JP2521115B2 - ガラスセラミック母材複合体 - Google Patents

ガラスセラミック母材複合体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は強化アルミノ珪酸カルシウムガラスセラミッ
クスに関する。
(従来の技術と問題点) 米国特許第4,615,987号はガラスセラミック製品の製
造を開示しており優勢な結晶相は灰長石、三斜晶(CaO,
SrO)・Al2O3・2SiO2、およびこれと凝二成分組成物を
構成しているムライト(3Al2O3・2SiO2)、コーディラ
イト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、バリルム大隅石(BaO・
2MgO・3Al2O3・9SiO2)、曹長石固溶体(Na2O・Al2O3
6SiO2)、ゲーレナイト(2CaO・Al2O3・SiO2)、Al2O3,
SiO2,およびCaO・SiO2の群から選ばれ、SiC繊維、SiCウ
イスカ、またはSiCウイスカとSiC、炭素、B4C、BN、ム
ライト、スピネル、ZrO2、ジルコン、ガラスおよびAl2O
3の群から選ばれる繊維との混合物を加えて強化したも
のである。一般に、強化複合製品は1300℃までの使用温
度を示し、約10〜60容量%のSiCウイスカおよび/また
は15〜70容量%の繊維を用いる。ウイスカを含有すると
ベースのガラスセラミックスに対し機械的強度を実質的
に改善し破壊靭性を大幅に増加する。繊維を加えると元
のガラスセラミックスに対し機械的強度と微小亀裂降伏
応力を与えた。混成複合製品、すなわち繊維とウイスカ
を両方共に含有するガラスセラミックスは、製品によっ
て示される全体の機械的性質をかなり改善した。特に重
要なことは、繊維とウイスカの組合せによる微小亀裂降
伏応力の意外な程の増加であった。繊維とウイスカの組
合せによって生ずるガラスセラミックスの他の機械的性
質に対する全体の効果は、2つの作用の合計ほどは大き
くなかったが、2つの平均値よりはかなり大きかった。
前記特許にクレームされたガラスセラミックスはアル
カリ土類アルミノシリケート系に包含され、酸化物を基
礎とした重量%で以下に示す: CaO 0〜25 MgO 0〜15 SrO 0〜30 Na2O 0〜4 CaO+SrO 10〜30 K2O 0〜6 Al2O3 25〜38 TiO2 0〜12 SiO2 35〜60 ZrO2 0〜15 BaO 0〜25 As2O3 0〜3 BaO+MgO+NaO+KO+TiO+ZrO+AsO 0〜30 を主成分とした。
一般に、核形成剤、例えばTiO2は組成物中に含まれな
いが、代りに、前駆物質のガラスは通常10ミクロン以下
の平均径の極小粉砕粒子に細分され表面に核を形成し
た。
さらに、研究室の実験では、表面核形成は幾つかの処
理に関連した欠点があることが判った。これを以下に述
べる。
ウイスカ含有複合材料は液相線温度以下の温度で完全
に近い密度を示す実質的なバルクの一体品に焼結できな
い。複合材料は液相線温度以上の温度で緻密に焼結でき
るが、このような温度では、希望する焼結集合体は、適
当な核成形に必要な表面の多くがもはや存在しないの
で、発生できない。従って、このようなウイスカ含有複
合材料は一般に液相線温度以下の熱圧または等圧熱圧に
よって製品に成形しなければならない。成形品を得るこ
れらの方法は単純な焼結と比較して高価であるだけでな
く、製造できる型や形状の複雑なものに制限される。例
えば、押出ハニカム構造は、これらの方法のいずれによ
っても成形できない。
さらに、最近表面成核組成物を用いて調製された繊維
含有複合材料は、結晶性に関して信頼性が少ない。従っ
て、処理スケジュールのパラメーターが非常に限られ、
結晶化前に加圧し圧密にする場合、母材は望ましい高温
性のガラス質となり、最終製品に有害な影響を与える。
また、複合製品を強固にする温度は、注意深く調整し
て、良く固まり良く結晶化した複合材料を与えるように
しなければならない。
内部成核が行われるような核形成剤を含有するガラス
セラミック組成物は、これらの欠点を示さない。従っ
て、ウイスカ強化複合材料の焼結は、液相線以上の温度
で行われ、ほぼ完全な密度の製品を形成し、その後で、
そのまま結晶化するように製品を熱処理する。さらに、
繊維を含有する複合材料の製造は、実質的に無反応処理
となり、ガラスセラミック母材は、内部核形成剤を組成
物に混合する場合、一層完全に均一に結晶化する。この
無反応処理は、かなり温度勾配がある大きい厚い部品を
製造する際に特に重要である。しかし、アルミノシリケ
ートガラスをガラスセラミックスに変換する従来の核形
成剤、TiO2は、SiC繊維とウイスカの機械的強度に悪影
響を与える珪化チタンを形成するので、SiC繊維または
ウイスカと共に使用することができない。さらに、一層
高い使用温度を示す複合材料が要求されるため、TiO2
溶融作用を避ける必要がある。
従って、本発明の主な目的は次の通りである。
(1) SiCウイスカおよび/または繊維のための母材
として役立つように、アルカリ土類アルミノシリケート
系の組成物から調製されたガラスセラミックス体と共に
使用するために適した核形成剤を見つけること、および (2) 米国特許第4,615,987号にクレームされたもの
よりも高い耐火性を示すアルカリ土類アルミノシリケー
ト系のガラスセラミック体を開発することである。
その結果、本発明は改良発明であり、SiCウイスカま
たはSiC繊維を含有するアルカリ土類アルミノシリケー
トガラスセラミック製品の製法、およびウイスカと繊維
を含有する混成複合材料であるが、これらを以下にまと
めて説明する。
(問題点を解決するための手段) 本発明は狭い範囲のCaO・Al2O3・SiO2系の組成物であ
り、Al2O3は少なくとも5モルパーセントの分量で存在
し、三斜晶灰長石中に存在する分量よりも50モルパーセ
ントまで多く存在でき、この組成物はCr2O3,HfO2,MoO3,
Nb2O5,Ta2O5,WO3,およびZrO2から成る群から選ばれた核
形成剤を用いて内部に核を形成でき、優勢な結晶相とし
て三斜晶灰長石およびムライトおよび/またはα−Al2O
3を含有する高度な結晶性のガラスセラミック体を生成
する。Al2O3含量が灰長石中の含量よりも少なくとも10
モルパーセント多い組成物では、耐火性が大きく、全体
の機械的性質も改善される。本発明のガラスセラミック
スは1300℃以上の使用温度を示し、好適な組成物は1350
℃までの温度に耐えられ、SiCウイスカとSiC繊維を混入
させ、SiCウイスカと繊維を含有する混成複合材料を製
造するための母材として特に適している。本発明のガラ
スセラミックスに必要な組成物は、酸化物を基礎とした
重量パーセントで16〜20%のCaO,38.5〜46%のAl2O3,35
〜42%のSiO2,および全量で10%までの0.1〜3%のCr2O
3,0.25〜3%のHfO2、2〜5%のMoO3、0.25〜3%のNb
2O5、0.25〜3%のTa2O5,0.25〜3%のWO3,および1〜1
0%のZrO2から成る群から選ばれる指示した割合の少な
くとも1種の核形成剤を主成分とする。必須成分ではな
いが、As2O3が存在すると、本発明のセラミック体によ
って示される機械的性質に有利な影響を与える。従っ
て、好ましい組成物は0.25〜1.5%のAs2O3を含有する。
上記範囲は、実質的な割合のムライトおよび/または
α−Al2O3結晶化の主結晶相として灰長石を含有するガ
ラスセラミック体を製造するために特に配合された組成
物を含む。上述のように、灰長石理論量にAl2O3を加え
ると、灰長石だけの結晶相よりも高い耐火性のセラミッ
ク体を与える。しかし、灰長石中に存在するものよりも
50モルパーセント多いAl2O3濃度では、ガラスセラミッ
クスの耐火性があまり改善されず、ガラス処理の問題が
残る。例えば、バッチ材料を均質な溶融物にするため16
50℃以上の温度で溶融する必要がある。また、ガラスに
冷却する間に溶融物を自然失透させる。従って、CaOとS
iO2の水準は、灰長石理論量の結晶が発生するように調
整し、過剰のAl2O3を含ませる。一般に、SiO2は高い耐
火性の相ムライトを形成するように、過剰のAl2O3の少
なくとも一部と反応するために十分な量で含ませる。こ
の現象を生じる機構は判らないが、As2O3の存在はガラ
スセラミックスの機械的強度、特に室温で測定した強度
を高めることが明らかである。従って、As2O3は最終製
品の性質に良い影響を与え、ガラス清澄剤のような従来
の機能だけを示すものではない。大量の核形成剤を任意
に使用できるが、このように過剰量でも最終製品の物理
的性質に有利な結果を持たらすかは明らかでない。さら
に、このような添加は望ましくない結晶種を発生させ
る。
ウイスカ、連続繊維、および不連続繊維を含有する複
合材料、およびウイスカと連続繊維を含有する混成複合
体の製造方法は、米国特許第4,615,987号に開示されて
いるように、本発明材料にも応用できる。この方法を以
下に示す。
前記特許に説明されたように、SiCウイスカは断面積
は非常に小さいが、高いアスペクト比を示すので、常に
入手したままの凝集形状である。ウイスカのこれらの凝
集物は、中に必然的な弱点をもたらす物体の不適当な硬
化を避けるように、破砕する必要がある。前記特許はSi
Cウイスカを凝集しないため、米国特許第4,463,058号に
開示された技術を引用し、その後に同じ目的を達成する
ため剪断ミキサーの使用を開示している。この技術は本
発明でも好適である。
特許第4,615,987号に開示されたような方法で、本発
明の好適な方法は、約5〜60重量%の荷重で、厚さが10
0ミクロン以下、長さ対直径の比が少なくとも5である
ウイスカを用いる。従って、約0.5重量%の小さい荷重
で効果を与えることができるが、5%以上の大きい荷重
では、機械的強度と破壊靭性を著しく改善できる。同様
に、約15〜70容量%の連続セラミック繊維の荷重が好ま
しい。またSiCウイスカは連続セラミック繊維、例えばS
iC,Si3N4,BN,B4C,ZrO2,ジルコン、炭素、ムライト、ス
ピネル、またはAl2O3を連続的セラミック繊維と関連し
て用いられ、米国特許第4,615,987号に記載されたよう
に混成複合体を生成するが、ウイスカと繊維の全含量は
約70重量%を超えない。最後に、不連続セラミック繊維
を含む複合物は、連続繊維を従来法によって適当な長さ
(約1〜3cm)に切り刻み、切り刻んだ繊維を既知の紙
製造法によってシートに成形し、次に既知の技術によっ
てシートをガラス母材に積み重ねる。
本発明のガラスセラミック製品は内部核形成剤を使用
するので、複雑な形状で実質的に完全に密な製品を、適
当な組成のガラス粉末から成形した形状を焼結して容易
に調製できる。焼結は液相線温度以上の温度で行うこと
ができ、その中に存在する核形成剤により、、強化体の
同時または次の熱処理によって希望する結晶の集合体を
得ることができる。この簡単な焼結が利用可能なことに
より、成形加工コストを減らすだけでなく、圧縮では達
成できない物体の幾何形状が成形可能になる。例えば、
ハニカム構造はガラス粒子から押出し、実質的に完全な
密度まで焼結し、同時にまたは、その後で、そのまま結
晶化させることができる。勿論、射出成形、模式圧縮、
熱圧、および熱アイソスタチック圧のようなセラミック
技術で普通の他の成形法はすべて本発明の組成物にも用
いられる。本発明の組成物から得られたガラスは、その
まま約1150℃以下の温度で結晶化できるが、約1300゜〜
1550℃の圧縮温度が通常用いられ、本発明製品を実質的
に完全な密度にする。
最適なベース組成物は、酸化物を基礎とした重量パー
セントで16〜18%CaO,40〜46%Al2O3,35〜38%SiO2,お
よび0.5〜1.0%As2O3,および核形成剤を主成分とする。
(従来技術との比較) 米国特許第3,531,303号はガラスセラミック製品の調
製を開示しており、六方晶系のアルカリ土類長石が優勢
な結晶相を構成し、場合によって三斜晶系のアルカリ土
類長石がかなりの分量で見出される。この製品は、酸化
物を基礎として重量パーセントで、0〜35%CaO,0〜53
%のSrO,0〜55%のBaO,10〜55%のCaO+SrO+BaO,10〜5
8%のAl2O3,および12〜53%のSiO2,およびZnS,V2O5,MoO
3,CaF2,WO3,NiO,Au,Pt,Rh,Pd,IrおよびFe2O3+FeOの群
から選ばれた核形成剤を主成分とする。前駆体ガラスを
ガラスセラミックに変換操作できる熱処理は850゜〜170
0℃の範囲である。しかし、SiCウイスカまたは繊維強化
複合製品を形成することは記述されていない。結晶相と
して灰長石およびムライトおよび/またはα−Al2O3
含有するガラスセラミックスも参照されていない。従っ
て、希望する性質を示す複合製品を生成するために必要
なCaO,Al2O3,およびSiO2の制限された水準も議論されて
いない。
米国特許第3,772,041号は、重量パーセントで10〜35
%のCaO,20〜50%のAl2O3,16〜38%のSiO2,および6〜1
5%のZrO2の一般的な範囲内の組成物から灰長石および
/またはゲーレナイトの結晶を含有するガラスセラミッ
ク製品の成形を記載している。前駆体ガラスをガラスセ
ラミックに変換操作できる熱処理は1000゜〜1500℃の範
囲である。しかし、ガラスセラミックス中に存在するム
ライトおよび/またはα−Al2O3結晶は記述されていな
い。また、SiCウイスカまたは繊維で強化した複合製品
も参照されていない。従って、狭く限られた本発明の組
成物が希望する性質を示す複合製品を生むことは記述さ
れていない。
米国特許第4,187,115号はガラスセラミック製品の製
造に関し、三斜晶灰長石およびルチルが酸化物を基礎と
した重量パーセントで10〜18%のCaO,29〜35%のAl2O3,
30〜39%のSiO2,および13〜20%のTiO2を主成分とする
組成物から成る結晶相を含む。全量が10%までの次に示
す割合の成分を任意に含む。すなわち、3%までのMgO,
10%までのSrO,5%までのBaO,7%までのPbO,5%までのC
dO,6%までのP2O5,および1.5%までのFである。結晶温
度は1000゜〜1400℃の間で変化する。しかし、SiCウイ
スカまたは繊維に関しては参照されてなく、従って、希
望する性質を示すガラスセラミックスを生成するため、
本発明のベース組成物に要求されるCaO,Al2O3,およびSi
O2の特定の範囲に関しては議論されていない。さらに、
TiO2は完全に実質的な分量で必要な成分であるが、本発
明の組成物ではTiO2が存在しないことが必須である。
(実 施 例) 第I表は酸化物を基礎とした重量部で表された熱結晶
性ガラス組成物を多数報告しており、本発明の熱処理に
かける場合、結晶の大きさが比較的均一な高結晶性ガラ
スセラミック製品にそのまま結晶化する。表に示した成
分の合計は100または100に近いので、実際には示された
値は重量パーセントであるとみなされる。実際のバッチ
成分は、酸化物または他の化合物のいずれかの物質から
成り、一緒に溶かすと、適当な割合で希望する酸化物に
変わる。例えば、CaCO3はCaO源を与える。
以下に述べる実験室での操作では、バッチ成分を粉砕
し、均質な溶融物を確保するように一緒にボールミルで
摩砕し、白金るつぼに充填した。るつぼを1650℃で操作
するガスだき炉に入れ、バッチを中で16時間溶融し、溶
融物をスチール板に注入し一般に円形のガラススラブを
形成し、このガラススラブを直接、ガラスの組成によっ
て約600゜〜750℃で操作するアニーラーに移した。アニ
ールしたスラブは殆ど透明で傷がないように見えた。
組成物1〜8は灰長石の理論量に存在するものより多
い15モルパーセントのAl2O3を含んでいた。実施例9は1
0モルパーセントの過剰のAl2O3を含み、実施例10は20モ
ルパーセントの過剰のAl2O3を含み、実施例11は30モル
パーセントの過剰のAl2O3を含み、実施例12は50モルパ
ーセントの過剰のAl2O3を含み、実施例13は40モルパー
セントの過剰のAl2O3を含み、実施例14は40モルパーセ
ントの過剰のAl2O3を含み、実施例15は50モルパーセン
トの過剰のAl2O3を含み、実施例16は50モルパーセント
の過剰のAl2O3を含み、実施例17は15モルパーセントの
過剰のAl2O3を含んでいた。
小片を各スラブから切断し、電熱炉に導入し、最初2
時間約800゜〜900℃で加熱し、次に2時間1200℃で加熱
してガラスセラミック体にそのまま結晶化した。X線回
折計は実質的に単一の結晶相として三斜晶系灰長石およ
びムライトおよび/またはα−Al2O3を同定した。
SiCウイスカを含有する複合製品は、米国特許第4,61
5,987号に概略が記されている実験室の方法と同様の方
法で製造した。従って、ARCO SC−9 SiCウイスカ
(カリフォルニア州、ロスアンジェルス、アトランチッ
ク・リッチフィールド社から販売)を、ワーリング・ブ
レンダーで蒸留水、イソプロパノールおよび有機結合
剤、例えばポリエチレングリコール結合剤またはポリ酢
酸ビニルバインダの混合物に添加した。ブレンダーを5
分間付勢して、ウイスカを解凝集し、均一な懸濁液を生
成した。ウイスカの直径は約1ミクロンまたは若干それ
より小さく、長さは約40〜50ミクロンであった。前記ガ
ラススラブのパーツを平均約10ミクロン以下の大きさの
粒子に微粉砕した。これらのガラス粉末をウイスカを含
有する懸濁液に添加し、ブレンダーを5分間付勢して均
一な懸濁液にした。次に懸濁液をブフナーろ斗によって
真空ろ過した。得られたフィルターケーキを乾燥し、モ
リブデンライナーを備えた棒状の黒鉛型に充填し、この
型を調整雰囲気の存在下に操作できる耐熱ガラスに移
し、材料を窒気流雰囲気(非酸化雰囲気)で105.45kg/c
m2(1500psi)の圧力と1500℃の温度で30分間固化し
た。その後、棒を2時間900℃に保持し、次いで2時間1
200℃に保持し、そのまま完全に結晶にした。各複合体
は約30重量%のウイスカを含有していた。
表IIは、表Iの具体例の若干の組成物を棒によって示
した平均曲げ強さを記録したものであり、kg/cm2(ps
i)で表した破壊係数(MOR)として示し、25℃(室温)
と1200℃での標準4点曲げ試験を用いて測定した。
表 II 実施例 MOR, 25℃ MOR, 1200℃ 1 4218(60,000) 2531(36,000) 3 3796(54,000) 2460(35,000) 7 3515(50,000) 2320(33,000) 15 4569(65,000) 2460(35,000) 16 3796(54,000) 2812(40,000) 温度と圧力の範囲は従来の熱圧技術で用いられる。し
かし、成形はガラスフリット(粉末)が約1013ポワズ以
下の最大粘度、すなわち、そのアニール点(およびガラ
スの液相線温度以下)を示す温度で行われる。
さらに、水以外の極性液体をウイスカとガラス粒子を
懸濁する液体に用いることができるが、続いて測定した
性質に有意差はなく、また、有機結合剤の同一性は水ま
たは他の極性液体に可溶である限り重要ではない。有機
結合剤は室温付近で、例えば乾燥圧縮、押出、および射
出成形によって成形され、続いて実質的に完全な密度ま
で焼成される物体の未処理(未焼成)の強度を高めるた
めに実際に大いに重要である。
上述のタイプの解凝集SiCウイスカ約30重量%、およ
び実施例1,3および13のガラス粉末70重量%(および有
機結合剤)を含有する棒を、室温(約25℃)で乾燥圧縮
した。次に棒を30分間、窒素流雰囲気で1500℃にて操作
する耐熱炉で焼成し、実質的に完全な密度を示す焼成製
品を生成した。2時間900℃で、次に2時間1200℃で加
熱した焼結棒は、25℃で約3163kg/cm2(45,000psi)の
平均破壊係数を示した。
上述のタイプの解凝集SiCウイスカ20重量%および実
施例1のガラス粉末80重量%(および有機結合剤)を含
有するハニカム構造体を室温で押出した。これを30分
間、窒素流雰囲気で1500℃にて操作する耐熱炉で焼成し
た。平均約2671kg/cm2(38,000psi)の軸圧縮強さは200
セル/in2(約31セル/cm2)を含有する実質的に完全な密
度の焼結構造体についてASTM C365−57の方法Bを用い
て、サンドイッチコアの貫層圧縮強さを測定した。844k
g/cm2(12,000psi)を超える軸圧縮強さのこれらの水準
は、ウイスカを含まない焼結ハニカムの代表的なもので
ある。
連続SiC繊維を含有する複合製品は米国特許第4,615,9
87号に述べられた実験室の方法に似た方法で製造した。
従って、 (a) スプールからの連続繊維をポリ酢酸ビニルのよ
うな有機結合剤を含有する粉末ガラスの水性スラリーに
通して、繊維を被覆し、 (b) 過剰のスラリーを繊維から除き、 (c) 繊維を回転ドラムの周りにラップして、繊維を
一方向性を有して有機結合剤によって保持される平らな
シート(プレプレグ)を生成し、 (d) プレプレグを切断して、例えば7.62cm(3イン
チ)の直径のディスクを形成するように製品の横寸法に
合わせ、 (e) 切断したプレプレグを成形すべき製品の垂直寸
法を生じる高さまで一方向性に積重ね、 (f) 積重ねたプレプレグを空気中で加熱して、一般
的には約400゜〜650℃の温度で、好ましくは約450℃の
温度で2時間、有機結合剤を焼成し、 (g) 積重ねたプレプレグを通常約1250゜〜1450℃で
変化する温度で一体に圧縮する。
表IIIに示した複合体では、繊維含量は約30容量%で
あった。有機結合剤が焼成した後(空気中で約450
℃)、プレプレグの堆積物を線状モリブデンを有する黒
鉛型に挿入し、この型を制御雰囲気に操作できる耐熱プ
レスに移した。層堆積物を続いて窒素流の雰囲気(非酸
化雰囲気)で表IIIに列挙した温度で105kg/cm2(1500ps
i)の圧力で10分間加圧して圧縮した。そのまま実質的
に完全な結晶にするため、型を1200℃に冷却し、この温
度で2時間維持した。表IIIは表Iの幾つかの実施例に
よって示された平均曲げ強さを列挙しており、室温(約
25℃)、1300℃および1325℃で従来の4点曲げ法を用い
て測定し、kg/cm2(kpsi)で表された破壊係数(MOR)
として報告した。また表IIIは25℃で測定した微小亀裂
降伏応力(kg/cm2(psi)で表されたMCY)を記録してい
る。MCY応力は、繊維の破損または破壊歪が母材のそれ
よりもはるかに高い(約1.5対約0.1%)という事実の結
果、ガラスセラミック母材が微細破壊を始める際の複合
体の曲げ応力である。MCY点を過ぎた後、荷重部分は増
加するが、母材のヤング率は減少する。言葉を変える
と、MCY点は応力−歪曲線が非線形になる応力を構成す
る。極限応力またはMOR値では、繊維は全荷重を支え
る。MCY応力の水準は、生成物を用いる用途および/ま
たは生成物の置かれる環境に応じて、複合体のデザイン
が制限されるので、非常に大きい意味をもつ。このよう
な製品が単斜晶系ガラスセラミック体の破壊と同様の方
法で突然破壊することを避けるにはウイスカの長さが十
分ではないため、MCY応力は完全にウイスカによって強
化された複合体を測定できない。
As2O3が室温の破壊係数に与える重要な効果は、実施
例1と実施例17の比較から明らかである。2種の生成物
のベース組成は同じであるが、実施例17は実施例1の0.
5%に対して1%のAs2O3を有する。
混成複合製品、すなわちSiCウイスカとSiC連続繊維を
含む製品は、米国特許第4,615,987号に記載された方法
で製造した。従って、15重量%の解凝集SiCウイスカを
含む均質な懸濁液は、上記剪断混合技術を用いて、実施
例1から得られたフリットから調製した。乾燥後、混合
物を有機結合剤とビヒクル溶液に混合し、繊維含有複合
体に関して上述したようなスラリーを形成した。連続Si
C繊維をスラリーに通してプレプレグを調製した。複数
のプレプレグを堆積し、有機成分を焼成した。プレプレ
グの堆積物を、線状モリブデンを備える黒鉛型で、10分
間、圧力105kg/cm2(1500psi)で温度1340℃にて窒素流
の雰囲気で熱圧した。型を1200℃まで冷却し、この温度
に2時間保持した。製品の繊維含量は平均約35容量%で
あった。表IVはkg/cm2(psi)で測定した生成物と、同
じ処理条件を用いて35容量%の繊維で強化した実施例1
から調製した複合物によって示される機械的性質を比較
したものである。
混成体の異常に低い室温のMORは、未処理(未焼成)
体の均質性が不十分で繊維が損傷しているためである。
ウイスカの存在は室温でMCY応力を改善した。1300℃でM
ORが非常に増加した原因は、ウイスカを含まない母材と
比較して混成母材によって繊維に一層有効な荷重が移っ
たためである。
SiC繊維を用いた混成複合体は上述にもかかわらず
(このような繊維の使用は好適例からなる)、他の無機
繊維を同様の方法で使用できる。使用できる繊維は、例
えばB4C,炭素,ムライト,Si3N4,スピネル,Al2O3,BN,ZrO
2およびジルコンを含む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド リーロイ スチュワート アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ビッ グ フラッツ カーディナル レーン 741 (72)発明者 マーク ピーター テイラー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ペイ ンテッド ポスト ヒルクレスト ドラ イブ 25

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物を基礎とした重量パーセントで16〜
    20%のCaO,38.5〜46%のAl2O3,35〜42%のSiO2,および
    全量で10%までの0.1〜3%のCr2O3,0.25〜3%のHfO2,
    2〜5%のMoO3,0.25〜3%のNb2O5,0.25〜3%のTa2O5,
    0.25〜3%のWO3,および1〜10%のZrO2から成る群から
    選ばれる指示した割合の少なくとも1種の核形成剤を主
    成分とするガラスセラミック母材中に、実質的に均一に
    分散した長さ対直径の比が少なくとも5で厚さが100ミ
    クロン以下の0.5〜60重量%の解凝集SiCウイスカを主成
    分とし、1300℃以上の使用温度を有するウイスカで強化
    した内部に核があるガラスセラミック母材複合体におい
    て、Al2O3が少なくとも5モルパーセントの分量で理論
    量の三斜晶灰長石中に存在する分量よりも50モルパーセ
    ントまで多い分量で存在し、ガラスセラミック母材中の
    優勢な結晶相が三斜晶灰長石およびムライトおよび/ま
    たはα−Al2O3であるガラスセラミック母材複合体。
  2. 【請求項2】さらに0.25〜1.5%のAs2O3を含有する特許
    請求の範囲第1項記載の複合体。
  3. 【請求項3】前記Al2O3が理論量の三斜晶灰長石に存在
    する分量よりも少なくとも10モルパーセント多い分量で
    存在する特許請求の範囲第1項記載の複合体。
  4. 【請求項4】酸化物を基礎とした重量パーセントで16〜
    18%のCaO,40〜46%のAl2O3,35〜38%のSiO2、および0.
    5〜1.0%のAs2O3、および核形成剤を主成分とする特許
    請求の範囲第1項記載の複合体。
  5. 【請求項5】少なくとも5重量%の解凝集SiCウイスカ
    を含有する特許請求の範囲第1項記載の複合体。
  6. 【請求項6】酸化物を基礎とした重量パーセントで16〜
    20%のCaO,38.5〜46%のAl2O3,35〜42%のSiO2,および
    全量で10%までの0.1〜3%のCr2O3,0.25〜3%のHf
    O2、2〜5%のMoO3,0.25〜3%のNb2O5,0.25〜3%のT
    a2O5,0.25〜3%のWO3,および1〜10%のZrO2から成る
    群から選ばれる指示した割合の少なくとも1種の核形成
    剤を主成分とするガラスセラミック母材中に、実質的に
    均一に分散した15〜70容量%のSiC繊維を主成分とし、1
    300℃以上の使用温度を有する繊維で強化した内部に核
    があるガラスセラミック母材複合体において、Al2O3
    少なくとも5モルパーセントの分量で理論量の三斜晶灰
    長石中に存在する分量よりも50モルパーセントまで多い
    分量で存在し、ガラスセラミック母材中の優勢な結晶相
    が三斜晶灰長石およびムライトおよび/またはα−Al2O
    3であるガラスセラミック母材複合体。
  7. 【請求項7】さらに0.25〜1.5%のAs2O3を含有する特許
    請求の範囲第6項記載の複合体。
  8. 【請求項8】前記Al2O3が理論量の三斜晶灰長石に存在
    する分量よりも少なくとも10モルパーセント多い分量で
    存在する特許請求の範囲第6項記載の複合体。
  9. 【請求項9】酸化物を基礎とした重量パーセントで16〜
    18%のCaO,40〜46%のAl2O3,35〜38%のSiO2,および0.5
    〜1.0%のAs2O3,および核形成剤を主成分とする特許請
    求の範囲第6項記載の複合体。
  10. 【請求項10】SiC,炭素、B4C,Si3N4,BN,ムライト、ス
    ピネル、Al2O3、ジルコンおよびZrO2の群から選ばれる1
    5〜70容量%の繊維、および酸化物を基礎とした重量%
    で16〜20%のCaO,38.5〜46%のAl2O3,35〜42%のSiO2,
    および全量で10%までの0.1〜3%のNb2O5,0.25〜3%
    のTa2O5,0.25〜3%のCr2O3、0.25〜3%のHfO2、2〜
    5%のMoO3、0.25〜3%のWo3,および1〜10%のZrO2
    ら成る群から選ばれる指示した割合の少なくとも1種の
    核形成剤を主成分とするガラスセラミック母材中に、実
    質的に均一に分散した長さ対直径の比が少なくとも5で
    厚さが100ミクロン以下の0.5〜60重量%の解凝集SiCウ
    イスカを主成分とし、1300℃以上の使用温度を有する繊
    維およびウイスカで強化した内部に核がある混成したガ
    ラスセラミック母材複合体において、 Al2O3が少なくとも5モルパーセントの分量で理論量の
    三斜晶灰長石中に存在する分量よりも50モルパーセント
    まで多い分量で存在し、ガラスセラミック母材中の優勢
    な結晶相が三斜晶灰長石およびムライトおよび/または
    α−Al2O3であるガラスセラミック母材複合体。
  11. 【請求項11】さらに0.25〜1.5%のAs2O3を含有する特
    許請求の範囲第10項記載の複合体。
  12. 【請求項12】前記Al2O3が理論量の三斜晶灰長石に存
    在する分量よりも少なくとも10モルパーセント多い分量
    で存在する特許請求の範囲第10項記載の複合体。
  13. 【請求項13】酸化物を基礎とした重量パーセントで16
    〜18%のCaO,40〜46%のAl2O3,35〜38%のSiO2,および
    0.5〜1.0%のAs2O3,および核形成剤を主成分とする特許
    請求の範囲第10項記載の複合体。
  14. 【請求項14】少なくとも5重量%の解凝集SiCウイス
    カを含有する特許請求の範囲第10項記載の複合体。
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