JPH09257985A - 使用済み燃料の再処理方法 - Google Patents

使用済み燃料の再処理方法

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JPH09257985A
JPH09257985A JP7224996A JP7224996A JPH09257985A JP H09257985 A JPH09257985 A JP H09257985A JP 7224996 A JP7224996 A JP 7224996A JP 7224996 A JP7224996 A JP 7224996A JP H09257985 A JPH09257985 A JP H09257985A
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JP
Japan
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metal
molten salt
uranium
plutonium
reduction
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Application number
JP7224996A
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English (en)
Inventor
Makoto Fujie
誠 藤江
Yuichi Shoji
裕一 東海林
Tsuguyuki Kobayashi
嗣幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチ
ニドの金属への還元率の向上により、これらの回収率を
上げるとともに、燃料製品中の希土類元素の含有率を低
減することができる使用済み燃料の再処理方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の再処理方法では、使用済み燃料
中のウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの
酸化物を、溶融塩中でマグネシウムにより金属に還元し
た後、前記溶融塩相に含まれる希土類元素酸化物、アル
カリ金属およびアルカリ土類金属の塩を分離除去し、さ
らに還元金属を含むマグネシウム相を蒸発してマグネシ
ウムを分離・除去し、ウラン、プルトニウムおよびマイ
ナーアクチニドを回収する。またリチウムプロセスで
は、同伴して生成するLi2 OのLiへの再生を同時に
行ない、溶融塩中のLi2 O濃度を低く抑えながら還元
を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み燃料の再
処理方法に係わり、特に原子力発電所から発生する使用
済み燃料中の二酸化ウラン(UO2 )から不要な核分裂
生成物(FP)を分離し、かつ該燃料中に含まれる長寿
命半減期の放射性物質の大半を占める超ウラン元素(T
RU)を分離して精製・回収し、燃料として再利用でき
るようにする使用済み燃料の再処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済み燃料
には、ウランおよび超ウラン元素の酸化物の他に、核分
裂生成物であるアルカリ金属、アルカリ土類金属などの
酸化物が含まれている。そして、このような使用済み燃
料を再処理し、原子燃料成分などの有用な成分を分離精
製し回収する方法としては、ピューレックス法が商業的
に最も広く用いられている。この方法は、使用済み燃料
を硝酸に溶解し、共除洗工程でΤΒP(トリブチルフォ
スフェート)などによりウラン(U)とプルトニウム
(Ρu)とを抽出した後、ウラン−プルトニウム分配、
ウランの精製、プルトニウムの精製などの工程を経て、
製品として回収する方法である。
【0003】しかしながらこの方法では、核分裂生成物
の分離(共除洗)、ウラン−プルトニウム分配、ウラン
とプルトニウムの精製などに数多くの抽出段を必要とす
るだけでなく、溶解および抽出に用いる硝酸やΤΒP
が、放射線損傷によりあるいは化学的に分解して劣化が
生じるため、廃棄物の発生量が多くなり廃棄物処理工程
が複雑になるという問題があった。
【0004】一方、このようなピューレックス法以外に
も、高温化学法が研究されている。例えば米国アルゴン
ヌ国立研究所では、リチウムプロセスとして、使用済み
燃料を溶融塩中でリチウム(Li)により還元し、ウラ
ンとプルトニウムおよびマイナーアクチニド(MA)を
金属として一括して回収した後、これらの金属を電解精
製して燃料製品として回収する方法が開発されている。
この方法は、ピューレックス法と比較すると、放射線に
よる溶媒の劣化がないため廃棄物の発生量が少ないうえ
に、分離工程が一段で良く、さらに同一の装置で複数の
工程を行なうのでプロセス機器がコンパクトになるとい
う利点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のリ
チウムプロセスでは、還元反応がこの反応で同伴して生
成した酸化リチウム(Li2 O)により抑制されるた
め、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの
酸化物をリチウムにより完全に還元することが難しく、
これらの金属の回収率が低かった。また、還元工程で処
理される酸化物の量は、溶融塩中に溶解したLi2 Oの
濃度で決まるため、酸化物処理量に比べて大量の溶融塩
を必要とし、装置が大型化するという問題があった。
【0006】さらに、還元工程で回収される金属に付着
した溶融塩中のLi2 Oは、電解精製工程に持ち込まれ
た場合、金属を再酸化して電解を阻害し、ウラン、プル
トニウムおよびマイナーアクチニドの収率を低下させる
ため、電解精製工程へのLi2 Oの持ち込み量をできる
だけ低減することが課題となっていた。
【0007】またさらに、電解精製工程への希土類元素
の持ち込みも防止する必要があった。すなわち、還元さ
れた金属(還元金属)とともに希土類元素が酸化物の状
態で電解精製工程に持ち込まれた場合には、ウラン、プ
ルトニウムおよびマイナーアクチニドとともに希土類元
素が回収されるおそれがあり、燃料設計上の要求から、
製品中の希土類元素をできるだけ低減する必要があっ
た。
【0008】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、ウラン、プルトニウムおよびマイナー
アクチニドの金属への還元率を向上させることにより、
これらの回収率を上げることができ、かつ燃料製品中の
希土類元素の含有率を低減することができる使用済み燃
料の再処理方法を提供することを目的とする。また、リ
チウムを用いたプロセスでは、ウラン、プルトニウムお
よびマイナーアクチニドの金属への還元率の向上と電解
精製工程に持ち込まれるLi2 O量などの低減により、
回収率を向上するとともに還元時の溶融塩と酸化物との
比率を改善し、かつ燃料製品中の希土類元素の含有率を
低減することができる使用済み燃料の再処理方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の使用済み燃料の
再処理方法は、使用済み燃料を溶融塩中でマグネシウム
により還元し、前記燃料中のウラン、プルトニウムおよ
びマイナーアクチニドの酸化物を金属に還元した後、前
記溶融塩相に含まれる希土類元素の酸化物、アルカリ金
属およびアルカリ土類金属の塩を分離・除去し、さらに
還元されたウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチ
ニドの金属を含むマグネシウム相を蒸発して前記マグネ
シウムを分離・除去し、前記ウラン、プルトニウムおよ
びマイナーアクチニドを回収することを特徴とする。
【0010】本発明の第2の発明の使用済み燃料の再処
理方法は、使用済み燃料を溶融塩中でリチウムにより還
元し、前記燃料中のウラン、プルトニウムおよびマイナ
ーアクチニドの酸化物を金属に還元した後、同伴する生
成物を溶融塩により洗浄・除去し、次いで得られた還元
金属を溶融塩中で電解精製して、ウラン、プルトニウム
およびマイナーアクチニドを回収するにあたり、前記還
元工程において、同伴して生成する酸化リチウム(Li
2 O)のリチウム(Li)への再生を同時に行ない、前
記溶融塩中の酸化リチウムの濃度を低く抑えることを特
徴とする。
【0011】本発明の第1の発明においては、還元剤と
してマグネシウムが使用されているので、ウラン、プル
トニウムおよびマイナーアクチニド酸化物の金属への還
元率が向上される。また、還元された金属が溶融金属に
溶解しかつ酸化物の形態を呈する希土類元素が溶融塩相
に存在するので、溶融金属相と溶融塩相とを分離するこ
とにより、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチ
ニドの燃料製品中の希土類元素の含有率が低減される。
【0012】本発明において、還元剤であるマグネシウ
ムとしては、マグネシウム単体、またはマグネシウム−
カドミウム等のマグネシウム合金を使用することができ
る。このように、比較的低温で液体となる還元剤を使用
することで、還元により得られるウラン、プルトニウム
およびマイナーアクチニドの金属を、還元剤の溶融相
(溶融金属相)中に保持することができる。
【0013】また、溶融塩としては、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の塩化物の単塩または混合塩を使用
することができる。溶融塩としてこのような塩化物を用
いることにより、使用済み燃料中の核分裂生成物である
アルカリ金属およびアルカリ土類金属を、酸化物または
塩化物として、溶融塩中に保持することができる。
【0014】さらに、このような溶融塩中での使用済み
燃料の還元温度は、 400〜 800℃とし、還元剤であるマ
グネシウムの蒸発分離の際の蒸発温度は、 700〜1100℃
とすることが望ましい。本発明では、このように比較的
低い温度で還元および蒸発分離が行なわれるので、装置
の構成材料が腐食しにくく、したがって材料の選定が容
易である。
【0015】本発明の第2の発明においては、還元剤と
して、マグネシウムに比べて還元力の弱いリチウムが使
用されているが、同伴して生成するLi2 OのLiへの
再生が同時に行なわれ、還元工程を通して溶融塩中のL
2 Oの濃度が低く抑えられているので、十分に還元力
が高められ、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアク
チニドの酸化物が完全に金属に還元される。また、Li
2 OをLiに再生して使用しているので、燃料に対して
使用される溶融塩の量が低減される。
【0016】このような第2の発明においては、溶融塩
として、塩化リチウム(LiCl)の単塩または塩化リ
チウムと塩化カリウムとの混合塩(LiCl−KCl)
を使用し、還元工程でこのような溶融塩中のLi2 Oの
濃度を、1mol%以下に維持することが望ましい。Li2
Oの濃度を1mol%以下に維持することで、Li2 Oの溶
解度に対して十分大きな濃度差を持たせることができ、
その結果、還元工程で酸化物表面に生成するLi2 Oの
拡散が容易となり、還元反応が促進される。
【0017】また、このように還元とLi2 OのLiへ
の再生を同時に行なう工程においては、Li再生のため
の電極(陽極および/または陰極)の電位をモニターす
るAg/AgCl等の参照電極を設置し、電極電位をモ
ニターしながら還元を行なうことが望ましい。このよう
なモニターにより、溶融塩中のLi2 O濃度および/ま
たは還元の進行度を知ることができ、組成や燃焼度の異
なる種々の使用済み燃料に対して、適切に還元を行ない
品質の高い金属燃料を得ることができる。
【0018】さらに、還元とLi再生を同時に行なう工
程では、陽極で発生する気体を系外に排出する吹き流し
機構を有する絶縁隔壁付きの陽極アセンブリを設け、こ
の陽極と陰極との間に電圧を印加して電解を行なうよう
に構成することができる。このような陽極アセンブリを
使用した場合には、絶縁隔壁により電極間の短絡が防止
されるとともに、陽極で発生するCO2 等の気体が吹き
流し機構により系外に排出されるので、再生したLiの
化学的な再酸化が防止され、高い電流効率が得られる。
【0019】さらに、本第2の発明においては、使用済
み燃料を金属製などのバスケットに入れて溶融塩中で還
元した後、バスケットを溶融塩から引き上げて 100〜 1
000rpmの回転速度で回転させ、Li2 Oを含む付着塩を
遠心力により除去することが望ましい。還元された金属
に付着した溶融塩中のLi2 Oは、還元金属を再酸化し
て電解を阻害するので、電解精製工程の前にLi2 Oを
除去することが必要であるが、付着塩中のLi2 O濃度
が十分低く抑制されているうえに、バスケットの回転に
より遠心力で付着塩が除去されるので、同伴するLi2
Oのない還元生成物を得ることができる。
【0020】さらに第2の発明では、Li2 Oをほとん
ど含まない還元生成物の入ったバスケットを、前記溶融
塩と溶融金属とからなる複合浴に浸漬し、ウラン、プル
トニウムおよびマイナーアクチニドの金属を溶融金属中
に溶解させ、希土類元素等の酸化物や貴金属元素と分離
することが望ましい。前記バスケットを複合浴に浸漬し
たとき、希土類元素等の酸化物は溶融金属に溶解しない
ので、溶融塩中に移行し、やはり溶融金属に溶解しない
貴金属元素がバスケット中に残るので、これらの元素
と、溶融金属に溶解したウラン、プルトニウムおよびマ
イナーアクチニドの金属とを容易に分離することができ
る。なおここで、溶融塩と溶融金属との複合浴の温度
は、 450〜 700℃に保持することが望ましく、溶融金属
としては、 450〜 700℃の温度で溶融して液状を呈す
る、カドミウム(Cd)、ビスマス(Βi)、スズ(S
n)などの金属が使用される。
【0021】また、ウラン、プルトニウムおよびマイナ
ーアクチニドを、このような溶融金属に溶解度以下で溶
解させることで、燃料の計量槽とすることができる。す
なわち、還元で回収されたウラン、プルトニウムおよび
マイナーアクチニドは、固体であり組成が不均一である
ため計量管理が困難であるが、前記した溶融金属に全量
溶解することで濃度および組成が均一となり、計量管理
の精度が向上する。
【0022】またさらに本第2の発明においては、この
ようにウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニド
が溶解された溶融金属を陽極として電解を行なうことに
より、固体陰極また液体陰極に還元金属を回収すること
ができる。前記した分離工程で希土類元素等が分離除去
され、溶融金属中にはウラン、プルトニウムおよびマイ
ナーアクチニドの金属のみが存在するので、このような
電解では、溶融塩を交換することなく半永久的に使用す
ることができる。
【0023】さらに本第2の発明においては、還元およ
びLi再生工程で、Liが十分に存在する状態で十分な
撹拌を行なうことで、還元時のウラン、プルトニウムお
よびマイナーアクチニドの酸化物とLiとの接触を促す
とともに、生成したLi2 Oの拡散を促進することがで
きる。さらに、還元終了後は、還元金属の粒子の成長を
促進するために、還元温度から 0〜 100℃程度高い温度
で静置することが望ましい。こうして、還元金属の粒子
の成長を促し粒子径を増大させることで、溶融塩と還元
金属との分離性能が向上する。また、金属の表面積が減
少するため再酸化されにくくなり、かつ回収された金属
粒子の集団の導電性が向上し、陽極溶解性が大幅に向上
する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0025】図1は、本発明に係わる使用済み燃料の再
処理方法の一実施例を説明するための工程図である。こ
の図を参照しながら、実施例の全体の流れを概略的に説
明する。
【0026】出発材料は燃料被覆管内に充填されている
使用済み酸化物燃料であり、これには、ウラン、プルト
ニウムおよびマイナーアクチニド(ΜA)の酸化物の他
に、核分裂生成物であるアルカリ金属とアルカリ土類金
属、希土類元素の酸化物などが含まれている。実施例に
おいては、この使用済み酸化物燃料を、解体・剪断工程
1で解体し剪断した後、脱被覆工程2で機械的に被覆を
脱離・除去する。次に還元工程3で、溶融塩中でマグネ
シウムにより金属に還元した後、相分離工程4で、還元
された金属(還元金属)を含む金属相と前記溶融塩相と
をそれぞれ分離する。そして、この分離された金属相を
蒸発分離工程5で蒸発分離し、ウラン、プルトニウムお
よびマイナーアクチニドを分離・回収するとともに、還
元剤であるマグネシウムを回収し、還元工程3に戻して
再利用する。分離・回収されたウラン、プルトニウムお
よびマイナーアクチニドは、燃料加工工程6で加工して
金属燃料とする。一方、相分離された溶融塩相には、ア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物、希土類元素の
酸化物、および還元工程で生成した還元剤の酸化物であ
る酸化マグネシウム(MgO)が含まれており、これら
を廃棄物として廃棄する。
【0027】ここで、図2を用いて還元の原理を説明す
る。図2において、縦軸は酸化物の生成自由エネルギー
を表わし、絶対値が大きい(縦軸の下方に位置する)ほ
ど酸化物として安定である。すなわち、CaOが最も安
定であり、金属カルシウムによって図中の全ての元素が
金属に還元できることを表わしている。
【0028】酸化リチウム(Li2 O)と酸化マグネシ
ウム(ΜgO)は、貴金属元素であるモリブデンとニオ
ブ、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの
酸化物の下方で、希土類元素のセリウムやネオジウムの
酸化物の上方に位置することから、金属リチウムと金属
マグネシウムは、貴金属元素、ウラン、プルトニウムお
よびマイナーアクチニドの酸化物をそれぞれ金属に還元
することができ、希土類元素は酸化物のままであること
が分かる。また、金属リチウムと金属マグネシウムで
は、金属リチウムの方が還元力が弱く、かつ温度が高く
なるほど還元力が低下するが、金属マグネシウムは還元
力の温度に対する依存性が小さく、高温においても高い
還元力を有することが分かる。
【0029】さらに、マグネシウムとカドミウムとの状
態図を、図3に示す。この図から、マグネシウム単体は
700℃程度の温度で液体であり、マグネシウムとカドミ
ウムとの合金(Μg−Cd合金)は、 500℃程度の温度
で液体であることが分かる。このように、マグネシウム
の単体またはΜg−Cd合金は約 500〜 700℃で液体と
なり、このような比較的低温で液体となる金属を還元剤
として使用することにより、還元で得られたウラン、プ
ルトニウムおよびマイナーアクチニドの金属を、この還
元剤の溶融金属相中に保持することができる。
【0030】次に、マグネシウムによる還元工程の詳細
を、図4および図5に基づいてそれぞれ説明する。図4
および図5は、それぞれマグネシウムによる還元装置を
概略的に示す図である。
【0031】図4に示す装置においては、反応容器7内
に、溶融塩相8としてLiCl−KClが、金属相9と
してΜg−Cd合金がそれぞれ収容されており、この反
応容器7内に使用済み酸化物燃料を加え、反応温度を 5
00℃として還元を行わせるようになっている。なお、反
応容器7内の溶融塩相8の上方には、不活性ガスである
アルゴンガス10が封入されている。
【0032】還元反応後、酸化物燃料中のアルカリ金
属、アルカリ土類金属はそれぞれ塩化物となって溶融塩
相8に溶解し、同じ溶融塩相8中に、希土類元素の酸化
物と酸化マグネシウム(ΜgO)11とが固体状態で存
在する。また、金属相9には、金属に還元されたウラ
ン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドがそれぞれ
溶解しており、溶解度を越えたウラン12が固体状態で
存在する。そして、このような金属相9と溶融塩相8と
を分離することにより、金属状態のウラン、プルトニウ
ムおよびマイナーアクチニド(固体ウランも含まれる)
を、希土類元素、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
と分離することができ、さらに金属相9を蒸発分離する
ことにより、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアク
チニドをそれぞれ分離・回収することができる。
【0033】このように図4に示す装置を用いて還元を
行なうことにより、従来法に比べてウラン、プルトニウ
ムおよびマイナーアクチニドの金属への還元率が向上
し、希土類元素を分離・除去することができる。
【0034】図5に示す還元装置においては、アルゴン
ガス10が封入された反応容器7内に、溶融塩相8とし
てΝaCl−KClが、金属相9としてマグネシウム
(Μg)がそれぞれ収容されており、この反応容器7内
に使用済み酸化物燃料を加え、反応温度を 700℃として
還元を行わせるようになっている。
【0035】還元反応後、溶融塩相8内に、アルカリ金
属酸化物、アルカリ土類金属酸化物と、希土類元素の酸
化物およびΜgO13がそれぞれ固体状態で存在する。
また、金属相9には、金属に還元されたウラン、プルト
ニウムおよびマイナーアクチニドがそれぞれ溶解してお
り、溶解度を越えたウラン12が固体状態で存在する。
そして、このような金属相9と溶融塩相8とを分離する
ことにより、金属状態のウラン、プルトニウムおよびマ
イナーアクチニド(固体ウランも含まれる)を、希土類
元素、アルカリ金属およびアルカリ金属と分離すること
ができ、さらに金属相9を蒸発分離することにより、ウ
ラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドをそれぞ
れ分離・回収することができる。
【0036】このように図5に示す装置を用いて還元を
行なうことにより、従来法に比べてウラン、プルトニウ
ムおよびマイナーアクチニドの還元率が向上し、希土類
元素を分離・除去することができる。さらに、溶融塩相
8のアルカリ金属、アルカリ土類金属は酸化物の状態で
存在し、これらの酸化物は溶融塩から容易に分離するこ
とができるので、溶融塩の半永久的な使用が可能であ
る。
【0037】以上のように、還元剤としてマグネシウム
を用いた再処理方法によれば、ウラン、プルトニウムお
よびマイナーアクチニド酸化物の金属への還元率が従来
法に比べて向上し、これらの金属と希土類元素とを容易
に分離することができる。さらに、金属相を蒸発分離す
るだけで、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチ
ニドを分離して回収することができる。
【0038】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。
【0039】図6は、リチウムを用いて還元を行なう再
処理方法を説明するための工程図である。
【0040】この実施例では、使用済み酸化物燃料を解
体・剪断工程1で解体し剪断した後、脱被覆工程2で機
械的に被覆を脱離・除去する。次いで、脱被覆された酸
化物燃料を、還元・塩再生工程14で、溶融塩中でリチ
ウムにより還元すると同時に、生成した酸化リチウム
(Li2 O)をリチウム(Li)に再生する。そして、
希土類分離工程15で、還元金属からLi2 Oと希土類
元素等をそれぞれ分離・除去した後、電解精製工程16
で、電解により、ウラン、プルトニウムおよびマイナー
アクチニドをそれぞれ回収し、燃料加工工程6で加工し
て金属燃料とする。 このような再処理方法において、
還元・塩再生工程14の詳細を以下に示す。 図7は、
還元・塩再生装置の一例を概略的に示す図である。
【0041】この装置においては、金属製(セラミック
ス製でも良い)の容器17内に、例えばLiClやLi
Cl−KClのような溶融塩18と還元剤であるリチウ
ム(Li)19が収容されており、この溶融塩18中
に、剪断された被覆管あるいは脱被覆された使用済み酸
化物燃料20を入れた金属製のバスケット21が浸漬さ
れるようになっている。このバスケット21は撹拌羽根
を有しており、回転により、内部に下向きまたは上向き
の流れが生じる構造となっている。さらに、容器17内
には、還元反応で生成するLi2 OをLi19に再生す
るための陰極22と陽極23および電源24が、それぞ
れ設置されている。なお、陽極23としては、カーボン
または金属や金属酸化物(例えば白金−ロジウム、モリ
ブデン、酸化鉄)等が用いられ、陰極22としては金属
(例えば鉄)が用いられる。
【0042】還元剤としてリチウムを用いた場合には、
前記したようにマグネシウムに比べて還元力が低く、ウ
ラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの酸化物
が金属に完全には還元されないおそれがあるが、本装置
では、還元で生成するLi2OをLiに電解再生し、溶
融塩18中のLi2 Oの濃度を常に低く抑えながら還元
を行なうことで、この問題を解決している。
【0043】すなわち、リチウムによる還元反応は、例
えば酸化ウラン(UO2 )を例にすると、以下に示すよ
うに行なわれる。
【0044】UO2 +4Li=U+2Li2 Oこの反応
において、UO2 は固体でありLiは液体であるので、
それらの量は上記の平衡にほとんど関係せず、一方Li
2 Oは溶融塩に溶解していることから、Li2 Oの濃度
が反応の進行に大きな影響を与える。生成するLi2
を反応系外に除去すれば、反応は右に進み、UO2 は全
てUに還元される。本装置では、生成するLi2 OをL
iに電解再生して、溶融塩中のLi2 O濃度を常に低く
保ちながら還元を行なうように構成されているので、リ
チウムの還元力が高められ、ウラン、プルトニウムおよ
びマイナーアクチニドが完全に金属に還元される。
【0045】ここで、Li2 OのLiへの電解再生で起
こる電極反応は、以下の通りである。 Li2 O=2L
+ +O2- (陽極) カーボンのとき 2O2-+C=CO2 +4e- または O2-+C=CO +2e- それ以外のとき 2O2- =O2 +4e- (陰極) Li+ +e- =Li このように、陽極23では、CO2 やCOのような酸化
炭素ガスまたは酸素が発生する。したがって、陽極23
において、図8に示すような構造の陽極アセンブルを使
用することが望ましい。このアセンブルでは、電極(陽
極23)が円筒状の絶縁隔壁25により囲まれており、
この絶縁隔壁25の内部にアルゴンガスのようなキャリ
アガス26が吹き流され、陽極23で発生するCO2
酸素のようなガスが系外に排出されるようになってい
る。また、絶縁隔壁25は、陰極22で生成するLiを
介しての電極間の短絡を防止する機能を有している。
【0046】使用済み燃料の再処理において、図7に示
す装置により還元および塩再生を行なうには、直流電源
24を用いて陽極23と陰極22との間に塩素の発生し
ない3V程度の電圧を印加しておき、使用済み酸化物燃
料20の入ったバスケット21を、リチウム19が存在
する溶融塩18相に入れ、バスケット21を回転させな
がら、 450〜 700℃の温度で還元を行なう。還元により
生成したLi2 Oは電解により直ちにLi19に再生さ
れ、再び還元に利用される。ここで、溶融塩18中のL
2 Oの濃度は、反応を通してできるだけ低くすること
が望ましく、反応を通して1mol%以下に維持するかある
いは最終的に1mol%以下になるようにする。そして、ウ
ラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの酸化物
が完全に金属に還元された後、バスケット21を溶融塩
18相から上方に引き上げ、 100〜 l000rpmの回転速度
で回転させ、還元金属に付着している溶融塩18を遠心
力により除去する。
【0047】また、還元反応終了後にバスケット21の
回転を止めるか、あるいは100rpm程度の速さで回転させ
ながら 1〜 5時間保持することもできる。その場合は、
還元により得られた金属粒子が成長して粒径が増大し、
次工程での希土類元素等との分離が容易になる。またこ
のとき、還元温度よりも 0〜 100℃高い温度に保持する
ことも、金属の粒子成長に有効であり、さらに還元時
に、100rpm程度にバスケット21の回転速度を変化さ
せ、還元と粒子成長とを交互に行なうこともできる。
さらに、Liへの電解再生を定電圧で行なった場合、電
流の大きさは溶融塩18中のLi2 Oの濃度と相関し、
かつLi2 O濃度はバスケット21に装荷した使用済み
酸化物燃料20中の酸化物の残存量と相関関係があるの
で、還元の進捗具合を電流値により知ることができる。
また、参照電極(例えばAg/AgCl)を設置して、
陽極23および/または陰極22の電位の変化をモニタ
ーすることにより、還元の進行状況と溶融塩18中のL
2 O濃度とを、それぞれ知ることもできる。このよう
な電位変化をモニターする方法では、還元の進行度等を
前記した電流値による監視よりも詳しく把握することが
でき、運転管理に有効に利用することができる。
【0048】次に、希土類分離工程15および電解精製
工程16の詳細を以下に示す。
【0049】図9は、希土類元素等の分離と電解精製を
行なう装置の一例を概略的に示す図である。
【0050】この装置においては、金属製の容器17内
に、例えばLiCl−KClのような溶融塩18と例え
ばCdのような溶融金属27とがそれぞれ収容されてお
り、溶融塩18は絶縁隔壁28により2つの領域に分割
隔離されている。また、前記した還元および塩再生工程
を終了したバスケット21と陰極(固体陰極29と液体
陰極30)とが、絶縁隔壁28により分離された溶融塩
18の左右の領域にそれぞれ設置されており、陽極であ
る容器17と陰極(固体陰極29と液体陰極30)とが
電源24でつながれるようになっている。
【0051】このような構造の装置により、次のように
して希土類元素等の分離と電解精製とが行なわれる。す
なわち、還元工程を終えたバスケット21を容器17内
に投入し、バスケット21内の還元生成物を溶融塩18
および溶融金属27中に浸漬する。還元生成物中のウラ
ン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドは、溶融金
属27に溶解し、希土類元素31は溶融金属27に溶解
しないので、固体状態のままで溶融塩18相に移行す
る。また、貴金属元素32は溶融金属27に溶解せず、
バスケット21内に残る。次いで、バスケット21を上
方に引き上げ、 100〜 l000rpmの速さで回転させ付着し
た溶融塩18を遠心力により除去することで、貴金属元
素32が分離・回収され、こうして、溶融塩18相に希
土類元素31を、溶融金属27相にウラン、プルトニウ
ムおよびマイナーアクチニドをそれぞれ分離することが
できる。なお、Li2 Oは還元工程でLiに再生されて
いるので、この工程には持ち込まれない。
【0052】また、このような希土類元素等の分離工程
では、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニド
は、溶融金属27に溶解しているので、溶融金属27相
中での分布は均一である。したがって、溶融金属27相
の一部を採取して分析することで、ウラン、プルトニウ
ムおよびマイナーアクチニドの全量を正確に知ることが
でき、このようにして、溶融金属27を計量槽として利
用することができる。次に、こうして希土類元素等を分
離した後、金属製の容器17を陽極とし、固体陰極29
または液体陰極30との間に電源24により電圧を印加
して電解を行ない、固体陰極29にウラン、液体陰極3
0にウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドを
それぞれ分離・回収する。そして、こうして陰極(固体
陰極29または液体陰極30)に電解回収された金属を
燃料加工することにより、金属燃料を得ることができ
る。なお、希土類元素やアルカリ金属、アルカリ土類金
属は、前工程までに既に除去されているので、このよう
な電解工程で電解精製領域の溶融塩18aは汚染される
ことがなく、半永久的に使用することができる。また、
希土類元素が分離・移行した領域の溶融塩18bでは、
希土類元素31が固体状態で存在するので、これをフィ
ルター等で分離除去することにより、溶融塩18bを半
永久的に使用することができる。
【0053】このように、本発明の第2の実施例によれ
ば、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの
還元率が従来法に比べて向上し、かつ希土類元素等を容
易に分離・除去することができる。さらに、溶融金属を
用いて希土類元素等の分離を行なうことで、還元金属の
計量管理も可能である。
【0054】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。
【0055】この実施例では、図10に示す還元・塩再
生装置を使用して還元および塩再生を行なう他は、第2
の実施例と同様にして使用済み燃料の再処理を行なう。
【0056】図10に示す装置は、LiClやLiCl
−KClのような溶融塩18と還元剤であるリチウム1
9が収容された金属製の容器17と、使用済み酸化物燃
料20を入れて溶融塩18中に浸漬された金属製のバス
ケット21、および陽極23と電源24とから構成さ
れ、金属製の容器17が陰極22として使用されてい
る。 このような装置では、第2の実施例と同様に、還
元により生成したLi2 OをLiに再生しながら還元が
行なわれる。そして、金属製の容器17全体が、Li2
OをLiに再生する電解用の陰極22となっているの
で、第2の実施例に比べて、Liを生成するための電極
表面積が著しく増加しており、再生速度が増大する。し
たがって、最初に投入するリチウム19の量を低減する
ことが可能である。また、陰極22が別に設けられてい
ないので、装置がより小型化されるという利点がある。
【0057】さらに、第4の実施例において、図11に
示す還元・塩再生装置を使用して還元および塩再生を行
なう他は、第2の実施例と同様にして使用済み燃料の再
処理を行なった。
【0058】図11に示す装置は、LiClやLiCl
−KClのような溶融塩18と還元剤であるリチウム1
9が収容された金属製などの容器17と、陽極23と陰
極22および電源24、撹拌器33、および浸漬型の遠
心式フィルターやフィルター付きポンプのような回収装
置34から構成される。
【0059】この装置では、容器17内に直接投入され
た使用済み酸化物燃料20を、撹拌器33により撹拌し
て溶融塩18中に分散し、還元を行なう。また同時に、
陽極23と陰極22との間に電源24により電圧を印加
し、還元により生成したLi2 Oを電解してLiを再生
し、生成したLiをさらに還元に再利用する。還元終了
後、撹拌器33の代わりに回収装置34を設置し、この
回収装置34により還元金属を回収する。
【0060】このように、本発明の第4の実施例によれ
ば、溶融塩18相全体を用いて還元反応を行わせること
ができ、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニ
ドの酸化物とLiとの接触および生成したLi2 Oの溶
融塩18への拡散が促進されるので、還元速度が増大
し、還元率も向上する。また、還元金属を回収装置34
により別の容器に回収するので、バスケットで還元を行
なうよりも、小さな容器に高密度で回収することがで
き、次工程の電解精製装置をより小型化することができ
る。なお、この実施例においては、前記第2の実施例と
同様にして還元金属の粒子を成長させてから、回収装置
34による回収を行なうことができる。また、第3の実
施例で述べたように、金属製の容器17全体を塩再生用
の陰極として利用することも可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明の使用済み燃料の再処理方法によ
れば、還元剤としてマグネシウムが用いられているの
で、従来に比べて、ウラン、プルトニウムおよびマイナ
ーアクチニドの酸化物に対する還元力が高められ、還元
率が向上している。また、還元工程で、ウラン、プルト
ニウムおよびマイナーアクチニドと希土類元素とを容易
に分離し、ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチ
ニドを一括して回収することができる。
【0062】また、還元剤としてリチウムを用いる第2
の再処理方法においては、還元と塩の再生とを同時に行
なうことにより、従来に比べて、ウラン、プルトニウム
およびマイナーアクチニドの酸化物に対する還元力が高
められ、希土類元素が容易に分離される。またこの方法
では、還元工程でLi2 OをLiに再生しているので、
還元金属に付着したLi2 Oが、電解精製工程に持ち込
まれて金属を再酸化することがなくなり、ウラン、プル
トニウムおよびマイナーアクチニドの回収率の低下が生
じない。
【0063】さらに、還元工程において、撹拌速度を変
化させあるいは温度を変化させることにより、還元金属
の粒径を増大させて、還元金属と溶融塩との分離を容易
に行なうことができ、さらに還元工程での塩再生電極の
電位変化等から、還元反応の進行度や浴の状態を検知す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる使用済み燃料の再処理方法の一
実施例を示す工程図。
【図2】各種酸化物の標準生成自由エネルギーと温度と
の関係を示す特性図。
【図3】マグネシウムとカドニウムとの状態図。
【図4】第1の実施例に使用する還元装置の概略図。
【図5】同実施例に使用する別の還元装置の概略図。
【図6】本発明に係わる使用済み燃料の再処理方法の第
2の実施例を示す工程図。
【図7】第2の実施例に使用する還元・塩再生装置の一
例を概略的に示す図。
【図8】同実施例に使用する還元・塩再生装置の陽極ア
センブリの概略図。
【図9】同実施例に使用する希土類分離・電解精製装置
の一例を概略的に示す図。
【図10】本発明の第3の実施例に使用する還元・塩再
生装置の概略図。
【図11】本発明の第4の実施例に使用する還元・塩再
生装置の概略図。
【符号の説明】
1………解体・剪断工程 2………脱被覆工程 3………還元工程 4………相分離工程 5………蒸発分離工程 6………燃料加工工程 7………反応容器 8………溶融塩相 9………金属相 11………希土類元素酸化物とΜgO 12………固体ウラン 13………アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化
物と、希土類元素酸化物およびΜgO 14………還元・塩再生工程 15………希土類分離工程 16………電解精製工程 17………容器 18………溶融塩 19………リチウム 20………使用済み酸化物燃料 21………バスケット 22………陰極 23………陽極 26………キャリアガス 27………溶融金属 29………固体陰極 30………液体陰極 31………希土類元素 32………貴金属元素 33………撹拌器 34………回収装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み燃料を溶融塩中でマグネシウム
    により還元し、前記燃料中のウラン、プルトニウムおよ
    びマイナーアクチニドの酸化物を金属に還元した後、前
    記溶融塩相に含まれる希土類元素の酸化物、アルカリ金
    属およびアルカリ土類金属の塩を分離・除去し、さらに
    還元されたウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチ
    ニドの金属を含むマグネシウム相を蒸発して前記マグネ
    シウムを分離・除去し、前記ウラン、プルトニウムおよ
    びマイナーアクチニドを回収することを特徴とする使用
    済み燃料の再処理方法。
  2. 【請求項2】 前記溶融塩は、アルカリ金属の塩化物ま
    たはアルカリ土類金属の塩化物の単塩あるいは混合塩で
    あることを特徴とする請求項1記載の使用済み燃料の再
    処理方法。
  3. 【請求項3】 使用済み燃料を溶融塩中でリチウムによ
    り還元し、前記燃料中のウラン、プルトニウムおよびマ
    イナーアクチニドの酸化物を金属に還元した後、同伴す
    る生成物を溶融塩により洗浄・除去し、次いで得られた
    還元金属を溶融塩中で電解精製して、ウラン、プルトニ
    ウムおよびマイナーアクチニドを回収するにあたり、 前記還元工程において、同伴して生成する酸化リチウム
    のリチウムへの再生を同時に行ない、前記溶融塩中の酸
    化リチウムの濃度を低く抑えることを特徴とする使用済
    み燃料の再処理方法。
  4. 【請求項4】 前記還元工程で、前記溶融塩中の酸化リ
    チウムの濃度を1mol%以下に維持することを特徴とする
    請求項3記載の使用済み燃料の再処理方法。
  5. 【請求項5】 前記溶融塩中でリチウムにより還元され
    た前記使用済み燃料が収容されたバスケットを、該溶融
    塩と溶融金属からなる浴に浸漬して、ウラン、プルトニ
    ウムおよびマイナーアクチニドの金属を前記溶融金属中
    に溶解させ、これらの金属を、前記溶融塩中に移行した
    希土類元素の酸化物、および前記バスケット中に残留し
    た貴金属元素と分離することを特徴とする請求項3また
    は4記載の使用済み燃料の再処理方法。
  6. 【請求項6】 ウラン、プルトニウムおよびマイナーア
    クチニドの金属が溶解した前記溶融金属に対して、これ
    を陽極とする電解を行ない、固体陰極または液体陰極に
    前記ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの
    金属を回収することを特徴とする請求項5記載の使用済
    み燃料の再処理方法。
  7. 【請求項7】 前記還元と酸化リチウムの再生を同時に
    行なう工程において、リチウムが十分に存在する状態で
    撹拌を十分に行なった後、還元温度より高い温度に静置
    して還元金属の粒子の成長を促進することを特徴とする
    請求項3乃至6のいずれか1項記載の使用済み燃料の再
    処理方法。
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