JPH09251607A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH09251607A
JPH09251607A JP5642296A JP5642296A JPH09251607A JP H09251607 A JPH09251607 A JP H09251607A JP 5642296 A JP5642296 A JP 5642296A JP 5642296 A JP5642296 A JP 5642296A JP H09251607 A JPH09251607 A JP H09251607A
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JP
Japan
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general formula
magnetic head
head
perfluoropolyether
magnetic
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JP5642296A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドの焼き付きいわゆるブラウンステ
インを防止し、その耐磨耗性、耐久性等を向上させると
ともに、長時間に渡り、その効果が持続する保護被膜を
磁気ヘッドに形成する。 【解決手段】 下記(一般式1)で示される両末端に水
酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物あるい
は下記(一般式2)で示される両末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテル系化合物の少なくと
もいずれか一方のパーフルオロポリエーテル系化合物
と、下記(一般式3)で示されるポリイソシアネート系
化合物とを、混合した溶液を、磁気ヘッド上に塗布し、
その後、熱硬化させ、保護被膜を形成させる。 (一般式1) HO−CH2 CF2 −Rf −CF2 CH2 OH (一般式2) HO−CO−CF2 −Rf −CF2 COOH 但し、Rf は、パーフルオロポリエーテル基を示す。 (一般式3) O=CN−R−(NCO)n ここで、Rは、脂肪族あるいは芳香族の炭化水素を介し
てイソシアネート基と結合可能なものであり、nについ
ては、1以上の整数を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布型あるいは薄
膜型の磁気テープ、磁気シート、あるいは磁気ディスク
等の磁気記録媒体の記録または再生に使用する磁気ヘッ
ドに係わる。
【0002】
【従来の技術】最近の磁気記録媒体の高記録密度化の要
求に応じて、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合剤とを含
む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを磁性層と
した、いわゆる塗布型の磁気記録媒体、あるいはポリエ
チレンテレフタレート等の非磁性支持体上に磁性層を真
空蒸着、鍍金法、あるいはスパッタリング法によって、
磁性層を形成させた薄膜型磁気記録媒体が開発されてい
る。
【0003】これらの磁気記録媒体においては、記録お
よび再生の高密度化をはかるためにいわゆるスペーシン
グロスを減少せしめることが必要であり、このため、磁
性層表面が平滑であることが必要とされている。
【0004】このため、磁気記録媒体の表面と、磁気ヘ
ッドとの実質的な接触面積が大きくなり、これは、磁気
ヘッドに焼き付き現象(ブラウンステイン)を生じる原
因となり、あるいはヘッドクロッグ等の耐久性の点から
も問題がある。
【0005】そこで、従来においては、これらに潤滑剤
が塗布あるいは内添されていたが、潤滑剤が、磁性層中
に拡散してしまい、その結果表面の潤滑剤の濃度が減少
し、充分な潤滑剤の効果が得られなかった。
【0006】特に、エージングの後においては、潤滑剤
が枯渇してしまい、潤滑剤の効果の低下を来し、磁気ヘ
ッド部分に磁性層中のバインダーあるいは潤滑剤等の有
機物が付着し、それが酸化し、通常の溶剤では、除去す
ることが困難な物質に変化し、いわゆるブラウンステイ
ンと言われる現象を起こし、再生時にエラーの発生原因
となっていた。
【0007】これを解決するものとして、デッキソルベ
ント(日本アイエヌジー社製商品名)があるが、これ
は、パーフルオロポリエーテル系化合物をパーフルオロ
炭素(Cn 2n+2)に溶解させたもので、これにより磁
気ヘッドに付着した汚れをとりのぞくことができ、ま
た、パーフルオロポリエーテル基を有しているため、金
属に吸着し、汚れ付きにくくする効果もある。
【0008】しかしながら、効果の持続性の点では、問
題が多くあり、ヘッドの摺動によっても、とれにくい金
属との結合が非常に強い潤滑剤による保護被膜の形成が
望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、磁気
記録媒体および磁気ヘッドの分野においては、ブラウン
ステインや、ヘッドクロッグによる耐久性の劣化が問題
となって、実用特性に不満を残している。
【0010】そこで、本発明は、磁気ヘッドの焼き付き
いわゆるブラウンステインを防止し、その耐磨耗性、耐
久性等を向上させるとともに、長時間に渡り、その効果
が持続する保護被膜を有する磁気ヘッドを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における磁気ヘッ
ドは、下記(一般式1)で示される両末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテル系化合物あるいは、下記
(一般式2)で示される両末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテル系化合物の少なくともいず
れか一方と、下記(一般式3)で示されるポリイソシア
ネート系化合物とを、混合した溶液を、上記磁気ヘッド
上に塗布し、その後、熱硬化させ、保護被膜を形成させ
る。 (一般式1) HO−CH2 CF2 −Rf −CF2 CH2 OH (一般式2) HO−CO−CF2 −Rf −CF2 COOH 但し、Rf は、パーフルオロポリエーテル基を示す。 (一般式3) O=CN−R−(NCO)n ここで、Rは、脂肪族あるいは芳香族の炭化水素を介し
てイソシアネート基と結合可能なものであり、nについ
ては、1以上の整数を示す。
【0012】上述したように、本発明においては、磁気
ヘッドに保護被膜を形成させたことにより、磁気ヘッド
の保護効果が大きく、ブラウンステインや、ヘッドクロ
ッグ等による磁気ヘッドの劣化の防止を図ることができ
たことはもとより、さらに耐久性に優れた磁気ヘッドを
構成することができた。また、磁気ヘッドに保護被膜を
形成させたことにより、磁気ヘッドに付着した汚れを簡
単に除去することができるようになった。また、磁気ヘ
ッドに保護被膜を形成させたことにより、磁気ヘッドの
磨耗の低減を図ることができ、さらに磁気ヘッドに磁性
粉等が、再付着することを防止することができた。磁気
ヘッドの他の部分を侵さずにクリーニングが可能となっ
た。ヘッドクロッグ等が少なくなり、機器のメンテナン
スが円滑に行うことができた。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、予め磁気ヘッドに、下
記(一般式1)で示される両末端に水酸基を有するパー
フルオロポリエーテル系化合物、あるいは下記(一般式
2)で示される両末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテル系化合物の少なくともいずれか一方
と、下記(一般式3)で示されるポリイソシアネート系
化合物とを、混合した溶液を、磁気ヘッド上に塗布し、
その後、熱硬化させ、保護被膜を形成させるものであ
る。 (一般式1) HO−CH2 CF2 −Rf −CF2 CH2 OH (一般式2) HO−CO−CF2 −Rf −CF2 COOH 但し、Rf は、パーフルオロポリエーテル基を示す。 (一般式3) O=CN−R−(NCO)n ここで、Rは、脂肪族あるいは芳香族の炭化水素を介し
てイソシアネート基と結合可能なものであり、nについ
ては、1以上の整数を示す。
【0014】ここで、上記(一般式3)のポリイソシア
ネート系化合物には、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネートをトリメチロールプロパンと縮合させたタイプ
のポリイソシアネートA(化1)、同様に、ヘキサメチ
レンジイソシアネートを付加させたポリイソシアネート
B(化2)、トルエンジイソシアネートをトリメチロー
ルプロパンと縮合させたタイプのポリイソシアネートC
(化3)、同様に、トルエンジイソシアネートを付加さ
せたタイプのポリイソシアネートD(化4)等が挙げら
れる。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】本発明においては、(一般式3)で示した
イソシアネートの、Rの部分に芳香環を有するイソシア
ネート、あるいは直鎖のイソシアネートの双方を使用す
ることができ、また、イソシアネートBやイソシアネー
トDのようないわゆるトリマー(trimer)タイ
プ、イソシアネートAとイソシアネートCのようないわ
ゆるアダクト(adduct)タイプのいずれもが使用
可能である。
【0020】また、本発明に用いるポリイソシアネート
系化合物のイソシアネート基の数は、特に限定されるも
のではないが、通常2〜4個である。例えば、イソシア
ネートAとイソシアネートCのようないわゆるaddu
ctタイプのイソシアネート系化合物の場合には、ジオ
ールを用いて合成すればそのイソシアネート基の数を2
個にすることができる。すなわち、水酸基の数によっ
て、イソシアネート基の数を調整することができる。
【0021】本発明の、両末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテル系化合物、あるいは両末端にカルボ
キシル基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物
の、パーフルオロポリエーテル基すなわちRf の構造を
単官能のものを下記(構造式1)〜(構造式3)に、多
官能のものを(構造式4)に示すが本発明はこれらの構
造を有するものに限定されるものではない。
【0022】
【化5】(構造式1) F(CF2 CF2 CF2 O)n
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】(構造式4) (OC2 4 p (OCF2 q
【0026】ここで、上記パーフルオロポリエーテル基
の(構造式1)〜(構造式4)中のl、m、n、k、
p、qは、1以上の整数を示す。また、この分子量は、
特に限定されるものではないが、分子量が大きすぎると
末端の官能基の効果が小さくなり、分子量が小さくなり
すぎるとパーフルオロポリエーテル基の効果が小さくな
るため、600〜5000程度であることが望ましい。
【0027】また、本発明の両末端に水酸基あるいはカ
ルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテル系化合
物と、ポリイソシアネート系化合物とを、混合し、希釈
するための溶液は、従来においては、アルコールやヘキ
サンが用いられてきたが、溶媒としてアルコールを用い
た場合であって、磁気ヘッドにセーム皮を用いて塗布す
ると、セーム皮中の不純物がアルコールに溶解し、それ
が磁気ヘッドに付着し、ヘッドクロッグの原因となる。
また、溶媒としてヘキサンを用いた場合には、アルコー
ルを用いた場合ほど顕著ではないが、やはり同様の現象
が起きる。
【0028】本発明においては、溶剤については特に制
限はなく、例えば炭化水素系溶剤を用いることができる
が、上述した欠点がないパーフルオロ炭素を用いること
が望ましい。また、イソシアネートの種類によってはメ
チルエチルケトン等のケトン系溶剤にも溶解可能であ
る。その際、沸点が50℃以上のもののほうが、メンテ
ナンスの点から好ましい。
【0029】両末端に水酸基あるいはカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテル系化合物と、ポリイソ
シアネート系化合物とを、混合した後、希釈した溶液を
磁気ヘッドに塗布する方法については、例えば綿棒等に
よって塗布することが可能であるし、ディッピング法に
よって行ってもよい。
【0030】また、磁気ヘッドのギャップ近傍部分で
は、走行により削られるため、スペーシングになりにく
い。従って、磁気ヘッドへの塗布量については、特に制
限はないが、あまり厚くなりすぎても好ましくなく、ま
た、薄すぎると耐久性に劣るため、3Å〜1000Åが
よく、好ましくは20Å〜300Åがよい。また、例え
ばヘッドクロッグに関しては、磁気ヘッドコア部、例え
ばフェライト部分に磁気テープ、すなわち磁気記録媒体
からの脱離物が溜まっていってスペーシングとなり、こ
れがヘッドクロッグの原因となるので、このフェライト
部分に保護被膜を形成させると、最も効果を発揮する。
【0031】ここで、本発明が適用される磁気ヘッドと
しては、一般的なフェライトヘッド、磁気ギャップ形成
部に金属層が形成されたいわゆるMIGヘッド、積層型
ヘッド、インダクティブ型あるいはMR型薄膜ヘッド等
に使用することができ、特に限定されない。
【0032】以下、本発明に具体的な実施例について説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0033】以下に示す材料を用いて塗布型の磁気記録
媒体を作製した。 金属粉末磁性粉(Fe系磁性粉末) 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10.5重量部 ポリウレタン樹脂 10.5重量部 カーボン(帯電防止剤) 5重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 150重量部 シクロヘキサノン 100重量部 ステアリン酸ブチルエステル 2重量部 上記材料を基本材料とし、ボールミルにて24時間混合
してからフィルターを通して取り出し、さらに硬化剤を
4重量部添加して30分間攪拌した。この磁性塗料を、
8μmの厚さのポリエチレンテレフタレートベース上
に、乾燥後の厚さが3μmになるように塗布し、磁場配
向を行った後乾燥し巻き取った。これをカレンダー処理
したあと1/2インチ幅に裁断し、サンプルテープを作
製した。
【0034】〔実施例1〕TSS(Tilted Se
ndust Sputter)型の磁気ヘッドに、上記
(一般式1)で示される両末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテル系化合物と、上記(イソシアネート
A)とを等モル比で混合し2重量%に希釈したメチルエ
チルケトン溶液(潤滑剤1)を、綿棒によって塗布し、
80℃で硬化させて保護被膜を形成して上記サンプルテ
ープを走行させた。
【0035】〔実施例2〜実施例4〕上記(一般式1)
で示される両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエ
ーテル系化合物と、上記(イソシアネートB)、(イソ
シアネートC)、(イソシアネートD)をそれぞれ混合
し、2重量部に希釈したメチルエチルケトン溶液(潤滑
剤2〜4)を用いて、上記実施例1と同様の方法により
保護被膜を形成し、上記サンプルテープを走行させた。
【0036】〔実施例5〕上記(一般式2)で示される
両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエー
テル系化合物と、上記(イソシアネートA)とを混合
し、2重量%に希釈したメチルエチルケトン溶液(潤滑
剤5)を用いて実施例1と同様の方法により保護被膜を
形成し、上記サンプルテープを走行させた。
【0037】〔実施例6〜実施例8〕上記(一般式2)
で示される両末端にカルボキシル基を有するパーフルオ
ロポリエーテル系化合物と、上記(イソシアネート
B)、(イソシアネートC)、(イソシアネートD)を
それぞれ等モル比で混合し、2重量部に希釈したメチル
エチルケトン溶液(潤滑剤6〜8)を用いて、実施例1
と同様の方法により保護被膜を形成し、上記サンプルテ
ープを走行させた。
【0038】〔実施例9〕上記(一般式1)で示される
両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化
合物と、上記(イソシアネートA)とを等モル比で混合
し2重量%に希釈したメチルエチルケトン溶液(潤滑剤
9)を綿棒によって塗布し、100℃で硬化させて保護
被膜を形成して、上記サンプルテープを走行させた。
【0039】〔実施例10〕上記(一般式1)で示され
る両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系
化合物と、上記(イソシアネートA)とを等モル比で混
合し2重量%に希釈したメチルエチルケトン溶液(潤滑
剤10)を綿棒によって塗布し、200℃で硬化させて
保護被膜を形成して、上記サンプルテープを走行させ
た。
【0040】上記実施例1〜実施例10に示したパーフ
ルオロポリエーテル系化合物のパーフルオロポリエーテ
ル基と、その末端基と、使用したイソシアネート、およ
び保護被膜を硬化させる温度を(表1)に示す。
【0041】
【表1】
【0042】〔比較例1〕上記(一般式2)で示される
両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエー
テル系化合物をパーフルオロヘキサンに溶解させ、2重
量%に希釈した溶液を用いて、実施例1と同様の方法に
より保護被膜を形成して、上記サンプルテープを走行さ
せた。
【0043】〔比較例2〕上記(一般式1)で示される
両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化
合物をパーフルオロオクタンに溶解させ、2重量%に希
釈した溶液を用いて、実施例1と同様の方法により保護
被膜を形成して、上記サンプルテープを走行させた。
【0044】〔比較例3〕保護被膜を形成しない、ブラ
ンク磁気ヘッドを用いて、実施例1と同様の方法により
上記サンプルテープを走行させた。
【0045】〔比較例4〕上記(一般式1)で示される
両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化
合物と、上記(イソシアネートA)とを等モル比で混合
し2重量%に希釈したメチルエチルケトン溶液(潤滑剤
11)を綿棒によって塗布し、60℃で硬化させて保護
被膜を形成して、上記サンプルテープを走行させた。
【0046】(比較例5)上記(一般式1)で示される
両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化
合物と、上記(イソシアネートA)とを等モル比で混合
し2重量%に希釈したメチルエチルケトン溶液(潤滑剤
12)を綿棒によって塗布し、70℃で硬化させて保護
被膜を形成して、上記サンプルテープを走行させた。
【0047】上記比較例4および比較例5に示したパー
フルオロポリエーテル系化合物のパーフルオロポリエー
テル基と、その末端基と、使用したイソシアネート、お
よび保護被膜を硬化させる温度を(表2)に示す。
【0048】
【表2】
【0049】〔実施例11〜実施例15〕上記(一般式
1)で示される両末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテル系化合物の、上記(イソシアネートA)に対
するモル比率(下記(表3)においてはRf /(イソシ
アネート)として表示する。)を0.33〜2.0の範
囲内で変化させて混合し、実施例1と同様の方法により
保護被膜を形成して、上記サンプルテープを走行させ
た。
【0050】
【表3】
【0051】〔比較例6〜9〕上記(一般式1)で示さ
れる両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
系化合物の、上記(イソシアネートA)に対するモル比
率(下記(表4)においてはRf /(イソシアネート)
として表示する。)を0.33〜2.0の範囲外で変化
させて混合し、実施例1と同様の方法により保護被膜を
形成して、上記サンプルテープを走行させた。
【0052】
【表4】
【0053】実施例1〜実施例15および比較例1〜比
較例9において、走行させた後のサンプルテープについ
てのレベルダウンに伴うエラーレートの増加、および磁
気ヘッドのブラウンステインを25℃で相対湿度60%
の条件において測定した。また、40℃で相対湿度80
%で3日間保存後のものについて同様に測定した。その
測定結果を(表5)に示す。ここで、(表5)中の○印
は、センダストコアによる磁気ヘッドのセンダスト部分
が汚れていない状態を示し、△印は少し汚れた状態を示
し、×印は半分以上の部分が変化した状態を示す。
【0054】
【表5】
【0055】(表5)中の、実施例1〜10と比較例1
〜3を比較すると上記(一般式1)で示される両末端に
水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物ある
いは上記(一般式2)で示される両末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物のいずれ
か一方のパーフルオロポリエーテル系化合物と、上記
(一般式3)で示されるポリイソシアネート系化合物と
を、等モル比に混合し、希釈した溶液を、磁気ヘッド上
に塗布し、その後、80℃以上の温度で熱硬化させ、保
護被膜を形成させた磁気ヘッドを使用した場合は、上記
(一般式2)で示される両末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテル系化合物を用い、保護被膜
を形成した場合、および(一般式1)で示される両末端
に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物を
用い、保護被膜を形成した場合、および保護被膜を形成
しない場合に比べ、エラーレートおよびブラウンステイ
ンを少なくすることができ、高温多湿環境下において保
存した後においても良好な値が得られることがわかる。
【0056】また、(表5)中の実施例1〜10と、比
較例4および比較例5とを比較すると、上記(一般式
1)で示される両末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテル系化合物あるいは上記(一般式2)で示され
る両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテル系化合物のいずれか一方のパーフルオロポリエー
テル系化合物と、上記(一般式3)で示されるポリイソ
シアネート系化合物とを、等モル比に混合し、希釈した
溶液を、磁気ヘッド上に塗布し、その後、80℃以上の
温度で熱硬化させ、保護被膜を形成させた磁気ヘッドを
使用した場合は、80℃よりも低い温度で熱硬化させ、
保護被膜を形成させた磁気ヘッドを使用した場合に比
べ、エラーレートおよびブラウンステインを少なくする
ことができ、高温多湿環境下において保存した後におい
ても良好な値が得られることがわかる。
【0057】なお、ここで、保護被膜の熱硬化温度につ
いては、80℃以上であれば良いが、磁気ヘッドの製造
上の制限から、磁気ヘッドの種類等の条件により異なる
ものの、例えば400℃〜500℃となる。
【0058】また、(表5)中の実施例1〜15と比較
例6〜9を比較すると、上記保護被膜中の上記(一般式
1)、あるいは上記(一般式2)で示されるパーフルオ
ロポリエーテル系化合物と、上記(一般式3)で示され
るポリイソシアネート系化合物とが、0.33から2.
0のモル比率により混合された溶液を磁気ヘッドに塗布
した(実施例1〜15)の場合には、上記モル比率によ
らず混合された(比較例6〜9)の場合に比べ、エラー
レートの増加を低く抑えことができ、磁気ヘッドのブラ
ウンステインを少なくすることができ、これらは高温多
湿環境下において保存した後においても良好な結果が得
られることがわかる。また、(表5)中の実施例11〜
15により、(一般式1)あるいは上記(一般式2)で
示されるパーフルオロポリエーテル系化合物と、上記
(一般式3)で示されるポリイソシアネート系化合物と
が、0.33から2.0のモル比率により混合された場
合、この比率の範囲内においては、パーフルオロポリエ
ーテル系化合物と、イソシアネートとの比率に依存せ
ず、良好な値が得られることがわかる。
【0059】なお、本発明による磁気ヘッドは、その対
象とする磁気記録媒体が、塗布型磁気記録媒体に限定さ
れることなく、金属薄膜型磁気記録媒体についても適用
することができる。また、本発明は、フェライトやセン
ダスト等の磁気ヘッドについても特に限定されることな
く、各種の磁気ヘッドに適用することができる。
【0060】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、両末端
に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物あ
るいは両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテル系化合物の少なくともいずれか一方と、ポリ
イソシアネート系化合物とを、混合した溶液を、磁気ヘ
ッド上に塗布し、その後、80℃以上の温度で熱硬化さ
せ、保護被膜を形成させたことにより、ブラウンステイ
ンや、ヘッドクロッグ等による磁気特性の劣化の抑制は
もとより、さらに耐久性に優れた磁気ヘッドを構成する
ことができた。
【0061】また、本発明による磁気ヘッドにおいて
は、上記保護被膜の形成により、磁気ヘッドに付着した
汚れを簡単に除去することができるようになり、磁気ヘ
ッドの磨耗の低減を図ることができ、さらに磁気ヘッド
に磁性粉等が、再付着することを防止することができる
とともに、その効果の長期にわたる持続性を確保するこ
とができた。
【0062】従って、本発明による磁気ヘッドを用いる
ことによって、磁気記録システムの信頼性を長期にわた
り保つことができるようになった。また、磁気ヘッドの
他の部分を侵さずにクリーニングが可能となった。ヘッ
ドクロック等の磁気記録システムの劣化が少なくなり、
機器のメンテナンスが円滑に行うことができるようにな
った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(一般式1)で示される両末端に水
    酸基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物あるい
    は、下記(一般式2)で示される両末端にカルボキシル
    基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物の少なく
    ともいずれか一方と、下記(一般式3)で示されるポリ
    イソシアネート系化合物との混合溶液を、磁気ヘッド上
    に塗布し、その後、熱硬化させ、保護被膜を形成させた
    ことを特徴とする磁気ヘッド。 (一般式1) HO−CH2 CF2 −Rf −CF2 CH2 OH (一般式2) HO−CO−CF2 −Rf −CF2 COOH 但し、Rf は、パーフルオロポリエーテル基を示す。 (一般式3) O=CN−R−(NCO)n ここで、Rは、脂肪族あるいは芳香族の炭化水素を介し
    てイソシアネート基と結合可能なものであり、nについ
    ては、1以上の整数を示す。
  2. 【請求項2】 上記保護被膜中の上記(一般式1)、あ
    るいは(一般式2)で示されるパーフルオロポリエーテ
    ル系化合物と、上記(一般式3)で示されるポリイソシ
    アネート系化合物とが、0.33から2.0のモル比率
    により混合されるものであることを特徴とする請求項1
    に記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】上記保護被膜の熱硬化を80℃以上の温度
    で行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
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