JPH06229315A - 内燃機関のピストン装置 - Google Patents

内燃機関のピストン装置

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Publication number
JPH06229315A
JPH06229315A JP1902193A JP1902193A JPH06229315A JP H06229315 A JPH06229315 A JP H06229315A JP 1902193 A JP1902193 A JP 1902193A JP 1902193 A JP1902193 A JP 1902193A JP H06229315 A JPH06229315 A JP H06229315A
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JP
Japan
Prior art keywords
piston
top land
cylinder bore
cylinder
honing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1902193A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Goto
隆治 後藤
Yoshiki Sekiya
芳樹 関谷
Takayuki Arai
孝之 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP1902193A priority Critical patent/JPH06229315A/ja
Publication of JPH06229315A publication Critical patent/JPH06229315A/ja
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッド一体型エンジンブロックに適したピス
トン装置を提供する。 【構成】 シリンダボア13の上端に環状に窪むホーニ
ング逃げ部13が形成されたヘッド一体型エンジンブロ
ックを備える内燃機関において、ピストン15のトップ
ランド16の上端の外径をトップランド16の下端の外
径より大きく形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のピストン装
置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピストンは燃焼ガス圧力を受けてシリン
ダ内で往復動し、ピストンピンおよびコンロッドを介し
てクランクシャフトの回転力に変換するが、燃焼圧力の
合力はコンロッドの軸方向への力と、ピストンの軸心に
直交する力に分かれるため、ピストンはスラストおよび
反スラスト方向でガス圧力および慣性力により軸心に対
して傾斜する首振りが生じる。
【0003】従来の内燃機関のピストン装置は、例えば
図12に示すように、ピストン31の外周面が樽状に湾
曲して形成され、トップリング溝32より燃焼室側に位
置するトップランド33の外径も下端から上端にかけて
小さくなっている。なお、ピストン31の半径が40m
m程度の場合、トップランド33の縮径幅mは0.3m
m程度に設定され、トップランド33の下端から上端に
かけての縮径幅nは0.05mm程度に設定される。
【0004】このようにピストン31は下端から上端に
かけて縮径して形成されることにより、ピストン31が
熱膨張しても、ピストン31の首振りによってトップラ
ンド33がシリンダボアと干渉することが避けられる
(実開昭60−143147号公報、実開昭62−17
9346号公報、参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、後述す
るようにシリンダボアの上端に環状に窪むホーニング逃
げ部が形成されたヘッド一体型エンジンブロックを備え
る内燃機関にあっては、トップランドの外径が下端から
上端にかけて小さくなっていることにより、シリンダボ
アとトップランド間に挟まれるクレビス容積が過大とな
り、燃焼の行われないクエンチ域が大きくなって未燃焼
ガスの排出量が増大するという問題点が考えられる。
【0006】本発明は上記の問題点に着目し、ヘッド一
体型エンジンブロックに適したピストン装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダボア
の上端に環状に窪むホーニング逃げ部が形成されたヘッ
ド一体型エンジンブロックを備える内燃機関において、
ピストンのトップランド上端の外径をトップランド下端
の外径より大きく形成する。
【0008】
【作用】トップランド上端の外径をトップランド下端の
外径より大きく形成することにより、シリンダボアのホ
ーニング逃げ部とトップランドの間に挟まれるクレビス
容積を小さくし、燃焼室におけるクエンチ域を減らして
未燃焼ガスの排出量を低減する。
【0009】ピストンが上死点付近に来ると、トップラ
ンド上端はホーニング逃げ部に対峙し、トップランド下
端は正規径のシリンダボアに対峙する。トップランド上
端の外径を、トップランド下端の外径より大きくしてあ
るので、上記作用を実現しつつ、トップランド上端およ
び下端でシリンダボアとのクリアランスを確保すること
が可能となり、ピストンの首振りが起きても、トップラ
ンドとシリンダボアが干渉しない。
【0010】ピストンの下死点付近で起きる首振りは、
上死点付近に比べて小さいので、トップランド上端とシ
リンダボアとは干渉しない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0012】図3に示すように、エンジンブロック1は
ピストン15を収装するシリンダ部2と、このシリンダ
部2の上方に位置して燃焼室を画成するヘッド部3と
が、アルミ合金にて一体に鋳造される。図中4は、シリ
ンダ部2の下部に形成されるスカート部、5はクランク
シャフトを支持する主軸受部、6はヘッド部に形成され
る吸気ポート、7は排気ポートである。
【0013】シリンダ部2の外側を囲むようにウォータ
ジャケット9が形成される。ウォータジャケット9の上
端はヘッド部3に形成されるウォータジャケット10と
連通している。
【0014】ウォータジャケット9の下端はシリンダ部
2の中間位置に形成され、シリンダ部2の温度を均一化
するようになっている。
【0015】シリンダ部2の内側には鋳鉄製ライナ8が
鋳込まれる。なお、ライナ8を廃止して、シリンダ部2
に直接シリンダボアを形成しても良い。
【0016】図2に示すように、シリンダボア13の上
部にはホーニング逃げ部12が環状に窪んで形成され
る。
【0017】シリンダボア13を砥石で研磨するホーニ
ング加工時に、先にシリンダボア13の上端に環状に窪
むホーニング逃げ部12が形成され、シリンダボア13
の加工精度を確保している。シリンダボア13の上部に
ホーニング逃げ部12が形成されない場合、砥石の先端
部が止まり穴形状のシリンダボア13の上部に当たり、
砥石の摩耗量がその先端部で大きくなり、ボア径が設計
値より小さくなる心配がある。
【0018】ホーニング逃げ部12の内径はシリンダボ
ア径より所定の寸法2Lだけ大きく形成される。シリン
ダボア径が40mm程度の場合、ホーニング逃げ部12
がその下部のシリンダボア13に対して窪む深さLは、
0.025≦L≦0.05mmの範囲で設定される。
【0019】図1に示すように、ピストン15の上部に
はトップリング17が嵌められるトップリング溝18が
形成される。トップリング溝18より燃焼室側に位置し
てシリンダボア13に対峙するトップランド16が形成
される。
【0020】図1に示すようにピストン15が上死点に
ある状態で、トップランド16はホーニング逃げ部12
に対峙し、トップリング17がホーニング逃げ部12よ
り下方のシリンダボア13に当たるようにする。
【0021】トップランド16は、その上端の外径がト
ップランド16の下端の径より所定の寸法2Qだけ大き
くなるように、その上端から下端にかけて漸次縮径する
逆テーパ状に形成される。なお、図示した各部の寸法差
は、便宜上実際よりも誇張して大きくしてあるが、実際
にはかなり小さいものであり、ピストン15の半径が4
0mm程度の場合、トップランド16の突出幅Qは0.
03mm程度に設定される。
【0022】次に、作用について説明する。
【0023】ピストン15に働く燃焼圧力の合力は、コ
ンロッドの軸方向への力と、ピストン15の軸心に直交
する力に分かれるため、ピストン15はスラストおよび
反スラスト方向でガス圧力および慣性力によって軸心に
対して傾斜する首振りが生じる。
【0024】ピストン15が上死点付近に来ると、トッ
プランド16の上端はホーニング逃げ部12に対峙し、
トップランド16の下端は正規径のシリンダボア13に
対峙する。トップランド16上端の外径を、トップラン
ド16の下端の外径より大きくしてあるので、トップラ
ンド16の上端および下端でシリンダボア13とのクリ
アランスを確保することが可能となり、ピストン15の
首振りが起きても、トップランド16とシリンダボア1
3が干渉しない。
【0025】ピストン15の下死点付近で起きる首振り
は、上死点付近に比べて小さいので、トップランド16
の上端とシリンダボア13とは干渉しない。
【0026】ヘッド一体型エンジンブロック1は、シリ
ンダ部2とヘッド部3の間にガスケット等が介装される
ことがなく、両者に形成されるウォータジャケット9,
10の連通路を十分に大きくして、燃焼ガスに直接さら
されるシリンダ部2の上部の冷却性を高められる。ウォ
ータジャケット9の下端がシリンダ部2の中間位置に形
成され、シリンダ部2の下部を保温性を高められる。こ
れにより、シリンダ部2の温度分布を図5に実線で示す
ように均一化させることができる。これに対して、シリ
ンダ部とヘッド部が別体で形成され、ウォータジャケッ
トがシリンダ部の下部にまで設けられた深底ウォータジ
ャケットを備える従来の機関の場合、シリンダ部の温度
勾配は図5に破線で示すように大きくなる。
【0027】図6は、ヘッド別体型エンジンブロックと
深底ウォータジャケットおよび樽状ピストンを備える従
来の機関、ヘッド一体型エンジンブロックと浅底ウォー
タジャケットおよび樽状ピストンを備える機関、本発明
によるヘッド一体型エンジンブロックと浅底ウォータジ
ャケットおよび逆テーパ状ピストンを備える機関につい
て、ピストンの首振りを考慮した場合に、トップランド
とシリンダボアが干渉しないために必要なシリンダボア
に対するトップランドの最小クリアランスをそれぞれ表
したものである。
【0028】本発明によれば、機関高温時にも、図4に
示すように、ピストン15が上死点にある状態で、トッ
プランド16の上端とホーニング逃げ部12のクリアラ
ンスS1と、トップランド16の下端とシリンダボア1
3のクリアランスS2はそれぞれ0.12mm以上確保
できる。ピストン15が下死点にある状態で、トップラ
ンド16の上端とシリンダボア13のクリアランスS3
は0.08mm以上確保できる。
【0029】本発明による機関は、ホーニング逃げ部1
2に対峙するトップランド16を逆テーパ状に形成して
いるため、最小クリアランスを常温時と高温時に渡って
比較的小さくし、シリンダボア13とトップランド16
の間に挟まれるクレビス容積が比較的小さくなることに
より、燃焼室におけるクエンチ域を減らし、未燃焼ガス
の排出量が低減することができる。
【0030】次に、図7に示した他の実施例は、トップ
ランド16が、その上端から下端にかけてピストン軸心
と平行な円筒面23と、この円筒面23の下端からトッ
プリング溝18の開口縁部に渡って漸次縮径する傾斜面
24とを有するものである。
【0031】一方、ホーニング逃げ部12は、図8に示
すように、シリンダボア13の軸心に平行な円筒面25
と、円筒面25の下端から下方に漸次縮径する傾斜面2
6とを有する。
【0032】この場合、トップランド16の円筒面23
とホーニング逃げ部12の円筒面25が互いに平行に対
峙することにより、両者の間に画成されるクレビス容積
を削減することができる。
【0033】次に、図9に示した他の実施例は、トップ
ランド16が、その上端から下端にかけて漸次縮径する
傾斜面21と、この傾斜面21の下端からトップリング
溝18の開口縁部に渡ってピストン軸心と平行な円筒面
22を有するものである。
【0034】一方、ホーニング逃げ部12は、図10に
示すように、その下端から上端の近傍にかけて次第に拡
径するテーパ状に形成される。
【0035】この場合、トップランド16の傾斜面21
とホーニング逃げ部12が互いに平行に対峙することに
より、両者の間に画成されるクレビス容積を削減するこ
とができる。
【0036】また、図11の平面図上において、トップ
ランド16において、その下端から上端にかけて拡径す
る形状とする部分を、ピストン軸心からピストンピン軸
Pに対してスラスト側と反スラスト側にそれぞれ所定角
度θ(40°≦θ≦45°)だけひろがったフロント側
とリア側の領域のみに形成しても良い。
【0037】この場合、ピストンの首振りによりピスト
ン軸心に対して傾斜するスラスト側および反スラスト側
でトップランド16の突出幅を小さくすることで、トッ
プランド16とシリンダボアとの衝突が確実に防止され
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、シリンダ
ボアの上端に環状に窪むホーニング逃げ部が形成された
ヘッド一体型エンジンブロックを備える内燃機関におい
て、ピストンのトップランド上端の外径をトップランド
下端の外径より大きく形成したため、シリンダボアとト
ップランドの間に挟まれるクレビス容積を小さくし、燃
焼室におけるクエンチ域を減らして未燃焼ガスの排出量
が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すピストンおよびシリンダ
ボアの断面図。
【図2】同じくシリンダボアの断面図。
【図3】同じくエンジンブロックの全体断面図。
【図4】同じくピストンおよびシリンダボアの概略断面
図。
【図5】同じくシリンダ部の温度分布図。
【図6】同じくシリンダボアに対するトップランドのク
リアランスを表す線図。
【図7】他の実施例を示すピストンの断面図。
【図8】シリンダボアの断面図。
【図9】さらに他の実施例を示すピストンの断面図。
【図10】シリンダボアの断面図。
【図11】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図12】従来例を示すピストンの断面図。
【符号の説明】
1 エンジンブロック 12 ホーニング逃げ部 13 シリンダボア 16 トップランド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボアの上端に環状に窪むホーニ
    ング逃げ部が形成されたヘッド一体型エンジンブロック
    を備える内燃機関において、ピストンのトップランド上
    端の外径をトップランド下端の外径より大きく形成した
    ことを特徴とする内燃機関のピストン装置。
JP1902193A 1993-02-05 1993-02-05 内燃機関のピストン装置 Pending JPH06229315A (ja)

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JP1902193A JPH06229315A (ja) 1993-02-05 1993-02-05 内燃機関のピストン装置

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JP (1) JPH06229315A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016011631A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 日産自動車株式会社 内燃機関
JP5973037B1 (ja) * 2015-07-08 2016-08-17 株式会社サステナブル・エンジン・リサーチセンター エンジンのピストン構造
DE102019203650A1 (de) * 2019-03-18 2020-09-24 Mahle Lnternational Gmbh Kolben für eine Brennkraftmaschine

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111706442A (zh) * 2019-03-18 2020-09-25 马勒国际有限公司 用于内燃机的活塞
US11054030B2 (en) 2019-03-18 2021-07-06 Mahle International Gmbh Piston for an internal combustion engine

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