JPH0925432A - 改質粉体および配合化粧料 - Google Patents

改質粉体および配合化粧料

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JPH0925432A
JPH0925432A JP19253295A JP19253295A JPH0925432A JP H0925432 A JPH0925432 A JP H0925432A JP 19253295 A JP19253295 A JP 19253295A JP 19253295 A JP19253295 A JP 19253295A JP H0925432 A JPH0925432 A JP H0925432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】撥水耐油性に優れた改質粉体および化粧効果持
続性に優れた化粧料を提供する。 【解決手段】分子内にシラノール基を有するフッ素変性
シリコーン樹脂であって、下記の構造を有する化合物に
て被覆処理された改質粉体およびその配合化粧料。 平均式 R1 n SiO(4-n)/2 (但し、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル
基、水酸基、もしくは一般式−R2 −Rfであって、水
酸基および一般式−R2 −Rfを必須とする官能基から
任意に選ばれ、R2 は炭素数2〜6の二価のアルキレン
基、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であ
り、nは平均数で1.0≦n≦1.8である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水耐油性を有し、付
着性に優れた改質粉体、および化粧効果持続性に優れ、
よれ、崩れが起こりにくい化粧料に関する。さらに詳し
くは、粉体を分子内にシラノール基を有するフッ素変性
シリコーン樹脂にて被覆処理することで、撥水耐油性と
高い付着性が付与された改質粉体および、その改質粉体
を化粧料に配合することで、化粧効果持続性に優れた化
粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
特公平5−86984号公報や特開平1−318070
号公報に見られるように、パーフルオロアルキルリン酸
エステル塩やパーフルオロアルキルシランで粉体を処理
する技術、およびその粉体を化粧料に配合する技術が知
られている。また、特公昭61−55481号公報や特
公昭61−48803号公報に見られるように、テフロ
ンやフッ素化アクリレート等のフッ素系樹脂にて表面処
理された改質粉体を化粧料に配合することが知られてい
る。
【0003】これらのフッ素処理粉体はいずれも粉体の
表面をフッ素系の化合物によって被覆し、粉体表面に撥
水撥油性を有するフッ素化合物を導入することで粉体の
撥水撥油化を行っている。そのため、粉体表面は一般に
極めて低い表面自由エネルギーを有し、汗や皮脂の成分
である水やスクワランは粉体に結合できないため、化粧
持続性の向上に効果がある。
【0004】しかしながら、化粧料中のバインダーと呼
ばれる結合油剤もまたこれらのフッ素処理粉体にはじか
れてしまい、皮膚と粉体との結合がうまくいかない、す
なわちフッ素処理粉体が汗や皮脂によって流されてしま
う問題が発生している。この問題を解決するために、特
公平6−102607号公報に見られるように、油剤と
してフッ素系の油剤を用い、フッ素処理粉体を肌に固定
する試みが為されている。しかし、この試みもフッ素系
油剤自身が低い界面張力を有し、肌とフッ素処理粉体を
結合する力が弱いため、十分な効果を得るには至ってい
ない。
【0005】本発明者等は以上の問題に鑑み鋭意検討し
た結果、分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリ
コーン樹脂にて粉体を被覆した場合に、粉体自体に撥水
耐油性と付着性を同時に付与できることを見いだし、さ
らにこの改質粉体を化粧料に配合した場合には、粉体自
身の持つ強い付着性を利用することで、強い化粧効果持
続性が得られることを見いだした。
【0006】さらに、この改質粉体は水を介在するシラ
ノール基の水素結合により付着力を得ているため、化粧
崩れの原因となる汗が多いほど結合力が強くなる特性を
有していることを見いだした。
【0007】また、この改質粉体を化粧料に配合した場
合、乾燥時にはなめらかな塗布感と良好なのびを有する
が、塗布後の皮膚呼吸や汗などの水分を吸収した段階で
は強い付着性を有する粉体に変化する機能を有すること
も見いだした。この機能は、水分量によって調整されて
おり、塗布時の感触調整と化粧持続性の両立が図れるこ
とが判った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、分
子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂
であって、下記の構造を有する化合物にて表面処理され
た改質粉体およびその改質粉体を配合した化粧料に関す
る。 平均式 R1 n SiO(4-n)/2 (但し、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル
基、水酸基、もしくは一般式−R2 −Rfであって、水
酸基および一般式−R2 −Rfを必須とする官能基から
任意に選ばれ、R2 は炭素数2〜6の二価のアルキレン
基、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であ
り、nは平均数で1.0≦n≦1.8である。)
【0009】本発明のフッ素変性シリコーン樹脂は、そ
の分子中のシラノール基中のOH基の割合が、樹脂重量
に対して0.1〜10重量%の範囲であることが好まし
い。すなわち、この範囲内では皮膚や粉体に対する付着
性が必要にして十分である。
【0010】また、本発明のフッ素変性シリコーン樹脂
は、皮脂成分に対する溶解を防ぐため、水を含んだ状態
でスクワランに溶解しないことが好ましい。スクワラン
に溶解した場合、化粧持続性が低下する問題もある。
【0011】本発明で用いる粉体類は従来化粧料に用い
られてきた粉体類であれば構わないが、例えば赤色10
4号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401
号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレ
ーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダ
ー、ウレタンパウダー、テフロンパウダー、シリコーン
パウダー、セルロースパウダー等の高分子、黄酸化鉄、
赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラッ
ク、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイ
ト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔
料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、
シリカ、アルミナ等の無機粉体、微粒子酸化チタン、微
粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化
チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナイト、
スメクタイト等が挙げられる。これらの粉体の形状に特
に制限はない。
【0012】これらの粉体は、従来公知の表面処理、例
えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処
理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤
処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリ
ル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処
理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前
に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0013】ここで、フッ素化合物処理の例としては、
パーフルオロアルキルリン酸エステルやその塩、パーフ
ルオロアルキルシラン、テフロン、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸を用いた表面処理や金属石鹸処理、プラズ
マによる表面フッ素化処理、テフロンとのメカノケミカ
ル複合化処理等が挙げられる。事前にフッ素化合物処理
を行った場合、より強い撥水耐油性が得られる場合があ
る。
【0014】本発明に於いて、フッ素変性シリコーン樹
脂を粉体に表面処理する方法としては、例えば湿式法、
メカノケミカル法、乾式法等が挙げられるが、表面処理
の均一性が比較的容易に得られる湿式法が好ましい。湿
式法の例としては、本発明のフッ素変性シリコーン樹脂
をヘキサン、トルエン、環状シリコーン、軽質流動イソ
パラフィン、塩化メチレンなどからなる溶媒に溶解さ
せ、これを粉体と混合し、スラリー状態になるまで溶媒
を加えた後、溶媒を留去または除去して被覆粉体を得、
これを場合によって粉砕して目的とする改質粉体を得る
方法がある。
【0015】ここで、上記被覆粉体を得た後、加熱処理
を行うことも可能である。加熱処理の条件としては、例
えば80℃〜180℃の条件で1分〜12時間行うこと
が挙げられる。
【0016】また、メカノケミカル法は、ボールミルや
オングミル等のメカノケミカル的な処理が可能な装置を
用いて、粉体表面に機械的にフッ素変性シリコーン樹脂
を被覆処理する方法である。
【0017】本発明のフッ素変性シリコーン樹脂を粉体
に被覆する割合は、粉体の形状、表面処理や比表面積に
よっても変化するが、例えば粉体100重量部に対して
0.1〜40重量部であり、さらに好ましくは1〜25
重量部である。
【0018】本発明の改質粉体を化粧料中に配合する割
合は、製品の剤型によって異なるが、例えば化粧料10
0重量部に対して0.5〜99重量部であり、さらに好
ましくは1〜90重量部である。
【0019】本発明の化粧料では、上記の各成分以外
に、通常化粧料に用いられる粉体類、油剤、樹脂、界面
活性剤、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、殺菌剤、保湿
剤、粘剤、生理活性成分、溶剤、塩類、水等を同時に配
合することができる。
【0020】粉体の例としては、上述した通常、化粧料
に用いられる粉体およびその表面処理粉体が挙げられ
る。これらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ
素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シラ
ンカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油
剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処
理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プ
ラズマ処理、メカノケミカル処理等によって表面処理さ
れたものや未処理粉体を使用することができる。ここ
で、フッ素化合物処理粉体を併用すると、本発明の改質
粉体の付着性を制御できるため、感触調整、持続性向上
に役立つ。
【0021】油剤の例としては、例えばステアリルアル
コール、セチルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オ
クチルドデカノール等の高級アルコール、グリセリン、
ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、プ
ロピレングリコール、マルビトール等の多価アルコー
ル、イソステアリン酸、ステアリン酸、ウンデシレン
酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、
ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸
イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ジメチルオ
クタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリ
ン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリ
コール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、
流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、
ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミン
ク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ
油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オ
レフィン・コオリゴマー、流動イソパラフィン、パラフ
ィン等が挙げられる。
【0022】また、別の形態の油剤の例としては、例え
ばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエー
テル変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガ
ノポリシロキサン、変性オルガノポリシロキサン(但
し、置換基の位置は側鎖でも末端でも構わない)、フッ
素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、ア
ミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、ア
クリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコ
ーンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポ
リエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオ
ロアルコール、フッ素変性シリコーン樹脂等のフッ素化
合物が挙げられる。
【0023】界面活性剤としては、例えばアニオン型界
面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性
剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0024】有機系紫外線吸収剤としては、例えばパラ
メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラジメチルア
ミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイド
ロケイ皮酸 ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香
酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロ
ピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメ
ンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチル
ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オク
チル、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミ
ダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミ
ン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−
テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロ
キシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソ
プロピル−ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベン
ゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチ
レン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピ
オン酸 2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0025】粘剤の例としては、ポリカルボン酸、ポリ
アクリル酸、ポリビニルアルコール、寒天、ジェランガ
ム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、キサ
ンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、アルギン
酸、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0026】生理活性成分の例としては、抗炎症剤、チ
ロシナーゼ活性阻害剤、植物抽出エキス、ビタミン類、
硫黄、尿素等が挙げられる。
【0027】溶剤の例としては、エタノール、メタノー
ル、イソプロピルアルコール、LPG、エーテル、ヘキ
サン、N−メチルピロリドン、イソプレングリコール等
が挙げられる。
【0028】塩類の例としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、塩化アル
ミニウム、各種リン酸塩等が挙げられる。
【0029】本発明の化粧料の例としては、例えば油性
ファンデーション、乳化ファンデーション、水使用ファ
ンデーション、両用ファンデーション、白粉、頬紅、プ
レストパウダー、チークカラー、アンダーカバー、口
紅、アイシャドウ、アイライナー、ネイルカラー、マス
カラ、化粧下地、サンスクリーン剤、セット剤等が挙げ
られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。
【0031】実施例および比較例で用いた改質粉体の撥
水耐油性の評価は、内腕部に改質粉体を塗布し、その上
から水およびスクワランを塗布し、擦った時の状態およ
びティッシュペーパーにて拭き取った後の状態を目視で
判断し、撥水耐油性および付着性の評価を行った。尚、
評価では目視が可能な有色粉体の一種である黄色酸化鉄
にて試験を実施した。
【0032】また、実施例及び比較例で用いた化粧料の
崩れに関する評価は、24〜33歳の男女計10名のパ
ネラーに対して、実施例及び比較例で作製した化粧料を
使用してもらい、その結果をアンケート方式で回答して
もらう方法で行った。結果は評価者の内、何%のパネラ
ーが実施例が比較例に比べて崩れにくく落ちにくいと回
答したかを示してある。したがって、スコアが高いほど
評価が高いことを示す。尚、本評価では、耐皮脂性、耐
久性のレベルを化粧料の崩れにくさ、落ちにくさとして
評価した。
【0033】実施例1 反応器に16重量%の塩酸水147重量部を入れ、この
中にJケイ酸ソーダ3号(日本化学工業製)154重量
部と水220重量部の混合物およびイソプロピルアルコ
ール158重量部を撹拌しながら加えた後、CF3 CH
2 CH2 (CH3 2 SiCl:22重量部、トリメチ
ルクロロシラン:51.2重量部およびIPソルベント
1620(出光石油化学製):70重量部の混合物を内
温が20〜30℃を維持する速度で滴下した。引き続き
80〜90℃で5時間反応後、反応液を水層が中性にな
るまで水洗した。反応物を減圧下に加熱し、溶剤を留去
して得られた反応生成物を、赤外吸収スペクトル分析、
核磁気共鳴スペクトル分析した結果、以下の平均組成式
で示される構造を有するフッ素変性シリコーン樹脂
(A)を得た。また、水酸基の量は、別途カールフィッ
シャー法により確認した。その結果、水酸基の量は、
3.0重量%であった。
【0034】(CF3 CH2 CH2 (CH3 2 SiO
1/2 0.11((CH3 3 SiO1/20.73(SiO
4/2 1.00(HOSiO3/2 0.28
【0035】ついで、黄色酸化鉄100重量部に、フッ
素変性シリコーン樹脂(A)6重量部をオクタメチルシ
クロテトラシロキサン(以後、D4と呼ぶ)150重量
部に溶解した溶液を加え、良く撹拌した後、減圧下にD
4を加熱留去した。得られた被覆粉体をミキサーにて粉
砕した後、90℃にて1時間加熱処理して目的とする改
質粉体を得た。同様にして、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化
チタン、タルク、セリサイトを被覆処理した。
【0036】実施例2 反応器に16重量%の塩酸水147重量部を入れ、この
中にJケイ酸ソーダ3号154重量部と水220重量部
の混合物およびイソプロピルアルコール158重量部を
撹拌しながら加えた後、C4 9 CH2 CH2 (C
3 2 SiCl:80.7重量部、トリメチルクロロ
シラン:38.4重量部およびIPソルベント162
0:70重量部の混合物を内温が20〜30℃を維持す
る速度で滴下した。引き続き80〜90℃で5時間反応
後、反応液を水層が中性になるまで水洗した。反応物を
減圧下に加熱し、溶剤を留去して得られた反応生成物
を、赤外吸収スペクトル分析、核磁気共鳴スペクトル分
析した結果、以下の平均組成式で示される構造を有する
フッ素変性シリコーン樹脂(B)を得た。また、水酸基
の量は、前記同様にカールフィッシャー法により確認し
た。その結果、水酸基の量は、2.0重量%であった。
【0037】(C4 9 CH2 CH2 (CH3 2 Si
1/2 0.23((CH3 3 SiO1/2 0.54(SiO
4/2 1.00(HOSiO3/2 0.22
【0038】ついで、シリコーン処理黄色酸化鉄100
重量部に、フッ素変性シリコーン樹脂(B)20重量部
をD4:150重量部に溶解した溶液を加え、良く撹拌
した後、減圧下にD4を加熱留去した。得られた被覆粉
体をミキサーにて粉砕した後、100℃にて10分間加
熱処理して目的とする改質粉体を得た。同様にして、シ
リコーン処理ベンガラ、シリコーン処理黒酸化鉄、シリ
コーン処理酸化チタン、シリコーン処理タルク、シリコ
ーン処理セリサイトを被覆処理した。なお、もとのシリ
コーン処理粉体としては、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン3重量%処理(加熱条件:120℃、2時間)
粉体を使用した。
【0039】比較例1 メチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−99P、
信越化学工業製)3重量%処理(加熱条件:120℃、
2時間)黄色酸化鉄を作製した。
【0040】比較例2 黄色酸化鉄100重量部にジメチルポリシロキサン(1
000cs)6重量部とトルエン130重量部を加え、
良く撹拌した後、減圧下にトルエンを加熱留去した。得
られた被覆粉体をミキサーにて粉砕した後、140℃に
て10分間加熱処理して改質粉体を得た。
【0041】比較例3 大東化成工業(株)製、パーフルオロアルキルリン酸エ
ステル塩5%処理黄酸化鉄を以て比較例とした。
【0042】実施例3 ファンデーション 実施例1の改質粉体を使用し、表1の処方でファンデー
ションを作製した。尚、フッ素処理セリサイトとして
は、大東化成工業(株)製、パーフルオロアルキルリン
酸エステル塩5%処理セリサイトを使用した。また、シ
リコーン樹脂パウダーとしては東レ・ダウコーニング・
シリコーン社製トレフィルE505Cタイプを使用した
(表2、表3も同様)。
【0043】
【表1】
【0044】粉体成分をヘンシェルミキサーにて混合し
た後、液体成分を加え、さらに撹拌、混合した。つい
で、アトマイザーを用いて粉砕を行った後、金型を用い
て打型し、製品とした。
【0045】実施例4 ファンデーション 実施例2の改質粉体を使用し、表2の処方でファンデー
ションを作製した。
【0046】
【表2】
【0047】粉体成分をヘンシェルミキサーにて混合し
た後、液体成分を加え、さらに撹拌、混合した。つい
で、アトマイザーを用いて粉砕を行った後、金型を用い
て打型し、製品とした。
【0048】比較例4 ファンデーション 改質粉体として、大東化成工業(株)製、パーフルオロ
アルキルリン酸エステル塩5%処理粉体を使用し、表3
の処方でファンデーションを作製した。
【0049】
【表3】
【0050】粉体成分をヘンシェルミキサーにて混合し
た後、液体成分を加え、さらに撹拌、混合した。つい
で、アトマイザーを用いて粉砕を行った後、金型を用い
て打型し、製品とした。
【0051】比較例5 ファンデーション 実施例2のフッ素変性シリコーン樹脂の代わりに下記構
造で示される水酸基を持たないフッ素変性シリコーン樹
脂を使用して改質粉体を得た。得られた改質粉体を用
い、実施例4の処方に従ってファンデーションを作製し
た。尚、この水酸基を持たないフッ素変性シリコーン樹
脂は実施例2のフッ素変性シリコーン樹脂をヘキサメチ
ルジシラザンにて処理して得た。
【0052】(C4 9 CH2 CH2 (CH3 2 Si
1/2 0.23((CH3 3 SiO1/2 0.76(SiO
4/2 1.22
【0053】実施例および比較例で用いた改質粉体の撥
水耐油性の評価結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】表4の結果より、本発明の実施例は、従来
汎用されている改質粉体からなる比較例と比べて同等の
撥水性を有し、かつ優れた耐油性を持つことが判る。ま
た、比較例3ではフッ素処理粉体を用いた。フッ素処理
粉体は撥油性には富んでいたが、スクワランと物理的に
混合することで耐油性を失ってしまったのに対して、本
発明の実施例は比較例と比べて撥油性は弱いものの、肌
に対し強い付着性を有するため、より強い耐油性を示し
た。
【0056】次に、化粧料の崩れにくさ、落ちにくさに
関する評価を行った結果を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】実施例と比較例の比較から、実施例は比較
例に比べて化粧料が崩れにくく、耐久性、耐皮脂性に富
んでいることがわかる。実施例3、比較例4では、本発
明の実施例に対して、フッ素処理顔料とフッ素系油剤の
組み合わせからなる比較例を比較した。その結果、実施
例は比較例に対して崩れにくく、落ちにくいことが判っ
た。
【0059】また、実施例4と比較例5では、水酸基を
有するフッ素変性シリコーン樹脂を用いた実施例に対し
て、従来より知られているフッ素変性シリコーン樹脂を
用いた比較例を比較した。その結果、実施例は比較例に
対して、崩れにくく、落ちにくいことが判った。このこ
とから、化粧効果持続性において水酸基を導入した効果
が現れていることが判る。
【0060】
【発明の効果】以上のことから、本発明は、撥水耐油性
に優れた改質粉体、および化粧効果持続性に優れた化粧
料を提供することは明かである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にシラノール基を有するフッ素変
    性シリコーン樹脂であって、下記の構造を有する化合物
    にて被覆処理された改質粉体。 平均式 R1 n SiO(4-n)/2 (但し、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル
    基、水酸基、もしくは一般式−R2 −Rfであって、水
    酸基および一般式−R2 −Rfを必須とする官能基から
    任意に選ばれ、R2 は炭素数2〜6の二価のアルキレン
    基、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であ
    り、nは平均数で1.0≦n≦1.8である。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の改質粉体を配合した化
    粧料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の改質粉体およびフッ素
    化合物処理粉体を配合した化粧料。
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