JPH09254615A - タイヤ滑り止め具の引き締め装置 - Google Patents

タイヤ滑り止め具の引き締め装置

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JPH09254615A
JPH09254615A JP7044396A JP7044396A JPH09254615A JP H09254615 A JPH09254615 A JP H09254615A JP 7044396 A JP7044396 A JP 7044396A JP 7044396 A JP7044396 A JP 7044396A JP H09254615 A JPH09254615 A JP H09254615A
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JP
Japan
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tightening
tire
reel
take
tightening device
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JP7044396A
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English (en)
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Makoto Tanaka
信 田中
Manabu Takada
学 高田
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SOFT KYUKYU CORP KK
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SOFT KYUKYU CORP KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】構造が簡単でコストが安く、しかも小形で、メ
ンテナンス性のよいタイヤ滑り止め具の引き締め装置の
提供。 【解決手段】軸部の長手方向略中央に所定間隔を隔てて
一対の鍔部が形成され上記両鍔部間の軸部に引き締め紐
6を巻き取る巻き取りリール21と、一対の側板が所定
間隔を隔てて平行になるように連結保持され、上記両側
板に上記軸部の両端部を回転自在に軸支させて両側板間
に巻き取りリールが取り付けられる外側支持部材17と
を備え、上記巻き取りリールのフランジ外周縁部に、巻
き取り方向には空転し逆転方向で噛み合うように形成さ
れたラチェット歯28が形成され、上記外側支持部材の
両側板の間に、上記ラチェット歯と噛み合いかつ解除可
能なロック片13が取り付けられ、上記ロック片を巻き
取りリールのラチェット歯に押し付け付勢して噛み合わ
せるばね部材32を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤチェーン等
のタイヤ滑り止め具をタイヤへ装着する際に用いるタイ
ヤ滑り止め具の引き締め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積雪時等に使用される車両用タイヤ滑り
止め装置としては、一般的に用いられる金属チェーンの
他に、ゴムやウレタン樹脂等で形成された滑り止め装置
が用いられている。
【0003】これらの滑り止め装置は、各種の形状,構
造をしたものが開発されているが、タイヤへの装着方法
は、いずれも略同様の方式が採られている。このような
滑り止め装置は、例えば、図27に示すように、滑り止
め本体40が、全体として略帯状に形成された網状の滑
り止め部(図において鎖線で囲んだ部分)40aと、こ
の滑り止め部40aの両側辺に形成された締付用端部4
0b,40cとからなっている。この滑り止め本体40
の、内側辺(装着状態でタイヤの内側に位置する。図示
の上側)の締付用端部40bには、多数の内側金具42
aが取着され、外側辺(装着状態でタイヤの外側に位置
する。図示の下側)の締付用端部40cには、多数の外
側金具42bが取着されている。そして、上記内側金具
42aには、一端に連結用留め具41a,他端に連結用
ループ部41bが設けられたロープ41が遊嵌されて構
成されている。図において、51は滑り止め本体40を
タイヤに巻回した際、その両端を連結する連結用端部で
ある。
【0004】上記滑り止め装置をタイヤへ装着する場合
には、図28に示すように、まず、滑り止め本体40を
タイヤ43のトレッド部分に巻回させて両端部を連結す
る。ついで、タイヤ43の内側辺(図では隠れて見えな
い)にあるロープ41を引き締め、両端の連結用留め具
41aと連結用ループ部41bを連結して所定の直径の
ループ状にする。つぎに、外側辺の外側金具42bに、
ゴムリング44を引っ掛け、上記各外側金具42bを中
心方向に向かって引き締めることにより滑り止め本体4
0をタイヤ43に装着するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の滑り
止め装置では、装着の際、多数の外側金具42bにゴム
リング44を順次掛けていくという非常に煩雑な作業を
行わねばならない。また、上記ゴムリング44は、その
引き締め力が弱いと、走行中に滑り止め本体40にかか
る遠心力で拡径し、滑り止め本体40がフェンダーに接
触して破損する危険がある。一方、ゴムリング44の引
き締め力が強すぎると、装着の際に非常に強い力が必要
になり、作業性が極端に悪くなる。したがって、ゴムリ
ング44自体の引き締め力をあまり強くせず、複数本の
ゴムリング44を使用して必要な引き締め力を確保する
必要がある。このため、多数の外側金具42bに複数本
のゴムリング44を掛ける作業に、多大な時間と労力が
必要になるという問題がある。
【0006】そこで、タイヤ43への装着作業を簡略化
するために、上記ゴムリング44に代えて緊締紐部材を
用いたものとして、例えば、特開平6−127224号
公報に示すような滑り止め装置が提案されている。この
ものは、図29に示すように、滑り止め本体40の外側
金具42bに、ループ状の緊締紐部材46を引っ掛け、
上記緊締紐部材46を緊締装置45を用いて巻き取るよ
うになっている。
【0007】上記緊締装置45は、図30に示すよう
に、ケース本体52と、このケース本体52の一端側
に、逆転阻止機構53を介して回動自在に設けられる操
作キャップ55と、ケース本体52の他端側に倍力機構
60を介して上記操作キャップ55の回動に伴って回動
するように設けられているリール胴56と、ケース本体
52のさらに外側に嵌められる外装輪57とを備えてい
る。上記逆転阻止機構53は、回動板54と、この回動
板54の切欠62内に収まる爪片70とからなり、この
爪片70が、上記ケース本体52の一端側に形成された
広口端部66の内周面に形成された爪歯65と噛み合
い、操作キャップ55およびリール胴56の逆転を阻止
するようになっている。また、この逆転阻止機構は、必
要時には解除されるようになっている。そして、上記リ
ール胴56の胴部61には、その回動軸芯を横切って緊
締紐部材を嵌めるための溝63が形成されている。
【0008】この緊締装置45は、図31および図32
に示すように、上記リール胴56の溝63に、緊締紐部
材46が嵌められた状態で、操作キャップ55を回動さ
せると、これに伴いリール胴56が回動し、上記緊締紐
部材46が胴部61の外周面に巻回されるようになって
いる。
【0009】しかしながら、上記緊締装置45は、ケー
ス本体52に収容されたリール胴56を、ケース本体5
2の外側から回動操作させるため、操作キャップ55を
備えており、この操作キャップ55が上記リール胴56
と連動するように組み付けられている。しかも、上記リ
ール胴56の逆転を阻止させるため、複数部品からなる
逆転阻止機構53が組み込まれている。このため、装置
の内部構造が非常に複雑になるとともに、部品点数が多
くなり、部品管理や組み立てに手間がかかり、それだけ
コストアップにつながるという問題がある。しかも、部
品が多く複雑なだけ装置自体も大形になり、特に、装置
の厚みは、緊締紐部材46の幅寸法に加えて、倍力機構
60や逆転阻止機構53の厚みが必要で、非常に厚くな
り、タイヤ43に装着した際に出っ張って邪魔になる。
そのうえ、装置自体の重さも重くなるため、タイヤ43
に装着して走行した時に発生する振動が大きくなり、緊
締装置45がタイヤ43と接触してタイヤ43を傷めた
り、滑り止め本体40を破損させたりするという問題も
ある。
【0010】また、上記緊締装置45は、巻き取った緊
締紐部材46がケース本体52内に収容されるようにな
っていることから、緊締紐部材46の巻き量に限界があ
るうえ、長い緊締紐部材46を巻き取るようにするため
には、ケース本体52自体を大きなものにする必要があ
るため、装置自体が大形になるという問題がある。さら
に、緊締紐部材46を巻き取る際に、緊締紐部材46に
付着した泥や塵芥をケース本体52内に一緒に巻き取っ
てしまい、ケース本体52内に侵入した泥や塵芥が爪片
70等の部品の隙間に挟まって逆転阻止機構53や倍力
機構60の動作の障害になり、故障の原因になりやす
い。しかもケース本体52内に入り込んだ泥や塵芥を除
去するためには、装置を分解しなければならないため、
メンテナンスに手間がかかるという問題もある。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、構造が簡単でコストが安く、しかも小形で、メ
ンテナンス性のよいタイヤ滑り止め具の引き締め装置の
提供をその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のタイヤ滑り止め具の引き締め装置は、タイ
ヤ滑り止め具をタイヤに装着する際に引き締め紐を巻き
取って上記タイヤ滑り止め具を引き締めタイヤに締着す
るタイヤ滑り止め具の引き締め装置であって、軸部の長
手方向略中央に所定間隔を隔てて一対の鍔部が形成され
上記両鍔部間の軸部に引き締め紐を巻き取る巻き取りリ
ールと、一対の側板が所定間隔を隔てて平行になるよう
に連結保持され、上記両側板に上記軸部の両端部を回転
自在に軸支させて両側板間に巻き取りリールが取り付け
られる外側支持部材とを備え、上記巻き取りリールの鍔
部外周縁部に、巻き取り方向には空転し逆転方向で噛み
合うように形成されたラチェット歯が形成され、上記外
側支持部材の両側板の間に、上記ラチェット歯と噛み合
いかつ解除可能なロック片が取り付けられ、上記ロック
片を巻き取りリールのラチェット歯に押し付け付勢して
噛み合わせる付勢部材を備えているという構成をとる。
【0013】すなわち、本発明のタイヤ滑り止め具の引
き締め装置は、巻き取りリールの逆転防止を、巻き取り
リールの鍔部外周を利用して形成したラチェット歯と、
このラチェット歯と噛み合うロック片によって行うよう
にしている。このため、従来のように複雑な逆転阻止機
構53を設ける必要がなく、装置の構造が簡単になる。
したがって、部品点数が少なくなり、部品管理や組み立
てにかかる手間が大幅に減少し、それだけコストダウン
できる。しかも、部品が少ない分装置自体を小形化する
ことができるうえ、破損や故障が起こりにくくなる。ま
た、装置の厚みは、引き締め紐の幅寸法に、巻き取りリ
ールの鍔部および外側支持部材の側板の厚みを加えただ
けの寸法でおさまり、従来のように逆転阻止機構53等
がない分格段に薄くなるため、タイヤに装着した際に邪
魔にならない。そのうえ、装置自体の重さも軽く、タイ
ヤに装着して走行した時に発生する振動が小さくなり、
装置がタイヤと接触してタイヤを傷めたり、タイヤ滑り
止め具を破損させたりすることがない。
【0014】さらに、この装置は、両側板に軸部の両端
部を回転自在に軸支させて外側支持部材の両側板の間に
巻き取りリールを取り付けるようにしている。このた
め、巻き取った引き締め紐は、従来のようにケース本体
52内に収容されるのではなく、両側板に挟まれた巻き
取りリールに巻き取られるだけであることから、従来の
ようにケース本体52自体を大くすることなく、引き締
め紐を多く巻き取ることができる。さらに、引き締め紐
に付着した泥や塵芥を一緒に巻き取ってしまった場合で
も、従来のように、ケース本体52内に入り込んでしま
わないため、巻き取りリールの逆転を防止するロック機
構の動作の障害にならず、故障が起こり難い。しかも、
巻き取りリール等はケース内に収容されているのではな
く、両側板間に挟まれているだけであるため、巻き込ま
れた泥や塵芥は、装置を分解しなくても容易に除去でき
るため、メンテナンスが容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて詳しく説明する。
【0016】図1および図2は、本発明のタイヤ滑り止
め具の引き締め装置(以下「引き締め装置」という)の
一実施形態を示している。この引き締め装置7は、巻き
取りリール21と、この巻き取りリール21を回転自在
に軸支する外側支持部材17とを備え、上記巻き取りリ
ール21に引き締め紐6を巻き取るようになっている。
そして、上記巻き取りリール21の外周縁部には、ラチ
ェット歯28が形成され、このラチェット歯28とロッ
ク片13とが噛み合うことにより巻き取りリール21の
逆転が阻止されるようになっている。図において、1は
ウレタン製のタイヤ滑り止め具であり、上記引き締め装
置7は、連結具20およびリベット19によって上記タ
イヤ滑り止め具1に取り付けられるようになっている。
【0017】より詳しく説明すると、上記巻き取りリー
ル21は、合成樹脂で一体的に形成され、図3および図
4に示すように、軸部26の長手方向の略中央部に、所
定間隔を隔てて一対のフランジ(鍔部)27が形成され
ている。上記両フランジ27にはその外周縁部に、巻き
取り方向には空転し、逆転方向でのみ噛み合う多数(図
では16歯)のラチェット歯28が全周にわたって形成
されている。また、上記軸部26には、その中央に軸心
方向に貫通する偏平状の工具差し込み穴26aが形成さ
れている。また、上記軸部26の両フランジ27に挟ま
れる部分の外周面には、切欠面26bが切欠形成される
とともに、この切欠面26bと所定間隔を隔てて平行
に、両フランジ27を貫通する1本のピン29が架設さ
れている。
【0018】上記外側支持部材17は、合成樹脂で一体
的に形成され、図5および図6に示すように、一対の側
板10の上部が連結保持部4によって連結保持され、上
記両側板10が所定間隔を隔てて平行に保持されてい
る。上記両側板10には、それぞれ、上記巻き取りリー
ル21の軸部26の両端部を軸支する軸支穴11が同軸
状に穿設されている。また、上記両側板10には、それ
ぞれその前方(図5では左側)に、リベット挿通穴22
が穿設され、ここにロック片13が軸支されるロック片
取付部31が突出形成されている。さらに、上記両側板
10には、それぞれその後方に、リベット挿通穴7aが
穿設された挟持片24が突出形成されている。また、上
記連結保持部4の上面部には、前後方向に貫通するリベ
ット挿通穴23が穿設された一対の連結具取り付け突部
25が突設されている。上記両連結具取り付け突部25
間の隙間に連結具20が装入され、この状態で上記リベ
ット挿通穴23にリベット23aが挿通され、このリベ
ット23aに連結具20が引っ掛けられるようになって
いる(図1および図2参照)。また、上記両側板10の
後方側(挟持片24の根元部分)には、内側面が巻き取
りリール21のフランジ27外周に沿って凹面状に形成
された補強板30によって補強されている。
【0019】上記ロック片13は、合成樹脂で形成さ
れ、図7に示すように、リベット挿通穴13aが幅方向
に貫通する筒状に形成された軸支部16の上方に、上記
軸支部16と同幅で突出する指掛け片部16bが形成さ
れ、この指掛け片部16bの側面にロック爪16cが突
出形成されて構成されている。また、上記指掛け片部1
6bには、ばね部材が挿通されるばね部材挿通穴16d
が幅方向に貫通形成されている。そして、このロック片
13の幅寸法(図示のF)は、上記外側支持部材17の
両側板10の間に収容される長さに設定されている。
【0020】引き締め紐6は、合成繊維のマルチフィラ
メントが編組もしくは織成されてベルト状に形成されて
いる。そして、例えば、図8に示すように、上記引き締
め紐6の後端部が、巻き取りリール21の軸部26の切
欠面26aとピン29との間に挿通され、上記ピン29
に折り返し状に巻き付けられ、さらにこの折り返された
端部が縫製されて固定される。
【0021】上記構成において、本発明の引き締め装置
7は、つぎのようにして組み立てられ、その組み立て状
態を図9および図10に示す。すなわち、まず、外側支
持部材17の両側板10を弾性変形させて少し開き、間
隔が広げられた両側板10の間に、引き締め紐6の端部
が固定された巻き取りリール21を装入する。そして、
巻き取りリール21の軸部26の両端部を、軸支穴11
に装入して巻き取りリール21を軸支する。ついで、ロ
ック片13を、ロック爪16cが巻き取りリール21の
外周に当接するようにロック片取付部31にリベット2
2aによって軸支する。そして、ロック片13のばね部
材挿通穴16dにばね部材32の先端側を挿通し、根元
側を上記リベット22aに貫通させて固定し、ロック爪
16cを巻き取りリール21のラチェット歯28に押し
付け付勢させる(図1および図2参照)。これにより、
上記ロック片13のロック爪16cが、ラチェット歯2
8と噛み合って巻き取りリール21の逆転を阻止するよ
うになっている。また、引き締め紐6は、上記ロック片
13の下側から引き出され、上記ロック片13と摺接し
ながら巻き取られたり引き出されたりするようになって
いる。
【0022】本発明の引き締め装置は、つぎのようにし
て引き締め紐6を巻き取ることができる。すなわち、ま
ず、巻き取りリール21の工具差し込み穴26aに、巻
き取り用工具(図示せず)を差し込み、図1に示す矢印
Cの方向に回転させる。この巻き取り用工具の回転によ
り、巻き取りリール21が回転し、引き締め紐6が引き
出された状態から軸部26に巻き取られる。巻き取りリ
ール21が回転すると、巻き取りリール21のラチェッ
ト歯28が、ロック片13のロック爪16cと噛み合っ
た状態(図10参照)から巻き取り方向にずれるととも
に、ロック片13を少し前方(図10において左側)に
回動させる。そして、さらに回転させると、ロック爪1
6cがラチェット歯28の頂部を乗り越え、つぎのラチ
ェット歯28と噛み合って、ラチェット歯28の1歯分
だけ引き締め紐6が巻き取られる。ラチェット歯28が
ロック爪16cと噛み合った状態では、巻き取りリール
21は逆転しない。上記操作を引き続いて繰り返し巻き
取りを続けると、巻き取りリール21に引き締め紐6が
巻き取られる。
【0023】一方、引き締め紐6を引き出す場合には、
巻き取りリール21を少し巻き取り方法に回転させると
ともに、ロック片13の指掛け片部16bに手指を掛け
て図1に示す矢印Dの方向に回動操作させる。このよう
にして、ラチェット歯28とロック爪16cとの噛み合
いを解除することができる。この状態で、図1に示す矢
印Eの方向に引き締め紐6を軽く引っ張ったり、あるい
は、後述するように、ゴム等の弾性力で自動的に巻き取
りリール21が逆転され、引き締め紐6が引き出され
る。
【0024】上記引き締め装置7を用いて、タイヤ滑り
止め具1のタイヤへの取り付けは、例えば、つぎのよう
にして行われる。
【0025】図11は、本発明の引き締め装置7を用い
てタイヤ滑り止め具1をタイヤ43に取り付けた状態の
一例を示す。図において、4分割状に形成されたタイヤ
滑り止め具1は、長手方向の両端部が相互に連結されて
無端状でタイヤ43に巻回されている。2a,2bは上
記タイヤ滑り止め具1の外側辺に突出形成された締付用
端部であり、タイヤ滑り止め具1が巻回された状態でタ
イヤ43の側面に沿って周状に配置されている。3は上
記タイヤ滑り止め具1の長手方向の両端部の締付用端部
2aに内向き形成された連結突部であり、それぞれの内
側に隣接する締付用端部2bと連結された状態で、本発
明の引き締め装置7により内向きに引っ張られるように
なっている。
【0026】上記引き締め装置7には、図12に示すよ
うに、引き締め紐6の先端に、合成ゴムあるいはウレタ
ン樹脂製の弾性連結部材5が連結されている。上記弾性
連結部材5は、略円柱状の先端連結部12と、同じく略
円柱状の引き締め紐連結部47と、上記先端連結部12
と引き締め紐連結部47の間をつなぐように一体的に形
成され、引き締め紐6に引っぱられて伸びる弾性伸縮部
48とからなっている。上記引き締め紐連結部47に
は、引き締め紐6が挿通される引き締め紐挿通穴47a
が穿設され、一方、先端連結部12には、上記タイヤ滑
り止め具1の締付用端部2bおよび連結突部3と連結す
る際にフックが挿通される2個のフック挿通穴12aが
穿設されている。そして、上記引き締め装置7に引き締
め紐6を巻き取って、上記両連結突部3間の距離を短く
するように引張ることにより、上記各締付用端部2a,
2b(図13参照)が中心方向に向かって引き締めら
れ、上記弾性連結部材5の弾性力により、各タイヤ滑り
止め具1がタイヤ43に装着されるようになっている
(図11参照)。図12において、49は引き締め紐6
の先端部を輪状に固定する留め具である。なお、上記引
き締め紐6の先端部は、縫製によって輪状に固定しても
よい。
【0027】ここで、上記タイヤ滑り止め具1につい
て、さらに詳しく説明すると、上記タイヤ滑り止め具1
は、図13に示すように、ウレタン等の樹脂、もしく
は、合成ゴムで一体的に形成され、網状の滑り止め部分
1a(図において、鎖線で囲んだ部分)が、タイヤ幅と
略同幅で全体として略帯状に形成されている。この滑り
止め部分1aの外側辺(装着状態でタイヤ43の外側に
位置する。図において右側)の4個所には、締付用端部
2a,2bが所定間隔を隔てて突出形成されている。ま
た、内側辺(装着状態でタイヤ43の内側に位置する。
図において左側)の上記締付用端部2a,2bと対応す
る位置には、内側端部2cが突出形成されている。上記
タイヤ滑り止め具1には、その長手方向の両端部の締付
用端部2aおよび内側端部2cに、このタイヤ滑り止め
具1を相互に連結する際に、フック等が挿通される連結
用穴9が穿設されている。
【0028】また、上記タイヤ滑り止め具1の外側辺の
長手方向の両端部の締付用端部2aには、連結突部3が
略相対向する向きに延びるように形成されている。これ
ら連結突部3は、滑り止め部分1aがタイヤ43のトレ
ッド部分に沿って湾曲された状態で、タイヤ43の側面
に沿って周方向を向くように所定角度αをつけて設けら
れている。そして、これら両連結突部3と、上記両端部
の内側に隣接する締付用端部2bには、それぞれ上記引
き締め装置7および弾性連結部材5を連結する際にフッ
ク等が挿通される挿通孔50が穿設されている。
【0029】また、上記4個所の内側端部2cのうち3
個所には、互いに隣接する内側端部2c同士を連結する
連結棒8が突設されている。これら連結棒8は、上記連
結突部3と同様の所定角度αをつけて設けられている。
そして、これら連結棒8の先端と、隣接する内側端部2
cとが連結された状態で、図14に示すように、滑り止
め部分1aがタイヤ43のトレッド部分に沿う曲率で湾
曲されるようになっている。また、この状態で4分割さ
れたタイヤ滑り止め具1を連結すると、上記滑り止め部
分1aは、タイヤ43のトレッド部分に巻回され、上記
各内側端部2cは、タイヤ43の内側面に沿って所定の
直径をもった周状に配置されるようになっている。図1
3および図14において、58はスパイク用鋲である。
また、図14において59は内側端部2cと連結棒8の
先端部とを連結する金具である。
【0030】上記引き締め装置7は、図15および図1
6に示すように、タイヤ滑り止め具1に取り付けられ
る。すなわち、弾性連結部材5の先端連結部12がフッ
ク14を介して一端側の連結突部3およびその内側に隣
接する締付用端部2bに連結される。そして、引き締め
装置7の挟持片24に他端側の締付用端部2aおよび連
結突部3が挟持されてリベット19が挿通され、その内
側に隣接する締付用端部2bに連結具取り付け突部25
に取付けられた連結具20が連結される。
【0031】本発明の引き締め装置7を用いて上記タイ
ヤ滑り止め具1のタイヤ43への装着は、つぎのように
して行われる。すなわち、まず、4分割状のタイヤ滑り
止め具1の両端部を相互にフックで連結する。ついで、
引き締め装置7から引き締め紐6を引き出した状態にお
いて(図15および図16参照)、図17に示すよう
に、タイヤ滑り止め具1をタイヤ43の周囲に被せる
(両端部を連結するフック15は予め外されている)。
このとき、内側部の連結棒8で連結された各内側端部2
cは、タイヤ43の内側面に沿って所定の直径をもった
周状に配置される(図では隠れて見えない)。
【0032】つぎに、タイヤ43を約4分の1回転さ
せ、外されていたタイヤ43の表側と裏側に位置する両
フック15を掛けて4個のタイヤ滑り止め具1を無端状
態に連結し、タイヤ43に巻回する。この状態で、締付
用端部2a,2bは、タイヤ43の外側面に沿って略周
状に配置されているが、まだ引き締め装置7に引き締め
紐6は巻き取られておらず、各タイヤ滑り止め具1は緩
んだ状態にある。
【0033】つぎに、4分割されたタイヤ滑り止め具1
にそれぞれ取着された引き締め装置7に、上述したよう
に引き締め紐6を巻き取ることにより、タイヤ滑り止め
具1を順次引き締めていく。すなわち、引き締め装置7
の回転リール21を巻き取り用工具等で回転させて引き
締め紐6を巻き取り、その繰り出し長さを短くすること
により、図18に示すように、弾性連結部材5が引き伸
ばされ、その弾性力により両連結突部3が相互の距離
(図15においてL0 で示す)を短くするように引っ張
られ、上記両連結突部3間の距離が短縮される(短縮後
の距離は図18に示すL1 になる)。このようにして、
4個の引き締め装置7にそれぞれ引き締め紐6が巻き取
られると、タイヤ43側面に沿って周状に配置された各
締付用端部2a,2bの描く仮想円の直径が小さくな
り、上記各締付用端部2a,2bが中心方向に向かって
引き締められることとなり、各タイヤ滑り止め具1がタ
イヤ43に装着される(図11参照)。
【0034】上記装着の際、弾性連結部材5の弾性変形
がクッションとなることにより、ウレタン樹脂もしくは
合成ゴム製のタイヤ滑り止め具1自体の変形や伸びが防
止される。また、引き締め紐6の繰り出し長さを任意に
調節することで、引き締め力を調節することができ、仮
にタイヤ滑り止め具1が伸びてしまった場合でも、引き
締め紐6の巻き取り量を多くして強く引き締めること
で、問題なくタイヤ43に装着される。さらに、引き締
め力の微調整も可能で、弾性連結部材5の弾性伸びのク
ッションがあることから、装置自体の精度が多少悪くて
も、確実に装着される。そのうえ、装着の際に、タイヤ
滑り止め具1がタイヤ43のトレッド部分からずれた場
合にも、それに合わせて4個所の引き締め装置7の引き
締め紐6巻き取り量を調節しながら装着でき、作業が行
いやすいうえ、運転を開始すると、遠心力と弾性連結部
材5の弾性力で自動的にタイヤ滑り止め具1のセンター
出しがされる。しかも、運転中に遠心力がかかってもタ
イヤ43にフィットした状態が保たれる。さらに、弾性
連結部材5の弾性伸びでタイヤ滑り止め具1がタイヤ4
3に取り付けられ、しかもラチェット機構により引き締
め紐6の巻き取り量を調節することができることから、
多種類のサイズのタイヤ43に対応して取り付けること
ができる。
【0035】一方、上記タイヤ滑り止め具1をタイヤ4
3から外す場合には、上述したように、引き締め装置7
のロック片13を回動操作し、ラチェット歯28とロッ
ク片13の噛み合いを解除することにより、弾性連結部
材5の弾性伸びの復元力で自動的に引き締め紐6が緩
み、連結突部3間の距離L1 が戻り、各締付用端部2
a,2bへの引き締めが解除されてタイヤ滑り止め具1
が緩み、タイヤ43から外すことができる。
【0036】このように、上記引き締め装置7を用いる
ことにより、タイヤ滑り止め具1をタイヤ43に巻回し
たのち、引き締め装置7に引き締め紐6を巻き取るだけ
の操作で、確実にタイヤ43に装着することができ、従
来のように多数の金具にゴムリングを掛けるという煩雑
な操作が不要になる。
【0037】そして、上記引き締め装置7によれば、従
来のように複雑な逆転阻止機構53を設ける必要がな
く、装置自体の構造が簡単になり、部品点数が少なくな
って、部品管理や組み立てにかかる手間が大幅に減少す
る。しかも、部品が少ない分だけ装置自体を小形化する
ことができるうえ、破損や故障も起こりにくくなる。ま
た、引き締め装置7の厚みは、引き締め紐6の幅寸法
に、巻き取りリール21のフランジ27および外側支持
部材17の両側板10の厚みを加えただけの寸法でおさ
まり薄くなるため、タイヤ43に装着した際に邪魔にな
らない。そのうえ、装置自体の重さも軽く、タイヤ43
に装着して走行した時に発生する振動が小さくなり、装
置がタイヤ43と接触してタイヤ43を傷めたり、タイ
ヤ滑り止め具1を破損させたりすることがない。
【0038】さらに、この装置は、巻き取った引き締め
紐6は、従来のようにケース本体52内に収容されるの
ではなく、両側板10に挟まれた巻き取りリール21に
巻き取られるだけであることから、ケース本体52自体
を大くすることなく、引き締め紐6を多く巻き取ること
ができる。さらに、引き締め紐6に付着した泥や塵芥を
一緒に巻き取ってしまった場合でも、従来のように、ケ
ース本体52内に入り込んでしまわないため、ロック片
13の動作の障害にならず、故障も起こり難い。しか
も、巻き取りリール21等は、両側板10間に挟まれて
軸支されているだけであるため、巻き込まれた泥や塵芥
は、装置自体を分解しなくても容易に除去できる。
【0039】また、上記引き締め装置7は、巻き取りリ
ール21の双方のフランジ27の全周にラチェット歯2
8を形成していることから、巻き取りリール21を逆転
させる方向に力が加わった際に、2枚のラチェット歯2
8が噛み合ってロックするため、ラチェット歯28に加
わる力が分散し、ラチェット歯28が破損しにくい。ま
た、仮に一方のラチェット歯28が破損したとしても、
もう一方のラチェット歯28が噛み合ってロックされ
る。
【0040】また、上記引き締め装置7は、外側支持部
材17の連結保持部4に設けられた連結具取り付け突部
25に、連結具20が取り付けられ、この連結具20を
介してタイヤ滑り止め具1に連結されていることから、
タイヤ43に装着されて走行する際の振動等で引き締め
装置7が横振れした場合でも、引き締め装置7の動きの
自由度が大きく、タイヤ滑り止め具1を曲げようとする
無理な力がかからなくなり、タイヤ滑り止め具1が破損
し難くなる。
【0041】図19は、本発明の引き締め装置の第2の
実施の形態例を示している。
【0042】すなわち、この引き締め装置35は、引き
締め紐36が長尺で、その先端に所定長さのゴムバンド
37が取り付けられている。そして、このゴムバンド3
7の先端が、引き締め装置35の後側に連結され、全体
としてループ状に形成されている。
【0043】また、この引き締め装置35を用いてタイ
ヤ43に取り付けられるタイヤ滑り止め具38は、ウレ
タン樹脂製で4分割状に形成され、外側辺に締付用端部
2a,2bが突出形成されている点では図11に示すも
のと同様である。そして、この滑り止め具38は、図1
1に示すものと異なり、隣合う締付用端部2a,2b同
士がフック取り付けアーム34で連結され、上記各フッ
ク取り付けアーム34に取り付けた各フック39をタイ
ヤ43の中心に向かって締め付けることでタイヤ43に
装着されるようになっている。
【0044】そして、上記タイヤ引き締め装置35が、
フック取り付けアーム34に取り付けられ、ループ状を
なす引き締め紐36とゴムバンド37が、各フック39
に引っ掛けられている。この状態で、図20に示すよう
に、引き締め装置35に引き締め紐36を巻き取ること
により、上記ループを縮径させて各締付用端部2a,2
bを引き締め、タイヤ滑り止め具38をタイヤ43に装
着するようになっている。
【0045】なお、上記引き締め装置35をフック取り
付けアーム34に取り付ける場合には、図21に示すよ
うに、外側支持部材17aの連結保持部4aを上方に突
出する湾曲状に形成し、この湾曲した連結保持部4aを
直接フック取り付けアーム34に引っ掛け、この状態で
巻き取りリール21等を組付けるようにしてもよい。こ
のようにすることにより、引き締め装置35がタイヤ滑
り止め具38に組み込まれて外れなくなる。図におい
て、68はフック取り付けアーム34と係合して外れ止
めをする係合突条である。また、図22に示すように、
外側支持部材17bの連結保持部4bの一部を湾曲状に
形成し、この湾曲状部分にフック33を引っ掛け、この
状態で巻き取りリール21等を組付けるようにしてもよ
い。このようにすることにより、フック取り付けアーム
34にフック33を引っ掛けて、引き締め装置35がタ
イヤ滑り止め具38に取り付けられ、フック33をフッ
ク取り付けアーム34から外すことにより、引き締め装
置35が取り外し自在になる。
【0046】図23は、本発明の引き締め装置の第3の
実施の形態例を示している。
【0047】すなわち、この引き締め装置63は、引き
締め紐64の途中部が巻き取りリール21のピン29に
引っ掛けられ(図では隠れて見えない)、この部分から
引き締め紐64が巻き取りリール21に巻き取られるよ
うになっている。一方、上記引き締め紐64の両端部
は、ゴムバンド37を介して連結されて全体としてルー
プ状に形成されている。そして、図24に示すように、
上記引き締め紐64の折り返し部側を巻き取ることによ
り、引き締め装置63の両側から引き締め紐64を巻き
取って上記ループを縮径させ、タイヤ滑り止め具(図示
せず)をタイヤ43に装着するようになっている。
【0048】この装置では、引き締め装置63の両側か
ら引き締め紐64を巻き取るため、引き締め紐64を巻
き取る際の巻き取りリール21の回転が、上記図19に
示す第2の実施の形態例の装置に比べて半分の回数です
むという利点がある。また、引き締め装置63の対面す
る位置にゴムバンド37が位置し、このゴムバンド37
を両側から引き締め紐64で引き伸ばすようになってい
ることから、タイヤ滑り止め具を締め付ける際のバラン
スが良くなるという利点もある。
【0049】図25および図26は、本発明の引き締め
装置の第4の実施の形態例を示している。
【0050】この装置は、基本的には、図23に示す装
置と同様であるが、引き締め装置67の連結保持部4に
形成された連結具取り付け突部25aに、2本の引っ掛
け部を有した接続フック18が取り付けられており、こ
の接続フック18により、4分割状に形成されたタイヤ
滑り止め具38同士を連結するとともに、引き締め装置
67をタイヤ滑り止め具38に取り付けるようにしてい
る。このようにすることにより、タイヤ滑り止め具38
同士の連結と、タイヤ滑り止め具38への引き締め装置
67の取り付けとを、ひとつのフック18を兼用して行
うことができるため、部品点数が少なくなるとともに、
作業上でも合理的である。
【0051】なお、上記各実施の形態例の引き締め装置
では、ラチェット歯28の歯数は、16歯としたが、こ
れに限定するものではなく、ラチェット歯28の歯数を
多くすることもできる。このようにすることにより、巻
き取りリール21を小刻みに巻き取り、引き締め紐6の
巻き取り量を微調整することができるようになる。
【0052】また、上記各実施の形態例では、巻き取り
リール21は、合成樹脂で形成したが、材質について
は、特に限定されるものではなく、フェノール樹脂等の
高強度プラスチック,繊維分散強化プラスチック等各種
のものが用いられる。また、合成樹脂に限らず、アルミ
ニウム,ステンレス等の金属材料で形成してもよい。
【0053】また、上記各実施の形態例では、引き締め
紐6は、合成繊維のマルチフィラメントが編組もしくは
織成されてベルト状に形成したが、その繊維の材質とし
ては、特に限定されるものではなく、ナイロン,ポリエ
ステル,ポリエチレン等各種のものが用いられる。ま
た、上記引き締め紐6を、芯糸と、この芯糸を被覆する
表面組織とで構成される二重組織に形成した場合には、
引き締め紐6自体の柔軟性が確保されるとともに、引っ
張りによる伸びも防止され、巻き取りおよび解除の操作
がしやすくなるうえ、装着されたタイヤ滑り止め具1が
緩まないようになる。さらに、上記引き締め紐6とし
て、金属線材,樹脂線材等各種の材質のものを用いるこ
ともできる。
【0054】また、上記各実施の形態例において、リベ
ットによって固定,連結した部分については、リベット
に限らず、ボルト,ナット等を用いて固定,連結しても
差し支えない。
【0055】上記各実施の形態例は、本発明の引き締め
装置を、タイヤのトレッド部分に巻回される滑り止め部
1a(図13参照)が網状に形成された、いわゆるネッ
トタイプのタイヤ滑り止め具1を装着する場合に適用し
た例を示したが、これに限定されるものではなく、滑り
止め部が梯子状に形成された、いわゆるラダータイプの
タイヤ滑り止め具の装着に適用することもできる。この
場合でも、同様の作用効果を奏する。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明のタイヤ滑り止め
具の引き締め装置によれば、従来のように複雑な逆転阻
止機構53を設ける必要がなく、装置の構造が簡単にな
る。したがって、部品点数が少なくなり、部品管理や組
み立てにかかる手間が大幅に減少し、それだけコストダ
ウンできる。しかも、部品が少ない分装置自体を小形化
することができるうえ、破損や故障が起こりにくくな
る。また、装置の厚みは、引き締め紐の幅寸法に、巻き
取りリールの鍔部および外側支持部材の側板の厚みを加
えただけの寸法でおさまり、従来のように逆転阻止機構
53等がない分格段に薄くなるため、タイヤに装着した
際に邪魔にならない。そのうえ、装置自体の重さも軽
く、タイヤに装着して走行した時に発生する振動が小さ
くなり、装置がタイヤと接触してタイヤを傷めたり、タ
イヤ滑り止め具を破損させたりすることがない。
【0057】さらに、この装置によれば、巻き取った引
き締め紐は、従来のようにケース本体52内に収容され
るのではなく、両側板に挟まれた巻き取りリールに巻き
取られるだけであることから、従来のようにケース本体
52自体を大くすることなく、引き締め紐を多く巻き取
ることができる。さらに、引き締め紐に付着した泥や塵
芥を一緒に巻き取ってしまった場合でも、従来のよう
に、ケース本体52内に入り込んでしまわないため、巻
き取りリールの逆転を防止するロック機構の動作の障害
にならず、故障が起こり難い。しかも、巻き取りリール
等はケース内に収容されているのではなく、両側板間に
挟まれているだけであるため、巻き込まれた泥や塵芥
は、装置を分解しなくても容易に除去できるため、メン
テナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ滑り止め具の引き締め装置(以
下「引き締め装置」という)の実施の形態例を示す斜視
図である。
【図2】上記引き締め装置を示す側面図である。
【図3】巻き取りリールを示す側面図である。
【図4】上記巻き取りリールを示す断面図である。
【図5】外側支持部材を示す側面図である。
【図6】上記外側支持部材を示す断面図である。
【図7】ロック片を示す斜視図である。
【図8】巻き取りリールに引き締め紐を取り付けた状態
を示す説明図である。
【図9】上記引き締め装置の組み立て状態を示すA−A
断面図である。
【図10】上記引き締め装置の組み立て状態を示すB−
B断面図である。
【図11】本発明の引き締め装置を用いてタイヤ滑り止
め具をタイヤに装着した状態を示す側面図である。
【図12】引き締め装置に弾性連結部材を取り付けた状
態を示す側面図である。
【図13】タイヤ滑り止め具を示す平面図である。
【図14】上記タイヤ滑り止め具を示す斜視図である。
【図15】引き締め装置をタイヤ滑り止め具に取り付け
た状態を示す側面図である。
【図16】引き締め装置をタイヤ滑り止め具に取り付け
た状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の引き締め装置を用いてタイヤ滑り止
め具をタイヤへ取り付けた状態を示す側面図である。
【図18】引き締め装置に引き締め紐を巻き取った状態
を示す側面図である。
【図19】本発明の引き締め装置の第2の実施の形態例
を示す側面図である。
【図20】上記引き締め装置の作用を示す側面図であ
る。
【図21】引き締め装置をタイヤ滑り止め具に取り付け
る際の状態を示す斜視図である。
【図22】引き締め装置をタイヤ滑り止め具に取り付け
る際の状態を示す斜視図である。
【図23】本発明の引き締め装置の第3の実施の形態例
を示す側面図である。
【図24】上記引き締め装置の作用を示す側面図であ
る。
【図25】本発明の引き締め装置の第4の実施の形態例
を示す側面図である。
【図26】上記引き締め装置を示す側面図である。
【図27】従来例のタイヤ滑り止め装置を示す平面図で
ある。
【図28】上記従来例のタイヤ滑り止め装置をタイヤに
装着した状態を示す斜視図である。
【図29】他の従来例のタイヤ滑り止め装置をタイヤに
装着した状態を示す斜視図である。
【図30】上記他の従来例のタイヤ滑り止め装置に使用
される緊締装置を示す分解斜視図である。
【図31】上記緊締装置の作用を示す斜視図である。
【図32】上記緊締装置の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1 タイヤ滑り止め具 6 引き締め紐 7 引き締め装置 13 ロック片 17 外側支持部材 21 巻き取りリール 28 ラチェット歯 32 ばね部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ滑り止め具をタイヤに装着する際
    に引き締め紐を巻き取って上記タイヤ滑り止め具を引き
    締めタイヤに締着するタイヤ滑り止め具の引き締め装置
    であって、軸部の長手方向略中央に所定間隔を隔てて一
    対の鍔部が形成され上記両鍔部間の軸部に引き締め紐を
    巻き取る巻き取りリールと、一対の側板が所定間隔を隔
    てて平行になるように連結保持され、上記両側板に上記
    軸部の両端部を回転自在に軸支させて両側板間に巻き取
    りリールが取り付けられる外側支持部材とを備え、上記
    巻き取りリールの鍔部外周縁部に、巻き取り方向には空
    転し逆転方向で噛み合うように形成されたラチェット歯
    が形成され、上記外側支持部材の両側板の間に、上記ラ
    チェット歯と噛み合いかつ解除可能なロック片が取り付
    けられ、上記ロック片を巻き取りリールのラチェット歯
    に押し付け付勢して噛み合わせる付勢部材を備えている
    ことを特徴とするタイヤ滑り止め具の引き締め装置。
  2. 【請求項2】 外側支持部材の両側板が連結保持部で連
    結保持され、この連結保持部に、引き締め装置をタイヤ
    滑り止め具に連結する連結片が取り付けられるようにな
    っている請求項1記載のタイヤ滑り止め具の引き締め装
    置。
  3. 【請求項3】 引き締め紐の先端に長手方向に伸縮可能
    な弾性部材が連結され、この引き締め紐の後端部が巻き
    取りリールに巻き取られるようになっているとともに、
    上記弾性部材の先端が引き締め装置の外側支持部材に連
    結されて全体としてループ状に形成され、上記引き締め
    紐の後端部が巻き取られることにより、上記ループ状を
    縮径するようになっている請求項1または2記載のタイ
    ヤ滑り止め具の引き締め装置。
  4. 【請求項4】 引き締め紐の途中部に折り返し部が設け
    られ、この折り返し部が巻き取りリールに巻き取られる
    ようになっているとともに、上記引き締め紐の両端が長
    手方向に伸縮可能な弾性部材を介して連結されて全体と
    してループ状に形成され、上記引き締め紐の折り返し部
    側を巻き取ることにより上記ループ状を縮径するように
    なっている請求項1または2記載のタイヤ滑り止め具の
    引き締め装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001076895A1 (de) * 2000-04-10 2001-10-18 Pewag Austria Gmbh Spannvorrichtung für eine schneekette
EP1466762A1 (fr) * 2003-04-08 2004-10-13 Targa Sa Chaíne à neige pour véhicule automobile
JP2020084682A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 サンコースプリング株式会社 出力調整器具

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