JPH0974298A - 電磁波シールド材 - Google Patents

電磁波シールド材

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JPH0974298A
JPH0974298A JP8089999A JP8999996A JPH0974298A JP H0974298 A JPH0974298 A JP H0974298A JP 8089999 A JP8089999 A JP 8089999A JP 8999996 A JP8999996 A JP 8999996A JP H0974298 A JPH0974298 A JP H0974298A
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powder
glass
composite
metal
composite material
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JP8089999A
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Inventor
Yoshiharu Waku
芳春 和久
Michiyuki Suzuki
道之 鈴木
Yoshihiko Oda
良彦 織田
Yasuhiko Kamitoku
泰彦 神徳
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド効果に優れ、しかも機械的特
性に優れた電磁波シールド材を提供する。 【解決手段】 ガラス又はセラミックスをマトリックス
とし、金属粒子を複合相とする複合材料からなる電磁波
シールド材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シールド効
果及び機械的特性に優れた電磁波シールド材に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】近年、各種の電子機器を外
部からの電磁波障害から保護するため、あるいは電磁波
発生源として周辺機器への障害を防止するために、電磁
波シールド材料の必要性が高まっている。従来、このよ
うな電磁波シールド材料としては、樹脂中に金属粉末や
Cuなどの金属繊維、カーボンあるいはガラス繊維に金
属メッキしたフィラーを分散させたものや樹脂の表面に
金属粉末などを含んだ導電性の塗料を塗布したものが使
用されている。しかし、これらのシールド材料のシール
ド効果は十分ではなく、また曲げ強度等の機械的特性も
劣っている。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
電磁波シールド効果に優れ、しかも機械的特性に優れた
電磁波シールド材を提供するものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、ガラ
ス又はセラミックスをマトリックスとし、金属粒子を複
合相とする複合材料からなる電磁波シールド材が提供さ
れる。本発明においては、複合相の金属粒子として粒状
金属を用いることにより、粒子分散効果によりマトリッ
クス部の高強度化が図れるため、複合体の強度を向上さ
せることができる。また、複合相の金属粒子を扁平状の
延性金属粒子とすることにより電磁波シールド材の機械
的特性、特に強度及び靱性を改善することができる。さ
らに、複合相の金属粒子として、粒状金属と扁平状の延
性金属粒子を併用してもよい。
【0005】本発明における複合材料のマトリックスを
構成するガラスとしては、特に制限はなく、例えば、結
晶化ガラス、汎用ガラス等の酸化物系ガラスや非酸化物
系ガラスから選ばれる一種又は二種以上のガラスを用い
ることができる。具体的には、結晶化ガラスとしては、
LAS I(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO系)、LASII、III
(Li2O-Al2O3-SiO2-MgO-Nb2O5系)、MAS(MgO-Al2O3
-SiO2系)、BMAS(BaO-MgO-Al2O3-SiO2系)、Terna
ry mullite(BaO-Al2O3-SiO2系)、Hexacelsian(BaO-A
l2O3-SiO2系)や、Li2O-Al2O3-SiO2系、Na2O-Al2O3-SiO
2系、Na2O-CaO-MgO-SiO2系、PbO-ZnO-B2O3系、ZnO-B2O3
-SiO2系、ZrO2-SiO2系、CaO-Y2O3-Al2O3-SiO2系、CaO-A
l2O3-SiO2系、MgO-CaO-Al2O3-SiO2系、SiO2-B2O3-Al2O3
-MgO-K2O-F系等が挙げられる。汎用ガラスとしては、ケ
イ酸ガラス(SiO2系)、ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-S
iO2系)、カリ石灰ガラス(K2O-CaO-SiO2系)、ホウケ
イ酸ガラス(Na2O-B2O3-SiO2系)、アルミノケイ酸ガラ
ス(Al2O3-MgO-CaO-SiO2系)、鉛ガラス(K2O-PbO-SiO2
系)、バリウムガラス(BaO-SiO2-B2O3系)等が挙げら
れる。また、低融点ガラスとして、鉛ケイ酸塩ガラス
(PbO-SiO2系、PbO-B2O3-SiO2系等)、ほう酸塩ガラス
(B2O3系、Li2O-B2O3系、Na2O-B2O3系等)、りん酸塩ガ
ラス(Na2O-P2O5系、B2O3-P2O5系等)やAl2O3-Li2O-Na2
O-K2O-P2O5系等が挙げられる。さらに、近年、開発が進
められているY2O3-Al2O3-SiO2系ガラス、オキシナイト
ライドガラス(La-Si-O-N系、Ca-Al-Si-O-N系、Y-Al-Si
-O-N系、Na-Si-O-N系、Na-La-Si-O-N系、Mg-Al-Si-O-N
系、Si-O-N系、Li-K-Al-Si-O-N系)や熱膨張率の小さい
TiO2-SiO2系、Cu2O-Al2O3-SiO2系等が挙げられる。ま
た、非酸化物系ガラスとしては、ふっ化物系ガラスやカ
ルコゲン系ガラスを用いることができる。
【0006】また、複合材料のマトリックスを構成する
セラミックスとしては、Al23,ZrO2,MgO,
ムライト、MgO/Al23,Al23/Y23等が挙
げられる。また、複合相の金属としては、Ti、V、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、
Co、Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合金、ステ
ンレス鋼、パーマロイ及び超耐熱合金から選ばれる少な
くとも一種の金属が用いられる。特に、金属としてF
e、Ni、Co及びそれらの合金の少なくとも一種を選
択した場合には、磁場におけるシールド効果が特に優れ
た材料が得られる。複合相の金属として、粒状金属と扁
平状の延性金属を併用する場合、これらは同一でも異な
っていてもよい。
【0007】また、本発明においては、複合相として金
属粒子とともに、セラミックス粒子、セラミックスウイ
スカー、無機質短繊維等を併用してもよい。これらを併
用することにより、複合体の強度、靱性をさらに向上さ
せることができる。セラミックス粒子としては、Ti、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、
Ni、Co、Al、Y、Si及びBの酸化物、窒化物、
炭化物、ほう化物、珪化物及び炭窒化物から選ばれる少
なくとも一種のセラミックス粒子が挙げられる。セラミ
ックスウイスカーとしては、Si34、SiC、Ti
C、グラファイト、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニ
ウム、ZnO、MgO、ほう酸マグネシウム、Ti
2 、ムライト等のセラミックスウイスカーから選ばれ
る少なくとも一種が挙げられる。また、無機質短繊維と
しては、アルミナ、アルミナ・シリカ、シリカ、ジルコ
ニア等の短繊維、アルミナ、Si34、SiC、特公昭
58−5286号公報に代表されるSi、Ti、C及び
Oを主成分とする無機繊維等の長繊維をチョップ状に切
断したものから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
これらは、特に、焼結温度で使用する金属粒子と反応し
て脆弱な化合物を生成しないものを選択することが重要
である。
【0008】マトリックスと金属の組み合わせは、マト
リックスの焼結可能温度より金属の融点が高い組み合わ
せを選択することが必要である。例えば、マトリックス
がガラスの場合、例えば、ケイ酸ガラス系やTiO2-SiO2
系の場合には、焼結温度が1600℃以上になるため、
それより高い融点を持つ金属であるV、Cr、Zr、N
b、Mo、Hf、Ta、W及びそれらの合金を用いるこ
とが好ましい。また、オキシナイトライドガラスの焼結
温度、及びPbO-ZnO-B2O3系を除く結晶化ガラスの焼結温
度と結晶化温度は、およそ700〜1300℃であるた
め、さらにTi、Fe、Ni、Co及びそれらの合金、
ステンレス鋼、パーマロイ、超耐熱合金も使用すること
ができる。さらに、汎用ガラスでは焼結温度がおよそ6
00〜1000℃であるため、上記の他にCuも使用す
ることができ、PbO-ZnO-B2O3系結晶化ガラスと低融点ガ
ラスでは焼結温度がおよそ200〜600℃であるた
め、さらにAl、Mg、Zn及びそれらの合金を使用す
ることができる。
【0009】セラミックスをマトリックスとする場合
は、例えば、Al23の場合には、一般的な粉末では焼
結温度が1600℃であるため、それより高い融点を持
つ金属であるV、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、Wを用いることが好ましい。また、低温度焼結タイ
プ(例えば、タイミクロンTM−DAR;大明化学工業
株式会社製)では、焼結温度が1200℃となるため、
さらにTi、Fe、Ni、Co、ステンレス鋼、超耐熱
合金も使用することができる。さらに、Al23にガラ
ス相を加えていくと焼結温度を約900℃まで下げるこ
とができるので、上記の他にCuも使用することができ
る。また、ZrO2(焼結温度>1800℃)とMgO
(焼結温度>1400℃)の場合には、Ti、V、C
r、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、
Co、ステンレス鋼、超耐熱合金を用いることができ
る。ムライト(焼結温度>1500℃)の場合には、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Feを
用いることができる。
【0010】本発明においては、ガラス又はセラミック
スマトリックスに複合相として金属粒子を添加すること
により体積抵抗率が下がると共に、電磁波シールド効果
が向上する。さらに複合相の金属の形態を扁平状とする
ことにより金属の塑性変形がより作用するため、複合材
料の強度及び靱性を向上することができる。特に、扁平
面の最小径をd、厚さをtとしたときにd/t≧3であ
ることが望ましい。d/tが3未満の場合には、クラッ
クが金属粒子とマトリックスとの界面を進行しやすくな
るため金属相の塑性変形を十分に利用できなくなるので
好ましくない。d及びtの範囲としては特に制限はない
が、d/t≧3の関係を満足していることが好ましい。
また、複合相として粒状金属と扁平状の延性金属を併用
することにより、粒状金属の粒子分散効果によりガラス
マトリックス部の高強度化が図れるため、複合体の強度
をさらに向上させることができる。
【0011】さらに、複合相としてセラミックス粒子、
セラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併用するこ
とにより、マトリックス部の高強度化が図れるため、複
合体の強度、靱性をさらに向上させることができる。セ
ラミックス粒子の粒径は2μm以下、好ましくは、1μ
m以下であることが望ましい。粒径が2μmよりも大き
くなると粒子分散効果が得られないので好ましくない。
セラミックスウイスカーの形状については、特に制限は
なく、無機質短繊維は、分散性から長さが5mm以下の
ものが好ましい。
【0012】本発明のガラス複合材料における複合相の
体積率は2〜60%、特に10〜50%であることが好
ましい。複合相の体積率が2%よりも少ない場合には、
十分な導電性が得られないためシールド効果が十分でな
い。また、複合相の体積率が60%よりも多くなると、
複合体の密度が上がり実用的でない。また、複合相とし
てセラミックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質
短繊維等を併用する場合、これらの体積率は、2〜40
%、特に3〜30%であることが好ましい。体積率が2
%よりも少ない場合には、添加の効果が発現しない。ま
た、体積率が40%よりも多くなってもそれ以上機械的
物性は向上しない。
【0013】本発明の電磁波シールド材は、以下の方法
で製造される。まず、金属粉末表面にガラス粉末又はセ
ラミックス粉末が付着している複合粉末を製造する。こ
のような複合粉末は、金属粉末とガラス粉末又はセラミ
ックス粉末を混合することにより製造できる。扁平状の
金属粒子とするときには、、延性金属粉末を混合中に塑
性変形させて扁平化させることにより製造できる。ガラ
ス粉末の粒度は、特に制限はないが、50μm以下のも
のが望ましい。セラミックス粉末の粒度は特に制限はな
いが、焼結性のよい平均粒径1μm以下のものが望まし
い。また、金属粉末の粒子径は、球状の場合は、機械的
性質を維持する点から150μm以下、特に100μm
以下のものが望ましい。扁平状とする場合には、扁平化
を容易に促進するために1〜200μm、特に3〜10
0μmの範囲が好ましい。延性金属粉末の粒子径が1μ
mよりも小さいと、微粒のため扁平化させることができ
ない。また、200μmよりも大きくなると、粗粒のた
め焼結を困難にし、またガラス粉末又はセラミックス粉
末との分離が激しくなるため、均一混合が困難となる。
金属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉末の混合割合
は、混合粉末における金属粉末の体積率が2〜60%、
特に10〜50%であることが好ましい。
【0014】また、複合相としてセラミックス粒子、セ
ラミックスウイスカー、無機質短繊維等を併用する場
合、金属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉末の混合
時に添加する。セラミックス粉末の粒子径は、2μm以
下、特に1μm以下が好ましい。セラミックス粉末の粒
子径が2μmよりも大きくなると、粒子分散効果が得ら
れない。セラミックスウイスカーの形状については、特
に制限はなく市場にでているタイプをそのまま用いるこ
とができる。無機質短繊維や長繊維を切断して用いる場
合には、取扱易さや分散性から長さが5mm以下のもの
を用いるのが好ましい。これらの混合割合は、体積率
が、2〜40%、特に3〜30%であることが好まし
い。
【0015】金属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉
末の混合方法については、特に制限はなく湿式及び乾式
のいずれも採用できる。湿式混合の場合の溶媒としては
エ夕ノール、メ夕ノール等が一般に使用される。混合装
置については、ボールミル、振動ミル、アトライター、
遊星型ボールミル等を用いることができる。延性金属粉
末は、混合時のボール等の混合媒体による機械的混合に
より球状から扁平状へと変形が進む。したがって、混合
条件の制御により扁平化の程度を制御することができ、
球状あるいは扁平状の選択をすることができる。一般
に、混合時間、回転数等の条件により変形量は変わって
くるので、扁平粒子とする時はこれらの条件を制御し、
扁平化の形状がd/t≧3を満足するように扁平化させ
ることが望ましい。さらに、この混合過程で、金属粉末
の表面にガラス粉末又はセラミックス粉末が付着するた
め、焼結過程で金属同士が接触、造粒することを防止す
ることができる。なお、金属粉末とガラス粉末又はセラ
ミックス粉末の混合割合によっては、金属表面に付着し
ないガラス粉末又はセラミックス粉末も共存することは
言うまでもない。また、使用する金属粉末の粒度によっ
ては、混合後も未変形の粒子が残るが、扁平化した粒子
が適当量あれば、機械的特性の改善効果は得られる。ま
た、上記の扁平な延性金属粉末表面にガラス粉末又はセ
ラミックス粉末が付着している複合粉末は、予め延性金
属粉末を圧延加工等により扁平化させ、これとガラス粉
末又はセラミックス粉末を混合することによっても製造
することができるが、混合と扁平化を同時に行う前述の
方法が工程の簡略化と均−混合の面で有利である。
【0016】次に、得られた混合粉末を所望の形状に成
形した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下また
は真空中で200〜1800℃で焼結する。焼結方法と
しては、公知の焼結方法を用いることができる。例え
ば、CIP成形や射出成形した成形体を常圧焼結や真空
焼結さらにHIPで高密度化するプロセスでは、球状粒
子の場合や扁平化した粒子でも3次元にランダムに配向
するため等方的な組織となるが、扁平粒子を用いてホッ
トプレス等の一軸加圧方法により成形を行うと、扁平化
した粒子はプレス方向と垂直方向に2次元に配向するの
で、特に厚さ方向のシールド効果が向上する。また、マ
トリックスがガラスの場合、押し出し法やロール成形な
どにより、長尺の形状に成形することもできる。さら
に、鍛造法や鋳造法、好ましくは加圧鋳造法により直接
複雑形状の成形をすることもできる。また、焼結は、2
00〜1800℃の温度範囲で行うことができるが、扁
平粒子を用いる場合には、扁平な延性金属の形状が保持
されるように延性金属の融点より低い温度で行えるよう
に、前記したガラス粉末又はセラミックス粉末と延性金
属を選択することが必要である。
【0017】
【作用】本発明によれば、ガラス又はセラミックスマト
リックスに複合相として金属粒子を添加することにより
体積抵抗率が下がると共に、電磁波シールド効果が向上
する。さらに複合相の金属の形態を扁平状とすることに
より扁平粒子の塑性変形も十分利用することができるた
め高靱性化に寄与でき、さらに強度も向上させることが
できるため、シールド効果に優れしかも機械的特性の優
れた電磁波シールド材が提供できる。また、複合相とし
てセラミックス粒子、セラミックスウイスカー、無機質
短繊維等を併用することにより、ガラスマトリックス部
の高強度化が図れるため、複合体の強度、靱性をさらに
向上させることができる。さらにガラス又はセラミック
スと熱膨張係数の大きく異なる粒子を選択すれば、焼結
過程で発生する熱応力による残留応力により、さらに高
強度化が可能となり、高強度、高靱性の構造部材に適用
できるガラス複合材料が提供できる。また、前述したよ
うに扁平状の複合相を2次元に配向させれば、配向方向
と垂直方向のシールド効果をさらに向上させることがで
きる。さらに、複合相の形態は、原料粉末である延性金
属粉末とガラス粉末又はセラミックス粉末の混合中の変
形を利用して扁平化が達成できるため、複合相の形状の
制御が容易であり、追加の製造プロセスを必要とせず、
複合化によるコスト増を抑えることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-SiO2系)粉末(粒径45
μm以下)とFe粉末(300メッシュアンダー;高純
度化学研究所製)を体積率が80:20となるように秤
量した。これらの混合粉末をエ夕ノール溶媒中、窒化珪
素ボールを用いてボールミル混合を行った。図1及び図
2にボールミル後の混合粉末の外観の走査型電子顕微鏡
像と断面組織の光学顕微鏡像を示す。これらより、Fe
粉末がボールミル混合により扁平化し、さらにガラス粉
末が表面に付着していることがわかる。
【0019】この混合粉末を黒鉛のモールドにいれ、ホ
ットプレスにより、740℃、100kg/cm2 の圧力で
アルゴン中、1時間保持して焼結を行った。図3に得ら
れた複合材料のプレス方向と平行方向の断面組織の光学
顕微鏡像を示す。複合相は2次元に配向し、d/t≧3
を満たして扁平化していることがわかる。この複合材料
から165×165×5mmの試験片を加工し、社団法
人関西電子工業振興センターの生駒電波測定所において
「KEC法」により電場及び磁場におけるシールド効果
を測定した。その結果を図4及び図5に示す。いずれも
優れたシールド効果を示しており、磁場においては1M
Hz以上では測定限界を越えるシールド効果が得られ、
さらに電場においては測定周波数すべてにおいて測定限
界を越えるシールド効果が得られ、本発明の効果が示さ
れた。また、得られた複合材料について3点曲げ試験に
より曲げ強度を、SEVNB法により破壊靱性を測定し
たところ、曲げ強度25kg/mm2 、破壊靱性6MPam
1/2 という高い値が得られた。
【0020】実施例2 マトリックスにMAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径
20μm以下)を用い、添加金属に表1に記載の粉末を
用いて、体積率が80:20となるようにして、実施例
1と同様にして複合材料を製造した。なお、ホットプレ
スの温度は1000℃とした。得られた複合材料につい
て実施例1と同様にしてシールド効果を測定した。その
結果を図6及び図7に示す。なお、比較のために現在使
用されているシールド材について、導電性プラスチック
2種及び無電解めっき法と導電塗料の計4種の測定結果
(工業材料、1994年3月号(Vol.42,No.
3)p39より引用)も併せて示した。これから、電場
においてはいずれの金属においても測定周波数すべてに
おいて測定限界を越えるシールド効果が得られた。ま
た、磁場においても優れたシールド効果を示し、特にF
e及びCoでは1MHz以上では測定限界を越えるシー
ルド効果が得られた。特に比較デ−タと比べてもはるか
に優れたシールド効果を示しており、本発明の効果が明
らかである。また、得られた複合材料について実施例1
と同様にして曲げ強度と破壊靱性を測定した結果を表1
に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例3 マトリックスにMAS(MgO-Al2O3-SiO2系)粉末(粒径
20μm以下)を用い、添加金属に平均粒径0.7μm
のMo粉末(Mo−H−D;日本新金属製)を体積率が
80:20となるようにして、実施例2と同様にして複
合材料を製造した。得られた複合材料は、添加した微粉
の球状のMo粒子が均一に分散した組織を示した。この
複合材料について実施例1と同様にしてシールド効果を
測定したところ、実施例2のMo添加材の場合とほぼ同
等のシールド特性を示した。また、得られた複合材料に
ついて実施例1と同様にして曲げ強度と破壊靱性を測定
したところ、曲げ強度40kg/mm2 、破壊靱性2MPam
1/2 という値が得られた。実施例2の扁平状のMo添加
材に比べ強度はやや高い値であるが、靱性値は低く扁平
化することで、信頼性のより高いシールド材が得られる
ことが示された。
【0023】実施例4 マトリックスに純度99.99%のアルミナ粉末(AK
P−30;住友化学製)と粒径53〜10μmのMo粉
末(MA−60;昭和電工製)を体積率が80:20に
なるようにして、実施例2と同様にして複合材料を製造
した。なお、ホットプレス温度は1600℃、圧力は3
00kg/cm2 とした。この複合材料について実施例1と
同様にしてシールド特性を測定したところ、実施例2の
Mo添加材とほぼ同等の優れたシールド特性を示した。
また、得られた複合材料について実施例1と同様にして
曲げ強度と破壊靱性を測定したところ、曲げ強度50kg
/mm2 、破壊靱性11MPam1/2 という高い値が得ら
れた。
【0024】実施例5 ZrO2 粉末(3Y;東ソー製)とNi粉末(300メ
ッシュアンダー;高純度化学研究所製)を体積率が8
0:20になるようにして、実施例2と同様にして複合
材料を製造した。なお、ホットプレス温度は1400
℃、圧力は300kg/cm2 とした。この複合材料につい
て実施例1と同様にしてシールド特性を測定したとこ
ろ、実施例2のNi添加材とほぼ同等の優れたシールド
特性を示した。また、得られた複合材料について実施例
1と同様にして曲げ強度と破壊靱性を測定したところ、
曲げ強度80kg/mm2 、破壊靱性12.5MPam1/2
という高い値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1のボールミル後の
混合粉末の粒子構造を表す図面に代える光学顕微鏡写真
である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で得られた複合材
料のガラス材料の組織を表す図面に代える光学顕微鏡写
真である。
【図4】 図4は、本発明の実施例1で得られた複合材
料の電場におけるシールド効果を測定した結果を表す図
面である。
【図5】 図5は、本発明の実施例1で得られた複合材
料の磁場におけるシールド効果を測定した結果を表す図
面である。
【図6】 図6は、本発明の実施例2で得られた複合材
料の電場におけるシールド効果を測定した結果を表す図
面である。
【図7】 図7は、本発明の実施例2で得られた複合材
料の磁場におけるシールド効果を測定した結果を表す図
面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神徳 泰彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス又はセラミックスをマトリックス
    とし、金属粒子を複合相とする複合材料からなることを
    特徴とする電磁波シールド材。
  2. 【請求項2】 複合相の金属粒子が扁平状の延性金属粒
    子であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シール
    ド材。
  3. 【請求項3】 複合相の体積率が、2〜60%である請
    求項1又は2記載の電磁波シールド材。
  4. 【請求項4】 複合相の金属が、Ti、V、Cr、Z
    r、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Fe、Ni、Co、
    Cu、Al、Mg、Zn及びそれらの合金、ステンレス
    鋼、パーマロイ及び超耐熱合金から選ばれる少なくとも
    一種である請求項1又は2記載の電磁波シールド材。
JP8089999A 1995-07-03 1996-03-21 電磁波シールド材 Pending JPH0974298A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8089999A JPH0974298A (ja) 1995-07-03 1996-03-21 電磁波シールド材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
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