JP7211711B2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents
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Description
燃焼圧を受ける頂面11aを有するクラウン部10と,
上端を前記クラウン部10に連結されたスラスト側スカート部20a及び反スラスト側スカート部20bと,
前記スラスト側スカート部20aの幅方向両端と前記反スラスト側スカート部20bの幅方向両端間をそれぞれ連通する一対のサイドウォール30,30と,
前記両スカート部20a,20b間の中間位置において前記サイドウォール30,30の肉厚を貫通するピン穴31を備え,
前記両スカート部20a,20bそれぞれの少なくとも幅方向の中央付近(図3のテーパ部21参照)が下端側から上端側に向かって厚みを減じるテーパ状に形成されていると共に,
前記サイドウォール30,30には,前記ピン穴31の形成位置における肉厚を厚くした厚肉部32が上下方向に連続して形成されていると共に,前記厚肉部32と前記両スカート部それぞれとを連通する薄肉部33が設けられており(図10,11参照),前記厚肉部32から前記薄肉部33に向かって段差なく曲線的に厚みを減じる形状に形成されており,
前記クラウン部10が,前記頂面11aを有する円盤状の頂部11と,前記頂部11の裏面11b周縁部より突出した円筒部12を備え,(図8,9参照),
前記両スカート部20a,20bそれぞれの前記上端を,前記円筒部12の開口縁に連続して形成すると共に,
前記サイドウォール30,30の上端を,前記円筒部12内において前記頂部11の裏面11bに連結すると共に,前記サイドウォール30の前記薄肉部33を前記円筒部12の内周面に連結し,
前記スラスト側スカート部20a及び前記反スラスト側スカート部20bのうち,少なくとも一方のスカート部(例えばより高い面圧を受ける側のスカート部)と連結される前記薄肉部33の内壁面と,前記頂部11裏面11b,及び前記円筒部12内周面によって画成される隅角部Cから前記サイドウォール30の前記薄肉部33の内壁面及び前記頂部11裏面11bに補強用の肉盛り41(図12,13参照)が行われていることを特徴とする(請求項1)。
この内燃機関用のピストン1は,図1~図7に示すように,燃焼ガスのガス圧を受ける頂面11aを備えたクラウン部10と,このクラウン部10より下方に伸びる,シリンダ内壁に摺接されるスラスト側スカート部20a及び反スラスト側スカート部20bから成るスカート部20,及び前記スラスト側スカート部20aと反スラスト側スカート部20bの幅方向における両端間を連結すると共に,ピン穴31が形成されたサイドウォール30が一体的に形成された構造を有する。
図8及び図9中に,実線で示した部分がクラウン部10であり,このクラウン部10は,燃焼ガス圧を受ける前述の頂面11aを有する円盤状の頂部11と,この頂部11の裏面11bの周縁部より突出した円筒部12を備え,この円筒部12の外周にピストンリングが嵌合されるリング溝13が形成されている。
前述のクラウン部10に設けられた円筒部12の開口縁からは,図6及び図8に示すように前記円筒部12と一体的にスラスト側スカート部20aと反スラスト側スカート部20bがそれぞれ突出形成されている。
図10及び図11中,実線で示した部分がサイドウォール30,30であり,このサイドウォール30,30は,図10に示すようにスラスト側スカート部20aと反スラスト側スカート部20bの幅方向両端間を連結している。
以上のように,本発明の内燃機関用ピストン1では,スカート部20a,20bの幅方向の両端をサイドウォール30,30によって直接支持したことで,特許文献2に記載のピストンのように耐熱性の樹脂やゴム等によって形成されたダンパーによってスカート部の幅方向両端を支持する構成に比較してスカート部20a,20bの上端とクラウン部10との連結部分に応力が集中することが防止できることから,この部分に対する補強は特に必要ではない。
以上のように構成された本発明の内燃機関用のピストン1では,スラスト側スカート部20aと反スラスト側スカート部20bの幅方向両端間をサイドウォール30,30によって連結する構成を維持しつつ,サイドウォール30,30に薄肉部33を設けたことで,スカート部20a,20bに適度な変形性を付与することで,スカート部20a,20bの幅方向における剛性の偏りを是正することができると共に,少なくともスカート部20a,20bの幅方向中央付近に,下端側(インロー側)から上端側(肩側)に向かって肉厚を減じるテーパ状に形成したテーパ部21を設けたことで,スカート部20a,20bの上下方向における剛性の偏りを是正することができた。
(1)試験の目的
本発明の内燃機関用ピストンにおいて,スカート部の高さ方向及び幅方向のいずれの方向においても剛性の偏りが是正されていることを確認する。
図12に示す補強を行った本発明のピストン(実施例1),図13に示す補強を行った本発明のピストン(実施例2),及び既知の一般的なピストン(比較例1)の三種類のピストン(いずれも直径80mm)を使用して,スラスト側及び反スラスト側のスカート部それぞれの高さ方向〔ピストンピン中心に対応する高さ位置(ピンセンタ),上端,下端〕の剛性,及び,スカート部の幅方向〔幅方向中心(0°),10°,20°〕における剛性をそれぞれ測定した。
上記試験の測定結果を下記の表1に,測定結果をグラフにまとめたものを図14にそれぞれ示す。
(1)試験の目的
本発明の内燃機関用ピストンにおいて摩擦抵抗性の低減が得られることを確認する。
浮動ライナー法によるフリクション測定装置(80.5mm浮動ライナー)を使用して,前掲の比較例1及び実施例2のピストンのフリクションを測定した。
測定結果を図15及び図16に示す。
実施例1及び実施例2のピストンに対し,有限要素法(FEM)による強度解析を行うと共に,安全率の計算を行った結果,実施例1及び実施例2のいずれのピストン共,各部において必要な強度が得られていることが確認された。
10 クラウン部
11 頂部
11a 頂面
11b 裏面
12 円筒部
13 リング溝
14 バルブリセス
20 スカート部
20a スラスト側スカート部
20b 反スラスト側スカート部
21 テーパ部
22 潤滑性コーティング層
30 サイドウォール
31 ピン穴
32 厚肉部
33 薄肉部
41 肉盛り
100 (内燃機関用)ピストン
110 クラウン部
111a 頂面
111b 裏面
120 スカート部
120a スラスト側スカート部
120b 反スラスト側スカート部
130 サイドウォール
131 ピン穴
132 ピンボス
133 ピンボスリブ
145 ピストンピン
150 シリンダ
151 連結棒
160 ダンパー材
LS 基準線
LC ピストンピンの軸線
O 交点(基準線LSとピストンピンの軸線LCの)
C 隅角部
D 角部(ピンボスとサイドウォールの連結部の)
Claims (4)
- 燃焼圧を受ける頂面を有するクラウン部と,
上端を前記クラウン部に連結されたスラスト側スカート部及び反スラスト側スカート部と,
前記スラスト側スカート部の幅方向両端と前記反スラスト側スカート部の幅方向両端間をそれぞれ連通する一対のサイドウォールと,
前記両スカート部間の中間位置において前記サイドウォールの肉厚を貫通するピン穴を備え,
前記両スカート部それぞれの少なくとも幅方向の中央付近が下端側から上端側に向かって厚みを減じるテーパ状に形成されていると共に,
前記サイドウォールには,前記ピン穴の形成位置における肉厚を厚くした厚肉部が上下方向に連続して形成されていると共に,前記厚肉部と前記両スカート部それぞれとを連通する薄肉部が設けられており,前記厚肉部から前記薄肉部に向かって段差なく曲線的に厚みを減じる形状に形成されており,
前記クラウン部が,前記頂面を有する円盤状の頂部と,前記頂部の裏面周縁部より突出した円筒部を備え,
前記両スカート部それぞれの前記上端が,前記円筒部の開口縁に連続して形成されていると共に,
前記サイドウォールの上端が,前記円筒部内において前記頂部の裏面に連結されていると共に,前記サイドウォールの前記薄肉部が前記円筒部の内周面に連結されており,
前記スラスト側スカート部及び前記反スラスト側スカート部のうち,少なくとも一方のスカート部と連結される前記薄肉部の内壁面と,前記頂部裏面,及び前記円筒部内周面によって画成される隅角部から前記サイドウォールの前記薄肉部の内壁面及び前記頂部裏面に補強用の肉盛りがされていることを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 前記補強用の肉盛りが,前記隅角部から前記サイドウォールの前記薄肉部の内壁面及び前記頂部裏面に向かって段差なくなだらかな曲線で厚みを減少するように行われていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
- 平面視した前記ピストンのスラスト方向における直径を基準線とし,該基準線を0°として,ピストンピンの軸線と前記基準線との交点を中心に,該基準線に対し±20°~50°の範囲に前記両スカート部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関用ピストン。
- 平面視した前記ピストンのスラスト方向における直径を基準線とし,該基準線を0°として,ピストンピンの軸線と前記基準線との交点を中心に,該基準線に対し±20°~40°の範囲の前記スカート部を,下端側から上端側に向かって厚みを減じる前記テーパ状に形成したことを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載の内燃機関用ピストン。
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