JPH0925824A - エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材 - Google Patents
エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材Info
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- JPH0925824A JPH0925824A JP7172495A JP17249595A JPH0925824A JP H0925824 A JPH0925824 A JP H0925824A JP 7172495 A JP7172495 A JP 7172495A JP 17249595 A JP17249595 A JP 17249595A JP H0925824 A JPH0925824 A JP H0925824A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンジンの燃焼部において使用される部材の
耐熱性および耐酸化性をさらに向上させる。 【解決手段】 重量%で、C:0.1〜0.4%、S
i:1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜
21%、Ta:1.5〜6%、場合によってはさらに、
Mo:0.5%以下,V:0.2%以下,W:2.0%
以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部Feお
よび不純物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼からな
るものとしたエンジンの燃焼部に使用される耐熱部材。
耐熱性および耐酸化性をさらに向上させる。 【解決手段】 重量%で、C:0.1〜0.4%、S
i:1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜
21%、Ta:1.5〜6%、場合によってはさらに、
Mo:0.5%以下,V:0.2%以下,W:2.0%
以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部Feお
よび不純物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼からな
るものとしたエンジンの燃焼部に使用される耐熱部材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃焼部
に使用される耐熱部材に関し、例えば、ディーゼルエン
ジンのホットチャンバー(コンバッションチャンバー)
に好適な耐熱部材(部品ないしは素材)に関するもので
ある。
に使用される耐熱部材に関し、例えば、ディーゼルエン
ジンのホットチャンバー(コンバッションチャンバー)
に好適な耐熱部材(部品ないしは素材)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】エンジンの燃焼部に使用される耐熱部
材、例えば、ディーゼルエンジンのホットチャンバー
は、加熱および冷却が繰り返し付与される状態で使用さ
れるため、耐熱性(耐熱変形性,耐熱亀裂性等)および
耐酸化性などに優れていることが要求されると共に、冷
却時の耐スケール剥離性にも優れていることが要求され
る。
材、例えば、ディーゼルエンジンのホットチャンバー
は、加熱および冷却が繰り返し付与される状態で使用さ
れるため、耐熱性(耐熱変形性,耐熱亀裂性等)および
耐酸化性などに優れていることが要求されると共に、冷
却時の耐スケール剥離性にも優れていることが要求され
る。
【0003】ディーゼルエンジンのホットチャンバー
は、図1に示すように、吸気ポート1を開閉する吸気バ
ルブ2および排気ポート3を開閉する排気バルブ4を備
えたシリンダボア5の上部ないしはやや側方にホットチ
ャンバー(コンバッションチャンバー)6として取り付
けられており、このホットチャンバー6には副噴口6a
が設けられていると共に、グロープラグ7および噴射ノ
ズル8が設けられている。
は、図1に示すように、吸気ポート1を開閉する吸気バ
ルブ2および排気ポート3を開閉する排気バルブ4を備
えたシリンダボア5の上部ないしはやや側方にホットチ
ャンバー(コンバッションチャンバー)6として取り付
けられており、このホットチャンバー6には副噴口6a
が設けられていると共に、グロープラグ7および噴射ノ
ズル8が設けられている。
【0004】このホットチャンバー6は、渦流式タイプ
のものに適用されており、シリンダボア5により形成さ
れる主燃焼室の上部ないしは側方に球形状ないしは繭形
状の副燃焼室を設け、圧縮工程時においてこの副燃焼室
の部分で空気の渦流を発生させると同時にこの副燃焼室
の部分に噴射ノズル8から燃料を噴射し、この渦流を利
用して高圧空気と燃料とをよく混合させて燃焼させる方
式のものに使用される。
のものに適用されており、シリンダボア5により形成さ
れる主燃焼室の上部ないしは側方に球形状ないしは繭形
状の副燃焼室を設け、圧縮工程時においてこの副燃焼室
の部分で空気の渦流を発生させると同時にこの副燃焼室
の部分に噴射ノズル8から燃料を噴射し、この渦流を利
用して高圧空気と燃料とをよく混合させて燃焼させる方
式のものに使用される。
【0005】そのため、加熱−冷却の繰り返しの環境の
下で使用されることとなるので、耐熱性(耐熱変形性,
耐熱亀裂性等),耐酸化性,耐スケール剥離性などに優
れていることが要求される。
下で使用されることとなるので、耐熱性(耐熱変形性,
耐熱亀裂性等),耐酸化性,耐スケール剥離性などに優
れていることが要求される。
【0006】従来、このようなホットチャンバーの素材
としては、マルテンサイト系,フェライト系,オーステ
ナイト系のステンレス鋼ないしは耐熱鋼が使用されてお
り、冷間鍛造か精密鋳造により製造されている。
としては、マルテンサイト系,フェライト系,オーステ
ナイト系のステンレス鋼ないしは耐熱鋼が使用されてお
り、冷間鍛造か精密鋳造により製造されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンの出力向上や排ガス規制対策などにより、ホットチャ
ンバー内の温度はさらに上昇する傾向を示しており、今
後、より一層の耐熱性,耐酸化性を有するものが要求さ
れていることから、このような特性の優れたホットチャ
ンバーなどのエンジンの燃焼部に使用される耐熱部材の
開発が望まれているという課題があった。
ンの出力向上や排ガス規制対策などにより、ホットチャ
ンバー内の温度はさらに上昇する傾向を示しており、今
後、より一層の耐熱性,耐酸化性を有するものが要求さ
れていることから、このような特性の優れたホットチャ
ンバーなどのエンジンの燃焼部に使用される耐熱部材の
開発が望まれているという課題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、耐熱性(耐熱変形性,耐
熱亀裂性等)および耐酸化性により一層優れているエン
ジンの燃焼部に使用される耐熱部材を提供することを目
的としている。
がみてなされたものであって、耐熱性(耐熱変形性,耐
熱亀裂性等)および耐酸化性により一層優れているエン
ジンの燃焼部に使用される耐熱部材を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるエンジン
の燃焼部に使用される耐熱部材は、請求項1に記載して
いるように、重量%で、C:0.1〜0.4%、Si:
1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜21
%、Ta:1.5〜6%を含有し、残部Feおよび不純
物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼からなることを
特徴としており、同じく、請求項2に記載しているよう
に、重量%で、C:0.1〜0.4%、Si:1.0%
以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜21%、T
a:1.5〜6%、およびMo:0.5%以下,V:
0.2%以下,W:2.0%以下のうちの1種または2
種以上を含有し、残部Feおよび不純物の組成を有する
フェライト系耐熱鋳鋼からなることを特徴としている。
の燃焼部に使用される耐熱部材は、請求項1に記載して
いるように、重量%で、C:0.1〜0.4%、Si:
1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜21
%、Ta:1.5〜6%を含有し、残部Feおよび不純
物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼からなることを
特徴としており、同じく、請求項2に記載しているよう
に、重量%で、C:0.1〜0.4%、Si:1.0%
以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜21%、T
a:1.5〜6%、およびMo:0.5%以下,V:
0.2%以下,W:2.0%以下のうちの1種または2
種以上を含有し、残部Feおよび不純物の組成を有する
フェライト系耐熱鋳鋼からなることを特徴としている。
【0010】そして、本発明に係わるエンジンの燃焼部
に使用される耐熱部材においてはさらに、請求項3に記
載しているように、Taの一部をNbで置換してなるも
のとすることができる。
に使用される耐熱部材においてはさらに、請求項3に記
載しているように、Taの一部をNbで置換してなるも
のとすることができる。
【0011】また、本発明に係わるエンジンの燃焼部に
使用される耐熱部材は、請求項4に記載しているよう
に、エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材が、ディー
ゼルエンジンのホットチャンバーであるものとすること
ができる。
使用される耐熱部材は、請求項4に記載しているよう
に、エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材が、ディー
ゼルエンジンのホットチャンバーであるものとすること
ができる。
【0012】
【発明の作用】本発明に係わるエンジンの燃焼部に使用
される耐熱部材は、上記した化学成分組成(重量%)を
有するものであるが、次に、その成分組成の限定理由を
各元素の作用と共に説明する。
される耐熱部材は、上記した化学成分組成(重量%)を
有するものであるが、次に、その成分組成の限定理由を
各元素の作用と共に説明する。
【0013】C:0.1〜0.4% Cは高温クリープ強度を高めるのに寄与する析出強化元
素であり、このような作用を得るためには0.1%以
上、より好ましくは0.15%、さらに好ましくは0.
18%以上含有させることとしている。しかし、多すぎ
るとマルテンサイト組織となり、耐酸化性および耐食性
を低下させるため、0.4%以下、より好ましくは0.
35%以下、さらに望ましくは0.3%以下としてい
る。
素であり、このような作用を得るためには0.1%以
上、より好ましくは0.15%、さらに好ましくは0.
18%以上含有させることとしている。しかし、多すぎ
るとマルテンサイト組織となり、耐酸化性および耐食性
を低下させるため、0.4%以下、より好ましくは0.
35%以下、さらに望ましくは0.3%以下としてい
る。
【0014】Si:1.0%以下 Siはγ相の範囲を狭め、フェライト組織を安定化する
のに寄与すると共に、耐酸化性被膜の生成に有効であっ
て耐酸化性の向上に寄与する元素であるが、多すぎると
靭性および加工性を低下させることから1.0%以下、
より好ましくは0.95%以下としている。
のに寄与すると共に、耐酸化性被膜の生成に有効であっ
て耐酸化性の向上に寄与する元素であるが、多すぎると
靭性および加工性を低下させることから1.0%以下、
より好ましくは0.95%以下としている。
【0015】Mn:0.6%以下 Mnはエンジンの燃焼部に使用される耐熱部材を鋳造に
よって製造する場合の鋳造性を向上させるのに有効な元
素であるが、多すぎると靭性や加工性を害することとな
るので0.6%以下、より好ましくは0.55%以下と
している。
よって製造する場合の鋳造性を向上させるのに有効な元
素であるが、多すぎると靭性や加工性を害することとな
るので0.6%以下、より好ましくは0.55%以下と
している。
【0016】Cr:16〜21% Crは耐酸化性の向上に有効な元素であると共に炭化
物,窒化物などを析出することによって高温強度を向上
させるのにも有効な元素であるので、このような作用を
得るために16%以上、より好ましくは16.5%以
上、さらに好ましくは17%以上としている。しかし、
多すぎると一次炭化物の粗大化を生じたり高温でのσ相
の生成などをきたしたりするので、21%以下、より好
ましくは20%以下、さらに好ましくは19%以下とし
ている。
物,窒化物などを析出することによって高温強度を向上
させるのにも有効な元素であるので、このような作用を
得るために16%以上、より好ましくは16.5%以
上、さらに好ましくは17%以上としている。しかし、
多すぎると一次炭化物の粗大化を生じたり高温でのσ相
の生成などをきたしたりするので、21%以下、より好
ましくは20%以下、さらに好ましくは19%以下とし
ている。
【0017】Ta:1.5〜6% TaはCと結合して共晶炭化物を形成することにより高
温強度を向上させるのに有効な元素であるので、このよ
うな作用を得るために1.5%以上、より好ましくは2
%以上含有させることとしている。しかし、多すぎると
靭性を害することとなるので、6%以下としている。
温強度を向上させるのに有効な元素であるので、このよ
うな作用を得るために1.5%以上、より好ましくは2
%以上含有させることとしている。しかし、多すぎると
靭性を害することとなるので、6%以下としている。
【0018】そして、このTaに代えてNbを含有させ
ることによっても高温強度を向上させる作用が得られ、
Taの上限である6%と同価の作用は4%Ta+1.2
%Nb,2%Ta+1.5%Nb,0%Ta+2.5%
Nbであることが認められたので、Nbは2.5%以下
の範囲で置換するようになすことも場合によっては望ま
しい。
ることによっても高温強度を向上させる作用が得られ、
Taの上限である6%と同価の作用は4%Ta+1.2
%Nb,2%Ta+1.5%Nb,0%Ta+2.5%
Nbであることが認められたので、Nbは2.5%以下
の範囲で置換するようになすことも場合によっては望ま
しい。
【0019】Mo:0.5%以下,V:0.2%以下,
W:2.0%以下のうちの1種または2種以上 Mo,V,Wは高温強度を向上させるのに有効な元素で
あるので、これらの元素のうちの1種または2種以上を
適宜に含有させることも場合によっては望ましい。そし
て、Moは少量の添加で高温クリープ強度を向上させる
のに有用な元素であるので、適宜含有させることも望ま
しいが、多すぎると靭性を害することとなるので0.5
%以下、場合によっては0.4%以下とするのがよく、
VはCと結合して析出強化することによって高温での強
度を向上させるのに有用な元素であるので、適宜含有さ
せることも望ましいが、多すぎると靭性を害することと
なるので0.2%以下とするのがよく、Wはフェライト
基地を固溶強化して室温における延性を損なわずに高温
強度を向上させるのに有用な元素であるので、適宜含有
させることも望ましいが、多すぎると靭性を害すること
となるので2.0%以下とするのがよい。
W:2.0%以下のうちの1種または2種以上 Mo,V,Wは高温強度を向上させるのに有効な元素で
あるので、これらの元素のうちの1種または2種以上を
適宜に含有させることも場合によっては望ましい。そし
て、Moは少量の添加で高温クリープ強度を向上させる
のに有用な元素であるので、適宜含有させることも望ま
しいが、多すぎると靭性を害することとなるので0.5
%以下、場合によっては0.4%以下とするのがよく、
VはCと結合して析出強化することによって高温での強
度を向上させるのに有用な元素であるので、適宜含有さ
せることも望ましいが、多すぎると靭性を害することと
なるので0.2%以下とするのがよく、Wはフェライト
基地を固溶強化して室温における延性を損なわずに高温
強度を向上させるのに有用な元素であるので、適宜含有
させることも望ましいが、多すぎると靭性を害すること
となるので2.0%以下とするのがよい。
【0020】本発明に係わるエンジンの燃焼部に使用さ
れる耐熱部材は、このような組成としたことにより、9
00℃以上、さらには1050℃程度の高温においても
耐熱性および耐酸化性に優れたものとなり、高温での耐
熱性(耐熱変形性,耐熱亀裂性等)および耐酸化性なら
びに冷却時の耐スケール剥離性に優れていることが要求
されるディーゼルエンジン用ホットチャンバーとして好
適なものとなる。
れる耐熱部材は、このような組成としたことにより、9
00℃以上、さらには1050℃程度の高温においても
耐熱性および耐酸化性に優れたものとなり、高温での耐
熱性(耐熱変形性,耐熱亀裂性等)および耐酸化性なら
びに冷却時の耐スケール剥離性に優れていることが要求
されるディーゼルエンジン用ホットチャンバーとして好
適なものとなる。
【0021】
【実施例】表1に示した化学成分組成の合金溶湯を溶製
したのち、精密鋳造鋳型を用いた減圧吸引鋳造法によっ
てディーゼルエンジン用ホットチャンバーに鋳造成形し
た。
したのち、精密鋳造鋳型を用いた減圧吸引鋳造法によっ
てディーゼルエンジン用ホットチャンバーに鋳造成形し
た。
【0022】
【表1】
【0023】次いで、各鋳造成形品において、ゲートカ
ットおよびサンドブラストを行った後、780℃×1H
加熱保持→空冷の応力除去焼鈍を実施し、各試験のテス
トサンプルとした。
ットおよびサンドブラストを行った後、780℃×1H
加熱保持→空冷の応力除去焼鈍を実施し、各試験のテス
トサンプルとした。
【0024】各試験のうち、引張試験は、常温(20
℃)および高温(900℃)で実施した。この結果を表
2に示す。
℃)および高温(900℃)で実施した。この結果を表
2に示す。
【0025】また、耐酸化性の評価試験は、φ5×20
mmの試験片を1000℃×20H加熱保持→空冷の加
熱・冷却を3回繰り返し、その都度、酸化による重量増
加量を測定した。この結果を同じく表2に示す。
mmの試験片を1000℃×20H加熱保持→空冷の加
熱・冷却を3回繰り返し、その都度、酸化による重量増
加量を測定した。この結果を同じく表2に示す。
【0026】そして、耐スケール剥離性の評価試験は、
上記耐酸化性の評価試験において、スケールの剥離の有
無を目視によって評価した。この結果を同じく表2に示
すが、○はスケールの剥離が全くなかったこと、△はス
ケールの剥離が若干認められたことを示している。
上記耐酸化性の評価試験において、スケールの剥離の有
無を目視によって評価した。この結果を同じく表2に示
すが、○はスケールの剥離が全くなかったこと、△はス
ケールの剥離が若干認められたことを示している。
【0027】さらに、熱疲労試験は、各ホットチャンバ
ー材について 常温⇔950℃ の加熱・冷却を400
サイクル繰り返し、その後の耐熱変形性および耐熱亀裂
性を評価した。これらの結果を同じく表2に示す。
ー材について 常温⇔950℃ の加熱・冷却を400
サイクル繰り返し、その後の耐熱変形性および耐熱亀裂
性を評価した。これらの結果を同じく表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表1および表2に示した結果より明らかな
ように、本発明例No.2〜9では、比較例No.1
(SUS430)に比べて、常温での引張強度特性に優
れているだけでなく、高温での引張強度特性にも優れて
いることが明らかである。
ように、本発明例No.2〜9では、比較例No.1
(SUS430)に比べて、常温での引張強度特性に優
れているだけでなく、高温での引張強度特性にも優れて
いることが明らかである。
【0030】また、本発明例No.2〜9では、比較例
No.1(SUS430)に比べて酸化増量が少なく、
耐酸化性に優れていることが明らかであり、耐スケール
剥離性にも優れていると共に、耐熱変形性および耐熱亀
裂性も良好なものであることが認められた。
No.1(SUS430)に比べて酸化増量が少なく、
耐酸化性に優れていることが明らかであり、耐スケール
剥離性にも優れていると共に、耐熱変形性および耐熱亀
裂性も良好なものであることが認められた。
【0031】したがって、本発明によるフェライト系耐
熱鋳鋼を素材とした耐熱部材は、耐熱性(耐熱変形性,
耐熱亀裂性),耐酸化性,耐スケール剥離性に優れてい
ることから、ディーゼルエンジンのホットチャンバーに
適用すると有効であることが確かめられた。
熱鋳鋼を素材とした耐熱部材は、耐熱性(耐熱変形性,
耐熱亀裂性),耐酸化性,耐スケール剥離性に優れてい
ることから、ディーゼルエンジンのホットチャンバーに
適用すると有効であることが確かめられた。
【0032】
【発明の効果】本発明に係わるエンジンの燃焼部に使用
される耐熱部材は、重量%で、C:0.1〜0.4%、
Si:1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16
〜21%、Ta:1.5〜6%、さらに場合によって
は、Mo:0.5%以下,V:0.2%以下,W:2.
0%以下のうちの1種または2種以上を含み、残部Fe
および不純物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼から
なるものであるから、耐熱性(耐熱変形性,耐熱亀裂
性)および耐酸化性に優れ、耐スケール剥離性にも優れ
たものであり、例えば、ディーゼルエンジンのホットチ
ャンバー(コンバッションチャンバー)に好適なもので
あるという著しく優れた効果がもたらされる。
される耐熱部材は、重量%で、C:0.1〜0.4%、
Si:1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16
〜21%、Ta:1.5〜6%、さらに場合によって
は、Mo:0.5%以下,V:0.2%以下,W:2.
0%以下のうちの1種または2種以上を含み、残部Fe
および不純物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼から
なるものであるから、耐熱性(耐熱変形性,耐熱亀裂
性)および耐酸化性に優れ、耐スケール剥離性にも優れ
たものであり、例えば、ディーゼルエンジンのホットチ
ャンバー(コンバッションチャンバー)に好適なもので
あるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図1】ディーゼルエンジンのホットチャンバー(コン
バッションチャンバー)付近の構造を例示する斜面説明
図である。
バッションチャンバー)付近の構造を例示する斜面説明
図である。
2 吸気バルブ 4 排気バルブ 6 ホットチャンバー 8 噴射ノズル
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.1〜0.4%、S
i:1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜
21%、Ta:1.5〜6%を含有し、残部Feおよび
不純物の組成を有するフェライト系耐熱鋳鋼からなるこ
とを特徴とするエンジンの燃焼部に使用される耐熱部
材。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.1〜0.4%、S
i:1.0%以下、Mn:0.6%以下、Cr:16〜
21%、Ta:1.5〜6%、およびMo:0.5%以
下,V:0.2%以下,W:2.0%以下のうちの1種
または2種以上を含有し、残部Feおよび不純物の組成
を有するフェライト系耐熱鋳鋼からなることを特徴とす
るエンジンの燃焼部に使用される耐熱部材。 - 【請求項3】 Taの一部をNbで置換してなる請求項
1または2に記載のエンジンの燃焼部に使用される耐熱
部材。 - 【請求項4】 エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材
が、ディーゼルエンジンのホットチャンバーである請求
項1ないし3のいずれかに記載のエンジンの燃焼部に使
用される耐熱部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17249595A JP3541502B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17249595A JP3541502B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925824A true JPH0925824A (ja) | 1997-01-28 |
JP3541502B2 JP3541502B2 (ja) | 2004-07-14 |
Family
ID=15943041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17249595A Expired - Fee Related JP3541502B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | エンジンの燃焼部に使用される耐熱部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3541502B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-07 JP JP17249595A patent/JP3541502B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3541502B2 (ja) | 2004-07-14 |
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