JP3045370B2 - 高強度高靱性セラミックス複合材料及びセラミックス複合粉末並びにそれらの製造方法 - Google Patents

高強度高靱性セラミックス複合材料及びセラミックス複合粉末並びにそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、約1000℃以下の温
度域で構造材料部材として安定的に使用される高強度高
靱性セラミックス複合材料及びその焼結用原料粉末並び
にそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】アルミナ等の酸化物系セラ
ミックスはこれまでエンジニアリングセラミックスとし
て切削工具等で実用化が進められている。しかし、強度
及び靱性が十分でないことから、その構造部材ヘの利用
が阻害されている。このため、機械的特性、特に靱性や
強度の向上を目的とした複合化が検討されてきている。
一般には、異種のセラミックスのウイスカーや粒子など
で複合化が行われている。ウイスカーは粒子より、靱性
向上に効果があり、粉末冶金法で成形可能なため、多く
の研究が行われてきているが、ウイスカー添加により焼
結はしにくくなるという欠点がある。ウイスカー強化以
外の強化法としては、酸化物として工業的に最も一般的
なアルミナを例にとると、例えば、B4CとTi、V、
Cr等のIVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物、ほ
う化物の粒子で強化されたアルミナの複合体が開示され
ている(特開平2−255561号)。また、SiCウ
イスカとZrO2粒子を添加しSiCウイスカで主に強
度をZrO2粒子で靱性を向上させたアルミナ複合体が
開示されている(特開昭61−270266号)。さら
に0.5μmのSiCや2.0μm以下のTiNあるい
はTiC粒子をアルミナの粒内に分散させたナノ複合体
(特開平1−87552号、同2−229756号、同
2−229757号)や粒子内に融点が焼結温度以上の
高融点金属を分散させたナノ複合体が開示されている
(特開平5−39535号)。
【0003】上述した技術によれば、いずれにおいても
強度と硬度は大きく向上し、実際に文献で報告されてい
る結果を示すと、アルミナマトリックスでは、Al23
/40wt%SiCウイスカーで、曲げ強度70kg/m
m2、破壊靱性8.1MPam1/2の値(J.Am.Ceram.Soc.,7
2(1989),1880)が報告されている。ムライトマトリック
スでは、ムライト/20vol%SiCウイスカーでは、
破壊靱性4.7MPam1/2の値(Fracture Mechanics of
Ceramics, ed. by R.C.Bradt et al.,vol 7,(1986),6
1)が報告されている。このように、破壊靱性値はアル
ミナ複合体では8.5MPam1/2以下であり、ムライト
複合体では5MPam1/2以下であり、構造部材として使
用するには不十分である。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
構造部材に適した高強度高靱性のセラミックス複合材料
及びその焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法を提供
するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、酸化
物系セラミックスをマトリックスとし、偏平状の延性金
粒子及びマトリックスとは異なるセラミックス粒子を
強化相とすることにより高強度高靭性セラミックス複合
材料が提供される。また、アルミナをマトリックスと
し、金属及びアルミナ以外のセラミックス粒子を強化相
とするアルミナ基複合材料であって、曲げ強度が70k
g/mm2以上、好ましくは80kg/mm2以上、破壊
靭性値が8.5MPam1/2以上、好ましくは10MP
am1/2以上である高強度高靭性アルミナ基複合材料が
提供される。このような高強度高靭性セラミックス複合
材料は、偏平な延性金属粉末表面に2種以上のセラミッ
クス粉末が付着しているセラミックス複合粉末を出発原
料とし、この混合粉末を成形後、900〜1800℃で
焼結することにより得られる。また、本発明によれば、
偏平な延性金属粉末表面に2種以上のセラミックス粉末
が付着していることを特徴とするセラミックス複合粉末
が提供される。このようなセラミックス複合粉末は、延
性金属粉末及び2種以上のセラミックス粉末を混合する
ことにより、該延性金属粉末を塑性変形させて偏平化さ
せることにより得られる。
【0006】本発明のセラミックス複合材料のマトリッ
クスを構成する酸化物系セラミックスとしては、Al2
3、ZrO2、MgO、ムライト、MgOAl23、A
2323が挙げられる。強化相を構成するセラミッ
クス粒子としては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、M
o、Hf、Ta、W、Fe、Ni、Co、Al、Y、S
i及びBの酸化物、窒化物、炭化物、ほう化物、珪化物
及び炭窒化物から選ばれる少なくとも一種のセラミック
ス粒子が挙げられ、これらのうち、マトリックスとは異
なるものが用いられる。特に、焼結温度で使用する延性
金属と反応して脆弱な化合物を生成しない粒子を選択す
ることが重要である。
【0007】また、強化相を構成する扁平状の延性金属
としては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、
Ta、W、Fe、Ni、Co、Cu及びそれらの合金、
ステンレス鋼及び超耐熱合金から選ばれる少なくとも一
種の金属が用いられる。マトリックスと金属の組み合わ
せは、焼結時に扁平な延性金属の形状が保持されるよう
に、マトリックスの焼結温度より延性金属の融点が高い
組み合わせを選択することが必要である。例えば、マト
リックスがAl23の場合には、一般的な粉末では焼結
温度が1600℃以上であるため、それより高い融点を
持つ金属であるV、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、Wを用いることが好ましい。また、低温度焼結タイ
プ(例えば、タイミクロンTM−DAR;大明化学工業
株式会社製)では、焼結温度が1200℃以上となるた
め、さらにTi、Fe、Ni、Co、ステンレス鋼、超
耐熱合金も使用することができる。さらに、Al23
ガラス相を加えていくと焼結温度を約900℃まで下げ
ることができるので、上記の他にCuも使用することが
できる。また、ZrO2(焼結温度>1300℃)とM
gO(焼結温度>1400℃)の場合には、Ti、V、
Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、N
i、Co、ステンレス鋼、超耐熱合金を用いることがで
きる。ムライト(焼結温度>1500℃)の場合には、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Feを
用いることができる。
【0008】本発明においては、強化相として扁平状の
延性金属を用いることにより高靱性が達成できる。特
に、扁平面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t
≧3であることが好ましい。d/tが3未満の場合に
は、クラックが金属粒子とマトリックスとの界面を進行
しやすくなるため金属相の塑性変形を十分に利用できな
くなるので好ましくない。厚さtは0.5μm以上であ
ることが望ましい。これより小さくなると塑性変形によ
る効果が発揮されない。dの範囲としては特に制限はな
く、d/t≧3の関係を満足していれば、発明の効果が
得られる。また、強化相としてセラミックス粒子を用い
ることにより、酸化物系セラミックスの粒径が微細化す
るので高強度が達成できる。特に、セラミックス粒子の
粒径は2μm以下、好ましくは、1μm以下であること
が望ましい。粒径が2μmよりも大きくなると酸化物系
セラミックスの粒径を微細化する効果が得られないので
好ましくない。
【0009】セラミックス複合材料における強化相の扁
平状の延性金属の体積率は、2〜60%、特に10〜5
0%であることが好ましい。体積率が2%よりも少ない
場合には、金属の塑性変形量が相対的に小さすぎるため
に靱性の向上が十分でなく、また、体積率が50%より
も多くなると、複合体の硬度が下がり、耐熱性も低下す
るため実用的でない。また、強化相のセラミックス粒子
の体積率は、2〜30%、特に3〜20%であることが
好ましい。体積率が2%よりも少ない場合には、酸化物
系セラミックスの粒径を微細化する効果が得られない。
また、体積率が30%よりも多くなってもそれ以上強度
は向上しない。
【0010】本発明の高強度高靱性セラミックス複合材
料は、以下の方法で製造される。まず、扁平な延性金属
粉末表面に2種以上のセラミックス粉末、即ち、マトリ
ックスとなる酸化物系セラミックス粉末及びマトリック
スとは異なるセラミックス粉末が付着しているセラミッ
クス複合粉末を製造する。このような複合粉末は、延性
金属粉末及び2種以上のセラミックス粉末を混合するこ
とにより、該延性金属粉末を塑性変形させて扁平化させ
ることにより製造できる。マトリックスとなる酸化物系
セラミックス粉末の粒度は、特に制限はないが、焼結性
のよい平均粒径1μm以下のものが望ましい。また、延
性金属粉末の粒子径は、扁平化を容易に促進するために
1〜200μm、特に3〜100μmの範囲が好まし
い。延性金属粉末の粒子径が1μmよりも小さいと、微
粒のため扁平化させることができない。また、200μ
mよりも大きくなると、粗粒のため焼結を困難にし、ま
たセラミックス粉末との分離が激しくなるため、均一混
合が困難となる。強化相となるセラミックス粉末の粒子
径は、2μm以下、特に1μm以下が好ましい。セラミ
ックス粉末の粒子径が2μmよりも大きくなると、酸化
物系セラミックスの粒径を微細化する効果が得られな
い。マトリックスとなる酸化物系セラミックス粉末、強
化相となる延性金属粉末及びセラミックス粉末の混合割
合は、混合粉末における延性金属粉末の体積率が2〜6
0%、特に10〜50%、強化相となるセラミックス粉
末の体積率が、2〜30%、特に3〜20%であること
が好ましい。なお、前記混合粉末に必要に応じて公知の
酸化物系焼結助剤を添加することができる。
【0011】延性金属粉末及び2種以上のセラミックス
粉末の混合方法については、特に制限はなく湿式及び乾
式のいずれも採用できる。湿式混合の場合の溶媒として
はエ夕ノール、メ夕ノール等が一般に使用される。混合
装置については、ボールミル、振動ミル、アトライタ
ー、遊星型ボールミル等を用いることができる。延性金
属粉末は、混合時のボール等の混合媒体による機械的混
合により球状から扁平状へと変形が進む。したがって、
混合条件の制御により扁平化の程度を制御することがで
きる。一般に、混合時間、回転数等の条件により変形量
は変わってくるので、扁平化の形状がd/t≧3を満足
するように混合条件を制御することが望ましい。さら
に、この混合過程で、扁平化した延性金属粉末の表面に
2種以上のセラミックス粉末が付着するため、焼結過程
で延性金属同士が接触、造粒することを防止することが
できる。なお、延性金属粉末とセラミックス粉末の混合
割合によっては、金属表面に付着しないセラミックス粉
末も共存することは言うまでもない。また、使用する延
性金属粉末の粒度によっては、混合後も未変形の粒子が
残るが、扁平化した粒子が適当量あれば、靱性は向上す
る。また、上記の扁平な延性金属粉末表面に2種以上の
セラミックス粉末が付着しているセラミックス複合粉末
は、予め延性金属粉末を圧延加工等により扁平化させ、
これと2種以上のセラミックス粉末を混合することによ
っても製造することができるが、混合と扁平化を同時に
行う前述の方法が工程の簡略化と均−混合の面で有利で
ある。
【0012】次に、得られた混合粉末を所望の形状に成
形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下また
は真空中で900〜1800℃で焼結する。焼結方法と
しては、公知の焼結方法を用いることができる。例え
ば、CIP成形した成形体を常圧焼結や真空焼結さらに
HIPで高密度化するプロセスでは、扁平化した粒子は
3次元にランダムに配向するが、ホットプレス等の一軸
加圧方法により成形を行うと、扁平化した粒子はプレス
方向と垂直方向に2次元に配向するので、焼結体の特牲
(特に靱性)に異方性を持たせることもできる。また、
焼結は、900〜1800℃の温度範囲で行うことがで
きるが、扁平な延性金属の形状が保持されるように延性
金属の融点より低い温度で行う。例えば、酸化物系セラ
ミックス粉末としてアルミナを用いる場合、延性金属が
1800℃以上の高融点金属であれば、通常のアルミナ
で行われている1500〜1800℃で特に問題はない
が、延性金属がNi(融点;1453℃)、Fe(融
点;1536℃)、Co(融点;1492℃)等の低融
点(1550℃以下)金属であれば、1200〜135
0℃で焼結できる粉末(例えば、タイミクロンTM−D
AR;大明化学工業株式会社製)を用いて焼結すること
が望ましい。
【0013】
【作用】本発明によれば、強化相に扁平状の金属粒子を
用いているので、球状粒子のみを用いた場合に発生する
クラックが粒子とマトリックスの界面を進行する現象を
抑制することができ、したがって金属粒子の塑性変形に
よる靱性向上を十分に利用することができる。また、ク
ラックが粒子とマトリックスの界面を進行する場合でも
異形であるため、クラックは偏向し、高靱性化に寄与で
きる。また、強化相にセラミックス粒子を用いているの
で、焼結時のマトリックスのセラミックス粒子の粒成長
を抑制し、セラミックスマトリックスの高強度化が図れ
る。さらにマトリックスのセラミックスと熱膨張係数の
大きく異なるセラミックス粒子を選択すれば、焼結過程
で発生する熱応力による残留応力により、さらに高強度
化が可能となり、高強度、高靱性の構造部材に適用でき
るセラミックス複合材料が提供できる。また、前述した
ように強化相を2次元に配向させれば、配向方向と垂直
方向の靱性をさらに向上させることができる。さらに、
強化相の形態は、原料粉末である延性金属粉末と2種以
上のセラミックス粉末の混合中の変形を利用して扁平化
が達成できるため、強化相の形状の制御が容易であり、
追加の製造プロセスを必要とせず、複合化によるコスト
増を抑えることができる。
【0014】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 純度99.99%のアルミナ粉末(AKP−30;住友
化学製)と粒径0.6〜0.9μmのTiC粉末(Ti
C−007;日本新金属製)及び粒径53〜10μmの
Mo粉末(M−60;昭和電工製)を体積率が74:
6:20となるように秤量し、さらに焼結助剤としてM
gOをアルミナに対して0.05重量%添加した。これ
らの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用
いてボールミル混合を行った。図1及び図2にボールミ
ル後の混合粉末の外観の走査型電子顕微鏡像と断面組織
の光学顕微鏡像を示す。これらより、添加した粒径53
〜10μmのMo粉末がボールミル混合により扁平化
し、さらにアルミナ粉末とTiC粉末の混合粉が表面に
付着していることがわかる。
【0015】この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホ
ットプレスにより、1600℃、300kg/cm2の圧力
でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。図3に得
られた複合材料のプレス方向と平行方向の断面組織の光
学顕微鏡像を示す。粒径53〜10μmのMo粉末から
形成された金属相は2次元に配向し、d/t≧3を満た
して扁平化していることがわかる。さらに図4にマトリ
ックス部分の透過型電子顕微鏡像を示す。これから、T
iC粒子がマトリックスの粒界及び粒内に分散してお
り、マトリックスの粒成長を抑制し、高強度化に寄与し
ていることがわかる。この複合材料から3×4×40の
試験片を加工し、3点曲げ試験により曲げ強度を、SE
VNB法により破壊靱性を測定したところ、曲げ強度9
2kg/mm2、破壊靱性11.8MPam1/2という高い値が
得られた。
【0016】比較例1 純度99.99%のアルミナ粉末(AKP−30;住友
化学製)のみを実施例1と同様の方法で焼結した。得ら
れたアルミナ単相の焼結体は、曲げ強度35kg/mm2
破壊靱性3.5MPam1/2であり、本発明の効果が顕著
であることがわかる。
【0017】比較例2 純度99.99%のアルミナ粉末(AKP−30;住友
化学製)及び粒径53〜10μmのMo粉末(M−6
0;昭和電工製)の体積率が80:20の粉末を用いて
実施例1と同様の方法で焼結した。得られた複合材料
は、曲げ強度50kg/mm2、破壊靱性11MPam1/2であ
った。以上の結果から、扁平粒子により靱性が大きく上
昇し、粒状粒子によりさらに強度が大きく上昇している
ことが明らかであり、本発明の効果が顕著であることが
わかる。
【0018】実施例2 実施例1と同じ組成の混合粉末で、混合条件を変え、d
/tを変化させたものを用い、実施例1と同じ条件で焼
結を行った。得られた複合材料の破壊靱性を測定した結
果を図5に示す。これより破壊靱性はd/t≧3で大き
な値を示しており、d/tが1.5以下では破壊靱性
6.5MPam1/2と靱性の向上効果は小さいことがわか
る。
【0019】実施例3 マトリックスの純度の影響を調べるため、実施例1のア
ルミナ粉末に代わりに低純度(99.8%)のアルミナ
粉末(AES−11;住友化学製)を用い、実施例1と
同じ条件で焼結を行った。得られた複合材料の曲げ強度
と破壊靱性を測定したところ、曲げ強度88kg/mm2
破壊靱性12.2MPam1/2という高い値が得られ、マ
トリックスの純度の影響はほとんどないことが示され
た。
【0020】実施例4 純度99.99%のアルミナ粉末(AKP−30;住友
化学製)と比表面積16m2/gのZrO2粉末(3Y;
東ソー製)及び粒径45〜5μmのTa粉末(M−4
0;昭和電工製)を体積率が70:10:20となるよ
うに秤量し、実施例1と同様にして複合材料を製造し
た。得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を測定した
ところ、曲げ強度90kg/mm2、破壊靱性12.3MPa
1/2という高い値が得られた。
【0021】実施例5 低温焼結タイプのアルミナ粉末(TM−DAR;大明化
学工業製)と平均粒径0.27μmのSiC粉末(ベー
タランダム;イビデン製)及び粒径45〜10μmのN
i合金(Ni17Cr6Al10.6Y,MA−90;
昭和電工製)を体積率が70:5:25となるように秤
量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素
ボールを用いてボールミル混合を行った。この混合粉末
を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、130
0℃、300kg/cm2の圧力でアルゴン中、1時間保持
して焼結を行った。得られた複合材料の曲げ強度と破壊
靱性を測定したところ、曲げ強度97kg/mm2、破壊靱
性11.7MPam1/2という高い値が得られた。
【0022】実施例6 ムライト粉末(MP−20;サイマレック製)と平均粒
径1μmのBN粉末(MBN−010;三井東圧化学
製)及び粒径53〜10μmのMo粉末(M−60;昭
和電工製)を体積率が70:10:20となるように秤
量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素
ボールを用いてボールミル混合を行った。この混合粉末
を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスにより、165
0℃、300kg/cm2の圧力でアルゴン中、1時間保持
して焼結を行った。得られた複合材料の曲げ強度と破壊
靱性を測定したところ、曲げ強度75kg/mm2、破壊靱
性10.3MPam1/2という高い値が得られた。
【0023】実施例7 MgO粉末(500A;宇部興産製)と平均粒径0.6
μmのWC粉末(WC−F;日本新金属製)及び粒径4
5〜5μmのTi粉末(M−20;昭和電工製)を体積
率が70:10:20となるように秤量し、これらの混
合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボ
ールミル混合を行った。この混合粉末を黒鉛のモールド
にいれ、ホットプレスにより、1500℃、300kg/
cm2の圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行っ
た。得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を測定した
ところ、曲げ強度87kg/mm2、破壊靱性9.0MPam
1/2という高い値が得られた。
【0024】実施例8 ZrO2粉末(3Y;東ソー製)と平均粒径2μmのN
bC粉末(日本新金属製)及び粒径45μm以下のNb
粉末(石津製薬製)を体積率が70:10:20となる
ように秤量し、これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、
窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行った。この
混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホットプレスによ
り、1400℃、300kg/cm2の圧力でアルゴン中、
1時間保持して焼結を行った。得られた複合材料の曲げ
強度と破壊靱性を測定したところ、曲げ強度105kg/
mm2、破壊靱性12.3MPam1/2という高い値が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真
である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で得られた複合材
料のセラミックス材料の組織を表す図面に代える光学顕
微鏡写真である。
【図4】 図4は、本発明の実施例1で得られた複合材
料のセラミックス材料の組織を表す図面に代える透過型
電子顕微鏡写真である。
【図5】 図5は、本発明の実施例2で得られた複合材
料の破壊靱性を測定した結果を表す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−28282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/76 - 35/80

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物系セラミックスをマトリックスと
    し、偏平状の延性金属粒子及びマトリックスとは異なる
    セラミックス粒子を強化相とすることを特徴とする高強
    度高靭性セラミックス複合材料。
  2. 【請求項2】 扁平な延性金属粉末表面に2種以上のセ
    ラミックス粉末が付着しているセラミックス複合粉末を
    出発原料とし、この混合粉末を成形後、900〜180
    0℃で焼結することを特徴とする請求項1記載の高強度
    高靱性セラミックス複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 扁平な延性金属粉末表面に2種以上のセ
    ラミックス粉末が付着していることを特徴とするセラミ
    ックス複合粉末。
  4. 【請求項4】 延性金属粉末及び2種以上のセラミック
    ス粉末を混合することにより、該延性金属粉末を塑性変
    形させて扁平化させることを特徴とする請求項3記載の
    セラミックス複合粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルミナをマトリックスとし、金属及び
    アルミナ以外のセラミックス粒子を強化相とするアルミ
    ナ基複合材料であって、曲げ強度が70kg/mm2以上、
    破壊靱性値が8.5MPam1/2以上であることを特徴と
    する高強度高靱性アルミナ基複合材料。
JP6243449A 1994-04-15 1994-09-13 高強度高靱性セラミックス複合材料及びセラミックス複合粉末並びにそれらの製造方法 Expired - Lifetime JP3045370B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102557701B (zh) * 2011-12-23 2013-07-10 山东大学 原位一体化制备硼化钛晶须、颗粒协同增韧碳氮化钛基陶瓷刀具材料及其制备方法

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