JP3973619B2 - 複層摺動部材 - Google Patents

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Description

本発明は、裏金上に形成された多孔質金属層と、該多孔質金属層中に含浸被覆された樹脂層とからなる複層摺動部材に関し、潤滑・無潤滑下での使用はもちろん、境界潤滑下での使用においても摩擦摩耗特性に優れた複層摺動部材に関するものである。
従来から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、自己潤滑性に優れ摩擦係数が低く、さらに、耐熱性、耐薬品性をも有することから、軸受などの摺動部材に広く使用されている。
このポリテトラフルオロエチレン樹脂単体を被覆した摺動部材は、耐摩耗性に劣るため、摺動部材の使用用途に応じ、充填材として機械的特性に優れた他の樹脂や、展延性に優れた鉛、鉛合金などの低融点物質、潤滑性に優れた黒鉛や二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が添加され、この欠点を補っている。しかし、鉛、鉛合金を含んだ摺動部材は、環境面から問題があるため、近年、鉛、鉛合金に代えて他の樹脂、固体潤滑剤、硬質粒子等を含む摺動部材が数多く提案されるようになってきた。例えば、本出願人が先に出願した特開2001−355634号公報には、他の樹脂として、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(以下、「PFA」と略す)及びオキシベンゾイルポリエステル樹脂を含有し、硬質粒子としてセラミック系硬質粒子を含有した摺動部材が提案されている。同様に、特開2001−132756号公報には、硬質粒子として酸化第二錫を含有する摺動部材が提案されている。
特開2001−355634号公報 特開2001−132756号公報
しかしながら、上述した各種の摺動材は、通常の使用条件、例えば、無潤滑下・油潤滑条件下において、ある程度の摩擦摩耗特性を発揮するが、特に、高荷重時の境界潤滑下では、性能が十分とは言い難いという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、無潤滑下・油潤滑下だけではなく境界潤滑下においても摩擦摩耗特性の優れた摺動部材を提供することを目的とする。
そこで、請求項1に係る発明においては、裏金上に形成された多孔質金属層と、該多孔質金属層中に含浸被覆された樹脂層とからなる複層摺動部材において、前記樹脂層は、1〜25体積%のオキシベンゾイルポリエステル樹脂と、1〜15体積%のテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂と、0.1〜5体積%の酸化第二錫と、その比表面積が2m 2 /g以上である1〜5体積%の炭酸カルシウムと、残部がポリテトラフルオロエチレン樹脂と、からなることを特徴とする複層摺動部材とした。
また、請求項に係る発明においては、前記樹脂層は、さらに、1〜10体積%のグラファイト又は/及び二硫化モリブデンを有することを特徴とする複層摺動部材とした。
請求項1に係る発明においては、複層摺動部材の樹脂層が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE」と略す)を主成分とし、1〜25体積%のオキシベンゾイルポリエステル樹脂(以下、「POB」と略す)と、1〜15体積%のテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂と、0.1〜5体積%の酸化第二錫と、その比表面積が2m 2 /g以上である1〜5体積%の炭酸カルシウムと、からなるものであるが、POBは、主成分のPTFEよりも硬度が高く、また、PTFEの融点以上でも分解しにくいものであり、樹脂層に適量が分散することにより、耐摩耗性を向上させる作用を呈するものである。POBの含有量は、1〜25体積%とする必要があり、好ましくは5〜20体積%が望ましい。1体積%未満では、十分な耐摩耗性を得ることができず、25体積%を超えるとベース樹脂であるPTFEの組織が脆化し、耐摩耗性が低下するからである。
また、酸化第二錫の添加により、より高い硬度(モース硬度6以上)の粒子が摺動面に分散することになるので、耐摩耗性をさらに向上させる作用を呈するものである。酸化第二錫の含有量は、0.1〜5体積%とする必要があり、好ましくは0.5〜2.5体積%が望ましい。0.1体積%未満では、十分な耐摩耗性を得ることができず、5体積%を超えると相手軸を攻撃し、逆に耐摩耗性が低下するからである。特に、金属酸化物である酸化第二錫を採用した場合には、PTFEの耐摩耗性を大幅に改善する機能があり、この場合、平均粒径が5μm以下、好ましくは1〜3μmが望ましい。
また、炭酸カルシウムの添加により、本発明の最も特徴とする境界潤滑下における摩擦摩耗特性の改善を図ることができる。炭酸カルシウムの含有量は、1〜5体積%とする必要があり、好ましくは1.5〜4体積%が望ましい。1体積%未満では、無潤滑下や境界潤滑下で十分な摩擦摩耗性を得ることができず、5体積%を超えると油潤滑下で摩擦特性が低下するからである。特に、炭酸塩である炭酸カルシウムを採用した場合には、境界潤滑下での保油性を高めることができると考えられるので、境界潤滑下における摩擦摩耗特性の改善を著しく図ることができる。この場合、炭酸カルシウムの比表面積が2m2/g以上とすることにより、十分な保油性を有するので無潤滑下・油潤滑下だけではなく境界潤滑下においても摺動特性を得ることができる。
また、請求項に係る発明においては、樹脂層に、さらに、1〜15体積%のテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(以下、「PFA」と略す)を有するものであるが、このPFAは、PTFEと相溶してポマーアロイとなり、PTFE単体の場合に比べて組成物の硬度を高める作用を呈する。この場合、PFAを選定した理由は、他のフッ素樹脂(例えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂:以下「FEP」と略す)に比べて硬度が高く、しかも、その融点がPTFEの融点に近く、熱分解安定性に優れるからである。即ち、PTFEの融点は、327℃であり、PFAの融点が300〜310℃、FEPの融点が250〜280℃となっている。PTFEと相溶させるためには、その融点である327℃以上に加熱する必要があり、融点の低いFEPでは327℃以上で分解等が発生すると考えられる。これに対し、PFAの融点は、PTFEに近く、分解することなくPTFEと相溶させることが可能となる。そして、PFAの含有量は、1〜15体積%とする必要があり、1体積%未満では硬度を高める効果が得られず、15体積%を超えると摩擦特性が低下する。
更に、請求項に係る発明においては、樹脂層に、さらに、1〜10体積%のグラファイト又は/及び二硫化モリブデンを有するものであるが、グラファイトや二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を添加することにより、自己潤滑性を高めることができ、低摩擦性をより一層高めることができる。そして、固体潤滑剤の含有量は、1〜10体積%とする必要があり、1体積%未満では摩擦特性を高める効果が得られず、10体積%を超えるとベース樹脂であるPTFEの組織が脆化し、耐摩耗性が低下する。
以下、本発明をすべり軸受の材料に適用した実施の形態について説明する。この軸受は、所謂円筒形状のブシュといわれる軸受であり、金属鋼板(一般構造用低炭素鋼)からなる裏金層の表面側(内周側)に、接合性を高めるための銅メッキ層を介して、銅系合金からなる多孔質焼結金属層を設け、更にその多孔質焼結金属層の内部及び表面に、後述するような本実施形態に係る樹脂層を含浸被覆して構成されている。
樹脂層は、PTFEを主成分として構成され、後の表2に示す実施例1〜4の成分組成を備えるものである。このとき、硬質粒子は、モース硬度が7の酸化第二錫(SnO2)が採用され、その平均粒径は、1μmである。さらに、上記配合に加えて、フッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(表2では「PFA」と略記)と固体潤滑剤としてグラファイト(表2では「Gr」と略記)を添加しても良い。この固体潤滑剤の平均粒径は、10μmである。
ここで、上記軸受の製造方法について簡単に述べる。まず、1.2mmの厚み寸法を有し、表面に銅メッキが施された鋼板(裏金層)上に、銅合金粉末を厚さ0.3mmで散布し、次いで、還元雰囲気中で750〜900℃の温度に加熱して銅合金粉末を焼結した。これにて、裏金層(銅メッキ層)上に多孔質焼結金属層が得られた。
一方、樹脂層を構成する材料の混合物を得る工程が実行される。この場合、所定量のPTFEに、POB粉末、硬質粒子、無機化合物、必要に応じて所定量のPFAパウダーと微粒子状の固体潤滑剤とを加え、均一に混合して混合物を得るようにする。そして、その混合物を、上記裏金層上の多孔質焼結金属層に含浸被覆させた後、350〜400℃の温度で焼成を行ない、その後ロール圧延により厚みを均一化させる。これにて、裏金層上の多孔質焼結金属層に樹脂層が含浸被覆された平板な材料が得られた。しかる後、その材料を所要寸法に切断し、曲げ加工(巻き加工)を行なうことにより、円筒状の軸受(ブシュ)を作製した。
このように構成された軸受は、その内周の摺動面(樹脂層の面)において鋼材からなるシャフトを受けるようになっている。
次に、上記のように作製された軸受の有効性を検証,確認するために、実施例1〜4の配合の樹脂層を有する軸受、及び、比較例1,2の配合の樹脂層を有する軸受について、摩擦摩耗試験を行ない、摩耗量と摩擦係数について調べた。摩擦摩耗試験は、表1に示す条件で行なった。この試験条件は、低速・高荷重の条件であり、油膜が形成されにくく、また、用いた潤滑油も粘度が低いため、相手軸と軸受とが接触し易い、いわゆる境界潤滑下の状況を再現している。軸については、S55C鋼材を焼入れしたもの(表面粗さや硬度等は表に示す通り)を使用した。この摩擦摩耗試験の結果を、成分組成と合せて表2に示す。なお、表1に示す条件で樹脂層の成分としてPTFEに15体積%の鉛合金(鉛・錫合金)粉末を添加した軸受で実験したところ、焼付きが発生して摩耗量も摩擦係数も測定することができなかった。つまり、表1に示す条件は、境界潤滑下の厳しい試験条件を示すものである。
Figure 0003973619
Figure 0003973619
ここで、表2に示される比較例1,2及び実施例1〜4について簡単に説明すると、比較例1は、前述した特許文献2の請求項2に係る発明に包含される実施品であり、PTFEに硬質粒子としての酸化第二錫(SnO2)3体積%と耐摩耗材としてのカーボンファイバー(CF)10体積%とを混合して含浸被覆した樹脂層を有する軸受として構成されている。比較例2は、前述した特許文献1の請求項2に係る発明に包含される実施品であり、PTFEにテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)15体積%と硬質粒子としてのアルミナ(Al23)3体積%とオキシベンゾイルポリエステル樹脂(POB)15体積%と固体潤滑剤としてのグラファイト(Gr)5体積%とを混合して含浸被覆した樹脂層を有する軸受として構成されている。
一方、実施例1は、本願の請求項1の発明に係る実施品に類似する実施品であり、PTFEにPOB10体積%と硬質粒子としてSnO21体積%と無機化合物として炭酸カルシウム(CaCO3)3体積%とを混合して含浸被覆した樹脂層を有する軸受として構成されている。ただし、この場合は、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)を有していないが、CaCO3は、その比表面積が3m2/gで平均粒径が1.1μmのもの(丸尾カルシウム社製のナノックス♯30)が使用されている。
また、実施例2は、本願の請求項の発明に係る実施品であり、PTFEにPOB10体積%と硬質粒子としてSnO21体積%と無機化合物として炭酸カルシウム(CaCO3)3体積%と、さらにPFA10体積%とを混合して含浸被覆した樹脂層を有する軸受として構成されている。この場合も、CaCO3は、その比表面積が3m2/gで平均粒径が1.1μmのもの(丸尾カルシウム社製のナノックス♯30)であって請求項6の発明の要件を満たすものが使用されている。
また、実施例3は、本願の請求項の発明に係る実施品に類似する実施品であり、PTFEにPOB10体積%と硬質粒子としてSnO21体積%と無機化合物として炭酸カルシウム(CaCO3)3体積%と、さらにPFA10体積%と固体潤滑剤としてのグラファイト(Gr)5体積%とを混合して含浸被覆した樹脂層を有する軸受として構成されている。ただし、この場合、CaCO3は、その比表面積が1.7m2/gで平均粒径が1.3μmのもの(丸尾カルシウム社製のスーパー♯1700)であって請求項の発明の要件を充足しないものが使用されている。
また、実施例4は、本願の請求項の発明に係る実施品であり、PTFEにPOB10体積%と硬質粒子としてSnO21体積%と無機化合物として炭酸カルシウム(CaCO3)3体積%と、さらにPFA10体積%と固体潤滑剤としてのGr5体積%とを混合して含浸被覆した樹脂層を有する軸受として構成されている。この場合は、CaCO3は、その比表面積が3m2/gで平均粒径が1.1μmのもの(丸尾カルシウム社製のナノックス♯30)であって請求項の発明の要件を満たすものが使用されている。
この摩擦摩耗試験結果によれば、実施例1〜4の全てについて、特許文献2の実施品である比較例1と比べて、内径変化量(摩耗量)が半分以下であり、摩擦係数も同等以下となり、境界潤滑下での耐摩耗性が高く摩擦特性も優れたものが得られた。また、実施例1〜4の全てについて、特許文献1の実施品である比較例2と比べて、内径変化量(摩耗量)及び摩擦係数がいずれも同等未満であり、境界潤滑下での耐摩耗性が高く摩擦特性も優れたものが得られた。特に、実施例1〜4と比較例2との対比において、最も大きな組成上の相違点は、実施例1〜4が無機化合物であるCaCO3を含んでいるのに対し、比較例2が無機化合物を含んでいない点である。このことから、樹脂層に無機化合物であるCaCO3を含むことにより、境界潤滑下での摩擦摩耗特性の向上が見られるものである。これは、無機化合物であるCaCO3が境界潤滑下での保油性を高める作用を呈するからであると考えられる。
一方、実施例同士を比べた場合には、実施例1と実施例2とを比較した場合、実施例2の摩耗量が著しく減少しているが、これは、実施例1には、PFAが包含されないが、実施例2にPFAが包含されることにより、PFAがPTFEと相溶してポリマーアロイとなり、PTFE単体の場合に比べて組成物の硬度を高める作用を呈するため、その耐摩耗性が大幅に改善されたと考えられるからである。また、実施例2と実施例3とを比較した場合、実施例3は実施例2に比べて摩耗量は同じであるが摩擦係数はやや低くなっている。これは、実施例3に含まれる固体潤滑剤であるGrによって自己潤滑性を高めることができ低摩擦性を高めることができたからであると考えられるからである。更に、実施例3と実施例4とを比較した場合に、実施例4は実施例3に比べて摩耗量もやや減少するが、それ以上に摩擦係数が大幅に減少している。これは、同量の無機化合物を添加したものであっても、その比表面積が大きな実施例4の方が十分な保油性を有するため、境界潤滑下において優れた摺動特性を得ることができると考えられるからである。なお、比表面積が2m2/g以上であるときに、その摺動特性が著しく向上することが実験によって確認された。また、比表面積が2m2/g以上であるが比表面積の上限をどの程度になるか測定しようとしたが、現状市場に出ている炭酸カルシウムの比表面積で最大のものは、3.5m2/gであり、これを使用して実験をしたところ摺動特性の著しい向上を確認することができた。したがって、本発明において、炭酸カルシウムの比表面積の範囲を決め難いところであるが、現状では、2〜3.5m2/gとなる。
以上のように、本発明の成分組成を備える樹脂層を有する摺動部材によれば、PTFEを主成分としたものにあって、境界潤滑下において従来にない優れた摩擦摩耗特性を得ることができる。
なお、上記実施の形態では、本発明をシャフトを受けるブシュに適用するものを示したが、境界潤滑下で使用する用途の摺動部材に応用することが可能であり、その際ブシュに限定されるものでもなく、スラストワッシャやスライドプレート等にも適用することができる。また、境界潤滑下に限らず、無潤滑下や油潤滑下や水等の液体中で使用しても差支えない。
その他、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば硬質粒子としては、Cr23やSiO2など他のセラミック系硬質粒子を採用しても良く、それらを複数種類組合せて使用しても良く、また、同様に固体潤滑剤としても、BNやWS2等も採用することができ、さらには、裏金層や多孔質金属層の材質、相手材(シャフト)の材質等についても上記したものに限定されるものではない等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施し得るものである。

Claims (2)

  1. 裏金上に形成された多孔質金属層と、該多孔質金属層中に含浸被覆された樹脂層とからなる複層摺動部材において、
    前記樹脂層は、1〜25体積%のオキシベンゾイルポリエステル樹脂と、1〜15体積%のテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂と、0.1〜5体積%の酸化第二錫と、その比表面積が2m 2 /g以上である1〜5体積%の炭酸カルシウムと、残部がポリテトラフルオロエチレン樹脂と、からなることを特徴とする複層摺動部材。
  2. 前記樹脂層は、さらに、1〜10体積%のグラファイト又は/及び二硫化モリブデンを有することを特徴とする請求項1記載の複層摺動部材。
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