、自己燃焼反
応が生じた温度と同一な温度から約400〜500℃程
度高い温度で実施することが好ましく、また保持時間は
約1時間から必要に応じて数時間実施すればよい。
物基複合材料の製造方法によれば、その特徴を生かして
種々の金属間化合物基複合材料を製造することができ
る。また、大型、或いは複雑形状を有する金属間化合物
基複合材料の製造が極めて容易であるとともに、最終製
品の形状を考慮したニアネットシェイプ化を行うことが
できるために、その後の工程において機械加工処理が不
必要である。さらに、前処理工程であるアルミナイド金
属間化合物の調製も不必要となるために、製造コストの
削減を容易に達成することができる。
る。 (アルミナイド金属間化合物基複合材料の製造)表3に
示すような、平均粒径が47〜54μmであるAl
2O3、AlN、SiC、Si3N4強化材(粉砕粒)、平
均粒径が10〜125μmであるTi、Ni、Nb金属
粉末、さらに、溶融含浸するAl(市販の純Al(A1
050、純度>99.5%))を用意した。次に、Al
と各種金属粉末が、表1に示す組成からなるアルミナイ
ド金属間化合物となるように金属粉末の調合を行い、さ
らに表3に示す強化材体積率となるように強化材を混合
して混合粉体を調製した。これを所定の容器に充填し、
約1MPaの圧力にて成形を行った後、この上にAlを
設置した。0.00133Paの真空下でしばらく保持
した後、同圧力下、700℃まで加熱し、約1時間保持
後に徐冷し、表3に示す金属間化合物基複合材料(試料
No.1〜11)を製造した。
により製造した各アルミナイド金属間化合物基複合材料
から試験片を切り出し、SEM観察等を行って、製造し
た各金属間化合物基複合材料の緻密化の程度を解析し
た。結果を表3に示す。また、各試験片について熱分析
を行ったところ、本発明の製造方法に係る、試料No.
1〜11についてはAlの溶解反応に伴う吸熱反応は測
定されず、合成後の生成相となるアルミナイド金属間化
合物からのピークのみが測定された。即ち、マトリック
ス全体が反応によりAlからアルミナイド金属間化合物
へと完全に置換されていることを確認した。また、強化
材であるAl2O3粒子に混合するTi粉末の粒径を変化
させたとき、Ti粉末が125μm及び44μmの場合
(試料No.1、2)においては、アルミナイド金属間
化合物への合成は可能であったがマトリックスの緻密化
が為し得られなかった。従って、マトリックスの全体を
アルミナイド金属間化合物に置換するためには、添加す
る強化材の粒径に比して、より小さな粒径のTi粉末を
使用する必要性があることを確認できた。これは、金属
粉末の粒径が強化材の粒径に比して小さくなることによ
って比表面積が増大し、自己燃焼反応の活性化度が高め
られた結果であると考えられる。なお、熱分析の方法は
以下の通りである。
DTA(RIGAKU製、TG8120型)を用いて、
Arガス雰囲気中にて、昇温速度20℃/minの条件
下、所定の温度まで加熱して熱分析を行った。
合物基複合材料の製造)表4に示すような、平均粒径が
47μmであるAl2O3強化材(粉砕粒)、平均粒径が
10μmであるTi金属粉末、さらに溶融含浸するAl
(市販の純Al(A1050、純度>99.5%))を
用意した。次に、含浸するAlの量(質量%)を20〜
80%の間で変化し、前述のアルミナイド金属間化合物
基複合材料の製造実施例と同様の条件下にて、表4に示
す金属間化合物基複合材料(試料No.12〜22)を
製造した。
工程により製造した各アルミナイド金属間化合物基複合
材料から試験片を切り出し、不活性ガス雰囲気にて差動
型示差熱天秤装置TG−DTA(RIGAKU製、TG
8120型)を用いて熱分析を行った。本発明に係る、
含浸するAl溶湯の量を20〜63質量%として製造し
た場合(試料No.16〜22)においては、Alの溶
解反応に伴う吸熱反応は測定されず、合成後の生成相と
なるアルミナイド金属間化合物からのピークのみが測定
された。即ち、マトリックス全体が反応によりAlから
アルミナイド金属間化合物へと完全に置換されているこ
とを確認した。これに対し、含浸したAl溶湯の量を6
4〜80質量%として製造した場合(試料No.12〜
15)においては、Alの溶解反応に伴う吸熱反応が測
定され、マトリックス中にAlが残存していることを確
認した。
2)、及び比較例としてAl合金について、400℃に
おける高温曲げ強度試験を行った。結果を表4に示す。
マトリックスにAlが残存している試料No.12〜1
5についてはいずれの試料についても曲げ強度が200
MPa以上の値を示さなかったのに対し、本発明に係る
製造方法により製造した試料No.16〜22において
は全て曲げ強度が200MPa以上の値を示した。マト
リックスが完全にアルミナイド金属間化合物へと置換し
たことが、高温曲げ強度の増加に寄与したものと考えら
れる。
材料の製造)表5に示すような、平均粒径47〜54μ
mであるAl2O3、SiC、AlN、Si3N4強化材
(粉砕粒)、平均粒径が10μmであるTi金属粉末、
さらに、溶融含浸するAl(市販の純Al(A105
0、純度>99.5%))を用意した。次に、含浸する
Alの量(質量%)を30〜50%の間で変化し、前述
のアルミナイド金属間化合物基複合材料の製造実施例と
同様の条件下にて、表5に示す金属間化合物基複合材料
(試料No.23〜34)を製造した。なお、生成する
マトリックスがAl3Ti相となるように、Ti金属粉
末とAlの使用量を調整した。
クスの両方をその場合成する方法により、複合材料を製
造した。まず、平均粒径0.6μmのTiO2粒子から
なる円筒体試料を300MPaでプレス成形後、加圧含
浸装置内に設置し、1000℃まで昇温後、予備加熱と
して30分保持後にAl溶湯を約30MPaにて加圧含
浸した。その後、反応の促進及び組織の均質化のため1
時間保持後に冷却して、複合材料を得た(比較例2)。
なお、強化材体積率は、約42vol%であった。
方法により製造した各アルミナイド金属間化合物基複合
材料から試験片を切り出し、熱膨張係数、及び熱伝導率
を測定した。結果を表5に示す。なお、熱膨張係数と熱
伝導率の測定方法は以下の通りである。
サイエンス製:TD−5000S)を用いて、Arガス
雰囲気中にて室温から所定の温度までの測定を行った。
空理工製:TC−7000)を用いて、レーザーフラッ
シュ法に従って熱伝導率を測定した。なお、測定は室温
にて行った。
ある場合、比較例2に示す、強化材とマトリックスの両
方をその場合成する製造方法においては、強化材体積率
が固定されるのに対し、本発明においては、マトリック
スのみその場合成されるため、予め添加する調合量を変
化するだけで強化材体積率の制御が可能である。また、
Al2O3以外の強化材としてSiC、AlN、Si3N4
を用いることや、それらの強化材体積率を増加すること
により、熱膨張係数が低減された複合材料を製造するこ
とができる。
いた場合においては、Al2O3、Si3N4を用いた場合
の約2倍、更にAlNを用いた場合においては約3倍ま
で増加することが判明した。したがって、本発明によれ
ば、マトリックスのその場合成が可能なだけでなく、強
化材の種類やその体積率を変化させることによって、目
的とする材料特性を有する複合材料を製造することが可
能である。
材料の製造)表6に示すような、平均粒径47μmのA
l2O3粒子、平均粒径10μmのTi粉末及び平均粒径
0.6μmのTiO2粉末、さらに、溶融含浸するAl
(市販の純Al(A1050、純度>99.5%))を
用意した。次に、AlとTi粉末、及びTiO2粉末
が、Al3Ti組成からなる金属間化合物となるように
使用量を調整した後、表6に示す強化材体積率となるよ
うにAl2O3粒子を混合して所定の容器に充填し、約1
MPaの圧力にて軽い成形を行った後、この上にAlを
設置した。0.00133Paの真空下でしばらく保持
した後、同圧力下、700℃まで加熱し、約1時間保持
後に徐冷して、表6に示す金属間化合物基複合材料(試
料No.35〜39)を製造した。
方法に従って合成結果及び緻密化の解析を行った。結果
を表6に示す。なお、表6における強化材の体積率と
は、その場合成されたAl2O3を含めた体積率のことを
示すものである。
5〜39については、強化材体積率が比較的大きな場合
(50vol%超)であっても、マトリックス全体が反
応によりアルミナイド金属間化合物へと完全に置換され
ていることが確認できた。これは、予め添加されていた
Al2O3粒子の間隙において、TiO2粉末の還元反応
が誘起され、その場合成されたAl2O3がこの間隙を充
填することにより、強化材体積率が向上したものと考え
られる。
用いずに作製した金属間化合物基複合材料である。これ
らの場合、Alの溶融含浸に不具合を生じてしまい、マ
トリックスの緻密化に不具合を生ずることが判明した。
化合物基複合材料の製造)平均粒径47μmのAl2O3
粒子、平均粒径10μmのTi粉末、さらに、溶融含浸
するAl(市販の純Al(A1050、純度>99.5
%))を用意した。次に、AlとTi粉末が、Al3T
i組成からなる金属間化合物、及び、一部Alが残存し
た金属/金属間化合物の混合相となるように各使用量を
調整した。次いで、表7に示すように、強化材体積率4
0%となるようにAl2O3粒子を混合して所定の容器に
充填し、約1MPaの圧力にて軽い成形を行った後、こ
の上にAlを設置した。0.00133Paの真空下で
しばらく保持した後、同圧力下、700℃まで加熱し、
約3分間保持後に徐冷して、表7に示す金属間化合物基
複合材料(試料No.40〜44)を製造した。また、
比較例5として、強化材がAl2O3粒子、マトリックス
がAlである金属基複合材料を、比較例6として、Al
合金(A5052)を用意した。
成結果及び緻密化の解析、金属:金属間化合物の質量
比、熱膨張係数、ヤング率、破壊靭性値の測定を行っ
た。なお、ヤング率、及び、金属:金属間化合物の質量
比の測定方法は以下の通りである。結果を表7に示す。
また、試料No.41、42、及び44については、合
成結果の解析としてXRD分析を行った。各試料のXR
D分析結果を示すチャートを図1に示す。なお、図1
中、「0:10」、「2:8」、及び「3:7」とは、
Al:アルミナイド金属間化合物の質量比を示す値であ
る。
XRD分析にて予め所定の質量比に調整した金属及び金
属間化合物の混合粉末を用いて検量線を作成しておき、
これを元にして、マトリックス組成を変化させた試料を
XRD分析することにより得られた測定結果のX線強度
より算出した。
ら所定形状の試料を切り出し、JIS R 1601に
従って、4点曲げ試験を実施することによりヤング率を
測定した。
1〜44については、マトリックスがAlである比較例
5に比してヤング率が高くなるとともに、熱膨張係数が
低減することが確認できた。即ち、ヤング率の高い複合
材料を得るためには、マトリックスの全体を金属間化合
物とすることが好ましい。一方、所定量のAlを残存さ
せることによって、得られる複合材料の破壊靭性値は上
昇したが、残存するAlの量が多くなると(試料No.
40)、ヤング率の急激な低下、及び、熱膨張係数の増
大を招くことが判明した。従って、マトリックスを形成
するAlと金属間化合物の質量比は、0:10〜3:7
の範囲内で所望の比率とすることが好ましい。
金属間化合物の質量比を、0:10からAlの組成比率
を増加させて3:7とすることにより、XRD分析結果
を示すチャートにおいてAlの存在を示すピークの出現
を確認することができた。また、合成後の生成相となる
アルミナイド金属間化合物、及び、残存させたAlは、
前述の差動型示差熱天秤装置を用いた熱分析による場合
と同じく、XRD分析によっても確認し得ることが判明
した。
ように、本発明によればAlとTiの配合比を調整する
ことにより、マトリックスを構成するアルミナイド金属
間化合物とAlが所望の比率に制御された金属間化合物
基複合材料を製造することが可能である。
化合物基複合材料の製造方法によれば、各種強化材に混
合した金属粉末とAl溶湯を自己燃焼反応することによ
り、従来の製造方法に比して低温、且つ、無加圧条件下
で金属間化合物基複合材料を製造することができる。ま
た、in−situ(その場)でアルミナイド金属間化
合物を合成していることから、前処理工程等を減ずるこ
とが可能であるとともに、強化材体積率の大きい複合材
料を製造することができる。さらには、最終製品の形状
を考慮したニアネットシェイプ化が可能であることか
ら、製造工程の低減と共に製造コストの削減を図ること
が可能である。
=0:10、2:8、及び、3:7である金属間化合物
基複合材料のXRD分析結果を示すチャートである。
Claims (15)
- 【請求項1】 強化材と金属間化合物からなる金属間化
合物基複合材料の製造方法であって、 該強化材と金属粉末とを混合し、得られた混合粉体を容
器に充填した後、 該充填された混合粉体の上方にAlを配し、次いで、該
混合粉体の間隙に該Alを溶融含浸することにより、 該金属粉末と該Alとが自己燃焼反応を生起し、該Al
がアルミナイド金属間化合物に置換される際に、 残存する該Alと、該アルミナイド金属間化合物の質量
比が、0:10〜3:7となるように、該Alと該金属
粉末を配合することを特徴とする金属間化合物基複合材
料の製造方法。 - 【請求項2】 該金属粉末としてTiを用い、該Alの
質量をA、該Tiの質量をBとしたとき、A:B=1:
0.34〜1:0.57の関係を満足するように該Al
と該Tiを配合する請求項1に記載の金属間化合物基複
合材料の製造方法。 - 【請求項3】 該金属粉末としてNiを用い、該Alの
質量をA、該Niの質量をCとしたとき、A:C=1:
0.47〜1:0.72の関係を満足するように該Al
と該Niを配合する請求項1に記載の金属間化合物基複
合材料の製造方法。 - 【請求項4】 該金属粉末としてNbを用い、該Alの
質量をA、該Nbの質量をDとしたとき、A:D=1:
0.75〜1:1.13の関係を満足するように該Al
と該Nbを配合する請求項1に記載の金属間化合物基複
合材料の製造方法。 - 【請求項5】 該Alが実質的に残存しない配合比で、
該Alと該金属粉末を配合する請求項1に記載の金属間
化合物基複合材料の製造方法。 - 【請求項6】 該金属粉末としてTiを用い、該Alの
質量をA、該Tiの質量をBとしたとき、A:B=1:
0.57〜1:6.14の関係を満足するように該Al
と該Tiを配合する請求項5に記載の金属間化合物基複
合材料の製造方法。 - 【請求項7】 該金属粉末としてNiを用い、該Alの
質量をA、該Niの質量をCとしたとき、A:C=1:
0.72〜1:7.20の関係を満足するように該Al
と該Niを配合する請求項5に記載の金属間化合物基複
合材料の製造方法。 - 【請求項8】 該金属粉末としてNbを用い、該Alの
質量をA、該Nbの質量をDとしたとき、A:D=1:
1.13〜1:12.16の関係を満足するように該A
lと該Nbを配合する請求項5に記載の金属間化合物基
複合材料の製造方法。 - 【請求項9】 金属間化合物基複合材料に占める強化材
の体積分率を10〜70vol%とする請求項1〜8の
いずれか一項に記載の金属間化合物基複合材料の製造方
法。 - 【請求項10】 強化材と金属間化合物からなる金属間
化合物基複合材料の製造方法であって、 該強化材、金属粉末、及び、Alによって還元可能な酸
化物粉末を混合し、得られた混合粉体を容器に充填した
後、 該充填された混合粉体の上方にAlを配し、次いで、該
混合粉体の間隙に該Alを溶融含浸することにより、 該金属粉末及び該酸化物粉末と、該Alとが反応を生起
し、該Alがアルミナイド金属間化合物に置換される際
に、 残存する該Alと、該アルミナイド金属間化合物の質量
比が、0:10〜3:7となるように、該Al、該金属
粉末、及び、該酸化物粉末を配合することを特徴とする
金属間化合物基複合材料の製造方法。 - 【請求項11】 該Al、該金属粉末、及び、該酸化物
粉末が実質的に残存しない配合比で、該Al、該金属粉
末、及び、該酸化物粉末を配合する請求項10に記載の
金属間化合物基複合材料の製造方法。 - 【請求項12】 金属間化合物基複合材料に占める強化
材の体積分率を10〜70vol%とする請求項10又
は11に記載の金属間化合物基複合材料の製造方法。 - 【請求項13】 繊維、粒子、ウィスカーのいずれかの
形状を有する無機材料を該強化材として用いる請求項1
〜12のいずれか一項に記載の金属間化合物基複合材料
の製造方法。 - 【請求項14】 Al2O3、AlN、SiC、Si3N4
のいずれかの無機材料を用いる請求項13に記載の金属
間化合物基複合材料の製造方法。 - 【請求項15】 強化材の平均粒径に比して、5〜80
%の平均粒径の金属粉末を用いる請求項1〜14のいず
れか一項に記載の金属間化合物基複合材料の製造方法。
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