JP2006213013A - 複層樹脂摺動部材 - Google Patents

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【課題】 多孔質金属層に硬質粒子を添加して耐摩耗性を向上させることにより摺動面における多孔質金属層の割合を減少させて、樹脂層の割合を増加させることで非焼付性も向上させた複層樹脂摺動部材を提供する。
【解決手段】 複層樹脂摺動部材の多孔質金属層が硬質粒子を含有しているため、多孔質金属層の硬度を部分的に高めることができる。このため、複層樹脂摺動部材の摺動面の表面を切削加工し、多孔質金属層と樹脂層との双方を摺動面に共存させる場合、摺動面における多孔質金属層の割合を低くしても、多孔質金属層の耐摩耗性を向上させることができる。また、摺動面における多孔質金属層の割合を低くすることにより、摺動面における樹脂層の割合が高くなるため、非焼付性も向上させることができる。このように、多孔質金属層に硬質粒子を含有させることにより、耐摩耗性及び非焼付性ともに優れた複層樹脂摺動部材を構成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、裏金と、該裏金に焼結した多孔質金属からなる多孔質金属層と、該多孔質金属層中に樹脂を含浸被覆した樹脂層と、からなる複層樹脂摺動部材に関するものである。
従来、すべり軸受の材料に用いられる複層樹脂摺動部材として、裏金上に形成された多孔質金属層及び多孔質金属層に樹脂を含浸被覆した樹脂層により構成されるものが知られている。このような複層樹脂摺動部材として、例えば、特開平5−186785号公報(特許文献1)に示されるように、多孔質金属層に含浸被覆した樹脂層の表面を切削加工し、多孔質金属層と樹脂層との双方を摺動面に共存させることにより、金属の耐摩耗性及び樹脂の非焼付性の両方の特性を生かすものが提案されている。また、例えば、特開昭59−103022号公報(特許文献2)に示されるように、樹脂層に金属酸化物やセラミックス等の硬質粒子を添加することにより、樹脂層の耐摩耗性を向上させるものが提案されている。
特開平5−186785号公報 特開昭59−103022号公報
しかしながら、上記した特開平5−186785号公報に示される複層樹脂摺動部材は、摺動面における多孔質金属層の割合が多いときには耐摩耗性に優れるが、樹脂層の割合が少なくなってしまうため、非焼付性に劣ってしまう。逆に摺動面における樹脂層の割合が多いときには非焼付性に優れるが、多孔質金属層の割合が少なくなってしまうため、耐摩耗性に劣ってしまうという問題があった。一方、上記した特開昭59−103022号公報に示される複層樹脂摺動部材は、樹脂層に添加された金属酸化物やセラミックス等の硬質粒子によって耐摩耗性が向上するものの、上記した特開平5−186785号で摺動面における多孔質金属層の割合が多い場合と同様に、非焼付性に劣ってしまうという問題があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、多孔質金属層に硬質粒子を添加して耐摩耗性を向上させることにより摺動面に表出する多孔質金属層の割合を減少させて、樹脂層の割合を増加させることで非焼付性も向上させた複層樹脂摺動部材を提供することにある。
そこで、請求項1に係る発明は、裏金と、該裏金に焼結した多孔質金属からなる多孔質金属層と、該多孔質金属層中に樹脂を含浸被覆した樹脂層と、からなる複層樹脂摺動部材において、前記多孔質金属層は、硬質粒子を含有することを特徴とする複層樹脂摺動部材とした。
また、請求項2に係る発明は、前記多孔質金属層は、ベース金属としてCuにより構成され、前記多孔質金属層に含有される硬質粒子は、溶融状態のCuとの濡れ角が45°以下となる化合物系硬質粒子及び金属系硬質粒子から選択される1種又は2種以上の硬質粒子であることを特徴とする複層樹脂摺動部材とした。
また、請求項3に係る発明は、前記多孔質金属層の空孔度は、10〜50%であることを特徴とする複層樹脂摺動部材とした。
また、請求項4に係る発明は、前記多孔質金属層に含有される硬質粒子は、Hv200以上の硬さを有する化合物系硬質粒子及び金属系硬質粒子から選択される1種又は2種以上の硬質粒子であることを特徴とする複層樹脂摺動部材とした。
請求項1に係る発明においては、複層樹脂摺動部材の多孔質金属層が硬質粒子を含有しているため、多孔質金属層の硬度を部分的に高めることができる。このため、複層樹脂摺動部材の摺動面の表面を切削加工し、多孔質金属層と樹脂層との双方を摺動面に共存させる場合、摺動面に表出する多孔質金属層の割合が低い場合であっても、多孔質金属層の耐摩耗性を向上させることができる。また、摺動面に表出する多孔質金属層の割合が低くなることにより、摺動面に表出する樹脂層の割合が高くなるため、非焼付性も向上させることができる。このように、多孔質金属層に硬質粒子を含有させることにより、耐摩耗性及び非焼付性ともに優れた複層樹脂摺動部材を構成することができる。
また、請求項2に係る発明においては、複層樹脂摺動部材の多孔質金属層がCuを主成分とし、溶融状態のCuとの濡れ角が45°以下となる化合物系硬質粒子及び金属系硬質粒子から選択される1種又は2種以上の硬質粒子を含有するものであるが、硬質粒子を溶融状態のCuとの濡れ角が45°以下のものとすることにより、硬質粒子が多孔質金属層中に強固に固着し、均一に分散されるため、耐摩耗性が向上する。溶融状態のCuとの濡れ角が45°を超える硬質粒子である場合、多孔質金属に対する接着性が悪くなり、硬質粒子が多孔質金属層中に強固に固着せず、また、硬質粒子の均一分散ができなくなり、十分な耐摩耗性を得ることができない。なお、溶融状態でのCuとの濡れ角は、好ましくは20°以下であることが望ましい。
ここで、上記濡れ角は、図1に示すようにAr雰囲気下で硬質粒子組成の板もしくは、硬質粒子組成のコーティングを施した板を基板として、Cuを載せて昇温し、溶融したCuと基板との接触角度θを濡れ角とし、測定を行った。
また、硬質粒子の添加量は、0.5〜11重量%が好ましく、添加量が0.5重量%未満の場合、多孔質金属層中に固着する硬質粒子の量が少なすぎるため、耐摩耗性の効果が十分に得られず、また、添加量が11重量%を超えると、多孔質金属層中に固着する硬質粒子の量が多すぎるため、相手軸への攻撃性が強くなるほか、多孔質金属層の焼結性が低下してしまう。
また、溶融状態のCuとの濡れ角が20°未満である硬質粒子としては、Mo2C、WC等の化合物系硬質粒子およびMo、W等の金属系硬質粒子があり、溶融状態のCuとの濡れ角が20°〜45°である硬質粒子としては、NbC、Cr32、CrB2、Cr2N等の化合物系硬質粒子がある。
また、請求項3に係る発明においては、多孔質金属層の空孔度は、10〜50%であるため、複層樹脂摺動部材の摺動面の表面を切削加工し、多孔質金属層と樹脂層との双方を摺動面に共存させた場合に、摺動面に表出する多孔質金属層と樹脂層とを適切な割合とすることができるため、耐摩耗性及び非焼付性ともに向上させることができる。なお、空孔度が10%未満の場合、摺動面において多孔質金属層の占める割合が高く、樹脂層の占める割合が低くなるため、十分な非焼付性を得ることができず、一方、空孔度が50%を超える場合、摺動面において多孔質金属層の占める割合が低く、樹脂層の占める割合が高くなるため、十分な耐摩耗性を得ることができない。
ここで、空孔度とは、多孔質金属層において(金属のない部分の体積)/{(金属のある部分の体積)+(金属のない部分の体積)}で表されるものであり、多孔質金属層全体の体積に対する、多孔質金属層に含浸させた樹脂の体積の割合を示している。
また、摺動面の全体の表面積に対する、摺動面に表出している多孔質金属の表出面積の割合を多孔質金属露出率といい、この多孔質金属露出率は、(多孔質金属の表出面積)/{(多孔質金属の表出面積+(樹脂の表出面積)}で表される。
上記した空孔度と多孔質金属露出率の関係について説明すると、摺動面の表面を切削加工した場合、空孔度が小さいほど、切削量が少なくても多孔質金属露出率が高くなる。逆に空孔度が大きいほど、切削量が少ないときに多孔質金属露出率が低く、切削量が多いときに多孔質金属露出率が高くなる傾向にある。これは、多孔質金属層では、その下層部になるほど金属粉が自重によって緻密に分布されるため、上層部と下層部とで多孔質金属の嵩密度に差が生じるためである。このように、同じ空孔度の多孔質金属層であっても、切削量の違いにより多孔質金属露出率が異なる。
また、請求項4に係る発明においては、多孔質金属層に含有される硬質粒子は、Hv200以上の硬さを有する化合物系硬質粒子及び金属系硬質粒子から選択される1種又は2種以上の硬質粒子であるため、多孔質金属層の硬度を部分的に高くすることができる。これにより、摺動面における多孔質金属層の割合を必要以上に高めることなく耐摩耗性を向上することができ、また、摺動面における多孔質金属層の割合が低くなることにより、摺動面における樹脂層の割合が高くなるため、非焼付性も向上させることができる。硬質粒子の硬さがHv200未満の場合には、摺動面における多孔質金属層の割合を高くしなければ耐摩耗性を得ることができず、十分な耐摩耗性を得るためには結果的に摺動面における樹脂層の割合が低くなってしまうため、必要な非焼付性を得ることができなくなる。なお、上記した硬質粒子の硬度は、Mo2CがHv1800程度、WCがHv1800〜2000程度、MoがHv250〜300程度、WがHv200〜450程度、NbCがHv2400程度、Cr32がHv1300程度、CrB2がHv2100程度、Cr2NがHv1200程度である。
以下、発明をすべり軸受の材料に適用した実施の形態について説明する。この軸受は、金属鋼板(一般構造用低炭素鋼)からなる裏金層の表面側に(内周面)に、接合性を高めるためのCuメッキ層を介して、Cu系合金からなる多孔質金属層を設け、更にその多孔質金属層の内部及び表面に、後述するような樹脂を含浸被覆して構成されている。この軸受は、鋼材からなるシャフトを回転自在に支持するようになっている。
ここで、上記軸受の製造方法について簡単に述べる。まず、1.2mmの厚み寸法を有し、表面にCuメッキが施された鋼板(裏金層)上に、予め硬質粒子と混合したCu合金粉末を厚さ0.3mmで散布し、次いで、還元雰囲気中で750〜900℃の温度に加熱してCu合金粉末を焼結した。これにて、裏金層(メッキ層)上に強固に硬質粒子と固着した多孔質金属層が得られる。
そして、樹脂層を構成するポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と略す)を上記裏金層上の多孔質金属層に含浸被覆させた後、350〜400℃の温度で焼成を行なう。これにて、裏金層上の多孔質金属層に樹脂が含浸被覆された平板な材料が得られる。
なお、耐摩耗性を向上させるために樹脂層に固体潤滑剤や硬質粒子等の充填剤を添加する場合には、まず、PTFEに所定量の充填剤を均一に混合させた混合物を得るようにする。そして、その混合物を上記と同様に上記裏金層上の多孔質金属層に含浸被覆させた後、350〜400℃の温度で焼成を行なう。
次に、上記のように作成された軸受の有効性を検証、確認するために、実施例1,2,3の配合の多孔質金属層及び樹脂層を有する軸受、及び、比較例1,2の配合の多孔質金属層及び樹脂層を有する軸受について焼付試験及び摩擦摩耗試験を行い、焼付面圧,摩耗量及び摩擦係数について調べた。焼付試験は、表1に示す試験条件1で、摩擦摩耗試験は、表2に示す試験条件2でそれぞれ行なった。そして、表3に示す試験結果を得た。また、表4乃至表6は、表3の試験結果のうち実施例1と比較例2の試験結果を対比してグラフ化したものであり、表7は、実施例1と比較例2に関する耐摩耗性と非焼付性との関係をグラフ化したものである。
焼付試験は、周速が2m/s、面圧が30分毎に2.5MPaの累積、潤滑条件は、潤滑油がSAE#10相当で潤滑方法がオイルバス、相手材である軸材料がS55Cで表面粗さが0.3μm以下で行なった。焼付の判断時としては、試験片の背面温度が150℃又はトルクが490N・cmに達した場合とした。
また、摩擦摩耗試験は、周速が0.1m/s、面圧が10MPa、潤滑条件は、潤滑油が灯油で潤滑方法がオイルバス、相手材である軸材料がS55Cで表面粗さが0.3μm以下で行なった。この摩擦摩耗試験は、上記のように面圧を10MPa、潤滑油を灯油とすることにより、摩耗が促進される条件となっている。
また、両試験とも、多孔質金属露出率が比較例1については、0%,25%,50%,及び75%の4種類、比較例2及び実施例1については、0%,25%,50%,75%,及び100%の5種類、実施例2及び実施例3については、0%,50%,及び100%の3種類のものについて試験を行なった。なお、表3における多孔質金属露出率とは、軸受の摺動面において多孔質金属が表出した割合を示しており、試験開始時における値が示されている。
ここで、摺動面に多孔質金属層を露出させるには、樹脂層を切削加工することにより行なうが、多孔質金属層の下部に近づくほど空孔度が低くなり多孔質金属の占める割合が高くなっているため、加工量が増加するに従って多孔質金属露出率が高くなる。
ここで、表3に示される比較例1,2及び実施例1,2,3について簡単に説明すると、比較例1は、前述した特許文献2に係る発明に包含される実施品であり、CuにSn10重量%を添加した多孔質金属層と、PTFEに硬質粒子としてのAl235重量%を混合して多孔質金属層に含浸被覆した樹脂層と、を有する軸受として構成されている。比較例2は、CuにSn10重量%を添加した多孔質金属層と、PTFEを多孔質金属層に含浸被覆した樹脂層と、を有する軸受として構成されている。
一方、実施例1は、本願の請求項1乃至請求項4の発明に係る実施品であり、CuにSn10重量%及び化合物系硬質粒子としてのMo2C1重量%を添加した多孔質金属層と、PTFEを多孔質金属層に含浸被覆した樹脂層と、を有する軸受として構成されている。
また、実施例2は、本願の請求項1乃至請求項4の発明に係る実施品であり、CuにSn10重量%及び金属系硬質粒子としてのW2重量%を添加した多孔質金属層と、PTFEを多孔質金属層に含浸被覆した樹脂層と、を有する軸受として構成されている。
また、実施例3は、本願の請求項1乃至請求項4の発明に係る実施品であり、CuにSn10重量%及び金属系硬質粒子としてのW10重量%を添加した多孔質金属層と、PTFEを多孔質金属層に含浸被覆した樹脂層と、を有する軸受として構成されている。
まず、上記した焼付試験によれば、実施例1,2,3について、いずれの多孔質金属露出率においても比較例1,2よりも焼付面圧が高く、優れた非焼付性が得られた。これは、比較例1では、樹脂層に含有されているAl23が樹脂層の非焼付性を低下させていると考えられるためである。また、比較例2では、多孔質金属層に含有されたSnだけでは十分な非焼付性が得られないが、実施例1,2,3のように、Snに加えてMo2C又はWを含有することにより、非焼付性が向上している。
なお、実施例1,2,3と比較例2において、いずれも樹脂層はPTFEのみで構成されているため、多孔質金属露出率が0%の場合に焼付面圧は変化しないはずであるが、表中の多孔質金属露出率は、前述のように試験開始時における値であり、試験開始から摺動することにより樹脂層が摩耗し、焼付の判断時には、多孔質金属層が表出していたためである。
また、上記した摩擦摩耗試験によれば、実施例1,2,3について、いずれの多孔質金属露出率においても比較例1,2よりも摩擦係数が低く、優れた摩擦特性が得られた。また、多孔質金属露出率0%,25%における実施例1の摩耗量及び多孔質金属露出率0%における実施例2,3の摩耗量が、それぞれ多孔質金属露出率0%,25%における比較例1の摩耗量よりも多いことを除き、実施例1,2,3は、比較例1,2よりも摩耗量が少なく優れた耐摩耗性が得られた。多孔質金属露出率0%,25%における実施例1の摩耗量及び多孔質金属露出率0%における実施例2,3の摩耗量が、それぞれ多孔質金属露出率0%,25%における比較例1の摩耗量よりも多いのは、多孔質金属露出率が低く樹脂層の表出割合が高い場合には、Al23を含有している比較例1の方が摩耗し難いためであり、多孔質金属露出率が高いほど、実施例1,2,3の多孔質金属層に含有されるMo2C、Wにより、実施例1,2,3の摩耗量は比較例1の摩耗量よりも少なくなる。
なお、実施例1,2,3と比較例2において、いずれも樹脂層はPTFEのみで構成されているため、多孔質金属露出率が0%の場合に摩耗量は変化しないはずであるが、上記の理由と同様に、表中の多孔質金属露出率は、試験開始時における値であり、試験開始から摺動することにより樹脂層が摩耗し、摩耗量の測定時には、多孔質金属層が表出していたためである。
また、実施例1と比較例2について、試験結果に基づいて、耐摩耗性を1/摩耗量、非焼付性を焼付面圧として値をプロットし、表7に示すようにグラフ化した。表7に示すグラフでは、グラフの上側にプロットされているほど耐摩耗性が高く、右側にプロットされているほど非焼付性が高いが、試験結果をプロットした場合、表7に示すような曲線となり、実施例1は比較例2と比較して耐摩耗性及び非焼付性のいずれも優れていることが分かる。
以上のように、本発明の成分組成を備える多孔質金属層を有する複層樹脂摺動部材によれば、従来にない優れた耐摩耗性及び非焼付性を得ることができる。
なお、上記実施の形態では、多孔質金属層に含有する硬質粒子としてMo2C又はWを示したが、Mo2CやW以外にも、化合物系硬質粒子としてWC等、金属系硬質粒子としてMo等でもよく、これらの硬質粒子から任意の1種又は2種以上のものを含有していればよい。
また、上記実施の形態では、裏金層として一般構造用低炭素鋼を用いたものを示したが、一般構造用低炭素鋼以外にも、例えば、ステンレス鋼又は青銅などのCu系合金を裏金層として用いてもよい。
また、上記実施の形態では、裏金層の表面にCuメッキを施したものを示したが、Cu以外の他の金属メッキ又は合金メッキを施したものであってもよく、更に、裏金層の表面にメッキを施さないものであってもよい。
また、上記実施の形態では、多孔質金属層として、Cuをベースとして用いたものを示したが、Cu以外にも、その他の金属をベースとして用いたものであってもよい。
また、上記実施の形態では、樹脂層としてPTFEを用いたものを示したが、PTFE以外にも、例えば、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PF(フェノール)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)等でもよく、熱可塑性又は熱硬化性のいずれの合成樹脂も用いることができる。
更に、摩耗特性を向上させるために、樹脂層を構成する合成樹脂にGr(グラファイト)やMoS2等の固体潤滑剤や、非焼付性を阻害しない程度に金属酸化物、金属硫化物、セラミックス等の硬質粒子や強化繊維を添加してもよい。
溶融したCuの濡れ角を測定する状態を示す概略図である。

Claims (4)

  1. 裏金と、該裏金に焼結した多孔質金属からなる多孔質金属層と、該多孔質金属層中に樹脂を含浸被覆した樹脂層と、からなる複層樹脂摺動部材において、
    前記多孔質金属層は、硬質粒子を含有することを特徴とする複層樹脂摺動部材。
  2. 前記多孔質金属層は、ベース金属としてCuにより構成され、
    前記多孔質金属層に含有される硬質粒子は、溶融状態のCuとの濡れ角が45°以下となる化合物系硬質粒子及び金属系硬質粒子から選択される1種又は2種以上の硬質粒子であることを特徴とする請求項1記載の複層樹脂摺動部材。
  3. 前記多孔質金属層の空孔度は、10〜50%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複層樹脂摺動部材。
  4. 前記多孔質金属層に含有される硬質粒子は、Hv200以上の硬さを有する化合物系硬質粒子及び金属系硬質粒子から選択される1種又は2種以上の硬質粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の複層樹脂摺動部材。

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