JPH09254655A - ドアウエザーストリップの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボディ開口１０の内周縁部に簡単な加工を施
すだけで、この開口内周縁部の所定位置にウエザースト
リップ３を正確に取付けることができるウエザーストリ
ップ取付構造を提供する。 【解決手段】 ボディ開口１０の内周縁部を、ウエザー
ストリップ３の取付座面１５と、その一端から屈曲して
ボディ開口１０に向かって突出する溶接フランジ１６と
を備えたサイドパネル１２で構成し、該サイドパネル１
２の取付座面１５と溶接フランジ１６とのコーナー部位
に、取付座面１５に対するウエザーストリップ３の取付
位置を規制する複数のビード１７を不連続状に突設し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主にサッシュレス
タイプの自動車において、ボディのドア取付用開口と、
この開口に取付けるドアのガラスとの間をシールするた
め、前記ボディ開口の内周縁に沿って取付けるウエザー
ストリップの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種ウエザーストリップを取付
けるあたっては、例えば実開平２ー７６５２０号公報に
示されているように、ボディ開口の内周縁部にウエザー
ストリップ保持用リテーナを、所定間隔をおいて複数の
クリップにより組付け、このリテーナに設けた受入溝に
弾性材料から成るウエザーストリップを取付けるように
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のよう
に、前記ウエザーストリップが取付けられるリテーナを
ボディ開口の内周縁部に複数のクリップを介して組付け
るだけでは、この開口内周縁部に対するリテーナの位置
決めが不安定となり、このため、該リテーナに取付けら
れるウエザーストリップの前記開口内周縁部に対する位
置決めも不安定となり易い。

【０００４】特に、サッシュレスドアの場合で、そのガ
ラスを上動させて閉鎖するとき、該ガラスの上端側と前
記ボディ側開口との間を確実にシールするためには、前
記ガラスの上端側をウエザーストリップの車幅方向所定
位置に正確に当接させて、該ウエザーストリップを弾性
変形させながらガラスの上端内外面に密接させる必要が
あるが、以上のように、前記ボディ開口の内周縁部に対
するウエザーストリップの位置決めが不安定で、このウ
エザーストリップが所定位置から車幅方向に変動したり
すると、該ウエザーストリップによるシール効果が損な
われることになる。

【０００５】本発明の主な目的は、別部品を要すること
なく、ボディ開口の内周縁部に簡単な加工を施すだけ
で、この開口内周縁部の所定位置にウエザーストリップ
を正確に取付けることができる取付構造を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、ドア２により開閉されるボ
ディ開口１０の内周縁部に沿って配設され、ボディ１と
ドア２のガラス２１との間をシールするウエザーストリ
ップ３の取付構造であって、前記ボディ開口１０の内周
縁部を、ウエザーストリップ３の取付座面１５と、該取
付座面１５の一端から屈曲して前記ボディ開口１０に向
かって突出する溶接フランジ１６とを備えたサイドパネ
ル１２で構成し、このサイドパネル１２における取付座
面１５と溶接フランジ１６とのコーナー部位に、該取付
座面１５に対する前記ウエザーストリップ３の取付位置
を規制する複数の位置決め用ビード１７を不連続状に突
設している。

【０００７】

【発明の作用及び効果】前記ボディ開口１０の内周縁部
にウエザーストリップ３を取付けるとき、このウエザー
ストリップ３は、前記ボディ開口１０を構成するサイド
パネル１２の取付座面１５と溶接フランジ１６とのコー
ナー部位に設けた複数の位置決め用ビード１７によって
位置規制されるので、前記取付座面１５に対するウエザ
ーストリップ３の位置決めが不安定となったりすること
なく、該ウエザーストリップ３を前記取付座面１５の所
定位置に正確に取付けることができる。このため、たと
えサッシュレスドアの場合でも、そのガラス２１の閉鎖
時、該ガラス２１の上端側とボディ側開口１０との間を
前記ウエザーストリップ３を介して確実にシールでき
る。また、前記サイドパネル１２の取付座面１５と溶接
フランジ１６とのコーナー部位に複数のビード１７を形
成するだけで、前記取付座面１５側にウエザーストリッ
プ３を正確に取付けることができるので、別部品を必要
とすることなく、極めて簡単な構成でもって初期の目的
を達成できる。

【０００８】さらに、前記サイドパネル１２に複数のビ
ード１７を形成したことにより、該サイドパネル１２に
設ける溶接フランジ１６のスプリングバックを阻止でき
て、この溶接フランジ１６の溶接部位を安定させること
ができ、しかも、前記各ビード１７で前記ウエザースト
リップ３が取付けられるサイドパネル１２の全体強度を
強化することができて、該サイドパネル１２の形状を安
定化させることもできる。

【０００９】しかも前記サイドパネル１２には、複数の
ビード１７を不連続状に部分的に形成されているので、
前記溶接フランジ１６の溶接時に、該溶接フランジ１６
の各ビード１７間を溶接することにより、この溶接フラ
ンジ１６の溶接部位を確保するため、該溶接フランジ１
６を長尺としたりする必要がなく、また、前記各ビード
１７が邪魔になったりすることもなく、前記溶接フラン
ジ１６の確実かつ強固な溶接を行うことができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図３は、本発明の好適な実施形態
としてサッシュレスタイプの乗用車を示しており、この
乗用車は、ボディ１の前方で車幅方向両側にドア取付用
開口１０を設け、この開口１０にサッシュレスドア２を
開閉可能に取付けている。

【００１１】前記開口１０には、その内周縁部に沿って
配設され、該開口１０と前記サッシュレスドア２に備え
たガラス２１との間をシールするゴム等の弾性材料から
成るウエザーストリップ３を取付けるのであって、この
ウエザーストリップ３の前記開口１０側への取付構造
を、次のように構成する。

【００１２】即ち、図１，図２の実施形態では、前記ボ
ディ１におけるルーフ１１の車幅方向両側に、アウタサ
イドパネル１２とインナサイドパネル１３とから成る閉
鎖断面構造のルーフサイドレール１４を車体前後方向に
向かって配設し、このルーフサイドレール１４のアウタ
サイドパネル１２側で前記開口１０と対向する内面側
に、前記ウエザーストリップ３が取付けられるリテーナ
４の取付座面１５を形成すると共に、該取付座面１５の
車幅方向内端側には、前記開口１０側に向かってほぼ直
交状に突出され、前記インナサイドパネル１３の先端側
に設けた溶接フランジ１３ａと対接させてスポット溶接
される溶接フランジ１６を連続状に一体形成する一方、
この溶接フランジ１６と取付座面１５との車幅方向内端
部側のコーナー部には、前記開口１０側に向かって概略
矩形状に膨出し、前記取付座面１５に対する前記リテー
ナ４の取付位置を規制するための複数の位置決め用ビー
ド１７をプレス加工手段により部分的に不連続状に形成
している。

【００１３】前記ウエザーストリップ３は、前記リテー
ナ４を介してアウタサイドパネル１２の取付座面１５側
に取付けられる基部３１と、この基部３１に対し所定間
隔をおいて前記開口１０側に一体形成され、前記ドア２
に備えたガラス２１の上動時に弾性変形しながら、該ガ
ラス２１の上端内外面に密接されるシール部３２とで内
部中空状に形成され、このシール部３２の車幅方向内方
側には、前記ウエザーストリップ３をリテーナ４を介し
て前記取付座面１５に取付けたとき、前記各溶接フラン
ジ１３ａ，１６の内面側に係止される係止片３３を一体
状に形成している。

【００１４】また、前記リテーナ４には、前記ウエザー
ストリップ３の基部３１側を挿入係止させるための受入
溝４１を設けるのであって、この受入溝４１は、前記ア
ウタサイドパネル１２の取付座面１５に沿って対向状に
延びる底壁４１ａと、該底壁４１ａの幅方向両端部から
前記開口１０側に向かって起立する一対の第１及び第２
側壁４１ｂ，４１ｃとから成り、前記取付座面１５に前
記受入溝４１の底壁４１ａを対向させ、かつ、この受入
溝４１の車幅方向内端側に位置される第１側壁４１ｂを
前記各ビード１７に当接させて、これら各ビード１７に
より前記リテーナ４の取付座面１５に対する位置決めを
行った状態で、この取付座面１５に複数のクリップ５を
介して前記リテーナ４を組付けるようにしている。

【００１５】さらに、前記受入溝４１の車幅方向外端側
に位置される第２側壁４１ｃには、前記アウタサイドパ
ネル１２の外方側に向かって延び、その取付座面１５の
開口１０側を覆うモール部４２を一体形成して、該モー
ル部４２の先端側に、該モール部４２と前記アウタサイ
ドパネル１２との間をシールするためのシール部４３を
突設している。

【００１６】そして、前記ボディ１の開口１０に前記ウ
エザーストリップ３を取付けるときは、図１で示すよう
に、前記リテーナ４に設けた受入溝４１の底壁４１ａを
前記アウタサイドパネル１２の取付座面１５と対向さ
せ、このとき、前記受入溝４１の第１側壁４１ｂを前記
各ビード１７に当接させることにより、これら各ビード
１７で前記リテーナ４の前記取付座面１５に対する位置
決めを行って、この取付座面１５に前記リテーナ４を複
数のクリップ５を介して組付ける。また、前記リテーナ
４には、その受入溝４１内に前記ウエザーストリップ３
の基部３１を挿入係止させて取付ける。

【００１７】以上のように、前記アウタサイドパネル１
２に設けたビード１７で前記リテーナ４を位置決めした
状態で取付座面１５側に組付け、この位置決め状態で組
付られた前記リテーナ４の受入溝４１内に前記ウエザー
ストリップ５を取付けることにより、該ウエザーストリ
ップ３を前記取付座面１５の所定位置に正確に取付ける
ことができ、つまり、前記アウタサイドパネル１２の一
部にビード１７を追加する極めて簡単な構成でもって、
前記取付座面１５側にウエザーストリップ３を正確に取
付けることができ、従って、前記サッシュレスドア２の
ガラス２１を上動させて閉鎖するとき、該ガラス２１の
上端側とボディ側開口１０との間を前記ウエザーストリ
ップ３を介して確実にシールできる。

【００１８】また、前記アウタサイドパネル１２の取付
座面１５と溶接フランジ１６とのコーナー部に設けた複
数のビード１７でもって、該コーナー部を補強すること
ができるので、前記アウタ及びインナサイドパネル１
２，１３の互いに溶接される各フランジ１６，１３ａが
スプリングバックしたりするのを防止することができ、
しかも、以上のように、前記ウエザーストリップ３にお
けるシール部３２の車幅方向内方側に設けた係止片３３
を、該ウエザーストリップ３の前記リテーナ４への取付
時、前記各溶接フランジ１６，１３ａの内面側に係止さ
せることにより、前記スプリングバックを一層確実かつ
良好に防止できて、前記各溶接フランジ１６，１３ａの
スポット溶接部位を安定させることができる。その上、
前記各ビード１７により、前記ウエザーストリップ３及
びリテーナ４が取付けられるアウタサイドパネル１２の
全体強度を強化できて、該パネル１２の形状を安定化さ
せることもできる。

【００１９】その上、前記アウタサイドパネル１２に複
数のビード１７を不連続状に部分的に形成したことによ
り、前記各溶接フランジ１６，１３ａ間を溶接すると
き、該各溶接フランジ１６，１３ａにおける各ビード１
７の間を互いに溶接することにより、これら溶接フラン
ジ１６，１３ａの溶接部位を確保するために、該各溶接
フランジ１６，１３ａの寸法を長くしたりすることな
く、また、前記各ビード１７が邪魔になったりすること
もなく、前記各溶接フランジ１６，１３ａ間の確実かつ
強固な溶接を行うことができる。

【００２０】以上の実施形態では、サッシュレスドアに
ついて説明したが、本発明は、通常のサッシュドアにも
適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のウエザーストリップ取付構造を示す
縦断面図。

【図２】 そのサイドパネルの部分的な斜視図。

【図３】 ボディの一部省略した斜視図。

【符号の説明】

１……ボディ １０…開口 １２…サイドパネル １５…取付座面 １６…溶接フランジ １７…位置決め用ビード ２……ドア ２１…ガラス ３……ウエザーストリップ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドア（２）により開閉されるボディ開口
   （１０）の内周縁部に沿って配設され、ボディ（１）と
   ドア（２）のガラス（２１）との間をシールするウエザ
   ーストリップ（３）の取付構造であって、 前記ボディ開口（１０）の内周縁部が、ウエザーストリ
   ップ（３）の取付座面（１５）と、該取付座面（１５）
   の一端から屈曲して前記ボディ開口（１０）に向かって
   突出する溶接フランジ（１６）とを備えたサイドパネル
   （１２）で構成され、このサイドパネル（１２）におけ
   る取付座面（１５）と溶接フランジ（１６）とのコーナ
   ー部位に、該取付座面（１５）に対する前記ウエザース
   トリップ（３）の取付位置を規制する複数の位置決め用
   ビード（１７）を不連続状に突設していることを特徴と
   するドアウエザーストリップの取付構造。