JPH09255828A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH09255828A
JPH09255828A JP9619296A JP9619296A JPH09255828A JP H09255828 A JPH09255828 A JP H09255828A JP 9619296 A JP9619296 A JP 9619296A JP 9619296 A JP9619296 A JP 9619296A JP H09255828 A JPH09255828 A JP H09255828A
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JP
Japan
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resin composition
polypropylene
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ethylene
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JP9619296A
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English (en)
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Takayuki Beppu
隆幸 別府
Junichiro Washiyama
潤一郎 鷲山
Hiroshi Takenouchi
浩 竹之内
Yoshihiro Mogi
義博 茂木
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性が良く、高い剛性及び耐熱性があり、
さらに優れた低温耐衝撃性を有する自動車バンパーや自
動車内外装部品などの素材として好適なポリプロピレン
系樹脂組成物の提供 【解決手段】 成分A:MFR5〜50g/10分のポ
リプロピレン60〜80重量%、成分B:α−オレフィ
ンの含有量が10〜80重量%であるエチレン−α−オ
レフィン共重合体1〜20重量%、成分C:ポリプロピ
レンオキサイド1〜20重量%、成分D:平均粒径が
2.5μm以下のタルク10〜25重量%からなるポリ
プロピレン系樹脂組成物であって、成分B及び成分Cの
合計が樹脂組成物に対し10〜25重量%であるポリプ
ロピレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高い剛性、耐熱性に
加えて優れた低温耐衝撃性を有し、自動車バンパーや自
動車内外装部品などの素材として好適なポリプロピレン
系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車は、寒冷地においても使用される
ことから、低温耐衝撃性のある材料が要求される。ま
た、車体製造時においてインラインにおける塗装工程で
は局部的に60〜120℃のごとき高温に曝されること
があり、したがって耐熱性のある材料が要求される。自
動車に対する衝撃防止のためにバンパーが設けられてい
るが、従来このバンパーは鉄製のものが使用されてい
た。鉄製のバンパーは重量があり、衝撃緩和性に乏しい
ので最近では軽量化、衝撃緩和性の改善の目的でポリウ
レタン系あるいはポリプロピレン系バンパーが使用され
ている。また、内外装部品の素材としても軽量、衝撃緩
和性付与の目的で樹脂組成物が使用されている。特に最
近では、インジェクション成形ができ、安価でより軽い
ポリプロピレン樹脂組成物が主流となっている。
【0003】これらバンパーや内外装部品用ポリプロピ
レン系樹脂組成物としては、従来プロピレン単独重合
体、プロピレンブロック共重合体、プロピレンランダム
共重合体などのポリプロピレンとエチレン−プロピレン
共重合体とのブレンド(特公昭60−3420号)や、
ポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体とエチ
レン−ブテン共重合体のブレンドポリマー(特開平4−
372637号)などが用いられている。またポリオレ
フィン系樹脂[エチレン−プロピレンの(共)重合体]
の低温耐衝撃性を向上させるために、プロピレンオキサ
イド−エチレンオキサイドブロック共重合体を添加する
ことも提案(特公昭62−15578号)されている。
【0004】しかし、ポリプロピレンとエチレン−プロ
ピレン共重合体のブレンドポリマーからなる材料や、ポ
リプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体とエチレ
ン−ブテン共重合体からなる樹脂組成物では、剛性や室
温における耐衝撃性は改良されているものの、工業材料
として要求される−30℃程度の低温における耐衝撃性
が不十分という欠点を有していた。また、ポリプロピレ
ン系樹脂にプロピレンオキサイド−エチレンオキサイド
ブロック共重合体を配合して得られる樹脂組成物では、
これもまた十分な低温耐衝撃性が得られないという問題
もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形性が良
く、高い剛性及び耐熱性があり、さらに優れた低温耐衝
撃性を有する自動車バンパーや自動車内外装部品などの
素材として好適なポリプロピレン系樹脂組成物の開発を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 成分A:メルトフローレート(JIS K−7210、表1、条件14:試験温 度 230℃、試験荷重 2.16kgf;以下MFRと略す。)5〜 50g/10分のポリプロピレン 60〜80重量% 成分B:α−オレフィンの含有量が10〜80重量%であるエチレン−α−オレ フィン共重合体 1〜20重量% 成分C:ポリプロピレンオキサイド 1〜20重量% 成分D:平均粒径が2.5μm以下のタルク 10〜25重量% からなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、成分B
及び成分Cの合計が樹脂組成物に対し10〜25重量%
であるポリプロピレン系樹脂組成物、及び該ポリプロピ
レンオキサイドが、プロピレンオキサイドの単独重合体
またはコモノマー含有量が50重量%以下のポリプロピ
レンオキサイド−エチレンオキサイド共重合体であるポ
リプロピレン系樹脂組成物を開発することにより上記の
目的を達成した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用される成分A
のポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、
ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれであって
もよく、これらの2以上を組合せて使用することもでき
る。ブロック及びランダム共重合体のコモノマーとして
は、エチレンまたはブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1等のプロピレン以外のα−オレフィン類が用いら
れるが、なかでもエチレンが好ましい。これらの共重合
体中のプロピレン含量は少なくとも60重量%が好まし
く、さらに好ましくは80重量%以上含有した共重合体
である。
【0008】本発明において使用されるポリプロピレン
のMFRは、5〜50g/10分のものであり、10〜
40g/10分が特に好ましい。MFRが5g/10分
未満の場合及び50g/10分を超える場合には、得ら
れる樹脂組成物の低温耐衝撃性が低下する。
【0009】本発明において使用する成分Bのエチレン
−α−オレフィン共重合体は、エチレン及びα−オレフ
ィンをモノマーとしてランダム共重合することにより得
られるエラストマーであり、α−オレフィンの含有量は
10〜80重量%である。α−オレフィンの含有量が1
0重量%未満の場合、あるいは80重量%を超える場合
には、得られる樹脂組成物の低温耐衝撃性が低下する。
この共重合体に使用するα−オレフィンとしては、プロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1等が挙げられる。あるいはこ
れらの2種以上を組み合わせて使用しても良い。これら
の中で製造の容易性、得られる樹脂組成物の物理的性質
の観点から、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、
オクテン−1が好ましい。
【0010】なお、エチレン−α−オレフィン共重合体
のMFRは、1〜30g/10分が好ましく、2〜20
g/10分が特に好ましい。MFRが1g/10分未満
では得られる樹脂組成物の流動性が劣り成形性が低下す
る。またMFRが30g/10分を超える場合には得ら
れる樹脂組成物の低温耐衝撃性が低下する。
【0011】本発明において使用される成分Cとしての
ポリプロピレンオキサイドとしては、プロピレンオキサ
イドの単独重合体(ホモポリプロピレンオキサイド)、
ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれか、ある
いはこれらの2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。ブロック共重合体、ランダム共重合体のコモノマ
ーとしては、エチレンオキサイド、ブテン−1オキサイ
ド等のプロピレンオキサイド以外のアルキレンオキサイ
ド類、エピクロルヒドリン等をあげることができる。ま
た架橋用のコモノマーとしてアリルグリシジルエーテル
などの不飽和エポキサイド類を用いてもよい。これらの
重合体あるいは共重合体は更に硫黄、有機過酸化物など
で架橋して得たものであってもよい。これらの中で製造
の容易さ及び得られるポリプロピレン系樹脂組成物の物
理的性質の点から、ホモポリプロピレンオキサイド、あ
るいはコモノマーの含有量が50重量%以下のポリプロ
ピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合体が好ま
しい。
【0012】なお、ポリプロピレンオキサイドのMFR
は、1〜30g/10分が好ましく、2〜20g/10
分が特に好ましい。MFRが1g/10分未満では得ら
れる樹脂組成物の流動性が劣り成形性が低下する。また
MFRが30g/10分を超える場合には得られる樹脂
組成物の低温耐衝撃性が低下する。
【0013】本発明において使用する成分Dのタルクの
平均粒径は2.5μm以下であり、0.5〜2μmが好
ましい。一般にポリプロピレン系樹脂組成物において
は、無機充填材の配合は耐衝撃性を低下させることは知
られている。しかるに本発明の樹脂組成物との組合せに
おいては、低温耐衝撃性を低下させることなく剛性と耐
熱性も著しく向上させる無機充填材料として、平均粒径
2.5μm以下のタルクが特に有効であることを見いだ
したものであり、さらに成形品の表面平滑性、寸法安定
性、表面硬度を高めるのに効果があった。なお、タルク
の平均粒径が2.5μmよりも大きいと、低温耐衝撃
性、剛性、耐熱性の改善の効果も、添加しないものと比
較して向上はするがその効果は不十分なものとなる。
【0014】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物にお
ける成分Aの配合割合は60〜80重量%である。成分
Aの配合割合が60重量%未満では剛性と耐熱性が低下
し、80重量%を超えると低温耐衝撃性が不充分とな
る。また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物中に占
める成分Bの配合割合は1〜20重量%である。該樹脂
組成物中に占める成分Bの配合割合が1重量%未満では
得られるポリプロピレン系樹脂組成物の低温耐衝撃性が
低下し、20重量%を超えると剛性と耐熱性が低下す
る。また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物中に占
める成分Cの配合割合は1〜20重量%である。該樹脂
組成物中に占める成分Cの配合割合が1重量%未満では
得られるポリプロピレン系樹脂組成物の低温耐衝撃性が
低下し、20重量%を超えると剛性と耐熱性が低下す
る。
【0015】なお本発明にあっては、成分B及び成分C
の合計量は、本ポリプロピレン系樹脂組成物全体に対す
る含有量が10〜25重量%とすることが必要である。
成分Bと成分Cの合計量のポリプロピレン系樹脂組成物
全体に対する含有量が10重量%未満であると得られる
樹脂組成物の低温耐衝撃性が低下し、25重量%を超え
ると剛性と耐熱性が低下する。さらに、本発明のポリプ
ロピレン系樹脂組成物における成分Dの配合割合は10
〜25重量%である。該樹脂組成物に配合する成分Dの
割合が10重量%未満では得られるポリプロピレン系樹
脂組成物の剛性と耐熱性が低下し、25重量%を超える
と低温耐衝撃性が低下する。
【0016】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を製
造するにあたり、合成樹脂及び合成ゴムの分野において
広く利用されている熱、酸素及び光に対する安定剤、結
晶核剤、難燃剤、充填剤、着色剤、滑剤、可塑剤ならび
に帯電防止剤のごとき添加剤あるいはポリエチレン系重
合体、ポリ4−メチル−1−ペンテン重合体、ポリスチ
レン、ポリブタジエンあるいはポリイソプレンのスチレ
ングラフト重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカ
ーボネート等の高分子重合体等を使用目的に応じ、本発
明のポリプロピレン系樹脂組成物の特性を本質的に損な
わない範囲で添加してもよい。
【0017】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は成
分A、成分B、成分C、成分D及び添加剤を均一に混練
させることによって目的を達成することができる。その
混練方法(混合方法)については特に制限はなく、合成
樹脂の分野において一般に行われている方法を適用すれ
ばよい。混練方法としては、一般に行われているヘンシ
ェルミキサー、タンブラー及びリボンミキサーのごとき
混合機を使用してドライブレンドする方法ならびにオー
プンロール、押出混合機、ニーダー及びバンバリーのご
とき混合機を用いて溶融させながら混合させる方法が挙
げられる。これらの方法のうち、一層均一な樹脂組成物
を得るにはあらかじめドライブレンドさせた後、その混
合物を溶融混合させることが好ましい。ドライブレンド
を併用する場合でも、溶融混合させる方法を二種以上併
用する場合でも、成形物を製造するにあたりペレタイザ
ーを使用してあらかじめペレットに製造して用いること
が特に好ましい。溶融混合させる場合でも、成形する場
合でも、使用される樹脂が溶融する温度で実施しなけれ
ばならない。しかし、高い温度で実施すると樹脂が熱分
解や劣化を起こすため、一般には150〜350℃、好
ましくは170〜250℃で実施される。
【0018】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
合成樹脂の分野で一般に実施されている射出成形法、押
出成形法、圧縮成形法および中空成形法のごとき成形方
法を適用して所望の形状に成形させてもよい。また、押
出成形機を用いてシート状に成形した後、このシートを
真空成形法、圧空成形法などの二次加工方法によって所
望の形状に成形させてもよい。
【0019】ポリプロピレン系樹脂組成物を自動車のバ
ンパー等に使用することは、該素材が安価、軽量であ
り、耐熱性も通常の要求に応えるものを有し、適当な硬
度、剛性を有し、衝撃緩和性もあるため、極めて適して
いるとされている。しかし、低温における耐衝撃性に乏
しく、この改善方法が多数提案されている。この性質の
改善のために採用された手段はゴム成分の配合、あるい
はそれに加え低温耐衝撃性の優れたポリエチレン等の樹
脂をブレンドする方法である。しかしこの手段はポリプ
ロピレン系樹脂の剛性、耐熱性を低下させるため、これ
に無機系の充填材を配合することも行われている。この
充填材の配合は剛性、耐熱性の改善に効果はあるが、耐
衝撃強度を低下させるため、未だに問題が解決されない
ことになっていた。
【0020】本発明は、この問題をポリプロピレン60
〜80重量%に、α−オレフィンの含有量が10〜80
重量%であるエチレン−α−オレフィン共重合体1〜2
0重量%、ポリプロピレンオキサイド1〜20重量%及
び平均粒径が2.5μm以下のタルク10〜25重量%
配合することにより、機構はまた解明されていないが剛
性、耐熱性の低下を招来することなく低温耐衝撃性を改
善したポリプロピレン系樹脂組成物を製造することに成
功したものである。この結果、本発明によって得られる
ポリプロピレン系樹脂組成物は、曲げ弾性率(ASTM
D−790)が20,000kgf・cm2 以上、熱
変形温度(ASTM D−648;66psiの荷重下
で測定)が135℃以上、アイゾット衝撃強度(AST
M D−256;ー30℃における測定)が4kgf・
cm/cm以上の優れた物性を有する。
【0021】
【実施例】以下、実施例、比較例によって本発明をさら
に詳しく説明する。なお、以下に示す実施例及び比較例
において、各物性は次の方法により測定した。低温耐衝
撃性評価として、アイゾット衝撃強度(kgf・cm/
cm)をASTM D−256に準じ、−30℃の温度
においてノッチ付きで測定した。剛性評価として、曲げ
弾性率(kgf/cm2 )をASTM D−790に従
い、23℃の温度において測定した。耐熱性評価とし
て、熱変形温度(HDT)をASTM D−648に従
い、66psiの荷重の下で測定した。
【0022】また、実施例及び比較例において使用した
成分A、成分B、成分C及び成分Dの種類及び物性は次
のとおりである。 (成分A:ポリプロピレン)ポリプロピレンとしては、
MFR30g/10分、ホモタイプのポリプロピレン
(PP−1)、及びMFR40g/10分、エチレン含
有量10重量%のブロックタイプのポリプロピレン(P
P−2)を用いた。 (成分B:エチレン−α−オレフィン共重合体)エチレ
ン−α−オレフィン共重合体としてはすべてランダム共
重合体であり、表1に示すエチレン−プロピレン共重合
体(EPR−1〜EPR−3)、エチレン−ブテン−1
共重合体(EBR)及びエチレン−オクテン−1共重合
体(EOR)を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】(成分C:ポリプロピレンオキサイド)ポ
リプロピレンオキサイドとしては、ホモポリプロピレン
オキサイド(MFR3g/10分:POR−1)及びプ
ロピレンオキサイド90重量%とエチレンオキサイド1
0重量%のランダム共重合体(MFR 5g/10分:
POR−2)を用いた。
【0025】(成分D:タルク)タルクとしては、平均
粒径1.3μmのもの(D−1)、平均粒径3.2μm
のもの(D−2)を用いた。タルクの粒径の測定は光散
乱沈降法を用い、その中心粒度を求め平均粒径とした。
【0026】(試験片の作製)これらの各成分を表2に
示す割合で配合し、ヘンシェルミキサーにより5分間ド
ライブレンドを行った。得られた混合物を210℃に設
定された同方向二軸押出機(径30mm)を用いて混練
してペレットを製造した。このペレットを230℃に設
定された射出成形機を用いて射出成形を行い、測定用の
試験片を作製した。各試験片のアイゾット衝撃強度、曲
げ弾性率、熱変形温度(HDT)の測定結果を表2に示
す。
【0027】(実施例1、比較例1〜5)表2の実施例
1は、成分AとしてPP−1を65重量%、成分Bとし
てEPR−1を9重量%、成分CとしてPOR−1を9
重量%、成分DとしてD−1を17重量%を配合して樹
脂組成物とした。実施例1により得られる樹脂組成物
は、高い剛性(曲げ弾性率が20,000kgf/cm
2 以上)、高い耐熱性(HDTが135℃以上)に加え
て、優れた低温耐衝撃性(−30℃におけるアイゾット
衝撃強度が4kg・cm/cm以上)を有する。
【0028】比較例1は、実施例1において成分Dのタ
ルクを無添加としたことのみが異なる。比較例1では得
られる樹脂組成物の低温耐衝撃性は優れているものの、
剛性及び耐熱性が低い。比較例2は、実施例1において
成分DのタルクD−2の平均粒径が、3.2μmと本発
明の範囲外であることのみが異なる。比較例2では、実
施例1に比し、得られる樹脂組成物の低温耐衝撃性、剛
性、耐熱性が低下している。比較例3と比較例4は、従
来技術として知られるものである。比較例3は、実施例
1における成分Bの9重量%及び成分Cの9重量%に代
えて、エチレン−プロピレン共重合体EPR−1を18
重量%使用した点で相違する。また比較例4は成分B及
び成分Cに代えてエチレン−プロピレン共重合体EPR
−1を9重量%及びエチレン−ブテン共重合体EBRを
9重量%の組合せて得られたゴム成分を使用した樹脂組
成物に関するものであり、比較例3、比較例4の樹脂組
成物は実施例1の樹脂組成物に比して低温耐衝撃性、剛
性、耐熱性がいずれも低下している。また比較例5は、
成分Bに代えて、プロピレン5重量%を含有するエチレ
ン−プロピレンのランダム共重合体EPR−3を9重量
%使用している。しかし成分A、成分C、成分Dがいず
れも本発明の規定内のものであっても性能的に劣り、得
られた樹脂組成物の低温耐衝撃性が低い。
【0029】(実施例2〜6)実施例1に対して成分
A、成分B、成分Cの種類及び配合量を代えた実施例2
〜実施例6についても、得られた樹脂組成物の剛性、耐
熱性が高いだけでなく、低温耐衝撃性も優れた樹脂組成
物である。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の、ポリプロピレン、エチレン−
α−オレフィン共重合体、ポリプロピレンオキサイド及
び平均粒径が2.5μm以下のタルクを配合したポリプ
ロピレン系樹脂組成物は、インジェクション成形が可能
であり、下記の性能を有する優れた樹脂組成物である。 (1)低温耐衝撃性が優れている。 (2)剛性が高い。 (3)耐熱性が高い。 したがって本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、高
温に曝されたり、寒冷地においても使用される自動車の
バンパーや自動車内外装部品などの素材として好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71:02) (72)発明者 茂木 義博 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3−2日 本ポリオレフィン株式会社川崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分A:メルトフローレートが5〜50g/10分のポリプ ロピレン 60〜80重量% 成分B:α−オレフィンの含有量が10〜80重量%であるエチレン−α−オレ フィン共重合体 1〜20重量% 成分C:ポリプロピレンオキサイド 1〜20重量% 成分D:平均粒径が2.5μm以下のタルク 10〜25重量% からなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、成分B
    及び成分Cの合計が樹脂組成物に対し10〜25重量%
    であるポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレンオキサイドが、プロピレ
    ンオキサイドの単独重合体またはコモノマー含有量が5
    0重量%以下のポリプロピレンオキサイド−エチレンオ
    キサイド共重合体である請求項1記載のポリプロピレン
    系樹脂組成物。
JP9619296A 1996-03-25 1996-03-25 ポリプロピレン系樹脂組成物 Pending JPH09255828A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083197A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Sumika Color Kk 成形体の製造方法および無機充填剤含有エチレン共重合体ゴム

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083197A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Sumika Color Kk 成形体の製造方法および無機充填剤含有エチレン共重合体ゴム

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