JPH09256535A - ドーム型屋根の構築方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 建設コストの低減と省力化および作業性の向
上と工期短縮が可能なドーム型屋根の構築方法を提供す
る。 【解決手段】 円形構造物における基礎の中心部１Ａ上
に仮設支柱３を構築し、基礎の円形外周部１Ｂ上に屋根
移動用レール２を敷設するとともに、仮設支柱３の上部
に屋根頂部リング４を組み上げ、これら屋根頂部リング
４と屋根移動用レール２間に扇形屋根鉄骨５を組み付け
て屋根を構築するドーム型屋根の構築方法において、扇
形屋根鉄骨５を、仮設支柱３の外周に放射状に複数に分
割形成して地上面で部分的にブロック組みし、これらブ
ロック５Ａ・・をクレーン７等の揚重機を用いて前記仮
設支柱３（９Ａ、９Ｂ）上に扇形に組み立てながら、そ
の中心部側を屋根頂部リング４に固縛固定するととも
に、屋根頂部リング４を中心として前記屋根移動用レー
ル２上を旋回移動させながら順次組み付けていくことに
よって扇形屋根鉄骨５を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、野球場や競技場、
体育館、工場、展示場等の大空間建築物のドーム型屋根
の構築方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、野球場や競技場等の大空間建築物
のドーム型屋根の構築方法に関するものとして種々のも
のが提案されている。一般に、この種の大空間建築物に
おける大型のドーム型屋根を構築するには、円周にて放
射状に複数に分割した扇形屋根鉄骨を地上面で部分的に
ブロック組みし、これらをクレーン等の揚重機を用いて
仮設支柱上で扇形に連結し、これを屋根移動用レール上
を移動させて順次構築していくものである。このような
ドーム型をした屋根の構築方法として、例えば図７に示
した第１の従来例、特公昭６２−６２２１７号公報に記
載されたものがある。この構築方法では、中央構台２３
を中心にして中心部のリング状のレール３３および外周
上のリング状のレール３２を介して旋回可能で、かつ放
射状に構築される大トラス２５、２５間の角度に対応す
る平面形状略扇形の移動構台３０を設置するとともに、
前記中央構台２３上にドーム型大屋根鉄骨のコンプレッ
ションリング２４を組み立てた後、前記大トラス２５を
移動構台３０上で組み立てて、前記コンプレッションリ
ング２４と柱２８間に架設し、次いで、タワークレーン
２７Ａ、移動構台３０上に搭載のクレーン２７Ｂおよび
地上を走行するクレーンを用いて前記大トラス２５、２
５間に屋根トラス２６を構築し、以下次々と移動構台３
０を所定角度ずつ移動しては大トラス２５を架設してい
くものである。つまり、構築される扇形の屋根鉄骨自体
は移動することなく、移動構台３０が中央構台２３の周
囲を回転移動していくものである。

【０００３】また、他の例として、図８に示した第２の
従来例、特公昭６２−６２２１８号公報に記載されたも
のがある。この構築方法では、ドーム型大屋根鉄骨を中
央構台２３を中心として中心部のリング状のレール２０
および外周部のリング状のレール２２を介して旋回可能
な状態に支持する一方、前記中央構台２３と外周スタン
ド３１間に定置式構台２９を組み立てておき、該定置式
構台２９上でコンプレッションリング２４と外周スタン
ド３１の柱２８間に複数本の大トラス２５とこれらの間
の屋根トラス２６を組み立て、該組立完了部分を前記レ
ール２２に沿って矢印のように所定角度旋回させなが
ら、扇形の屋根鉄骨を架設していくものである。つま
り、この構築方法では、中央構台２３と外周スタンド３
１間に組み立てられた定置式構台２９は、前述した従来
例と異なって回転移動することはなく、構築される扇形
の屋根鉄骨自体が回転移動するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構築方法において、前記第１の従来例では、構築すべき
作業領域が屋根の中心部から外周部分までの広い範囲を
カバーしなければならなく移動構台３０の半径はきわめ
て大きい。したがって、移動構台３０の旋回移動のため
に円形構造物の内部空間の殆どを空けておかねばなら
ず、施工上の多くの制約を受けていた。また、移動構台
３０の上には屋根トラス２６を構築するためのクレーン
２７Ｂ等を搭載する必要があることから作業設備が大規
模となる他、中央構台２３の頂上にはタワークレーン２
７Ａを設置するので、中央構台２３自体の強度が要求さ
れる上に構築完了後には該タワークレーン２７Ａを撤去
しなければならない等、作業上面倒であった。さらに、
扇形の屋根鉄骨を構築するには、放射状の大トラス２５
を構築したのちに、これらの間に屋根トラス２６を構築
するため、移動構台３０上での作業工程が増大し、１ブ
ロックの扇形の屋根鉄骨を構築して移動構台３０を所定
角度ずつ旋回移動するまでに要する間隔時間が長大とな
り、長期間の工期を要する結果となっていた。

【０００５】また、前記第２の従来例では、前記第１の
従来例と同様に構築すべき作業領域が屋根の中心部から
外周部分までの広い範囲をカバーしなければならなくし
かも、構台２９は定置式であり、したがって、前記第１
の従来例のもののように、構台３０の旋回移動のために
円形構造物の内部空間の殆どを空けておく必要はなく、
施工上の制約は軽減された。しかしながら、依然とし
て、定置構台２９の上には屋根トラス２６を構築するた
めのクレーン２７Ｂ等を搭載し、中央構台２３の頂上に
はタワークレーン２７Ａを設置しているので、作業設備
が大規模となる他、構築完了後には前記中央構台２３上
のタワークレーン２７Ａや定置構台２９上のクレーン２
７Ｂを撤去する必要があった。しかも、扇形の屋根鉄骨
を構築するには、放射状の大トラス２５を構築したのち
に、これらの間に屋根トラス２６を構築するため、定置
構台２９上での作業工程が増大し、１ブロックの扇形の
屋根鉄骨の定置構台２９上での作業を完全に終了しない
うちは、組立完了部分を所定角度ずつ旋回移動すること
ができず、構築時間に無駄が多く効率的でない等、長期
間の工期を要することは依然として解消されないもので
あった。

【０００６】そこで、本発明では、簡素な作業設備の採
用と、扇形屋根鉄骨の効率的な構築により、建設コスト
の低減と省力化および作業性の向上と工期短縮が可能な
ドーム型屋根の構築方法を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため本発明の第１の
発明は、円形構造物における基礎の中心部上に仮設支柱
を構築し、該基礎の円形外周部上に屋根移動用レールを
敷設するとともに、前記仮設支柱の上部に屋根頂部リン
グを組み上げ、これら屋根頂部リングと屋根移動用レー
ル間に扇形屋根鉄骨を組み付けて屋根を構築するドーム
型屋根の構築方法において、前記扇形屋根鉄骨を、前記
仮設支柱の外周に放射状に複数に分割形成して地上面で
部分的にブロック組みし、これらブロックをクレーン等
の揚重機を用いて前記仮設支柱上に扇形に組み立てなが
ら、その中心部側を前記屋根頂部リングに固縛固定する
とともに、該屋根頂部リングを中心として前記屋根移動
用レール上を旋回移動させながら順次組み付けていくこ
とによって扇形屋根鉄骨を構築することを特徴とするも
のである。また本発明の第２の発明は、前記屋根頂部リ
ングを中心として放射状に複数に分割された扇形屋根鉄
骨のブロックを所定間隔をおいて配置し、これら扇形屋
根鉄骨ブロック間を繋ぎ部材にて連結して組み立てるこ
とによって扇形屋根鉄骨を構築することを特徴とするも
ので、これらを課題解決のための手段とするものであ
る。

【０００８】

【実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図１〜図４は本発明のドーム型屋根の構築
方法の第１実施の形態を示すもので、図１は構築中のド
ーム型屋根の平面図および側面図、図２は主要部の拡大
図、図３は扇形屋根鉄骨ブロックおよび繋ぎ部材の平面
図、図４はジャッキによって扇形屋根鉄骨が旋回移動さ
れる様子を示す平面図である。図１（Ａ）および（Ｂ）
に示すように、野球場や競技場、体育館、工場、展示場
等の大空間建築物を構成する円形構造物は円形の基礎１
を有し、該基礎１は競技場となる基礎中心部１Ａと、該
基礎中心部１Ａより高位で半径方向外側の観客席等とな
る基礎外周部１Ｂとから構成されている。これらの円形
構造物における基礎１の上に、本発明の第１実施の形態
の構築方法によって扇形屋根鉄骨が構築される。

【０００９】本実施の形態では、先ず、基礎の中心部１
Ａ上の中心部Ｏに仮設支柱３を構築し、前記中心部Ｏを
中心とした所定半径の位置にある基礎の外周部１Ｂ上に
円形の屋根移動用レール２を敷設するとともに、前記仮
設支柱３の上部に屋根頂部リング４を組み上げ、これら
屋根頂部リング４と屋根移動用レール２間に扇形屋根鉄
骨５を組み付けて屋根を構築していく。本実施の形態に
よる構築方法では、前記屋根頂部リング４と屋根移動用
レール２間に組み付けられる扇形屋根鉄骨５は、前記仮
設支柱３の外周に放射状に複数に分割形成され、扇形屋
根鉄骨ブロック５Ａ、５Ｂ・・として地上面で部分的に
ブロック組みされる。すなわち、これらの扇形屋根鉄骨
ブロック５Ａ、５Ｂ・・、さらには後述する繋ぎ部材６
Ａを、図１（Ａ）の基準線Ｌで示されるクレーン等の揚
重機を用いての作業領域以外の基礎上において該クレー
ン等による揚重作業とは独立してブロック組みすること
ができるものである。

【００１０】前記地上面で部分的にブロック組みされた
各扇形屋根鉄骨ブロック５Ａ、５Ｂ・・は、図３に示す
ように両側に放射状の大トラス５Ｔを有し、前記図１
（Ａ）の基準線Ｌの作業位置においてクレーン７等の揚
重機によって、前記仮設支柱３上に扇形に組み立てなが
ら、図２（Ａ）に示したように、その中心部側を前記屋
根頂部リング４に固縛固定されるとともに、図２（Ｃ）
に示したように、外周側に設置された鉄骨外周材１２の
下部に軸支した車輪を、前記基礎の外周部１Ｂ上に円形
に敷設された屋根移動用レール２の上に載置される。前
記屋根頂部リング４は、図２（Ｂ）に示したような前記
仮設支柱３の頂部の中心部にピン８によって回動自在に
組み上げられており、扇形屋根鉄骨ブロック５Ａの組付
け完了後に、組み付けられた扇形屋根鉄骨５が図４に示
したような屋根移動用レール２の接線方向のロッド等の
引張材１１を介してジャッキ１０Ａにより牽引されて扇
形屋根鉄骨ブロック５Ａの配置角度だけ旋回移動するこ
とを可能にする。（図４は、後述するところの扇形屋根
鉄骨ブロックに盛り替えながら２ブロック分だけ旋回移
動した状態を示している。）

【００１１】本実施の形態では、前記屋根頂部リング４
を中心として放射状に複数に分割された両側に放射状の
大トラス５Ｔ、５Ｔを有する扇形屋根鉄骨のブロック５
Ａ、５Ｂ、５Ｃ・・を所定間隔をおいて配置し、前述し
た図３のように、これら扇形屋根鉄骨ブロック５Ａ、５
Ｂ間を繋ぎ部材６Ａにて連結して組み立てるものであ
る。すなわち、図１に示すように、繋ぎ部材６Ａはその
両側に放射状の大トラス５Ｔ、５Ｔを有せず、したがっ
て、基準線Ｌの位置にて組み上げられた扇形屋根鉄骨ブ
ロック５Ａと５Ｂ間にクレーン７にて組み付ける際に、
繋ぎ部材６Ａを前記扇形屋根鉄骨ブロック５Ａおよび５
Ｂの大トラス５Ｔを共用して組み付けることができるの
で、該扇形屋根鉄骨ブロック５Ａおよび５Ｂの組付け後
に前記ロッド等の引張材１１を介してのジャッキ１０Ａ
による牽引は、図４に示したように、扇形屋根鉄骨ブロ
ックに盛り替えながら一気に２ブロック分を旋回移動で
きて作業時間を大幅に短縮できる。この際、それらの旋
回移動時に使用するジャッキ１０Ａについては、１つの
ジャッキ１０Ａを１０Ｂそして１０Ｃの位置に順次移動
して使い回すことも可能であるが、許容されるならば、
３台のジャッキを予め配置しておいてもよい。なお、図
１（Ｂ）の符号９Ａ、９Ｂは、仮設支柱３とクレーン７
とを結ぶ線上に配置された仮設支柱をそれぞれ示し、作
業位置において組み付けられる扇形屋根鉄骨ブロック５
Ａ、５Ｂ・・を支持するものであるが、単に扇形屋根鉄
骨ブロックのみを支持すれば足りるので、簡素な構造で
済み、低コストでそれらの撤去も簡単である。

【００１２】図５は、本発明の第２実施の形態を示すも
ので、屋根頂部リング４と屋根移動用レール２間に組み
付けられるのは、図５（Ａ）に示すような両側に放射状
の大トラス５Ｔ、５Ｔを有する扇形屋根鉄骨ブロック５
Ａ、５Ｂ・・・のみを連結して扇形屋根鉄骨５を構築す
るものである。したがって、本実施の形態では、図５
（Ｂ）に示すように、ジャッキ１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ
・・・によって扇形屋根鉄骨５が屋根移動用レール２上
を旋回移動するのは１ブロック分ずつであり、扇形屋根
鉄骨ブロック５Ａ、５Ｂ・・が、互いに隣接する前記放
射状の大トラス５Ｔ、５Ｔ同士を連結する形態にて順次
組み付けられていく。本実施の形態では、構成部材であ
る扇形屋根鉄骨ブロックは１種類を準備するのみでよ
く、建設コストが低廉である。なお、本実施の形態で
は、作業位置にて支持されるのは扇形屋根鉄骨ブロック
５Ａ単体のみであるので、仮設支柱３とクレーン７とを
結ぶ線上に扇形屋根鉄骨ブロックを支持する仮設支柱は
設置されていない。

【００１３】図６は、本発明の第３実施の形態を示すも
ので、屋根頂部リング４と屋根移動用レール２間に組み
付けられるのは、図６（Ａ）に示すように、半径方向に
おいて３個のブロックにさらに分割された扇形屋根鉄骨
ブロック５Ａ、５Ｂ、５Ｃ・・・を連結して扇形屋根鉄
骨５を構築するものである。図６（Ａ）では、扇形屋根
鉄骨ブロック５Ａが全て屋根頂部リング４と屋根移動用
レール２間に組み付けられ、隣接の扇形屋根鉄骨ブロッ
ク５Ｂの最外周側の５Ｂ３が、クレーン７によってまさ
に中間のブロック５Ｂ２に連結されようとする状態を示
している。さらに隣接する扇形屋根鉄骨ブロック５Ｃで
は、最内周側のブロック５Ｃ１が取り付けられている。
本実施の形態では、半径方向において複数個のブロック
にさらに分割された扇形屋根鉄骨ブロック５Ａ、５Ｂ、
５Ｃ・・・が組み付けられるので、これら各半径方向に
おいて分割されたブロック片をそれぞれ支持するため
に、仮設支柱３とクレーン７とを結ぶ線上に仮設支柱９
Ａ、９Ｂが設置されている。本実施の形態では、作業位
置以外の地面上等にてブロック組みされるブロック片が
小さくて済むので、作業時間の短縮とブロック組みのた
めのスペースを要しない他、クレーンに対する負担が軽
減される。

【００１４】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明の趣旨の範囲内で、扇形屋根鉄骨ブロ
ックの形状、継ぎ部材の形状、およびこれらの間の連結
形態、仮設支柱の形状、屋根頂部リングの形状および仮
設支柱への組み上げ形態、屋根移動用レールの基礎上へ
の設置形態、扇形屋根鉄骨の屋根頂部リングへの固縛形
態および屋根移動用レールへの載置形態、扇形屋根鉄骨
の屋根移動用レール上での旋回移動方式等については適
宜採用できるものである。

【００１５】

【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
では、扇形屋根鉄骨を、仮設支柱の外周に放射状に複数
に分割形成して地上面で部分的にブロック組みし、これ
らブロックをクレーン等の揚重機を用いて前記仮設支柱
上に扇形に組み立てながら、その中心部側を前記屋根頂
部リングに固縛固定するとともに、該屋根頂部リングを
中心として屋根移動用レール上を旋回移動させながら順
次組み付けていくことによって扇形屋根鉄骨によりドー
ム型屋根を構築するようにしたので、分割形成された扇
形屋根鉄骨ブロックや繋ぎ部材をクレーン等の揚重機を
用いての作業領域以外の基礎地上面で前記クレーン等に
よる揚重作業とは独立して部分的にブロック組みするこ
とができ、クレーン等による揚重作業現場では、これら
別の作業領域において予めブロック組みされた比較的軽
量の扇形屋根鉄骨ブロックや繋ぎ部材を、単に屋根頂部
リングを組み上げた仮設支柱と屋根移動用レールとの間
に組み付けるだけでよく、作業時間の大幅な短縮が可能
となる他、クレーン等の揚重機を円形構造物の基礎外の
地面に安定して強固に設置さえしておけばよく、仮設支
柱は単に扇形屋根鉄骨のみを支持すれば足りるので、簡
素な構造のものを採用することができる。

【００１６】また、扇形屋根鉄骨ブロック等を揚重する
クレーン等は、円形構造物の基礎外の地面の１か所に設
置するのみでよく、地形的な制約を受ける建設現場での
ドーム型屋根の構築にも充分に対応することが可能であ
る。また、基礎中心部の仮設支柱とクレーンとを結ぶ線
上に簡素な構造の仮設支柱を配置して、組み付けられる
扇形屋根鉄骨ブロックや継ぎ部材を支持しての狭い作業
領域での効率的な構築作業が行える。

【００１７】さらに、両側に放射状の大トラスを有しな
い繋ぎ部材によって扇形屋根鉄骨ブロックを組み付ける
際に、繋ぎ部材を前記扇形屋根鉄骨ブロックの大トラス
を共用して組み付けるならば、扇形屋根鉄骨の組付け後
には該扇形屋根鉄骨を一気に２ブロック分を旋回移動で
きて作業時間を大幅に短縮できる。また、扇形屋根鉄骨
の組付け完了後に、該扇形屋根鉄骨を屋根移動用レール
の接線方向のワイヤを介してジャッキにより牽引するな
らば、旋回移動のための作業設備は低廉であり、それら
の旋回移動時に使用するジャッキを順次移動して使い回
すならば、さらに作業コストは低廉となる。

【００１８】さらにまた、扇形屋根鉄骨ブロックとして
両側に放射状の大トラスを有するもののみを採用して、
これらを順次連結するようにするばらば、組み付け後の
扇形屋根鉄骨の屋根移動用レール上での旋回移動は１ブ
ロック分ずつであるが、構成部材である扇形屋根鉄骨ブ
ロックは１種類を準備するのみでよく、建設コストが低
廉である他、作業手順が統一されて短時間の組付作業を
可能にする。また、扇形屋根鉄骨ブロックとして半径方
向において複数個のブロックにさらに分割されたものを
採用するならば、揚重作業領域以外の地面上等にてブロ
ック組みされるブロック片が小さくて済むので、ブロッ
ク組みにおいて重複される作業時間の短縮が可能となる
上、ブロック組みのためのスペースを要しない。さらに
は、クレーンに対する負担も軽減される。このように本
発明によれば、簡素な作業設備の採用と、扇形屋根鉄骨
の効率的な構築により、建設コストの低減と省力化およ
び作業性の向上と工期短縮が可能なドーム型屋根の構築
方法が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドーム型屋根の構築方法の第１実施の
形態を示し、構築中のドーム型屋根の平面図および側面
図である。

【図２】本発明のドーム型屋根の構築方法の第１実施の
形態を示し、主要部の拡大図である。

【図３】本発明のドーム型屋根の構築方法の第１実施の
形態を示し、扇形屋根鉄骨ブロックおよび繋ぎ部材の平
面図である。

【図４】本発明のドーム型屋根の構築方法の第１実施の
形態を示し、ジャッキによって扇形屋根鉄骨が旋回移動
される様子を示す平面図である。

【図５】本発明のドーム型屋根の構築方法の第２実施の
形態を示す平面図および側面図である。

【図６】本発明のドーム型屋根の構築方法の第３実施の
形態を示す平面図および側面図である。

【図７】ドーム型屋根の構築方法の第１の従来を示す図
である。

【図８】ドーム型屋根の構築方法の第２の従来を示す図
である。

【符号の説明】

１・・・基礎 ２・・・屋根移動用レール ３・・・仮設支柱（中心部） ４・・・屋根頂部リング ５・・・扇形屋根鉄骨 ５Ａ・・・扇形屋根鉄骨ブロック 〜 ５Ｔ・・・大トラス ６・・・継ぎ部材 ７・・・クレーン ８・・・ピン ９・・・仮設支柱 １０・・・ジャッキ １１・・・ロッド等の引張材 １２・・・鉄骨外周材 １３・・・車輪 Ｏ・・・中心部 Ｌ・・・基準線（クレーン作業位置）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 猛也 東京都中央区銀座６丁目２番10号 株式会 社巴コーポレーション内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円形構造物における基礎の中心部上に仮
   設支柱を構築し、該基礎の円形外周部上に屋根移動用レ
   ールを敷設するとともに、前記仮設支柱の上部に屋根頂
   部リングを組み上げ、これら屋根頂部リングと屋根移動
   用レール間に扇形屋根鉄骨を組み付けて屋根を構築する
   ドーム型屋根の構築方法において、前記扇形屋根鉄骨
   を、前記仮設支柱の外周に放射状に複数に分割形成して
   地上面で部分的にブロック組みし、これらブロックをク
   レーン等の揚重機を用いて前記仮設支柱上に扇形に組み
   立てながら、その中心部側を前記屋根頂部リングに固縛
   固定するとともに、該屋根頂部リングを中心として前記
   屋根移動用レール上を旋回移動させながら順次組み付け
   ていくことによって扇形屋根鉄骨を構築するドーム型屋
   根の構築方法。
2. 【請求項２】 前記屋根頂部リングを中心として放射状
   に複数に分割された扇形屋根鉄骨のブロックを所定間隔
   をおいて配置し、これら扇形屋根鉄骨ブロック間を繋ぎ
   部材にて連結して組み立てることによって扇形屋根鉄骨
   を構築することを特徴とする請求項１に記載のドーム型
   屋根の構築方法。