JP2004353087A - 複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属材料の鋳造設備であるダイキャスト、溶湯鍛造等の既存の加圧装置設備を利用しつつも、従来困難であった大型・複雑形状を有する複合材料を得ることができる複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】反応容器1の中に、アルミニウム(Al)と接触することにより自己燃焼反応を生起し得る金属粉末と分散材とを含む混合材料2を充填するとともに、混合材料2内部の空隙中にAl含有金属4を溶融含浸させて、マトリックス中に分散材を分散させた複合材料5を製造する方法である。金属粉末と分散材の含有比(金属粉末/分散材)が0.16〜1(体積比)である混合材料2内部の空隙中に、Al含有金属4を加圧条件下で溶融含浸させて、金属粉末とアルミニウム(Al)との自己燃焼反応によってアルミナイド金属間化合物を生成させることにより複合材料5を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、マトリックス中に分散材が分散してなる複合組織を構成要素として含む複合材料の製造方法に関し、更に詳しくは、大型・複雑形状でありながらも緻密な微構造を有する複合材料の製造方法に関する。
複合材料とは、複数素材を巨視的に混合した組成集合体であり、各素材の持つ機械特性を相補的に利用して、単独素材では実現できなかった特性発現を可能にしたものである。基本的には、材料と材料を組み合わせる技術手法であり、マトリックスと強化材(分散材)、使用目的、又はコスト等により、種々の組み合わせが存在する。
その中でも金属基複合材料(MMCs:Metal−Matrix−Composites)は、セラミックスを強化材として金属材料(Al、Ti、Cu、Si等)を複合化することによる、セラミックスと金属と両方の特性を兼ね備えた材料である。そのため、例えば近年、環境問題に関連した自動車関連分野や、各種装置部材(半導体、ディスプレイ、精密機械等)の軽量化・高速化・高効率化が求められている製造装置関連分野や、半導体素子の冷却(放熱)を行う電子部品関連分野等において、金属基複合材料に対して非常に注目されているものである。また、金属間化合物基複合材料(IMCs:Intermetallic−Matrix−Composites)は、セラミックスを強化材として金属間化合物(Ti−Al系、Ni−Al系等)を複合化することにより、特に金属材料では実現が困難な温度域での耐熱材料として発電・宇宙・航空分野等において注目されている材料である。これらのことから、両複合材料共に、セラミックス材料や金属材料では素材として適用が難しい分野において、分散相とマトリックス相の種類・相比等を変化させることにより所望とする材料特性をオーダーメイド可能な材料として多方面での展開が期待されている。
金属間化合物基複合材料の製造方法としては、予め金属間化合物粉末をメカニカルアロイング(MA)等にて製造し、強化材となる繊維及び/又は粒子等とともに、高温・高圧条件下においてホットプレス(HP)若しくは熱間等方圧成形(HIP)する方法が挙げられる。
金属間化合物基複合材料を製造する従来の製造方法における問題点として、緻密な金属間化合物基複合材料の製造を行うためには、主として粉末冶金的なHP法及びHIP法等の製造方法によって高温・高圧を負荷し、金属間化合物を焼結することで複合材料の緻密化を行う必要性があることを挙げることができる。このため、前処理工程の必要性があるだけでなく、製造装置の性能や規模に制約があり、大型、或いは複雑形状の複合材料の製造が極めて困難であるとともに、最終製品の形状を考慮したニアネットシェイプ化を行うことができず、その後の工程において機械加工処理が必要となるといった問題点をも有している。
また、前処理工程として、予めMA等による金属間化合物粉末の合成が必要であり、製造工程の多段階・煩雑化といった問題点を有している。従って、上述のように、従来の金属間化合物基複合材料の製造においては多段階に渡る工程が必要であるとともに、高温・高圧条件下において行う製造方法であるために極めて高コスト・高エネルギーな製造方法である。
また、金属基複合材料の製造方法としても、固相法であるHP法やHIP法等のような、シート状又は箔状の金属と、繊維状又は粒子状のセラミックスとを高圧にて拡散接合する手法や、金属粉末を利用する、前述の粉末冶金的な手法が一般に知られている。更に、液相法としては、濡れ性が良好ではないセラミックスと溶融金属との組み合わせを考慮し、高圧を付与する等、機械的なエネルギーを利用して強制的に複合材料化させる加圧含浸法や溶湯鍛造法等が知られているが、固相法、液相法、ともに高温・高圧を必要とするプロセスである。また、複合材料化された製品は、どれも平板や円板等の簡易的な形状であり、最終製品にまで仕上げるためには塑性加工処理や機械加工処理が必要となるが、セラミックス相を含んでいるため、加工コストが高く、極めて高コストな製造方法である。
このような問題を解消するための関連技術、特に複合材料の低コスト化を目的として、従来の高圧法による合成プロセスではなく圧力を必要としない金属基複合材料の製造方法が開示されている。具体的には、溶融金属を無加圧含浸させる液相法として、窒素ガス雰囲気中でマグネシウム(Mg)を揮発させ、気相反応によりMg32をセラミックス粒子表面にin−situ(その場)生成させることによりセラミックスと金属との濡れ性を向上させ、毛細管圧力によってセラミックス多孔体に溶融アルミニウム(Al)を無加圧浸透させる手法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、この手法によれば、気相反応によりセラミックス粒子表面にMg32をin−situ(その場)コーティングすることから含浸速度が非常に遅く、また無加圧浸透させる雰囲気調整に時間を要することから、製品製造を行う上で非常に長時間を要するといった問題がある。さらには、予めセラミックス粒子を高温で仮焼すること等によってセラミックス多孔体を合成する必要があるため、複合材料の低コスト化が図れないといった問題がある。
また、他の手法として微細片の形態をなす強化材(分散材)と、酸素及び窒素のゲッター効果を有するチタン(Ti)等の微細片からなる成形体を形成し、これをアルミニウム(Al)等の溶湯中に浸漬することで、アルミニウム(Al)等の金属をマトリックスとする金属基複合材料の製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、前記製造方法によれば、得られる複合材料は金属間化合物をできる限り含有しない金属をマトリックスとする金属基複合材料に限定される。さらに、チタン(Ti)−アルミニウム(Al)間での発熱反応に起因して成形体(試料)が膨張するため、成形体を溶湯中に浸漬すると強化材体積率が低下してしまい、強化材体積率がより高い複合材料を製造することが困難であり、より高強度であるといった、材料特性を制御した複合材料を製造することが困難であるという問題があった。
上述してきた種々の問題を解消するための関連技術として、所定の強化材に混合した金属粉末とアルミニウム(Al)溶湯による自己燃焼反応を生起させる金属間化合物基複合材料の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この製造方法によれば、図2に示すように、反応容器1内に充填された分散材と金属粉末からなる混合材料2の間隙3にアルミニウム(Al)を含む金属(Al含有金属4)を溶融含浸させることにより、自己燃焼反応をin−situ(その場)で生起させて、マトリックス6中に分散材7が分散した複合材料5を製造するために、低温、かつ、無加圧条件下で高融点である金属間化合物基複合材料等の複合材料5を、非常に短時間で完結する含浸プロセスにより最終製品形状を模擬したニアネットシェイプ化を達成することができ、従来法と比較して格段にエネルギー量が少なく、製造コストが低減された複合材料の製造方法であるといえる。
しかしながら、元素間の自己燃焼反応(代表的には燃焼合成反応(SHS反応))を利用した前記製造方法に類似する材料合成プロセスは、発生する非常に大きな反応熱を自由に制御できない点から、セラミックスや高融点化合物の粉末合成(例えば、アルミニウム(Al)や珪素(Si)を出発原料とした窒素ガス雰囲気中でのAlN及びSi34粉末の合成プロセス(直接窒化法)等)には利用されているのに対して、バルク体製造の場合においては発熱反応に伴う気孔生成に起因して、得られるバルク体に緻密性を付与することが非常に困難であることが知られており、前記製造方法においても高い緻密性を有する複合材料の合成が困難であり、その気孔に起因した機械的特性(例えば、曲げ強度やヤング率等)の低下が問題となっていた。そのため、前記製造方法により得られる複合材料よりも、気孔が少ない更に緻密な微構造を有する複合材料を製造する方法を創出することが産業界から要望されていた。
また、特に金属基複合材料の製造方法である加圧含浸法や溶湯鍛造法等も近年頻繁に検討され(例えば特許文献5及び6参照)、部材の大型化が進行しているが、基本的に濡れ性の乏しいセラミックス多孔体に、溶融金属に対して強制的に機械的エネルギーを負荷して含浸させることで複合材料化するために、押湯圧として数十〜百MPaの圧力が必要となり、設備的な限界がある。このため、部材の大型化(加圧面の大面積化)に伴い加圧圧力が増加し、加圧装置や高耐圧性金型等の設備コスト面においても問題がある。
また、特許文献4に記載の複合材料の製造方法は、低コスト化を実現する無加圧含浸プロセスであるという特徴を有するものの、無加圧含浸可能な含浸距離にはある程度の限界値が存在し、そのため部材の肉厚化、複雑形状化、大型化には更なる技術的改良が求められていた。
特開平1−273659号公報 特開平2−240227号公報 特許第3107563号公報 特開2002−47519号公報 特開2001−214247号公報 特開2003−49252号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属材料の鋳造設備であるダイキャスト、溶湯鍛造等の既存の加圧装置設備を利用しつつも、従来困難であった大型・複雑形状を有する複合材料を得ることができる複合材料の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明によれば、反応容器の中に、アルミニウム(Al)と接触することにより自己燃焼反応を生起し得る金属粉末と分散材とを含む混合材料を充填するとともに、前記混合材料内部の空隙中にアルミニウム(Al)を含む金属(Al含有金属)を溶融含浸させて、マトリックス中に前記分散材を分散させた複合材料を製造する方法であって、前記金属粉末と前記分散材の含有比(金属粉末/分散材)が0.16〜1(体積比)である前記混合材料内部の空隙中に、前記Al含有金属を加圧条件下で溶融含浸させて、前記金属粉末とアルミニウム(Al)との自己燃焼反応によってアルミナイド金属間化合物を生成させることにより、前記マトリックス中に前記分散材を分散させてなる複合材料を得る複合材料の製造方法が提供される。
本発明においては、Al含有金属を、混合材料内部の空隙中に10MPa以下の加圧条件下で溶融含浸させることが好ましい。
また、本発明においては、金属粉末が、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及びニオブ(Nb)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる粉末であることが好ましい。
本発明においては、分散材が、繊維、粒子、及びウィスカーからなる群より選択される少なくとも一種の形状を有する無機材料であることが好ましく、無機材料が、Al23、AlN、SiC、及びSi34からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の複合材料の製造方法によれば、Al含有金属を、金属粉末と分散材とが所定の割合で含まれる混合材料内部の空隙中に加圧条件下で溶融含浸させて、金属粉末とアルミニウム(Al)との自己燃焼反応によってアルミナイド金属間化合物を生成させる、いわゆる無加圧含浸原理を応用して追加的な負荷圧力によりAl含有金属の含浸をサポートするため、特殊な加圧設備を用いることなく、ダイキャスト、溶湯鍛造等の既存の加圧装置設備を利用しつつ、従来困難であった大型・複雑形状を有する複合材料を製造することができる。
以下、本発明を実施形態に基づき詳しく説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明の複合材料の製造方法は、反応容器の中に、アルミニウム(Al)と接触することにより自己燃焼反応を生起し得る金属粉末と分散材とを含む混合材料を充填するとともに、混合材料内部の空隙中にアルミニウム(Al)を含む金属(以下、「Al含有金属」と記す)を溶融含浸させて、マトリックス中に分散材を分散させた複合材料を製造する方法であり、金属粉末と分散材の含有比(金属粉末/分散材)が0.16〜1(体積比)である混合材料内部の空隙中に、Al含有金属を加圧条件下で溶融含浸させて、金属粉末とアルミニウム(Al)との自己燃焼反応によってアルミナイド金属間化合物を生成させることにより、マトリックス中に分散材を分散させてなる複合材料を得ることを特徴とする。以下、その詳細について説明する。
図1は、本発明の複合材料の製造方法の一実施形態を説明する模式図である。本実施形態では、先ず適当な寸法・形状の反応容器1内に、アルミニウム(Al)と接触することにより自己燃焼反応を生起し得る金属粉末と分散材とを含む混合材料2を充填する。充填に際しては、反応容器1内に混合材料2を入れた後に、適当な圧力を負荷してもよく、予めプレス機等を用いて混合材料2に圧力を負荷し、適当な形状とした後に充填してもよい。なお、反応容器1の少なくともその内壁に、離型材(BNコート等)が塗布されているか、又は容器の内壁がカーボン材(カーボンシート、若しくはカーボン板11)により構成されていることが、Al含有金属4を溶融含浸して冷却した後、得られた複合材料5を反応容器1から容易に取り出すことができるために好ましい。即ち、複合材料5の、反応容器1からの離型性が極めて良好となるために、反応容器1の耐久性も向上し、複合材料5の製造コストを低減することができる。
本発明の実施形態では、反応容器1内に充填する混合材料2に含まれる金属粉末と分散材の含有比(金属粉末/分散材)を、0.16〜1(体積比)とする。金属粉末と分散材の含有比を0.16未満とすると、Al含有金属を含浸させるに際して金属粉末とアルミニウムとの自己燃焼反応が十分に生起されず、従来の加圧含浸法等を実施するに際して必要とされていた高圧を負荷しなければAl含有金属4が浸透し難くなるために好ましくない。一方、金属粉末と分散材の含有比を1超とすると、in−situ合成される金属間化合物が増加してしまい、Al含有金属が含浸していく際の抵抗が大きくなりはじめることで、Al含有金属4が浸透し難くなるために好ましくない。なお、混合材料2に含まれる金属粉末と分散材の含有比(金属粉末/分散材)は、0.27〜0.53(体積比)とすることが好ましく、0.27〜0.4(体積比)とすることが更に好ましい。
次いで、反応容器1内に充填された混合材料2の空隙にAl含有金属4を溶融含浸させるが、このとき、本実施形態では加圧条件下に溶融含浸させる。混合材料2には所定の金属粉末が含まれているため、この金属粉末と、含浸されたAl含有金属4とが接触することにより自己燃焼反応が生起される。Al含有金属4はアルミナイド金属間化合物に置換され、この結果、アルミナイド金属間化合物を含むマトリックス中に分散材が分散してなる複合材料5を製造することができる。
本実施形態においては、前述の自己燃焼反応がAl含有金属4の含浸駆動力となるため、前述の加圧条件は、従来の加圧含浸法等を実施するに際して必要とされていた高圧条件である必要はない。即ち、いわゆる無加圧含浸原理を応用し、追加的な負荷圧力によりAl含有金属4の含浸をサポートするため、特殊な加圧装置や高耐圧性金型等の設備が不要である。従って、本実施形態の複合材料の製造方法によれば、より大型・複雑形状を有する複合材料であっても簡便に製造することができるとともに、特殊な加圧設備を採用することなくダイキャスト、溶湯鍛造等の既存の加圧装置設備を利用することができるため、設備コスト面においても優れた製造方法であるといえる。
本発明の複合材料の製造方法において、Al含有金属を加圧含浸させるに際して負荷する含浸圧力は、前述の如く、加圧含浸法等を実施するに際して必要とされていた程の高圧である必要はない。具体的には、10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることが更に好ましく、3MPa以下であることが特に好ましい。なお、含浸圧力の負荷は適当な圧力負荷手段、例えば、図1に示すようなピストン部10を用いて実施すればよいが、本発明においてはこのような圧力負荷手段に限定されるものではない。また、本発明において、Al含有金属を加圧含浸させるに際して負荷する含浸圧力の下限値については特に限定されないが、概ね0.05MPa以上であればよい。
本発明において用いることのできる金属粉末は、溶融状態のアルミニウム(Al)(アルミニウム(Al)溶湯)と接触することにより自己燃焼反応を生起し、アルミナイド金属間化合物を形成するものである。具体的にはチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及びニオブ(Nb)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる粉末を用いることができる。これらの金属粉末は反応性が良好であるとともに、安定なアルミナイド金属間化合物を形成するために好ましい。これら金属粉末を用いた場合の反応の代表例を下記式(1)〜(3)に示す。下記式(1)〜(3)において示す通り、これらの反応は発熱反応(自己燃焼反応)であり、本発明においてはこの反応熱を利用する。
3Al+Ti→Al3Ti : ΔH298=−146kJ/mol …(1)
3Al+Ni→Al3Ni : ΔH298=−150kJ/mol …(2)
3Al+Nb→Al3Nb : ΔH298=−160kJ/mol …(3)
(上記式(1)〜(3)中、ΔH298は生成反応熱(Δ<0にて発熱反応)を示す)
また、本発明においては、分散材が、繊維、粒子、及びウィスカーからなる群より選択される少なくとも一種の形状を有する無機材料であることが好ましい。これらの形状を有する無機材料を用いることにより、最終製品としての使用用途に沿った強度や特徴を有する複合材料を製造することができる。
また、本発明においては、分散材を構成する無機材料が、Al23、AlN、SiC、及びSi34からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。複合材料は、これを構成するマトリックスに含まれるアルミナイド金属間化合物と分散材との組み合わせにより種々の特性を示すものであり、用途に応じた特性を示す複合材料となる組み合わせを適宜選択すればよい。
本発明においては、複合材料に占める分散材の比率(体積比率)が、10〜80体積%であることが好ましく、20〜70体積%であることが更に好ましい。第一の分散材の体積比率が10体積%に満たない場合には、得られる複合材料が複合材料としての十分な強度を発揮し得ず、また、80体積%を超える場合には、Al含有金属の浸透に不具合が生ずることが想定され、アルミナイド金属間化合物の生成が困難となり、不均質な組織が形成されるために好ましくない。
本実施形態においては、図1に示すように、分散材と金属粉末を混合して得た混合材料2を反応容器1内に充填するが、その際に、混合材料2が所定の形状及び空隙率となるように適当な圧力にて成形を行ってもよい。また、予め適当な圧力を付与することにより混合材料2の成形を行っておき、これを反応容器1内に充填してもよい。また、混合材料2の空隙率に関しては、成形する圧力を変化させることで任意に制御することができる。更に、特に大型部材や複雑形状部材を製造する場合においては、反応容器1中の混合材料2に振動を印加して沈降成形を行うことにより、プレス機等の加圧装置を用いずに成形することも可能である。
マトリックスの形成自体は非常に短時間で完了するため、加熱に要する時間は数分程度で十分である。更に、自己燃焼反応が終了した後に、得られた複合材料のマトリックスの均質化及び安定化を図るために、適宜等温保持や加熱保持を行ってもよい。このときの保持温度は、材料系によって若干左右されるが、自己燃焼反応が生じた温度と同一な温度から約400〜500℃程度高い温度で実施することが好ましく、また保持時間は約1時間から必要に応じて数時間実施してもよい。
以下、本発明の具体的な実施結果を説明する。
(実施例1〜6、比較例1)
分散材として、平均粒径が約47μmのAl23粒子及びSiC粒子、並びに金属粉末として、平均粒径が約10μmのチタン(Ti)粉末を用意した。次に、チタン(Ti)粉末と各々の分散材を、(Ti/分散材)体積比の値が表1に示す値となるように配合し、V型混合機により混合して混合材料を得た。その後、図1に示すような、その内壁面にカーボン板11を設置した反応容器1に混合材料2を充填し、反応容器1の形状に沿う形で圧縮成形を行い、100mmφ×100mm、空隙率約50%とした。次いで、Ar雰囲気中にて反応容器1を700℃で30分間予熱し、その後、大気中の加圧含浸装置にセットした。約800℃にて溶解させたAl含有金属4(市販のアルミニウム(Al)合金(A5052:Al−2.5Mg))を混合材料2の上面に注湯すると同時に、表1に示す所定の圧力(含浸圧力(MPa))を負荷して、溶融アルミニウム(Al)を混合材料2中の空隙に含浸させ複合材料5を製造した。
(比較例2)
分散材となる平均粒径47μmのAl23粒子を一軸プレス機にて約50MPaの圧力で加圧成形して成形体を作製した。この成形体を大気中で760℃に予熱し、150〜200℃に予熱した金型内に設置した。その後、約800℃にて溶解させたAl含有金属(市販のアルミニウム(Al)合金(A5052:Al−2.5Mg))を金型内に注湯し、表1に示す所定の圧力(含浸圧力(MPa))を負荷して、溶融アルミニウム(Al)を成形体中の空隙に含浸させ複合材料を製造した。
実施例1〜6及び比較例1,2のAl含有金属の含浸時における含浸性を評価した。結果を表1に示す。含浸性の評価の方法は、Al含有金属の浸透率が100%である場合を「◎」、浸透率が85%以上である場合を「○」、浸透率が60%以上である場合を「△」、浸透率が60%未満の場合を「×」として評価した。なお、浸透率の測定・算出方法を以下に示す。
[浸透率]:Al含有金属の浸透率については、下記式(4)に従って算出した。浸透距離は、混合材料に対してAl含有金属を含浸させた後、得られた材料を垂直方向に切断して、その切断面を研磨した後、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡によりAl含有金属の浸透状態を観察し、成形体の上面を起点として、Al含有金属の浸透部(複合材料化された部分)の最端部までの距離を、成形体の厚さ(高さ)方向に測定した値とした。
浸透率(%)=(浸透距離/成形体厚さ)×100 …(4)
Figure 2004353087
表1に示す結果から、(Ti/Al23)体積比が0.16〜1である場合(実施例1〜5)において、5MPa以下の含浸圧力で肉厚100mmの複合材料の製造が可能であることが明らかとなった。また、分散材としてSiC粒子を使用し、(Ti/SiC)体積比が0.27である場合(実施例6)においても同様に複合材料の製造が可能であった。これに対して、比較例2(従来技術である加圧含浸法)では、10MPaの含浸圧力ではAl23粒子からなる成形体の空隙中にAl含有金属が十分に含浸されず、50MPaの含浸圧力を負荷した場合に初めて良好に含浸されることが明らかとなった。従って、分散材としてチタン(Ti)粉末を添加した、(Ti/分散材)体積比が0.16以上の組成において、従来の加圧含浸設備を使用して、低い含浸圧力で肉厚の複合材料の製造が可能であることが判明した。これは、分散材としてのセラミックス粒子のみを用いてなる多孔質体に溶融アルミニウム(Al)を加圧含浸する際において、加圧限界であった加圧面の面積が所定の大きさ以上の部材の製造が可能であることを示すものである。
(実施例7)
平均粒径が約47μmのAl23粒子、平均粒径が約10μmのチタン(Ti)粉末を用意した。次に、チタン(Ti)粉末とAl23粒子を、(Ti/Al23)体積比の値が0.27となるように配合し、V型混合機により混合して混合材料を得た。その後、その内壁面に高密度カーボン製の板を設置した金型容器に混合材料を充填し、金型容器の形状に沿う形で圧縮成形を行い、300mmφ×40mm、空隙率約50%とした。次いで、Ar雰囲気中にて金型容器を700℃で30分間予熱し、その後、大気中の加圧含浸装置にセットした。約800℃にて溶解させた市販のアルミニウム(Al)合金(A5052:Al−2.5Mg)を混合材料の上面に注湯すると同時に約1MPaの圧力(含浸圧力)を負荷して、溶融アルミニウム(Al)合金を混合材料中の空隙に含浸させ複合材料を製造した。
実施例7で製造した複合材料を任意に切断し、各切断面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、いずれの切断面においても顕著な気孔等は確認されず、良好に複合材料化されていることが判明した。また、製造した複合材料の中心部と外周部から採取した試験片の開気孔率を測定したところ、両者ともに0.1%以下であり、良好に緻密化していることが判明した。なお、開気孔率の測定方法を以下に示す。
[開気孔率]:測定対象から所定形状の試料を切り出し、アルキメデス法によって測定した。
(実施例8)
平均粒径が約47μmのAl23粒子、平均粒径が約10μmのチタン(Ti)粉末、及び溶融含浸する市販のアルミニウム(Al)合金(A5052:Al−2.5Mg)を用意した。次に、チタン(Ti)粉末とAl23粒子を、(Ti/Al23)体積比の値が0.40となるように配合し、V型混合機により混合を行った。混合により得られた混合材料を、内径200mmφの、内壁に高密度カーボンを設置したSUS316製金型容器に充填し、その形状に沿う形で圧縮成形を行い、厚み40mm、空隙率約50%の成形体とした。その後、成形体上面にアルミニウム(Al)合金を配置し、0.13Pa以下の真空雰囲気下、600℃にて1時間の予熱保持を行い、その後700℃にまで加熱して溶融したアルミニウム(Al)を含む金属を無加圧含浸させると同時に、約1MPaの圧力(含浸圧力)を負荷して、溶融アルミニウム(Al)合金を混合材料中の空隙に含浸させ複合材料を製造した。
実施例8で製造した複合材料を任意に切断し、各切断面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、いずれの切断面においても顕著な気孔等は確認されず、良好に複合材料化されていることが判明した。また、実施例2の評価手法と同様、製造した複合材料の中心部と外周部から採取した試験片の開気孔率を測定したところ、両者ともに0.05%以下であり、良好に緻密化していることが判明した。
(実施例9)
平均粒径が約47μmのAl23粒子、平均粒径が約10μmのチタン(Ti)粉末及び溶融含浸させるアルミニウム(Al)合金(A5052:Al−2.5Mg)を用意した。次に、チタン(Ti)粉末とAl23粒子を、(Ti/Al23)体積比の値が0.40となるように配合し、V型混合機により混合して混合材料を得た。その後、内径200mmφの、内壁に高密度カーボンを設置したSUS316製金型容器に混合材料を充填し、金型容器の形状に沿う形で圧縮成形を行い、厚み30mm、空隙率約50%の成形体とした。次いで、同一のAl23粒子とチタン(Ti)粉末とを、(Ti/Al23)体積比が0.27となるように配合した後、V型混合機で混合し、得られた混合材料を前述の成形体の上に積層し、同様に圧縮成形を行い、厚み30mm、空隙率約48%の成形体を追加積層して総厚み60mmの成形体とした。その後、成形体上面にアルミニウム(Al)合金を配置し、不活性ガス(Ar)雰囲気下、600℃にて1時間の予熱保持を行い、その後700℃にまで加熱して溶融したアルミニウム(Al)合金を無加圧含浸させると同時に、約3MPaの圧力(含浸圧力)を負荷して、溶融アルミニウム(Al)合金を混合材料中の空隙に含浸させ複合材料を製造した。
実施例9で製造した複合材料を任意に切断し、各切断面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、複合材料の組成に基く微構造が、その上部と下部とで傾斜的に変化していることが判明した。更に、いずれの切断面においても顕著な気孔等は確認されず、良好に複合材料化されていることが確認された。
(実施例10)
平均粒径が約47μmのAl23粒子、平均粒径が約10μmのチタン(Ti)粉末を用意した。次に、チタン(Ti)粉末とAl23粒子を、(Ti/Al23)体積比の値が0.27となるように配合し、V型混合機により混合して混合材料を得た。得られた混合材料を、図3に示すような反応容器1に充填し、反応容器1の形状に沿う形で圧縮成形を行い、空隙率約48%とした。その後、Ar雰囲気中にて反応容器1を700℃で30分間予熱し、その後、大気中の加圧含浸装置にセットした。約800℃にて溶解させたAl含有金属4(市販のアルミニウム合金(A5052:Al−2.5Mg))を混合材料2の上面に注湯すると同時に、その先端部に成形面15を有するピストン部10により約3MPaの圧力(含浸圧力)を負荷して、熱間鍛造しつつ混合材料2の空隙中にAl含有金属4を含浸して複合材料5を製造した。これにより、複雑形状を有するピストン部材にて熱間鍛造を行うことにより、ピストン形状が転写された複合材料が製造された。従って、含浸後に切削加工等をすることなく、複雑形状を有する複合材料を製造すること(ニアネットシェイピング)が可能であることが明らかとなった。
本発明の複合材料の製造方法は、自動車関連分野、製造装置関連分野、電子部品関連分野、或いは発電・宇宙・航空分野等において注目されている複合材料を簡便且つ効率的に製造する方法として好適である。
本発明の複合材料の製造方法の一実施形態を説明する模式図である。 従来の複合材料の製造方法の一実施形態を説明する模式図である。 本発明の複合材料の製造方法の他の実施形態を説明する模式図である。
符号の説明
1…反応容器、2…混合材料、3…空隙、4…Al含有金属、5…複合材料、6…マトリックス、7…分散材、9…蓋部材、10…ピストン部、11…カーボン板、15…成形面。

Claims (5)

  1. 反応容器の中に、アルミニウム(Al)と接触することにより自己燃焼反応を生起し得る金属粉末と分散材とを含む混合材料を充填するとともに、前記混合材料内部の空隙中にアルミニウム(Al)を含む金属(Al含有金属)を溶融含浸させて、マトリックス中に前記分散材を分散させた複合材料を製造する方法であって、
    前記金属粉末と前記分散材の含有比(金属粉末/分散材)が0.16〜1(体積比)である前記混合材料内部の空隙中に、前記Al含有金属を加圧条件下で溶融含浸させて、前記金属粉末とアルミニウム(Al)との自己燃焼反応によってアルミナイド金属間化合物を生成させることにより、前記マトリックス中に前記分散材を分散させてなる複合材料を得る複合材料の製造方法。
  2. 前記Al含有金属を、前記混合材料内部の空隙中に10MPa以下の加圧条件下で溶融含浸させる請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  3. 前記金属粉末が、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及びニオブ(Nb)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる粉末である請求項1又は2に記載の複合材料の製造方法。
  4. 前記分散材が、繊維、粒子、及びウィスカーからなる群より選択される少なくとも一種の形状を有する無機材料である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法。
  5. 前記無機材料が、Al23、AlN、SiC、及びSi34からなる群より選択される少なくとも一種である請求項4に記載の複合材料の製造方法。
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JP2009062593A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Nihon Ceratec Co Ltd 温調プレートおよびその製造方法
JP2010064954A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Ngk Insulators Ltd SiC/Al系複合材料及びその製法
JP2013221181A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Hiroshima Univ 金属間化合物強化複合材料及びその製造方法

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