JPH09255361A - ガラス複合材料及びガラス複合粉末並びにそれらの製造方法 - Google Patents

ガラス複合材料及びガラス複合粉末並びにそれらの製造方法

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JPH09255361A
JPH09255361A JP9000496A JP9000496A JPH09255361A JP H09255361 A JPH09255361 A JP H09255361A JP 9000496 A JP9000496 A JP 9000496A JP 9000496 A JP9000496 A JP 9000496A JP H09255361 A JPH09255361 A JP H09255361A
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glass
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glass composite
composite material
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Yoshiharu Waku
芳春 和久
Michiyuki Suzuki
道之 鈴木
Yoshihiko Oda
良彦 織田
Yasuhiko Kamitoku
泰彦 神徳
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Ube Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • C03C14/004Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2214/00Nature of the non-vitreous component
    • C03C2214/04Particles; Flakes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造部材に適した高強度高靱性のガラス複合
材料及びその焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法を
提供する。 【解決手段】 非酸化物系ガラスをマトリックスとし、
扁平状の延性金属を強化相とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、約600℃以下の
温度域で構造材料部材として安定的に使用されるガラス
複合材料及びその焼結用原料粉末並びにそれらの製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ガラスは現在工業材料とし
て広範な分野に使用されているが、強度及び靱性が低い
ことから、その構造部材ヘの利用が阻害されている。こ
のため、機械的特性、特に靱性や強度の向上を目的とし
た複合化が検討されてきている。複合させる強化材とし
ては、セラミックスの粒子やウイスカー(例えば特開昭
63−282131号)及び長繊維(例えば特開昭56
−169152号)を使用した技術が開示されている。
【0003】上述した技術によれば、いずれにおいても
機械的特性は改善され、実際に論文で報告されている結
果を示すと、ウイスカーを使用した場合では、ボロシリ
ケートガラスマトリックスを各種のSiCウイスカーで
強化(20体積%)した複合材料で、曲げ強度12〜1
8kg/mm2 、破壊靱性3.8〜5.5MPam1/2 の値
(Ceram.Eng.Sci.Proc.,7(7-8)(1986)978.)が報告され
ている。長繊維を使用した場合では、LASガラスマト
リックスをSiC繊維で一方向強化(44体積%)した
複合材料で繊維方向では、曲げ強度約65kg/mm2 、破
壊靱性17MPam1/2 の値が報告されているが、繊維と
直角方向の強度を補うため、0゜/90゜の積層したも
のでは、曲げ強度約35kg/mm2 、破壊靱性9MPam
1/2 と大きく低下している(Amer.Ceram.Soc.Bull.,65
(1986)305)。
【0004】これからウイスカー強化では、構造部材と
しての使用を考えると強度、靱性共に不十分である。ま
た、長繊維強化では、繊維方向では優れた値を示してい
るが、強度の低い直角方向の強度を改善するため、積層
パターンを変えると特性は大きく低下する。しかも、実
用部材を考えた場合、応力状態は複雑で形状も複雑であ
るから、一方向材の使用は困難であり、上記の一方向材
の値は実用の際にはあまり参考とならない。さらに、長
繊維は高価であり、複合化プロセスも複雑であるから製
品コストは非常に高いものとなり、一般工業材料として
の使用は困難である。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
構造部材に適した高強度高靱性のガラス複合材料及びそ
の焼結用原料粉末並びにそれらの製造方法を提供するも
のである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、非酸
化物系ガラスをマトリックスとし、扁平状の延性金属を
強化相とすることにより高強度高靱性のガラス複合材料
が提供される。このような高強度高靱性のガラス複合材
料は、扁平な延性金属粉末表面に非酸化物系ガラス粉末
が付着しているガラス複合粉末を出発原料とし、この混
合粉末を成形後、200〜700℃で焼結することによ
り得られる。また、本発明によれば、扁平な延性金属粉
末表面に非酸化物系ガラス粉末が付着していることを特
徴とするガラス複合粉末が提供される。このようなガラ
ス複合粉末は、延性金属粉末と非酸化物系ガラス粉末を
混合することにより、該延性金属粉末を塑性変形させて
扁平化させることにより得られる。
【0007】本発明のガラス複合材料のマトリックスを
構成する非酸化物系ガラスとしては、特に制限はなく、
ふっ化物系ガラスやカルコゲン系ガラス等から選ばれる
一種又は二種以上の非酸化物系ガラスを用いることがで
きる。具体的には、ふっ化物系ガラスとしては、HfF4-B
aF2-LaF3-AlF3系、ZrF4-BaF2-LaF3-AlF3系、ZrF4-BaF2-
LaF3-AlF3-NaF系、BaF2-ZnF2-LuF3-ThF4系、ZrF4-ThF4
系、ZrF4-ThF4-YF3系、ZrF4-BaF2-YF3-AlF3系等が挙げ
られる。カルコゲン系ガラスとしては、Ge-As-Se系、Ge
-Sb-Se系、Ge-Se-Te系、As-Se-Tl系、As-S-Tl系等が挙
げられる。また、強化相の金属としては、Ti、V、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、
Co、Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合金、ステ
ンレス鋼及び超耐熱合金から選ばれる少なくとも一種の
延性金属が用いられる。
【0008】また、本発明においては、複合相として扁
平状の延性金属とともに、粒状金属粒子、セラミックス
粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併用
してもよい。これらを併用することにより、複合体の強
度、靱性をさらに向上させることができる。粒状金属と
しては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、W、Fe、Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn及
びそれらの合金、ステンレス鋼、パーマロイ及び超耐熱
合金から選ばれる少なくとも一種の金属が用いられる。
粒状金属と扁平状の延性金属を併用する場合、これらは
同一でも異なっていてもよい。セラミックス粒子として
は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、
W、Fe、Ni、Co、Al、Y、Si及びBの酸化
物、窒化物、炭化物、ほう化物、珪化物及び炭窒化物か
ら選ばれる少なくとも一種のセラミックス粒子が挙げら
れる。セラミックスウイスカーとしては、Si34、S
iC、TiC、グラファイト、チタン酸カリウム、ほう
酸アルミニウム、ZnO、MgO、ほう酸マグネシウ
ム、TiB2 、ムライト等のセラミックスウイスカーか
ら選ばれる少なくとも一種が挙げられる。また、無機質
短繊維としては、アルミナ、アルミナ・シリカ、シリ
カ、ジルコニア等の短繊維、アルミナ、Si34、Si
C、特公昭58−5286号公報に代表されるSi、T
i、C及びOを主成分とする無機繊維等の長繊維をチョ
ップ状に切断したものから選ばれる少なくとも一種が挙
げられる。これらは、特に、焼結温度で使用する金属粒
子と反応して脆弱な化合物を生成しないものを選択する
ことが重要である。
【0009】マトリックスと金属の組み合わせは、焼結
時に扁平な延性金属の形状が保持されるように、マトリ
ックスの焼結可能温度より延性金属の融点が高い組み合
わせを選択することが必要である。例えば、カルコゲン
系ガラスやふっ化物ガラスの大部分(ZrF4-ThF4系、ZrF
4-ThF4-YF3系以外)は焼結温度がおよそ450℃以下で
あるので前記したすべての延性金属が使用できる。ZrF4
-ThF4系、ZrF4-ThF4-YF3系は焼結温度がおよそ500℃
以上であるので、Ti,V,Cr,Zr,Nb,Mo,
Hf,Ta,W,Fe,Ni,Co,Cu,Al及びそ
れらの合金、ステンレス鋼及び超耐熱合金から選ばれる
少なくとも一種の延性金属を用いることが好ましい。
【0010】本発明においては、強化相の形態を扁平状
とすることにより強度及び靱性が向上し、特に靱性にお
いて大きな向上が達成できる。特に、扁平面の最小径を
d、厚さをtとしたときにd/t≧3であることが好ま
しい。d/tが3未満の場合には、クラックが金属粒子
とマトリックスとの界面を進行しやすくなるため金属相
の塑性変形を十分に利用できなくなるので好ましくな
い。厚さtは0.5μm以上であることが望ましい。こ
れより小さくなると塑性変形による効果が発揮されな
い。dの範囲としては特に制限はないが、d/t≧3の
関係を満足していることが好ましい。
【0011】また、複合相として粒状金属粒子、セラミ
ックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等
を併用することにより、マトリックス部の高強度化が図
れるため、複合体の強度、靱性をさらに向上させること
ができる。粒状金属の粒径は2μm以下、好ましくは、
1μm以下であることが望ましい。粒径が2μmよりも
大きくなると粒子分散効果が得られないので好ましくな
い。セラミックス粒子の粒径は2μm以下、好ましく
は、1μm以下であることが望ましい。粒径が2μmよ
りも大きくなると粒子分散効果が得られないので好まし
くない。セラミックスウイスカーの形状については、特
に制限はなく、無機質短繊維は、分散性から長さが5m
m以下のものが好ましい。
【0012】ガラス複合材料における強化相の体積率は
2〜60%、特に10〜50%であることが好ましい。
強化相の体積率が2%よりも少ない場合には、金属の塑
性変形量が相対的に少なすぎるために強度及び靱性の向
上が十分でなく、また、強化相の体積率が60%よりも
多くなると、複合体の硬度が下がり、耐熱性も低下する
ため実用的でない。また、複合相として粒状金属粒子、
セラミックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短
繊維等を併用する場合、これらの体積率は、2〜40
%、特に3〜30%であることが好ましい。体積率が2
%よりも少ない場合には、添加の効果が発現しない。ま
た、体積率が40%よりも多くなってもそれ以上機械的
物性は向上しない。
【0013】本発明のガラス複合材料は、以下の方法で
製造される。まず、扁平な延性金属粉末表面に非酸化物
系ガラス粉末が付着しているガラス複合粉末を製造す
る。このような複合粉末は、延性金属粉末と非酸化物系
ガラス粉末を混合することにより、該延性金属粉末を塑
性変形させて扁平化させることにより製造できる。非酸
化物系ガラス粉末の粒度は、特に制限はないが、50μ
m以下のものが望ましい。また、延性金属粉末の粒子径
は、扁平化を容易に促進するために1〜200μm、特
に3〜100μmの範囲が好ましい。延性金属粉末の粒
子径が1μmよりも小さいと、微粒のため扁平化させる
ことができない。また、200μmよりも大きくなる
と、粗粒のため焼結を困難にし、またガラス粉末との分
離が激しくなるため、均一混合が困難となる。延性金属
粉末と非酸化物系ガラス粉末の混合割合は、混合粉末に
おける延性金属粉末の体積率が2〜60%、特に10〜
50%であることが好ましい。
【0014】また、複合相として粒状金属粒子、セラミ
ックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質短繊維等
を併用する場合、延性金属粉末とガラス粉末の混合時に
添加する。粒状金属の粒子径は、2μm以下、好ましく
は1μm以下であることが望ましい。セラミックス粉末
の粒子径は、2μm以下、特に1μm以下が好ましい。
セラミックス粉末の粒子径が2μmよりも大きくなる
と、粒子分散効果が得られない。セラミックスウイスカ
ーの形状については、特に制限はなく市場にでているタ
イプをそのまま用いることができる。無機質短繊維や長
繊維を切断して用いる場合には、取扱易さや分散性から
長さが5mm以下のものを用いるのが好ましい。これら
の混合割合は、体積率が、2〜40%、特に3〜30%
であることが好ましい。
【0015】延性金属粉末と非酸化物系ガラス粉末の混
合方法については、特に制限はなく湿式及び乾式のいず
れも採用できる。湿式混合の場合の溶媒としてはエ夕ノ
ール、メ夕ノール等が一般に使用される。混合装置につ
いては、ボールミル、振動ミル、アトライター、遊星型
ボールミル等を用いることができる。延性金属粉末は、
混合時のボール等の混合媒体による機械的混合により球
状から扁平状へと変形が進む。したがって、混合条件の
制御により扁平化の程度を制御することができる。一般
に、混合時間、回転数等の条件により変形量は変わって
くるので、扁平化の形状がd/t≧3を満足するように
混合条件を制御することが望ましい。さらに、この混合
過程で、扁平化した延性金属粉末の表面に非酸化物系ガ
ラス粉末が付着するため、焼結過程で延性金属同士が接
触、造粒することを防止することができる。なお、延性
金属粉末と非酸化物系ガラス粉末の混合割合によって
は、金属表面に付着しないガラス粉末も共存することは
言うまでもない。また、使用する延性金属粉末の粒度に
よっては、混合後も未変形の粒子が残るが、扁平化した
粒子が適当量あれば、発明の効果は得られる。また、上
記の扁平な延性金属粉末表面に非酸化物系ガラス粉末が
付着しているガラス複合粉末は、予め延性金属粉末を圧
延加工等により扁平化させ、これと非酸化物系ガラス粉
末を混合することによっても製造することができるが、
混合と扁平化を同時に行う前述の方法が工程の簡略化と
均一混合の面で有利である。
【0016】次に、得られた混合粉末を所望の形状に成
形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下また
は真空中で200〜700℃で焼結する。焼結方法とし
ては、公知の焼結方法を用いることができる。例えば、
CIP成形や射出成形した成形体を常圧焼結や真空焼結
さらにHIPで高密度化するプロセスでは、扁平化した
粒子は3次元にランダムに配向するが、ホットプレス等
の一軸加圧方法により成形を行うと、扁平化した粒子は
プレス方向と垂直方向に2次元に配向するので、焼結体
の特牲(特に靱性)に異方性を持たせることもできる。
また、押し出し法やロール成形などにより、長尺の形状
に成形することもできる。さらに、鋳造法、好ましくは
加圧鋳造法により直接複雑形状の成形をすることもでき
る。また、焼結は、200〜700℃の温度範囲で行う
ことができるが、扁平な延性金属の形状が保持されるよ
うに延性金属の融点より低い温度で行えるように、前記
したガラス粉末と延性金属を選択することが必要であ
る。
【0017】
【作用】本発明によれば、強化相が扁平状の金属粒子で
あるので、球状粒子を用いた場合に発生するクラックが
粒子とマトリックスの界面を進行する現象を抑制するこ
とができ、したがって金属粒子の塑性変形による靱性向
上を十分に利用することができる。また、クラックが粒
子とマトリックスの界面を進行する場合でも異形である
ため、クラックは偏向し、高靱性化に寄与でき、さらに
強度も向上させることができるため、構造部材に適用で
きるガラス複合材料が提供できる。また、複合相として
粒状金属粒子、セラミックス粒子、セラミックスウイス
カー、無機質短繊維等を併用することにより、ガラスマ
トリックス部の高強度化が図れるため、複合体の強度、
靱性をさらに向上させることができる。また、前述した
ように強化相を2次元に配向させれば、配向方向と垂直
方向の靱性をさらに向上させることができる。さらに、
強化相の形態は、原料粉末である延性金属粉末と非酸化
物系ガラス粉末の混合中の変形を利用して扁平化が達成
できるため、強化相の形状の制御が容易であり、追加の
製造プロセスを必要とせず、複合化によるコスト増を抑
えることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 ふっ化物系ガラス(ZrF4-BaF2-LaF3-AlF3系)粉末(粒径
20μm以下)と粒径45〜10μmのNi合金(Ni
17Cr6Al10.6Y,MA−90;昭和電工社
製)を体積率が80:20となるように秤量した。これ
らの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪素ボールを用
いてボールミル混合を行った。図1及び図2にボールミ
ル後の混合粉末の外観の走査型電子顕微鏡像と断面組織
の光学顕微鏡像を示す。これらより、添加した粒径45
〜10μmのNi合金粉末がボールミル混合により扁平
化し、さらにガラス粉末が表面に付着していることがわ
かる。
【0019】この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホ
ットプレスにより、500℃、100kg/cm2 の圧力で
アルゴン中、1時間保持して焼結を行った。図3に得ら
れた複合材料のプレス方向と平行方向の断面組織の光学
顕微鏡像を示す。粒径45〜10μmのNi合金粉末は
2次元に配向し、d/t≧3を満たして扁平化している
ことがわかる。この複合材料から3×4×40の試験片
を加工し、3点曲げ試験により曲げ強度を、SEVNB
法により破壊靱性を測定したところ、曲げ強度25kg/
mm2 、破壊靱性6MPam1/2 という高い値が得られた。
【0020】比較例1 ふっ化物系ガラス(ZrF4-BaF2-LaF3-AlF3系)粉末(粒径
20μm以下)のみを実施例1と同様の方法で焼結し
た。得られたガラス単相の焼結体は、曲げ強度8kg/mm
2 、破壊靱性0.8MPam1/2 であり、本発明の効果が
顕著であることがわかる。
【0021】実施例2 実施例1と同じ組成の混合粉末で、混合条件を変え、d
/tを変化させたものを用い、実施例1と同じ条件で焼
結を行った。得られた複合材料の破壊靱性を測定した結
果を図4に示す。これより破壊靱性はd/t≧3で大き
な値を示しており、d/tが1.5以下では破壊靱性
2.5MPam1/2 と靱性の向上効果は小さいことがわか
る。
【0022】実施例3 ふっ化物系ガラス(BaF2-ZnF2-LuF3-ThF4系)粉末(粒
径20μm以下)と粒径45〜5μmのTa粉末(M−
40;昭和電工製)を体積率が70:30となるように
秤量し、これらの混合粉末をエタノール溶媒中、窒化珪
素ボールを用いてボールミル混合を行った。この混合粉
末を用いて実施例1と同様にして焼結を行った。得られ
た複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の方
法で測定したところ、曲げ強度35kg/mm2 、破壊靱性
8MPam1/2 という高い値が得られた。
【0023】実施例4 Ge-As-Se系ガラス粉末(粒径20μm以下)と粒径45
μm以下のNb粉末(石津製薬製)を体積率が70:3
0となるように秤量し、これらの混合粉末をエタノール
溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボールミル混合を行っ
た。この混合粉末を用いて実施例1と同様にして焼結を
行った。得られた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施
例1と同様の方法で測定したところ、曲げ強度37kg/
mm2 、破壊靱性7.8MPam1/2 という高い値が得ら
れた。
【0024】実施例5 As-S-Tl系ガラス粉末(粒径45μm以下)と粒径53
〜10μmのMo粉末(MA−60;昭和電工社製)を
体積率が70:30となるように秤量し、これらの混合
粉末をエタノール溶媒中、窒化珪素ボールを用いてボー
ルミル混合を行った。この混合粉末を黒鉛のモールドに
いれホットプレスにより、200℃、100kg/cm2
圧力でアルゴン中、1時間保持して焼結を行った。得ら
れた複合材料の曲げ強度と破壊靱性を実施例1と同様の
方法で測定したところ曲げ強度27kg/mm2 、破壊靱性
7.3MPam1/2 という高い値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真
である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で得られた複合材
料の組織を表す図面に代える光学顕微鏡写真である。
【図4】 図4は、本発明の実施例2で得られた複合材
料の破壊靱性を測定した結果を表す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神徳 泰彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非酸化物系ガラスをマトリックスとし、
    扁平状の延性金属を強化相とすることを特徴とするガラ
    ス複合材料。
  2. 【請求項2】 扁平な延性金属粉末表面に非酸化物系ガ
    ラス粉末が付着しているガラス複合粉末を出発原料と
    し、この混合粉末を成形後、200〜700℃で焼結す
    ることを特徴とする請求項1記載のガラス複合材料の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 扁平な延性金属粉末表面に非酸化物系ガ
    ラス粉末が付着していることを特徴とするガラス複合粉
    末。
  4. 【請求項4】 延性金属粉末と非酸化物系ガラス粉末を
    混合することにより、該延性金属粉末を塑性変形させて
    扁平化させることを特徴とする請求項3記載のガラス複
    合粉末の製造方法。
JP9000496A 1996-03-21 1996-03-21 ガラス複合材料及びガラス複合粉末並びにそれらの製造方法 Pending JPH09255361A (ja)

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