JPH09256820A - 回転伝動部材の継手装置 - Google Patents

回転伝動部材の継手装置

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JPH09256820A
JPH09256820A JP6487996A JP6487996A JPH09256820A JP H09256820 A JPH09256820 A JP H09256820A JP 6487996 A JP6487996 A JP 6487996A JP 6487996 A JP6487996 A JP 6487996A JP H09256820 A JPH09256820 A JP H09256820A
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二郎 近藤
Tsutomu Shimizu
勉 清水
Akira Asai
晃 浅井
Hiroaki Deguchi
博明 出口
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D27/00Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor
    • F16D27/004Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with permanent magnets combined with electromagnets

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性及び作動応答性に優れ、且つ省電力で
例え自動車用エンジンのバルブタイミング可変装置に適
用しても高い信頼性を確保することのできる回転伝動部
材の継手装置を提供する。 【解決手段】 駆動側部材24と被駆動側部材2とに分
割された回転伝動部材の該駆動側部材24と被駆動側部
材2とを磁力により一体回転可能に接続するものにおい
て、上記駆動側部材24と被駆動側部材2との回転方向
における相対位置を永久磁石6の磁界による吸引力で保
持してこれらを一体回転可能とする保持手段と、上記保
持手段に近接して配置され上記永久磁石6の磁界を弱め
る方向の磁界を発生する解除手段13とを備え、上記駆
動側部材24と被駆動側部材2との位相保持を上記永久
磁石6の磁界による吸引力で行うとともに、これら両者
の位相変更時には上記解除手段13の磁界により上記永
久磁石6の磁界を弱めてそれ位相保持力を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、駆動側と被駆動
側とに分割された回転伝動部材の継手装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、エンジンにより駆動
されるプーリと該プーリを介して駆動されるカムシャフ
トとを位相可変に接続するバルブタイミング可変装置等
の駆動側部材と被駆動側部材とからなる回転伝動部材の
継手装置においては、電磁クラッチで駆動側部材と被駆
動側部材との回転方向の位相保持を行うとともに、これ
らの位相変更を電磁マグネットの電磁力を利用して行う
ようにしたものが知られている。尚、位相変更を電磁マ
グネットの電磁力を利用して行うものとしては、例えば
特開平3−206307号公報に開示されるものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
駆動側部材と被駆動側部材との位相保持に電磁クラッチ
を使用した場合には、これが接触式機構であることから
耐久性あるいは作動応答性という点において問題がある
とともに、位相保持期間中は連続して電磁クラッチに通
電する必要があることからその消費電力が大きく、特に
自動車用エンジンのバルブタイミング可変装置の如く蓄
電容量に限界のあるバッテリーを電源として使用するも
のにあっては信頼性という点において問題を生じるもの
である。
【0004】そこで本願発明は、耐久性及び作動応答性
に優れるとともに省電力で例え自動車用エンジンのバル
ブタイミング可変装置に適用しても高い信頼性を確保す
ることのできる回転伝動部材の継手装置を提供せんとし
てなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0006】本願の第1の発明では、駆動側部材と被駆
動側部材とに分割された回転伝動部材の該駆動側部材と
被駆動側部材とを磁力により一体回転可能に接続する回
転伝動部材の継手装置において、上記駆動側部材と被駆
動側部材との回転方向における相対位置を永久磁石の磁
界による吸引力で保持してこれらを一体回転可能とする
保持手段と、上記保持手段に近接して配置され上記永久
磁石の磁界を弱める方向の磁界を発生する解除手段とを
備えたことを特徴としている。
【0007】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除手段
への通電量を変化させることで上記保持手段の保持トル
クを調整し得るようにしたことを特徴としている。
【0008】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記保持手段
の保持トルクを変化させることで上記駆動側部材と被駆
動側部材との回転方向の位相を可変としたことを特徴と
している。
【0009】本願の第4の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記駆動側部
材と被駆動側部材とを相対回転させて該駆動側部材と被
駆動側部材との回転方向の位相を変化させる駆動手段を
備えたことを特徴としている。 本願の第5の発明で
は、上記第4の発明にかかる回転伝動部材の継手装置に
おいて、上記解除手段への通電初期における所定期間の
通電量をそれ以外の期間の通電量よりも大きく設定した
ことを特徴としている。
【0010】本願の第6の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記回転伝動
部材の駆動側部材をエンジンにより駆動されるプーリと
し、被駆動側部材を該プーリにより駆動されるカムシャ
フトとするとし、該プーリとカムシャフトとの位相を保
持手段により保持するとともに、該保持手段による位相
保持を解除手段により解除し得る如くする一方、上記プ
ーリとカムシャフトとを相対回転させて該プーリとカム
シャフトとの回転方向の位相を変化させる駆動手段を備
えたことを特徴としている。
【0011】本願の第7の発明では、上記第4又は第6
の発明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記
駆動側部材と被駆動側部材との間、又は上記プーリとカ
ムシャフトとの間に、遊星歯車機構を配置し、該遊星歯
車機構を介して上記駆動手段の駆動力を上記駆動側部材
から被駆動側部材に、又は上記プーリからカムシャフト
に伝達するようにしたことを特徴としている。
【0012】本願の第8の発明では、上記第7の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記駆動手段
を、上記駆動側部材と被駆動側部材、又は上記プーリと
カムシャフトとを弾性力により機械的に相対回転させる
弾性部材としたことを特徴としている。
【0013】本願の第9の発明では、上記第6の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除手段
への通電初期における所定期間の通電量をそれ以外の期
間の通電量よりも大きく設定したことを特徴としてい
る。
【0014】本願の第10の発明では、上記第9の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記カムシ
ャフトからのバックトルクが大きくなる時期と、上記解
除手段への通電量を大きくする時期とを対応させたこと
を特徴としている。
【0015】本願の第11の発明では、上記第6の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除手
段に通電して上記保持手段による位相保持力を低下させ
た状態で上記駆動手段により上記プーリとカムシャフト
との位相を変化させる一方、位相角が所定の目標位相角
に到達する以前に上記解除手段への通電を停止して上記
保持手段による位相保持力を復活させることを特徴とし
ている。
【0016】本願の第12の発明では、上記第6の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除手
段に矩形波電圧を印加し該解除手段に生じる電流波形又
は矩形波電流を印加し該解除手段に生じる電圧波形に基
づいて上記プーリとカムシャフトとの位相差を算出する
ことを特徴としている。
【0017】本願の第13の発明では、上記第12の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除
手段への印加電圧の周波数を、上記プーリとカムシャフ
トとの位相変化に基づいて生じる位相信号の周波数より
も大きく設定したことを特徴としている。
【0018】本願の第14の発明では、上記第6の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記保持手
段の永久磁石の磁力劣化時に上記解除手段に通電して上
記永久磁石を着磁させることを特徴としている。
【0019】本願の第15の発明では、上記第14の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除
手段に矩形波電圧を印加し該解除手段に生じる電流波形
又は矩形波電流を印加し該解除手段に生じる電圧波形の
振幅の変化に基づいて上記永久磁石の磁力劣化を検出す
ることを特徴としている。
【0020】本願の第16の発明では、上記第6の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記保持手
段の永久磁石による保持トルクが低下した時に上記解除
手段に電流を供給して上記永久磁石の磁界を強める方向
の磁界を発生させて該永久磁石を増磁させることを特徴
としている。
【0021】本願の第17の発明では、駆動側部材と被
駆動側部材とに分割された回転伝動部材の該駆動側部材
と被駆動側部材とを磁力により一体回転可能に接続する
回転伝動部材の継手装置において、上記駆動側部材と被
駆動側部材との回転方向における相対位置を永久磁石の
磁界による吸引力で保持してこれらを一体回転可能とす
る保持手段と、上記保持手段に近接して配置され上記永
久磁石の磁界を弱める方向の磁界を発生する解除手段
と、上記駆動側部材と被駆動側部材とを相対回転させて
該駆動側部材と被駆動側部材との回転方向の位相を変化
させるモータとを備え、上記モータを制動運転すること
で位相進角を行い、該モータを駆動運転することで位相
遅角を行うように構成したことを特徴としている。
【0022】本願の第18の発明では、上記第17の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記駆動
側部材と被駆動側部材との間に、遊星歯車機構を配置
し、該遊星歯車機構を介して上記モータの駆動力を上記
駆動側部材から被駆動側部材に伝達するようにしたこと
を特徴としている。
【0023】本願の第19の発明では、上記第17の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除
手段への通電と上記モータへの通電とを同時に行うこと
を特徴としている。
【0024】本願の第20の発明では、上記第17の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記被駆
動側部材のトルク変動が正の時に上記モータを制動運転
し、上記被駆動側部材のトルク変動が負の時に上記モー
タを駆動運転することを特徴としている。
【0025】本願の第21の発明では、上記第20の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記駆動
側部材と被駆動側部材との間に、遊星歯車機構を配置
し、該遊星歯車機構を介して上記モータの駆動力を上記
駆動側部材から被駆動側部材に伝達するようにしたこと
を特徴としてい。
【0026】本願の第22の発明では、上記第17の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記解除
手段の異常により上記保持手段による上記駆動側部材と
被駆動側部材との位相保持が不良となった時に上記モー
タを制動運転して該モータの制動力により位相保持を行
うことを特徴としてい。
【0027】本願の第23の発明では、上記第17の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記モー
タの制動力を利用して位相進角を行う時、該モータを逆
相制動又は発電制動にて運転することを特徴としてい。
【0028】本願の第24の発明では、上記第23の発
明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記モー
タの制動力を利用して位相進角を行う時、該モータに対
する要求制動トルクが該モータの駆動トルクよりも小さ
い場合には該モータを回生制動にて運転し、該モータに
対する要求制動トルクが該モータの駆動トルクよりも大
きい場合には該モータを逆相制動又は発電制動にて運転
することを特徴としてい。
【0029】本願の第25の発明では、エンジンにより
駆動されるプーリと該プーリを介して駆動されるカムシ
ャフトとを磁力により一体回転可能に接続する回転伝動
部材の継手装置において、上記プーリとカムシャフトと
の回転方向における相対位置を永久磁石の磁界による吸
引力で保持してこれらを一体回転可能とする保持手段
と、上記保持手段に近接して配置され上記永久磁石の磁
界を弱める方向の磁界を発生する解除手段と、上記プー
リとカムシャフトとを相対回転させて該プーリとカムシ
ャフトとの回転方向の位相を変化させるモータとを備
え、上記モータを制動運転することで位相進角を行い、
該モータを駆動運転することで位相遅角を行うととも
に、上記カムシャフトのトルク変動が正の時に上記モー
タを制動運転し、上記カムシャフトのトルク変動が負の
時に上記モータを駆動運転することを特徴としている。
【0030】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0031】(1)本願の第1の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、駆動側部材と被駆動側部材と
に分割された回転伝動部材の該駆動側部材と被駆動側部
材とを磁力により一体回転可能に接続する回転伝動部材
の継手装置において、上記駆動側部材と被駆動側部材と
の回転方向における相対位置を永久磁石の磁界による吸
引力で保持してこれらを一体回転可能とする保持手段
と、上記保持手段に近接して配置され上記永久磁石の磁
界を弱める方向の磁界を発生する解除手段とを備えてい
るので、駆動側部材と被駆動側部材の位相保持には給電
は不要で、これらの位相保持を解除する場合においての
み上記解除手段に給電すればよく、例えば電磁クラッチ
により位相保持を行うようにした場合の如く全運転期間
の大半を占める位相保持期間中に連続して給電する必要
がある場合に比して、消費電力の格段の低減が図れ、特
にバッテリー容量に限界のある自動車用エンジンのバル
ブタイミング可変装置に適用する場合にその利点が顕著
となるものである。
【0032】(2)本願の第2の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(1)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記解除手段への通電量を変化させることで上記保持手
段の保持トルクを調整し得るようにしているので、該通
電量の調整により位相保持解除状態においても位相変更
操作に支障のない程度の位相保持力を残存させておくこ
とで、再度の位相保持操作時に位相保持力を所定値まで
迅速に復帰させて位相保持を行わしめることができ、例
えば電磁クラッチにより位相保持を行う場合の如く該電
磁クラッチへの通電停止と同時に位相保持力が完全に消
滅し再度の位相保持操作時には位相保持力を零から所定
値まで上げる必要がある場合に比して、位相保持の応答
性が格段に向上するものである。
【0033】(3)本願の第3の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(2)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記保持手段の保持トルクを変化させることで上記駆動
側部材と被駆動側部材との回転方向の位相を可変として
いるので、単に駆動側部材と被駆動側部材との位相保持
と位相保持の解除とを必要とするクラッチのみならず、
位相保持の解除状態においてこれら駆動側部材と被駆動
側部材との位相変更を必要とする装置、例えばエンジン
のバルブタイミング可変装置、被駆動側部材の増速を必
要とするアシストターボチャージャの継手機構等にも広
く適用できるものである。
【0034】(4)本願の第4の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(1)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記駆動側部材と被駆動側部材とを相対回転させて該駆
動側部材と被駆動側部材との回転方向の位相を変化させ
る駆動手段を備えているので、上記解除手段に通電して
その磁界により上記保持手段における永久磁石の磁界に
よる駆動側部材と被駆動側部材との間の位相保持力を解
除した状態で上記駆動手段を作動させることで容易に上
記駆動側部材と被駆動側部材との位相変更を行うことが
でき、該駆動手段を適宜選択することで、例えば位相変
更量は比較的小さいものの位相変更に必要なトルクが比
較的大きいエンジンのバルブタイミング可変装置とか、
被駆動側部材を駆動側部材に対して大きく増速させる必
要のあるアシストターボチャージャの継手機構、等にも
広く適用できるものである。
【0035】(5)本願の第5の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(4)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記解除手段への通電初期における所定期間の通電量を
それ以外の期間の通電量よりも大きく設定するようにし
ているので、位相保持の解除操作の初期、即ち、上記駆
動側部材と被駆動側部材とが同期状態にあって上記永久
磁石により発生する磁束が該駆動側部材と被駆動側部材
との間にを通過する際の磁束密度の変化が最も大きく、
これらの間に作用する磁気吸引力が最も大きな時期(換
言すれば、保持解除の必要トルクが最も大きな時期)に
は解除手段の通電量を大きくすることで同期状態から脱
調状態(即ち、駆動側部材と被駆動側部材との位相がず
れてこれらの間の磁束密度の変化が小さく磁気吸引力も
比較的低い状態、換言すれば、保持解除の必要トルクが
少ない状態)への移行が容易となり、また脱調状態への
移行後は少ない通電量の解除手段により脱調状態が維持
される。即ち、解除手段の通電量が位相保持の解除に必
要なトルクの大きさに対応して設定されることで、例え
ば保持解除の期間中、一定の通電量を維持する場合に比
して、消費電力の低減が図れるものである。
【0036】(6)本願の第6の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(1)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記回転伝動部材の駆動側部材をエンジンにより駆動さ
れるプーリとし、被駆動側部材を該プーリにより駆動さ
れるカムシャフトとしたエンジンのバルブタイミング可
変装置において、上記プーリとカムシャフトとの位相を
保持手段により保持するとともに、該保持手段による位
相保持を解除手段により解除し得る如くする一方、上記
プーリとカムシャフトとを相対回転させて該プーリとカ
ムシャフトとの回転方向の位相を変化させる駆動手段を
備えているので、上記保持手段によりプーリーとカムシ
ャフトとの位相を保持してこれらを一体回転させるとと
もに、バルブタイミングの変更時には解除手段により保
持手段の位相保持力を解除してプーリーとカムシャフト
とを切り離し、駆動手段によりプーリーとカムシャフト
とを相対回転させてこれらの位相を変更し、しかる後、
再度上記保持手段により位相保持を行うことでバルブタ
イミングを変えることができるものであり、給電が必要
なのは位相保持の解除時における解除手段と位相変更時
における駆動手段のみであり、例えば電磁クラッチによ
りプーリーとカムシャフトとの位相保持を行う場合の如
く位相保持の期間中該電磁クラッチへの給電が必要であ
る場合に比して、消費電力が少なくて済み、容量に制限
のあるバッテリーを電源とする自動車用エンジンのバル
ブタイミング可変装置として最適である。
【0037】(7)本願の第7の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(4)又は(6)に記載
の効果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この
発明では、上記駆動側部材と被駆動側部材との間、又は
上記プーリとカムシャフトとの間に、遊星歯車機構を配
置し、該遊星歯車機構を介して上記駆動手段の駆動力を
上記駆動側部材から被駆動側部材に、又は上記プーリか
らカムシャフトに伝達するようにしているので、上記遊
星歯車機構の減速作用に伴うトルク増大効果により、例
えばかかる遊星歯車機構を備えない構造の場合に比し
て、上記駆動手段の必要駆動力を小さくすることがで
き、結果的に駆動手段の小容量化、小型化が図れるもの
であり、特に自動車用エンジンのバルブタイミング可変
装置にあってはその効果がより顕著となる。
【0038】(8)本願の第8の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(7)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記駆動手段を、上記駆動側部材と被駆動側部材、又は
上記プーリとカムシャフトとを弾性力により機械的に相
対回転させる弾性部材としているので、遊星歯車機構の
トルク増大効果により上記弾性部材の必要弾性力を小さ
くすることができそれだけ該弾性部材のコンパクト化が
図れる。また、この弾性部材は、上記カムシャフトがプ
ーリーに対して進角する場合と遅角する場合のいずれか
一方において該プーリーの駆動力を弾性力として蓄えて
これを進角又は遅角のいずれか他方側において位相変更
の駆動力して放出することができるので、別途に駆動動
力を必要とせず、それだけ装置の消費電力の低減が図れ
るものである。
【0039】(9)本願の第9の発明にかかる回転伝動
部材の継手装置によれば、上記(6)に記載の効果に加
えて次のような効果が得られる。即ち、この発明では、
上記解除手段への通電初期における所定期間の通電量を
それ以外の期間の通電量よりも大きく設定するようにし
ているので、位相保持の解除操作初期の同期状態から脱
調状態への移行時には解除手段の大通電量によって該同
期状態から脱調状態への移行が容易ならしめられ、また
脱調状態への移行後は解除手段への小通電量により脱調
状態が維持される、即ち、解除手段の通電量が位相保持
の解除に必要なトルクの大きさに対応して設定されるも
のであり、これにより、例えば保持解除の期間中、一定
の通電量を維持する場合に比して、消費電力の低減が図
れるものである。
【0040】(10)本願の第10の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(9)に記載の効果
に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明で
は、上記カムシャフトからのバックトルクが大きくなる
時期と、上記解除手段への通電量を大きくする時期とを
対応させるようにしているので、バックトルクが大きい
分だけ同期状態から脱調状態へ移行が容易な時期に解除
手段の通電量を大きくして確実に脱調状態へ移行させ、
後は解除手段への通電量を少なくして脱調状態を維持さ
せることができ、例えば位相保持の解除期間中一定の通
電量を維持する場合に比して、解除手段における消費電
力の低減が図れるものである。
【0041】(11)本願の第11の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(6)に記載の効果
に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明で
は、上記解除手段に通電して上記保持手段による位相保
持力を低下させた状態で上記駆動手段により上記プーリ
とカムシャフトとの位相を変化させる一方、位相角が所
定の目標位相角に到達する以前に上記解除手段への通電
を停止して上記保持手段による位相保持力を復活させる
ようにしているので、位相角は目標位相角の近傍におい
てハンチングを生じることなくスムーズに目標位相角に
設定され、それだれ位相変更の応答性が向上するもので
ある。また、かかる効果は、保持手段が永久磁石の磁界
を利用した非接触式構造であって駆動手段の駆動力と保
持手段の位相保持力とが重合しても支障を生じないこと
により初めてもたらされるものである。
【0042】(12)本願の第12の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(6)に記載の効果
に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明で
は、上記解除手段に矩形波電圧を印加し該解除手段に生
じる電流波形又は矩形波電流を印加し該解除手段に生じ
る電圧波形に基づいて上記プーリとカムシャフトとの位
相差を算出するようにしているので、別途に位相差検出
手段を設ける必要がなく、それだけ装置のコンパクト化
あるいは低コスト化が図れるものである。
【0043】(13)本願の第13の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(12)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記解除手段への印加電圧の周波数を、上記プー
リとカムシャフトとの位相変化に基づいて生じる位相信
号の周波数よりも大きく設定するようにしているので、
位相信号による波形と印加電圧による波形とを容易に区
別することができ、それだけ位相差の検出精度が向上
し、作動上の信頼性が一段と高められることになる。
【0044】(14)本願の第14の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(6)に記載の効果
に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明で
は、上記保持手段の永久磁石の磁力劣化時に上記解除手
段に通電して上記永久磁石を着磁させるようにしている
ので、該永久磁石の劣化にかかわらず該永久磁石の磁
力、即ち、位相保持力が常時適正に維持され、バルブタ
イミングの狂いよるエンジンの運転性の悪化等の不具合
が未然に且つ確実に防止されるものである。
【0045】(15)本願の第15の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(14)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記解除手段に矩形波電圧を印加し該解除手段に
生じる電流波形又は矩形波電流を印加し該解除手段に生
じる電圧波形の振幅の変化に基づいて上記永久磁石の磁
力劣化を検出するようにしているので、別途に磁力劣化
検出手段を設ける必要がなく、それだけ装置のコンパク
ト化あるいは低コスト化が図れるものである。
【0046】(16)本願の第16の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(6)に記載の効果
に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明で
は、上記保持手段の永久磁石による保持トルクが低下し
た時に上記解除手段に電流を供給して上記永久磁石の磁
界を強める方向の磁界を発生させて該永久磁石を増磁さ
せるようにしているので、該永久磁石の保持トルクの低
下にかかわらず、保持手段による位相保持力が常時適正
に維持され、バルブタイミングの狂いよるエンジンの運
転性の悪化等の不具合が未然に且つ確実に防止されるも
のである。
【0047】(17)本願の第17の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(6)に記載の効果
に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明で
は、駆動側部材と被駆動側部材とに分割された回転伝動
部材の該駆動側部材と被駆動側部材とを磁力により一体
回転可能に接続する回転伝動部材の継手装置において、
上記駆動側部材と被駆動側部材との回転方向における相
対位置を永久磁石の磁界による吸引力で保持してこれら
を一体回転可能とする保持手段と、上記保持手段に近接
して配置され上記永久磁石の磁界を弱める方向の磁界を
発生する解除手段と、上記駆動側部材と被駆動側部材と
を相対回転させて該駆動側部材と被駆動側部材との回転
方向の位相を変化させるモータとを備え、上記モータを
制動運転することで位相進角を行い、該モータを駆動運
転することで位相遅角を行うように構成しているので、
位相進角と位相遅角との間における必要トルクの相違、
即ち、位相進角時の必要トルクが位相遅角時の必要トル
クよりも大きいことと、モータの駆動運転時の駆動力と
制動運転時の制動力の相違、即ち、制動力が駆動力より
も大きいこととが対応し、より大きいトルクを必要とす
る位相進角はモータの制動力を使用して行われ、大きい
トルクを必要としない位相遅角はモータの駆動力を使用
して行われることとなり、例えば位相進角をモータの駆
動力で行い、位相遅角を制動力で行うようにした場合の
如く所要の駆動力を得るためにモータ容量を大きくしな
ければならないというようなことがなく、該モータをよ
り小容量のものとすることができ、それだけ装置のコン
パクト化及び低コスト化、並びにモータの消費電力の低
減が図れるものである。
【0048】(18)本願の第18の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(17)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記駆動側部材と被駆動側部材との間に、遊星歯
車機構を配置し、該遊星歯車機構を介して上記モータの
駆動力を上記駆動側部材から被駆動側部材に伝達するよ
うにしているので、該遊星歯車機構のトルク増大効果に
より、上記モータの必要駆動力及び必要制動力をさらに
小さくすることができ、更なる装置のコンパクト化及び
低コスト化、並びに消費電力の低減が図れるものであ
る。
【0049】(19)本願の第19の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(17)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記解除手段への通電と上記モータへの通電とを
同時に行うようにしているので、例えば、解除手段によ
り保持手段の位相保持力が解除された時点でモータによ
り位相変更を行わしめる場合に比して、位相変更指令か
ら実際に位相変更が行われるまでの時間を短くすること
ができ、それだけ位相変更の作動応答性が高められるも
のである。かかる効果は、保持手段による位相保持が永
久磁石の磁界を利用した非接触式であり、例え位相保持
力が残存している間にモータにより位相変更操作が行わ
れても支障を生じないという構造に基づいて初めて達成
されるものである。
【0050】(20)本願の第20の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(17)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記被駆動側部材のトルク変動が正の時(即ち、
被駆動側部材に対して駆動側部材側から大きい駆動トル
クが作用している時)に上記モータを制動運転し、上記
被駆動側部材のトルク変動が負の時(即ち、被駆動側部
材に対して駆動側部材側から小さい駆動トルクが作用し
ている時)に上記モータを駆動運転するようにしている
ので、この被駆動側部材のトルク変動分だけ上記モータ
の制動に要する仕事及び駆動に要する仕事が低減され、
それだけモータの消費電力の低減が図れるものである。
【0051】(21)本願の第21の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(20)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記駆動側部材と被駆動側部材との間に、遊星歯
車機構を配置し、該遊星歯車機構を介して上記モータの
駆動力を上記駆動側部材から被駆動側部材に伝達するよ
うにしているので、該遊星歯車機構のトルク増大効果に
より、上記モータの必要駆動力及び必要制動力を小さく
することができ、更なる消費電力の低減が期待できるも
のである。
【0052】(22)本願の第22の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(17)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記解除手段の異常により上記保持手段による上
記駆動側部材と被駆動側部材との位相保持が不良となっ
た時に上記モータを制動運転して該モータの制動力によ
り位相保持を行うようにしているので、上記解除手段の
異常発生にかかわらず位相保持力が常時適正に維持さ
れ、上記駆動側部材と被駆動側部材との位相保持が確実
ならしめられ、それだけ作動上の信頼性が高められるも
のである。
【0053】(23)本願の第23の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(17)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記モータの制動力を利用して位相進角を行う
時、該モータを、大きな制動トルクが得られる逆相制動
又は発電制動にて運転するようにしているので、例え
ば、モータを大きな制動トルクを得ることが困難な回生
制動運転とするような場合に比して、該モータの小容量
化を図ることができ、延いては該モータの消費電力の低
減にも寄与し得るものである。
【0054】(24)本願の第24の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記(23)に記載の効
果に加えて次のような効果が得られる。即ち、この発明
では、上記モータの制動力を利用して位相進角を行う
時、該モータに対する要求制動トルクが該モータの駆動
トルクよりも小さい場合には該モータを、大きな制動ト
ルクは得られないが被駆動側部材側からの回生電力を回
収できる回生制動にて運転し、該モータに対する要求制
動トルクが該モータの駆動トルクよりも大きい場合には
該モータを、大きな制動トルクが得られる逆相制動又は
発電制動にて運転するようにしているので、位相進角時
の要求制動トルクに応じたモータの制動運転により、確
実な位相進角による作動上の信頼性の確保と上記モータ
の消費電力の低減とを両立することができるものであ
る。
【0055】(25)本願の第25の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、エンジンにより駆動され
るプーリと該プーリを介して駆動されるカムシャフトと
を磁力により一体回転可能に接続するエンジンのバルブ
タイミング可変装置において、上記プーリとカムシャフ
トとの回転方向における相対位置を永久磁石の磁界によ
る吸引力で保持してこれらを一体回転可能とする保持手
段と、上記保持手段に近接して配置され上記永久磁石の
磁界を弱める方向の磁界を発生する解除手段と、上記プ
ーリとカムシャフトとを相対回転させて該プーリとカム
シャフトとの回転方向の位相を変化させるモータとを備
え、上記モータを制動運転することで位相進角を行い、
該モータを駆動運転することで位相遅角を行うととも
に、上記カムシャフトのトルク変動が正の時(即ち、カ
ムシャフトに対してプーリー側から大きい駆動トルクが
作用している時)に上記モータを制動運転し、上記カム
シャフトのトルク変動が負の時(即ち、カムシャフトに
対してプーリー側から小さい駆動トルクが作用している
時)に上記モータを駆動運転するようにしているので、
このカムシャフトのトルク変動分だけ上記モータの制動
に要する仕事及び駆動に要する仕事が低減され、それだ
けモータの消費電力の低減が図れるものである。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる回転伝動
部材の継手装置をいくつかの好適な実施形態に基づいて
具体的に説明する。
【0057】第1の実施形態 図1及び図2には、本願の請求項1〜6、8〜10、及
び12〜16に記載の発明にかかる回転伝動部材の継手
装置の実施形態であるエンジンのバルブタイミング可変
装置部分を示している。以下、このバルブタイミング可
変装置の具体的構造及び作動等について説明する。
【0058】(構造説明)図1及び図2において、符号
1はシリンダヘッド、2は上記シリンダヘッド1の端部
に設けたケーシング10及びケーシング11内にその外
端部を突出させた状態で配置されたカムシャフト(特許
請求の範囲中の「被駆動側部材」に該当する)である。
【0059】上記カムシャフト2の外端部にはボス部材
3が同軸上に嵌合配置されるとともに、該ボス部材3は
結合ボルト27によって上記カムシャフト2に連結固定
されている。従って、該カムシャフト2とボス部材3と
は、上記ケーシング11との間に設けた軸受29により
支承されて一体的に回転する。さらに、上記ボス部材3
の上記カムシャフト2寄りの端部にはフランジ4が一体
形成されている。このフランジ4には、三枚のリング部
材7〜8と二枚の永久磁石6,6とが、該各永久磁石
6,6を各リング部材7〜9の間にそれぞれ挟んだ状態
で結合ボルト37,37,・・により固定され、これら
各リング部材7〜9と各永久磁石6,6とでインナーロ
ータ5を構成している。このインナーロータ5はその外
端部が軸受30により支承されており、上記カムシャフ
ト2と一体的に回転するようになっている。さらに、上
記インナーロータ5とその軸心寄りに位置する上記ボス
部材3との間に形成された環状の空間内には、上記ケー
シング11に固定された筒状部材12が嵌装配置されて
いる。そして、この筒状部材12の外周側の上記各永久
磁石6,6に対応する位置にはそれぞれ解除コイル1
3,13(特許請求の範囲中の「解除手段」に該当す
る)が配置されている。
【0060】尚、上記永久磁石6は、厚さ方向の一側が
N極、他側がS極とされる。また、上記各リング部材7
〜9の外周には、図2に示すように、周方向に所定ピッ
チで凸極7a〜9aが形成されている。また、上記解除
コイル13,13のコイルの巻き方向は、これに通電し
た時、上記永久磁石6による磁界を弱める方向の磁界を
発生するような方向に設定されている。
【0061】一方、上記カムシャフト2には、上記イン
ナーロータ5の外側に近接状態で嵌合するアウターロー
タ15が軸受28を介して回転自在に取り付けられてい
る。そして、このアウターロータ15の内周には、図2
に示すように、上記インナーロータ5の各リング部材7
〜9と同様に、周方向に所定ピッチで凸極15a,15
a,・・が形成されている。また、このアウターロータ
15の外周に形成したフランジ部16には、上記ケーシ
ング11側に固定配置された電磁ブレーキ18の摺動子
18aが接離可能に近接対向状態で配置されている。
【0062】さらに、上記アウターロータ15の裏面側
には、筒部材19が上記カムシャフト2の外周との間に
所定の環状空間をもった状態で該カムシャフト2と同軸
状に固定されている。この筒部材19の内周面には内ネ
ジ21が形成されている。また、上記カムシャフト2の
うち、上記筒部材19に対応する部分の外周面には、所
定の傾斜角(例えば30°)をもつヘリカルスプライン
22が形成されている。そして、この筒部材19とカム
シャフト2との間には、その外周面に外ネジを、内周面
にヘリカルスプラインを、それぞれ形成するとともに、
その周方向に所定間隔で複数の係合部20a,20a,
・・を設けたスライダ20が嵌合配置されている。尚、
この係合部20aの係合面方向は、スライダ20の軸方
向と平行ではなく、上記ヘリカルスプライン22の傾斜
方向と逆の方向へ所定角度(例えば30°)だけ傾斜し
ている。
【0063】一方、上記筒部材19の径方向外側には、
その外周面にタイミングベルト25掛止用の歯を形成し
たプーリー24が配置されている。このプーリー24
は、軸受38を介して上記シリンダヘッド1側に回転自
在に支承されている。さらに、このプーリー24には、
複数の係合爪26a,26a,・・を設けた係合部材2
6が固定されており、該各係合爪26a,26a,・・
は上記スライダ20の各係合部20a,20a,・・に
それぞれ係合している。さらに、上記筒部材19(即
ち、上記アウターロータ15)と上記プーリー24との
間には、渦巻きバネ23が嵌装配置されている。
【0064】尚、上記ヘリカルスプライン22及びスラ
イダ20の係合部の傾斜方向並びに上記渦巻きバネ23
の巻方向は、上記プーリー24の回転方向と進角・遅角
方向とに対応して設定されている。即ち、例えば、上記
プーリー24がカムシャフト2の左端部側から見て右回
転しているとすると、進角操作時(即ち、上記電磁ブレ
ーキ18により上記アウターロータ15にブレーキをか
けて該アウターロータ15をプーリー24に対して位相
が遅れる方向に操作する場合)に、上記スライダ20が
図上左方向へ移動し上記結合ボルト27がプーリー24
よりも位相が進むように上記内ネジ21のネジ方向及び
ヘリカルスプライン22とスライダ20の係合部20a
の傾斜方向を設定している。さらに、上記アウターロー
タ15はプーリー24に対して遅角方向へ回動するが、
この時、上記渦巻きバネ23が縮径変化してバネ力を蓄
えるように該渦巻きバネ23の巻方向を設定している。
【0065】また、上記各解除コイル13,13と上記
電磁ブレーキ18は、ECU32からの制御信号を受け
て作動するVVTコントローラ31により通電制御が行
われる。このVVTコントローラ31による各解除コイ
ル13,13及び電磁ブレーキ18の作動制御について
は後述する。
【0066】以上がこのバルブタイミング可変装置の具
体的構造である。
【0067】(作動説明) A:基本作動 A−a:位相保持 プーリー24とカムシャフト2との位相保持は、各永久
磁石6,6の磁気吸引力により行われる。即ち、図1に
示した磁力線のように、各永久磁石6,6によりインナ
ーロータ5とアウターロータ15との間に跨がって磁界
が生じ、この磁界による磁気吸引力でインナーロータ5
とアウターロータ15とが非接触状態のまま位相保持さ
れる。従って、スライダ20を介してアウターロータ1
5とカムシャフト2とが一体化され、プーリー24のト
ルクは係合部材26→スライダ20→カムシャフト2と
伝達され、プーリー24とカムシャフト2とが位相を保
持したまま一体的に回転することになる。
【0068】尚、この位相保持状態においては、上記イ
ンナーロータ5とアウターロータ15は同期状態(即
ち、図2に示すように、インナーロータ5を構成する各
リング部材7〜9の凸極7a〜9aがアウターロータ1
5の凸極15aと対向し相対回転差がない状態)とされ
る。因に、インナーロータ5を構成する各リング部材7
〜9の凸極7a〜9aとアウターロータ15の凸極15
aとが回転方向に所定以上相対変位した脱調状態におい
ては磁束密度の変化が小さい状態となる。従って、位相
保持力は、同期状態において最も強く、脱調状態になる
と急激に弱くなる。この実施形態においては、このよう
な磁束特性に着目して保持解除の制御を行うようにして
いるが、これについては後述する。
【0069】A−b:進角操作 進角操作は、上記永久磁石6,6による磁界を弱めてイ
ンナーロータ5とアウターロータ15との位相保持状態
を解除した上で、該インナーロータ5とアウターロータ
15とを進角方向へ相対回転させることで行われる。即
ち、先ず、解除コイル13,13に通電し磁界を発生さ
せる。この解除コイル13,13の磁力による磁界によ
って上記永久磁石6,6の磁力による磁界の強さが弱め
られ、該永久磁石6,6の磁界による上記インナーロー
タ5とアウターロータ15との位相保持力が減少し、該
インナーロータ5とアウターロータ15との非接触での
連結状態が解除されこれらの相対回転が可能とされる。
【0070】ここで、電磁ブレーキ18に通電し、その
接触子18aを上記アウターロータ15のフランジ部1
6に接触させてこれに所定の制動力をかける。すると、
アウターロータ15はエンジンにより駆動されているプ
ーリー24に対して遅角側に相対回転し、このアウター
ロータ15の回転に伴って該アウターロータ15と噛合
しているスライダ20が図1上における左方向へ移動す
る。このスライダ20の移動に伴って、カムシャフト2
は、上記スライダ20の係合面20aの傾斜角に対応し
て進角側に回動されるとともにヘリカルスプライン22
の傾斜角に対応して進角方向に回動されることで上記プ
ーリー24との位相が進角方向に変更せしめられるもの
である。
【0071】また、上記電磁ブレーキ18によりアウタ
ーロータ15に制動力をかけることで該アウターロータ
15とプーリー24とが相対回転するが、この相対回転
の変位力を受けて渦巻きバネ23が縮径しバネ力を蓄え
る。
【0072】カムシャフト2の進角量が目標値に達する
と、上記電磁ブレーキ18への通電を停止して上記アウ
ターロータ15への制動力を解除するとともに、電磁ブ
レーキ18への通電も停止し上記永久磁石6,6の磁界
の強さを回復させて上記インナーロータ5とアウターロ
ータ15との位相を保持させる。
【0073】尚、上記カムシャフト2の位相変更量の検
出は上記解除コイル13,13に発生する電流波形もし
くは電圧波形によって行われるが、これは後述する。ま
た、永久磁石6,6の磁界による位相保持力の異常ある
いは不良等には上記解除コイル13,13の制御により
対処するようにしているが、これについても後述する。
【0074】A−c:遅角操作 遅角操作は、上記永久磁石6,6による磁界を弱めてイ
ンナーロータ5とアウターロータ15との位相保持状態
を解除した上で該インナーロータ5とアウターロータ1
5とを遅角方向へ相対回転させることで行われる。即
ち、先ず、解除コイル13,13に通電し磁界を発生さ
せて上記永久磁石6,6の磁界による上記インナーロー
タ5とアウターロータ15との位相保持力を減少させ、
該インナーロータ5とアウターロータ15との非接触で
の連結状態を解除する。
【0075】すると、アウターロータ15は上記渦巻き
バネ23のバネ力により上記プーリー24に対して進角
側に相対回転し、このアウターロータ15の回転に伴っ
て該アウターロータ15と噛合しているスライダ20が
図1上における右方向へ移動する。このスライダ20の
移動に伴って、カムシャフト2は、上記スライダ20の
係合面20aの傾斜角に対応して遅角側に回動されると
ともにヘリカルスプライン22の傾斜角に対応して遅角
方向に回動されることで上記プーリー24との位相が遅
角方向に変更せしめられる。
【0076】カムシャフト2の遅角量が目標値に達する
と、上記電磁ブレーキ18への通電を停止し、上記永久
磁石6,6の磁界の強さを回復させて上記インナーロー
タ5とアウターロータ15との位相を保持させる。
【0077】A−d:基本作動における利点 このように、この実施形態のものにおいては、永久磁石
6,6の磁気吸引力により位相保持を行い、解除コイル
13,13により位相保持の解除を行い、またプーリー
24のトルクを利用して位相変更を行うものであること
から、進角操作時には解除コイル13,13と電磁ブレ
ーキ18とに通電し、遅角操作時には解除コイル13,
13のみに通電すればよく、例えば電磁石で位相保持を
するとともに位相の進角及び遅角操作をも電磁石で行う
ような構成のものに比して、必要電力量を低減すること
ができ、特に自動車用エンジンの如くバッテリーの蓄電
能力に制限があるような場合にはその効果が顕著とな
る。
【0078】B:進角・遅角操作に付随する制御 B−a:位相保持の解除時における消費電力低減のため
の制御 永久磁石6の磁気吸引力によりインナーロータ5とアウ
ターロータ15(即ち、カムシャフト2とプーリー2
4)との位相保持を行う構成であるため、位相変更時に
は解除コイル13に通電して永久磁石6による位相保持
力を弱める必要がある。この場合、解除コイル13への
電流供給時期を適正に制御することで保持解除に伴う消
費電力を低減するようにしている。このための制御とし
て以下の二つが考えられる。
【0079】第1の制御 第1の制御は、上記インナーロータ5とアウターロータ
15との同期状態と脱調状態との間における永久磁石6
の磁界による位相保持力の相違に着目した制御である。
即ち、上述のように、永久磁石6の磁界による位相保持
力には、「同期状態の位相保持力(τ2)>脱調状態の
位相保持力(τ1)」の関係がある(図3参照)。そし
て、この「同期状態」は、インナーロータ5側の凸極7
a〜9aとアウターロータ15側の凸極15aとが対向
した状態(即ち、位相を保持している時の状態)である
ため位相保持力の解除操作の初期段階に対応する。
【0080】このため、図3の下部に示すように、同期
状態に対応する解除操作の初期段階において解除コイル
13に大きな解除電流(電流値I2)を流し、その後の
脱調状態においては小さな解除電流(電流値I1)を流
して脱調状態を維持する。このようにすることで、容易
且つ確実に位相保持状態を解除することができるととも
に、解除に必要な消費電力の低減が図れるものである。
【0081】第2の制御 第2の制御は、カムシャフト2のバックトルクの変動に
着目した制御である。即ち、エンジンの回転に伴いエン
ジン側からカムシャフト2側にかかるバックトルクは図
4の上部に示すようにトルク(α)→(γ)の間で変動
する。このバックトルクは脱調方向に作用するものであ
ることから、このバックトルクが大きいということはそ
れだけ脱調に必要なトルクが少ないということである。
従って、バックトルクが大きい範囲(例えばバックトル
クβ→γの範囲)に対応させて解除コイル13に大きな
解除電流(電流値I2)を流すことで容易に同期状態か
ら脱調させることができる。その後は、小さな解除電流
(電流値I1)を流して脱調を維持すれば良い。かかる
制御とすることで、位相保持力の解除に伴う消費電力の
低減が図れるものである。
【0082】B−b:位相差を検出するための制御 エンジンの運転状態に最適なバルブタイミングを得るた
めには、現在のプーリー24とカムシャフト2との位相
差を把握するとともに、位相の変更指令に対して実際に
どの程度位相が変化したかを把握することが必要であ
り、かかる位相差の検出方法として従来一般にはプーリ
ー24と一体に回転する部材とカムシャフト2と一体に
回転する部材のそれぞれに回転センサを設け、これら二
つの回転センサに現れる信号の時間差を測定するように
していた。ところが、このような位相差検出方法では回
転センサが必要であることからコストアップになる。そ
こで、この実施形態のものにおいては、回転センサを設
けることなく解除コイル13に生じる電流あるいは電圧
波形から位相差を検出し得るようにしたものである。
【0083】即ち、図5に示すように、位相変更操作の
間、常時通電される解除コイル13の印加電圧を図5に
示すような所定の周波数をもつ矩形波とする。但し、こ
の場合の印加電圧の周波数を、インナーロータ5の凸極
7a〜9aとアウターロータ15の凸極15aとが相対
移動することにより生じるインダクタンスの変化の周波
数よりも大きな周波数に設定し、これら両者を区別でき
るようにする。
【0084】解除コイル13に通電した後、該解除コイ
ル13に生じる電流値あるいは電圧値を検出する(図6
参照)。この検出電流値あるいは検出電圧値を高周波フ
ィルターにかけてここから解除コイル13に印加した矩
形波成分を除去すると図7に示すような低周波の電流値
波形あるいは電圧値波形が得られる。ここで得られた低
周波の波形は、インナーロータ5の凸極7a〜9aとア
ウターロータ15の凸極15aとの相対移動に起因する
インダクタンス変化の結果として生じたものであって、
この波形の1波長(L)はインナーロータ5及びアウタ
ーロータ15の凸極ピッチに相当する。従って、この波
形の山の数をカウントすることでインナーロータ5とア
ウターロータ15の位相差、即ち、プーリー24とカム
シャフト2との位相差が求められるものである。
【0085】B−c:位相保持力の低下に対処するため
の制御 プーリー24とカムシャフト2との位相保持は永久磁石
6の磁界によりインナーロータ5とアウターロータ15
との間に作用する磁気吸引力で行われるが、この磁気吸
引力は磁束密度の二乗に比例し磁極間距離の2乗に反比
例する。従って、永久磁石6の劣化により磁力が低下し
た場合とか、何らかの原因により磁極間距離(この実施
形態の場合にあってはインナーロータ5とアウターロー
タ15との距離)が大きくなった場合には位相保持力が
低下することになる。このような位相保持力の低下はバ
ルブタイミングの狂いにつながるため、かかる位相保持
力の低下に対処する必要があり、その対処方法として以
下の二つの制御が考えられる。
【0086】第1の制御 第1の制御は、永久磁石6の劣化による位相保持力の低
下に対処するためのものであり、磁力の低下した永久磁
石6に再着磁させて磁力の回復を図り、適正な位相保持
力を確保するものである。即ち、永久磁石6の磁力が劣
化により低下した場合には、図8に示すように、解除コ
イル13に通電し該解除コイル13により生じる磁界に
より永久磁石6に着磁させてその磁力を回復させるもの
である。
【0087】ここで、この永久磁石6の劣化による磁力
低下は次のようにして検出される。即ち、上述の位相差
検出制御の場合と同様に、解除コイル13に通電して上
記永久磁石6による位相保持力を解除する際、該解除コ
イル13に矩形波の電圧を印加し、インナーロータ5と
アウターロータ15とを相対回転させての位相変更時に
おいて上記解除コイル13に発生する電流値あるいは電
圧値を検出する。この検出電流値あるいは検出電圧値を
高周波フィルターにかけてここから解除コイル13に印
加した矩形波成分を除去することで、インナーロータ5
の凸極7a〜9aとアウターロータ15の凸極15aと
の相対移動に起因するインダクタンス変化の結果として
生じた低周波の電流値波形あるいは電圧値波形を得る。
この場合、インダクタンスの変化は永久磁石6に磁力低
下がない正常時には大きく、磁力低下が生じた異常時に
は小さいことから、図9に示すように、正常時の波形と
異常時の波形との間には振幅の差が生じる。従って、こ
の両者の波形振幅の差(△H)を求めることで永久磁石
6の磁力低下の有無を判断することができる。
【0088】第2の実施形態 図10には、本願の請求項1〜16に記載の発明にかか
る回転伝動部材の継手装置の実施形態であるエンジンの
バルブタイミング可変装置部分を示している。
【0089】以下、このバルブタイミング可変装置の具
体的構造及び作動等について説明する。 (構造説明)
この実施形態のものは、位相保持機構と解除機構と駆動
機構を共に上記第1の実施形態のものと同様とし、これ
と異なる点は、上記第1の実施形態のものにおいてはプ
ーリー24とカムシャフト2との位相変更作用をヘリカ
ルスプライン22の傾斜角とスライダ20の係合面20
aの傾斜角とによって達成するようにしていたのに対し
て、これを遊星歯車機構47により達成するようにした
点である。
【0090】即ち、この実施形態のものにおいては、ア
ウターロータ15と一体回転する筒部材19とエンジン
により駆動されるプーリー24との間に渦巻きバネ23
を配置する一方、該プーリー24と一体的に設けたキャ
リア50に複数のピニオンギヤ49,49,・・を取り
付けるとともに、該各ピニオンギヤ49,49,・・を
カムシャフト2と一体回転する筒状部材52に設けたイ
ンターナルギヤ48と、上記インナーロータ5と一体回
転する上記筒部材19側に設けたサンギヤ51とに噛合
させて遊星歯車機構47を構成している。
【0091】尚、上記第1の実施形態のものと同一部材
についてはこれと同一の符号を付することでその説明を
省略する。
【0092】(作動説明) A−a:位相保持 プーリー24とカムシャフト2との位相保持は、各永久
磁石6,6の磁気吸引力により行われ、その作動は上記
第1の実施形態の場合と同様であるのでその説明は省略
する。
【0093】A−b:進角操作 進角操作は、上記永久磁石6,6による磁界を弱めてイ
ンナーロータ5とアウターロータ15との位相保持状態
を解除した上で、該インナーロータ5とアウターロータ
15とを進角方向へ相対回転させることで行われる。即
ち、先ず、解除コイル13,13に通電し磁界を発生さ
せる。この解除コイル13,13の磁力による磁界によ
って上記永久磁石6,6の磁力による磁界の強さが弱め
られ、該永久磁石6,6の磁界による上記インナーロー
タ5とアウターロータ15との位相保持力が減少し、該
インナーロータ5とアウターロータ15との非接触での
連結状態が解除されこれらの相対回転が可能とされる。
【0094】ここで、電磁ブレーキ18に通電し、その
接触子18aを上記アウターロータ15のフランジ部1
6に接触させてこれに所定の制動力をかける。すると、
インナーロータ5と一体回転するインターナルギヤ48
及びカムシャフト2は、キャリア50と一体回転するプ
ーリー24よりも早く回転することとなり、該カムシャ
フト2の位相はプーリー24の位相に対して進角される
ことになる。また、上記電磁ブレーキ18によりアウタ
ーロータ15に制動力をかけることで該アウターロータ
15とプーリー24とが相対回転するが、この相対回転
の変位力を受けて渦巻きバネ23が縮径しバネ力を蓄え
る。
【0095】上記カムシャフト2の進角量が目標値に達
すると、上記電磁ブレーキ18への通電を停止して上記
アウターロータ15への制動力を解除するとともに、電
磁ブレーキ18への通電も停止し、上記永久磁石6,6
の磁界の強さを回復させて上記インナーロータ5とアウ
ターロータ15との位相を保持させる。
【0096】A−c:遅角操作 遅角操作は、上記永久磁石6,6による磁界を弱めてイ
ンナーロータ5とアウターロータ15との位相保持状態
を解除した上で該インナーロータ5とアウターロータ1
5とを遅角方向へ相対回転させることで行われる。即
ち、先ず、解除コイル13,13に通電し磁界を発生さ
せて上記永久磁石6,6の磁界による上記インナーロー
タ5とアウターロータ15との位相保持力を減少させ、
該インナーロータ5とアウターロータ15との非接触で
の連結状態を解除する。
【0097】すると、アウターロータ15は上記渦巻き
バネ23のバネ力を受けて上記インナーロータ5よりも
速く回転し、従ってアウターロータ15と一体回転する
インターナルギヤ48及びカムシャフト2は、キャリア
50と一体回転するプーリー24よりも遅く回転するこ
ととなり、該カムシャフト2の位相はプーリー24の位
相に対して遅角されることになる。
【0098】上記カムシャフト2の遅角量が目標値に達
すると、上記電磁ブレーキ18への通電を停止し、上記
永久磁石6,6の磁界の強さを回復させて上記インナー
ロータ5とアウターロータ15との位相を保持させる。
【0099】A−d:基本作動における利点 このように、この実施形態のものにおいては、プーリー
24の駆動トルクと渦巻きバネ23のバネ力とによって
該プーリー24とカムシャフト2との位相を変更するも
のであるが、その場合、該プーリー24とカムシャフト
2との間に遊星歯車機構47を介装し、該遊星歯車機構
47の減速作用によるトルク増大効果を利用するように
しているので、例えばかかる遊星歯車機構47を有しな
い(換言すれば、減速作用を利用しない)上記第1の実
施形態のものに比して、上記渦巻きバネ23の必要バネ
力を低減させることができ、延いては渦巻きバネ23の
コンパクト化あるいは低コスト化が図れるものである。
【0100】尚、この実施形態のものにおいても、上記
第1の実施形態において説明したような「進角・遅角操
作に付随する制御」を適用し得ることは勿論である。
【0101】第3の実施形態 図13及び図14には、本願の請求項17〜25に記載
の発明にかかる回転伝動部材の継手装置の実施形態であ
るエンジンのバルブタイミング可変装置部分を示してい
る。以下、このバルブタイミング可変装置の具体的構造
及び作動等について説明する。
【0102】(構造説明)図中、符号1はシリンダヘッ
ド、2はカムシャフトであり、該カムシャフト2の先端
側には結合ボルト27によりそれぞれ後述する筒状部材
52と筒部材44とインナーロータ43とが順次同軸状
に締結固定され、これら各部材はカムシャフトと一体的
に回転し得るようになっている。
【0103】上記インナーロータ43は、その軸心寄り
にボス部43aを、その外周寄りに周壁部43bをそれ
ぞれ形成した略有底筒状部材であって、該周壁部43b
の外周には、図13及び図14に示すように、異なる極
性をもつ一対の永久磁石6,6を軸方向に併置するとと
もにこれら一対の永久磁石6,6を周方向に所定間隔で
複数組配置している。また、上記周壁部43aとボス部
43bの中間の凹部内には、ケーシング10側に固定保
持された解除コイル13を上記各永久磁石6,6,・・
に近接した状態で収容している。
【0104】さらに、上記インナーロータ43の外側に
は、上記各永久磁石6,6,・・に近接対向するように
してアウタロータ42が配置されている。そして、この
アウタロータ42は、そのボス部42aを軸受54を介
して上記筒部材44支持させることで回動自在とされる
とともに、該ボス部42aの側方には次述する遊星歯車
機構47のサンギヤ51が設けられている。尚、上記ア
ウタロータ42の内周面には、図14に示すように、上
記各永久磁石6,6,・・に対応するようにして軸方向
に延びる凸極43c,43c,・・が形成されている。
【0105】上記遊星歯車機構47は、上記アウタロー
タ42側に設けられた上記サンギヤ51と、上記筒状部
材52の内周面に形成されたインターナルギヤ48と、
これらインターナルギヤ48とサンギヤ51との間に噛
合配置された複数のピニオンギヤ49,49,・・と、
タイミングベルト25の掛止用歯を備えたプーリー24
と一体的に形成されて上記各ピニオンギヤ49,49,
・・と係止するキャリア50とで構成されている。尚、
上記プーリー24は、軸受55を介して上記シリンダヘ
ッド1側に回転自在に支持されている。
【0106】一方、上記アウタロータ42の径方向外側
には、ステータ41が近接配置され、該ステータ41と
上記アウタロータ42とで誘導モータ40が構成されて
いる。このモータ40は、所定の駆動電流を受けて所定
の駆動力を発生する駆動運転と、負荷側からの動力を吸
収しながら所定の制動力を発生する制動運転とを行える
ようになっている。この場合、このモータ40が発生す
る駆動力と制動力との間には「駆動力<制動力」の関係
があり、また進角操作力と遅角操作力との間には「進角
操作力>遅角操作力」の関係があることから、この実施
形態のものにおいては、進角時にはモータ40の制動力
を利用し、遅角時にはモータ40の駆動力を利用するよ
うに該モータ40の極性を設定している。さらに、この
実施形態においては、進角・遅角応答性あるいは駆動ト
ルクの低減という観点からモータ40の駆動電流制御を
行うとともに、制動運転においても制動トルクの確保等
の観点から進角・遅角特性に応じて回生制動と逆相制動
あるいは発電制動とを選択するようにしているが、これ
らの制御については後述する。
【0107】以上がこのバルブタイミング可変装置の具
体的構造である。
【0108】(作動説明) 基本作動 A−a:位相保持 プーリー24とカムシャフト2との位相保持は、各永久
磁石6,6,・・の磁気吸引力により行われる。即ち、
図11に示した磁力線のように、各永久磁石6,6,・
・によりインナーロータ43とアウタロータ42との間
に跨がって磁界が生じ、この磁界による磁気吸引力でイ
ンナーロータ43とアウタロータ42とが非接触状態の
まま位相保持される。従って、遊星歯車機構47はロッ
ク状態となり、インナーロータ43とアウタロータ42
とが一体化され、プーリー24のトルクはキャリア50
→ピニオンギヤ49→インターナルギヤ48→筒状部材
52→カムシャフト2と伝達され、プーリー24とカム
シャフト2とが所定の位相を保持したまま一体的に回転
することになる。
【0109】A−b:進角操作 進角操作は、上記永久磁石6,6による磁界を弱めてイ
ンナーロータ43とアウタロータ42との位相保持状態
を解除した上で、該インナーロータ43とアウタロータ
42とを進角方向へ相対回転させることで行われる。
【0110】即ち、先ず、解除コイル13に通電し磁界
を発生させる。この解除コイル13の磁力による磁界に
よって上記永久磁石6,6.・・の磁界の強さが弱めら
れ、該永久磁石6,6,・・の磁界による上記インナー
ロータ43とアウタロータ42との位相保持力が減少
し、該インナーロータ43とアウタロータ42との非接
触での連結状態が解除されこれらの相対回転が可能とさ
れる。
【0111】ここで、ステータ41に通電してモータ4
0を制動運転し、インナーロータ43に対してアウタロ
ータ42の回転を遅くする。すると、インナーロータ4
3と一体回転するインターナルギヤ48及びカムシャフ
ト2は、キャリア50と一体回転するプーリー24より
も早く回転することとなり、該カムシャフト2の位相は
プーリー24の位相に対して進角されることになる。
【0112】上記カムシャフト2の進角量が目標値に達
すると、上記ステータ41への通電を停止してモータ4
0の制動力を解除するとともに、解除コイル13への通
電も停止し、上記永久磁石6,6,・・の磁界の強さを
回復させ、上記インナーロータ43とアウタロータ42
との間に磁気吸引力を作用させてその位相を保持させ
る。
【0113】A−c:遅角操作 遅角操作は、上記永久磁石6,6による磁界を弱めてイ
ンナーロータ43とアウタロータ42との位相保持状態
を解除した上で該インナーロータ43とアウタロータ4
2とを遅角方向へ相対回転させることで行われる。即
ち、先ず、解除コイル13に通電し磁界を発生させて上
記永久磁石6,6・・の磁界による上記インナーロータ
43とアウタロータ42との位相保持力を減少させ、該
インナーロータ43とアウタロータ42との非接触での
連結状態を解除する。
【0114】ここで、上記ステータ41に通電して上記
モータ40を駆動運転し、その駆動力によりインナーロ
ータ43に対してアウタロータ42の回転を速くする。
すると、インナーロータ43と一体回転するインターナ
ルギヤ48及びカムシャフト2は、キャリア50と一体
回転するプーリー24よりも遅く回転することとなり、
該カムシャフト2の位相はプーリー24の位相に対して
遅角されることになる。
【0115】上記カムシャフト2の遅角量が目標値に達
すると、上記ステータ41への通電を停止してモータ4
0の駆動力を解除するとともに、解除コイル13への通
電も停止し、上記永久磁石6,6,・・の磁界の強さを
回復させ、上記インナーロータ43とアウタロータ42
との間に磁気吸引力を作用させてその位相を保持させ
る。
【0116】A−d:基本作動における利点 このように、この実施形態のものにおいては、モータ4
0のトルク特性、即ち、制動トルク>駆動トルクという
関係と、位相変更に必要なカムシャフト2への入力トル
ク特性、即ち、位相進角>位相遅角という関係とを考慮
して、位相進角をモータ40の制動運転にて、位相遅角
をモータ40の駆動運転にて、それぞれ行うようにして
いるので、該モータ40の必要駆動トルクが小さくなり
該モータ40の小容量化、延いては装置全体のコンパク
ト化が図れるとともに消費電力の低減が図れるものであ
る。しかも、この場合、プーリー24とカムシャフト2
との間に遊星歯車機構47を介装して該遊星歯車機構4
7の減速作用によりトルク増大を図るようにしているの
で、上記モータ40の小容量化がさらに促進されるもの
である。
【0117】B:進角・遅角操作に付随する制御 B−a:応答性確保のための解除電流の制御 モータ動力により位相変更を行う場合、従来一般には図
14に破線図示するように位相変更操作の末期(即ち、
目標位相角の近傍)において進角操作と遅角操作とを小
刻みに繰り返して最終的に目標位相角に合致させるよう
にしていたため、この位相角のハンチング現象により位
相変更の応答性に問題があった。そこで、この実施形態
のものにおいては、かかる目標位相角近傍での位相角の
ハンチングを抑えることで位相変更の応答性を良好なら
しめるべく、解除コイル13への通電制御を行うように
している。即ち、図13に示すように、位相角(θ)の
(α)→(β)への位相変更指令が出されると(ステッ
プS1)、解除コイル13に通電して永久磁石6による
位相保持力を解除する(ステップS2)とともにモータ
40を運転して(ステップS3)位相変更を行うが、そ
の場合、現在の位相角(θ)と目標位相角(β)との偏
差(β−θ)が所定値(φ)以下となった時点において
(ステップS4)、解除コイル13への通電を停止して
(ステップS5)永久磁石6の位相保持力を復帰させる
とともにモータ40の運転を停止させる(ステップS
6)。このように、解除コイル13の通電停止を位相角
が目標位相角に達する以前に行うことで、図14に実線
図示する如く、目標位相角の近傍でのハンチングを生じ
ることなく位相角をより迅速に目標位相角に合致させる
ことができるものであり、それだけ位相変更の応答性が
良好となるものである。
【0118】B−b:位相変更の応答性確保のための駆
動電流制御 位相保持手段にて位相保持を行い、解除手段にて保持解
除を行い、さらに駆動手段にて位相変更を行う場合、例
えば上記位相保持手段が電磁クラッチ等の接触式構造で
ある場合には、位相保持手段と駆動手段との同時作動が
できない。このため、進角操作時には、図19に示すよ
うに、進角指令が出された後、先ず解除指令を出し、さ
らにその後に制動指令を出すことになる。また、遅角操
作時には、図20に示すように、遅角指令が出された
後、先ず解除指令を出し、さらにその後に駆動指令を出
すことになる。従って、進角操作時及び遅角操作時のい
ずれの場合においても、位相変更指令が出てから実際に
位相変更が行われるまでに比較的時間がかかり、これが
位相変更の応答性の悪化の一因となっていた。
【0119】そこで、この実施形態においては、位相保
持手段が永久磁石6を利用した非接触機構であることに
着目し、位相変更の応答性を確保すべく駆動電流を制御
するようにしている。
【0120】即ち、この実施形態のものにおいては位相
保持手段が永久磁石6を利用した非接触機構であること
から、位相保持手段と駆動手段が同時作動したとしても
何ら問題はない。このため、図15及び図16に示すよ
うに、進角時及び遅角時共に、VVTコントローラ31
から解除コイル13への解除指令(即ち、解除コイル1
3への通電指令)の出力と同時に、モータ40のステー
タ41へ駆動あるいは制動指令(即ち、ステータ41へ
の通電指令)を出力するものである。
【0121】このような制御とすることで、進角操作時
及び遅角操作時共に、図17及び図18に示すように、
解除指令と制動あるいは駆動指令とが同時に出されるこ
とで、図19及び図20に示す従来構造のものに比べ
て、進角あるいは遅角指令が出されてから実際に進角あ
るいは遅角操作が行われるまでの時間が短くなり、それ
だけ進角・遅角応答性が良好となるものである。
【0122】B−c:モータ40の駆動トルク低減のた
めの制御 一般に、モータ動力で位相変更を行う方式のものにあっ
ては、例えば油圧力を利用する方式のものに比して、位
相変更に関与する可動部分の慣性が比較的大きく、この
ため位相変更の応答性を高めるためにはより大きな駆動
トルクを必要とし、結果的にモータの大型化を招くこと
になる。そこで、この実施形態においては、カムシャフ
ト2の駆動トルクの変動特性に着目し、このトルク変動
を利用してモータの駆動電流を制御することでモータの
駆動トルク低減、延いてはモータの小容量化、省電力化
を図るようにしている。
【0123】即ち、図21及び図22のそれぞれの上段
に示すように、プーリー24によりカムシャフト2を駆
動する場合における駆動トルク(即ち、カムシャフト2
の駆動に必要とされるトルク)は、バルブ反力の影響を
受けてサインカーブ状に変動する。
【0124】従って、モータ40を制動運転させる進角
操作時には、図21に示すように、トルク変動正の時
(即ち、プーリー24側からカムシャフト2に大きな駆
動力が働いている時)にモータ40に通電してこれを制
動運転すれば、図21に破線図示するトルク変動を利用
しない場合に比して、より少ない仕事量で進角を行うこ
とができる。また、モータ40を駆動運転させる遅角操
作時には、図22に示すように、トルク変動負の時(即
ち、プーリー24側からカムシャフト2に小さな駆動力
が働いている時)にモータ40に通電してこれを駆動運
転すれば、図22に破線図示するトルク変動を利用しな
い場合に比して、より少ない仕事量で遅角を行うことが
できる。これらの結果、モータ40の駆動トルクの低減
により、その小容量化、延いては装置のコンパクト化が
図れるものである。
【0125】B−d:進角操作時の制動トルクを確保す
るための制御 一般に位相進角に必要なトルクは位相遅角に必要なトル
クよりも大きく、またモータ40においてはこれを制動
運転した時の制動トルクの方が駆動運転した時の駆動ト
ルクよりも大きく、このためこの実施形態のものにおい
ては位相進角にモータ40の制動力を利用し、位相遅角
に駆動力を利用するようにしている。しかし、モータ4
0による位相変更に伴う消費電力の低減を図るには、で
きるだけ小容量のモータでより大きな制動力が得られる
ようにする必要がある。そこで、この実施形態のものに
おいては、モータの制動運転の形態を選択することでそ
の容量アップを招くことなくより大きな制動力を確保し
消費電力の低減を図るべくモータの制動制御を行うよう
にしている。
【0126】即ち、モータの制動運転の主な形態とし
て、逆相制動と発電制動と回生制動とがある。これら各
制動のうち、逆相制動と発電制動は回生制動に比して大
きな制動トルクを得ることができ、また回生制動はカム
シャフト2側の運動エネルギーを回生電力として回収す
ることができる。このような各制動の特性に着目して、
以下の二つの制御を提案する。
【0127】第1の制御 第1の制御は、制動力を重視した制御であって、図23
に示すように、進角操作時におけるモータ40の制動を
大きな制動力が得られる逆相制動又は発電制動とし、E
CU32から進角指令が出力された場合、バッテリー3
3からVVTコントローラ31を介してモータ40に制
動電力を供給して該モータ40を逆相制動運転又は発電
制動運転するものである。この場合、カムシャフト2側
の運動エネルギーはモータ40において熱エネルギーと
して放出される。
【0128】このような制御とすれば、より小容量のモ
ータ40により大きな制動力を得ることができることか
ら、消費電力の低減が期待できるものである。
【0129】第2の制御 第2の制御は、制動力を重視しつつより一層の消費電力
の低減を狙った制御である。即ち、モータ40に対する
要求制動トルクが大きい時(即ち、位相変更量が比較的
大きくその作動応答時間が短くなければならないような
場合)には、上記第1の制御と同様にモータ40を逆相
制動運転あるいは発電制動運転としてより大きな制動力
を確保する一方、モータ40に対する要求制動トルクが
小さい時(即ち、位相変更量が比較的少なくその作動応
答時間が多少長くても良いような場合)には、図24に
示すように、上記モータ40を回生制動運転し、カムシ
ャフト2側の運動エネルギーを回生電力としてバッテリ
ー33側に回収するものである。この制御によれば、モ
ータ40の小容量化と電力回収とによって更なる消費電
力の低減が期待できるものである。
【0130】B−e:エンジン始動時対策のための制御 エンジンにおいてバルブタイミングは負荷あるいはエン
ジン回転数等の条件に対応して常時最適にコントロール
される必要があり、特にエンジン始動時においては吸気
弁と排気弁のバルブオーバラップをできるだけ小さくし
て始動性を確保する必要がある。従って、バルブタイミ
ング可変装置においては、エンジン始動時の進角量を初
期値(知有情は最小値)に設定することが必要である。
【0131】しかし、実際のエンジンの運転において
は、必ずしも進角量が初期値になってからイグニッショ
ンスイッチを切るとは限らず、大きな進角量のままイグ
ニッションスイッチが切られることもある。かかる状態
でエンジンの再始動を行うと、バルブタイミングが不適
切であることから始動性が悪化することになる。
【0132】そこで、この実施形態のものにおいては、
エンジン始動時には常に進角量が初期値になるように制
御することでエンジンの始動性を確保するようにしてい
る。
【0133】図25に上記制御の前提となる電気回路を
示している。ここでは、バッテリー33を、エンジン3
4制御用のECU32とバルブタイミング制御用のVV
Tコントローラ31とに並列に接続してこれら両者を別
系統とするとともに、上記ECU32側の系統にイグニ
ッションスイッチ35を、VVTコントローラ31側の
系統にVVTスイッチ36をそれぞれ配置している。か
かる回路構成の下で、以下の二つの制御を提案する。
【0134】第1の制御 第1の制御は、エンジンの始動操作時に、スタータ始動
の先立って進角量を初期値に設定するものである。即
ち、図26に示すように、イグニッションスイッチのO
N信号が入力されると(ステップS1)、現在の位相角
(θ)と位相角の初期値(α)と比較し(ステップS
2)、現在の位相角が初期値に設定されている場合に
は、直ちにスタータを始動させる(ステップS8)。こ
れに対して、現在の位相角が初期値より進角していると
判断された場合には、解除コイル13に通電して(ステ
ップS3)永久磁石6の磁界によるプーリー24とカム
シャフト2との間の位相保持力を解除し、モータ40を
駆動運転して(ステップS4)位相を初期値側に遅角さ
せる。そして、現在の進角量が初期値に合致すると(ス
テップS5)、モータ40を停止させ(ステップS
6)、解除コイル13への通電を停止して(ステップS
7)位相保持を行い、しかる後、スタータを始動させる
(ステップS8)。
【0135】第2の制御 第2の制御は、エンジンの停止時に進角量を初期値に設
定するものである。即ち、図27に示すように、イグニ
ッションスイッチのOFF信号が入力されると(ステッ
プS1)、現在の位相角(θ)と位相角の初期値(α)
と比較し(ステップS2)、現在の位相角が初期値に設
定されている場合には、直ちにVVTスイッチ36をO
FFとする(ステップS8)。
【0136】これに対して、現在の位相角が初期値より
進角していると判断された場合には、解除コイル13に
通電して(ステップS3)永久磁石6の磁界によるプー
リー24とカムシャフト2との間の位相保持力を解除
し、モータ40を駆動運転して(ステップS4)位相を
初期値側に遅角させる。そして、現在の進角量が初期値
に合致すると(ステップS5)、モータ40を停止させ
(ステップS6)、解除コイル13への通電を停止して
(ステップS7)位相保持を行い、しかる後、VVTス
イッチ36をOFFとする(ステップS8)。
【0137】以上の各制御のいずれにおいても、実際に
エンジンが始動される時点においては常に進角量が初期
値に設定されているため、良好な始動性が確保されるも
のである。
【0138】第4の実施形態 図28には、本願の請求項1,2及び4に記載の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置の実施形態であるアシス
ト機構を備えたエンジンのターボチャージャを示してい
る。以下、このターボチャージャの具体的構造及び作動
等について説明する。
【0139】(構造説明)図28において、符号81は
ケーシング、82はタービンロータ、83はコンプレッ
サロータ、84はタービン側シャフト、85はコンプレ
ッサ側シャフトである。この実施形態のものは、従来の
ようにタービンロータ82とコンプレッサロータ83と
を同軸にて連結した場合、タービンロータ82の質量が
コンプレッサロータ83の質量に比して格段に大きいこ
とから、所謂、ターボラグが問題となるので、低速・低
負荷域においてはタービンロータ82とコンプレッサロ
ータ83とを切り離してコンプレッサロータ83を増速
させ、高速・高負荷域ではタービンロータ82とコンプ
レッサロータ83とを接続してこれらを一体回転させる
ようにしたものである。そして、タービン側シャフト8
4とコンプレッサ側シャフ85との接続機構に本願発明
を適用している。
【0140】即ち、同軸状に近接対向するコンプレッサ
側シャフ85とタービン側シャフト84のうち、コンプ
レッサ側シャフ85の先端部には筒状の永久磁石87を
設ける一方、タービン側シャフト84の先端部には支持
部材86を介して上記永久磁石88と近接対向するよう
に筒状の永久磁石87を設けるとともに該永久磁石87
の径方向外側には該永久磁石88に近接対向するように
して解除コイル89を設けている。
【0141】一方、上記コンプレッサ側シャフ85の外
周側に嵌挿配置され該コンプレッサ側シャフ85と一体
回転するスリーブ90に周方向に所定間隔で多数のブレ
ード61を形成するとともに、該ブレード61,61,
・・に対応する位置にオイルノズル63を開口させ、該
オイルノズル63にオイル通路62側から高圧オイルを
供給してこれを該オイルノズル63からオイルジェット
として上記各ブレード61,61,・・に噴射するよう
にしている。
【0142】尚、ここではコンプレッサロータ83の増
速手段(即ち、アシスト機構)としてオイルジェットを
採用しているが、これを他の手段、例えばモーターとす
ることも可能である。
【0143】(作動説明) エンジンの高速・高負荷域での作動 この運転領域においては、タービンロータ82駆動用の
排気ガス量が十分にあり、高い過給作用を得ることがで
きる領域であるため、解除コイル89への通電を停止
し、永久磁石87と永久磁石88との間に発生する磁界
による磁気吸引力によりタービン側シャフト84とコン
プレッサ側シャフ85との位相を保持させる。従って、
この状態ではタービン側シャフト84とコンプレッサ側
シャフ85とは位相を保持したまま一体回転可能であ
り、上記タービンロータ82のトルクがそのままコンプ
レッサロータ83に伝達され、該コンプレッサロータ8
3による吸気の過給が行われる。
【0144】エンジンの低速・低負荷域での作動 この運転領域においては、排気ガス量が少なくタービン
ロータ82の回転によりコンプレッサロータ83を駆動
したのでは高い過給作用を得ることができない。このた
め、この運転領域においては、上記解除コイル89に通
電して該解除コイル89により発生する磁界によって上
記永久磁石87と永久磁石88との間に発生する磁界の
強さを弱めて上記タービン側シャフト84とコンプレッ
サ側シャフ85との間の位相保持力を解除しこれらを相
対回転可能に分離させる。
【0145】しかる後、オイルノズル63からブレード
61,61,・・にオイルジェットを供給することで、
上記コンプレッサ側シャフ85(即ち、コンプレッサロ
ータ83)は、オイルジェットの運動エネルギーを受け
て増速回転し、上記コンプレッサロータ83により高い
吸気過給作用を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる回転伝動部材の継手装置の第
1の実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のII-II断面図である。
【図3】位相変更時における保持トルク及び解除電流の
時間的変化状態を示す特性図である。
【図4】位相変更時におけるカムシャフトのトルク並び
に解除電流の時間的変化状態を示す特性図である。
【図5】解除コイルへの引加電圧(電流)の波形図であ
る。
【図6】解除コイルに生じる電流(電圧)の波形図であ
る。
【図7】解除コイルの電流(電圧)波形と位相角との相
関関係説明図である。
【図8】永久磁石への再着磁操作時の制御ブロック図で
ある。
【図9】解除コイルの異常判断の説明図である。
【図10】本願発明にかかる回転伝動部材の継手装置の
第2の実施形態を示す断面図である。
【図11】本願発明にかかる回転伝動部材の継手装置の
第3の実施形態を示す断面図である。
【図12】図11のXII-XII断面図である。
【図13】図11に示した継手装置における解除電流の
制御フロチャートである。
【図14】位相変更時における位相角の時間的変化状態
を示す特性図である。
【図15】位相遅角時の制御ブロック図である。
【図16】位相進角時の制御ブロック図である。
【図17】本願発明における位相遅角時の位相角特性図
である。
【図18】本願発明における位相進角時の位相角特性図
である。
【図19】従来一般的な位相遅角時の位相角特性図であ
る。
【図20】従来一般的な位相進角時の位相角特性図であ
る。
【図21】カムシャフトの駆動トルクとモータの制動ト
ルクとの相関図である。
【図22】カムシャフトの駆動トルクとモータの制動ト
ルクとの相関図である。
【図23】逆相制動、発電制動時における電力の流れの
説明図である。
【図24】回生制動時における電力の流れの説明図であ
る。
【図25】本願発明における電源系統図である。
【図26】エンジン始動時の制御フロチャートである。
【図27】エンジン停止時の制御フロチャートである。
【図28】本願発明にかかる回転伝動部材の継手装置の
第4の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1はシリンダヘッド、2はカムシャフト、3はボス部
材、4はフランジ、5はインナーロータ、6は永久磁
石、7〜9はリング部材、10及び11はケーシング、
12は筒状部材、13は解除コイル、15はアウターロ
ータ、16はフランジ部、18は電磁ブレーキ、19は
筒部材、20はスライダ、21は内ネジ、22はヘリカ
ルスプライン、23は渦巻きバネ、24はプーリー、2
5はタイミングベルト、26は係合部材、27は結合ボ
ルト、28〜30は軸受、31はVVTコントローラ、
32はECU、33はバッテリー、34はエンジン、3
5はイグニッションスイッチ、36はVVTスイッチ、
40はモータ、41はステータ、42はアウタロータ、
43はインナーロータ、44は筒部材、47は遊星歯車
機構、48はインターナルギヤ、49はピニオンギヤ、
50はキャリア、51はサンギヤ、52は筒状部材、5
4及び55は軸受、61はブレード、62はオイル通
路、63はオイルノズル、80はターボチャージャ、8
1はケーシング、82はタービンロータ、83はコンプ
レッサロータ、84はタービン側シャフト、85はコン
プレッサ側シャフ、86は支持部材、87は永久磁石、
88は永久磁石、89は解除コイル、90はスリーブで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 博明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側部材と被駆動側部材とに分割され
    た回転伝動部材の該駆動側部材と被駆動側部材とを磁力
    により一体回転可能に接続する回転伝動部材の継手装置
    であって、 上記駆動側部材と被駆動側部材との回転方向における相
    対位置を永久磁石の磁界による吸引力で保持してこれら
    を一体回転可能とする保持手段と、 上記保持手段に近接して配置され上記永久磁石の磁界を
    弱める方向の磁界を発生する解除手段と、を備えたこと
    を特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記解除手段への通電量を変化させることで上記保持手
    段の保持トルクを調整し得るようにしたことを特徴とす
    る回転伝動部材の継手装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記保持手段の保持トルクを変化させることで上記駆動
    側部材と被駆動側部材との回転方向の位相を可変とした
    ことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記駆動側部材と被駆動側部材とを相対回転させて該駆
    動側部材と被駆動側部材との回転方向の位相を変化させ
    る駆動手段を備えたことを特徴とする回転伝動部材の継
    手装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記解除手段への通電初期における所定期間の通電量を
    それ以外の期間の通電量よりも大きく設定したことを特
    徴とする回転伝動部材の継手装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記回転伝動部材の駆動側部材がエンジンにより駆動さ
    れるプーリであり、被駆動側部材が該プーリにより駆動
    されるカムシャフトであって、 該プーリとカムシャフトとの位相を保持手段により保持
    するとともに、該保持手段による位相保持を解除手段に
    より解除し得る如くする一方、 上記プーリとカムシャフトとを相対回転させて該プーリ
    とカムシャフトとの回転方向の位相を変化させる駆動手
    段を備えたことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  7. 【請求項7】 請求項4又は6において、 上記駆動側部材と被駆動側部材との間、又は上記プーリ
    とカムシャフトとの間に、遊星歯車機構を配置し、該遊
    星歯車機構を介して上記駆動手段の駆動力を上記駆動側
    部材から被駆動側部材に、又は上記プーリからカムシャ
    フトに伝達するようにしたことを特徴とする回転伝動部
    材の継手装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記駆動手段が、上記駆動側部材と被駆動側部材、又は
    上記プーリとカムシャフトとを弾性力により機械的に相
    対回転させる弾性部材であることを特徴とする回転伝動
    部材の継手装置。
  9. 【請求項9】 請求項6において、 上記解除手段への通電初期における所定期間の通電量を
    それ以外の期間の通電量よりも大きく設定したことを特
    徴とする回転伝動部材の継手装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 上記カムシャフトからのバックトルクが大きくなる時期
    と、上記解除手段への通電量を大きくする時期とを対応
    させたことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  11. 【請求項11】 請求項6において、 上記解除手段に通電して上記保持手段による位相保持力
    を低下させた状態で上記駆動手段により上記プーリとカ
    ムシャフトとの位相を変化させる一方、 位相角が所定の目標位相角に到達する以前に上記解除手
    段への通電を停止して上記保持手段による位相保持力を
    復活させることを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  12. 【請求項12】 請求項6において、 上記解除手段に矩形波電圧を印加し該解除手段に生じる
    電流波形又は矩形波電流を印加し該解除手段に生じる電
    圧波形に基づいて上記プーリとカムシャフトとの位相差
    を算出することを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 上記解除手段への印加電圧の周波数を、上記プーリとカ
    ムシャフトとの位相変化に基づいて生じる位相信号の周
    波数よりも大きく設定したことを特徴とする回転伝動部
    材の継手装置。
  14. 【請求項14】 請求項6において、 上記保持手段の永久磁石の磁力劣化時に上記解除手段に
    通電して上記永久磁石を着磁させることを特徴とする回
    転伝動部材の継手装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 上記解除手段に矩形波電圧を印加し該解除手段に生じる
    電流波形又は矩形波電流を印加し該解除手段に生じる電
    圧波形の振幅の変化に基づいて上記永久磁石の磁力劣化
    を検出することを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  16. 【請求項16】 請求項6において、 上記保持手段の永久磁石による保持トルクが低下した時
    に上記解除手段に電流を供給して上記永久磁石の磁界を
    強める方向の磁界を発生させて該永久磁石を増磁させる
    ことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  17. 【請求項17】 駆動側部材と被駆動側部材とに分割さ
    れた回転伝動部材の該駆動側部材と被駆動側部材とを磁
    力により一体回転可能に接続する回転伝動部材の継手装
    置であって、 上記駆動側部材と被駆動側部材との回転方向における相
    対位置を永久磁石の磁界による吸引力で保持してこれら
    を一体回転可能とする保持手段と、 上記保持手段に近接して配置され上記永久磁石の磁界を
    弱める方向の磁界を発生する解除手段と、 上記駆動側部材と被駆動側部材とを相対回転させて該駆
    動側部材と被駆動側部材との回転方向の位相を変化させ
    るモータとを備え、 上記モータを制動運転することで位相進角を行い、該モ
    ータを駆動運転することで位相遅角を行うように構成し
    たことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  18. 【請求項18】 請求項17において、 上記駆動側部材と被駆動側部材との間に、遊星歯車機構
    を配置し、該遊星歯車機構を介して上記モータの駆動力
    を上記駆動側部材から被駆動側部材に伝達するようにし
    たことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  19. 【請求項19】 請求項17において、 上記解除手段への通電と上記モータへの通電とを同時に
    行うことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  20. 【請求項20】 請求項17において、 上記被駆動側部材のトルク変動が正の時に上記モータを
    制動運転し、上記被駆動側部材のトルク変動が負の時に
    上記モータを駆動運転することを特徴とする回転伝動部
    材の継手装置。
  21. 【請求項21】 請求項20において、 上記駆動側部材と被駆動側部材との間に、遊星歯車機構
    を配置し、該遊星歯車機構を介して上記モータの駆動力
    を上記駆動側部材から被駆動側部材に伝達するようにし
    たことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  22. 【請求項22】 請求項17において、 上記解除手段の異常により上記保持手段による上記駆動
    側部材と被駆動側部材との位相保持が不良となった時に
    上記モータを制動運転して該モータの制動力により位相
    保持を行うことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  23. 【請求項23】 請求項17において、 上記モータの制動力を利用して位相進角を行う時、該モ
    ータを逆相制動又は発電制動にて運転することを特徴と
    する回転伝動部材の継手装置。
  24. 【請求項24】 請求項23において、 上記モータの制動力を利用して位相進角を行う時、該モ
    ータに対する要求制動トルクが該モータの駆動トルクよ
    りも小さい場合には該モータを回生制動にて運転し、該
    モータに対する要求制動トルクが該モータの駆動トルク
    よりも大きい場合には該モータを逆相制動又は発電制動
    にて運転することを特徴とする回転伝動部材の継手装
    置。
  25. 【請求項25】 エンジンにより駆動されるプーリと該
    プーリを介して駆動されるカムシャフトとを磁力により
    一体回転可能に接続する回転伝動部材の継手装置であっ
    て、 上記プーリとカムシャフトとの回転方向における相対位
    置を永久磁石の磁界による吸引力で保持してこれらを一
    体回転可能とする保持手段と、 上記保持手段に近接して配置され上記永久磁石の磁界を
    弱める方向の磁界を発生する解除手段と、 上記プーリとカムシャフトとを相対回転させて該プーリ
    とカムシャフトとの回転方向の位相を変化させるモータ
    とを備え、 上記モータを制動運転することで位相進角を行い、該モ
    ータを駆動運転することで位相遅角を行うとともに、 上記カムシャフトのトルク変動が正の時に上記モータを
    制動運転し、上記カムシャフトのトルク変動が負の時に
    上記モータを駆動運転することを特徴とする回転伝動部
    材の継手装置。
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