JPH09255980A - 摺動材及び摺動材組成物 - Google Patents
摺動材及び摺動材組成物Info
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- JPH09255980A JPH09255980A JP6991896A JP6991896A JPH09255980A JP H09255980 A JPH09255980 A JP H09255980A JP 6991896 A JP6991896 A JP 6991896A JP 6991896 A JP6991896 A JP 6991896A JP H09255980 A JPH09255980 A JP H09255980A
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- Japan
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- boron nitride
- sliding material
- nitride powder
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐摩耗性に優れ、摩擦係数が低く、限界ＰＶ値
の高い、例えば、軸受け、ベアリングパット、シールリ
ング、ピストンリング、パッキング、ガスケット、歯
車、カム等に適用可能な樹脂材料の摺動材、摺動材組成
物を提供する。 【解決手段】窒化硼素粉と樹脂とを含有する摺動材であ
って、前記窒化硼素粉を１〜５０重量％含有し、摺動面
における前記窒化硼素粉の見掛けの平均粒径が２０〜１
８０μｍ以下であることを特徴とする摺動材であり、ま
た、窒化硼素粉と０．１〜３０重量％の黒鉛及び／又は
二硫化モリブデンと樹脂とを含有することを特徴とする
摺動材組成物であり、加えて、窒化硼素粉と０．１〜３
０重量％のアルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属の
硼酸塩及び／又は酸化硼素と樹脂とを含有する摺動材組
成物である。
の高い、例えば、軸受け、ベアリングパット、シールリ
ング、ピストンリング、パッキング、ガスケット、歯
車、カム等に適用可能な樹脂材料の摺動材、摺動材組成
物を提供する。 【解決手段】窒化硼素粉と樹脂とを含有する摺動材であ
って、前記窒化硼素粉を１〜５０重量％含有し、摺動面
における前記窒化硼素粉の見掛けの平均粒径が２０〜１
８０μｍ以下であることを特徴とする摺動材であり、ま
た、窒化硼素粉と０．１〜３０重量％の黒鉛及び／又は
二硫化モリブデンと樹脂とを含有することを特徴とする
摺動材組成物であり、加えて、窒化硼素粉と０．１〜３
０重量％のアルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属の
硼酸塩及び／又は酸化硼素と樹脂とを含有する摺動材組
成物である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受け、ベアリン
グパット、シールリング、ピストンリング、パッキン、
ガスケット、歯車、カム等に用いられる摺動材及び摺動
材組成物に関する。
グパット、シールリング、ピストンリング、パッキン、
ガスケット、歯車、カム等に用いられる摺動材及び摺動
材組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】樹脂材料は、耐食性、成形性、軽量、低
コスト等の点で優れることから、ＯＡ機器、ＡＶ機器、
自動車、一般の機械機器等の摺動部品に使用されてい
る。しかし、樹脂材料は、金属材料に比較して耐熱性や
機械的強度が劣り、充分な摺動特性が得られない場合が
あり、このような場合には、固体潤滑剤等を添加するこ
とにより、摺動特性の改善が図られている。例えば、Ｐ
ＴＦＥ，ＰＯＭ等の樹脂に固体潤滑剤として黒鉛や二硫
化モリブデン（ＭｏＳ2 ）を添加した樹脂組成物が使用
されている。
コスト等の点で優れることから、ＯＡ機器、ＡＶ機器、
自動車、一般の機械機器等の摺動部品に使用されてい
る。しかし、樹脂材料は、金属材料に比較して耐熱性や
機械的強度が劣り、充分な摺動特性が得られない場合が
あり、このような場合には、固体潤滑剤等を添加するこ
とにより、摺動特性の改善が図られている。例えば、Ｐ
ＴＦＥ，ＰＯＭ等の樹脂に固体潤滑剤として黒鉛や二硫
化モリブデン（ＭｏＳ2 ）を添加した樹脂組成物が使用
されている。
【０００３】しかしながら、近年、樹脂摺動材料が使用
される装置・機器の要求特性が高まってきたことや、低
コスト化への手段として比較的高負荷条件下で使用され
る摺動部品への応用が求められており、耐摩耗性が良好
で、摩擦係数が低く、高限界ＰＶ値の樹脂摺動材料が切
望されている。
される装置・機器の要求特性が高まってきたことや、低
コスト化への手段として比較的高負荷条件下で使用され
る摺動部品への応用が求められており、耐摩耗性が良好
で、摩擦係数が低く、高限界ＰＶ値の樹脂摺動材料が切
望されている。
【０００４】また、従来使用される固体潤滑剤の黒鉛や
２硫化モリブデンは、黒色であり、繊維や食料品関連の
機械に用いる摺動部品では、摩耗粉の付着による汚れの
発生を抑える為や、見た目の清潔感を得るため、白色系
摺動材料が求められている。
２硫化モリブデンは、黒色であり、繊維や食料品関連の
機械に用いる摺動部品では、摩耗粉の付着による汚れの
発生を抑える為や、見た目の清潔感を得るため、白色系
摺動材料が求められている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性が
良好であり、摩擦係数が低く、限界ＰＶ値の高い摺動
材、摺動材組成物を提供することを目的としている。更
に、本発明は、摺動特性上優れる白色の摺動材、摺動材
組成物を提供することを目的としている。
良好であり、摩擦係数が低く、限界ＰＶ値の高い摺動
材、摺動材組成物を提供することを目的としている。更
に、本発明は、摺動特性上優れる白色の摺動材、摺動材
組成物を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決する為の手段】本発明は、窒化硼素粉と樹
脂とを含有する摺動材であって、前記窒化硼素粉を１重
量％以上５０重量％以下を含有し、摺動面における前記
窒化硼素粉の見掛けの平均粒径が２０μｍ以上１８０μ
ｍ以下であることを特徴とする摺動材に関する。又、本
発明は、窒化硼素粉と黒鉛及び／又は二硫化モリブテン
（ＭｏＳ2 ）と樹脂とを含有し、黒鉛及び／又は二硫化
モリブテン（ＭｏＳ2 ）を０．１重量％以上３０重量％
以下含有することを特徴とする摺動材組成物に関する。
更に、本発明は、窒化硼素粉とアルカリ土類金属及び／
又はアルカリ金属の硼酸塩及び／又は酸化硼素と樹脂と
を含有し、アルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属の
硼酸塩及び／又は酸化硼素を０．１重量％以上３０重量
％以下含有することを特徴とする摺動材組成物に関し、
好ましくは、黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ
2 ）を０．１重量％以上３０重量％以下含有することを
特徴とする前記の摺動材組成物に関する。
脂とを含有する摺動材であって、前記窒化硼素粉を１重
量％以上５０重量％以下を含有し、摺動面における前記
窒化硼素粉の見掛けの平均粒径が２０μｍ以上１８０μ
ｍ以下であることを特徴とする摺動材に関する。又、本
発明は、窒化硼素粉と黒鉛及び／又は二硫化モリブテン
（ＭｏＳ2 ）と樹脂とを含有し、黒鉛及び／又は二硫化
モリブテン（ＭｏＳ2 ）を０．１重量％以上３０重量％
以下含有することを特徴とする摺動材組成物に関する。
更に、本発明は、窒化硼素粉とアルカリ土類金属及び／
又はアルカリ金属の硼酸塩及び／又は酸化硼素と樹脂と
を含有し、アルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属の
硼酸塩及び／又は酸化硼素を０．１重量％以上３０重量
％以下含有することを特徴とする摺動材組成物に関し、
好ましくは、黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ
2 ）を０．１重量％以上３０重量％以下含有することを
特徴とする前記の摺動材組成物に関する。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
る。
【０００８】窒化硼素に関して、立方晶の結晶構造を有
するもの、六方晶の結晶構造を有するもの、或いは熱分
解により得られるターボストラティック構造を有するも
のなど多くのものが知られているが、本発明の窒化硼素
粉は六方晶の結晶構造を有する粉末である。
するもの、六方晶の結晶構造を有するもの、或いは熱分
解により得られるターボストラティック構造を有するも
のなど多くのものが知られているが、本発明の窒化硼素
粉は六方晶の結晶構造を有する粉末である。
【０００９】前記六方晶窒化硼素粉は、黒鉛や二硫化モ
リブデンと同様に層状構造を有する固体潤滑剤である
が、黒鉛や２硫化モリブデンに比較して、窒化硼素自体
の潤滑性は良好でなく（千代田：材料試験技術,9,2,(19
91) 参照）、樹脂へ添加した場合においても摺動特性の
改善効果は小さく、充分な機能を有する摺動材料を作製
することができないとされていた。
リブデンと同様に層状構造を有する固体潤滑剤である
が、黒鉛や２硫化モリブデンに比較して、窒化硼素自体
の潤滑性は良好でなく（千代田：材料試験技術,9,2,(19
91) 参照）、樹脂へ添加した場合においても摺動特性の
改善効果は小さく、充分な機能を有する摺動材料を作製
することができないとされていた。
【００１０】しかしながら、発明者らは、樹脂に窒化硼
素粉を含ませた摺動材、摺動材組成物について鋭意検討
した結果、摺動面における窒化硼素粉の見掛けの平均粒
径を特定の範囲に制御することにより、また、窒化硼素
とともに他の固体潤滑剤、例えば黒鉛、二硫化モリブデ
ン、アルカリ土類金属やアルカリ金属のホウ酸塩、酸化
硼素を併せて用いることにより、前記摺動材及び摺動材
組成物の摺動特性を大幅に改善できることを見いだし、
本発明に至ったものである。
素粉を含ませた摺動材、摺動材組成物について鋭意検討
した結果、摺動面における窒化硼素粉の見掛けの平均粒
径を特定の範囲に制御することにより、また、窒化硼素
とともに他の固体潤滑剤、例えば黒鉛、二硫化モリブデ
ン、アルカリ土類金属やアルカリ金属のホウ酸塩、酸化
硼素を併せて用いることにより、前記摺動材及び摺動材
組成物の摺動特性を大幅に改善できることを見いだし、
本発明に至ったものである。
【００１１】即ち、本発明の第１の発明では、窒化硼素
粉と樹脂とを含有する摺動材であって、前記窒化硼素粉
を１重量％以上５０重量％以下を含有し、摺動面におけ
る前記窒化硼素粉の見掛けの平均粒径が２０μｍ以上１
８０μｍ以下であることを特徴とする摺動材である。
粉と樹脂とを含有する摺動材であって、前記窒化硼素粉
を１重量％以上５０重量％以下を含有し、摺動面におけ
る前記窒化硼素粉の見掛けの平均粒径が２０μｍ以上１
８０μｍ以下であることを特徴とする摺動材である。
【００１２】本発明において、窒化硼素粉の摺動面にお
ける見掛けの平均粒子径とは、該摺動材が他の摺動部材
と接し相互に摺動しあう面において、前記面を垂直方向
から見た時の窒化硼素粉の平均粒子径である。前記見掛
けの平均粒子径の測定は、摺動面を研磨し、顕微鏡組織
観察し、視野内の各粒子の投影面積を測定し、面積平均
粒子径を測定して、平均粒子径としたものである。
ける見掛けの平均粒子径とは、該摺動材が他の摺動部材
と接し相互に摺動しあう面において、前記面を垂直方向
から見た時の窒化硼素粉の平均粒子径である。前記見掛
けの平均粒子径の測定は、摺動面を研磨し、顕微鏡組織
観察し、視野内の各粒子の投影面積を測定し、面積平均
粒子径を測定して、平均粒子径としたものである。
【００１３】前記窒化硼素粉の見掛けの平均粒子径の大
きさは、１次粒子、即ち窒化硼素の個々の粒子がそれぞ
ればらばらに分散した場合であっても、また１次粒子が
凝集して見掛け上一つの粒子を形成している場合であっ
てもよく、本発明においては、２０μm 以上１８０μm
以下であれば良い。
きさは、１次粒子、即ち窒化硼素の個々の粒子がそれぞ
ればらばらに分散した場合であっても、また１次粒子が
凝集して見掛け上一つの粒子を形成している場合であっ
てもよく、本発明においては、２０μm 以上１８０μm
以下であれば良い。
【００１４】前記窒化硼素粉の見掛けの平均粒子径が２
０μm 未満であると窒化硼素と樹脂との付着性が良好で
なく、窒化硼素粉が摺動面より脱落し易くなり、摺動特
性が不良となる。また、窒化硼素粉の見掛けの平均粒子
径が１８０μm より大きいと摩擦界面における窒化硼素
粉の潤滑効果が小さくなるためか、やはり摺動特性が充
分でなくなる。窒化硼素の見掛けの平均粒子径が３０μ
ｍ以上１００μｍ以下の範囲が、摺動特性に優れ、好ま
しい範囲である。
０μm 未満であると窒化硼素と樹脂との付着性が良好で
なく、窒化硼素粉が摺動面より脱落し易くなり、摺動特
性が不良となる。また、窒化硼素粉の見掛けの平均粒子
径が１８０μm より大きいと摩擦界面における窒化硼素
粉の潤滑効果が小さくなるためか、やはり摺動特性が充
分でなくなる。窒化硼素の見掛けの平均粒子径が３０μ
ｍ以上１００μｍ以下の範囲が、摺動特性に優れ、好ま
しい範囲である。
【００１５】窒化硼素粉の摺動材或いは摺動材組成物中
での含有量は、１重量％以上５０重量％以下の範囲であ
る。１重量％未満では充分な摺動特性が得られず、また
５０重量％を越えると樹脂の強度が低下して摺動材とし
て使用できなくなるためである。摺動材の強度低下がな
く、しかも摺動特性が良い、実用上好ましい範囲は１重
量％以上３０重量％以下である。
での含有量は、１重量％以上５０重量％以下の範囲であ
る。１重量％未満では充分な摺動特性が得られず、また
５０重量％を越えると樹脂の強度が低下して摺動材とし
て使用できなくなるためである。摺動材の強度低下がな
く、しかも摺動特性が良い、実用上好ましい範囲は１重
量％以上３０重量％以下である。
【００１６】本発明において樹脂とは、特に限定するも
のではないが、一般的に摺動材料として用いられる樹脂
で良い。これらの樹脂を以下に例示すれば、 （１）フッ素系樹脂：ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエ
チレン）, ＰＦＡ（テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体）, ＦＥＰ（テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体） （２）ポリアセタール樹脂：ＰＯＭ（ポリオキシメチレ
ン） （３）ナイロン樹脂： （４）フェノール樹脂：ＰＦ （５）ジアリルフタレート樹脂：ＤＡＰ （６）ポリイミド樹脂：ＰＩ （７）エポキシ樹脂：ＥＰ （８）塩化ビニル樹脂：ＰＶＣ （９）ポリフェニレンサルファイド樹脂: ＰＰＳ （１０）ポリエステル樹脂： （１１）ＰＥＥＫ樹脂：（ポリエーテルエーテルケト
ン） （１２）各種液晶ポリマー： （１３）各種ポリマーアロイ： があげられる。本発明においては、フッ素系樹脂、ポリ
アセタール樹脂が好ましく使用され、特に前者のなかで
はＰＴＦＥが好ましい。
のではないが、一般的に摺動材料として用いられる樹脂
で良い。これらの樹脂を以下に例示すれば、 （１）フッ素系樹脂：ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエ
チレン）, ＰＦＡ（テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体）, ＦＥＰ（テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体） （２）ポリアセタール樹脂：ＰＯＭ（ポリオキシメチレ
ン） （３）ナイロン樹脂： （４）フェノール樹脂：ＰＦ （５）ジアリルフタレート樹脂：ＤＡＰ （６）ポリイミド樹脂：ＰＩ （７）エポキシ樹脂：ＥＰ （８）塩化ビニル樹脂：ＰＶＣ （９）ポリフェニレンサルファイド樹脂: ＰＰＳ （１０）ポリエステル樹脂： （１１）ＰＥＥＫ樹脂：（ポリエーテルエーテルケト
ン） （１２）各種液晶ポリマー： （１３）各種ポリマーアロイ： があげられる。本発明においては、フッ素系樹脂、ポリ
アセタール樹脂が好ましく使用され、特に前者のなかで
はＰＴＦＥが好ましい。
【００１７】本発明における第２の発明は、窒化硼素粉
と黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）と樹脂
とを含有し、黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ
2 ）を０．１重量％以上３０重量％以下含有することを
特徴とする摺動材組成物である。本発明者らの検討によ
れば、驚くべきことに、前記所定量の黒鉛及び／又は二
硫化モリブデンを窒化硼素粉とともに樹脂に添加すると
き、それぞれを単独で樹脂に添加した場合に比べ、優れ
た摺動特性を有する摺動材組成物が得られることを見い
だしたものであります。しかも、この効果は、黒鉛及び
／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）の含有量が０．１
重量未満、或いは３０重量％を越える場合には、摺動特
性が悪化し、摺動特性に優れる摺動材組成物が得られな
くなる。実用的には１重量％以上１０重量％以下の範囲
が好ましく用いられる。尚、黒鉛及び／又は二硫化モリ
ブデンとともに樹脂に添加する窒化硼素粉の見掛けの平
均粒子径に関しては、２０μｍ以上１８０μｍ以下であ
ることが、前記の相乗効果を引き出し易く、好ましい。
と黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）と樹脂
とを含有し、黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ
2 ）を０．１重量％以上３０重量％以下含有することを
特徴とする摺動材組成物である。本発明者らの検討によ
れば、驚くべきことに、前記所定量の黒鉛及び／又は二
硫化モリブデンを窒化硼素粉とともに樹脂に添加すると
き、それぞれを単独で樹脂に添加した場合に比べ、優れ
た摺動特性を有する摺動材組成物が得られることを見い
だしたものであります。しかも、この効果は、黒鉛及び
／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）の含有量が０．１
重量未満、或いは３０重量％を越える場合には、摺動特
性が悪化し、摺動特性に優れる摺動材組成物が得られな
くなる。実用的には１重量％以上１０重量％以下の範囲
が好ましく用いられる。尚、黒鉛及び／又は二硫化モリ
ブデンとともに樹脂に添加する窒化硼素粉の見掛けの平
均粒子径に関しては、２０μｍ以上１８０μｍ以下であ
ることが、前記の相乗効果を引き出し易く、好ましい。
【００１８】本発明における第３の発明は、窒化硼素粉
とアルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属の硼酸塩及
び／又は酸化硼素と樹脂とを含有し、アルカリ土類金属
及び／又はアルカリ金属の硼酸塩及び／又は酸化硼素の
合計量を０．１重量％以上３０重量％以下含有すること
を特徴とする摺動材組成物である。
とアルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属の硼酸塩及
び／又は酸化硼素と樹脂とを含有し、アルカリ土類金属
及び／又はアルカリ金属の硼酸塩及び／又は酸化硼素の
合計量を０．１重量％以上３０重量％以下含有すること
を特徴とする摺動材組成物である。
【００１９】本発明のアルカリ土類金属ホウ酸塩並びに
アルカリ金属ホウ酸塩とは、Ｃａ０・ ２Ｂ2Ｏ3、ＣａＯ
・Ｂ2Ｏ3、２ＣａＯ・Ｂ2Ｏ3，３ＣａＯ・Ｂ2Ｏ3、Ｎａ2Ｏ
・Ｂ2Ｏ3、Ｎａ2Ｏ・２Ｂ2Ｏ3、Ｎａ2Ｏ・３Ｂ2Ｏ3、Ｂａ
Ｏ・Ｂ2Ｏ3、３ＭｇＯ・Ｂ2Ｏ3、Ｋ2Ｏ・Ｂ2Ｏ3等をいい、
前記ホウ酸塩は結晶水を含むものであっても構わない。
また、酸化硼素とは、Ｂ2Ｏ3、Ｂ2Ｏ2、Ｂ4Ｏ3等をい
い、これらが水化して生じるＨ3ＢＯ3等の酸素酸も用い
ることができる。アルカリ土類金属及び／又はアルカリ
金属の硼酸塩及び酸化硼素の摺動材組成物中での含有量
が０．１重量％未満では充分な潤滑効果が得られず、ま
た３０重量％を越えると摩擦係数が高くなり、摺動材料
として使用できなくなる。０．５重量％以上１０重量％
以下が実用上好ましい範囲である。更に、好ましくは、
黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）を０．１
重量％以上３０重量％以下含有させることによって、摺
動特性を一層改善することができる。
アルカリ金属ホウ酸塩とは、Ｃａ０・ ２Ｂ2Ｏ3、ＣａＯ
・Ｂ2Ｏ3、２ＣａＯ・Ｂ2Ｏ3，３ＣａＯ・Ｂ2Ｏ3、Ｎａ2Ｏ
・Ｂ2Ｏ3、Ｎａ2Ｏ・２Ｂ2Ｏ3、Ｎａ2Ｏ・３Ｂ2Ｏ3、Ｂａ
Ｏ・Ｂ2Ｏ3、３ＭｇＯ・Ｂ2Ｏ3、Ｋ2Ｏ・Ｂ2Ｏ3等をいい、
前記ホウ酸塩は結晶水を含むものであっても構わない。
また、酸化硼素とは、Ｂ2Ｏ3、Ｂ2Ｏ2、Ｂ4Ｏ3等をい
い、これらが水化して生じるＨ3ＢＯ3等の酸素酸も用い
ることができる。アルカリ土類金属及び／又はアルカリ
金属の硼酸塩及び酸化硼素の摺動材組成物中での含有量
が０．１重量％未満では充分な潤滑効果が得られず、ま
た３０重量％を越えると摩擦係数が高くなり、摺動材料
として使用できなくなる。０．５重量％以上１０重量％
以下が実用上好ましい範囲である。更に、好ましくは、
黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）を０．１
重量％以上３０重量％以下含有させることによって、摺
動特性を一層改善することができる。
【００２０】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【００２１】〔実施例１〜３〕ＰＴＦＥ粉に各種の平均
粒径の窒化硼素粉末を摺動材組成物中に１５重量％添加
し、ヘンシェルミキサーにより混合した。次に、前記混
合粉を金型に充填し、成形圧６００ｋｇ／ｃｍ2で６０
φ×４ｍｍの成形体を作製し、更に、空気中で３７０℃
×３時間焼成した後、表面研磨を行なってサンプルを作
製した。前記サンプルを用いスラスト摩擦試験機にて、
表１に示す条件で５時間の耐摩耗試験を行ない、摩擦係
数を求めるとともに試験前後の重量変化から摩耗係数を
測定した。更に、試験後サンプルの摺動面を研磨し、顕
微鏡組織観察を行なうことによって、見掛けの平均粒子
径を求めた。この結果を表２に記載した。尚、耐摩耗試
験の相手材としては、外径２５．６ｍｍ内径２０ｍｍ長
さ１５ｍｍの材質Ｓ４５Ｃのリングを用いた。
粒径の窒化硼素粉末を摺動材組成物中に１５重量％添加
し、ヘンシェルミキサーにより混合した。次に、前記混
合粉を金型に充填し、成形圧６００ｋｇ／ｃｍ2で６０
φ×４ｍｍの成形体を作製し、更に、空気中で３７０℃
×３時間焼成した後、表面研磨を行なってサンプルを作
製した。前記サンプルを用いスラスト摩擦試験機にて、
表１に示す条件で５時間の耐摩耗試験を行ない、摩擦係
数を求めるとともに試験前後の重量変化から摩耗係数を
測定した。更に、試験後サンプルの摺動面を研磨し、顕
微鏡組織観察を行なうことによって、見掛けの平均粒子
径を求めた。この結果を表２に記載した。尚、耐摩耗試
験の相手材としては、外径２５．６ｍｍ内径２０ｍｍ長
さ１５ｍｍの材質Ｓ４５Ｃのリングを用いた。
【００２２】
【表１】
【００２３】
【表２】
【００２４】〔比較例１〜４〕窒化硼素粉の見掛けの平
均粒子径が本発明の範囲外となるようにしたこと、又、
窒化硼素粉に代えて黒鉛及び二硫化モリブデンを用いた
こと以外は実施例１と同条件にてサンプルを作製し摺動
特性を評価した。結果を表２に併せて記載する。
均粒子径が本発明の範囲外となるようにしたこと、又、
窒化硼素粉に代えて黒鉛及び二硫化モリブデンを用いた
こと以外は実施例１と同条件にてサンプルを作製し摺動
特性を評価した。結果を表２に併せて記載する。
【００２５】〔実施例４〕実施例２と同じサンプルを作
製し、スラスト摩擦試験機にて表３に示す条件で限界Ｐ
Ｖ値を評価した。限界ＰＶ値は、試験荷重を段階的に上
昇させ、摩耗深さの時間的変化から、各試験荷重におけ
る摩耗係数を求め、摩耗係数が急激に増加する試験荷重
に相当するＰＶ値（荷重×面圧力）を限界ＰＶ値とした
ものである。測定した限界ＰＶ値、及びＰＶ値（２０kg
/cm2・m/sec）における摩耗係数と摩擦係数を表４にまと
めた。
製し、スラスト摩擦試験機にて表３に示す条件で限界Ｐ
Ｖ値を評価した。限界ＰＶ値は、試験荷重を段階的に上
昇させ、摩耗深さの時間的変化から、各試験荷重におけ
る摩耗係数を求め、摩耗係数が急激に増加する試験荷重
に相当するＰＶ値（荷重×面圧力）を限界ＰＶ値とした
ものである。測定した限界ＰＶ値、及びＰＶ値（２０kg
/cm2・m/sec）における摩耗係数と摩擦係数を表４にまと
めた。
【００２６】
【表３】
【００２７】
【表４】
【００２８】〔比較例５、６〕比較例３、比較例４と同
一のサンプルについて、実施例４と同一条件にて評価し
た。結果を表４に併せて記載した。
一のサンプルについて、実施例４と同一条件にて評価し
た。結果を表４に併せて記載した。
【００２９】〔実施例５〜１１〕ＰＴＦＥ粉に、窒化硼
素粉(純度:９９％)、硼酸カルシウム含有窒化硼素粉
（硼酸カルシウム含有量：２０重量％）、黒鉛粉、Ｍｏ
Ｓ2粉、硼酸カルシウム粉（化学組成：ＣａＯ・Ｂ2Ｏ
3）、硼酸粉（化学組成：Ｈ3ＢＯ3）をいろいろに組み
合わせて、摺動材組成物中にこれらの固体潤滑剤が合計
で１５重量％になる様に配合添加した混合粉を用意した
後、実施例１と同一の手順でサンプルを作製し、耐摩耗
試験を行なった。これらの結果を表５に示す。
素粉(純度:９９％)、硼酸カルシウム含有窒化硼素粉
（硼酸カルシウム含有量：２０重量％）、黒鉛粉、Ｍｏ
Ｓ2粉、硼酸カルシウム粉（化学組成：ＣａＯ・Ｂ2Ｏ
3）、硼酸粉（化学組成：Ｈ3ＢＯ3）をいろいろに組み
合わせて、摺動材組成物中にこれらの固体潤滑剤が合計
で１５重量％になる様に配合添加した混合粉を用意した
後、実施例１と同一の手順でサンプルを作製し、耐摩耗
試験を行なった。これらの結果を表５に示す。
【００３０】
【表５】
【００３１】〔実施例１２〜１７〕実施例５〜１１と同
様にしていろいろなサンプルを作製し、スラスト摩擦試
験機にて実施例４と同様に限界PV値評価試験を実施し
た。この結果を表６に示す。
様にしていろいろなサンプルを作製し、スラスト摩擦試
験機にて実施例４と同様に限界PV値評価試験を実施し
た。この結果を表６に示す。
【００３２】
【表６】
【００３３】〔実施例１８、実施例１９〕ＰＯＭペレッ
トに、窒化硼素粉（窒化硼素純度：９９重量％）又は硼
酸カルシウム含有窒化硼素粉（硼酸カルシウム含有量：
２０重量％）を摺動材組成物中に２重量％添加し、ヘン
シェルミキサーにより混合して得られた混合粉を、更に
２軸押出機を用いて２１５℃で混合し、ペレタイザーに
よりペレットを作製した。次に、前記ペレットを２２０
℃、１４０ｋｇ／ｃｍ2でプレス成形し、４０ｍｍ×４
０ｍｍ×３ｍｍの成形体を作成し、表面を研磨してサン
プルを得た。前記サンプルを用いスラスト摩擦試験機に
て表７に示す条件で摺動特性を評価した。この結果を表
８に示した。
トに、窒化硼素粉（窒化硼素純度：９９重量％）又は硼
酸カルシウム含有窒化硼素粉（硼酸カルシウム含有量：
２０重量％）を摺動材組成物中に２重量％添加し、ヘン
シェルミキサーにより混合して得られた混合粉を、更に
２軸押出機を用いて２１５℃で混合し、ペレタイザーに
よりペレットを作製した。次に、前記ペレットを２２０
℃、１４０ｋｇ／ｃｍ2でプレス成形し、４０ｍｍ×４
０ｍｍ×３ｍｍの成形体を作成し、表面を研磨してサン
プルを得た。前記サンプルを用いスラスト摩擦試験機に
て表７に示す条件で摺動特性を評価した。この結果を表
８に示した。
【００３４】
【表７】
【００３５】
【表８】
【００３６】〔比較例７、８〕窒化硼素粉（窒化硼素純
度：９９重量％）、硼酸カルシウム含有窒化硼素粉（硼
酸カルシウム含有量：２０重量％）に代えて、黒鉛、二
硫化モリブデンのそれぞれを添加したこと以外は実施例
１８、実施例１９と同一の手順で得られたそれぞれのペ
レットを評価した結果を表８に示した。
度：９９重量％）、硼酸カルシウム含有窒化硼素粉（硼
酸カルシウム含有量：２０重量％）に代えて、黒鉛、二
硫化モリブデンのそれぞれを添加したこと以外は実施例
１８、実施例１９と同一の手順で得られたそれぞれのペ
レットを評価した結果を表８に示した。
【００３７】
【発明の効果】本発明の摺動材組成物は、実施例からも
明かのように、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が小さく、限
界ＰＶ値が高いので比較的高負荷の摺動材用途にも適用
可能であり、軸受け、ベアリングパット、シールリン
グ、ピストンリング、パッキン、ガスケット、歯車、カ
ム等のいろいろな摺動部材として用いることができる。
本発明の摺動材組成物は、耐摩耗性が良好で、摩擦係数
が低く、しかも限界ＰＶ値が高いという良好な摺動特性
を有するとともに、白色の窒化硼素粉を用いていること
から、繊維や食料品関連の機械に用いる摺動部品で必要
とされる白色系摺動材料として有用である。更に、本発
明の摺動材組成物のうち、特に、二硫化モリブデンを併
せて含有する場合には、摩擦係数を極めて低くすること
ができ、前記用途のうち比較的軽負荷の、特に温度上昇
を抑えたい場合の摺動部材として最適である。
明かのように、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が小さく、限
界ＰＶ値が高いので比較的高負荷の摺動材用途にも適用
可能であり、軸受け、ベアリングパット、シールリン
グ、ピストンリング、パッキン、ガスケット、歯車、カ
ム等のいろいろな摺動部材として用いることができる。
本発明の摺動材組成物は、耐摩耗性が良好で、摩擦係数
が低く、しかも限界ＰＶ値が高いという良好な摺動特性
を有するとともに、白色の窒化硼素粉を用いていること
から、繊維や食料品関連の機械に用いる摺動部品で必要
とされる白色系摺動材料として有用である。更に、本発
明の摺動材組成物のうち、特に、二硫化モリブデンを併
せて含有する場合には、摩擦係数を極めて低くすること
ができ、前記用途のうち比較的軽負荷の、特に温度上昇
を抑えたい場合の摺動部材として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｍ 125:22） Ｃ１０Ｎ 10:12 20:06 40:00 40:02 40:34 50:08
Claims (4)
- 【請求項１】 窒化硼素粉と樹脂とを含有する摺動材で
あって、前記窒化硼素粉を１重量％以上５０重量％以下
を含有し、摺動面における前記窒化硼素粉の見掛の平均
粒径が２０μｍ以上１８０μｍ以下であることを特徴と
する摺動材。 - 【請求項２】 窒化硼素粉と黒鉛及び／又は二硫化モリ
ブテン（ＭｏＳ2 ）と樹脂とを含有し、黒鉛及び／又は
二硫化モリブテン（ＭｏＳ2 ）を０．１重量％以上３０
重量％以下含有することを特徴とする摺動材組成物。 - 【請求項３】 窒化硼素粉とアルカリ土類金属及び／又
はアルカリ金属の硼酸塩及び／又は酸化硼素と樹脂とを
含有し、前記アルカリ土類金属及び／又はアルカリ金属
の硼酸塩及び／又は酸化硼素を０．１重量％以上３０重
量％以下含有することを特徴とする摺動材組成物。 - 【請求項４】 黒鉛及び／又は二硫化モリブテン（Ｍｏ
Ｓ2 ）を０．１重量％以上３０重量％以下含有すること
を特徴とする請求項３記載の摺動材組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6991896A JPH09255980A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 摺動材及び摺動材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6991896A JPH09255980A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 摺動材及び摺動材組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09255980A true JPH09255980A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13416558
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6991896A Pending JPH09255980A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 摺動材及び摺動材組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09255980A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015093443A1 (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 旭有機材工業株式会社 | 摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材 |
| CN111073742A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-04-28 | 潍坊春丰新材料科技有限公司 | 一种具有高润滑大比表面积的氮化硼粉末及其制备方法 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP6991896A patent/JPH09255980A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015093443A1 (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 旭有機材工業株式会社 | 摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材 |
| CN111073742A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-04-28 | 潍坊春丰新材料科技有限公司 | 一种具有高润滑大比表面积的氮化硼粉末及其制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050713 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050802 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060124 |