JPH0925849A - ピストン - Google Patents

ピストン

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JPH0925849A
JPH0925849A JP7194015A JP19401595A JPH0925849A JP H0925849 A JPH0925849 A JP H0925849A JP 7194015 A JP7194015 A JP 7194015A JP 19401595 A JP19401595 A JP 19401595A JP H0925849 A JPH0925849 A JP H0925849A
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    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • F02F3/02Pistons  having means for accommodating or controlling heat expansion
    • F02F3/022Pistons  having means for accommodating or controlling heat expansion the pistons having an oval circumference or non-cylindrical shaped skirts, e.g. oval
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J1/00Pistons; Trunk pistons; Plungers
    • F16J1/02Bearing surfaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンにおいて、スカート部の肩部におけ
るプロフィール形状をスラスト側と反スラスト側とで異
ならせて、スラップ音の低減を図る。 【構成】 このピストン1は、スカート部3の肩部7に
おける直径減少量が反スラスト側よりもスラスト側で大
きく、スラスト側と反スラスト側とで直径減少量の差が
ピストンピン4の中心高さ位置付近で最大となるプロフ
ィール形状である。圧縮行程でピストン1は反スラスト
側のシリンダライナ壁面8に押し付けられた状態で上昇
するが、その時の傾き角は小さい。上死点付近で、ピス
トン1は急速に回動してスラスト側のシリンダライナ壁
面8に衝突するが、その時のピストン1の衝突部位はピ
ストンピン4中心の高さ位置付近となる。従って、ピス
トン1の衝突力は小さくなり、スラップ音が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関に適用
されるピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の駆動によって発生する騒音の
一つにスラップ音がある。内燃機関のスラップ音は、ピ
ストンがシリンダ内を往復運動する時に該ピストンのス
カート部がシリンダライナの壁面に衝突することによっ
て発生するものである。つまり、シリンダ内をピストン
が往復運動できるように、ピストンとシリンダライナの
壁面との間には隙間が形成されている一方で、燃焼室か
らのブローダウンを防止するため、ピストンに形成され
たピストンリング溝にはピストンリングが嵌入している
ので、ピストンがシリンダ内を往復運動する時、ピスト
ンピン軸に垂直な方向即ちスラスト方向のシリンダ壁面
にピストンが衝突してスラップ音が発生する。
【0003】上記のようなスラップ音を低減させるた
め、種々のピストンが開発されている。例えば、スラッ
プ音を低減するピストンとして、特開昭63−3215
0号公報に開示されたものがある。該ピストンは、スカ
ート部のプロフィール形状を工夫することによってスラ
ップ音の低減を図ったものである。
【0004】ところで、ピストンのスカート部のプロフ
ィール形状に関しては、他に重要な意味がある。内燃機
関に適用されるピストンは、図5に示すように、スカー
ト部3の肩部7、即ちピストンリング溝(オイルリング
溝)5の下からピストンピン(図示せず)の高さ付近の
部位にかけて、ピストン1の外径寸法が徐々に小さくな
るようなプロフィール形状に形成されている。このよう
なピストン外形のプロフィール形状は、ピストン1が熱
膨張によってシリンダライナ壁面とかじりを起こすよう
になるのを防止するという観点から採用されたものであ
る。近年、ピストン1のスカート部3の肩部7における
直径減少量を微妙に変更しながら、スラップ音を低減す
るために、最適なプロフィール形状を得る試みが試行錯
誤で繰り返されてきた。
【0005】例えば、図6に示すようなプロフィール形
状を持つピストンについて説明すると、図6において、
実線で示すプロフィール形状X(以下、“ベース形状”
という)を有する左右対称のピストン1、及び該ピスト
ン1のスカート部3の肩部7を点線で示すようなプロフ
ィール形状Y(以下、“肩部逃げ形状”という)に変更
した左右対称のピストン1の二種類のピストン1につい
て、図7に示すような装置を用いてシリンダライナ壁面
8の振動を実測した。2.5リットルDIディーゼルエ
ンジンのシリンダライナ壁面8に加速度センサー9を取
り付け、チャージアンプ10を介してオシロスコープ1
1によって、ピストン作動時(1000rpm〜400
0rpm)におけるシリンダライナ壁面8の振動を計測
した。その結果を、図8に示す。図8において、実線は
ベース形状Xのピストン1を組み込んだ場合の振動を記
録したものであり、点線は肩部逃げ形状Yのピストン1
を組み込んだ場合の振動を記録したものである。ピスト
ン1のベース形状Xと肩部逃げ形状Yとを対比すると、
明らかなように、肩部逃げ形状Yの方が振動が大幅に低
減し、スラップ音が低減している。この実験の例からも
分かるように、スラップ音の低減を図る上で、スカート
部3の肩部7の直径減少量を変更することは有効である
ことが分かる。
【0006】しかし、ピストンについて耐久的な特性と
のバランスも考慮しながら、スラップ音低減のための最
適なプロフィールを決定するには膨大な試験が必要であ
る。今までのところ、最適なプロフィール形状を与える
ような明確な指針は示されていないものの、スラップ音
を低減するには単に直径減少量を小さくすればよいとい
うわけではなく、スラップ音を最小にするような最適な
直径減少量というものがあるということが明らかになっ
ている。
【0007】ところで、前掲特開昭63−32150号
公報に開示されたピストンについて検討すると、該ピス
トンは、図9において符号F及びGで示すように、ピス
トンのスラスト側と反スラスト側とで、スカート部3の
肩部7におけるプロフィール形状FとGの直径減少量を
異ならせたものである。即ち、該ピストンは、スラスト
側で直径減少量が大きく、反スラスト側で直径減少量が
小さくなるように形成されている。ピストンのスラスト
側と反スラスト側とでプロフィール形状を比較すると、
図9に記載された数値と図示された形状からみて、上方
へ行くに従って、プロフィール形状Fとプロフィール形
状Gとの直径減少量の差は大きくなっている。また、プ
ロフィール形状Gは、一般的に採用されているプロフィ
ール形状によく似ているが、プロフィール形状Fは一般
的に採用されているプロフィール形状に比べて直径減少
量がかなり小さいものである。なお、図において、符号
イの位置は肩部上端位置であり、符号ロの位置はピスト
ンピン中心位置であり、符号ハはプロフィール形状の変
化量終了位置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ンの反スラスト側のプロフィール形状Fは直径減少量が
かなり小さいので、熱膨張によってオイルリング12の
下の部分〔図9における符号イの位置〕が大きくなり過
ぎ、かじりや焼き付きを引き起こす可能性がある。そこ
で、図9に示したピストンが熱膨張した場合、ピストン
がどのように変形するかを計算によって求めたところ、
図11に示すような結果が得られた。なお、温度及び熱
膨張係数については図10に示された数値を使用した。
図9における肩部上端の符号イの位置では、温度150
℃、熱膨張係数2.0×10- 5 、ボア径110mmで
あるから、これらの数値を使って熱膨張量を求めると、 (150−20)×2.0×10- 5 ×110/2=1
43μm となり、143μmの熱膨張量が見込まれる。該熱膨張
量をプロフィール形状Fに加えると、スカート部3の下
端を基準にとった熱膨張時のプロフィール形状Hは、図
11に長い点線Hで示すように、図9の(イ)の位置で
−18μmとなる。従って、図9の(イ)の位置で焼き
付きが起こるものと推測される。
【0009】
【課題を解決するため手段】この発明は、ピストンのス
カート部におけるプロフィール形状を左右非対称に形成
し、特に、スカート部の肩部における直径減少量をスラ
スト側と反スラスト側とで異ならせることによって、ス
ラップ音の低減を図ると共に、熱膨張による焼き付きを
防止し、スラップ音による騒音を低減することができる
ピストンに関する。
【0010】この発明は、ピストンリング溝を備えたク
ラウン部とピストンピンを挿通するピン孔が形成された
ボス部を備えたスカート部とから構成したピストン本体
を有するピストンにおいて、前記スカート部の肩部にお
ける直径減少量が反スラスト側よりもスラスト側で大き
く、前記スラスト側の直径減少量と前記反スラスト側の
直径減少量との差が前記ピストンピンの中心高さ位置付
近で最大となることを特徴とするピストン関する。
【0011】この発明によるピストンは、上記のように
構成されているので、スラスト側ではシリンダライナへ
の肩部の衝突部位がピストンピン中心高さ位置付近にな
るが、反スラスト側では該衝突部位が高くなる。また、
このピストンはスラスト側の肩部で逃げた形状である
が、反スラスト側の肩部では張り出した形状である。
【0012】このピストンは、圧縮行程で反スラスト側
のシリンダライナ壁面に押し付けられた状態で上昇して
いく。次いで、圧縮行程上死点付近で、ピストンはスラ
スト側へ急速に回動してスラスト側のシリンダライナ壁
面に衝突する。このピストンは、スカート部の肩部が反
スラスト側で張り出した形状に形成されているから、ピ
ストン上昇時のピストンの傾き角は小さい。前記傾き角
が大きい場合には、ピストンの回動角度も大きくなるの
で、その分だけシリンダライナ壁面へのピストンの衝突
力も大きくなるが、上記のとおり、このピストンは前記
上昇時のピストンの傾き角は小さいので、それだけ上記
衝突力も小さくなる。
【0013】また、ピストン上死点付近でピストンは、
ピストンピン回りに回動してスラスト側でシリンダライ
ナ壁面へ衝突するが、ピストンの傾き角が同じであれ
ば、シリンダライナ壁面へのピストンの衝突部位がピス
トンピン中心位置から高さ方向に離れるほど、衝突力も
大きくなる。しかし、このピストンは、スラスト側の肩
部で逃げた形状としたので、ピストンピン中心の高さ位
置付近に衝突部位をもってくることができ、即ち衝突部
位を下げることができ、衝突力も小さくなる。従って、
このピストンは、スラップ音を低減し、騒音を低減する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるピストンの実施例について説明する。図1はこの
発明によるピストンのプロフィール形状を示す説明図で
ある。図1に示すように、このピストン1は、ピストン
ヘッド部であるクラウン部2とボス部(図示せず)を備
えたスカート部3とを一体構造に構成したピストン本
体、及びピストン本体とコンロッド(図示せず)とを回
転自在に連結するピストンピン4を有している。ピスト
ン本体のクラウン部2には複数のピストンリング溝5が
形成されており、各ピストンリング溝5にはピストンリ
ング(図示せず)が嵌入される。スカート部3はクラウ
ン部2の下部に一体的に形成されている。また、ピスト
ン本体のスカート部3はピストンピン4を挿通するピン
孔6が形成されたボス部を備えている。
【0015】図1において、ピストン1の左右に、スカ
ート部3のプロフィール形状を示している。ピストン1
の右側には反スラスト側のプロフィール形状Qを拡大し
て実線で示しており、ピストン1の左側にはスラスト側
のプロフィール形状Rを拡大して実線で示している。ス
カート部3の肩部7、即ちオイルリング溝5の下からピ
ストンピン4の高さ位置付近の部位にかけて、ピストン
1の外径寸法が徐々に小さくなるようなプロフィール形
状に形成されている。図1において左側に点線で示した
曲線は、ピストン1が左右対称な場合のプロフィール形
状を示したものである。ピストン1は、スカート部3の
肩部7における直径減少量がスラスト側で反スラスト側
よりも大きくなるように形成されている。また、ピスト
ン1は、スラスト側の直径減少量と反スラスト側の直径
減少量との差がピストンピン4の中心Oの高さ位置付近
Pで最大となるように形成されている。
【0016】また、ピストン1はスラスト側の肩部7で
逃げた形状、即ち直径減少量の大きいプロフィール形状
Rであるが、反スラスト側の肩部7では張り出した形
状、即ち直径減少量の小さいプロフィール形状Qであ
る。このプロフィール形状は図6に示したプロフィール
形状と同じである。図6において、△印(実線がベース
形状、点線が肩部逃げ形状)で示したように、ピストン
ピンの中心Oの高さ位置付近Pで肩部逃げ形状にする
と、即ち直径減少量を大きくすると、スカート部3の肩
部7がシリンダライナ壁面8に衝突する衝突部位が下方
に下がる(点線の△印参照)。従って、この発明による
ピストン1においても、スラスト側の直径減少量をピス
トンピン4の中心高さ位置付近Pで反スラスト側の直径
減少量よりも大きくしたので、スカート部3の肩部7と
シリンダライナの壁面8との衝突部位はスラスト側の方
が反スラスト側よりも下に下がることになる。
【0017】次に、図2を参照しながら、ピストン1の
スラップ音が低減するメカニズムについて説明する。図
2はピストン運動をイメージ的に表現したものである。
図中において、ピストン1の左側がスラスト側、右側が
反スラスト側である。図5に示したように、ピストン1
は一般に熱膨張を考慮して上部の径が小さくなるような
プロフィール形状に形成され、また、図2において、ピ
ストン1は吸入行程(A)、圧縮行程(B)、膨張行程
(C)及び排気行程(D)の各行程において揺動運動を
繰り返す。圧縮行程について見てみると、ピストン1は
スラスト側の矢印SPで示す部位がシリンダライナ壁面
8から離れた状態、即ち反スラスト側においてシリンダ
ライナ壁面8に押し付けられた状態で上昇していく。そ
して、膨張行程(爆発行程)では、上死点付近で筒内圧
力によりピストン1は反スラスト側に急速に移動する。
この時、ピストン1は矢印SP部位がシリンダライナ壁
面8に衝突することになる。
【0018】この発明によるピストン1はスカート部3
の反スラスト側の肩部7が張り出したプロフィール形状
Qになっているから、ピストン上昇時のピストン1の傾
き角は小さい。反スラスト側では該傾き角が小さくなる
ように、即ちシリンダライナ壁面8へのピストン1の衝
突部位がなるべく高くなるように直径減少量を小さく
し、肩部7を張り出すようなプロフィール形状Qにす
る。該傾き角が大きい場合には、ピストン1の回動角度
も大きくなりスラスト側のシリンダライナ壁面8への衝
突までの距離が増えることになり、その分シリンダライ
ナ壁面8への衝突力も大きくなるが、この発明によるピ
ストン1はピストン上昇時のピストン1の傾き角が小さ
いので、それだけ上記衝突力も小さくなる。
【0019】一方、ピストン1のスラスト側では上死点
付近でシリンダライナ壁面8へピストンが衝突するが、
この衝突は、ピストン1がピストンピン回りに回動する
ことによって生じるため、ピストンピン中心Oからシリ
ンダライナ壁面8へのピストン1の衝突部位までの距離
が大きいほど、衝突力も大きくなる。しかし、ピストン
1のスラスト側の肩部7で逃げた形状としたので、ピス
トンピン中心Oの高さ位置付近Pに衝突部位を下げるこ
とができ、衝突力も小さくなり、スラップ音を低減でき
る。
【0020】次に、図3を参照しながら、ピストン1の
シリンダライナ壁面8への衝突力をシミュレーション計
算した結果〔(ロ)で示す〕について説明する。図3に
おいて、「ベース」とは図6に示したベース形状の左右
対称のピストンについての計算結果、「肩部逃げ(両面
サイド)」とは図6に示した肩部逃げ形状の左右対称の
ピストンについての計算結果、「肩部逃げ(スラストの
み)」とはこの発明によるピストン1の一例であって、
反スラスト側をベース形状とし、スラスト側を肩部逃げ
形状としたピストン1についての計算結果を意味するも
のである。なお、(+印)は「ベース」と「肩部逃げ
(両面サイド)」のピストンを用いた実験結果であり、
本シュミレーション計算とよく一致しており、本シュミ
レーション計算の信頼性を示すために併記したものであ
る。図3によれば、「肩部逃げ(スラストのみ)」即ち
本願発明のピストン1は、「肩部逃げ(両面サイド)」
即ち従来の左右対称のピストンに比べて更に1dAB以
上の衝撃力の低減効果があり、この発明によるピストン
1はスラップ音を大きく低減できることが分かる。
【0021】次に、図4を参照しながら、ピストンの熱
膨張の影響について検討する。実線はこの発明によるピ
ストンの反スラスト側のプロフィール形状Q、短い破線
は同じくスラスト側のプロフィール形状Rである。図1
1の場合と同様にして該ピストンの熱膨張量を計算する
と、熱膨張量は短い点線Uで示すような曲線となる。ス
カート部3の下端を基準にとった熱膨張時のプロフィー
ル形状T,Sは、図4のようになる(長い破線は反スラ
スト側の熱膨張時のプロフィール形状S、一点鎖線はス
ラスト側の熱膨張時のプロフィール形状Tを示してい
る。)。この発明によるピストン1は、図9に示した前
掲特開昭63−32150号公報に開示されたピストン
に比べると分かるように、ピストンリング溝5の下の部
分が元々シリンダライナ壁面8に当たらないように直径
減少量を大きくとってあり、あえてスラスト側と反スラ
スト側とで非対称にする必要はない。従って、このピス
トン1は、スラスト側の直径減少量と反スラスト側の直
径減少量との差がピストンピン4の高さ位置付近Pで最
大となるように構成し、ピストンピン4の高さ位置付近
Pだけが非対称になっている。熱膨張によってスカート
部3の肩部7が大きくなっても、シリンダライナ壁面8
に当たる位置はほとんど変わらず、図9に示したピスト
ンのようにスカート部3の肩部7がシリンダライナ壁面
8とかじりを起こさず、焼き付き等の問題を防止するこ
とができる。
【0022】なお、上記実施例で説明したピストン1
は、スラップ音低減のためにピストン本体の表面に何ら
特別な部材を設けていない通常タイプのピストンにおい
て、単にスカート部のプロフィール形状を変更しただけ
で、スラップ音と焼き付き等の問題を併せて解決したも
のであるが、ピストン本体のスカート部3に外環部材
(図示せず)を嵌合し、該外環部材をスラスト方向に相
対移動可能に支持し、スカート部3と外環部材との間の
隙間にゴムや合成樹脂製の緩衝部材(図示せず)を介在
させたり、或いは該隙間に油圧を供給するように構成す
ることによって、スラップ音の低減を図るピストンに対
して、この発明のピストン1を適用してもよいことは言
うまでもないことであり、スラップ音低減効果は一層顕
著なものになる。
【0023】
【発明の効果】この発明によるピストンは、上記のよう
に構成されているので、次のような効果を有する。即
ち、このピストンは、スカート部の肩部における直径減
少量が反スラスト側よりもスラスト側で大きく、スラス
ト側の直径減少量と反スラスト側の直径減少量との差が
ピストンピンの中心高さ位置付近で最大となるように構
成したので、反スラスト側に傾いていたピストンがスラ
スト側へ傾く時に、回動角度が小さくなると共に、スラ
スト側で肩部のシリンダライナ壁面への衝突部位をピス
トンピン中心の高さ位置に近づけることができる。従っ
て、ピストンが反スラスト側からスラスト側へ回動した
時の衝突力が小さくなり、スラップ音を低減することが
できる。
【0024】また、このピストンは、単にスカート部に
おける肩部のプロフィール形状を変更するだけでスラッ
プ音低減効果が得られるので、スラップ音の低減を図っ
た従来のピストン、例えば、スカート部に外環部材をス
ラスト方向に相対移動自在に嵌合し、スカート部と外環
部材との間の隙間にゴム又は合成樹脂製の緩衝部材を介
在させたピストンや、或いは前記隙間に油圧を供給する
ように構成したピストンなどに比べて、重量の増加や製
造コストのアップを抑えることができ、低コストでスラ
ップ音の低減を図ることができる。勿論、前記外環部材
を有するピストンに対してこの発明のピストンを適用す
れば、スラップ音低減効果は一層顕著なものになる。
【0025】また、この発明によるピストンは、スラス
ト側の直径減少量と反スラスト側の直径減少量との差が
ピストンピンの高さ位置付近で最大となるように構成し
たので、熱膨張によってスカート部の肩部が大きくなっ
ても、シリンダライナ壁面とかじりを起こすことはな
く、焼き付き等の問題を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるピストンの一実施例を示す概略
図である。
【図2】ピストン運動のイメージをクランク角60゜毎
に描いた説明図である。
【図3】図1のピストンがシリンダライナ壁面に衝突す
る時の衝突力をシミュレーション計算した結果を示すグ
ラフである。
【図4】図1のピストンが熱膨張によって変形する前と
後とでスカート部のプロフィール形状の違いを計算した
グラフである。
【図5】ピストンスカート部のプロフィール形状の一例
を示す概略図である。
【図6】ピストンスカート部のプロフィール形状を変更
した場合の一例を示す概略図である。
【図7】シリンダライナ壁面の振動実測装置を示す概略
図である。
【図8】図6に示したプロフィール形状を持つピストン
を組み込んでシリンダライナの振動実験を行った場合の
計測結果を示すグラフである。
【図9】従来のピストンスカート部のプロフィール形状
を示す概略図である。
【図10】ピストン運転時におけるピストンの熱膨張係
数及び温度を示す概略図である。
【図11】図9のピストンが熱膨張によって変形する前
と後とでスカート部のプロフィール形状の違いを計算し
たグラフである。
【符号の説明】
1 ピストン 2 クラウン部 3 スカート部 4 ピストンピン 5 ピストンリング溝 6 ピン孔 7 肩部 O ピストンピン中心 P 中心高さ位置付近

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンリング溝を備えたクラウン部と
    ピストンピンを挿通するピン孔が形成されたボス部を備
    えたスカート部とから構成したピストン本体を有するピ
    ストンにおいて、前記スカート部の肩部における直径減
    少量が反スラスト側よりもスラスト側で大きく、前記ス
    ラスト側の直径減少量と前記反スラスト側の直径減少量
    との差が前記ピストンピンの中心高さ位置付近で最大と
    なることを特徴とするピストン。
JP19401595A 1995-07-07 1995-07-07 ピストン Expired - Fee Related JP3541511B2 (ja)

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