JP4054754B2 - 内燃機関のピストンプロフィール加工方法 - Google Patents

内燃機関のピストンプロフィール加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関のピストンプロフィール加工方法に関し、詳しくは、潤滑油の消費量を長期間に渡って低く維持する対策に係わる。
一般に、内燃機関のピストンプロフィールは、潤滑油の消費量、シリンダライナの振動に起因する騒音やキャビテーションエロージョン、更にはピストンやリングの焼き付き等の問題と深い関係がある。
そのため、従来より、最適なピストンプロフィールを決定する方法としては、熱変形解析からピストン運転中の熱変形量を求め、実績あるピストンプロフィールに合致させるようにして決定することが行われているが、最適なピストンプロフィールを決定するには、エンジン各部の寸法諸元や運転条件などが微妙に影響するために非常に困難なものであった。
一方、近年の排ガス規制の強化に伴い、PM(パティキュレート・マター)の構成要素であるHCの原因となり得る潤滑油の消費量を低減させる要求が非常に強くなる傾向にある。このため、最適なピストンプロフィールを決定する上で、上述の如きトライアンドエラーの試行錯誤に頼らざるを得ないのが現状であった。
ところで、ピストンリングのうち、ピストンの燃焼室側に位置するトップリングは、燃焼ガスをシールし、セカンドランド部(トップリング溝とその下のセカンドリング溝との間)での潤滑油温度の上昇を抑えると共にガス圧を低く維持することで、トップリングの挙動を安定化させ、潤滑油の消費量を低く押さえる機能を有している。その場合、潤滑油の消費量を長時間に渡って低く抑える上で、トップリングのシリンダライナに対する摺動面形状を適正に維持、つまりトップリングのシリンダライナに対する摺動面の摩耗角度を適正に維持する必要があることは、従来より知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
実開昭57−073340号公報 特開平07−286667号公報
ところで、ピストンには、圧縮行程から膨張行程に移る上死点付近で大きなスラスト力が作用するため、該ピストンがスラスト力によりピストンピン回りにスラスト側に回転(ピストンの重心位置がピストンピンより上にあるため)しながら、ピストンは横移動し、ピストンの外周部の一点がシリンダライナの摺動面に衝突し、その衝突点を支点にしてピストンが回転する、所謂首振り運動が発生する。このような首振り運動が発生すると、トップリングのシリンダライナに対する摺動面が最も摩耗するため、首振り運動発生時(スラスト力作用時)のピストンの倒れ量と、トップリングのシリンダライナに対する摺動面の摩耗角度との間には深い関係がある。
その場合、ピストンの倒れ方向は、ピストンのプロフィールにより異なり、具体的には、運転中のピストンの最大径がピストンピンよりも下側にある所謂釣鐘形ピストンであればピストン頂部がピストンピン回りにスラスト側に倒れる。一方、ピストンの最大径がピストンピンよりも上側にある所謂、樽形ピストンであればピストン頂部がピストンピン回りに反スラスト側に倒れることになる。このように、ピストンに強いスラスト力が作用して上死点付近で首振り運動をするときには、トップリングの上面および背面にも強い筒内圧力が作用しているため、トップリングがトップリング溝下面とシリンダの摺動面とに強く押し付けられた状態でシリンダライナの摺動面を摺動し、トップリングのシリンダライナに対する摺動面は、概ねトップリング溝下面とシリンダライナの摺動面とのなす角度で摩耗することになる。つまり、トップリングのシリンダライナに対する摺動面は、スラスト側と反スラスト側とにおいてピストンの倒れ量の2倍に相当する摩耗角度差が生じることになる。従って、ピストンの倒れ量が大きい場合には、スラスト側(または反スラスト側)において適正な摩耗角度が得られても、反スラスト側(またはスラスト側)において不適正な摩耗角度となり、潤滑油の消費量が増大する。
また、ピストンプロフィールが不適正でピストンの倒れ量が大きいと、首振り運動時のトップリングのシリンダライナ摺動面上を摺動する速度や距離が増大し、トップリング下面での燃焼ガスのシール性悪化や、トップリングやシリンダライナの摺動面の摩耗量増大を招き、潤滑油消費量の増大を招くだけでなく、ピストンがシリンダライナに衝突する際の衝撃力が過大となり、シリンダライナの振動・騒音の増大や、場合によってはシリンダライナのキャビテーションエロージョンを招くことになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、潤滑油の消費量を長期間に渡って低く維持し、かつ騒音低減およびシリンダライナのキャビテーションエロージョンを防止することができる内燃機関のピストンプロフィール加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係わる発明が講じた解決手段は、内燃機関のピストンプロフィール加工方法として、トップリング溝内で例えばピン方向にトップリング合口部を固定したピストンを組み込んだ内燃機関を所定の運転条件下で運転した後、上記トップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度をそれぞれ計測し、その計測結果に基づいてトップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度差を極力小さくするようにピストンプロフィールを加工するようにしている。
この特定事項により、トップリングをトップリング溝に回り止めして固定したピストンを組み込んだ内燃機関を所定の運転条件下で運転したのち、そのトップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度を計測することにより、その摩耗角度差の1/2の角度が圧縮行程から膨張行程に移る上死点付近でのスラスト力による首振り運動時の倒れ量として把握される。このピストンの倒れ量は、概ね全行程中の最大のピストン倒れ量(倒れ角度)に相当するため、ピストンの倒れ方向と倒れ量からピストンの各部位でのピストンプロフィールをどの程度形状変更すれば良いかが容易にかつ正確に判明する。
これにより、トップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度の計測結果に基づいてトップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度差を極力小さくするようにピストンプロフィールを加工すれば、ピストンの運転中の倒れ量が低く抑えられることになり、トップリングのスラスト側および反スラスト側の全周に渡ってシリンダライナの摺動面に対する摩耗形状が適正に維持され、潤滑油の消費量を長期間に渡って低く抑えることが可能となる。
しかも、ピストンの運転中の倒れ量が低く抑えられることにより、ピストンの運転中のスラスト力による首振り運動によってシリンダライナに衝突する際の衝撃荷重が低く抑えられ、シリンダライナの振動・騒音を低減させることが可能となる上、シリンダライナのキャビテーションエロージョンを防止することが可能となる。
以上、説明したように、本発明によれば、トップリング溝内でトップリングを回り止めしたピストンを組み込んだ内燃機関を所定の運転条件下で運転した後、トップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度をそれぞれ計測した計測結果に基づいてトップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度差を極力小さくするようにピストンプロフィールを加工することで、ピストンの運転中の倒れ量を低く抑えて、トップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗形状を適正に維持し、潤滑油の消費量を長期間に渡って低く抑えることができる。しかも、ピストンの運転中のスラスト力による首振り運動によってシリンダライナに衝突する際の衝撃荷重を低く抑え、シリンダライナの振動・騒音を低減させることができる上、シリンダライナのキャビテーションエロージョンを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の実施例1に係る4サイクル内燃機関のピストン構造を示すピストンの外形図であって、このピストンとしては、その下部のスカート部10の最大径がピストンピン14よりも下側にあって、スカート部10の下端に行くに従い徐々に張出し量が多くなるような、いわゆる釣鐘形に形成された釣鐘形ピストン1が適用されている。
この釣鐘形ピストン1の上部には、最上位に位置するトップリング溝11と、その下に順に位置する3つのピストンリング溝12〜14とがそれぞれ設けられている。
また、上記釣鐘形ピストン1の下部側には、図示しないクランク軸方向(図1では紙面手前奥方向)に延びるピストンピン15が設けられている。このピストンピン15は、図示しないコンロッドを介してクランク軸に連結されている。そして、図2および図3に示すように、上記釣鐘形ピストン1のトップリング溝11には、合口部31を有する有端環状のトップリング3が嵌着されている。また、上記各ピストンリング溝12〜14には、図示しない合口部を有する有端環状のピストンリング4(図では最上位のもののみ示す)がそれぞれ嵌着されている。なお、16は、トップリング溝11とその下の最上位のピストンリング溝12との間に位置する釣鐘形ピストン1のセカンドランド部である。
上記各ピストン1には、圧縮行程から膨張行程に移る上死点付近で大きなスラスト力Fが作用するため、該釣鐘形ピストン1がスラスト力Fによりピストンピン15回りに反スラスト側に回転(ピストン1の重心がピストンピン15よりも上にあるため)しながら、ピストン1は横移動し、ピストン1の外周部の一点がシリンダライナ5の摺動面51に衝突し、その衝突点を支点にしてピストン1が矢印N方向(スラスト方向)に回転する、所謂首振り運動が発生するようになっている。この場合、釣鐘形ピストン1は、図1に示すように、衝突点がピストンピン15よりも下側にあるため、釣鐘形ピストン1頂部が衝突点を支点にしてスラスト側に回転、つまりピストン中心軸pが矢印N方向に傾斜角度θ{単位:′(1/60゜)}だけ傾斜することになる。
そして、釣鐘形ピストン1に強いスラスト力Fが作用して上死点付近で首振り運動をするときには、トップリング3の上面および背面にも強い筒内圧力が作用しているため、図4および図5に示すように、トップリング3がトップリング溝11下面とシリンダライナ5の摺動面51とに強く押し付けられた状態でシリンダライナ5の摺動面51を摺動し、トップリング3のシリンダライナ5に対する摺動面(外周面)は、概ねトップリング溝11下面に対し直交する直交線yとシリンダライナ5の摺動面51とのなす角度θ1,θ2で摩耗されることになる。つまり、トップリング3のシリンダライナ5に対する摺動面(外周面)は、スラスト側と反スラスト側とにおいてトップリング溝11下面に対し直交する直交線yとシリンダライナ5の摺動面51とのなす角度がθ1,θ2とスラスト側と反スラスト側で摩耗角度に差が生じ、その差(符号を考慮した)はピストン1の倒れ量(倒れ角度θ)の2倍に相当する。
この場合、ピストン1の倒れ量が大きいと、スラスト側において適切な摩耗角度θ1が得られても、反スラスト側において不適切な摩耗角度θ2になって潤滑油の消費量が増大することになる。また、ピストン1の倒れ量(倒れ角度θ)は、
θ=|θ1−θ2|/2
で求められる。
ここで、釣鐘形ピストン1のピストンプロフィールの加工方法の一例を図6および図7に基づいて説明する。
まず、釣鐘形ピストン1に作用するスラスト力によって衝突点を支点としてスラスト方向に回転する釣鐘形ピストン1の回転方向と直交するピストンピン15方向でトップリング3の合口部31を固定する。これは、釣鐘形ピストン1の場合、図6中二点鎖線で示すように、トップリング3の合口部31が、ピストン1が矢印N方向(スラスト側)に回転する首振り運動の発生時にスラスト側に固定されていれば、潤滑油の消費率が非常に多くなるものの、これと正対する反スラスト側の略180°の範囲に固定されていれば、潤滑油はほぼ一定の低い消費率で済むからである。具体的には、図2および図3に示すように、釣鐘形ピストン1のトップリング3の合口部31は、該ピストン1に作用するスラスト力Fによって衝突点を支点にスラスト側(矢印N方向)に回転するピストン1の回転方向と直交するピストンピン15方向において、トップリング溝11に嵌挿されたノックピン35によってトップリング3が回り止めされて固定されている。この場合、トップリング3の合口部31の上部には、ノックピン35に対し当接してトップリング3の回りを規制する略四分の一円弧状の切欠部31a,31aが互いに対応して設けられている。
次いで、ピストンピン15方向でノックピン35によりトップリング3を回り止めした釣鐘形ピストン1を組み込んだ図示しないエンジン(内燃機関)を所定の運転条件下で運転する。
その後、エンジンから釣鐘形ピストン1を取り外し、上記トップリング3のスラスト側および反スラスト側でのトップリング3下面に対するトップリング3摺動面の摩耗角度を計測し、トップリング3下面の直角面からの差としてシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗角度θ1,θ2を求める。
しかる後、トップリング3のスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗角度θ1,θ2の計測結果に基づいてトップリング3のスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗角度差を極力小さくするようにピストンプロフィールを加工する。
具体的なピストンプロフィールの加工手順については、図7を用いて説明する。この場合、釣鐘形ピストン1の倒れ量(倒れ角度)が、ある基準値θ0以下であればピストンプロフィールの修正は必要がなく、基準値θ0以上であればピストンプロフィールの修正が必要になる。しかし、ここでいう基準値θ0とは、所定の運転条件が必ずしもエンジンの最大負荷条件とは限らないことや仕組時の変形のバラツキ、更には長期間使用による冷却性能の劣化からくる熱変形量の増加等を考慮し決定されるべき値で、経験的に決定される値である。
まず、ピストンプロフィールは一般に直径で表示されるため、所定の運転条件での運転中に作用する温度分布による熱変形や筒内圧力による機械的な変形を応力(変形)解析プログラム等を用いて求め、各点の変形量を2倍して加工用のピストンプロフィール(表示せず)に加え、運転中のピストンプロフィールa(図7に破線で示す)を求める。
次いで、ピストン1のピストンプロフィールaに接する最大径線b(ピストン中心軸pと平行な線)を引き、そのピストン中心軸p側に摩耗角度差|θ1−θ2|(スラスト力Fによるピストン中心軸pの倒れ量θの2倍の角度)に相当する角度傾けた接線cを引く。そして、この接線cと最大径線bとの交点dを通りかつ最大径線bに対しピストン中心軸p側に基準値θ0傾けた仮想線e(図7に二点鎖線で示す)を最大径線bと接線cとの間に引く。
それから、仮想線eと最大径線bとに接するピストン本体hのピストンプロフィールf(図7に太実線で示す)を求める。リングランド部rおよびトップ部tのピストンプロフィールf,fは、当該部分の径の変化量をリングランド部rおよびトップ部tでのピストンプロフィールa,aにそれぞれ加えることにより求められる。
従って、修正後の加工用のピストンプロフィールは、修正された運転中のピストンプロフィールfから最初に加えた運転中の変化量(温度分布による熱変形量と筒内圧力による機械的変形量)を差し引くことにより求められる。
この場合、一般に筒内圧力による機械的な変形量は小さいため、運転中のピストンプロフィールaを求めるにあたって温度分布による熱変形だけを考慮して行ってもよい。
このように、上記実施例では、トップリング3をトップリング溝11に回り止めして固定したピストン1を組み込んだエンジンを所定の運転条件下で運転したのち、そのトップリング3のスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗角度θ1,θ2を計測することにより、その摩耗角度差|θ1−θ2|の1/2の角度θが圧縮行程から膨張行程に移る上死点付近でのスラスト力による首振り運動時の倒れ量として把握される。このピストン1の倒れ量は、概ね全行程中の最大のピストン倒れ量(倒れ角度)に相当するため、ピストン1の倒れ方向(スラスト側)と倒れ量θからピストン1の各部位(ピストン本体h、リングランド部rおよびトップ部t)でのピストンプロフィールa,…をどの程度形状変更すれば良いかが容易にかつ正確に判明する。
これにより、トップリング3のスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗角度θ1,θ2の計測結果に基づいてトップリング3のスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗角度差|θ1−θ2|を極力小さくするようにピストンプロフィールa,…を加工すれば、ピストン1の運転中の倒れ量が低く抑えられることになり、トップリング3のスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナ5の摺動面51に対する摩耗形状が適正に維持され、潤滑油の消費量を長期間に渡って低く抑えることができる。
しかも、ピストン1の運転中の倒れ量が低く抑えられることにより、ピストン1の運転中のスラスト力による首振り運動によってシリンダライナ5に衝突する際の衝撃荷重が低く抑えられ、シリンダライナ1の振動・騒音を低減させることができる上、シリンダライナ5のキャビテーションエロージョンを防止することができる。
次に、本発明の実施例2を図8に基づいて説明する。
この実施例2では、運転中の釣鐘形ピストン1の熱変形量が不明である場合のピストンプロフィールの加工手順について述べる。
すなわち、運転中の釣鐘形ピストン1の熱変形量が不明である場合には、図8に示すように、加工用ピストンプロフィールg(図8に破線で示す)を用い、熱変形量が既知の場合と同様に、ピストン1のピストンプロフィールgに接する最大径線j(ピストン中心軸pと平行な線)を引き、ピストンプロフィールgに、摩耗角度差|θ1−θ2|(スラスト力Fによるピストン中心軸pの倒れ量θの2倍の角度)に相当する角度傾けた接線kを引く。そして、最大径線jに対しピストン中心軸p側に基準値θ0傾けたピストンプロフィールgに接する仮想線m(図8に二点鎖線で示す)を引く。
次に、接線kと仮想線mの当該部分の径の変化量をピストンプロフィールgに加えることにより、修正後のピストンプロフィールnが求められる。
この場合、実施例2においても、上記実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施例では、釣鐘形ピストン1のピストンプロフィールを加工する場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えばピストンの最大径がピストンピンよりも上側にある所謂樽形ピストンにも適用することができるのはもちろんである。その場合、樽形ピストンは、スラスト力による首振り運動によってピストン頂部がピストンピン回りに反スラスト側に倒れることになる。
本発明の実施例1に係わる釣鐘形ピストンを模式的に示す外形図である。 同じくトップリングの合口部付近を示すピストンの外形図である。 同じくトップリングの合口部付近で切断したピストンの断面図である。 同じくトップリングのスラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度を説明する断面図である。 同じくトップリングの反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度を説明する断面図である。 同じく釣鐘形ピストンのトップリングの合口部の固定位置に対する潤滑油の消費率の特性を示す特性図である。 同じくピストンのピストンプロフィールの加工手順を示す説明図である。 本発明の実施例2に係わる釣鐘形ピストンのピストンプロフィールの加工手順を示す説明図である。
符号の説明
1 釣鐘形ピストン(ピストン)
11 トップリング溝
3 トップリング
5 シリンダライナ
51 摺動面
a ピストンプロフィール
θ0 ピストンの倒れ量の基準値
θ1 トップリングのスラスト側での摩耗角度
θ2 トップリングの反スラスト側での摩耗角度
|θ1−θ2|
摩耗角度差

Claims (1)

  1. 内燃機関のピストンプロフィール加工方法において、
    トップリング溝内でトップリングを回り止めしたピストンを組み込んだ内燃機関を所定の運転条件下で運転した後、
    上記トップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度をそれぞれ計測し、
    その計測結果に基づいてトップリングのスラスト側および反スラスト側でのシリンダライナの摺動面に対する摩耗角度差を極力小さくするようにピストンプロフィールを加工することを特徴とする内燃機関のピストンプロフィール加工方法。
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