JP2551152Y2 - タイヤ用滑り止めネット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、タイヤ用の滑り止めネットに関する。

（従来の技術） 従来、この種のタイヤ用滑り止めネットには、例えば
実開昭62−105006号に記載の如く、ネット本体の内側縁
（タイヤ装着時の内側）及び外側縁（タイヤ装着時の外
側）の夫々の掛止部に沿って、非伸縮性の締付ロープを
掛止金具で夫々かしめ固定してなるものがあり、夫々の
締付ロープ両端の連結機構でネット本体の両端を連結し
てタイヤへの装着を図っていた。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記従来技術にあっては、ネット本体の内側
の締付は前記非伸縮性の締付ロープのみでなしていたた
め、締付連結時には若干緩んだ締付状態であり、一方ネ
ット本体の外側（タイヤ装着時の外側）は、締付連結し
た非伸縮性の締付ロープにさらに伸縮性を有するゴムリ
ングを掛け止めし、ネット本体外側縁をタイヤ外側中心
へと引張って締め付けるものとしてネット本体の浮き上
がり防止を図らしめるものとしていたが、ネット本体内
外側の締付けバランスを崩してしまうという不都合を生
じていた。

従ってその結果、走行中タイヤが高回転になるにつれ
てネット本体に加わる遠心力が増大し内側縁が外周へ広
がろうとすると共に、外側のゴムリングがネット本体を
タイヤ中心方向へと引き込むことによる、いわゆるズレ
が生じていたため、その状態で走行を続行するとネット
本体の破損等を招く虞れがあり、安全性に欠けていた。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み
なされたものであり、その目的とするところは、ネット
本体の内側締付を非伸縮性ロープと伸縮性を有するバン
ドとで行うことの可能なタイヤ用滑り止めネットを提供
し、ネット本体の内側と外側との締付バランスを取り、
走行中におけるネット本体のズレを防止し、結果として
滑り止めネットの保護を図り安全性を向上することであ
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案がなした技術的手段
は、滑り止めネット本体の外側に伸縮性を有する締付け
部材を掛止することによりタイヤ外周面に装着するタイ
ヤ用滑り止めネットにおいて、上記ネット本体の内側縁
に沿って掛止される非伸縮性の締付ロープと、該締付ロ
ープに沿わせて掛止される伸縮性を有する紐状締付バン
ドとを備えたことである。

（作用） 上記せる技術的手段により、ネット本体をタイヤに巻
回し非伸縮性締付ロープの両端を掛止して連結すると、
ネット本体がタイヤ周面に装着され、その後伸縮性の紐
状締付バンドの両端を連結して締付けると、ネット本体
内側縁がタイヤ中心方向へ引張られタイヤ面に強く密着
される。

従って、走行時において、ネット本体に遠心力が掛かっ
てネット本体が外周へ広がろうとしても、非伸縮性締付
ロープが緊張し、タイヤ内側の伸縮性締付バンドがタイ
ヤ外側のゴムリングと共に均一の締付バランスを保つ。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する
と、図中（Ａ）は滑り止めネットで、該滑り止めネット
（Ａ）は、ワイヤー，合成繊維，グラスファイバーなど
の芯材を内設して形成した帯状のネット本体（１）と、
該ネット本体（１）の内側縁に所定間隔をおいて形成し
た掛止部（1a）…に沿って掛止して備えられる非伸縮性
の締付ロープ（２）と、該締付ロープ（２）に沿って掛
止して備えられる伸縮性の締付バンド（３）とから構成
される。

またネット本体（１）は、両端（1b）（1c）同士で係
合状、或いは図示していないが突合せ状に連結できるよ
うになっている。

締付ロープ（２）は、上記ネット本体（１）の内側縁
に所定間隔をおいて形成した掛止部（1a）…に掛止金具
（10）…でかしめ固定される非伸縮性のものであり、ナ
イロン等の合成繊維、またはワイヤー等の高張力性を有
する材料を用いてロープ状に形成するか、これにゴム
（天然もしくは合成）または適宜な合成樹脂（ポリウレ
タン，ポリ塩化ビニル等）等の保護材を被覆して形成し
てもよい。

そして、前記締付ロープ（２）は、例えば一端を折り
曲げると共に、固定管（４）でかしめ固定して連結ルー
プ（５）を形成し、他端側もその端部を折り曲げると共
に、固定管（４′）でかしめ固定して連結ループ
（５′）を形成し、該連結ループ（５′）に鉤状の連結
部（６）を取付け、該連結部（６）を連結ループ（５）
に掛止して両端を連結するものである。

尚、前記締付ロープ（２）の連結機構は単に一例を示
したにすぎず、上記のものに限らないものとし、他の所
望な連結機構、例えば前記連結ループ（５）に連結部
（６）と同様の鉤状の掛止具を取付け、連結部（６）と
掛合せしめるものとしてもよい。

締付バンド（３）は、天然ゴムあるいは合成ゴム等の
伸縮性を有する適宜な材料で、例えば図示せる如く前記
締付ロープ（２）の全長よりも短い紐状に形成し、その
一端をループ状に折返して固定管（７）でかしめ固定し
て係止輪（８）を形成すると共に、他端側も折返して固
定管（７′）でかしめ固定して係止輪（８′）を形成
し、該係止輪（８′）にフック部（９）を取付け、該フ
ック部（９）を係止輪（８）に掛止して連結するもので
あり、前記締付ロープ（２）の所定位置（各掛止金具
（10）（10）間）に、掛止金具（11）…でかしめ固定さ
れるものである。

尚、上記せる連結機構は単に一例を示したにすぎず、
上記構成に限らないものとし、他の所望な連結機構、例
えば前記係止輪（８）にフック部（９）と同様の掛止具
を取付け、フック部（９）と掛合せしめるものとしても
よい。

また、締付バンド（３）は、上記せる構成に限らず、
例えば締付ロープ（２）に掛止金具（11）…をあらかじ
めかしめ固定しておき、その遊端部にリング状のゴム紐
を別途掛止するものでもよく、また各々両端部に連結部
と被連結部との連結機構を設けた二本のゴム紐を前記掛
止金具（11）…にかしめ固定して連結せしめるものとし
てもよいものである。

次に、滑り止めネット（Ａ）をタイヤ（Ｂ）に装着す
る操作方法について説明すると、まずネット本体（１）
をタイヤ（Ｂ）の周面に巻回し、その両端部（1b）（1
c）を各々係合状又は突合せ状に連結する。

そして、締付ロープ（２）の連結部（６）を他端の連
結ループ（５）に掛止してネット本体（１）の内側を締
付ける。

その後、締付バンド（３）の両端部を持って伸ばしな
がらフック部（９）を係止輪（８）に掛止すると、その
締付バンド（３）の復元力によりタイヤ中心方向へ締付
ロープ（２）及びネット本体（１）の内側縁を引張り更
に締付ける。

またネット本体（１）の外側縁は、その掛止部（1
a′）…にかしめ固定されている掛止金具（12）…の遊
端側に、例えば伸縮性を有するゴムリングや作動バンド
等の周知の締付バンド（図示省略）を掛止するものと
し、その外側のゴムバンドの締付と内側の締付とが均一
のバランスを保ちネット本体（１）をタイヤ（Ｂ）面に
密着せしめる。

従って、本実施例にあっては、非伸縮性締付ロープ
（２）の両端部及び伸縮性締付バンド（３）の両端部に
簡単かつ容易に連結できる連結機構を設けたため、従来
締付作業の困難であったタイヤ内側においても、簡単か
つ短時間で締付作業が行え便利である。

（考案の効果） 本考案は上記せる如き構成とし、非伸縮性の締付けロ
ープによるネット本体両端の連結機能にプラスして、滑
り止めネット内側をタイヤ内側の中心方向へと引き寄せ
る引張り機能を奏するものとしたため、ネット本体の内
側と外側との締付バランスを取り、走行中におけるネッ
ト本体のズレを防止し、結果としてネット本体の保護を
図り安全性を向上せしめ得るタイヤ用滑り止めネットが
提供できることとなる。

従って、非伸縮性の締付ロープが緊張すると共に、伸
縮性を有する締付バンドがネット本体の内側縁をタイヤ
内側の中心方向へと引張るため、走行時においてネット
本体に遠心力が掛かり、ネット本体が外周へ広がろうと
すると共に、ネット本体の外側締付用のゴムバンドがタ
イヤ外側の中心方向へとネット本体を引き込もうとして
も、内外締付のバランスが均一に保たれているためネッ
ト本体の内外両側縁を確実に保持し、ネット本体がタイ
ヤ外側の中心方向へ引き込まれて起こる、いわゆるズレ
の発生が防止でき、走行中にネット本体がタイヤからズ
レて破損するという虞れも少なくなり結果として滑り止
めネットの保護が図れ、かつ安全性を十分向上せしめる
ものであり大変有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案タイヤ用滑り止めネットの一実施例を示
す平面図、第２図はその内側の締付装着状態を示す参考
図である。 尚、図中 （Ａ）：滑り止めネット （１）：ネット本体 （1a）：掛止部 （２）：締付ロープ （３）：締付バンド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】滑り止めネット本体の外側に伸縮性を有す
   る締付け部材を掛止することによりタイヤ外周面に装着
   するタイヤ用滑り止めネットにおいて、上記ネット本体
   の内側縁に沿って掛止される非伸縮性の締付ロープと、
   該締付ロープに沿わせて掛止される伸縮性を有する紐状
   締付バンドとを備えたことを特徴とするタイヤ用滑り止
   めネット。